JP2012248726A - 超電導コイルおよび超電導マグネット - Google Patents

超電導コイルおよび超電導マグネット Download PDF

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Abstract

【課題】冷却ヘッドの故障を防止しつつコイル部の冷却効率を高めることができる、超電導コイルおよび超電導マグネットを提供する。
【解決手段】コイル部10は、超電導線が巻き回されることによって形成されている。冷却ヘッド20はコイル部10を冷却するためのものである。伝熱部30はコイル部10および冷却ヘッド20を互いにつないでいる。伝熱部30はコイル部10に第1の位置で取り付けられた第1の伝熱板31aを含む。第1の伝熱板31aは積層板である。
【選択図】図2

Description

本発明は、超電導コイルおよび超電導マグネットに関する。
特開平11−186025号公報によれば、積層された第1および第2のパンケーキコイルと、第1のパンケーキコイルおよび第2のパンケーキコイルの間に介在するように設けられた冷却板とを有する超電導コイルが開示されている。冷却板は熱伝導バーを介して冷却ヘッドに接続されている。
特開平11−186025号公報
上記公報に記載の技術においては、積層された第1および第2のコイル(コイル部)と、冷却ヘッドとの間が、冷却板(伝熱板)および熱伝導バーによってつながれている。コイル部と冷却ヘッドとの間の相対位置は、様々な要因によって変動する。この要因は、たとえば、熱膨張収縮の差異、冷却ヘッドを駆動するためのコンプレッサによる振動、コイル部と、コイル部によって磁界が印加される対象との磁気的相互作用などである。この相対位置の変動に起因して、コイル部から冷却ヘッドへ荷重が加わる。
コイル部を効率的に冷却するためには、伝熱板の熱抵抗を小さくする必要がある。このための単純な方法として、伝熱板の厚さを厚くすることが考えられる。しかしながら伝熱板の厚さを単純に厚くすると、コイル部と冷却ヘッドとの間の相対位置が変化しにくくなるので、コイル部から冷却ヘッドへ加わる荷重が大きくなる。一般に冷却ヘッドは外部からの荷重に弱く、この荷重が過度に大きくなると冷却ヘッドが故障することがある。
そこで、本発明の目的は、冷却ヘッドの故障を防止しつつコイル部の冷却効率を高めることができる、超電導コイルおよび超電導マグネットを提供することである。
本発明の超電導コイルは、コイル部と、冷却ヘッドと、伝熱部とを有する。コイル部は、超電導線が巻き回されることによって形成されている。冷却ヘッドはコイル部を冷却するためのものである。伝熱部はコイル部および冷却ヘッドを互いにつないでいる。伝熱部はコイル部に第1の位置で取り付けられた第1の伝熱板を含む。第1の伝熱板は積層板である。
本発明の超電導コイルによれば、第1の伝熱板が積層板であることにより、積層板を構成する複数の単層板のうちの1つのみによって第1の伝熱板が構成される場合に比して、第1の伝熱板の熱抵抗を小さくすることができる。これによりコイル部に生じる熱を冷却ヘッドによってより効率よく除去することができる。また積層板の全体厚さと同じ厚さを有する単層板によって第1の伝熱板が構成される場合に比して、第1の伝熱板の可撓性が大きくなるので、第1の伝熱板を介して冷却ヘッドがコイル部から受ける荷重を小さくすることができる。これにより、コイル部からの荷重が加わることによる冷却ヘッドの故障を防止することができる。以上のように、冷却ヘッドの故障を防止しつつコイル部の冷却効率を高めることができる。
好ましくは伝熱部は第2の伝熱板を含む。第2の伝熱板はコイル部に、第1の位置から離れた第2の位置で取り付けられている。第2の伝熱板は第1の伝熱板よりも薄い。
これにより第1の伝熱板に比して第2の伝熱板の可撓性を大きくすることができるので、コイル部からの荷重が第2の伝熱板を介して加わることによる冷却ヘッドの故障を防止することができる。
好ましくは第2の伝熱板は、第1の伝熱板の積層数よりも少ない積層数を有する積層板、および単層板のいずれかである。
これにより、第2の伝熱板が第1の伝熱板の積層数と同じ積層数を有する場合に比して、第2の伝熱板としての積層板を構成する複数の単層板の各々または第2の伝熱板としての単層板の厚さが薄くなり過ぎることを避けることができる。これにより第2の伝熱板を容易に形成することができる。
コイル部は磁束が通過する端部を有してもよく、この場合、上記第1の位置は上記第2の位置に比してコイル部の端部に近いことが好ましい。
