WO2012070584A1 - 酸化物超電導ソレノイド巻きコイルおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を電気的に直列に接続しながら螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルであって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材がその幅広面を重ね合せることで接続され、または多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続される構成とすることによって、複数の酸化物超電導線材を、複数のコイル間の無効スペースを生じることなく、単一コイル内で超電導特性を劣化させることなく接続することができるような酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを提供する。
Description
本発明は、複数のテープ状酸化物超電導線材を接続しつつ螺旋状(ソレノイド状)に多層巻きして構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイル、およびその製造方法に関するものであり、特に核磁気共鳴(NMR)分析装置に用いられる超電導マグネットのように、高い磁場均一度が要求される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルの構成、およびそのような酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを製造するための有用な方法に関するものである。
超電導線材には、NbTiやNb3Snなどの金属系超電導線材と、Bi系酸化物やY系酸化物などの酸化物系超電導線材が知られている。前者の金属系超電導線材は、丸型や平角形(矩形)の横断面形状を有し、ある程度の厚みを有する帯状(ベルト)のものである。後者の酸化物系超電導線材は、圧延などで酸化物結晶の方向性を調整する必要があるため、薄いテープ状のものが主流となっている。
超電導線材のうち、酸化物系超電導線材は、一条ものでは長さが短いため、一条ものの線材だけで途中に接続部を設けないで大型のコイルに巻線することが困難である。
金属系超電導線材コイル同士の接続では、NbTi金属系超電導線材を巻いたコイル(NbTiコイル)とNb3Sn金属系超電導線材を巻いたコイル(Nb3Snコイル)を別々に製造して、図1に示すように組み合わせるという方法が一般的に用いられている。しかしながら、こうした構成では、内側のNb3Snコイルの巻線部(超電導線材を巻回した部分)外周から、外側のNbTiコイルの巻線部内周に無効スペースが生じる。そのため、1個のコイルとして密巻きした場合と比べ、同一磁場を発生させるために使用する線材の量が増え、しかも巻枠を2個必要とするため、製造コストが高くなるという問題がある。また2個のコイルを組み合わせているため、NbTiコイルとNb3Snコイルに生じる電磁力によって、両者の相対位置がずれやすく、このずれが急に生じた場合、クエンチを起こす可能性が高くなる。
こうした問題を解決するために、例えば特許文献1では、Nb3Sn金属系超電導線材の外周に、絶縁被覆層となる繊維を含む繊維強化プラスチック(FRP)表面を形成し、この表面上にNbTi超電導線材を巻き重ねて単一巻枠の複合コイルを形成する技術が提案されている。
上記の技術のように巻線部内で金属系超電導線材の接続を行う場合には、図2に示すように、2本の超電導線材をスパイラル進行方向に並列にして半田や圧着等で接続されているのが一般的である(例えば特許文献2)。図2に示した構成から明らかなように、接続部では電気的には1ターンであっても物理的には2ターン分のスペースが必要となる。そのため、1ターン分の局所的な無効スペースが生じることになる。
金属系超電導線材の場合には、断面が円形または矩形の線材が用いられるため、この無効スペースが大きくなり、巻線の均一性が乱され、発生磁場の均一度が悪化する。核磁気共鳴(NMR)用超電導マグネットのように、非常に高い均一度の磁場が要求されるマグネットでは、この無効スペースが致命的な欠点となる。
上記特許文献2では、図3に示すように、上記の様な接続部を巻線部の外に設け、且つ1個の巻枠で処理できる範囲の中で接続しているので、前記図1に示したように接続されるコイル間に無効スペースが生じるという問題はない。しかしながら、酸化物超電導線材では、断面のアスペクト比が10程度以上であるようなテープ状線材であり、エッジワイズの歪みに極端に弱く、小さな歪みにより特性が大きく低下するという問題がある。図3の接続部のような線材に大きな曲げ歪みを与える接続を行うと、超電導特性が大きく低下するため、このような技術は超電導マグネットには適用できない。
