JP2009043759A - 超電導電磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイルに流すことができる電流がより大きな超電導電磁石を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明に係る超電導電磁石10は、テープ状の超電導線材Sが巻回された巻き芯12の両端部を磁気回路を形成するように接続する磁気回路部材40を備え、この磁気回路部材40は強磁性体で形成されており、巻き芯12の両端にそれぞれ連結されて少なくとも巻き芯12とコイル20とを合わせた大きさの外径を有する一対の巻き芯連結部41、及びこの一対の巻き芯連結部41間をコイル20の外側を通って接続する接続部32を有し、巻き芯連結部41は、コイル20に電流が流された際に、中心軸C方向におけるコイル20の端部に形成される磁場の向きが当該コイル20の端部を構成する超電導線材Sのテープ面に対して平行若しくは略平行となるような中心軸C方向の長さを有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、超電導線材で構成されたコイルに電流が流されることで磁場が形成される超電導電磁石に関する。
従来から、超電導電磁石としては、巻き枠に超電導導体で形成された線材、即ち、超電導線材が巻回されてコイルが形成され、このコイルに電流が流されることで強力な磁場が形成されるものが知られている。
具体的には、図4に示すように、超電導電磁石110は、巻き枠111とコイル120とを備える。巻き枠111は、コイル120の中心軸C’に沿って延びる中空円筒状の巻き芯部112とその両端に設けられた径方向外側へ延びるフランジ113とを有する。コイル120は、超電導線材S’を巻き芯部112の外周面に沿って巻回することで形成される。このコイル120を形成する超電導線材S’として、近年、より高温で超電導状態を保つことができる、換言すると、より臨界温度の高いビスマス系やイットリウム系の酸化物系超電導導体が用いられている。これら酸化物系超電導導体の一般的な形状は、テープ状である。即ち、酸化物系超電導導体は、その結晶におけるAB面内のみでしか超電導電流が流れない。また、前記酸化物系超電導導体は、AB面方向に結晶成長しやすくAB面を板面とした異方性を有する板状の結晶となる。そのため、前記酸化物系超電導導体を用いた超電導線材としては、テープ面に対してab面が平行となるよう結晶を配向することで形成されたテープ状の超電導線材(以下、単に「テープ状超電導線材」とも称する。)S’が一般に用いられる。このテープ状超電導線材S’は、巻き芯部112にその幅方向が当該巻き芯部112の中心軸C’方向と平行となるように巻回されている。尚、結晶学的には、板状結晶の厚み方向がc軸方向であり、板面がa軸及びb軸で定義される平面である。
前記結晶の異方性は、特性的にも現れる。即ち、結晶のab面に対して磁場が垂直にかかる場合と平行にかかる場合とでは前記結晶における臨界電流値が異なり、垂直にかかる場合は、平行にかかる場合に比べて磁場下での臨界電流値の低下が著しい。このように臨界電流値は、結晶に対する磁場方向の角度依存性をもつ。
そのため、上記のような結晶を用いて形成したテープ状超電導線材S’においては、当該テープ状超電導線材S’にかかる磁場の方向と臨界電流密度(臨界電流値/磁場がテープ面に平行時の臨界電流値)との定性的な関係が図5に示すようになり、臨界電流密度は、磁場方向がテープ面に垂直の時では、平行の時の約1000分の1にまで低下する。
