JP7512120B2 - 極低温冷却システム及び超電導磁石装置 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、伝導冷却方式の極低温冷却システム及び超電導磁石装置に関する。
従来の超電導磁石は4K程度の極低温に冷却する必要があり、古くは液体ヘリウムで冷却されることが一般的であった。その後、4Kまで冷却可能な小型冷凍機の開発により、冷凍機のみで冷却する方式が開発された。一方で高温超電導体の発見により、これを用いて10K程度に冷却する方式も開発されている。
このような伝導冷却方式の極低温冷却システムでは、超電導コイルと冷凍機の間の温度差を低減することが重要であり、伝熱板の材質として、熱伝導率の高い高純度アルミニウムや高純度銅が使われている。特に、高純度アルミニウムは磁場中での熱伝導率の低下が少なく、近年の伝導冷却式超電導磁石装置では多用されている。
特開平7-142242号公報 特開平8-172012号公報
上述の極低温冷却システムにおいては、高純度アルミニウムが多用されているが、この高純度アルミニウムは高価であり、超電導磁石装置のコストを押し上げる要因の一つになっている。この高純度アルミニウムの使用物量の削減が課題である。
本発明の実施形態は、上述の事情を考慮してなされたものであり、冷却源と被冷却物を熱的に接続する伝熱部材の使用物量を低減してコストを削減できる極低温冷却システム及び超電導磁石装置を提供することを目的とする。
本発明の実施形態における極低温冷却システムは、冷却源と、第1被冷却物と、第2被冷却物と、前記第1被冷却物と熱的に接続する第1伝熱部材と、前記第2被冷却物及び前記第1伝熱部材を熱的に接続する合流部と、前記冷却源及び前記合流部を熱的に接続する第2伝熱部材とを有し、前記第1被冷却物及び前記第2被冷却物から前記冷却源へ向って、前記合流部及び前記第2伝熱部材を介して、前記第1被冷却物の熱量及び前記第2被冷却物の熱量が合流して流れて、前記第1被冷却物及び前記第2被冷却物を伝導冷却方式で冷却する極低温冷却システムであって、熱量の合流前の前記第1伝熱部材の断面積をSa、伝熱量をQaとし、熱量の合流後の前記第2伝熱部材の断面積をSc、伝熱量をQcとしたとき、前記第1伝熱部材、前記第2伝熱部材の断面積の2乗と伝熱量の比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が、0.7<(Sa/Qa)/(Sc/Qc)<1.5に設定されて構成されたことを特徴とするものである。
また、本発明の実施形態における超電導磁石装置は、前記実施形態に記載の極低温冷却システムにおける被冷却物が、超電導コイルを含んで構成されたことを特徴とするものである。
本発明の実施形態によれば、冷却源と被冷却物を熱的に接続する伝熱部材の使用物量を低減してコストを削減できる。
一実施形態に係る極低温冷却システムが適用された超電導磁石装置を示す構成図。 図1の伝熱量の流れを伝熱板等と共に示す模式図。 伝熱板の伝熱量、断面積、体積等を伝熱板毎に表したケース1の場合の図表。 伝熱板の伝熱量、断面積、体積等を伝熱板毎に表したケース2の場合の図表。 伝熱板の伝熱量、断面積、体積等を伝熱板毎に表したケース3の場合の図表。 熱量の合流前後の伝熱板の断面積比と伝熱板の合計体積の比との関係を示すグラフ。 伝熱板の断面積の2乗と伝熱量の比における熱量の合流前後の比率と伝熱板の合計体積の比との関係を示すグラフ。
以下、本発明を実施するための形態を、図面に基づき説明する。
図1は、一実施形態に係る極低温冷却システムが適用された超電導磁石装置を示す構成図である。この図1に示す極低温冷却システム10が適用された超電導磁石装置11は、冷却源としての極低温冷凍機1により被冷却物としての超電導コイル2及び電流リード4を、伝熱部材としての伝熱板3を介して伝導冷却方式で冷却するものであり、極低温冷凍機1、超電導コイル2、電流リード4、伝熱板3、真空容器5、シールド板6及び冷却ステージ7を有して構成される。
真空容器5は極低温冷凍機1を設置すると共に、内部にシールド板6が配置され、このシールド板6内に超電導コイル2(超電導コイル2-1、2-2)、伝熱板3、冷却ステージ7、及び電流リード4の高温超電導電流リード4bが配置される。