上に述べたように、複数の酸化物超電導線材を、複数のコイル間の無効スペースを生じることなく、単一コイル内で超電導特性を劣化させることなく接続する技術は、これまで確立されていないのが実情である。特に、NMR超電導マグネットのように、非常に高い磁場均一度を要求されるマグネットを、酸化物超電導線材を接続して製造することは非常に難しく、これまで確立されていないのが実情である。
本発明は上記の様な状況の下で、その目的は、複数の酸化物超電導線材を、複数のコイル間の無効スペースを生じることなく、単一コイル内で超電導特性を劣化させることなく接続することができるような酸化物超電導ソレノイド巻きコイル、およびこうした酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを製造するための有用な方法を提供することにある。
上記課題を解決することのできた本発明に係る酸化物超電導ソレノイド巻きコイルとは、巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を電気的に直列に接続しながら螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルであって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材がその幅広面を重ね合せることで接続されている点に要旨を有するものである。
本発明の酸化物超電導ソレノイド巻きコイルは、巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を電気的に直列に接続しながら螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルであって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されている点にも要旨を有するものである。
本発明の酸化物超電導ソレノイド巻きコイルにおいては、酸化物超電導線材同士の前記接続部が、下記(1)式の関係を満足する位置に存在するものであることが好ましい。
L/2-(2.2×107/dL)≦|z|<L/2 …(1)
但し、L:巻線部長さ(mm)
d:巻線部の内直径(mm)
z:コイル中心をゼロとしたときの接続部の軸方向距離(mm)
L/2-(2.2×107/dL)≦|z|<L/2 …(1)
但し、L:巻線部長さ(mm)
d:巻線部の内直径(mm)
z:コイル中心をゼロとしたときの接続部の軸方向距離(mm)
また、巻線部における外直径の最大値、最小値が、下記(2)式の関係を満足するものや、巻線部の酸化物超電導線材層間に絶縁シートが挿入されたものであることも好ましい要件である。
(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0350 …(2)
但し、Dmax:巻線部の外直径の最大値(mm)
Dmin:巻線部の外直径の最小値(mm)
(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0350 …(2)
但し、Dmax:巻線部の外直径の最大値(mm)
Dmin:巻線部の外直径の最小値(mm)
上記のような酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを製造するに当たっては、一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材端部の下面とを低融点金属を挟んで加熱接続した後、当該酸化物超電導線材を、接続前に巻線していた方向に続けて巻線するようにすれば良い。
また一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材における巻き始め端部の上面とに、低融点金属を配置し、それらの低融点金属の上に別の酸化物超電導線材を接続片として橋渡しして加熱接続した後、接続前に巻線していた方向に続けて酸化物超電導線材を巻線するようにしても希望する特性を発揮する酸化物超電導ソレノイド巻きコイルが得られることになる。
本発明によれば、複数の酸化物超電導線材が多層巻きされた巻線部内で、酸化物超電導線材がその幅広面を重ね合わせることで接続するか、または酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されているようにしたので、酸化物超電導線材の超電導特性を低下させることなく、巻線部内の臨界電流密度の均一なソレノイド巻きコイルを動作させることが可能となり、永久電流モードで運転し、且つ高精度の磁場均一度を必要とする酸化物超電導線材ソレノイド巻きコイルが実現できた。