ここで、コイル120に通電されて前記超電導電磁石110で磁場が形成されると、巻き芯部112で囲まれた中空部116内に大きな磁場が形成される。この磁場はコイル120におけるテープ状超電導線材S’の巻回部分にも形成される。この巻回部分に形成された磁場は、図6にも示すように、中心軸C’方向において、コイル120中央部近傍では、前記中心軸C’に平行若しくは略平行な向きの大きな磁場が形成され、コイル端部(図6においては点線で囲まれた範囲の上部及び下部)、いわゆるエッジ部では前記中心軸C’に対して垂直若しくは略垂直な向きの磁場が形成されている。即ち、中心軸C’方向において、コイル120中央部には、テープ状超電導線材S’のテープ面に対して平行若しくは略平行に磁場がかかっているが、コイル120端部には前記テープ面に対して垂直若しくは略垂直方向に磁場がかかっている。そのため、前記コイル120端部におけるテープ状超電導線材S’の臨界電流値が低下し、前記中央部におけるテープ状超電導線材S’の臨界電流値よりも非常に小さくなる(図11参照)。
コイル120に流すことができる電流値の上限は、コイル120を形成するテープ状超電導線材S’内での最小の臨界電流値によって規定される。そのため、前記中心軸C’方向において、コイル120中央部におけるテープ状超電導線材S’の臨界電流値が大きいにもかかわらず、コイル120端部におけるテープ状超電導線材S’の臨界電流値によって規定される非常に小さな電流しか当該コイル120には流すことができない。
そこで、本発明は、コイルに流すことができる電流がより大きな超電導電磁石を提供することを目的とする。
そこで、上記目的を達成すべく、本発明に係る超電導電磁石は、テープ状の超電導線材で構成されるコイルに電流が流されることで磁場が形成される超電導電磁石において、前記コイルの中心軸に沿って延び、前記コイルを構成する前記超電導線材が外周面に巻回される巻き芯と、前記巻き芯の両端部を磁気回路を形成するように接続する磁気回路部材と、を備え、前記磁気回路部材は強磁性体で形成されており、前記巻き芯の両端にそれぞれ連結されて少なくとも前記巻き芯とコイルとを合わせた大きさの外径を有する一対の巻き芯連結部、及びこの一対の巻き芯連結部間を前記コイルの外側を通って接続する接続部を有し、前記巻き芯連結部は、前記コイルに電流が流された際に、前記中心軸方向における前記コイルの端部に形成される磁場の向きが当該コイルの端部を構成する前記超電導線材のテープ面に対して平行若しくは略平行となるような前記中心軸方向の長さを有することを特徴とする。
かかる構成によれば、前記中心軸方向におけるコイル端部(以下、単に「コイル端部」とも称する。)にかかる磁場の方向が当該コイル端部を構成するテープ状超電導線材のテープ面と平行若しくは略平行となるため、当該コイル端部のテープの状超電導線材(以下、単に「テープ状超電導線材」とも称する。)の臨界電流値が高い値のままで維持される。従って、当該コイルにはより大きな電流が流され、磁場強度の大きな磁場が形成される。
即ち、コイルが通電されることで、磁気回路部材を備えない従来の超電導電磁石におけるコイル端部(エッジ部)には、コイルの中心軸に対して垂直若しくは略垂直な向きの磁場が形成される。しかし、上記構成のように磁気回路部材を備えることで、コイル端部に形成される前記中心軸方向に対して垂直若しくは略垂直な向きの前記磁場が巻き芯連結部に引っ張られてコイル端部を構成するテープ状超電導線材のテープ面に沿った向きの磁場となる。そのため、コイル端部を構成するテープ状超電導線材の臨界電流値が高い値、換言すると、前記中心軸方向におけるコイル中央部(以下、単に「コイル中央部」とも称する。)の臨界電流値と同一若しくはほぼ同一の値のままで維持される。
本発明においては、前記巻き芯は、中空円筒状であり、前記巻き芯連結部は、前記巻き芯に囲まれた中空部と外部とを連通し且つ前記中心軸方向に沿うような貫通孔を有する構成であってもよい。
