JPH0942968A - 地磁気方位センサ及びその製造方法 - Google Patents

地磁気方位センサ及びその製造方法

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JPH0942968A
JPH0942968A JP7195186A JP19518695A JPH0942968A JP H0942968 A JPH0942968 A JP H0942968A JP 7195186 A JP7195186 A JP 7195186A JP 19518695 A JP19518695 A JP 19518695A JP H0942968 A JPH0942968 A JP H0942968A
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JP
Japan
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film
pad
coil
magnetoresistive effect
lead wire
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JP7195186A
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English (en)
Inventor
Katsuhiro Shindou
勝寛 神道
Moriaki Abe
守晃 阿部
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 実用的な感度を有し、しかも小型化、低価格
化が容易であるとともに、製造工数が削減されて高い品
質を有する地磁気方位センサ及びその製造方法を提供す
る。 【解決手段】 各強磁性体コアK1 ,K2 の表面に、M
R素子M1 ,M2 ,M3,M4 の出力端子となる引出し
線用パッド11と、励磁用コイルC1 ,C2 にバイアス
電流を供給するためのコイル用パッド12とを共にAu
を材料として成膜形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、バイアス電流を供
給することにより発生するバイアス磁界を利用して地磁
気方位を測定する地磁気方位センサ及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管では、電子銃か
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
【0003】これを補正するために、通常、ランディン
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。
【0004】したがって、上記ランディング補正に際し
ては、地磁気の方位を正確に検出する必要があり、いわ
ゆる地磁気方位センサが使用されている。
【0005】あるいは、従来から用いられてきた磁石式
の方位計(磁気コンパス)の代替として、携帯型の方位
計としても地磁気方位センサが使用されている。
【0006】上述のように、地磁気方位センサは、様々
な用途に使用されるが、その代表的な構造としては、い
わゆるフラックスゲート型のものと、磁気抵抗効果型
(MR型)のものが知られている。
【0007】フラックスゲート型の地磁気方位センサ
は、図19に示すように、パーマロイコア101に電気
信号出力用コイル102と励磁用コイル103を巻回し
てなるものであり、地磁気を前記パーマロイコアで集束
し、これを電気信号出力用コイル102に伝えるような
構造とされている。
【0008】そして、この地磁気方位センサでは、励磁
コイル103に交流バイアス電流を供給することによっ
て交流バイアス磁界HB をパーマロイコア101中に発
生させ、バイアス磁界が反転したときに発生するパルス
状の電圧を信号として検出する。このパルス状電圧の電
圧値は、地磁気の方位によって変化するので、地磁気セ
ンサとして利用することができる。
【0009】しかしながら、この地磁気方位センサは、
コイルにより地磁気を電気信号に変換するため、感度を
上げるためには電気信号出力用コイル102の巻き数を
多くしたり、集束効果を高めるためにパーマロイコア1
01の形状を大きくする必要がある。したがって、小型
化や低価格化は難しい。
【0010】一方、MR型の地磁気方位センサは、図2
0に示すように、磁気抵抗効果素子(MR素子)111
が設けられたMRセンサチップ110を空心コイル11
2の中に入れ、空心コイル112に交流バイアス電流を
供給することによりこれらMRセンサチップ110に対
して45゜方向の交流バイアス磁界HB が印加される構
造を有するものである。この地磁気方位センサの等価回
路を図21に示す。地磁気方位センサとして使用する場
合には、図20に示す構造のものを空心コイルの巻回方
向が直交するように1組使用する。
