JPH0861955A - 地磁気方位センサ - Google Patents

地磁気方位センサ

Info

Publication number
JPH0861955A
JPH0861955A JP6198448A JP19844894A JPH0861955A JP H0861955 A JPH0861955 A JP H0861955A JP 6198448 A JP6198448 A JP 6198448A JP 19844894 A JP19844894 A JP 19844894A JP H0861955 A JPH0861955 A JP H0861955A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sensor
ferromagnetic
geomagnetism
ferromagnetic core
core
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP6198448A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Kurihara
一夫 栗原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP6198448A priority Critical patent/JPH0861955A/ja
Publication of JPH0861955A publication Critical patent/JPH0861955A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Magnetic Variables (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用的な感度及び高い方位精度を有し、組み
立てが容易であってしかも小型化、低価格化の実現を可
能となる地磁気方位センサを提供する。 【構成】 薄膜チップ2上に、第1のギャップg1 ,g
2 ,g3 ,g4 と第2のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G
4 とが一致するように、バルクコアチップ3(すなわ
ち、各第2の強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 )を
貼り合わせて、第2のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4
内に各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 が配されたか
たちとして構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果素子を用
いた地磁気方位センサに関するものであり、特に強磁性
体コアと組み合わせて高感度化を図った新規な地磁気方
位センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管では、電子銃か
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
【0003】これを補正するために、通常、ランディン
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。
【0004】したがって、前記ランディング補正に際し
ては、地磁気の方位を正確に検出する必要があり、いわ
ゆる地磁気方位センサが使用されている。
【0005】あるいは、従来から用いられてきた磁石式
の方位計(磁気コンパス)の代替として、携帯型の方位
計としても地磁気方位センサが使用されている。
【0006】上述のように、地磁気方位センサは、様々
な用途に使用されるが、その代表的な構造としては、い
わゆるフラックスゲート型のものと、磁気抵抗効果型
(MR型)のものが知られている。
【0007】前者は、図11に示すように、パーマロイ
コア101に電気信号出力用コイル102と励磁用コイ
ル103を巻回してなるもので、地磁気を前記パーマロ
イコアで集束し、これを電気信号出力用コイル102に
伝えるような構造とされている。
【0008】そして、このフラックスゲート型の地磁気
方位センサでは、励磁コイル103により交流バイアス
磁界HBをパーマロイコア101中に発生させ、バイア
ス磁界が反転したときに発生するパルス状の電圧を信号
として検出する。このパルス状電圧の電圧値は、地磁気
の方位によって変化するので、地磁気センサとして利用
することができる。
【0009】しかしながら、このフラックスゲート型の
地磁気方位センサは、コイルにより地磁気を電気信号に
変換するため、感度を上げるためには電気信号出力用コ
イル102の巻き数を極めて多くしたり、集束効果を高
めるためにパーマロイコア101の形状を大きくする必
要がある。したがって、小型化や低価格化は難しい。
【0010】一方、後者(MR型)は、図12に示すよ
うに、磁気抵抗効果素子(MRセンサ)111を形成し
たMRセンサチップ110を空心コイル112の中に入
れ、これらMRセンサチップ110に対して45゜方向
の交流バイアス磁界HBを印加してなるものである。等
価回路を図13に示す。地磁気方位センサとして使用す
る場合には、図12に示す構造のものを空心コイルの巻
回方向が直交するように1組使用する。
【0011】このMR型の地磁気方位センサは、磁気抵
抗効果素子を使用しているため、フラックスゲート型の