本発明者らは、上記課題を解決する為に様々な角度から検討した。その結果、酸化物超電導線材の場合、テープ状であり、線材断面のアスペクト比(線材幅と線材厚さの比)が大きいため、巻線部内で接続を行ったとしても、幅広面で線材を重ねて接続するような構成とすれば、スパイラル方向に存在していた無効スペースを解消でき、発生磁場の均一度に及ぼす無効スペースの影響を緩和できることを見出し、本発明を完成した。
即ち、金属系超電導線材の場合には、断面が円形または矩形の線材が用いられるため、巻線部内で接続を行うと無効スペースが局所的になって、磁場均一度に及ぼす影響が大きくなるが、酸化物超電導線材の場合は、無効スペースの形状をコイル半径方向に薄くコイル長手方向に長く均一な形状にできるため、無効スペースの磁場均一度に及ぼす影響を小さくすることができるのである。
酸化物超電導線材同士を幅広面で重ねて接続するときに、その重ねる接続部の長さは、50mm以上で1ターン未満であることが望ましい。接続部の長さが短か過ぎると、接続抵抗が大きくなり、通電時に発熱が多くなって温度上昇が大きくなる。また、接続部の長さが1ターンより長くなると、半田層の厚みのバラツキにより、磁場均一度の乱れが大きくなる。
巻枠(即ち、巻胴部の両端部)には、鍔部が形成されているが(後記図4参照)、酸化物超電導線材同士の接続箇所は、フープ応力が低くなる鍔部近傍であることが望ましい。本発明者らが検討したところによると、接続箇所のコイル中心からの軸方向距離zがL/2-(2.2×107/dL)[但し、L:巻線部長さ(mm)、d:巻線部の内直径(mm)]よりも小さくなって、接続箇所がコイル中心に近づくと、接続された線材にかかるフープ応力が大きくなり超電導特性の低下につながる。また、接続抵抗によって発生した熱が超電導線材に沿って冷却端である鍔部に伝わるまでに温度差が大きくなり、接続箇所の温度が高くなり過ぎて、液体ヘリウム等の寒剤(冷却剤)の蒸発量が増大する。更に、極端な場合には、接続箇所の超電導特性が大きく低下して、所定の電流を流すことが困難となる。
酸化物超電導線材同士の前記接続部が、下記(1)式の関係を満足する位置に存在すれば、接続箇所が巻胴部の近傍に存在しても、接続抵抗で発生する熱を半径方向だけでなく、軸方向へ逃がすことが期待でき、接続箇所の温度上昇を許容範囲内に抑えることができることになる。
L/2-(2.2×107/dL)≦|z|<L/2 …(1)
但し、L:巻線部長さ(mm)
d:巻線部の内直径(mm)
z:コイル中心をゼロとしたときの接続部の軸方向距離(mm)
L/2-(2.2×107/dL)≦|z|<L/2 …(1)
但し、L:巻線部長さ(mm)
d:巻線部の内直径(mm)
z:コイル中心をゼロとしたときの接続部の軸方向距離(mm)
巻線部の長さL(L:軸方向長さ)が短くなると、接続箇所で発生する熱を片方の鍔部だけでなく両方の鍔部へ逃がすことが期待できるので、鍔部から巻線部内側に入る許容長さ[L/2-(2.2×107/dL)]は、Lが短くなると長くなる。また、巻線部の内直径d(d:巻線部の巻胴側の直径)が小さくなると、巻線部の長さLが同じでも線材長さが短くなるので、接続箇所で発生する熱を、線材を通して鍔部に効率的に逃がすことが可能となり、鍔部から巻線部内側に入る許容長さ[L/2-(2.2×107/dL)]は、dが小さくなると長くなる。
発生磁場の均一度の観点からすれば、接続箇所を含む巻線部の巻径(巻線部の外直径)の均一性が重要である。コイルボア内の中心軸からある半径r(固定)の位置における、z方向(z:接続箇所のコイル中心からの軸方向距離)の磁場Bの方位角θ、仰角φの依存性については下式のように表されることが知られている(例えば、“Case Studies Suporconducting Magnets” Yukikazu Iwasa(1994) Plnum Press・New York and London)。
ここでm、nは0以上の整数であり、m≦nである。またPnm(cosθ)は、ルジャンドル陪関数である。上式で求められるA20とA00の比[A20/A00]が、磁場のz成分Bzの不均一性の指標として、(cosθ)2(=z2)に比例した不均一成分の(Bz)2を意味する。
本発明者らが、巻線部における外直径の最大値、最小値が発生磁場の均一度に与える影響について検討したところ、下記(2)式の関係を満足することが好ましいことが判明している。
(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0350 …(2)
