JP6327794B2 - 超電導コイル装置 - Google Patents

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Description

本発明は、超電導コイル装置に関するものである。
巻枠に超電導テープ線を巻き回してなるパンケーキコイルを複数軸方向に積層した超電導コイルは、超電導コイルに電流を通電するために口出し電極を取り付ける必要がある。一般的に口出し電極は、電磁力の影響等を考慮してコイル外周部に取り付けられることが多いが、口出し電極を巻線部に直接取り付けてしまうと口出し電極を取り付けた箇所において、冷却時の熱応力や電磁力などの影響により局所的に力がはたらき、超電導コイルを劣化させてしまう場合がある。
このような超電導コイルの劣化を防止する観点から、コイル内周側に口出し電極を配置し、他の巻枠と固定することで、口出し電極の強度を高めている超電導コイル装置が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−174932号公報
しかしながら、特許文献1等に記載される口出し電極を内周側に取り付けた超電導コイル装置では、口出し電極に流れる電流が作る磁場により超電導コイルの中心部に発生する磁場がわずかながら乱れてしまう。例えば、磁気共鳴画像装置(Magnetic Resonance Imaging system:MRI)や核磁気共鳴装置(Nuclear Magnetic Resonance:NMR)等のより均一磁場を必要とする装置では、このようなわずかな磁場の乱れも抑えたいという要請がある。
また、上述した特許文献1等に記載される口出し電極を内周側に取り付けた超電導コイル装置では、内周側に口出し電極があるため、必要な空間(ボア)が小さくなってしまうという課題もある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、超電導コイルが劣化することを防止し、安定性を向上させつつ、磁場の乱れをより小さく抑え、かつ、ボアが小さくなるのを防止する超電導コイル装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態に係る超電導コイル装置は、上述した課題を解決するため、巻枠に超電導テープ線を巻き回してなるパンケーキコイルを前記パンケーキコイルの軸方向に複数積層し、前記パンケーキコイルの各々を電気的に接続して構成される超電導コイル装置であり、前記軸方向の両端部に配置されたパンケーキコイルの前記巻枠に取り付けられ、前記超電導テープ線と電気的に接続されるコイル電極と電気的に接続される口出し電極が前記パンケーキコイルの周方向へ動くのを防止するカバーを、前記複数積層したパンケーキコイルで構成されるパンケーキコイル群の軸方向の両端部に位置する面のうち、少なくとも一方の面にさらに設け、前記口出し電極は、前記パンケーキコイルの内周側から外周側にわたして配置され、前記カバーによって保持されることを特徴とする。
本発明によれば、超電導コイルが劣化することを防止し、安定性を向上させつつ、磁場の乱れをより小さく抑え、かつ、必要な空間(ボア)が小さくなるのを防止することができる。
本発明の実施形態に係る超電導コイルを形成する際に使用される超電導線材(超電導テープ線)の構成図。 本発明の実施形態に係る超電導コイル装置に適用される超電導コイル(シングルパンケーキコイル)の構成を示す構成図であり、(A)が平面図(上面図)、(B)が正面図。 本発明の実施形態に係る超電導コイル装置に適用される超電導コイル(ダブルパンケーキコイル)の構成を示す構成図であり、(A)が平面図(上面図)、(B)が正面図。 本発明の第1の実施形態に係る超電導コイル装置の構成を示す構成図であり、(A)が上面図、(B)が正面図、(C)が下面図。 本発明の実施形態に係る超電導コイル装置の口出し電極の変形例を示す概略図であり、図4(B)に示される矢印Xおよび矢印Yの方向から見た矢視図。 本発明の第2の実施形態に係る超電導コイル装置の構成を示す構成図であり、(A)が上面図、(B)が正面図、(C)が下面図。 本発明の第2の実施形態に係る超電導コイル装置において、軸方向の端部に位置するパンケーキコイルの端面に設けられるカバーの平面図。 本発明の第3の実施形態に係る超電導コイル装置の構成を示す構成図であり、(A)が上面図、(B)が正面図、(C)が下面図。 本発明の第4の実施形態に係る超電導コイル装置の構成を示す構成図であり、(A)が上面図、(B)が正面図、(C)が下面図。
