JPH09102638A - 磁気センサ - Google Patents

磁気センサ

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Publication number
JPH09102638A
JPH09102638A JP7260544A JP26054495A JPH09102638A JP H09102638 A JPH09102638 A JP H09102638A JP 7260544 A JP7260544 A JP 7260544A JP 26054495 A JP26054495 A JP 26054495A JP H09102638 A JPH09102638 A JP H09102638A
Authority
JP
Japan
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magnetic field
external magnetic
magnetic sensor
magnetoresistive effect
effect element
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Withdrawn
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JP7260544A
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English (en)
Inventor
Kazuo Kurihara
一夫 栗原
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 等方位的な外部磁界強度のみを正確に検出す
ることが可能であり、例えば外部磁界が1ガウス程度の
微弱磁界でも検出することができる磁気センサを提供す
る。 【解決手段】 非磁性基板1上に、幅狭な線条をなし、
回転対称な閉ループ形状、ここでは円形状をなすととも
に、外部磁界Hに対して等方位的となるようにMR素子
2をスパッタ法や真空蒸着法等の真空薄膜形成技術によ
り成膜形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
を用いた磁気センサに関し、特に外部磁界強度を等方位
的に検出する磁気センサに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管では、電子銃か
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
【0003】これを補正するために、通常、ランディン
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。
【0004】したがって、上記ランディング補正に際し
ては、地磁気の方位を正確に検出する必要があり、いわ
ゆる地磁気方位センサが使用されている。
【0005】あるいは、従来から用いられてきた磁石式
の方位計(磁気コンパス)の代替として、携帯型の方位
計としても地磁気方位センサが使用されている。
【0006】上述のように、地磁気方位センサは、様々
な用途に使用されるが、近時においては、外部磁界の方
向によらず等方位的な外部磁界強度を検出する磁気セン
サが必要とされている。
【0007】図11に上述の如き地磁気方位センサの基
本構造を示す。この地磁気方位センサは、外部磁界の方
向によらず等方位的な外部磁界強度のみを検出する磁電
変換素子101と、それぞれ複数回線材が巻回されてな
り、この磁電変換素子101を四方から包囲するように
互いに直交する如く配設されたヘルムホルツ・コイル1
02〜105とから構成されている。
【0008】この地磁気方位センサの動作原理を以下に
示す。すなわち、図12に示すように、ヘルムホルツ・
コイル102〜105により磁界強度が一定のバイアス
磁界Hbを360゜回転させると、磁電変換素子101
にバイアス磁界Hbと地磁気Heとのなす回転角θbe
の大きさに応じて|Hb+He|の磁界強度が伝達され
る。この磁界強度は回転角θbeに依存して図13に示
すように変化し、この磁界強度の差と回転角θbeとか
ら地磁気Heの方位が検出される。
【0009】ところで、外部磁界の変化を感知して応答
する磁気センサの主な具体例としては、ホール素子、フ
ラックスゲート、及び磁気抵抗効果素子(以下、単にM
R素子と記す。)を用いるものが挙げられるが、何れも
外部磁界に対して方向指向性を有している。したがっ
て、これらの素子を磁電変換素子101として用いるこ
とはできない。この方向指向性を有する素子の一例とし
て、上記MR素子について説明する。
【0010】図14に示すように、MR素子111は、
例えばNi−Zn合金等からなる強磁性薄膜の磁気抵抗
効果を利用した磁電変換素子であり、印加磁界の強度に
応じてその抵抗値が変化するという特性を有している。
当該MR素子111に供給されるセンス電流Isの方向
(MR素子111の長手方向)と外部磁界Hによってこ