かかる構成によれば、中空円筒状の巻き芯に囲まれた中空部内に強力な磁場が形成される。そのため、この形成された強力な磁場が形成された空間内に前記磁気誘導部の貫通孔を通じて試料等を搬入することができ、当該磁場内での試料の分析等が行えるようになる。
また、前記巻き芯の外径よりも大きな外径を有して前記巻き芯に巻回される前記超電導線材の前記中心軸方向における両端位置を規制するフランジが前記巻き芯の両端にそれぞれ設けられ、当該フランジは、強磁性体により形成されて前記巻き芯連結部の少なくとも一部を構成し、前記フランジ間を磁気回路を形成するように接続するヨークが前記フランジと共に前記磁気回路部材を構成することが好ましい。
かかる構成によれば、前記巻き芯両端部に前記フランジが設けられていることから、テープ状超電導線材を巻き芯に正確に巻きつけて前記コイルを形成することができる。しかも、このフランジが強磁性体で形成され、このフランジに強磁性体で形成されたヨークが連結されることで、前記巻き芯の両端を磁気回路を形成するように接続する前記磁気回路部材が構成される。即ち、前記中心軸方向におけるコイル両端にそれぞれ接するフランジが強磁性体で形成されることで、前記コイル両端部から前記磁気回路部材以外への磁場の漏れの少ない状態で磁気回路が形成される。そして、前記磁気回路部材の巻き芯連結部は、前記中心軸方向の長さを有している。そのため、前記コイル端部にかかる磁場が前記巻き芯連結部によって前記中心軸方向に沿った方向に引っ張られ、前記テープ状超電導線材のテープ面に沿った方向の磁場となる。その結果、前記コイルにより大きな電流が流れ、磁場強度のより大きな磁場が形成される。
また、前記巻き芯は、弱磁性体で形成されるのが好ましい。このような巻き芯は磁化しない又は磁化し難いため、前記中空部内に形成される磁場が巻き芯に吸収され難くなり、磁場強度のより大きな磁場を前記中空部内に形成することができる。
また、前記巻き芯連結部の貫通孔の内径が前記巻き芯の中空部の内径よりも小さい構成であってもよい。
かかる構成によれば、前記巻き連結部における前記貫通孔を形成する貫通孔周縁部で且つ前記巻き芯の内径よりも径方向内側の部位がコイル端部にかかる磁場を径方向中心側に向かって引っ張る。そのため、前記コイル端部にかかる磁場がさらに前記テープ面に沿った方向に近づく。その結果、コイル端部におけるテープ状超電導線材の臨界電流値の低下が抑制され、コイルにより大きな電流が流れるようになる。
以上より、本発明によれば、コイルに流すことができる電流がより大きな超電導電磁石を提供することができるようになる。
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
本実施形態に係る超電導電磁石は、テープ状に形成された超電導線材(以下、単に「テープ線材」とも称する。)で構成されるコイルに電流が流されることで磁場強度の大きな、即ち、強力な磁場を形成するものである。具体的には、図1及び図2に示すように、超電導電磁石10は、巻き枠11と、この巻き枠11にテープ線材Sを巻回することで形成されるコイル20と、巻き枠11の軸方向両端をコイル20の外側を通って接続するヨーク30と、を備える。
巻き枠11は、コイル20の中心軸Cに沿って延びる巻き芯12と、この巻き芯12の前記コイル20の中心軸C方向の両端にそれぞれ設けられた一対のフランジ13,13とを有する。尚、本実施形態において、コイル20の中心軸Cを単に「C軸」、コイル20の中心軸Cに沿った方向を単に「C軸方向」とも称することとする。