以下、本発明の実施形態に係る超電導コイル装置について、添付の図面を参照して説明する。なお、以下の記載において、上、下、左、右等の方向を示す用語は、図示の状態、または通常の使用状態において使用される用語である。
<超電導線材>
本発明の実施形態に係る超電導コイル装置を説明するのに先立ち、まず、本発明の実施形態に係る超電導コイル装置に適用される超電導コイル(シングルパンケーキコイル,ダブルパンケーキコイル)を形成する際に巻き回す超電導線材について説明する。
図1は本発明の実施形態に係る超電導コイルを形成する際に使用される超電導線材の一例である超電導テープ線(薄膜超電導線材)1の構成図である。
超電導テープ線1は、所定の幅をもつ多層の線材で構成されており、少なくとも、テープ基板2と、中間層3と、超電導層4とを有し、その両面が安定化層5で被覆されている。また、薄膜超電導線材1は、必要に応じて、テープ基板2と中間層3との間に配向層6を、超電導層4と安定化層5との間に保護層7を設けることができる。
テープ基板2は、例えば、ステンレス鋼、ハステロイ(登録商標)等のニッケル合金、銀合金等の材質で形成される。
中間層3は、拡散防止層であり、例えば、酸化セリウム、ZrO−Y(YSZ)、酸化マグネシウム、酸化イットリウム、酸化イッテルビウム、バリウムジルコニアなどの材質からなり、テープ基板2の上に形成される。
超電導層4は、例えば、RE123系の組成(RE 等)を有する超電導体薄膜からなる。なお、「RE 」の「RE」は希土類元素(例えば、ネオジム(Nd)、ガドリニウム(Gd)、ホルミニウム(Ho)、サマリウム(Sm)等)及びイットリウム元素の少なくともいずれかを、「B」はバリウム(Ba)を、「C」は銅(Cu)を、「O」は酸素(O)を意味している。
安定化層5は、超電導層4に過剰に電気が流れた場合に超電導層4が燃焼するのを防止する目的で設けられ、導電性の銀や銅等から形成される。
配向層6は、テープ基板2上に中間層3を配向させて形成する目的で設けられ、酸化マグネシウム(MgO)等から形成される。なお、配向した基板を用いる場合には省略することができる。
保護層7は、超電導層4が空気中の水分に触れて劣化するのを防止する等の目的で設けられ、銀等から形成される。なお、保護層7も超電導層4に過剰に電気が流れた場合に超電導層4が燃焼するのを防止する役割も果たす。
このような多層からなる超電導テープ線1のテープ幅は、例えば3mm〜12mm、厚さは0.1〜0.2mmとされる。また、超電導テープ線1は、長手方向の機械強度に優れている一方、薄膜の積層方向、すなわちテープ面垂直方向の引張応力(剥離応力)には脆弱である。
<超電導コイル>
続いて、上述した超電導線材1を巻回して形成され、本発明の実施形態に係る超電導コイル装置に適用される超電導コイル(シングルパンケーキコイル,ダブルパンケーキコイル)について説明する。
図2および図3は、本発明の実施形態に係る超電導コイル装置に適用される超電導コイルの構成を示す構成図であり、より詳細には、図2(A)が超電導コイルの一例であるシングルパンケーキコイル10Aの平面図(上面図)、図2(B)がシングルパンケーキコイル10Aの正面図、図3(A)が超電導コイルの一例であるダブルパンケーキコイル10Bの平面図(上面図)、図3(B)がダブルパンケーキコイル10Bの正面図である。
シングルパンケーキコイル10Aは、繊維強化プラスチック(Fiber Reinforced Plastics:FRP)などの絶縁物で構成された巻枠11に取り付けられるコイル電極12と電気的に接続される超電導テープ線1(図1)を巻き回してなる巻線部13を1個有する超電導コイルである。また、ダブルパンケーキコイル10Bは、巻枠11に超電導テープ線1を巻き回してなる巻線部13を2個有する超電導コイルである。
パンケーキコイル10A,10Bは、巻回後、形状の保持や強度および真空中での伝熱性の向上のためエポキシ樹脂等の樹脂により含浸される。
本発明の実施形態に係る超電導コイル装置は、上述した超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A,ダブルパンケーキコイル10B)を少なくとも2個配置して構成され、配置される超電導コイルのうち、超電導コイルの軸方向の両端部に位置する2個の超電導コイルはシングルパンケーキコイル10Aによって構成される。
なお、両端部に位置する2個のシングルパンケーキコイル10A以外の超電導コイル、すなわち、両端部に位置する2個のシングルパンケーキコイル10Aの間に配置される超電導コイルは、シングルパンケーキコイル10Aでもダブルパンケーキコイル10Bでも良い。