のMR素子111が磁化される磁化Mの方向とのなす角
をθとすると、この角θとMR素子111の抵抗値Rと
の関係は図15に示すようになり、抵抗値Rは以下に示
す数式で表される。
【0011】R=R1+(R2−R1)cos2 θ ここで、R1はセンス電流Isの方向と磁化Mの方向と
が同一である場合の抵抗値、R2はセンス電流Isの方
向と磁化Mの方向とが直交する場合の抵抗値である。こ
の場合、外部磁界Hの強度が一定でもその方向が変わる
と角θが変化し、抵抗値Rもまた変化するために、この
MR素子111は方向指向性を有することが分かる。
【0012】また、MR素子は一般的に磁界感度が高い
ものであると称されているが、この磁界感度は1ガウス
程度の微弱磁界を直接検出するには不十分である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる磁気センサでは、外部磁界の方向によらず外部磁
界強度のみを検出することはできない。
【0014】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、等方位的な外部磁界強度のみ
を正確に検出することが可能であり、例えば外部磁界が
1ガウス程度の微弱磁界でも検出することができる磁気
センサを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気センサは、
非磁性基板上に幅狭な線条の磁気抵抗効果素子(MR素
子)が回転対称な閉ループ形状をなして配されているも
のである。
【0016】この場合、具体的には上記MR素子を円形
状に構成することが好適である。また、幅狭な線条のM
R素子を渦巻状に巻回して構成することや、上記MR素
子を複数の扇状部をもって放射状に閉ループ形状を形成
するように構成することもまた好適である。
【0017】また、上記MR素子が形成する回転対称な
閉ループ内に地磁気を集束する強磁性体コアを配するこ
とが好ましい。さらにこの場合、上記MR素子の外周部
にも複数の強磁性体コアを当該各強磁性体コア間及び磁
気抵抗効果素子が形成する回転対称な閉ループ内に配さ
れた強磁性体コアとそれぞれ所定の磁気ギャップを介し
て配することが好適である。このとき、例えば上記外周
部に4つの強磁性体コアを配し、互いに直交する4つの
磁気ギャップが形成されるように上記磁気センサを構成
することが考えられる。
【0018】さらに、上記MR素子に形成より形成され
た複数の扇状部の内外に地磁気を集束する扇状の強磁性
体コアを磁気ギャップ間隔をもって放射状に配すること
も好適である。上記強磁性体コアには、パーマロイ、珪
素鋼板、各種ソフトフェライト等、高透磁率、高飽和磁
束密度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)を用い、
バイアス磁界の印加と地磁気の集束に利用する。
【0019】ここで、上記MR素子及び上記強磁性体コ
アは、共に非磁性基板上にスパッタ法や真空蒸着法等の
真空薄膜形成技術により成膜形成されるものである。し
たがって、当該磁気センサの作製時においてMR素子と
強磁性体コアとの位置合わせを容易且つ正確に行うこと
が可能となる。
【0020】上述のように、本発明の磁気センサにおい
ては、外部磁界に対して方向指向性を有するMR素子が
回転対称な閉ループ形状且つ外部磁界に対して等方位的
に配されているために、当該MR素子に所定のセンス電
流を供給することにより、このMR素子が外部磁界の方
向によらずに当該外部磁界の強度のみを検出する磁電変
換素子として機能することになる。
【0021】また、上述のように強磁性体コアを配する
ことにより、当該強磁性体コアが外部磁界を集束するい
わゆる集束ホーンとして機能し、外部磁界強度の検出感
度が更に向上することになる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した磁気セン
サのいくつかの具体的な実施の形態について、図面を参
照しながら詳細に説明する。
【0023】第1の実施の形態 先ず、第1の実施の形態に係る磁気センサについて述べ
る。この磁気センサは、図1に示すように、非磁性基板
1上に、MR素子2と、このMR素子2と電気的に接続
された導電体で形成された配線部3とがスパッタ法や真
空蒸着法等の真空薄膜形成技術により成膜形成されて構
成されている。
【0024】上記MR素子2は、幅狭な線条をなし、回
転対称な閉ループ形状、ここでは円形状をなすととも
に、外部磁界Hに対して等方位的に配されている。
【0025】このMR素子2は、図2の等価回路に示す
ように、外部磁界Hが変化することによってその抵抗値
が変化するために、出力端子から配線部3を介して当該
MR素子2に一定値のセンス電流Isを供給することに
より磁電変換が生じる。
【0026】MR素子2は等方位的に配されているの
で、当該MR素子2を流れるセンス電流Isと外部磁界
Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。す
なわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hによ
ってMR素子2が磁化される磁化方向とのなす角は外部
磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度のみに
よって変化する。したがって、上記磁気センサによれ
ば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを検
出することが可能である。
【0027】第2の実施の形態 続いて、第2の実施の形態に係る磁気センサについて述
べる。この磁気センサは、第1の実施の形態に係る磁気
センサとほぼ同様の構造を有するが、そのMR素子の形
状が異なる点で相違する。なお、第1の実施の形態に示
した部材等と同一のものについては同符号を記して説明
を省略する。
【0028】この磁気センサは、図3に示すように、第
1の実施の形態のそれと同様に、非磁性基板1上に、M
R素子11と、このMR素子11と電気的に接続された
導電体で形成された配線部3とが成膜形成されている。
【0029】上記MR素子11は、幅狭な線条をなし、
回転対称な閉ループ形状、ここでは渦巻状に複数巻に巻
回されて円形状をなすとともに、外部磁界Hに対して等
方位的に成膜形成されている。
【0030】この場合も、上記第1の実施の形態と同様
に、MR素子11は外部磁界Hが変化することによって
その抵抗値が変化するために、出力端子から配線部3を
介して当該MR素子11に一定値のセンス電流Isを供
給することにより磁電変換が生じる。
【0031】MR素子11は等方位的に配されているの
で、当該MR素子11を流れるセンス電流Isと外部磁
界Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。
すなわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hに
よってMR素子11が磁化される磁化方向とのなす角は
外部磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度の
みによって変化する。したがって、上記磁気センサによ
れば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを
検出することが可能であるとともに、MR素子11が渦
巻状に複数巻に巻回されているためにセンス電流Isに
対する電気抵抗値が増大して外部磁界Hの変化による抵
抗値変化量が増大し、外部磁界強度の検出感度が更に向
上することになる。
【0032】第3の実施の形態 続いて、第3の実施の形態に係る磁気センサについて述
べる。この磁気センサは、第1の実施の形態に係る磁気
センサとほぼ同様の構造を有するが、そのMR素子の形
状が異なる点で相違する。なお、第1の実施の形態に示
した部材等と同一のものについては同符号を記して説明
を省略する。
【0033】この磁気センサは、図4に示すように、第
1の実施の形態のそれと同様に、非磁性基板1上に、M
R素子12と、このMR素子12と電気的に接続された
導電体で形成された配線部3とが成膜形成されている。
【0034】上記MR素子12は、幅狭な線条をなし、
回転対称な閉ループ形状、ここでは複数の扇状部13を
もって当該磁気センサの中心位置から放射状に成膜形成
されており、外部磁界Hに対して等方位的に成膜形成さ
れている。ここで、MR素子12のうち、センサ部12
aが外部磁界強度を検出する部分である。上記センサ部
12aの数を多くするほど等方位的な外部磁界強度を検
出する感度が増大する。非センサ部12bでも外部磁界
Hの変化は検出されるが、センサ部12aに比してセン
ス電流Isに対する抵抗値が小さいために、当該非セン
サ部12bにより検出される外部磁界Hの変化は無視し
得る程度のものとなる。したがって、非センサ部12b
を配線部3として構成してもよい。
【0035】この場合も、上記第1の実施の形態と同様
に、MR素子12は外部磁界Hが変化することによって
その抵抗値が変化するために、出力端子から配線部3を
介して当該MR素子12に一定値のセンス電流Isを供
給することにより磁電変換が生じる。
【0036】MR素子12は等方位的に配されているの
で、当該MR素子12を流れるセンス電流Isと外部磁
界Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。
すなわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hに
よってMR素子12が磁化される磁化方向とのなす角は
外部磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度の
みによって変化する。したがって、上記磁気センサによ
れば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを
検出することが可能であるとともに、MR素子12が渦
巻状に複数巻に巻回されているためにセンス電流Isに
対する電気抵抗値が増大して外部磁界Hの変化による抵