【0011】このMR型の地磁気方位センサは、磁気抵
抗効果素子を使用しているため、フラックスゲート型の
地磁気方位センサに比べて感度が高いが、MRセンサチ
ップ110のみで地磁気を感知しているため、0.3ガ
ウス程度の地磁気の方位を検出するには不十分である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる地磁気方位センサでは、感度の点で不満を残して
おり、また小型化、低価格化も難しい。
【0013】そこで本発明は、かかる従来の実情に鑑み
て提案されたもので、実用的な感度を有し、しかも小型
化、低価格化が容易であるとともに、製造工数が削減さ
れて高い品質を有する地磁気方位センサ及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の対象とするもの
は、地磁気を集束する複数の強磁性体コアがそれぞれ所
定のギャップをもって周方向に配され、磁気抵抗効果素
子がギャップ内に配されるとともに、バイアス電流の供
給によりバイアス磁界が発生する励磁用コイルが前記強
磁性体コアに巻回されてなる地磁気方位センサ及びその
製造方法である。
【0015】本発明の地磁気方位センサは、各磁気抵抗
効果素子と電気的に接続されて当該磁気抵抗効果素子の
出力端子となる引出し線用パッドと、励磁用コイルを構
成する線材の各端部がそれぞれ電気的に接続されて当該
励磁用コイルにバイアス電流を供給するためのコイル用
パッドとが共にAuを材料として成膜形成されているこ
とを特徴とするものである。
【0016】この場合、励磁用コイルが構成される線材
をCuを材料とするとともに、引出し線用パッドに電気
的に接続される引出し線をAuを材料とすることが好適
である。
【0017】上記地磁気方位センサにおいて、磁気抵抗
効果素子(以下、MR素子と称する。)は、互いに直交
するX軸方向とY軸方向での出力を得るため、最低でも
2箇所に互いに直交するように配置する。好ましくは、
等角度間隔(90゜間隔)で4つのMR素子を配置す
る。
【0018】一方、強磁性体コアは、前記MR素子の配
置に応じて等角度間隔(例えば90゜間隔)でギャップ
を有し、且つ閉磁路を構成するように周方向に配列し、
具体的には、円環状、あるいは正方形状とすることが好
ましい。
【0019】上記強磁性体コアには、パーマロイ、珪素
鋼板、各種ソフトフェライト等、高透磁率、高飽和磁束
密度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)を用い、バ
イアス磁界の印加と地磁気の集束に利用する。
【0020】したがって、上記励磁用コイルにバイアス
電流IB を流すことによってバイアス磁界HBを発生さ
せ、MR素子を磁界感度が高く且つ直線性(リニアリテ
ィ)の良いところで使用する。なお、バイアス磁界HB
(バイアス電流IB )は、交流であってもよいし、直流
であってもよい。
【0021】但し、バイアス電流IB の電流値は、バイ
アス磁界HB が強磁性体系部(強磁性体コアによって構
成される閉磁路)の飽和磁束密度以下で透磁率値の前後
までとし、回転磁化範囲を避けるとともに、強磁性体系
部の磁化量に余裕を持たせ、地磁気の集束にも利用す
る。
【0022】また、本発明は、上記地磁気方位センサを
製造するときに、MR素子と、当該MR素子と電気的に
接続されて出力端子となる引出し線用パッドと、励磁用
コイルを構成する線材の各端部がそれぞれ電気的に接続
されて当該励磁用コイルにバイアス電流を供給するため
のコイル用パッドとをそれぞれ成膜形成するに際して、
磁気抵抗効果膜(MR膜)を成膜する工程と、当該MR
膜上にNi膜及びAu膜を順次成膜した後に、当該Ni
膜及びAu膜にパターニングを施して引出し線用パッド
とコイル用パッドとを同時に形成する工程と、MR膜に
パターニングを施して、MR素子を形成するとともに引
出し線用パッド下のMR膜とコイル用パッド下のMR膜
とを分離する工程とを有することを特徴とするものであ
る。
【0023】この場合、上記MR膜の直上にTi膜を成
膜する工程と、当該Ti膜にパターニングを施して、形
成された引出し線用パッド及びコイル用パッドの直下近
傍を除いてTi膜を除去する工程とを経ることが好適で
ある。
【0024】上述のように、本発明の地磁気方位センサ
においては、強磁性体コアが、バイアス磁界の磁路を構
成するとともに、地磁気を集束するいわゆる集束ホーン
として機能する。その結果、互いに直交するMR素子に
加わる地磁気の総量は、それぞれ地磁気とMR素子のな
す角度に応じて決まり、各MR素子から強磁性体コアに
より構成される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引
いた仮想線に比例する。
【0025】さらに、引出し線用パッドとコイル用パッ
ドとが共にAuを材料として同時に成膜形成される。
【0026】したがって、各パッド形成時の工数及び工