巻き芯12は、当該巻き芯12の中心軸が前記コイルの中心軸Cと一致する中空円筒状に形成されている。詳細には、巻き芯12は、外径r1が100mm、内径r2が96mm、長さL1が150mmの中空円筒状に形成されている。この巻き芯12のC軸方向両端部は、径方向内側(中心軸側)に向かって屈曲し、周方向に沿って一定幅の鍔部14を形成する。この鍔部14は、フランジ13を取り付ける際に使用され、巻き芯12の周方向に沿って所定間隔をおいて複数の貫通孔15,15,…が穿設されている。巻き芯12は、本実施形態においては、弱磁性体のアルミ合金によって形成されている。しかし、これに限定される必要はなく、SUS等の弱磁性体で形成されていれば他の素材によって形成されていてもよい。即ち、巻き芯12は、磁化し難い素材で形成されていればよい。このような素材で巻き芯12が形成されることで、当該巻き芯12に囲まれた中空部16内に形成される後述の磁場が当該巻き芯12に吸収されない又は吸収され難くなり、磁場強度のより大きな磁場が前記中空部16内に形成される。
フランジ13は、巻き芯12のC軸方向両端に設けられることで、当該巻き芯12に巻回されるテープ線材SのC軸方向における両端位置を規制するものである。このフランジ13は、円板状に形成されている。詳細には、フランジ13は、巻き芯12の外径r1よりも大きな外径r3を有し、この外径r3が巻き芯12の外周に沿って配置されたコイル20の外径r3’と同一若しくは略同一となるように形成されている。また、フランジ13の中央には、円形の貫通孔であるフランジ貫通孔17が穿設されている。このフランジ貫通孔17の内径r4は、巻き芯12の内径r2よりも小さい。そのため、フランジ13が巻き芯12に取り付けられると、フランジ貫通孔17の周縁部が巻き芯12の中心軸側に張り出した(突出した)状態となる。詳細には、フランジ13は、外径r3が150mm、内径(フランジ貫通孔17の内径)r4が60mm、厚さ(C軸方向の長さ)L2が15mmの円板状に形成されている。
このような形状のフランジ13は、本実施形態においては電磁軟鉄で形成されている。しかし、このフランジ13を構成する素材は、電磁軟鉄に限定される必要はなく、ケイ素鋼板、純鉄、鉄合金、ニッケル、ニッケル合金等の強磁性体であればよい。即ち、後述するように、フランジ13が強磁性体によって形成されていれば、強磁性体で形成されるヨーク30と共にコイル20のC軸方向両端部を接続して磁場の漏れの少ない磁気回路が形成される。
このように形成された一対のフランジ13,13は、板面が前記C軸と直交し且つフランジ貫通孔17の中心が前記C軸上に位置するように巻き芯12両端の鍔部14にそれぞれ取り付けられている。このとき、フランジ13は、前記中空部16側から鍔部14の貫通孔15を通じてネジ18がねじ込まれることで巻き芯12に固定される。
コイル20は、テープ線材Sが巻き芯12の外周面に沿ってソレノイド状に巻回されることで形成される。このコイル(ソレノイドコイル)20の外径r3’は、フランジ13の外径r3と同一若しくは略同一で、C軸方向の長さL3が150mmである。
このコイル20を構成するテープ線材Sとしては、ビスマス系又はイットリウム系の酸化物系超電導導体が用いられている。テープ線材Sは、一定幅の長尺なテープ状の超電導線材であり、前記酸化物系超電導導体の結晶のab面がテープ面に対して平行に配向し、その周囲が銀シース等によって被覆されるように形成されている。このテープ線材Sは、その幅方向がC軸方向と平行となるよう、巻き芯12の外周面に沿って巻回され、コイル20を構成している。
ヨーク30は、フランジ13と同様に電磁軟鉄等の強磁性体で形成され、巻き枠11のC軸方向両端、詳細には、強磁性体で形成された一対のフランジ13,13同士をコイル20の外側を通るように接続することで、磁気回路を形成するものである。このヨーク30は、一対のフランジ13,13にそれぞれ連結される一対のフランジ連結部31,31と、この一対のフランジ連結部31,31間を接続する接続部32とを有する。尚、ヨーク30は、本実施形態においては電磁軟鉄で形成されているが、これに限定されることはなく、フランジ13同様、強磁性体で形成されていればよく、ケイ素鋼板等であってもよい。
