JP4157203B2 - 磁界センサ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は外部磁界を電気信号に変換する磁界センサ、特に強磁性体薄膜を用いた薄膜地磁気フラックスゲートセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】
地磁気のような微小磁界を検出する磁界センサとして、従来より良く知られているのがフラックスゲートセンサである。この磁界センサは、1960年代にアポロ計画において月面探査にも使用された伝統的な高感度磁気センサである。しかしながら、この磁界センサは、その構成上、磁気コアが大きく、小型化、低価格化が困難なため特殊用途にのみ使用されるに留まっていた。
【0003】
近年になり20インチ以上の大型CRTの地磁気補正やカーナビゲーションシステムへの応用が始まるにつれて、強磁性薄帯や薄膜を用いた小型のフラックスゲートセンサが報告されるようになってきた。
【0004】
例えば、特許番号2617498号公報には、導電性を有する帯状強磁性体磁気コアにパルス電流を印加し、磁気コアに巻回された導体巻線からの電気信号で外部磁界を検出する、いわゆる直交フラックスゲート型磁界センサが開示されている。
【0005】
また、Sensors and Actuators, A54, 612 ページ(1996)には、Tadokoroらによって、帯状の薄膜強磁性体磁気コアと、この薄膜強磁性体磁気コアに巻回された2種類の薄膜コイル(導体巻線)を有し、これらのうち、1種類を励磁用として用い、残りの1種類を電気信号で外部磁界を検出するように用いる、いわゆる平行フラックスゲート型磁界センサが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来公知の報告においては、磁界センサの出力Vは、磁性体の断面積Sおよび磁気コアの透磁率μに比例することは確認されているものの、帯状の磁気コアの形状については特に注意が払われていなかった。このため従来公知の報告において、高い透磁率を有する磁気コア材料を用いているものの、反磁界効果により実効透磁率μeff は低くなっていた。その結果、高い出力を得ることは困難であった。
【0007】
言い換えれば、従来公知の報告においては、磁気センサの出力Vが磁気コアの断面積に比例することから、コアの厚さDが一定の条件下では、磁気コアの幅Wを広くすることが好ましいとされてきた。しかしながら、磁気コアの幅Wを広くすると反磁界効果により実効透磁率が低下してしまうことから期待した高出力は得られていない。
【0008】
また、例えば、磁気コアの幅Wを2倍にすると検出用のコイルの巻数を半分にしても同じ出力が得られる。そして、インダクタンスは4分の1になることから、高周波対応が可能で好ましい。また、コイルの巻数を減らすことは製品の歩留向上にも大きく寄与することから、幅広の磁気コアで高出力の磁気センサが求められていた。
【0009】
このような実状のもとに本発明は創案されたものであり、その目的は、反磁界による磁気コアの実効透磁率の低下が少なく出力のばらつきが小さく、小型で高出力な磁気センサ、特に、地磁気センサを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために、本発明は、帯状の強磁性体からなる磁気コアを有する磁界センサであって、前記磁気コアは、その帯状の幅方向に実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分を有し、前記スリット分割された複数の磁気コア部分の端部には、これらを一体化させて導通させるための導電部が形成されてなるように構成される。
【0011】
また、本発明の好ましい態様として、前記実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分の1つの上面部の幅をW1、長さをLとしたときに、5<L/W1<100となるように構成される。
【0012】
また、本発明の好ましい態様として、前記スリット分割された複数の磁気コア部分の端部に形成された導電部を介して、磁気コアの長手方向にパルス電流または高周波電流が印加され、実質的にスリット分割された磁気コア部分に電流が分流する構造を有してなるように構成される。
【0013】
また、好ましい態様として、前記磁気コアの外周には、長手方向に沿って、磁界検出のための検出用コイルが巻かれ、このコイルに生じる電気信号により外部磁界を検出するフラックスゲートセンサ構造を備えてなるように構成される。
【0014】