これにより、垂直磁場に起因した発熱が多くなりやすいコイル部の端部から、熱抵抗の小さい第1の伝熱板によって効率よく熱を除去することができる。
伝熱部は固定具を有する。固定具は、冷却ヘッドに取り付けられており、かつ第1の伝熱板および第2の伝熱板を共に把持している。
これにより、第1および第2の伝熱板の各々の冷却ヘッドへの接続を、熱抵抗を抑えつつ簡単な構造によるものとすることができる。
冷却ヘッドは冷却可能な端部を有する。冷却ヘッドの端部は端面および端面を取り囲む側面を有する。固定具は冷却ヘッドの側面と接触している。
これにより、冷却ヘッドの端部をより有効に利用し得るので、冷却効率を高めることができる。
本発明の超電導マグネットは、上記の超電導コイルと、断熱容器とを有する。断熱容器は超電導コイルを収めている。
本発明の超電導マグネットによれば、冷却ヘッドの故障を防止しつつコイル部の冷却効率を高めることができる。
上述したように、本発明によれば、冷却ヘッドの故障を防止しつつコイル部の冷却効率を高めることができる。
本発明の一実施の形態における超電導マグネットの構成を概略的に示す断面図である。 図1の超電導マグネットが有する超電導コイルの構成を概略的に示す図であり、図3の線II−IIに沿う断面図である。 図2の超電導コイルの構成を概略的に示す上面図である。 図2の超電導コイルが有するダブルパンケーキコイルの構成を概略的に示す斜視図である。 図4の線V−Vに沿う概略断面図である。 図4のダブルパンケーキコイルに用いられている超電導線の構成を概略的に示す一部斜視図である。 図2の超電導コイルが有する冷却ヘッドの構成を概略的に示す一部斜視図である。 図2の超電導コイルが有する、積層板からなる伝熱板の構成を概略的に示す一部断面図である。 図2の超電導コイルが有する、単層板からなる伝熱板の構成を概略的に示す一部断面図である。 変形例の超電導コイルの構成を概略的に示す上面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1を参照して、本実施の形態の超電導マグネット100は、超電導コイル91と、断熱容器111と、冷却装置121と、ホース122と、コンプレッサ123と、ケーブル131と、電源132とを有する。断熱容器111は超電導コイル91を収めている。本実施の形態においては、磁場が印加される試料(図示せず)を収めるための磁場印加領域SCが断熱容器111内に設けられている。
図2および図3を参照して、超電導コイル91は、コイル部10と、冷却ヘッド20と、伝熱部30と、芯部81とを有する。伝熱部30は伝熱板群31および固定具32を有する。伝熱板群31は伝熱板31a〜31eから構成されている。
コイル部10は、超電導線14(図6)が巻き回されることによって形成されており、磁束MFを発生させるためのものである。またコイル部10は、磁束MFが通過する端部(図2における上端または下端)を有する。またコイル部10は、ダブルパンケーキコイル11a〜11mを有する。ダブルパンケーキコイル11a〜11mは、この順に並ぶように積層されている。軸方向Aa(図2)は積層方向に対応しており、径方向Arは積層方向に垂直な方向に対応している。
冷却ヘッド20は、コイル部10を冷却するためのものであり、冷却可能な端部21と、端部21および冷却装置121(図1)とをつなぐ接続部22とを有する。
伝熱板群31の各々はコイル部10に取り付けられている。固定具32は冷却ヘッド20の端部21に取り付けられている。固定具32は伝熱板群31を把持している。伝熱板群31のうち固定具32に把持されている部分において、伝熱板31a〜伝熱板31eは互いに直接積層されている。このような構造によって、伝熱部30はコイル部10および冷却ヘッド20を互いにつないでいる。
コイル部10と冷却ヘッド20との間の相対位置は、様々な要因によって変動し得る。この要因は、たとえば、熱膨張収縮の差異、冷却ヘッド20を駆動するためのコンプレッサ123(図1)による振動、コイル部10とコイル部10によって磁界が印加される試料との磁気的相互作用などである。この変動に起因してコイル部10から冷却ヘッド20へ荷重が加わり得る。冷却ヘッド20が耐え得る荷重は、たとえば100(N)程度までである。