程時間が削減され、各パッドと引出し線及び励磁用コイ
ルを構成する線材との接合強度が向上して高品質が実現
するとともに、地磁気が効率的にMR素子へ磁気信号と
して供給されて高出力が得られ、その方位が高精度に検
出されることになる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した地磁気方
位センサ及びその製造方法の具体的な実施の形態につい
て、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】本発明を適用した地磁気方位センサの基本
構造の一例を図1に示す。この地磁気方位センサは、フ
ェライト等からなる略々コ字形状の一対の強磁性体コア
1,K2 が各々の接合面Sにて突き合わせられ正方形
状とされて構成されている。ここで、各強磁性体コアK
1 ,K2 にはそれぞれガラス材よりなるG1 ,G2 及び
3 ,G4 が形成されており、強磁性体コアK1 ,K2
が正方形状とされることによりギャップG1 ,G2 ,G
3 ,G4 が4隅に90゜間隔で配されることになる。そ
して、各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 上にはそれぞ
れMR素子M1,M2 ,M3 ,M4 を形成している。
【0029】各強磁性体コアK1 ,K2 には、それぞれ
中心部に励磁用コイルC1 ,C2 が巻回され、ギャップ
1 ,G2 ,G3 ,G4 中に配置される各MR素子
1 ,M2 ,M3 ,M4 に対してバイアス磁界HB が印
加される。
【0030】MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 は、例え
ばX軸方向検出用の2つのMR素子M1 ,M3 と、これ
と直交するY軸方向検出用の2つのMR素子M2 ,M4
の2種類に分類される。
【0031】また、各強磁性体コアK1 ,K2 の表面に
は、MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 の出力端子となる
引出し線用パッド11と、励磁用コイルC1 ,C2 にバ
イアス電流を供給するためのコイル用パッド12とが共
にAuを材料として成膜形成されている。そして、各M
R素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 と引出し線用パッド1
1、及びコイル用パッド12と励磁用コイルC1 ,C2
を構成するCuを材料とする線材の各端部がそれぞれ電
気的に接続され、さらに引出し線用パッド11、コイル
用パッド12、及びMR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4
センス電流を供給するための定電位端子パッド14は、
それぞれAuを材料とする図示しない外部配線(ボンデ
ィング・ワイヤ)により収納手段に設けられる図示しな
い端子ピンと接続される。
【0032】以上の構成を有する地磁気方位センサの等
価回路を図2に示す。すなわち、X軸方向の地磁気検出
用の2つのMR素子M1 ,M3 からの出力は、差動アン
プA1 によりX軸方向の出力(X出力)とされる。同様
に、すなわち、Y軸方向の地磁気検出用の2つのMR素
子M2 ,M4 からの出力は、差動アンプA2 によりY軸
方向の出力(Y出力)とされる。
【0033】地磁気検出用のMR素子M1 ,M2
3 ,M4 の各一端部13には、定電位端子パッド14
を介してMR素子M1 ,M3 及びMR素子M2 ,M4
1組とされて定電位電源VCCが接続され、センス電流が
供給される。
【0034】また、X軸方向検出用のMR素子M1 とM
R素子M3 には、180゜方位の異なるバイアス磁界
(HB 及び−HB )が印加され、同様にY軸方向検出用
のMR素子M2 とMR素子M4 にも180゜方位の異な
るバイアス磁界(HB 及び−HB )が印加される。
【0035】上記構成の地磁気方位センサにおいて、M
R素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 は、次のような特徴を持
っている。
【0036】(1)磁界の強度により抵抗値が変化す
る。(磁気抵抗効果) (2)弱い磁界を感知する能力に優れている。 (3)抵抗値変化を電気信号として取り出すことができ
る。
【0037】上記地磁気方位センサにおいては、この特
徴を利用して地磁気による磁気信号を電気信号に変換す
る。
【0038】ここで、MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4
の機能について説明する。これらMR素子M1 ,M2
3 ,M4 の電気抵抗Rは、当該MR素子M1 ,M2
3,M4 に入力される磁束強度(磁束量)に応じて変
化する。すなわち、MR素子の電気抵抗Rの外部磁界依
存性がMR特性として図3に示すMR曲線で表される。