極低温冷凍機1は、第1段冷却ステージ8及び第2段冷却ステージ9を有する。第1段冷却ステージ8は、シールド板6に熱的に接触して、このシールド板6と電流リード4の銅電流リード4aを冷却する。また、第2段冷却ステージ9は、伝熱板3及び冷却ステージ7を介して、超電導コイル2と電流リード4の高温超電導電流リード4bを冷却する。
伝熱板3は、極低温冷凍機1と超電導コイル2及び電流リード4とを熱的に接続するものであり、伝熱板3a1、3a2及び3cを有してなる。伝熱板3a1は超電導コイル2-1と冷却ステージ7とを熱的に接続し、伝熱板3a2は超電導コイル2-2と冷却ステージ7とを熱的に接続し、伝熱板3cは冷却ステージ7と極低温冷凍機1とを熱的に接続する。これらの伝熱板3a1、3a2及び3cは高純度アルミニウム、高純度銅、又はこれらの高純度アルミニウムと高純度銅との組み合わせにより構成れている。
電流リード4は、超電導コイル2(超電導コイル2-1、2-2)へ通電するものであり、前述の銅電流リード4a及び高温超電導電流リード4bを有してなる。銅電流リード4aは、室温部からシールド板6に接触するシールド板温度部12までの領域に設けられ、高温超電導電流リード4bは、シールド板温度部12から冷却ステージ7に接するコイル温度部13までの領域に設けられる。更に、冷却ステージ7は、電流リード4の冷却に供すると共に、伝熱板3a1及び3a2と伝熱板3cとを中継する。
超電導コイル2-1からの伝熱量Qa1は伝熱板3a1を介して、また、超電導コイル2-2からの伝熱量Qa2は伝熱板3a2を介してそれぞれ冷却ステージ7へ流れ、この冷却ステージ7で電流リード4からの伝熱量(熱侵入量)Qbと合流する。これらの伝熱量Qa1、Qa2及びQbは、冷却ステージ7から伝熱板3cを介して極低温冷凍機1へ流れる。これにより、超電導コイル2-1、2-2及び電流リード4が、伝熱板3及び冷却ステージ7を用いて伝導冷却方式により冷却される。
上述の伝熱板3と伝熱量の関係を図2に模式化して示す。この図2では、伝熱板3a1と伝熱板3a2とを合わせて伝熱板3aとして表している。従って、伝熱板3aの断面積Saは、伝熱板3a1の断面積Sa1と伝熱板3a2の断面積Sa2とを加算したものであり、伝熱板3aの伝熱量Qaは、伝熱板3a1の伝熱量Qa1と伝熱板3a2の伝熱量Qa2とを加算したものである。また、伝熱板3cは、断面積がScであり、伝熱量がQcである。この伝熱量Qcは、伝熱板3aからの伝熱量Qaと電流リード4からの伝熱量Qbとが加算されたものである。
本実施形態では、熱量の合流後の伝熱板3cの断面積Scは、熱量の合流前の各伝熱板3a1、3a2のいずれの断面積Sa1、Sa2よりも大きく設定されている。また、熱量の合流後の伝熱板3cの単位断面積当たりの伝熱量(Qc/Sc)は、熱量の合流前の伝熱板3aの単位断面積当たりの伝熱量(Qa/Sa)よりも大きく設定されている。
更に、伝熱板3の断面積の2乗と伝熱量の比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)は、
0.7<(Sa/Qa)/(Sc/Qc)<1.5
に設定されている。このうち、(Sa/Qa)/(Sc/Qc)=1、即ち(Sa/Qa)=Sc/Qc)の場合は、熱量の合流前後で伝熱板3全体の合計重量mを微小変化させたときの伝熱板3全体の両端(図2の一端α、他端β)の温度差ΔT0の変化量(dT/dm)が一定になる場合であり、この場合に伝熱板3全体の合計重量mが最小になり、従って、伝熱板3全体の使用物量が最小になる。
極低温冷凍機1と超電導コイル2との温度差を同一とした条件で伝熱板3の使用物量が最小に低減される根拠を、数値計算的及び論理的に以下に考察する。
(数値計算的考察)
ここでは、一例として、伝熱板3aの伝熱量Qaと電流リード4からの伝熱量QbとがQa=Qb=1Wの場合を考える。この場合、伝熱板3cの伝熱量Qcは、Qc=Qa+Qb=2Wになる。また、伝熱板3cの断面積Scは、伝熱板3aの断面積Saを基準とした比で表す。更に、伝熱板3aと伝熱板3cの長さが単位長さであるとすると、伝熱板3cの体積は伝熱板3cの断面積と同一の値になり、伝熱板3aの体積を基準とした比で表される。また伝熱板3aの熱抵抗は1K/Wとする。これらの限定は議論の一般性を損なわないものである。
また、一般に、伝熱板の熱抵抗Rは、伝熱板の両端の温度差をΔTとし、伝熱量をQとしたとき、
R=ΔT/Q …(1)