<超電導コイル装置>
続いて、本発明の各実施形態に係る超電導コイル装置について説明する。
[第1の実施形態]
図4は本発明の第1の実施形態に係る超電導コイル装置の一例である超電導コイル装置20Aの構成を示す構成図である。より詳細には、図4(A)が超電導コイル装置20Aの上面図、図4(B)が超電導コイル装置20Aの正面図、図4(C)が超電導コイル装置20Aの下面図である。
超電導コイル装置20Aは、上述したパンケーキコイルの一例であるシングルパンケーキコイル10Aを、軸方向に複数個(図4に示される例では4個)積層し、シングルパンケーキコイル10Aの各々を内側電極23および外側電極24を介して電気的に接続して構成される。
また、超電導コイル装置20Aは、シングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側に渡して(引き出されて)外周側に配置される口出し電極25(25a,25b)を備える。口出し電極25a,25bは、それぞれ、積層されるシングルパンケーキコイル10Aの軸方向の両端部に配置されたシングルパンケーキコイル10Aのコイル電極12と電気的に接続される。
ここで、符号25aは上端側に位置する口出し電極25である上端側口出し電極25であり、符号25bは下端側に位置する口出し電極25である下端側口出し電極である。以下の説明では、両者を特に区別する必要が無い場合、単に口出し電極25と称する。
このように構成される超電導コイル装置20Aでは、口出し電極25a,25bがコイル電極12と電気的に接続され、巻線部13と口出し電極25とが直接触れないように構成されている。
また、超電導コイル装置20Aでは、口出し電極25a,25bがシングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側に引き出されて(外周側)に配置され、内周側には必要な空間(ボア)が確保される。
超電導コイル装置20Aによれば、巻線部13と口出し電極25とが直接触れないため、巻線部13に力が加わることを防止することができ、超電導コイル装置20Aを構成する超電導コイル(図4に示される例では、シングルパンケーキコイル10A)が劣化することを防止できる。
超電導コイル装置20Aによれば、口出し電極25a,25bがシングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側に引き出されて外周側に配置されるので、磁場の影響が小さい箇所に口出し電極25を配置することができる。また、内周側に口出し電極が配置されることによってボアが狭小化するのを回避することができる。
故に、超電導コイル装置20Aでは、超電導コイルが劣化することを防止し、安定性を向上させつつ、磁場の乱れをより小さく抑え、かつ、ボアが小さくなるのを防止することができる。
なお、図4に示される超電導コイル装置20Aは、シングルパンケーキコイル10Aが4個積層される例であるが、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置において、積層されるシングルパンケーキコイル10Aの個数は、図示される個数に限定されるものではなく、少なくとも2個であれば任意である。
また、図4に示される超電導コイル装置20Aでは、内側電極23および外側電極24を図示する観点から、シングルパンケーキコイル10Aの周方向に対する位相を揃えているが、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置では、これらの位相は任意である。
さらに、図4に示される超電導コイル装置20Aでは、シングルパンケーキコイル10Aのコイル電極12と口出し電極25a,25bとが、ぞれぞれ、独立して構成されているが、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置では、シングルパンケーキコイル10Aのコイル電極12と口出し電極25a、およびコイル電極12と口出し電極25bを一体的に構成しても良い。
口出し電極25(25a,25b)をコイル電極12と一体化させた電極を適用することで、シングルパンケーキコイル10Aが完成した後に口出し電極25を取り付けるための加熱処理を行う必要がなくなるとともに、コイル電極12と口出し電極25との間の接続抵抗を減少させることができる。