地磁気方位センサに比べて感度が高いが、MRセンサチ
ップ110のみで地磁気を感知しているため、0.3ガ
ウス程度の地磁気の方位を検出するには不十分である。
【0012】また、このMR型の地磁気方位センサで
は、MRセンサチップ110に対して45゜方向のバイ
アス磁界HB を加えていること、感度向上のためにMR
カーブを無理に急峻なものとしていることから、MR特
性にヒステリシスを持っており、これを解消するために
信号処理用回路が複雑なものとなったり、方位精度が±
10゜と悪い等の不都合を有する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる地磁気方位センサでは、感度の点で不満を残して
おり、また小型化、低価格化も難しい。
【0014】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたもので、実用的な感度及び高い方位精度を
有し、小型化、低価格化が容易であり、しかも極めて容
易且つ正確に組み立てが可能である地磁気方位センサを
提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の地磁気方位セン
サは、地磁気を強磁性体コアで集束することにより大き
な磁束密度に変換し、これをコア間のギャップ内に配置
した磁気抵抗効果型素子(以下、単にMRセンサと記
す。)で検出するものである。
【0016】本発明の対象とする地磁気方位センサは、
具体的には、基板上に地磁気を集束する強磁性体コアが
所定のギャップをもって周方向に配列されるとともに、
前記ギャップにおける磁界方向に対して略々直交するよ
うにMRセンサがギャップ内に配されてなるものであ
る。
【0017】上記地磁気方位センサは、前記強磁性体コ
アが、薄膜形成技術により成膜されてなる第1の強磁性
体コアと、この第1の強磁性体コア上に重ね合わせられ
磁路を形成する第2の強磁性体コアとからなり、前記第
1の強磁性体コアにギャップが形成されてなることを特
徴とするものである。
【0018】このとき、上記第2の強磁性体コアの少な
くとも一つに励磁用コイルを巻回し、それにバイアス電
流IB を流すことによってバイアス磁界HB を発生さ
せ、MRセンサを磁界感度が高く且つ直線性(リニアリ
ティ)の良いところで使用する。なお、バイアス磁界H
B (電流IB )は、交流であってもよいし、直流であっ
てもよい。
【0019】上記MRセンサを交流バイアスで使用した
場合、方位信号(低周波数)を交流信号(高周波数)に
重畳した電気信号として取り出すことができるため、M
Rセンサにより発生するオフセット及び温度ドリフト等
のノイズ成分をハイパスフィルタ(HPF)等による回
路処理で取り除くことができ、高方位精度を得ることが
できる。
【0020】本発明においては、上記MRセンサは、互
いに直交するX軸方向とY軸方向での出力を得るため、
最低でも2箇所に互いに直交するように配置する。好ま
しくは、等角度間隔(90゜間隔)で4つのMRセンサ
を配置する。
【0021】一方、第1の強磁性体コアは、前記MRセ
ンサの配置に応じて等角度間隔(例えば90゜間隔)で
ギャップを有し、且つ閉磁路を構成するように、周方向
に配列する。このとき、第2の強磁性体コアの配列状態
は、90゜回転させても対称となる構造とすることが好
ましく、具体的には、正方形状、或は円環状に配列す
る。
【0022】上記第1の強磁性体コアにはパーマロイ
等、上記第2の強磁性体コアにはパーマロイ、珪素鋼
板、各種ソフトフェライト等の、高透磁率、高飽和磁束
密度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)を用い、バ
イアス磁界の印加と地磁気の集束に利用する。
【0023】
【作用】本発明の地磁気方位センサにおいて、第1及び
第2の強磁性体コアは、バイアス磁界の磁路を構成する
とともに、地磁気を集束するいわゆる集束ホーンとして
機能する。その結果、互いに直交するMRセンサに加わ
る地磁気の総量は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす
角度に応じて決まり、各MRセンサから第1及び第2の
強磁性体コアにより構成される閉磁路の中心を通る地磁
気線に直角に引いた線に比例する。
【0024】さらに、上記地磁気方位センサにおいて
は、強磁性体コアが、薄膜形成技術により成膜されてな
る第1の強磁性体コアと、この第1の強磁性体コア上に
重ね合わせられ磁路を形成する第2の強磁性体コアとか
らなり、前記第1の強磁性体コアにギャップが形成され
た構造とされている。ここで、第2の強磁性体コアは、
第1の強磁性体コアの補助的な役割を果たし、第1の強
磁性体コアと比較して遥かに厚い膜厚を有するために地
磁気の集束効果が大幅に増大するようになる。
【0025】しかもこのとき、上記MRセンサの位置精
度は、第1の強磁性体コアとの位置(ギャップ内におけ
る位置)により決定される。上記MRセンサ及び第1の
強磁性体コアは薄膜形成技術により成膜されるため、±
1μm以下の高精度でMRセンサと第1の強磁性体コア
との間の位置決めを行うことが可能である。したがっ
て、作製時において、上記薄膜チップに対して第2の強
磁性体コアが多少の位置ずれを起こしたとしても、上記
MRセンサに印加される磁界は悪影響を受けることがな
い。
【0026】したがって、地磁気が効率的にMRセンサ
へ磁気信号として供給されるとともに、高い組立精度が
要求されることなく高方位精度が得られる。