で表される。また、伝熱板の伝熱量Qは、伝熱板の断面積をSとし、長さをLとし、熱伝導率をλとしたとき、
Q=(S/L)・λ・ΔT …(2)
で表せる。式(1)及び式(2)から
R=L/(S・λ)∝1/S …(3)
ΔT=Q/(S・λ/L)=Q・R …(4)
で表せる。
「ケース1」として、伝熱板の断面積を伝熱量に比例させる例を図3に示す。このケース1では、伝熱板3cの伝熱量Qcが伝熱板3aの伝熱量Qaの2倍になっていることから、伝熱板3cの断面積Scは伝熱板3aの断面積Saの2倍に、伝熱板3cの体積は伝熱板3aの体積の2倍にそれぞれ設定される。また、伝熱板3cの熱抵抗Rは式(3)に基づいて設定され、伝熱板3a、3cのそれぞれの両端の温度差ΔTa、ΔTcは、式(4)に基づいて設定される。
ここで、温度差の合計は、伝熱板3aと伝熱板3cのそれぞれの温度差ΔTa、ΔTcの合計、つまり伝熱板3全体の両端α、β(図2)の温度差ΔT0である。また、体積の合計は、伝熱板3aと伝熱板3cのそれぞれの体積の合計であり、この合計体積を基準にした場合には比率「1」で表記される。
「ケース2」として、伝熱板の断面積を一定にする例を図4に示す。このケース2では、伝熱板3全体の温度差ΔT0(=ΔTa+ΔTc)がケース1と同一値の「2」であり、また、伝熱板3aと伝熱板3cのそれぞれの断面積SaとScが等しく、更にQa=1、Qc=2であり、また、(λ/L)が定数である。これらのことから、次の連立方程式を解くことで、断面積Sa、Sc、温度差ΔTa、ΔTcをそれぞれ求める。伝熱板3a、3cの熱抵抗は、断面積Sa、Sbから式(3)を用いて算出する。
ΔTa+ΔTc=2
Qa=(λ/L)・Sa・ΔTa
Qc=(λ/L)Sc・ΔTc
Sa=Sc
ここで、体積の合計は、伝熱板3aと伝熱板3cの体積の合計であり、ケース1の合計体積を基準にした場合には「1」で表記される。
「ケース3」であるが、まず、伝熱板3cと伝熱板3aの断面積比(Sc/Sa)を変化させた場合の当該断面積比と、伝熱板3全体の合計体積をケース1の合計体積を基準にした比との関係を計算し、この計算結果を図6に示す。そして、この図6において、伝熱板3全体の合計体積の比が最小値となる条件、(Sc/Sa)=√2の場合の計算結果を、「ケース3」として図5に示す。
このケース3では、上述のように伝熱板3cと3aのそれぞれの断面積の比(Sc/Sa)が√2であり、また、伝熱板3全体の温度差ΔT0(=ΔTa+ΔTc)がケース1と同一値の「2」であり、更にQa=1、Qc=2であり、また、(λ/L)が定数である。これらのことから、次の連立方程式を解くことで、断面積Sa、Sc、温度差ΔTa、ΔTcを求める。伝熱板3a、3cの熱抵抗は、断面積Sa、Sbから式(3)を用いて算出する。
ΔTa+ΔTc=2
Qa=(λ/L)・Sa・ΔTa
Qc=(λ/L)・Sc・ΔTc
(Sc/Sa)=√2
ここで、伝熱板3の体積の合計は、伝熱板3aと伝熱板3cの体積の合計であり、ケース1の合計体積を基準にした場合には「0.97」、つまり図6の最小値で表記される。また、図6では点Xがケース1を、点Yがケース2を、点Zがケース3をそれぞれ示している。このケース3の場合、つまり(Sc/Sa)=√2の場合が、伝熱板3全体の合計体積をケース1及びケース2の場合よりも3%程度減少させており、従って、伝熱板3全体の合計重量mを最小化していることが分かる。
(論理的考察)
上述のケース3の場合(Sc/Sa=√2)が、伝熱板3全体の合計体積(即ち合計重量m)を最小化し得る理由を、以下に論理的に考察する。
この考察では、「手順1」として、伝熱板3の両端の温度差ΔTと伝熱板3の重量mとの関係を求める。次に、「手順2」として、伝熱板3の重量mを微少変化させたときの伝熱板3の両端の温度差ΔTの変化量dT/dmを計算する。その後、「手順3」として、dT/dmの絶対値が小さい部分の重量mを減少させ、変化量dT/dmの絶対値が大きい部分の重量mを増加させ、これらを繰り返すことで変化量dT/dmを一定にして、伝熱板3全体の合計重量mを最小にする。
「手順1」では、伝熱板3の両端の温度差ΔTを、前述の式(4)にも記載したが、改めて次式(5)として表す。
Figure 0007512120000001
式(5)中のQは伝熱板3の伝熱量であり、Sは伝熱板3の断面積であり、Lは伝熱板3の長さであり、λは伝熱板3の熱伝導率である。