さらにまた、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置において、口出し電極25(25a,25b)の代わりに、口出し電極27(図5)を適用しても良い。
図5は本発明の実施形態に係る超電導コイル装置の口出し電極25の変形例である口出し電極27を示す概略図であり、図4(B)に示される矢印Xおよび矢印Yの方向から見た矢視図である。
口出し電極27は、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置の外周側に位置する口出し電極25(25a,25b)の面に、超電導線26をハンダ等のろう材(電気的接続材料)を用いて電気的に接続して構成される。
このように構成される口出し電極27を口出し電極25の代わりに用いることで、超電導線26により口出し電極27で発生する発熱が低減される。
また、口出し電極27が薄い形状で電気抵抗が大きくなってしまう場合でも、超電導線26の抵抗は限りなくゼロに近いため、口出し電極27で発生する発熱を低減することができる。
従って、超電導コイル装置20A等の本発明の実施形態に係る超電導コイル装置では、口出し電極25の代わりに口出し電極27を適用することで、通電した場合に口出し電極27の発熱による温度上昇を抑えることができ、安定性を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図6は本発明の第2の実施形態に係る超電導コイル装置の一例である超電導コイル装置20Bの構成を示す構成図である。より詳細には、図6(A)が超電導コイル装置20Bの上面図、図6(B)が超電導コイル装置20Bの正面図、図6(C)が超電導コイル装置20Bの下面図である。
また、図7は超電導コイル装置20Bにおいて、軸方向の端部に位置するパンケーキコイルの端面に設けられるカバーの平面図である。
超電導コイル装置20Bは、超電導コイル装置20Aに対して、超電導コイル装置20Aの軸方向の両端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aの少なくとも一方の端部に、カバー31をさらに設けている点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、超電導コイル装置20Aと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
超電導コイル装置20Bは、超電導コイル装置20Aと同様に、例えば、4個のシングルパンケーキコイル10A等、複数のパンケーキコイルを積層し、シングルパンケーキコイル10Aの各々を内側電極23および外側電極24を介して電気的に接続して構成されており、積層されるシングルパンケーキコイル10Aの軸方向の両端部に配置されたシングルパンケーキコイル10Aのコイル電極12と電気的に接続される口出し電極25(25a,25b)が、シングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側にわたって配置される。
また、超電導コイル装置20Bは、例えば、軸方向の両端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aの端部に切欠部32を設けたカバー31が取り付けられており、超電導コイル装置20Bの口出し電極25は、切欠部32内に配置される。
切欠部32は、口出し電極25と干渉せず、かつ、口出し電極25の幅Wとほぼ同じ幅で形成されており、口出し電極25が磁場に作用する力(ローレンツ力)を受けても、シングルパンケーキコイル10Aの周方向に口出し電極25が動くのを防止する。
カバー31は、例えば、シングルパンケーキコイル10Aの巻枠11にねじ等の固着具を用いたり、接着剤を用いたりすることで、シングルパンケーキコイル10Aに取り付けられる。
カバー31は、例えば、非導電性のFRPや窒化アルミニウム(AlN)のような絶縁物、またはアルミニウム(Al)、銅(Cu)、金(Au)、銀(Ag)等の金属で構成される。材料の選択は、目的や用途に応じて、適宜選択される。また、金属等の導電性材料をカバー31の材料とする場合には、絶縁処理が適宜施される。
例えば、シングルパンケーキコイル10Aを積層して構成されるパンケーキコイル群の絶縁性能を向上させたいのであれば、非導電性のFRPや窒化アルミニウムのような絶縁物が選択され、放熱性能を向上させたいのであれば、一般的にヒートシンク材として活用される高熱伝導体であるアルミニウム等の金属が選択される。絶縁性能および放熱性能の何れも向上させたい場合には、比較的熱伝導率が高い絶縁体である窒化アルミニウムが選択される。