但し、Dmax:巻線部の外直径の最大値(mm)
Dmin:巻線部の外直径の最小値(mm)
(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0350 …(2)
但し、Dmax:巻線部の外直径の最大値(mm)
Dmin:巻線部の外直径の最小値(mm)
また、上記(2)式の関係を満足させるための条件としては、巻線部の酸化物超電導線材層間に絶縁シート(例えば、ポリエステルシート等)を挿入することが挙げられる。
上記のような酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを製造するに当たっては、一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材端部の下面とを低融点金属を挟んで加熱接続した後、当該酸化物超電導線材を、接続前に巻線していた方向に続けて巻線するようにすれば良い。こうした方法を採用することによって、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されているような構成の酸化物超電導ソレノイド巻きコイルが得られる。
また一つの酸化物超電導線材を円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材における巻き始め端部の上面とに、低融点金属を配置し、それらの低融点金属の上に別の酸化物超電導線材を接続片として橋渡しして加熱接続した後、接続前に巻線していた方向に続けて酸化物超電導線材を巻線するようにしても良い。こうした方法を採用することによって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されているような構成の酸化物超電導ソレノイド巻きコイルが得られる。特に、この方法では、酸化物系超電導線材が、YBCO(即ち、YBa2Cu3Ox)などの様に、テープ状線材の両幅広面で特性異方性が認められる場合に、それを揃えるために有効である。
上記の方法で用いることのできる低融点金属としては、後記実施例で示すように、Ag入りの半田(Sn-Pb-Ag系半田)が代表的なものとして挙げられるが、Sn-Ag-Cu系半田や通常のSn-Pb-Ag系半田の他、In等の低融点金属材料を用いても良く、要するに接続部の温度を250℃以下に保つことによって、同様の効果が期待できる。
本発明で適用される酸化物超電導線材の種類には特に制限がなく、例えばBi-2212(即ち、Bi2Sr2Ca1Cu2Ox)やBi-2223(即ち、Bi2Sr2Ca2Cu3Ox)などのビスマス系酸化物超電導線材、YBCO(即ち、YBa2Cu3O7-y)など、様々な酸化物系超電導線材がその対象となる。
以下、実施例を挙げて本発明の構成および作用効果をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
[比較例1]
補強材として二枚の真鍮製のテープを一枚ずつ両側から挟んだ構造の裸断面サイズ0.36mm×4.45mmのBi2Sr2Ca2Cu3Ox(Bi-2223)の酸化物超電導線材に、厚さ0.025mmの絶縁用ポリイミドテープを巻き付け、厚さ0.41mm×幅4.50mmのポリイミド被覆絶縁酸化物超電導線材(内側巻き線材)とし、これを直径78.4mm、長さ840mmの円筒状ステンレス鋼製の巻胴部にソレノイド状に巻き付けて巻線部を構成した。このときの形態を図4(概略説明図)に示す。
補強材として二枚の真鍮製のテープを一枚ずつ両側から挟んだ構造の裸断面サイズ0.36mm×4.45mmのBi2Sr2Ca2Cu3Ox(Bi-2223)の酸化物超電導線材に、厚さ0.025mmの絶縁用ポリイミドテープを巻き付け、厚さ0.41mm×幅4.50mmのポリイミド被覆絶縁酸化物超電導線材(内側巻き線材)とし、これを直径78.4mm、長さ840mmの円筒状ステンレス鋼製の巻胴部にソレノイド状に巻き付けて巻線部を構成した。このときの形態を図4(概略説明図)に示す。
図4に示すように、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて25層を全て巻き終わり、反対側の鍔部で折り返してz=0mmの位置(テープにおけるZの基準位置は、巻枠の軸心方向中央がZ=0の位置となる)まで巻いたときに、酸化物超電導線材の末端がそこで留まった。その末端部の長さ80mm分の線材表面に、Ag入りの半田(Sn-Pb-Ag系半田)をコーティングした。別のスプールに予め巻き取りしてあったBi-2223の酸化物超電導線材(外側巻き線材)の末端を引き出し、その末端部の長さ80mmの線材の表面に上記と同じAg入りの半田をコーティングした。