フランジ連結部31は、フランジ13の外側(C軸方向において、巻き芯12の中空部16側と反対側)の面からC軸方向に沿って前記外側に延び、前記C軸に沿うように形成される連結部貫通孔33を有する。詳細には、フランジ連結部31は、C軸方向から見ると、フランジ13と同一形状である。即ち、C軸方向視、フランジ連結部31の外径r3”及び内径(連結部貫通孔33の内径)r4”がフランジ13の外径r3及び内径(フランジ貫通孔17の内径)r4と同一である。このフランジ連結部31は、フランジ13と共に後述する巻き芯連結部41を構成する。尚、本実施形態において、図示しないが、フランジ連結部31の先端側(前記外側)の面からフランジ13に向かって複数のザグリ穴が形成され、このザグリ穴を通じてネジ止めされることによってフランジ13とフランジ連結部31とが連結されている。
この巻き芯連結部41は、外径がコイル20の外径r3’と同一若しくは略同一の円筒状で、フランジ貫通孔17と連結部貫通孔33とが連接されて形成されるヨーク貫通孔42を有する。このヨーク貫通孔42は、内径がフランジ13の内径r4と同一のC軸に沿った真っ直ぐな貫通孔で、巻き芯12の中空部16と外部とを連通する。
接続部32は、C軸方向に沿って延びる中空円筒状で、その両端部が径方向内側(中心軸側)に向かって屈曲するように形成されている。この接続部32は、その内径r5がコイル20の外径r3’よりも大きくなるように形成されている。即ち、接続部32は、コイル20を互いの中心軸が一致するように収容した際、コイル20の外周面と当該接続部32の内周面との間に間隙34が生じるような大きさに形成されている。詳細には、接続部32は、外径r6が240mm、内径r5が190mm、C軸方向の長さL4が290mm、間隙34のC軸と直交する方向の長さ(幅)L5が25mm、C軸方向の長さL6が220mmとなるように形成されている。
この接続部32は、一対のフランジ連結部31(又は巻き芯連結部41)の先端部(フランジ13と離れた側の端部)同士を接続している。詳細には、円筒状の接続部32内に、互いの中心軸が一致するように巻き芯12にテープ線材Sを巻回して形成されたコイル20及びこの状態のコイル20のC軸方向両端に連結された一対の巻き芯連結部41(フランジ13及びフランジ連結部31)を収容する。この状態で、フランジ連結部31の前記先端部と接続部32の屈曲部先端とが連結される。このとき、フランジ連結部31の前記先端側の面と接続部32のC軸方向における端面とが面一になるよう、フランジ連結部31の前記先端部周面と接続部32の屈曲部のC軸側の先端とが連結されている。この接続部32は、フランジ連結部31とフランジ13とからなる巻き芯連結部41と共に後述する強磁性体で形成された磁気回路部材40を構成する。尚、前記フランジ連結部31と接続部32とで構成されるヨーク30は、図示しないが、所定の位置で2以上の部位に一旦分離され、コイル20を備えた巻き枠11と所定の前記部位とが連結された後、各部位が連結されるように構成されている。
本実施形態に係る超電導電磁石10は、以上の構成からなり、次に、その動作について説明する。
超電導電磁石10は、液体ヘリウム中で冷却される。そうすると、コイル20を構成するテープ線材Sが超電導状態となり、電気抵抗がゼロとなる。この状態で、コイル20に電流を流すことで、巻き芯12の中空部16内にC軸に沿った向きの磁場強度の大きな磁場が形成される。
このとき、コイル20の内部、詳細には、コイル20のテープ線材Sの巻回部分にも磁場が形成される。このコイル20に形成される磁場は、コイル20のC軸方向両端が強磁性体の磁気回路部材40によって接続され、磁気回路が形成されていることから、前記巻回部分のテープ線材Sのテープ面と平行若しくは略平行な向きとなる。尚、略平行とは、コイル20内に形成される磁場の磁束線を図示した場合に、テープ線材Sのテープ面とほぼ平行に見える程度をいう。