【0027】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】図1は、本発明を適用した地磁気方位セン
サの基本構造の一例を示すものである。本実施例の地磁
気方位センサは、第1の強磁性体コアとMRセンサとが
薄膜形成技術により成膜されてなる薄膜チップ2と、第
1の強磁性体コア上に重ね合わせられ、上記第1の強磁
性体コアとともに磁路を形成する第2の強磁性体コアと
から構成されている。
【0029】上記薄膜チップ2においては、図2に示す
ように、ほぼ正方形状の基板1上の対角線上における4
箇所にパーマロイ等を材料として薄膜形成技術(スパッ
タ法,蒸着法等)により第1の強磁性体コアT1
2 ,T3 ,T4 が膜厚10μm程に成膜されている。
【0030】これら第1の強磁性体コアT1 ,T2 ,T
3 ,T4 は、一対の帯状の薄膜コアT1A,T1B、T2A
2B、T3A,T3B、T4A,T4Bより構成され、上記基板
上に90゜間隔で設けられている。
【0031】ここで、第1の強磁性体コアT1 ,T2
3 ,T4 においては、各薄膜コアT1A,T1B、T2A
2B、T3A,T3B、T4A,T4Bにより所定幅のギャップ
(隙間)G1 ,G2 ,G3 ,G4 が形成されており、こ
れらギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 内にそれぞれMR
センサM1 ,M2 ,M3 ,M4 が第1の強磁性体コアT
1 ,T2 ,T3 ,T4 と同様に薄膜形成技術により膜厚
0.05μm程に成膜されている。
【0032】さらに、図4(図1中、一点鎖線Lによる
断面図)に示すように、これらMRセンサM1 ,M2
3 ,M4 上にSiO2 等よりなる保護膜11が膜厚3
μm程に成膜されてギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4
にMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 が埋め込まれたか
たちとされて薄膜チップ2が構成されている。
【0033】上記第2の強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 は、図3に示すように、パーマロイや、珪素
鋼板、或は各種ソフトフェライト等からなる翼形状に形
成されたものである。そして、これら4つの第2の強磁
性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4は、各々90゜間隔で
上記ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 より幅の広い所定
の間隔S1 ,S2 ,S3 ,S4 を形成するように正方形
状に組み合される。
【0034】上記第2の強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 の中心位置にはそれぞれ巻線部12が形成さ
れており、各巻線部12には各MRセンサM1 ,M2
3 ,M4 にバイアス磁界HB を供給するための励磁用
コイルC1 ,C2 ,C3 ,C4 が巻回されている。
【0035】そして、上記の如く構成された薄膜チップ
2上に、上記第2の強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K
4 が貼り合わされて上記地磁気方位センサが構成されて
いる。ここで、各第2の強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 は、それぞれ薄膜コアT1B,T2A、T2B,T
3A、T3B,T4A、T4B,T1A上に重ね合わせられ、上記
間隔S1 ,S2 ,S3 ,S4 をもって薄膜チップ2上に
位置している。
【0036】上記MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M
4 は、例えばX軸方向検出用の2つのMRセンサM1
3 と、これと直交するY軸方向検出用の2つのMRセ
ンサM2,M4 に分類されており、上記基板1上には、
定電位電源VCCが印加する電極15と、X軸方向及びY
軸方向の電極13a,b及び電極14a,bとが形成さ
れている。
【0037】上述の構成を有する地磁気方位センサの等
価回路は、図5に示す通りである。すなわち、X軸方向
検出用の2つのMRセンサM1 ,M3 からの信号は、電
極13a,bを通り差動アンプA1 よりX出力として出
力され、同様に、Y軸方向検出用の2つのMRセンサM
2 ,M4 からの信号は、電極14a,bを通り差動アン
プA2 よりY出力として出力される。
【0038】地磁気検出用のMRセンサM1 ,M2 ,M
3 ,M4 においては、電極15に定電位電源VCCが接続
され、電極13a,b及び電極14a,bにセンス電流
Sを供給する。
【0039】また、X軸方向検出用のMRセンサM1
MRセンサM3 には、180゜方位の異なるバイアス磁
界(HB及び−HB)が印加され、同様にY軸方向検出用
のMRセンサM2 とMRセンサM4 にも180゜方位の
異なるバイアス磁界(HB及び−HB)が印加される。
【0040】上記構成の地磁気方位センサにおいて、M
RセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 は、次のような特徴を
持っている。
【0041】(1)磁界の強度により抵抗値が変化す
る。(磁気抵抗効果) (2)弱い磁界を感知する能力に優れている。