図4に示すように、内側巻き線材の半田コーティング面の上に、外側巻き線材の半田コーティング面を重ね、更にその上から、コテ先温度を280℃に保持した半田コテを押し当て、半田を融かして内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4mmであるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm>|z|=0mm]。接続箇所の表面に薄膜型の温度センサを取り付け、その後、外側巻き線材を巻回し、全体で54層の巻線を行った。
巻線後にコイル全体をワックスに含浸し、含浸したコイルを室温で、ボア径54mmのクライオスタット内に設置し、クライオスタット内に液体ヘリウムを搬送した後、245Aの電流を通電した。その結果、接続箇所の温度は、通電開始直後は4.7Kであったが、時間の経過につれて温度が上昇し、30分後には接続箇所で溶断が生じていた。
[実施例1]
比較例1と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて26層を全て巻き終わってz=418mmの位置で酸化物超電導線材の末端が留まった。その末端部の長さ80mm分の線材表面に、Ag入りの半田(Sn-Pb-Ag系半田)をコーティングした。別のスプールに予め巻き取りしてあったBi-2223の酸化物超電導線材(外側巻き線材)の末端を引き出し、その末端部の長さ80mmの線材の表面に上記と同じAg入りの半田をコーティングした。このときの形態を図5(概略説明図)に示す。
比較例1と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて26層を全て巻き終わってz=418mmの位置で酸化物超電導線材の末端が留まった。その末端部の長さ80mm分の線材表面に、Ag入りの半田(Sn-Pb-Ag系半田)をコーティングした。別のスプールに予め巻き取りしてあったBi-2223の酸化物超電導線材(外側巻き線材)の末端を引き出し、その末端部の長さ80mmの線材の表面に上記と同じAg入りの半田をコーティングした。このときの形態を図5(概略説明図)に示す。
図5に示すように、内側巻き線材の半田コーティング面の上に、外側巻き線材の半田コーティング面を重ね、更にその上からコテ先温度を280℃に保持した半田コテを押し当て、半田を融かして内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4であるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm<|z|=418mm<L/2=420mm]。接続箇所の表面に薄膜型の温度センサを取り付け、その後、外側巻き線材を巻回し全体で54層の巻線を行った。
巻線後にコイル全体をワックスに含浸し、含浸したコイルを室温で、含浸したコイルを室温で、ボア径54mmのクライオスタット内に設置し、クライオスタット内に液体ヘリウムを搬送した後、245Aの電流を通電した。その結果、接続箇所の温度は、通電開始直後は4.2Kとなり、2時間の連続運転を行っても接続箇所の温度は上昇せず一定値を保持した。
[実施例2]
比較例1と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて25層を全て巻き終わり、反対側の鍔部で折り返してz=-100mmの位置まで巻いたときに酸化物超電導線材の末端がそこで留まった。その後、実施例1と同様にして、内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4であるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm<|z|=100mm<L/2=420mm]。接続箇所の表面に薄膜型の温度センサを取り付け、その後、外側巻き線材を巻回し全体で54層の巻線を行った。
比較例1と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて25層を全て巻き終わり、反対側の鍔部で折り返してz=-100mmの位置まで巻いたときに酸化物超電導線材の末端がそこで留まった。その後、実施例1と同様にして、内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4であるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm<|z|=100mm<L/2=420mm]。接続箇所の表面に薄膜型の温度センサを取り付け、その後、外側巻き線材を巻回し全体で54層の巻線を行った。