このように構成される超電導コイル装置20Bでは、超電導コイル装置20Aと同様に、巻線部13と口出し電極25とが直接触れることがなく、また、内周側には必要な空間(ボア)が確保される。
また、超電導コイル装置20Bでは、切欠部32を有するカバー31が軸方向の端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aの端面に設けられており、カバー31は超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A)を保護するとともに、切欠部32によって口出し電極25を保持する。
さらに、超電導コイル装置20Bでは、カバー31が絶縁体である場合、超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A)の絶縁性能を高め、金属等の高熱伝導体である場合、超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A)の放熱性能を高める。
超電導コイル装置20Bによれば、超電導コイル装置20Aが奏する効果に加えて、さらに、超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A)を保護するとともに、切欠部32によって口出し電極25保持することもできる。
従って、超電導コイル装置20Bが作る磁場および口出し電極25を流れる電流によって口出し電極25が力(ローレンツ力)を受けても、カバー31によって保持することができ、口出し電極25が動くのを防止することができる。
なお、図6に示される超電導コイル装置20Bは、軸方向の上端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aの上端面と、下端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aの下端面とにカバー31をそれぞれ設けている例であるが、何れか一方の端部(上端部または下端部)だけにカバー31を設けても良い。
[第3の実施形態]
図8は本発明の第3の実施形態に係る超電導コイル装置の一例である超電導コイル装置20Cの構成を示す構成図である。より詳細には、図8(A)が超電導コイル装置20Cの上面図、図8(B)が超電導コイル装置20Cの正面図、図8(C)が超電導コイル装置20Cの下面図である。
超電導コイル装置20Cは、超電導コイル装置20A,20Bに対して、離形部35をさらに設けている点で相違するが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、超電導コイル装置20A,20Bと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
超電導コイル装置20Cは、例えば、超電導コイル装置20Bに対して、軸方向の両端に位置するシングルパンケーキコイル10Aとカバー31との間に離形部35をさらに設けて構成される。
離形部35は、シングルパンケーキコイル10A等の超電導コイルの形状保持等の観点から含浸させる樹脂として一般的に使用されるエポキシ系の樹脂との接着力を弱めるようにするために、フッ素樹脂テープ、パラフィン、グリース、およびシリコンオイルから選択される少なくとも一種を離形材として、接触対象物であるカバー31の接触面およびシングルパンケーキコイル10Aの表面を被覆するエポキシ系の樹脂の被覆面上に接着または塗布することによって形成される。
このように構成される超電導コイル装置20Cでは、シングルパンケーキコイル10Aとカバー31との間に離形部35がさらに設けられることによって、この離形部35が冷却時の熱応力によってシングルパンケーキコイル10Aに発生する応力を弱めている。
超電導コイル装置20Cによれば、超電導コイル装置20Bが奏する効果に加えて、さらに、離形部35が冷却時の熱応力によるシングルパンケーキコイル10Aへの応力の増加を防ぐことができるので、応力増加に起因するシングルパンケーキコイル10Aの劣化を防止することができる。