また、本発明の好ましい態様として、前記実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分の総断面積が、実質的にスリット分割されていない磁気コアの断面積の50〜99%となるように構成される。
【0015】
また、本発明の好ましい態様として、前記帯状の磁気コアは、パターニングされた薄膜として構成される。
【0016】
また、本発明の好ましい態様として、実質的にスリット分割される前の状態における磁気コアの幅をW2、長さをLとした場合、0.5<L/W2<1.5となるように構成される。
【0017】
本発明において、磁気コアが幅方向に複数の部分に分割され細長くなっているため、反磁界の影響が小さく磁気コアの実効透磁率μeff が高い。このため高い出力を得ることが可能となる。特に、地磁気センサとして有効に作用する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の具体的実施の形態について詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の磁界センサ1の好適な一例を概略的に示した斜視図であり、図2は、図1のA−A方向断面矢視図である。
【0020】
これらの図面に示されるように、本発明の磁界センサ1は、基板5の上に、帯状の強磁性体からなる磁気コア2を有しており、この磁気コア2は、その帯状の幅方向(帯状の長手方向に対して直角方向)に実質的にスリット分割(本実施の形態の場合、10分割)された複数(10個)の磁気コア部分20,21,22,23,24,25,26,27,28,29(以下、単に、磁気コア部分20〜29)を有している。
【0021】
ここで、『実質的にスリット分割された』とは、長手方向の長さLは同一で、幅が狭い複数の部分に分割されていることを示す。『実質的に』であるから、分割の手法は、特に問われない。つまりベタ膜を形成した後に、スリット分割してもよいし、複数の磁気コアを分割状態に集合させてもよい。また、『分割』とは磁気的、電気的に分離されていることを示す。
【0022】
すなわち、分割された磁気コア部分と磁気コア部分との隙間部分71,72,73,74,75,76,77,78,79(以下、単に、隙間部分71〜79)は、非導電性の非磁性体で満たされていることが望ましい。例えば,ノボラックレジストやポリイミド樹脂等を熱硬化した絶縁層とすることが特に望ましい。なお、従来の磁界センサでは磁気コアがスリット分割されているものは見当たらない。
【0023】
このようにスリット分割された複数の磁気コア部分20〜29の端部(図1の場合、両端部)には、これらのコア部分を一体化させて導通させるための導電部30,30が、それぞれ、接続形成されている。
【0024】
また、図2において、10分割された磁気コア2の磁気コア部分20〜29の各幅をW1とし、分割されていないと仮定した状態における幅をW2とした場合、分割により空隙が生じるために、W1×10<W2の関係が成立する。好ましくは、0.5≦(W1×10)/W2≦0.99である。
【0025】
磁気コア部分の厚さが一定であるから、断面積の比率で表示してもこの関係は同じとなり、前記実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分の総断面積が、実質的にスリット分割されていない状態での磁気コアの断面積の50〜99%となるように構成されるのが好ましい。隙間部分71〜79が大きくなり過ぎて、上記のコア断面積比率が、50%未満となると、結果として出力が減少してしまう。また、上記のコア断面積比率が、99%を超えると、分割された磁性体間の隙間が狭くなり作製が困難となってしまうという不都合が生じる。
【0026】
また、本発明の好ましい態様として、実質的にスリット分割される前の状態における磁気コアの幅をW2、長さをLとした場合、0.5<L/W2<1.5となるように磁気コア2を構成するのがよい。L/W2の値を上記の範囲内に設定することにより、一定の面積の磁気コアの中で、磁気コアの断面積を大きくし、コイルの巻数を減ずることが可能となる。逆に、L/W2の値が0.5以下となると分割数が多くなり空隙の影響から実効断面積が減少してしまう。また、L/W2の値が1.5以上となるとコイルの巻数が増加しインダクタンスの上昇を招いてしまう。
【0027】
分割される磁気コア部分の数は、元の磁気コア全体の幅により異なるが、概ね2〜50とすることが好ましい。また、分割のための隙間部分71〜79の各幅Wv (図2)は、0.1〜50μm程度が好ましく、特に好ましくは1〜25μmである。