抗値変化量が増大し、外部磁界強度の検出感度が更に向
上することになる。
【0037】第4の実施の形態 続いて、第4の実施の形態に係る磁気センサについて述
べる。この磁気センサは、第1の実施の形態に係る磁気
センサとほぼ同様の構造を有するが、地磁気を集束する
強磁性体コアが配されている点で相違する。なお、第1
の実施の形態に示した部材等と同一のものについてが同
符号を記して説明を省略する。
【0038】この磁気センサは、図5に示すように、第
1の実施の形態のそれと同様に、非磁性基板1上に、M
R素子2と、このMR素子2と電気的に接続された導電
体で形成された配線部3とが成膜形成されており、更に
MR素子2が形成する回転対称な円形状の閉ループ内に
地磁気を集束する円形状の強磁性体コア4がMR素子2
及び配線部3と共にスパッタ法や真空蒸着法等の真空薄
膜形成技術により成膜形成されて構成されている。
【0039】この強磁性体コア4の材料としては、パー
マロイ、珪素鋼板、各種ソフトフェライト等、高透磁
率、高飽和磁束密度を有する軟磁性材(いわゆるソフト
材)等が用いられる。
【0040】この場合も、上記第1の実施の形態と同様
に、MR素子2は外部磁界Hが変化することによってそ
の抵抗値が変化するために、出力端子から配線部3を介
して当該MR素子2に一定値のセンス電流Isを供給す
ることにより磁電変換が生じる。
【0041】MR素子2は等方位的に配されているの
で、当該MR素子2を流れるセンス電流Isと外部磁界
Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。す
なわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hによ
ってMR素子2が磁化される磁化方向とのなす角は外部
磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度のみに
よって変化する。したがって、上記磁気センサによれ
ば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを検
出することが可能である。
【0042】ここで、強磁性体コア4による磁界集束原
理について説明する。フェライト、パーマロイ等からな
る強磁性体コア4が外部磁界Hに与える影響について図
6に模式的に図示する。
【0043】強磁性体コア4は空気中に比べて磁気抵抗
が小さいため、外部磁界Hが吸い寄せられるように曲げ
られ、この強磁性体コア4の中を通って再び外へ出る。
【0044】したがって、強磁性体コア4は、等方位的
に配されているために外部磁界強度のみを検出すること
になり、外部磁界Hを集束し、大きな磁束密度に変換す
る(実際は、外部磁界Hにより強磁性体コア4が磁化さ
れることになる。)。
【0045】すなわち、当該強磁性体コア4が外部磁界
Hを集束するいわゆる集束ホーンとして機能し、外部磁
界強度の検出感度が更に向上することになる。
【0046】第5の実施の形態 続いて、第5の実施の形態に係る磁気センサについて述
べる。この磁気センサは、第3の実施の形態に係る磁気
センサとほぼ同様の構造を有するが、地磁気を集束する
強磁性体コアが配されている点で相違する。なお、第3
の実施の形態に示した部材等と同一のものについては同
符号を記して説明を省略する。
【0047】この磁気センサは、図7に示すように、第
3の実施の形態のそれと同様に、非磁性基板1上に、M
R素子12と、このMR素子12と電気的に接続された
導電体で形成された配線部3とが成膜形成されており、
MR素子12は、幅狭な線条をなし、回転対称な閉ルー
プ形状、ここでは複数の扇状部13をもって当該磁気セ
ンサの中心位置から放射状に成膜形成されており、外部
磁界Hに対して等方位的に成膜形成されている。
【0048】さらに、MR素子12が形成する複数の扇
状部13の内外に地磁気を集束する扇状の各強磁性体コ
ア5が各磁気ギャップGiの間隔をもって放射状に成膜
形成されて上記磁気センサが構成されている。
【0049】この強磁性体コア5の材料としては、強磁
性体コア4と同様に、パーマロイ、珪素鋼板、各種ソフ
トフェライト等、高透磁率、高飽和磁束密度を有する軟
磁性材(いわゆるソフト材)等が用いられる。
【0050】この場合も、上記第1の実施の形態と同様
に、MR素子12は外部磁界Hが変化することによって
その抵抗値が変化するために、出力端子から配線部3を
介して当該MR素子12に一定値のセンス電流Isを供
給することにより磁電変換が生じる。
【0051】MR素子12は等方位的に配されているの
で、当該MR素子12を流れるセンス電流Isと外部磁
界Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。
すなわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hに
よってMR素子12が磁化される磁化方向とのなす角は
外部磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度の