【0042】(3)抵抗値変化を電気信号として取り出
すことができる。
【0043】本発明の地磁気方位センサにおいては、こ
の特徴を利用して地磁気による磁気信号を電気信号に変
換する。
【0044】図6は、MRセンサのMR特性曲線を示す
ものである。この図6において、横軸はMRセンサに垂
直に加わる磁界の強さ、縦軸はMRセンサの抵抗値の変
化、あるいは出力電圧変化(MRセンサに直流電流を流
した場合)である。
【0045】MRセンサの抵抗値は、磁界零で最大とな
り、大きな磁界(MRセンサのパターン形状等にもよる
が100〜200ガウス程度)を印加したときに約3%
小さくなる。
【0046】MRセンサ出力のS/N(出力電圧振幅)
及び歪率向上のためには、図6に示すように、バイアス
磁界HB が必要となる。このバイアス磁界HBは、先に
も述べたように、第2の強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 に励磁用コイルC1 ,C2 ,C3 ,C4 を巻
回し、これにバイアス電流IB を流すことによって与え
られる。
【0047】このとき、X軸方向検出用のMRセンサM
1 に印加されるバイアス磁界の方向とMRセンサM3
印加されるバイアス磁界の方向は、互いに180゜反転
している。同様に、Y軸方向検出用のMRセンサM2
印加されるバイアス磁界の方向とMRセンサM4 に印加
されるバイアス磁界の方向も、互いに180゜反転して
いる。
【0048】ここで、地磁気信号HE が入ってくると、
例えばX軸方向検出用のMRセンサM1 及びM3 に加わ
る磁界の強さは以下のようになる。
【0049】MRセンサM1 : HB +HE MRセンサM3 : −HB +HE 交流バイアス磁界印加とすると、MRセンサM1 に印加
される磁界は図5中線Aで示すように変化し、この磁界
の変化が図6中線Bで示すように電圧変化として出力さ
れる。一方、MRセンサM3 に印加される磁界は図6中
線Cで示すように変化し、この磁界の変化が図6中線D
で示すように電圧変化として出力される。
【0050】このMRセンサM1 からの出力(線B)と
MRセンサM3 からの出力(線D)の出力差Lが、差動
信号(X出力)として取り出される。Y軸方向検出用の
MRセンサM2 ,M4 についても同様であり、差動信号
(Y出力)が取り出される。
【0051】これら差動信号は地磁気HE の方位により
変化し、それぞれHE sinθ、HE cosθに比例す
る。したがって、横軸に方位θをとって出力電位をプロ
ットすると、X出力及びY出力は図7に示すようなもの
となる。
【0052】したがって、これらX出力及びY出力か
ら、地磁気に対する方位θを算出することができる。
【0053】すなわち、X出力とY出力の比X/Yは、
これら出力がHE sinθ、HE cosθに比例するこ
とから、sinθ/cosθで表わすことができる。
【0054】X/Y=sinθ/cosθ=tanθ したがって、 θ=tan-1(X/Y) (ただし、0≦θ≦180゜のときX≧0、180゜<
θ<360゜のときX<0である。) 以上によって地磁気HE の方位θを知ることができる
が、次に強磁性体コアK 1 ,K2 ,K3 ,K4 による地
磁気集束原理について説明する。
【0055】先ず、図8に、フェライト、パーマロイ等
からなる強磁性体コアKが地磁気にどのような影響を与
えるのかを模式的に図示した。
【0056】強磁性体は空気中に比べて磁気抵抗が小さ
いため、地磁気が吸い寄せられるように曲げられ、強磁
性体コアK中を通って再び外へ出る。
【0057】したがって、上記強磁性体コアKは、地磁
気を集束し、大きな磁束密度に変換する。(実際は、地
磁気は強磁性体コアKを磁化し、ギャップに大きな磁界
を発生する。) 図9は、円形の強磁性体コアKを用いた場合に地磁気が
どのように各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 に伝わ
るのかを示したものであり、各MRセンサM1,M2
3 ,M4 に磁気信号として印加される地磁気の総量
は、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 から強磁性体
コアKの中心を通る地磁気線HEOに垂直に引いた線の長
さに相当する。
【0058】X軸方向検出用MRセンサM1,M3に印加
される地磁気の総量:rsinθ Y軸方向検出用MRセンサM2,M4に印加される地磁気
の総量:rcosθ したがって、これら地磁気の総量に基づいて出力される
地磁気方位センサ出力(X出力,Y出力)より、先の計
算式に従って地磁気HE の方位θが算出される。
【0059】図10に示すように強磁性体コアKが正方
形の場合も同様であり、強磁性体コアKの中心点を回転
中心として90゜回転させたときに対称となる形状であ
れば、いずれの場合にも同様の出力を得ることができ
る。
【0060】前述のように、励磁用コイルC1 ,C2
3 ,C4 のコアとして機能する第1の強磁性体コアT
1 ,T2 ,T3 ,T4 及び第2の強磁性体コアK1 ,K
2 ,K3 ,K4 を軟磁性体とし、地磁気の集束ホーンと
して使用すると、空心コイルやマグネットを使用したと
きに比べて出力が大きくなり、感度が向上する。
【0061】さらに、上記地磁気方位センサにおいて
は、第2の強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 が、第