コイル部10と、伝熱板群31のコイル部10に取り付けられた部分とは、伝導板とパンケーキコイルとが交互に積層された構成を有している。伝熱板31aは、コイル部10の両端において、ダブルパンケーキコイル11aおよび11mの各々の位置に取り付けられている。伝熱板31bは、ダブルパンケーキコイル11aおよび11bの間と、ダブルパンケーキコイル11mおよび11lの間との各々の位置に取り付けられている。伝熱板31cは、ダブルパンケーキコイル11bおよび11cの間と、ダブルパンケーキコイル11lおよび11kの間との各々の位置に取り付けられている。伝熱板31dは、ダブルパンケーキコイル11cおよび11dの間と、ダブルパンケーキコイル11kおよび11jの間との各々の位置に取り付けられている。伝熱板31eは、ダブルパンケーキコイル11eおよび11fの間と、ダブルパンケーキコイル11jおよび11iの間と、ダブルパンケーキコイル11fおよび11gの間との各々の位置に取り付けられている。
言い換えると、伝熱板31a〜31eはこの順に、コイル部10のより端部に近い位置に取り付けられている。また伝熱板31a〜31eのそれぞれは、コイル部10における互いに離れた位置に取り付けられている。
伝熱板31a〜31eの材料は、熱伝導率および可撓性が大きい材料が好ましく、たとえばアルミニウム(Al)または銅(Cu)である。Al(またはCu)の純度は99.9%以上が好ましい。
伝熱板31a〜31eは、固定具32まで延びることができるように、折曲部FDを有してもよい。
固定具32は、部材32aおよび32bと、ねじ34aおよび34bとを有する。ねじ34aは、部材32aおよび32bの間の隙間を調整することができるように設けられている。部材32aおよび32bの間の隙間に伝熱板群31が挟まれており、かつねじ34aが締め付けられていることによって、伝熱板群31が固定具32に把持されている。すなわち伝熱板31a〜31eが共に固定具32に把持されている。ねじ34bは、部材32aおよび32bの各々が冷却ヘッド20の端部21の側面SDを締め付けることができるように設けられている。これにより固定具32は冷却ヘッド20の端部21に取り付けられている。
図4および図5を参照して、ダブルパンケーキコイル11aは、互いに積層されたパンケーキコイル12aおよび12bを有する。パンケーキコイル12aにおける超電導線14の巻き回し方向Waと、パンケーキコイル12bにおける超電導線14の巻き回し方向Wbとは互いに逆である。パンケーキコイル12aの内周側に位置する超電導線14の端部ECiと、パンケーキコイル12bの内周側に位置する超電導線の端部ECiとは、互いに電気的に接続されている。これにより、パンケーキコイル12aの外周側に位置する超電導線14の端部ECoと、パンケーキコイル12bの外周側に位置する超電導線14の端部ECoとの間で、パンケーキコイル12aおよび12bは互いに直列に接続されている。
ダブルパンケーキコイル11b〜11mの各々もダブルパンケーキコイル11aと同様の構成を有する。ダブルパンケーキコイル11a〜11mのうち互いに隣り合うものの各々の端部ECoは互いに電気的に接続されている。これにより、ダブルパンケーキコイル11a〜11mは互いに直列に接続されている。
図6を参照して、超電導線14は、厚さ方向Atにおける寸法である厚さDtと、軸方向Aaにおける寸法である幅Dwとを有し、延在方向Aeに沿って延在している。幅Dwは厚さDtよりも大きく、よって超電導線14は幅Dwを有する帯状面SFを有する。超電導線14は、帯状面SFに垂直な磁場(垂直磁場)が印加されるほど交流損失が増大するような特性を有する。
たとえば、厚さDtは0.2mm程度、幅Dwは4mm程度である。またたとえば超電導線14は、延在方向に延びるBi系超電導体と、この超電導体を被覆するシースとを有する。シースは、たとえば銀や銀合金よりなっている。
図7を参照して、冷却ヘッド20の端部21は端面BMおよび端面BMを取り囲む側面SDを有する。冷却ヘッド20は、たとえば円筒形状を有する。
図8を参照して、伝熱板31aは、厚さT31aを有する積層板であり、好ましくは、同一の厚さを有する単層板11が積層されることによって形成されている。伝熱板31b〜31d(図2)の各々も積層板である。伝熱板31a〜31dの各々の厚さは、コイル部10の端部(図2における上端または下端)に近いほど大きい。伝熱板31a〜31dの厚さは、たとえば、各積層板を構成する単層板11の数によって調整することができる。この場合、伝熱板31a〜31dの各々の積層数は、コイル部10の端部に近いほど大きい。