みによって変化する。したがって、上記磁気センサによ
れば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを
検出することが可能である。
【0052】ここで、強磁性体コア5による磁界集束原
理について説明する。フェライト、パーマロイ等からな
る強磁性体コア5が外部磁界Hに与える影響について図
8に模式的に図示する。
【0053】強磁性体コア5は空気中に比べて磁気抵抗
値が小さいため、外部磁界Hが吸い寄せられるように曲
げられ、強磁性体コア5に入る。複数の強磁性体コア5
にて集束し検出された外部磁界Hは磁気ギャップGiを
通って隣接する強磁性体コア5に伝達され、円環方向に
流れることになる。そして、外部磁界Hは強磁性体コア
5に入ってきた方向に強磁性体コア5の中を通って再び
外へ出る。
【0054】したがって、強磁性体コア5は、等方位的
に配されているために外部磁界強度のみを検出すること
になり、外部磁界Hを集束し、大きな磁束密度に変換す
る(実際は、外部磁界Hにより強磁性体コア5が磁化さ
れることになる。)。
【0055】すなわち、当該強磁性体コア5が外部磁界
Hを集束するいわゆる集束ホーンとして機能し、外部磁
界強度の検出感度が更に向上することになる。
【0056】第6の実施の形態 続いて、第6の実施の形態に係る磁気センサについて述
べる。この磁気センサは、第4の実施の形態に係る磁気
センサとほぼ同様の構造を有するが、地磁気を集束する
強磁性体コアが配されている点で相違する。なお、第4
の実施の形態に示した部材等と同一のものについては同
符号を記して説明を省略する。
【0057】この磁気センサにおいては、図9に示すよ
うに、第4の実施の形態のそれと同様に、非磁性基板1
上に、MR素子2と、このMR素子2と電気的に接続さ
れた導電体で形成された配線部3とが成膜形成されてお
り、MR素子2が形成する回転対称な円形状の閉ループ
内に地磁気を集束する円形状の強磁性体コア4がMR素
子2及び配線部3と共にスパッタ法や真空蒸着法等の真
空薄膜形成技術により成膜形成されている。
【0058】そして更に、当該磁気センサは、MR素子
2の外周部に各強磁性体コア6a〜6dが90゜おきに
形成された所定の磁気ギャップGe〜Ghを介して成膜
形成されて構成されている。このとき、強磁性体コア4
と各強磁性体コア6a〜6dとの間には、円形状のMR
素子2を介して磁気ギャップGe〜Ghに比して幅狭の
磁気ギャップGa〜Gdが形成されている。
【0059】この磁気センサにおいては、MR素子2の
外周部を円環状に包囲する4つの強磁性体コア6a〜6
dにより外部磁界Hが集束されて検出される。この集束
された外部磁界Hは、磁気ギャップGa〜Gdにて絞り
込まれ、更に大きな磁束密度に変換される。この大きな
磁束密度とされた外部磁界HがMR素子2に伝達される
ために一層外部磁界強度の検出感度が向上する。
【0060】なお、磁気ギャップGe〜Ghは、強磁性
体コア6a〜6dにて検出された外部磁界Hが円環方向
を通って流れるとMR素子2に当該外部磁界Hが伝達さ
れないこととなるために、上記円環方向の磁気抵抗値を
大きくする目的で設けられたものである。したがって、
これら強磁性体コアの数は4つに限定されるものではな
い。
【0061】この強磁性体コア6a〜6dの材料として
は、第4の実施の形態と同様に、パーマロイ、珪素鋼
板、各種ソフトフェライト等、高透磁率、高飽和磁束密
度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)等が用いられ
る。
【0062】この場合も、上記第1の実施の形態と同様
に、MR素子2は外部磁界Hが変化することによってそ
の抵抗値が変化するために、出力端子から配線部3を介
して当該MR素子2に一定値のセンス電流Isを供給す
ることにより磁電変換が生じる。
【0063】MR素子2は等方位的に配されているの
で、当該MR素子2を流れるセンス電流Isと外部磁界
Hとのなす角は、外部磁界Hによらず一定値をとる。す
なわち、センス電流Isの流れる方向と外部磁界Hによ
ってMR素子2が磁化される磁化方向とのなす角は外部
磁界Hの方向によらず一定値となり外部磁界強度のみに
よって変化する。したがって、上記磁気センサによれ
ば、外部磁界Hの方向によらず、外部磁界強度のみを検
出することが可能である。
【0064】ここで、強磁性体コア4及び強磁性体コア
6a〜6dによる磁界集束原理について説明する。フェ
ライト、パーマロイ等からなる強磁性体コア4及び強磁
性体コア6a〜6dが外部磁界Hに与える影響について
図10に模式的に図示する。
【0065】強磁性体コア4及び強磁性体コア6a〜6
dは空気中に比べて磁気抵抗が小さいため、外部磁界H
が吸い寄せられるように曲げられ、強磁性体コア6a〜
6dに入る。これら強磁性体コア6a〜6dにて集束さ
れ検出された外部磁界Hは、磁気抵抗値の小さい磁気ギ
ャップGa〜Gd,強磁性体コア4,再び磁気ギャップ
Ga〜Gd,強磁性体コア6a〜6dを通って外へ出
る。
【0066】したがって、強磁性体コア4及び強磁性体