なお、図8に示される超電導コイル装置20Cでは、離形部35がシングルパンケーキコイル10Aとカバー31との間に設けられている例であるが、この他にも、シングルパンケーキコイル10Aと接触する口出し電極25との間にも離形部35を設けることができる。すなわち、カバー31が取り付けられている超電導コイル装置20B(図6)のみならず、カバー31が取り付けられていない超電導コイル装置20A(図4)についても、シングルパンケーキコイル10Aと口出し電極25との間に離形部35を設けることができる。
[第4の実施形態]
図9は本発明の第4の実施形態に係る超電導コイル装置の一例である超電導コイル装置20Dの構成を示す構成図である。より詳細には、図9(A)が超電導コイル装置20Dの上面図、図9(B)が超電導コイル装置20Dの正面図、図9(C)が超電導コイル装置20Dの下面図である。
超電導コイル装置20Dは、上述した超電導コイル装置20A,20B,20Cに対して、積層される超電導コイルの構成が異なるが、その他の点では実質的に相違しない。そこで、超電導コイル装置20A〜20Cと実質的に相違しない構成要素については同じ符号を付して説明を省略する。
超電導コイル装置20Dは、超電導コイル装置20A〜20Cと同様に、軸方向に複数の超電導コイルを積層して構成されており、超電導コイル装置20A〜20Cの軸方向の両端部に位置するシングルパンケーキコイル10A以外のシングルパンケーキコイル10A、すなわち、上端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aと下端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aとの間に位置するシングルパンケーキコイル10Aの代わりに、少なくとも1個のダブルパンケーキコイル10Bを配置して構成される。
すなわち、超電導コイル装置20Dは、少なくとも両端部に位置する2個のシングルパンケーキコイル10Aと、これら2個のシングルパンケーキコイル10Aの間に配置される少なくとも1個のダブルパンケーキコイル10Bとを備えて構成される。
例えば、図9に示される超電導コイル装置20Dでは、上端部と下端部とに配置されるシングルパンケーキコイル10Aと、これら2個のシングルパンケーキコイル10Aの間にダブルパンケーキコイル10Bを配置し、積層されるシングルパンケーキコイル10Aとダブルパンケーキコイル10Bと外部電極24で電気的に接続して構成される。
また、上端部と下端部とに配置されるシングルパンケーキコイル10Aのコイル電極12と電気的に接続される口出し電極25(25a,25b)が、シングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側にわたって配置される。
このように構成される超電導コイル装置20Dでは、積層する超電導コイルを全てシングルパンケーキコイル10Aとする場合と比較して、パンケーキコイル間を電気的に接続する回数(個数)を少なくすることができる。
超電導コイル装置20Dによれば、超電導コイル装置20A〜20Cの軸方向の両端部に位置するシングルパンケーキコイル10A以外のシングルパンケーキコイル10A、すなわち、上端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aと下端部に位置するシングルパンケーキコイル10Aとの間に位置するシングルパンケーキコイル10Aの代わりに、少なくとも1個のダブルパンケーキコイル10Bを配置して構成されるので、これらの超電導コイル装置20A〜20Cが奏する効果に加え、これらの超電導コイル装置20A〜20Cよりも、超電導コイル(シングルパンケーキコイル10A,ダブルパンケーキコイル10B)での熱の発生を減少させることができる。
なお、図9に示される超電導コイル装置20Dは、超電導コイル装置20C(図8)の上端部と下端部とに配置されるシングルパンケーキコイル10Aと、これら2個のシングルパンケーキコイル10Aの間にダブルパンケーキコイル10Bを配置した例であるが、図示される例に限定されない。超電導コイル装置20Dは、超電導コイル装置20C(図8)に限らず、超電導コイル装置20A(図4)または超電導コイル装置20B(図6)の上端部と下端部とに配置されるシングルパンケーキコイル10Aの間にダブルパンケーキコイル10Bを1個以上配置して構成されていても良い。
以上、超電導コイル装置20A〜20Dによれば、巻線部13と口出し電極25とが直接触れないため、巻線部13に力が加わることを防止することができ、超電導コイル装置20Aを構成する超電導コイル(図4に示される例では、シングルパンケーキコイル10A)が劣化することを防止できる。