各単層板11の厚さは、十分な可撓性を確保するために、好ましくは1mm以下であり、より好ましくは0.5mm以下である。
図9を参照して、伝熱板31eは、上記厚さT31aよりも小さい厚さT31eを有する単層板である。好ましくは伝熱板31eは、図9に示すように、単独の単層板11によって構成されている。
図10を参照して、上述した伝熱板31a(図3)の代わりに、渦損抑制のための絶縁部41および42が挿入された伝熱板31aVが用いられてもよい。絶縁部41は、コイル部10の径方向に沿って伝熱板31aVに形成されたスリットに挿入されている。絶縁部42は、コイル部10の周方向に沿って伝熱板31aVに形成されたスリットに挿入されている。絶縁部41および42の材料は、たとえばガラス繊維強化プラスチック(GFRP)である。
本実施の形態によれば、伝熱板31aが積層板(図8)であることにより、積層板を構成する複数の単層板11のうちの1つのみによって伝熱板が構成される場合に比して、伝熱板の熱抵抗を小さくすることができる。これによりコイル部10に生じる熱を冷却ヘッド20によってより効率よく除去することができる。またこの積層板の全体厚さと同じ厚さを有する単層板によって伝熱板が構成される場合に比して、伝熱板の可撓性が大きくなるので、伝熱板を介して冷却ヘッド20がコイル部10から受ける荷重を小さくすることができる。これにより、コイル部10からの荷重が加わることによる冷却ヘッド20の故障を防止することができる。以上のように本実施の形態の超電導コイル91によれば、冷却ヘッド20の故障を防止しつつコイル部10の冷却効率を高めることができる。
また伝熱板31b〜31dの各々が積層板であることによっても、上記と同様の作用効果が得られる。
また伝熱板群31は、第1の伝熱板と、この第1の伝熱板よりも薄い第2の伝熱板とを有する。たとえば伝熱板31aが第1の伝熱板であるとすれば、伝熱板31b〜31eの各々が第2の伝熱板に対応する。あるいは伝熱板31bが第1の伝熱板であるとすれば、伝熱板31c〜31eの各々が第2の伝熱板に対応する。これにより第1の伝熱板に比して第2の伝熱板の可撓性を大きくすることができるので、コイル部10からの荷重が第2の伝熱板を介して加わることによる冷却ヘッド20の故障を防止することができる。
また第2の伝熱板は、第1の伝熱板の積層数よりも少ない積層数を有する積層板、および単層板のいずれかである。これにより、第2の伝熱板が第1の伝熱板の積層数と同じ積層数を有する場合に比して、第2の伝熱板としての積層板を構成する複数の単層板の各々または第2の伝熱板としての単層板の厚さが薄くなり過ぎることを避けることができる。これにより第2の伝熱板を容易に形成することができる。
またコイル部10の端部に近い位置には、厚さが厚いことによって熱抵抗が小さくされた第1の伝熱板が取り付けられている。これにより、垂直磁場に起因した発熱が多くなりやすいコイル部10の端部から、熱抵抗の小さい第1の伝熱板によって効率よく熱を除去することができる。
また固定具32は、冷却ヘッド20に取り付けられており、かつ伝熱板31a〜31eを共に把持している。これにより、伝熱板31a〜31eの冷却ヘッド20への接続を、熱抵抗を抑えつつ簡単な構造によるものとすることができる。
また固定具32は冷却ヘッド20の側面SDと接触している。これにより、冷却ヘッド20の端部21をより有効に利用し得るので、冷却効率を高めることができる。
コイル部10を構成するダブルパンケーキコイル11a〜11mの各々において発生する熱量をシミュレーションした。またダブルパンケーキコイル11a〜11mの各々と、冷却ヘッド20に取り付けられた固定具32との間の温度差をシミュレーションした。この温度差が大きいダブルパンケーキコイルは、より高温となる。なおダブルパンケーキコイル11a〜11mの温度は、伝熱板群31が引き出されている側(図2におけるコイル部10右側面)における値を用いた。
伝熱板群31(図2)は、厚さ0.5mmのAl板を用いて準備した。伝熱板31a〜31dとしては、Al板を積層することによって形成された積層板を用いた。伝熱板31aから31dのそれぞれの積層数は、7、5、3および2とされた。伝熱板31eとしては、Al板の単層板を用いた。Al板の材料としては純度99.999%のAlを用いた。コイル部10および固定具32の間において、伝熱板31a〜31eの各々の幅(図10における縦方向の寸法)は50mm、長さ(図10における横方向の寸法)は200mmとされた。
シミュレーションの結果を以下に示す。
Figure 2012248726