【0028】
隙間部分の幅Wv が、0.1μm未満となると、製造工程上のばらつきから部分的に磁気コア部分同士が接触してしまう危険性が有り、また、50μmを超えると、磁気コア2全体としての断面積が減少してしまう傾向にある。
【0029】
上述のごとく本発明の磁界センサ1の磁気コア2は、幅方向に複数の磁気コア部分に分割されている。これはいわゆる反磁場による影響を少なくし、帯状の磁気コア磁性体の長手方向の磁界を効率良く検出できるようにするためである。反磁場は、磁性体を磁化する場合に外部磁界が有効に磁性体を磁化するのを阻害する現象である。
【0030】
例えば、分割前の磁気コアの長さLが3mmの場合において、コア長手方向から磁界が印加される場合の反磁場係数の値を、コア幅およびコア厚さをそれぞれ変化させつつ求めた計算例(グラフ)が図4に示される。図4に示される結果より、磁気コアの幅が狭いほど反磁場係数が小さくなることが容易に理解される。そして、特に、反磁場係数が1×10-3以上の場合には非常に影響が大きい。このため磁界センサとして実用的な膜厚1〜10μmで計算すると、磁気コアの長さLと幅W1(磁気コア部分)の関係は、5<L/W1であることが好ましい。また、幅W1は小さすぎるとパターニングが困難になると同時に分割数が多くなり、分割による空隙部が増える。そのため、L/W1<100であることが好ましい。これらの好適な要件をまとめると、5<L/W1<100となる。
【0031】
なお、『磁気コアが分割されている』とは、言い換えれば複数の磁気コア部分が集合しているとも見ることが出来る。この場合には、幅の狭い1個の磁気コア部分では断面積が小さく十分な出力が得られないために、集合化して断面積を大きくしていると考えることができる。
【0032】
さらに、本発明において、磁気コアをその幅方向に実質的にスリット分割させることで、磁区構造が安定化する効果も合わせて期待できる。帯状の長手方向を磁化容易軸とする磁気コアにおいて、コア長さに対してコア幅を広くした場合には、180度磁壁が長手方向に2本以上現れてしまう。これに対して本発明のごとくコアを分割することで単磁区構造、あるいは180度磁壁が長手方向に1本だけという安定な磁区構造とすることが可能となる。本発明の分割されたコア構造から発現する安定磁区構造を有することで、製造ロット間で安定した出力を有する磁界センサを作製することができ、安定した品質の保証をすることができる。
【0033】
帯状の磁気コア2(磁気コア部分20〜29)の材料としてはNiFe、CoFe、CoNiFe、CoZrNb等の公知の各種の高透磁率を示す軟磁性体から選ぶことができる。また、『帯状』とはその長さが幅よりも長く、かつ厚さが幅に比べて遥かに短い状態を示す。帯状の磁気コア2としては、例えば、高速急冷薄帯やバルクの板を用いることができるが、特に好ましくは真空成膜法、めっき法で成膜された薄膜をパターニングした磁気コアである。
【0034】
また、本発明の磁界センサ1の帯状の磁気コア2には、図1に示されるように長手方向にパルス電流または高周波電流を印加するための電源50が接続され、電源50からの電流により発生した磁界により磁気コアを飽和させ、その実効透磁率を一時的に極端に小さな状態にすることで外部磁界を検出するように操作されることが好ましい。
【0035】
磁気コア2に電流を流す場合、その電流は分割された磁気コア部分20〜29にそれぞれ分流することが好ましい。このために電流導入部分で磁気コア2は、その両端部に配置された導電部30,30を介して電気的に接続されていなければならない。すなわち、導電部30は、磁気コア部分20〜29のいずれとも電気的に接続されている。
【0036】
磁気コア2(磁気コア部分20〜29)の外周には、長手方向に沿って、磁界検出のための検出用コイル40が巻かれ、このコイル巻線に生じる電気信号により外部磁界を検出するフラックスゲートセンサ構造とすることが好ましい。
【0037】
図1における検出用コイル40として、簡略的な巻線コイル形状が描かれているが、このものは、いわゆる薄膜形成プロセスに基づいて形成される薄膜コイル40とすることが好ましい。図2に薄膜コイル40の断面が部分的に示されており、薄膜コイル(検出用コイル)40は、通常、下部コイル部分41と上部コイル部分45との結合により構成される。この場合、磁気コア2との絶縁を図るために、絶縁層61,62が磁気コア2を囲むように形成されている。このような検出用コイル40の両端部には検出端子45(パッド部)が形成される。
【0038】
なお、検出用コイル40を薄膜形成すると同時に、例えば銅からなる前記導電部30,30を磁気コア端部をまたぐ形に形成すれば、製造工程の合理化が図られる。