超電導コイル装置20A〜20Dによれば、口出し電極25a,25bがシングルパンケーキコイル10Aの内周側から外周側に引き出されて(外周側に)配置されるので、磁場の影響が小さい箇所に口出し電極25を配置することができる。また、内周側に口出し電極が配置されることによってボアが狭小化するのを回避することができる。
故に、超電導コイル装置20A〜20Dでは、超電導コイルが劣化することを防止し、安定性を向上させつつ、磁場の乱れをより小さく抑え、かつ、ボアが小さくなるのを防止することができる。
なお、本明細書において、幾つかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではない。すなわち、実施段階では、上述した実施例以外にも様々な形態で実施することが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、追加、置き換え、変更を行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…超電導テープ線(薄膜超電導線材)、2…テープ基板、3…中間層、4…超電導層、5…安定化層、6…配向層、7…保護層、10A…シングルパンケーキコイル(超電導コイル)、10B…ダブルパンケーキコイル(超電導コイル)、11…巻枠、12…コイル電極、13…巻線部、20A,20B,20C,20D…超電導コイル装置、23…内側電極、24…外側電極、25(25a,25b)…口出し電極、26…超電導線、27…口出し電極、31…カバー、32…切欠部、35…離形部。

Claims (9)

  1. 巻枠に超電導テープ線を巻き回してなるパンケーキコイルを前記パンケーキコイルの軸方向に複数積層し、前記パンケーキコイルの各々を電気的に接続して構成される超電導コイル装置であり、
    前記軸方向の両端部に配置されたパンケーキコイルの前記巻枠に取り付けられ、前記超電導テープ線と電気的に接続されるコイル電極と電気的に接続される口出し電極が前記パンケーキコイルの周方向へ動くのを防止するカバーを、前記複数積層したパンケーキコイルで構成されるパンケーキコイル群の軸方向の両端部に位置する面のうち、少なくとも一方の面にさらに設け、
    前記口出し電極は、前記パンケーキコイルの内周側から外周側にわたして配置され、前記カバーによって保持されることを特徴とする超電導コイル装置。
  2. 前記カバーは、切欠部を有し、
    前記口出し電極は、前記切欠部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の超電導コイル装置。
  3. 前記カバーは、絶縁物および金属の何れか一方で構成されることを特徴とする請求項2に記載の超電導コイル装置。
  4. 前記パンケーキコイルと接触する前記口出し電極および前記カバーの少なくとも一方と前記パンケーキコイルとの間に、エポキシ系の樹脂との接着力を弱める離形部をさらに設けることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の超電導コイル装置。
  5. 前記離形部は、前記カバーおよび前記パンケーキコイルの少なくとも一方に、前記エポキシ系の樹脂との接着力を弱める処理として、フッ素樹脂テープ、パラフィン、グリース、およびシリコンオイルから選択される少なくとも一種を離形材として接着および塗布の何れか一方を行うことによって形成されることを特徴とする請求項4記載の超電導コイル装置。
  6. 前記軸方向の両端部に配置されたパンケーキコイルは、シングルパンケーキコイルであることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の超電導コイル装置。
  7. 前記パンケーキコイルは3個以上であり、
    前記軸方向の両端部に配置されたシングルパンケーキコイルの間に配置されるパンケーキコイルは少なくとも1個のダブルパンケーキコイルを含むことを特徴とする請求項6に記載の超電導コイル装置。
  8. 前記口出し電極と前記コイル電極とは、一体的に構成されることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の超電導コイル装置。
  9. 前記口出し電極に超電導線を電気的に接続したことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の超電導コイル装置。
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