この図3において、横軸はMR素子M1 ,M2 ,M3
4 に垂直に加わる磁界の強さ、縦軸はMR素子M1
2 ,M3 ,M4 の抵抗値の変化、あるいは出力電圧変
化(MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 に直流電流を流し
た場合)である。
【0039】MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 の抵抗値
は、磁界零で最大となり、大きな磁界(MR素子M1
2 ,M3 ,M4 のパターン形状等にもよるが100〜
200ガウス程度)を印加したときに約3%小さくな
る。
【0040】MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 の出力の
S/N(出力電圧振幅)及び歪率向上させるためには、
バイアス磁界HB が必要となる。このバイアス磁界HB
は、先にも述べたように、強磁性体コアK1 ,K2 にそ
れぞれ励磁用コイルC1 ,C2 を巻回し、これに交流バ
イアス電流IB を流すことによって与えられる。
【0041】このとき、X軸方向検出用のMR素子M1
に印加されるバイアス磁界の方向とMR素子M3 に印加
されるバイアス磁界の方向は、互いに180゜反転して
いる。同様に、Y軸方向検出用のMR素子M2 に印加さ
れるバイアス磁界の方向とMR素子M4 に印加されるバ
イアス磁界の方向も、互いに180゜反転している。
【0042】ここで、地磁気信号HE が入ってくると、
例えばX軸方向検出用のMR素子M1 及びM3 に加わる
磁界の強さは以下のようになる。
【0043】MR素子M1 : HB +HE MR素子M3 : −HB +H 例えば交流バイアス磁界を印加とすると、MR素子M
に印加される磁界は図3中線Aで示すように変化
し、この磁界の変化が図3中線Bで示すように電圧変化
として出力される。一方、MR素子M3 に印加される磁
界は図3中線Cで示すように変化し、この磁界の変化が
図3中線Dで示すように電圧変化として出力される。
【0044】このMR素子M1 からの出力(線B)とM
R素子M3 からの出力(線D)の出力差Lが、差動増幅
器A1 にて増幅された差動信号(X出力)として取り出
される。Y軸方向検出用のMR素子M2 ,M4 について
も同様であり、差動増幅器A2 にて増幅された差動信号
(Y出力)が取り出される。
【0045】これら差動信号は地磁気HE の方位により
変化し、それぞれHE sinθ、HE cosθに比例す
る。したがって、横軸に方位θをとって出力電位をプロ
ットすると、X出力及びY出力は図4に示すようなもの
となる。
【0046】したがって、これらX出力及びY出力か
ら、地磁気に対する方位θを算出することができる。
【0047】すなわち、X出力とY出力の比X/Yは、
これら出力がHE sinθ、HE cosθに比例するこ
とから、sinθ/cosθで表わすことができる。
【0048】X/Y=sinθ/cosθ=tanθ したがって、 θ=tan-1(X/Y) (ただし、0≦θ≦180゜のときX≧0、180゜<
θ<360゜のときX<0である。) 以上によって地磁気HE の方位θを知ることができる。
【0049】次に、強磁性体コアK1 ,K2 による地磁
気集束原理について説明する。
【0050】先ず、図5に、フェライト、パーマロイ等
からなる強磁性体コアKが地磁気にどのような影響を与
えるのかを模式的に図示した。
【0051】強磁性体は空気中に比べて磁気抵抗が小さ
いため、地磁気が吸い寄せられるように曲げられ、強磁
性体コアK中を通って再び外へ出る。
【0052】したがって、上記強磁性体コアKは、地磁
気を集束し、大きな磁束密度に変換する。(実際は、地
磁気は強磁性体コアKを磁化し、ギャップに大きな磁界
を発生する。) 図6は、円形の強磁性体コアKを用いた場合に地磁気が
どのように各MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 に伝わる
のかを示したものであり、各MR素子M1 ,M2
3 ,M4 に磁気信号として印加される地磁気の総量
は、各MR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 から強磁性体コ
アKの中心を通る地磁気線HEOに垂直に引いた線の長さ
に相当する。
【0053】X軸方向検出用MR素子M1 ,M3 に印加
される地磁気の総量:rsinθ Y軸方向検出用MR素子M2 ,M4 に印加される地磁気
の総量:rcosθ したがって、これら地磁気の総量に基づいて出力される
地磁気方位センサ出力(X出力,Y出力)より、先の計
算式に従って地磁気HE の方位θが算出される。
【0054】また、図7に示すように強磁性体コアKが
正方形の場合も同様であり、強磁性体コアKの中心点を
回転中心として90゜回転させたときに対称となる形状