巻線後にコイル全体をワックスに含浸し、含浸したコイルを室温で、ボア径54mmのクライオスタット内に設置し、クライオスタット内に液体ヘリウムを搬送した後、245Aの電流を通電した。その結果、接続箇所の温度は、通電開始直後は4.4Kとなり、液体ヘリウム温度4.2Kよりも0.2K高くなったが、2時間の連続運転を行っても接続箇所の温度は上昇せず一定値を保持した。
[実施例3]
実施例2と同様にして、z=-100mmの位置に接続箇所が存在する酸化物超電導コイルを製作したと仮定して、245Aを通電した場合に得られるマグネットボア中心部の直径20mm球の空間における磁場不均一のz2成分である(Bz)2=A20/A00を計算した。
実施例2と同様にして、z=-100mmの位置に接続箇所が存在する酸化物超電導コイルを製作したと仮定して、245Aを通電した場合に得られるマグネットボア中心部の直径20mm球の空間における磁場不均一のz2成分である(Bz)2=A20/A00を計算した。
この計算では、図6(モデル図)に示すように、内半径39.2mm、外半径61.3mmの巻線部をベースとして、z=-100mmの位置の接続によって、接続箇所を中心に幅20mmの部分の外半径がammに大きくなった巻線部に変えたモデルを使用した。巻き層数は54でどのz位置でも一定である。接続箇所の各外半径aの値、z2成分である(Bz)2=A20/A00を計算し、a=61.3mmの場合の(Bz)2(≡(Bz)20)との差[(Bz)2-(Bz)20](ppm)を求めた。その結果を、z=-200mmの位置の接続の場合と共に図7に示す。この結果から明らかなように、接続箇所の外半径aが増大すると共に、(Bz)2-(Bz)20も増大し、磁場の均一度が低下することが分かる。
商用NMR超電導マグネットは、磁場均一度をシムコイルと呼ばれる磁場均一度調整用コイルにより調整を行っている。しかし調整範囲には限界があるため、シムコイルの調整前に[(Bz)2-(Bz)20]は±4ppm程度の範囲内に調整しておくことが必要とされている。
図7に示した結果から、(Bz)2-(Bz)20≦4ppmとするためには、a<62.4mmとする必要がある。巻線部の外直径の最大値をDmax、巻線部の外直径の最小値をDminとしたとき、Dmax=62.4mm×2=124.8mm、Dmin=61.3mm×2=122.6mmであるから、(Dmax-Dmin)/Dmin=0.0179(≦0.0350)となる。
即ち、前記実施例1では、巻線部内で接続を行った超電導マグネットの連続運転は可能であったが、NMRマグネットのように発生磁場の高い均一度を要求される場合には、前記(2)式の関係を満足することが必要となる。
接続の位置が鍔部に近づくと、(Dmax-Dmin)/Dminの制約は緩和されることになる。前記図7には、z=-200mmの位置に接続部がある場合の接続箇所の巻線部外半径aと(Bz)2-(Bz)20の関係も同時に示したが、同じ接続箇所の巻線部外半径で比較すると、z=-100mmに比べてz=-200mmのときに、(Bz)2-(Bz)20の値は低く抑えることができている。
[実施例4]
実施例2と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて25層を全て巻き終わり、反対側の鍔部で折り返してz=-100mmの位置まで巻いたときに酸化物超電導線材の末端がそこで留まった。その後、比較例1と同様にして、内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4であるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm<|z|=100mm<L/2=420mm]。
実施例2と同様にして、酸化物超電導線材(内側巻き線材)を、巻枠の片方の鍔部から巻き始めて25層を全て巻き終わり、反対側の鍔部で折り返してz=-100mmの位置まで巻いたときに酸化物超電導線材の末端がそこで留まった。その後、比較例1と同様にして、内側巻き線材と外側巻き線材を接続した[L=840mm、d=78.4であるので、L/2-(2.2×107/dL)=85.9mm<|z|=100mm<L/2=420mm]。
その後、接続箇所の表面に薄膜型の温度センサを取り付け、厚さ0.50mmのポリエステルフィルム製のシート(商品名「マイラ」:デュポン社製)を、-97.75mm<z<420mmの領域の巻線部の表面に巻回し、その上に続けて外側巻き線材を巻線し、全体で54層の巻線を行った。巻線後にコイル全体をワックスに含浸し、含浸したコイルを室温で、ボア径54mmのクライオスタット内に設置し、クライオスタット内に液体ヘリウムを搬送した後、245Aの電流を通電した。その結果、接続箇所の温度は、通電開始直後は4.4Kとなり、液体ヘリウム温度4.2Kよりも0.2K高くなったが、2時間の連続運転を行っても接続箇所の温度は上昇せず一定値を保持した。