【0039】
また、本発明の磁気コア2の上部位置、下部位置、または中間位置に磁気コア2を構成する磁性材料よりも比抵抗の低い材料からなる導電層を形成することも可能である。この場合、磁気コア2に流された電流は、比抵抗の低い導電層を流れる。そして、この電流により発生した磁界により磁気コア2を飽和させることが可能である。もちろん、この場合にも磁気コア2には分流した僅かの電流は流れる。
【0040】
上述してきた本発明の磁界センサ1は、特に好ましくは薄膜磁気ヘッドと同様の薄膜プロセスにより形成される。
【0041】
また、磁気コア2の形状は、図3に示すように途中で折り返した構造でも構わない。この場合には見かけ上、2本の磁気コア2a,20bを有するが、その各々が分割され、磁気コア部分20a,21a,22a,23a,24a(分割のための隙間部分71a,72a,73a,74a)と磁気コア部分20a,21b,22b,23b,24b(分割のための隙間部分71b,72b,73b,74b)が、それぞれ、形成されている。2本の磁気コア2a,20bの一方端には、導電部31,32がそれぞれ形成され、2本の磁気コア2a,2bの他方端には、2本の磁気コア2a,2bを連結する導電部35が形成されている。このような2本の磁気コア2a,2bの外周全体には、長手方向に沿って、磁界検出のための検出用コイル40が巻かれている。また、導電部31,32には、図3に示されるように長手方向にパルス電流または高周波電流を印加するための電源50が接続されている。
【0042】
上述してきた本発明の磁界センサ1においては、一般に、磁気コア2に電流を流すためのパッド部、および検出用コイル40のパッド部からワイヤーボンダーにより外部に設けられた電源および信号処理部へと接続がなされる。もちろんパッド部に半田バンプを設け、基体面を上にしてプリント基板等に実装することも可能である。あるいはスルホールを有する基体上にセンサを形成し、素子面を上にプリント基板等に実装することも可能である。
【0043】
また、本磁界センサ1は、公知の有機物、および/または無機物の保護膜65(図2)を最上面に設けることが好ましい。さらに、他の電子部品同様の樹脂封止の処理をすることも可能である。この場合には、磁気コアに大きな応力が掛からないように、樹脂封止をする前に、予め応力緩和層として封止樹脂とは異なる樹脂で保護層を形成しておくことが望ましい。
【0044】
なお、本発明の帯状の磁性体の替わりに線状の磁性体を用いた場合には、断面積の小さな線状の磁性体を束ねる構造となる。しかしながら、この場合、各々の線状の磁性体の周囲に個別に絶縁層を形成する必要があり、総断面積が小さくなってしまうために好ましい構造とは言えない。
【0045】
また、本発明の磁界センサを2つ組み合わせることで2軸の磁界センサ、3個組み合わせることで3軸の磁界センサとすることも可能である。この際に磁気コアの電流が流れる方向は、互いに直交する配置となる。2軸の場合には、1枚の基体の表と裏にそれぞれ素子部を形成したり、2つのセンサを1枚の基板上に積層して形成したりすることも可能である。
【0046】
【実施例】
以下に具体的実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
【0047】
(実施例1〜4)
図1および図2に示されるような磁界センサのサンプルを下記の要領で作製した。検出用コイル40は、薄膜コイルとし、下部コイルと上部コイルが接続され、磁気コアを巻回するように構成した。
【0048】
具体的サンプルの作製
表面に酸化皮膜を有するシリコンウエハー基板5の上に、下部コイル41を電気めっき法により形成した。次いで、熱硬化ノボラック樹脂からなる下部絶縁層61を形成し、この上に厚さ4μmのCoZrNbスパッタ膜からなる磁気コア2を形成した。この磁気コアの長さLは、900μmに固定し、幅Wは表1に示す各種の形状とした。巻線コイルは40ターン構造とした。なお、表1において、幅がW1×nとあるのは、分割されたひとつの磁気コア部分の幅がW1で、磁気コアがn個の磁気コア部分に分割されていることを示す。磁気コアのパターニングは、フォトレジスト法によりマスクを用いて露光、現像したレジストパターンを用い、フレームめっき法およびエッチング法により形成した。
【0049】
さらに、このような磁気コアの上に、上部絶縁層62を介して、上部コイル45を形成した。最後に、保護層65として絶縁層を形成し、各種磁界センサのサンプルを作製した(実施例1〜4サンプル)。
【0050】
(比較例1)