であれば、いずれの場合にも同様の出力を得ることがで
きる。
【0055】以上のように、本実施の形態において、一
対の強磁性体コアK1 ,K2 は、接合一体化させてバイ
アス磁界の閉磁路を構成するとともに、地磁気を集束す
るいわゆる集束ホーンとして機能する。その結果、互い
に直交するMR素子M1 ,M 2 ,M3 ,M4 に加わる地
磁気の総量は、それぞれ地磁気とMR素子M1 ,M2
3 ,M4 のなす角度に応じて決まり、各MR素子
1 ,M2 ,M3 ,M4 から強磁性体コアK1 ,K2
より構成される閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引
いた線に比例する。
【0056】さらに、引出し線用パッド11とコイル用
パッド12とが共にAuを材料として同時に成膜形成さ
れる。
【0057】したがって、各パッド11,12と引出し
線(ボンディング・ワイヤ)及び励磁用コイルC1 ,C
2 を構成する線材との接合強度が向上して高品質が実現
するとともに、地磁気が効率的にMR素子M1 ,M2
3 ,M4 へ磁気信号として供給されて高出力が得ら
れ、その方位が高精度に検出されることになる。
【0058】次いで、上記地磁気方位センサの製造方法
について説明する。
【0059】先ず、フェライトよりなる基板に第1の溝
を削設し、当該第1の溝に所定の融着ガラスを流し込む
ことによりギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 を形成し、
上記基板のギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 側の表面に
超鏡面処理を施して表面粗さを10nm以下とする。
【0060】次に、以下に示す各工程を経ることによ
り、超鏡面処理が施されたギャップG1 ,G2 ,G3
4 (ここでは、単に上記ギャップと記す。)上にそれ
ぞれMR素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 (ここでは、単に
MR素子20と記す。)を形成するとともに、引出し線
用パッド11及びコイル用パッド12を形成する。
【0061】先ず、図8に示すように、超鏡面処理が施
された上記基板上にSiO2 等を材料とする無機酸化膜
21を膜厚2μm程度に成膜した後、無機酸化膜21上
にNi−Fe或はNi−Co等を材料としてMR膜22
を膜厚20〜80μm程度にスパッタ成膜する。
【0062】次いで、図9に示すように、Ti膜23及
びFe−Niよりなるメッキ下地膜24を順次スパッタ
成膜した後、図10に示すように、当該メッキ下地膜2
4上にNi膜25及びAu膜26をそれぞれ膜厚2μm
程度に順次メッキ成膜する。ここで、上記Ni膜25
は、Au膜26の密着性を向上させるために設けられる
ものである。
【0063】その後、Au膜26上にフォトレジストを
塗布し、フォトリソグラフィー技術によりパターニング
を施してレジストマスクを作製する。そして、エッチン
グを施すことにより、図11に示すように、当該レジス
トマスクのパターンに倣ってNi膜25及びAu膜26
のみにエッチングが施されて引出し線用パッド11及び
コイル用パッド12が同時に形成される。
【0064】次いで、上述と同様にレジストマスクを作
製し、所定のエッチャントを用いてウェットエッチング
を施すことにより、図12に示すように、当該レジスト
マスクのパターンに倣ってメッキ下地膜24のみにエッ
チングが施される。このとき、Ti膜23が下層のMR
膜22のエッチング保護層として機能し、MR膜22に
対する損傷が防止される。
【0065】次に、同様にレジストマスクを作製し、所
定のエッチャントを用いてウェットエッチングを施すこ
とにより、図13に示すように、当該レジストマスクの
パターンに倣ってTi膜23のみにエッチングが施され
る。
【0066】そして、更にレジストマスクを作製し、所
定のエッチャントを用いてウェットエッチングを施すこ
とにより、図14に示すように、当該レジストマスクの
パターンに倣ってMR膜22にエッチングが施され、M
R素子20が形成されるとともに引出し線用パッド11
下のMR膜22とコイル用パッド12下のMR膜22と
が分離される。
【0067】ここで、この実施の形態に対する比較例に
ついて説明する。この比較例の地磁気方位センサは、上
記実施の形態のそれとほぼ同様の構成を有するが、引出
し線用パッド及びコイル用パッドの材質とその製造方法
が若干異なる点で相違する。なお、上記実施の形態にお
ける地磁気方位センサと対応する部材等については同符
号を記して説明を省略する。
【0068】この場合、以下に示す各工程を経ることに
より、MR素子21を形成するとともに、Alを材料と
する引出し線用パッド31及びCuを材料とするコイル
用パッド32を形成する。
【0069】先ず、図15に示すように、無機酸化膜2