詳細には、従来のように磁気回路部材40を備えない超電導電磁石においては、コイルが通電されることで、中心軸方向におけるコイルの端部(以下、単に「コイル端部」と称する。)に、コイルの中心軸に対して垂直若しくは略垂直な向きの磁場が形成される。これに対して、本実施形態に係る超電導電磁石10のように磁気回路部材40を備えることで、従来の超電導電磁石であればコイル端部に形成される前記コイルの中心軸に対して垂直若しくは略垂直な向きの磁場が、巻き芯連結部41側に引っ張られることによってコイル20端部を構成するテープ線材Sのテープ面に沿った向きの磁場となる。
さらに詳細に説明すると、テープ線材Sが巻き枠11に巻き付けられて(巻回されて)形成されたコイル20は、巻き芯12のC軸方向両端部に設けられた一対のフランジ13,13にそのC軸方向両端が接触している。このフランジ13が強磁性体で形成され、このフランジ13に強磁性体で形成されたヨーク30が連結されることで、コイル20のC軸方向両端を磁気回路を形成するように接続する磁気回路部材40が構成される。このとき、C軸方向におけるコイル20両端にそれぞれ接する一対のフランジ13,13が強磁性体で形成されることで、前記コイル20両端部から磁気回路部材40以外への磁場の漏れの少ない状態で磁気回路が形成される。そして、磁気回路部材40のフランジ13をその一部に含む巻き芯連結部41は、C軸方向に所定の長さ(本実施形態においては、70mm)を有している。そのため、コイル端部にかかる磁場が巻き芯連結部41によってC軸方向に引っ張られる。
しかも、巻き芯連結部41のヨーク貫通孔42の内径r4”が巻き芯12の中空部16の内径r2よりも小さい、即ち、ヨーク貫通孔42を形成するヨーク貫通孔周縁部は、巻き芯12の内周面よりもC軸側に張り出している。そのため、巻き連結部41におけるヨーク貫通孔42を形成するヨーク貫通孔周縁部で且つ巻き芯12の内径r2よりも径方向内側の部位(前記張り出し部位)がコイル20端部にかかる磁場を径方向中心側(C軸側)に向かって引っ張る。そのため、前記張り出し部位がない場合よりも、コイル20端部にかかる磁場がさらにC軸方向に沿うように真っ直ぐになって、テープ線材Sのテープ面に沿った方向により近くなる。
従って、コイル20のC軸方向全体に亘り、コイル20を構成するテープ線材Sのテープ面とコイル20の巻回部分にかかる磁場の方向とが平行若しくは略平行となる。そのため、C軸方向におけるコイル20中央部のテープ線材Sにおける臨界電流値に対するコイル20端部のテープ線材Sにおける臨界電流値の低下を抑制することができる。即ち、超電導電磁石10のコイル20端部を構成するテープ線材Sの臨界電流値が高い値、換言すると、C軸方向におけるコイル20中央部の臨界電流値と同一若しくはほぼ同一の値のままで維持され、コイル20にはより大きな電流が流れる。その結果、コイル20(超電導電磁石10)によって磁場強度の大きな磁場が形成される。
本発明に係る超電導電磁石10、及びこの超電導電磁石10と同じ寸法で磁気回路部材を備えず且つ巻き枠全体(フランジ及び巻き芯)が非磁性体のアルミ合金で構成された従来の超電導電磁石を用いて以下の条件において液体ヘリウム中で運転を行った。
超電導線材:幅が5.0mm、厚みが0.5mm。
コイル :巻線内径が100mm、巻線外径が150.0mm、巻幅(中心軸C方向の幅)が150.0mm、巻数が1500。
このコイルに207.05Aの電流を流し、中心磁場(図3及び図6の磁場中心における磁場の強さ)が2.0Tとなるようにした。その結果、従来の超電導電磁石では、コイル端部のテープ線材のテープ面に対して垂直方向にかかる磁場強度は1.08Tとなった。また、本発明に係る超電導電磁石では、コイル端部のテープ線材のテープ面に対して垂直方向にかかる磁場強度は0.16Tとなった。また、このときの本発明に係る超電導電磁石のコイルの巻回部分の磁場分布は、図3に示すようになった。