ここで、λは伝熱板3の材質が同じ場合には一定値になる。また、伝熱板3の長さLは、最短距離になるように設定されるため一定値であると考える。これらのことから、伝熱板3の重量mは断面積Sに比例する。従って、上記式(5)は伝熱板3の両端の温度差ΔTと重量mとの関係でもある。
「手順2」では、伝熱板3の断面積Sを微小に変化させたときの温度差ΔTの微少変化を考えると、式(5)から
Figure 0007512120000002
になる。ここで、ρを伝熱板3の密度とすると、伝熱板3の重量mがm=SLρであることから、伝熱板3の両端の温度差ΔTの変化量dT/dmは、式(6)を変形して、
Figure 0007512120000003
となる。
「手順3」では、手順2で求めた変化量dT/dmについて考察する。この変化量dT/dmは、伝熱板3の重量mが増加すると温度差ΔTが減少するので負の値になる。このため、伝熱板3において、変化量dT/dmの絶対値が小さい部分の重量mを減少させ、且つ変化量dT/dmの絶対値が大きい部分の重量mを増加させることで、伝熱板3は、合計重量mが同じで両端の温度差ΔTを小さくできる。逆に、伝熱板3の両端の温度差ΔTが同じになるようにすると、伝熱板3の合計重量mを小さくすることが可能になる。
つまり、伝熱板3における変化量dT/dmの絶対値が小さい部分で重量mを減少させて、その断面積Sを小さくすると、式(7)から、その部分の変化量dT/dmの絶対値が増加する。また、伝熱板3における変化量dT/dmの絶対値が大きな部分で重量mを増加させて、その断面積を大きくすると、式(7)から、その部分の変化量dT/dmの絶対値が前述の増加分以上に減少する。これらを繰り返すと、伝熱板3全体で変化量dT/dmが一定になり、そのとき伝熱板3全体の合計重量mが最小になる。
以上のことから、式(7)において伝熱板3の物性値である密度ρ及び熱伝導率λの温度変化が無視できる場合、伝熱板3の変化量dT/dmを一定にするためには、伝熱量Qが一定の場合に断面積Sを一定にすればよく、伝熱量Qが変化する場合に断面積Sを伝熱量Qの平方根に比例(S∝√Q)させればよいことが分かる。前述の数値計算的考察のケース3では、伝熱板3cの伝熱量Qcが伝熱板3aの伝熱量Qaの2倍になっているため、伝熱板3cの断面積Scが伝熱板3aの断面積Saの√2倍になっている。従って、このケース3の場合に、伝熱板3の変化量dT/dmが一定になって、伝熱板3の合計重量mが最小になる。
上述の最適条件(伝熱板3の変化量dT/dmが一定)は、伝熱板3における熱量の合流前後で断面積Sの2乗と伝熱量Qの比が同一、即ち(Sa/Qa)=(Sc/Qc)になるようにすればよいことを示している。これは、伝熱板3の断面積Sが伝熱量Qの平方根に比例すること(S∝√Q)と同義である。
但し、上記最適条件に近ければ、伝熱板3の合計重量mについて十分な減少効果を期待できる。図7は、伝熱板3について断面積Sの2乗と伝熱量Qの比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)を横軸に、伝熱板3の合計体積の比(つまり、数値計算的考察のケース1における合計体積を基準値1としつつ、このケース1の合計体積を基準にしたときの比率)を縦軸に示したものである。この図7では、図6と同様に、点Xがケース1に、点Yがケース2に、点Zがケース3にそれぞれ対応している。
図7から、伝熱板3について断面積Sの2乗と伝熱量Qの比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が1.0であれば、伝熱板3の合計体積比が0.97となって、伝熱板3の合計体積を3%減少させて最小値にすることができる。また、上記比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が0.7または1.5であれば、伝熱板3の合計体積比が0.98となって、伝熱板3の合計体積を2%減少させることができる。これらのことから、上記比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が0.7~1.5の範囲であれば、伝熱板3の合計重量mを、最小値を含む最小範囲に減少させることができる。
以上のように構成されたことから、本実施形態によれば、次の効果を奏する。