コア6a〜6dは、等方位的に配されているために外部
磁界強度のみを検出することになり、外部磁界Hを集束
し、大きな磁束密度に変換する(実際は、外部磁界Hに
より強磁性体コア4が磁化されることになる。)。
【0067】すなわち、当該強磁性体コア4及び強磁性
体コア6a〜6dが外部磁界Hを集束するいわゆる集束
ホーンとして機能し、外部磁界強度の検出感度が更に向
上することになる。
【0068】以上、本発明を適用した実施の形態につい
て説明してきたが、本発明がこれらの実施の形態に限定
されるわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で
形状、材質、寸法等、任意に変更することが可能であ
る。
【0069】
【発明の効果】本発明によれば、等方位的な外部磁界強
度のみを正確に検出することが可能であり、例えば強磁
性体コアを配することにより外部磁界が1ガウス程度の
微弱磁界でも検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した第1の実施の形態に係る磁気
センサを模式的に示す平面図である。
【図2】図1に示す磁気センサの等価回路の一例を示す
回路図である。
【図3】第2の実施の形態に係る磁気センサを模式的に
示す平面図である。
【図4】第3の実施の形態に係る磁気センサを模式的に
示す平面図である。
【図5】第4の実施の形態に係る磁気センサを模式的に
示す平面図である。
【図6】強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示す模
式図である。
【図7】第5の実施の形態に係る磁気センサを模式的に
示す平面図である。
【図8】強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示す模
式図である。
【図9】第6の実施の形態に係る磁気センサを模式的に
示す平面図である。
【図10】各強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示
す模式図である。
【図11】従来の地磁気方位センサの一構成例を模式的
に示す斜視図である。
【図12】図11に示す地磁気方位センサの動作原理を
示す模式図である。
【図13】回転角と磁界強度との関係を示す特性図であ
る。
【図14】長方形状のMR素子の動作原理を模式的に示
す斜視図である。
【図15】MR素子の磁気抵抗効果を示す特性図であ
る。
【符号の説明】
1 非磁性基板 2,11,12 MR素子 3 配線部 4,5,6a〜6b 強磁性体コア 13 扇状部 Gi,Ga〜Gd,Ge〜Gh 磁気ギャップ H 外部磁界

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性基板上に幅狭な線条の磁気抵抗効
    果素子が回転対称な閉ループ形状をなして配されている
    ことを特徴とする磁気センサ。
  2. 【請求項2】 磁気抵抗効果素子が形成する回転対称な
    閉ループ内に地磁気を集束する強磁性体コアが配されて
    いることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  3. 【請求項3】 磁気抵抗効果素子及び強磁性体コアが共
    に非磁性基板上に真空薄膜形成技術により成膜形成され
    ていることを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  4. 【請求項4】 磁気抵抗効果素子が円形状をなしている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  5. 【請求項5】 幅狭な線条の磁気抵抗効果素子が渦巻状
    に巻回されてなることを特徴とする請求項1記載の磁気
    センサ。
  6. 【請求項6】 磁気抵抗効果素子が形成する回転対称な
    閉ループ内に地磁気を集束する強磁性体コアが配されて
    いることを特徴とする請求項5記載の磁気センサ。
  7. 【請求項7】 磁気抵抗効果素子の外周部に地磁気を集
    束する複数の強磁性体コアが当該各強磁性体コア間及び
    磁気抵抗効果素子が形成する回転対称な閉ループ内に配
    された強磁性体コアとそれぞれ所定の磁気ギャップを介
    して配されていることを特徴とする請求項6記載の磁気
    センサ。
  8. 【請求項8】 幅狭な線条の磁気抵抗効果素子が複数の
    扇状部をもって放射状に閉ループ形状を形成しているこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気センサ。
  9. 【請求項9】 磁気抵抗効果素子に形成より形成された
    複数の扇状部の内外に地磁気を集束する扇状の強磁性体
    コアが磁気ギャップ間隔をもって放射状に配されている
    ことを特徴とする請求項8記載の磁気センサ。
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