ダブルパンケーキコイル11a〜11mは、コイル部10の端部により近いほど(表1において最も上の行または最も下の行に近いほど)熱量が大きくなった。この理由は、図2の磁束MFの向きから分かるように、コイル部10の端部に近いほど垂直磁場が大きくなることに起因すると考えられる。
ダブルパンケーキコイル11a〜11eの各々の温度差はおおよそ10(K)程度であり、大きな差異はなかった。つまり、ダブルパンケーキコイル11a〜11eの各々の熱量が大きく異なるにもかかわらず、ダブルパンケーキコイル11a〜11eの間の温度差を抑制することができた。
また上記の伝熱板群31と、固定具32との各々の熱抵抗のシミュレーションも行った。固定具32(図2)のうち伝熱板群31を把持する部分において、部材32aおよび32bの各々は、厚さ42mmおよび長さ50mmの寸法を有するものとした。また固定具32の材料は銅とした。この結果、伝熱板群31の熱抵抗は0.055(K/W)であり、固定具32の熱抵抗は0.005(K/W)であった。すなわち固定具32による熱抵抗は十分に小さくすることができた。
コイル部10と冷却ヘッド20との間の距離が1mm変動した場合に冷却ヘッド20に加わる荷重をシミュレーションした。本シミュレーションは伝熱板群31において積層板が用いられることの影響を調べることを目的に行われたので、各シミュレーション条件において伝熱板31a〜31eの各々は同様の構成を有するものとされた。
また本シミュレーションは伝熱板群31として、上述したAl板を用いた場合に加えて、Cu板を用いた場合についても行われた。積層数の条件は3つとされた。第1の条件は積層数が6であり、厚さ0.5mmの単層板を6つ有する積層板に対応する。第2の条件は積層数が3であり、厚さ1.0mmの単層板を3つ有する積層板に対応する。第3の条件は積層数が1であり、厚さ3.0mmの単層板に対応する。結果を以下に示す。
Figure 2012248726
この結果から、各伝熱板の全体厚さを確保しつつ(この場合、厚さ3mmを維持しつつ)、積層数を増やすことによって、冷却ヘッド20に加わる荷重を小さくすることができることがわかった。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10 コイル部、11a〜11m ダブルパンケーキコイル、11 単層板、12a,12b パンケーキコイル、14 超電導線、20 冷却ヘッド、21 端部、22 接続部、30 伝熱部、31 伝熱板群、31a〜31e,31aV 伝熱板、32 固定具、32a,32b 部材、41,42 絶縁部、81 芯部、91 超電導コイル、100 超電導マグネット、111 断熱容器、121 冷却装置、123 コンプレッサ、132 電源、BM 端面、FD 折曲部、SC 磁場印加領域、SD 側面、SF 帯状面。

Claims (7)

  1. 超電導線が巻き回されることによって形成されたコイル部と、
    前記コイル部を冷却するための冷却ヘッドと、
    前記コイル部および前記冷却ヘッドを互いにつなぐ伝熱部とを備え、
    前記伝熱部は前記コイル部に第1の位置で取り付けられた第1の伝熱板を含み、前記第1の伝熱板は積層板である、超電導コイル。
  2. 前記伝熱部は、前記コイル部に前記第1の位置から離れた第2の位置で取り付けられた第2の伝熱板を含み、前記第2の伝熱板は前記1の伝熱板よりも薄い、請求項1に記載の超電導コイル。
  3. 前記第2の伝熱板は、前記第1の伝熱板の積層数よりも少ない積層数を有する積層板、および単層板のいずれかである、請求項2に記載の超電導コイル。
  4. 前記コイル部は磁束が通過する端部を有し、前記第1の位置は前記第2の位置に比して前記端部に近い、請求項2または3に記載の超電導コイル。
  5. 前記伝熱部は、前記冷却ヘッドに取り付けられかつ前記第1の伝熱板および前記第2の伝熱板を共に把持する固定具を有する、請求項2〜4のいずれか1項に記載の超電導コイル。
  6. 前記冷却ヘッドは冷却可能な端部を有し、前記冷却ヘッドの前記端部は端面および前記端面を取り囲む側面を有し、
    前記固定具は前記冷却ヘッドの前記側面と接触している、請求項5に記載の超電導コイル。
  7. 請求項1に記載の超電導コイルと、
    前記超電導コイルが収められる断熱容器とを備える、超電導マグネット。
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