以上の結果より、本発明に係る超電導電磁石は、コイル端部のテープ状超電導線材におけるテープ面に対して垂直方向にかかる磁場強度を従来の超電導電磁石と比べ約7分の1にすることができた。また、図3からも、コイルの巻回部分にかかる磁場の向きがテープ状超電導線材のテープ面に沿った向き(図3では上下方向に沿った向き)になっていることが分かる。
従って、超電導電磁石が強磁性体で形成された一対のフランジにヨークが接続され、巻き芯の内径よりも径の小さな内径のヨーク貫通孔を有する上記の磁気回路部材を備えることで、コイルに流すことができる電流がより大きくなることが確認できた。
尚、本発明の超電導電磁石は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本実施形態に係る超電導電磁石の構成を示す斜視中央縦断面図を示す。 同実施形態に係る超電導電磁石の寸法を示す斜視中央縦断面図を示す。 同実施形態に係る超電導電磁石の巻回部分の磁場分布図を示す。 従来の超電導電磁石の構成を示す斜視中央縦断面図を示す。 酸化物系テープ状超電導線材の臨界電流の磁場方向依存性を示す図である。 従来の超電導電磁石の巻回部分の磁場分布図を示す。
符号の説明
10 超電導電磁石
12 巻き芯
20 コイル
40 磁気回路部材
41 巻き芯連結部
C 中心軸
S 超電導線材(テープ状超電導線材、テープ線材)

Claims (5)

  1. テープ状の超電導線材で構成されるコイルに電流が流されることで磁場が形成される超電導電磁石において、
    前記コイルの中心軸に沿って延び、前記コイルを構成する前記超電導線材が外周面に巻回される巻き芯と、
    前記巻き芯の両端部を磁気回路を形成するように接続する磁気回路部材と、を備え、
    前記磁気回路部材は強磁性体で形成されており、前記巻き芯の両端にそれぞれ連結されて少なくとも前記巻き芯とコイルとを合わせた大きさの外径を有する一対の巻き芯連結部、及びこの一対の巻き芯連結部間を前記コイルの外側を通って接続する接続部を有し、
    前記巻き芯連結部は、前記コイルに電流が流された際に、前記中心軸方向における前記コイルの端部に形成される磁場の向きが当該コイルの端部を構成する前記超電導線材のテープ面に対して平行若しくは略平行となるような前記中心軸方向の長さを有することを特徴とする超電導電磁石。
  2. 請求項1に記載の超電導電磁石において、
    前記巻き芯は、中空円筒状であり、
    前記巻き芯連結部は、前記巻き芯に囲まれた中空部と外部とを連通し且つ前記中心軸方向に沿うような貫通孔を有することを特徴とする超電導電磁石。
  3. 請求項2に記載の超電導電磁石において、
    前記巻き芯の外径よりも大きな外径を有して前記巻き芯に巻回される前記超電導線材の前記中心軸方向における両端位置を規制するフランジが前記巻き芯の両端にそれぞれ設けられ、
    当該フランジは、強磁性体により形成されて前記巻き芯連結部の少なくとも一部を構成し、
    前記フランジ間を磁気回路を形成するように接続するヨークが前記フランジと共に前記磁気回路部材を構成することを特徴とする超電導電磁石。
  4. 請求項2又は3に記載の超電導電磁石において、
    前記巻き芯連結部の貫通孔の内径が前記巻き芯の中空部の内径よりも小さいことを特徴とする超電導電磁石。
  5. 請求項2乃至4のいずれか一項に記載の超電導電磁石において、
    前記巻き芯は、弱磁性体で形成されることを特徴とする超電導電磁石。
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