1の強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 の補助的な役
割を果たし、第1の強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T
4 と比較して遥かに厚い膜厚を有するために地磁気の集
束効果が大幅に増大するようになる。
【0062】しかもこのとき、上記MRセンサM1 ,M
2 ,M3 ,M4 の位置精度は、第1の強磁性体コア
1 ,T2 ,T3 ,T4 との位置(ギャップG1
2 ,G3 ,G4 内における位置)により決定される。
上記MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 及び第1の強磁
性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 は薄膜形成技術により
成膜されるため、±1μm以下の高精度でMRセンサM
1 ,M2 ,M3 ,M4 と第1の強磁性体コアT1
2 ,T3 ,T4 との間の位置決めを行うことが可能で
ある。したがって、作製時において、上記薄膜チップ2
の第1の強磁性体コアT1 ,T2 ,T3 ,T4 に対して
第2の強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 が多少の位
置ずれを起こしたとしても、上記MRセンサM1
2 ,M3 ,M4 に印加される磁界は悪影響を受けるこ
とがない。
【0063】したがって、地磁気が効率的にMRセンサ
1 ,M2 ,M3 ,M4 へ磁気信号として供給されると
ともに、高い組立精度が要求されることなく高方位精度
が得られる。
【0064】また上記の如く、薄膜形成技術によれば、
MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4の位置決めを高精度
に行うことが可能であるので、ギャップG1 ,G2 ,G
3 ,G4 のギャップ幅を低減させて更に地磁気集束効果
を向上させることもできる。それに伴い、励磁用コイル
1 ,C2 ,C3 ,C4 に供給するバイアス電流IB
小さくすることや当該励磁用コイルC1 ,C2 ,C3
4 の巻数を低減させることが可能となる。
【0065】以上、本発明を適用した実施例について説
明してきたが、本発明がこれら実施例に限定されるわけ
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で形状、材
質、寸法等、任意に変更することが可能である。
【0066】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
に係る地磁気方位センサは、実用的な感度及び高い方位
精度を有し、組み立てが容易であってしかも小型化、低
価格化の実現が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る地磁気方位センサの主要部を模
式的に示す平面図である。
【図2】上記地磁気方位センサの薄膜チップを模式的に
示す平面図である。
【図3】上記地磁気方位センサのバルクコアチップを模
式的に示す平面図である。
【図4】上記地磁気方位センサのギャップ近傍を模式的
に示す断面図である。
【図5】図1に示す地磁気方位センサの等価回路図であ
る。
【図6】MRセンサのMR特性曲線を示す特性図であ
る。
【図7】出力電圧と方位との関係を示す特性図である。
【図8】強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示す模
式図である。
【図9】円形コアを用いた場合に各MRセンサのに印加
される地磁気の総量を示す模式図である。
【図10】正方形コアを用いた場合に各MRセンサのに
印加される地磁気の総量を示す模式図である。
【図11】従来のフラックスゲート型の地磁気方位セン
サの一例を模式的に示す概略平面図である。
【図12】従来のMR型の地磁気方位センサの一例を模
式的に示す概略平面図である。
【図13】図12に示す地磁気方位センサの等価回路図
である。
【符号の説明】
1 基板 2 薄膜チップ 3 バルクコアチップ 11 保護膜 12 巻線部 13a,13b,14a,14b,15 電極 M1 ,M2 ,M3 ,M4 MRセンサ T1 ,T2 ,T3 ,T4 第1の強磁性体コア K1 ,K2 ,K3 ,K4 第2の強磁性体コア g1 ,g2 ,g3 ,g4 第1のギャップ G1 ,G2 ,G3 ,G4 第2のギャップ C1 ,C2 励磁用コイル

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に地磁気を集束する強磁性体コア
    が所定のギャップをもって周方向に配列されるととも
    に、前記ギャップにおける磁界方向に対して略々直交す
    るように磁気抵抗効果素子がギャップ内に配されてなる
    地磁気方位センサにおいて、 前記強磁性体コアが、薄膜形成技術により成膜されてな
    る第1の強磁性体コアと、この第1の強磁性体コア上に
    重ね合わせられ磁路を形成する第2の強磁性体コアとか
    らなり、前記第1の強磁性体コアにギャップが形成され
    てなることを特徴とする地磁気方位センサ。
  2. 【請求項2】 略直交する少なくとも一対の磁気抵抗効
    果素子を有することを特徴とする請求項1記載の地磁気
    方位センサ。
  3. 【請求項3】 第1及び第2の強磁性体コアが軟磁気特
    性を有することを特徴とする請求項1記載の地磁気方位
    センサ。