1上に、MR膜22、Ti膜23、及びAl膜33を順
次スパッタ成膜し、続いてAl膜33上にTi膜34及
びCu膜35を同様に順次スパッタ成膜する。ここで、
上記Ti膜23,34は、それぞれAl膜33及びCu
膜35の密着性を向上させるために設けられるものであ
る。
【0070】次いで、Cu膜35上にフォトレジストを
塗布し、フォトリソグラフィー技術によりパターニング
を施してレジストマスクを作製する。そして、エッチン
グを施すことにより、図16に示すように、当該レジス
トマスクのパターンに倣ってTi膜34及びCu膜35
のみにエッチングが施されてコイル用パッド32が形成
される。
【0071】続いて、上述と同様にレジストマスクを作
製し、所定のエッチャントを用いてウェットエッチング
を施すことにより、図17に示すように、当該レジスト
マスクのパターンに倣ってAl膜33及びTi膜23の
みにエッチングが施されて引出し線用パッド31が形成
される。
【0072】その後、更にレジストマスクを作製し、所
定のエッチャントを用いてウェットエッチングを施すこ
とにより、図18に示すように、当該レジストマスクの
パターンに倣ってMR膜22のみにエッチングが施さ
れ、MR素子20が形成されるとともに、引出し線用パ
ッド31とコイル用パッド32とが分離される。
【0073】このように、上記比較例の製造方法に比し
て、上記実施の形態における製造方法では共にAuを材
料として引出し線用パッド及びコイル用パッドを同時に
形成するために、費やす工程時間及び工数が大幅に削減
させることになる。
【0074】本実施の形態においては、上述の如くMR
素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 、引出し線用パッド11及
びコイル用パッド12を形成した後に、上記基板のMR
素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 等の非形成面(裏面)に全
面研磨を施して当該基板の厚みを調整する。
【0075】次いで、上記基板の裏面のギャップG1
2 ,G3 ,G4 に相当する箇所に第2の溝を削設する
ことにより地磁気集束用のバックギャップを形成する。
このとき、ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 にて上記基
板が分離され、ギャップG1,G2 ,G3 ,G4 を構成
する融着ガラスにより分離された上記基板が接合された
かたちとされる。続いて励磁用コイルC1 ,C2 の巻線
用の溝を加工形成した後、当該基板を切断して各コアチ
ップ毎に切り出す。
【0076】上記コアチップに溝加工を施して略々コ字
形状の強磁性体コアK1 ,K2 を形成し、各強磁性体コ
アK1 ,K2 の巻線用の溝にそれぞれCuを材料とする
線材を用いて500ターン以上の巻線を施して励磁用コ
イルC1 ,C2 を形成した後、強磁性体コアK1 ,K2
を各々の接合面Sにて突き合わせて正方形状の閉磁路を
形成する。
【0077】次いで、接合された強磁性体コアK1 ,K
2 を収納手段内に収納し、引出し線用パッド11、コイ
ル用パッド12、及び定電位端子パッド14と当該収納
手段に設けられた図示しない各端子ピンとをそれぞれボ
ンディング・ワイヤを用いて接続する。なおこのとき、
上記ボンディング・ワイヤとしてはAuを材料とするも
のを用いる。
【0078】そして、付着力を向上させるために、上述
のボンディング部位に所定の結合剤を塗布した後、上記
収納手段内に所定の樹脂を充填させて封止する。
【0079】以上、本発明を適用した実施の形態につい
て説明してきたが、本発明がこの実施の形態に限定され
るわけではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で形
状、材質、寸法等、任意に変更することが可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明によれば、実用的な感度を有し、
しかも小型化、低価格化が容易であるとともに、製造工
数が削減されて高い品質を有する地磁気方位センサ及び
その製造方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した地磁気方位センサの一構成例
を模式的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す地磁気方位センサの等価回路の一例
を示す回路図である。
【図3】MR素子の磁気抵抗効果特性を示す特性図であ
る。
【図4】出力電圧と方位の関係を示す特性図である。
【図5】強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示す模
式図である。
【図6】円形コアを用いた場合に各MR素子に印加され
る地磁気の総量を示す模式図である。
【図7】正方形コアを用いた場合に各MR素子に印加さ