このコイルと同じで、z=-100mmの位置に接続箇所が存在し、接続箇所に温度センサを入れずに、異なる厚さのポリエステルフィルム製のシート(商品名「マイラ」:デュポン社製)を、-97.75mm<z<420mmの領域の巻線部の表面に巻回し、その上に続けて外側巻き線材を巻線し、全体で54層の巻線を行った酸化物超電導コイルを製作したと仮定して、245Aを通電した場合に得られるマグネットボア中心部の直径20mm球の空間における磁場不均一のz2成分である(Bz)2=A20/A00を計算した。
この計算では、図8(モデル図)に示すように、内半径39.2mm、外半径61.3mmの巻線部をベースとして、-97.75mm<z<420mmのシートを挿入した領域の巻線部外半径をammにしたモデルを使用した。巻き層数は54でどのz位置でも一定である。z2成分である(Bz)2=A20/A00を計算し、a=61.3mmの場合の(Bz)2(≡(Bz)20)との差の絶対値|(Bz)2-(Bz)20|(ppm)を求めた。その結果を、z=-200mmの位置の接続の場合と共に図9に示す。この結果から明らかなように、接続箇所の外半径aが増大すると共に、(Bz)2-(Bz)20も増大し、磁場の均一度が低下することが分かる。
図9に示した結果から、(Bz)2-(Bz)20≦4ppmとするためには、a<63.2mmとする必要がある。巻線部の外直径の最大値をDmax、巻線部の外直径の最小値をDminとしたとき、Dmax=63.2mm×2=126.4mm、Dmin=61.3mm×2=122.6mmであるから、(Dmax-Dmin)/Dmin=0.0310(≦0.0350)となる。
即ち、前記実施例3では、|(Bz)2-(Bz)20|≦4ppmを満足するためには、(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0179である必要であったが、実施例4では(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0310を満足すれば良く、巻線に対する制約が緩和されていることが分かる。
接続の位置が鍔部に近づくと、(Dmax-Dmin)/Dminの制約は緩和されることになる。前記図9には、z=-200mmの位置に接続部がある場合のシート挿入部の巻線部外半径aと|(Bz)2-(Bz)20|の関係も同時に示したが、同じ接続箇所の巻線外半径で比較すると、z=-100mmに比べてz=-100mmのときに、|(Bz)2-(Bz)20|の値は低く抑えることができることが分かる。
実施例3と実施例4では、巻線部外半径は計算のため仮定しているが、実際のコイルでは、巻線部の直径の最小値と最大値については、接続箇所を含み、巻線部長手方向に等間隔に最低でも5箇所以上で計測して求めることが望ましい。
上記の実施例では、巻線部内の接続が1箇所の場合であったが、接続箇所が巻線部内に複数ある場合も、同様の効果が期待でき、適用が可能である。
巻線部の長さLと巻線部の内直径dについては、L/2-(2.2×107/dL)≧0である必要があるので、2dL≧4.4×107の条件を満たす必要がある。Lとdの上限については特に制約は無いが、これらの値が大きくなると、鍔部から巻線部の内側に入る許容長さ(2.2×107/dL)がゼロに近づき、鍔部に隣接した箇所でしか接続が許されないことになる。
尚、上記の実施例では、接続箇所の断面図が図10となる接続方法を用いたが、接続箇所の断面図が図11である接続方法を用いても同様の効果が期待できる。即ち、図10に示した接続方法では、一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面(幅広面)と、別の酸化物超電導線材端部の下面(幅広面)とを低融点金属を挟んで加熱接続した後、当該酸化物超電導線材を、接続前に巻線していた方向に続けて巻線したものであるが、図11に示すように、一つの酸化物超電導線材を円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面(幅広面)と、別の酸化物超電導線材における巻き始め端部の上面(幅広面)に、低融点金属を配置し、それらの低融点金属の上に別の酸化物超電導線材を接続片として橋渡しして加熱接続した後、接続前に巻線していた方向に続けて酸化物超電導線材を巻線するようにしても良い。