  4. 【請求項4】 電流の供給により磁気抵抗効果素子にバ
    イアス磁界を印加する励磁用コイルが第2の強磁性体コ
    アのうちの少なくとも一つに巻回されて設けられている
    ことを特徴とする請求項1記載の地磁気方位センサ。
JP6198448A 1994-08-23 1994-08-23 地磁気方位センサ Withdrawn JPH0861955A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6198448A JPH0861955A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 地磁気方位センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6198448A JPH0861955A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 地磁気方位センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0861955A true JPH0861955A (ja) 1996-03-08

Family

ID=16391272

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6198448A Withdrawn JPH0861955A (ja) 1994-08-23 1994-08-23 地磁気方位センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0861955A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6944937B2 (en) * 2001-01-02 2005-09-20 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Method of reducing ESD damage in thin film read heads which enables measurement of gap resistance
US7924534B2 (en) * 2004-12-15 2011-04-12 International Business Machines Corporation Magnetic sensor
JP2015062031A (ja) * 2009-08-17 2015-04-02 ヘッドウェイテクノロジーズ インコーポレイテッド 磁気抵抗効果センサの経年変化補正装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6944937B2 (en) * 2001-01-02 2005-09-20 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Method of reducing ESD damage in thin film read heads which enables measurement of gap resistance
US7924534B2 (en) * 2004-12-15 2011-04-12 International Business Machines Corporation Magnetic sensor
JP2015062031A (ja) * 2009-08-17 2015-04-02 ヘッドウェイテクノロジーズ インコーポレイテッド 磁気抵抗効果センサの経年変化補正装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4368797B2 (ja) 磁場センサ−と磁場センサ−の操作方法
JP3096413B2 (ja) 磁気検出素子、磁気センサー、地磁気検出型方位センサー、及び姿勢制御用センサー
JP4274420B2 (ja) 磁界センサー
JPH07270507A (ja) 地磁気方位センサ
JP2001280908A (ja) 位置検出装置
US5564194A (en) Geomagnetic direction sensor
JPH09102638A (ja) 磁気センサ
JPH0861955A (ja) 地磁気方位センサ
JPS63253264A (ja) 電流検出器
JPH09145374A (ja) 地磁気方位センサ
JPH0843101A (ja) 地磁気方位センサ
JPH085380A (ja) 地磁気方位センサ
JPH09145375A (ja) 地磁気方位センサ
JPH08233576A (ja) 磁気センサ
JPH07324933A (ja) 地磁気方位センサ及びその製造方法
JPH07324934A (ja) 地磁気方位センサ
JPH09145376A (ja) 地磁気方位センサ
JPH0868631A (ja) 地磁気方位センサ
JPH085381A (ja) 地磁気方位探知装置
JPH0942968A (ja) 地磁気方位センサ及びその製造方法
JPH0843102A (ja) 三次元地磁気方位センサ
JPH08105744A (ja) 地磁気方位探知装置
JPH09127221A (ja) 地磁気方位センサ
JPH0942970A (ja) 地磁気方位センサ
JPH0894728A (ja) 磁界センサーと磁界センサーの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20011106