長さ900μm×幅830μm×厚さ4μmスリット分割されていない一枚の磁気コアを用いた。それ以外は、上記実施例のサンプルと同様にして、比較例1の磁界センサのサンプルを作製した。
【0051】
サンプルの評価
上記の各サンプルについて、出力および出力ばらつきを下記の要領で求めた。すなわち、完成した磁界センサの磁気コア部に、10MHzのパルス電流を印加し、地磁気(0.3Oe)による出力値を求め、1T(テラス)当たりの出力に換算して各種の素子を比較した。なお、出力は20個の素子の平均値で表した。また、出力ばらつきは、20個の素子の出力の最高値と最低値の差を平均値で割ってパーセント表示した。
【0052】
結果を下記表1に示した。
【0053】
【表1】
なお、本実施例センサの試作歩留りはいずれも95%以上と高かった。
【0054】
【発明の効果】
上記の結果より本発明の効果は明らかである。すなわち、本発明は、帯状の強磁性体からなる磁気コアを有する磁界センサであって、前記磁気コアは、その帯状の幅方向に実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分を有し、前記スリット分割された複数の磁気コア部分の端部には、これらを一体化させて導通させるための導電部が形成されてなるように構成されている。従って、本発明で用いられる磁気コアは、反磁場の影響が小さく磁気コアの実効透磁率μeff が高くなる。このため高い出力を得ることができるという極めて優れた効果が発現する。また、磁気コアの磁区構造も改善され理想的な構造をとることから出力ばらつきも極めて少なくなるという極めて優れた効果が発現する。さらに、本発明では幅広の磁気コアを用いることが可能なため、製造時の歩留りが高いという優れた効果が発現する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁界センサの好適な一例を概略的に示した斜視図である。
【図2】図1のA−A方向断面矢視図である。
【図3】他の磁気コア構造を示す平面図である。
【図4】磁気コアの幅が、反磁場係数に影響を及ぼすことを示すグラフである。
【符号の説明】
1…磁界センサ
5…基板
2…磁気コア
20〜29…磁気コア部分
21a〜24a…磁気コア部分
21b〜24b…磁気コア部分
30,31,32,35…導電部
40…検出用コイル
50…電源
71〜79…隙間部分
Claims (7)
- 帯状の強磁性体からなる磁気コアを有する磁界センサであって、
前記磁気コアは、その帯状の幅方向に実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分を有し、
前記スリット分割された複数の磁気コア部分の端部には、これらを一体化させて導通させるための導電部が形成されてなることを特徴とする磁界センサ。 - 前記実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分の1つの上面部の幅をW1、長さをLとしたときに、5<L/W1<100である請求項1に記載の磁界センサ。
- 前記スリット分割された複数の磁気コア部分の端部に形成された導電部を介して、磁気コアの長手方向にパルス電流または高周波電流が印加され、実質的にスリット分割された磁気コア部分に電流が分流する構造を有してなる請求項1または請求項2に記載の磁界センサ。
- 前記磁気コアの外周には、長手方向に沿って、磁界検出のための検出用コイルが巻かれ、このコイルに生じる電気信号により外部磁界を検出するフラックスゲートセンサ構造を備えてなる請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の磁界センサ。
- 前記実質的にスリット分割された複数の磁気コア部分の総断面積が、実質的にスリット分割されていない磁気コアの断面積の50〜99%となるように構成されてなる請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の磁界センサ。
- 前記帯状の磁気コアは、パターニングされた薄膜である請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の磁界センサ。
- スリット分割される前の状態における磁気コアの幅をW2、長さをLとした場合、0.5<L/W2<1.5である請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の磁界センサ。
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