特に、YBCO系の超電導線材の場合には、ハステロイやNi-W基板の上に中間層を形成してその上にYBCO系の超電導線材(薄膜)を成膜し、断面構造が上下方向に非対称になる場合(即ち、テープ状線材の両幅広面で特性異方性が認められる場合)がある。このような場合には、図11において、ハステロイやNi-W基板を接続箇所の断面構造で反対方向に向くように配置し、内側巻き線材と接続片(接続片線材)、外側巻き線材と接続片線材(接続片)の各YBCO系超電導線材が向き合うように配置することにより、良好に接続することが可能となる。
本発明の酸化物超電導ソレノイド巻きコイルは、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材がその幅広面を重ね合せることで接続され、または多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されている構成とすることによって、複数の酸化物超電導線材を、複数のコイル間の無効スペースを生じることなく、単一コイル内で超電導特性を劣化させることなく接続することができる。
Claims (8)
- 巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を電気的に直列に接続しながら螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルであって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材がその幅広面を重ね合せることで接続されていることを特徴とする酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
- 巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を電気的に直列に接続しながら螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルであって、多層巻きされた巻線部内で、前記酸化物超電導線材を突き合わせ、両酸化物超電導線材の幅広面に、テープ状接続片の幅広面を重ね合わせることで、前記酸化物超電導線材が接続されていることを特徴とする酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
- 酸化物超電導線材の前記接続部は、下記(1)式の関係を満足する位置に存在するものである請求項1または2に記載の酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
L/2-(2.2×107/dL)≦|z|<L/2 …(1)
但し、L:巻線部長さ(mm)
d:巻線部の内直径(mm)
z:コイル中心をゼロとしたときの接続部の軸方向距離(mm) - 巻線部の酸化物超電導線材層間に絶縁シートが挿入されたものである請求項3に記載の酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
- 巻線部における外直径の最大値、最小値が、下記(2)式の関係を満足するものである請求項3に記載の酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
(Dmax-Dmin)/Dmin≦0.0350 …(2)
但し、Dmax:巻線部の外直径の最大値(mm)
Dmin:巻線部の外直径の最小値(mm) - 巻線部の酸化物超電導線材層間に絶縁シートが挿入されたものである請求項5に記載の酸化物超電導ソレノイド巻きコイル。
- 巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻きコイルを製造するに当り、一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材端部の下面とを低融点金属を挟んで加熱接続した後、当該酸化物超電導線材を、接続前に巻線していた方向に続けて巻線することを特徴とする酸化物超電導ソレノイド巻きコイルの製造方法。
- 巻枠の円筒状巻胴部の外周に、複数のテープ状の酸化物超電導線材を螺旋状に多層巻きされて構成される酸化物超電導ソレノイド巻コイルを製造するに当り、一つの酸化物超電導線材を前記円筒状巻胴部にその片端から重ならないように巻き始め、その線材の巻き終わり端部の上面と、別の酸化物超電導線材における巻き始め端部の上面とに、低融点金属を配置し、それらの低融点金属の上に別の酸化物超電導線材を接続片として橋渡しして加熱接続した後、接続前に巻線していた方向に続けて酸化物超電導線材を巻線することを特徴とする酸化物超電導ソレノイド巻きコイルの製造方法。
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