れる地磁気の総量を示す模式図である。
【図8】フェライトよりなる基板上に無機酸化膜及びM
R膜が順次成膜された様子を模式的に示す断面図であ
る。
【図9】MR膜上にTi膜及びメッキ下地膜が順次成膜
された様子を模式的に示す断面図である。
【図10】メッキ下地膜上にNi膜及びAu膜が順次成
膜された様子を模式的に示す断面図である。
【図11】エッチングにより引出し線用パッド及びコイ
ル用パッドが同時に形成された様子を模式的に示す断面
図である。
【図12】メッキ下地膜のみにエッチングが施された様
子を模式的に示す断面図である。
【図13】Ti膜のみにエッチングが施された様子を模
式的に示す断面図である。
【図14】MR素子が形成されるとともに、引出し線用
パッド下のMR膜とコイル用パッド下のMR膜とが分離
された様子を模式的に示す断面図である。
【図15】MR膜、Ti膜、及びAl膜が順次スパッタ
成膜され、続いて当該Al膜上にTi膜及びCu膜が分
離された様子を模式的に示す断面図である。
【図16】Ti膜及びCu膜のみにエッチングが施され
てコイル用パッドが形成された様子を模式的に示す断面
図である。
【図17】Al膜及びTi膜のみにエッチングが施され
て引出し線用パッドが形成された様子を模式的に示す断
面図である。
【図18】MR素子が形成されるとともに、引出し線用
パッドとコイル用パッドとが分離された様子を模式的に
示す断面図である。
【図19】従来のフラックスゲート型の地磁気方位セン
サの一例を示す概略平面図である。
【図20】従来のMR型の地磁気方位センサの一例を示
す概略平面図である。
【図21】図20に示す地磁気方位センサの等価回路図
である。
【符号の説明】
1 ,M2 ,M3 ,M4 MR素子 K1 ,K2 強磁性体コア G1 ,G2 ,G3 ,G4 ギャップ C1 ,C2 励磁用コイル 11 引出し線用パッド 12 コイル用パッド 22 MR膜 23 Ti膜 25 Ni膜 26 Au膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地磁気を集束する複数の強磁性体コアが
    それぞれ所定のギャップをもって周方向に配され、磁気
    抵抗効果素子がギャップ内に配されるとともに、バイア
    ス電流の供給によりバイアス磁界が発生する励磁用コイ
    ルが前記強磁性体コアに巻回されてなる地磁気方位セン
    サであって、 各磁気抵抗効果素子と電気的に接続されて当該磁気抵抗
    効果素子の出力端子となる引出し線用パッドと、励磁用
    コイルを構成する線材の各端部がそれぞれ電気的に接続
    されて当該励磁用コイルにバイアス電流を供給するため
    のコイル用パッドとが共にAuを材料として成膜形成さ
    れていることを特徴とする地磁気方位センサ。
  2. 【請求項2】 略直交する少なくとも一対の磁気抵抗効
    果素子を有することを特徴とする請求項1記載の地磁気
    方位センサ。
  3. 【請求項3】 励磁用コイルを構成する線材がCuを材
    料としてなるとともに、引出し線用パッドに電気的に接
    続される引出し線がAuを材料としてなることを特徴と
    する請求項1記載の地磁気方位センサ。
  4. 【請求項4】 地磁気を集束する複数の強磁性体コアが
    それぞれ所定のギャップをもって周方向に配され、磁気
    抵抗効果素子がギャップ内に配されるとともに、バイア
    ス電流の供給によりバイアス磁界が発生する励磁用コイ
    ルが前記強磁性体コアに巻回されてなる地磁気方位セン
    サの製造方法であって、 磁気抵抗効果素子と、当該磁気抵抗効果素子と電気的に
    接続されて出力端子となる引出し線用パッドと、励磁用
    コイルを構成する線材の各端部がそれぞれ電気的に接続
    されて当該励磁用コイルにバイアス電流を供給するため
    のコイル用パッドとをそれぞれ成膜形成するに際して、 磁気抵抗効果膜を成膜する工程と、 当該磁気抵抗効果膜上にNi膜及びAu膜を順次成膜し
    た後に、当該Ni膜及びAu膜にパターニングを施して
    引出し線用パッドとコイル用パッドとを同時に形成する
    工程と、 磁気抵抗効果膜にパターニングを施して、磁気抵抗効果
    素子を形成するとともに引出し線用パッド下の磁気抵抗
    効果膜とコイル用パッド下の磁気抵抗効果膜とを分離す
    る工程とを有することを特徴とする地磁気方位センサの
    製造方法。
  5. 【請求項5】 磁気抵抗効果膜の直上にTi膜を成膜す
    る工程と、 前記Ti膜にパターニングを施して、形成された引出し
    線用パッド及びコイル用パッドの直下近傍を除いてTi
    膜を除去する工程とを有することを特徴とする請求項4
    記載の地磁気方位センサの製造方法。
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