被冷却物である超電導コイル2及び電流リード4から極低温冷凍機1へ向かって合流して流れる熱量の合流前の伝熱板3の断面積をSa、伝熱量をQaとし、熱量の合流後の伝熱板3の断面積をSc、伝熱量をQcとしたとき、伝熱板3の断面積の2乗と伝熱量の比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が、0.7<Sa/Qa)/(Sc/Qc)<1.5に設定されている。
このうち上記比率が「1」の場合、即ち、熱量の合流前後の伝熱板3全体の合計重量mを微小変化させたときの伝熱板3全体の両端の温度差ΔTの変化量(dT/dm)を一定とした場合には、伝熱板3全体の合計重量mを最小値に設定できる。この結果、極低温冷凍機1と超電導コイル2及び電流リード4との温度差を設定温度に維持しつつ、高価な材質を使用する伝熱板3の使用物量を、上記最小値を含む最小範囲に低減でき、伝熱板3のコストを低減できる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができ、また、それらの置き換えや変更は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
例えば、上記実施形態では極低温冷却システム10は超電導磁石装置11に適用される場合を述べたが、これに限らず、冷却源を液体ヘリウムまたは液体窒素とし、被冷却物を超電導素子として、液体ヘリウムまたは液体窒素により伝熱板を介して超電導素子を冷却するものであってもよい。
1…極低温冷凍機(冷却源)、2…超電導コイル(被冷却物)、3、3a、3c…伝熱板(伝熱部材)、4…電流リード(被冷却物)、10…極低温冷却システム、11…超電導磁石装置、Qa、Qc…伝熱量、Sa、Sc…断面積

Claims (7)

  1. 冷却源と、第1被冷却物と、第2被冷却物と、前記第1被冷却物と熱的に接続する第1伝熱部材と、前記第2被冷却物及び前記第1伝熱部材を熱的に接続する合流部と、前記冷却源及び前記合流部を熱的に接続する第2伝熱部材とを有し、
    前記第1被冷却物及び前記第2被冷却物から前記冷却源へ向って、前記合流部及び前記第2伝熱部材を介して、前記第1被冷却物の熱量及び前記第2被冷却物の熱量が合流して流れて、前記第1被冷却物及び前記第2被冷却物を伝導冷却方式で冷却する極低温冷却システムであって、
    熱量の合流前の前記第1伝熱部材の断面積をSa、伝熱量をQaとし、熱量の合流後の前記第2伝熱部材の断面積をSc、伝熱量をQcとしたとき、前記第1伝熱部材、前記第2伝熱部材の断面積の2乗と伝熱量の比における熱量の合流前後の比率(Sa/Qa)/(Sc/Qc)が、
    0.7<(Sa/Qa)/(Sc/Qc)<1.5
    に設定されて構成されたことを特徴とする極低温冷却システム。
  2. 熱量の合流後の前記第2伝熱部材の単位断面積当たりの伝熱量(Qc/Sc)が、熱量の合流前の前記第1伝熱部材の単位断面積当たりの伝熱量(Qa/Sa)よりも大きく設定されたことを特徴とする請求項1に記載の極低温冷却システム。
  3. 熱量の合流後の前記第2伝熱部材の断面積が、熱量の合流前の前記第1伝熱部材の断面積よりも大きく設定されたことを特徴とする請求項1または2に記載の極低温冷却システム。
  4. 前記冷却源が、極低温冷凍機、液体ヘリウムまたは液体窒素であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の極低温冷却システム。
  5. 前記第1伝熱部材及び前記第2伝熱部材が、高純度アルミニウムと高純度銅の少なくとも一方にて構成されたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の極低温冷却システム。
  6. 前記第1被冷却物、前記第2被冷却物が、超電導コイル、超電導素子または電流リードであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の極低温冷却システム。
  7. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の極低温冷却システムにおける被冷却物が、超電導コイルを含んで構成されたことを特徴とする超電導磁石装置。
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