JPH07324934A - 地磁気方位センサ - Google Patents

地磁気方位センサ

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Publication number
JPH07324934A
JPH07324934A JP6117885A JP11788594A JPH07324934A JP H07324934 A JPH07324934 A JP H07324934A JP 6117885 A JP6117885 A JP 6117885A JP 11788594 A JP11788594 A JP 11788594A JP H07324934 A JPH07324934 A JP H07324934A
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JP
Japan
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sensor
ferromagnetic
magnetic field
geomagnetic
sensors
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Withdrawn
Application number
JP6117885A
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English (en)
Inventor
Toshio Aizawa
俊雄 相澤
Manabu Aizawa
学 相澤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Publication of JPH07324934A publication Critical patent/JPH07324934A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実用的な感度及び高い方位精度を有し、組み
立てが容易であってしかも小型化、低価格化を可能とす
る。 【構成】 センサチップ2を強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 上に配することにより、各ギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 の位置に各MRセンサM1 ,M2
3 ,M4 をそれぞれ配設し、且つ温度特性補正用のM
RセンサM5 ,M6 ,M7 ,M8 について、MRセンサ
5 ,M6 を平行に強磁性体コアK3 の中央部位置に、
MRセンサM7 およびM8 を平行に強磁性体コアK4
中央部位置に対応して配設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気抵抗効果素子を用
いた地磁気方位センサに関するものであり、特に強磁性
体コアと組み合わせて高感度化を図った新規な地磁気方
位センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管では、電子銃か
ら出射された電子ビームの軌道が、地磁気により曲げら
れ、蛍光面上でのビーム到達位置(ランディング)が変
化することがある。特に高精細度陰極線管においては、
ランディング余裕度が小さいために、前記ランディング
の変化(位置ずれ)が色純度の劣化等の問題を引き起こ
す。
【0003】これを補正するために、通常、ランディン
グ補正コイルが陰極線管に取り付けられており、このラ
ンディング補正コイルに地磁気の方位に応じて自動的に
ランディング補正に必要な最適電流を流すことにより、
電子ビームの軌道を制御してミスランディングを防止す
るようにしている。
【0004】したがって、前記ランディング補正に際し
ては、地磁気の方位を正確に検出する必要があり、いわ
ゆる地磁気方位センサが使用されている。あるいは、従
来から用いられてきた磁石式の方位計(磁気コンパス)
の代替として、携帯型の方位計としても地磁気方位セン
サが使用されている。
【0005】上述のように、地磁気方位センサは、様々
な用途に使用されるが、その代表的な構造としては、い
わゆるフラックスゲート型のものと、磁気抵抗効果型
(MR型)のものが知られている。
【0006】前者は、図23に示すように、パーマロイ
コア101に電気信号出力用コイル102と励磁用コイ
ル103を巻回してなるもので、地磁気を前記パーマロ
イコアで集束し、これを電気信号出力用コイル102に
伝えるような構造とされている。
【0007】そして、このフラックスゲート型の地磁気
方位センサでは、励磁コイル103により交流バイアス
磁界HBをパーマロイコア101中に発生させ、バイア
ス磁界が反転したときに発生するパルス状の電圧を信号
として検出する。このパルス状電圧の電圧値は、地磁気
の方位によって変化するので、地磁気センサとして利用
することができる。
【0008】しかしながら、このフラックスゲート型の
地磁気方位センサは、コイルにより地磁気を電気信号に
変換するため、感度を上げるためには電気信号出力用コ
イル102の巻き数を極めて多くしたり、集束効果を高
めるためにパーマロイコア101の形状を大きくする必
要がある。したがって、小型化や低価格化は難しい。
【0009】一方、後者(MR型)は、図24に示すよ
うに、磁気抵抗効果素子(MRセンサチップ)111を
形成したMRセンサチップ110を空心コイル112の
中に入れ、これらMRセンサチップ110に対して45
゜方向の交流バイアス磁界H Bを印加してなるものであ
る。等価回路を図25に示す。地磁気方位センサとして
使用する場合には、図24に示す構造のものを空心コイ
ルの巻回方向が直交するするように1組使用する。
【0010】このMR型の地磁気方位センサは、磁気抵
抗効果素子を使用しているため、フラックスゲート型の
地磁気方位センサに比べて感度が高いが、MRセンサチ
ップ110のみで地磁気を感知しているため、0.3ガ
ウス程度の地磁気の方位を検出するには不十分である。
【0011】また、このMR型の地磁気方位センサで
は、MRセンサチップ110に対して45゜方向のバイ
アス磁界HB を加えていること、感度向上のためにMR
カーブを無理に急峻なものとしていることから、MR特
性にヒステリシスを持っており、これを解消するために
信号処理用回路が複雑なものとなったり、方位精度が±
10゜と悪い等の不都合を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来知
られる地磁気方位センサでは、感度の点で不満を残して
おり、また小型化、低価格化も難しい。そこで本発明
は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたもので、実用
的な感度及び高い方位精度を有し、しかも小型化、低価
格化が容易な地磁気方位センサを提供することを目的と
する。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の地磁気方位セン
サは、地磁気を強磁性体コアで集束することにより大き
な磁束密度に変換し、これをコア間のギャップ内に配置
したMR素子で検出するものである。
【0014】すなわち、本発明の地磁気方位センサは、
周方向に所定のギャップをもって配列されてなる地磁気
を集束する複数の強磁性体コアと、前記ギャップ内に配
されてなる磁気抵抗効果素子と、周囲の温度変化による
前記磁気抵抗効果素子の出力変化を抑止する温度特性補
正用の磁気抵抗効果素子とを有し、電流の供給によりギ
ャップ内の磁気抵抗効果素子にバイアス磁界を印加する
励磁用コイルを前記強磁性体コアのうちの少なくとも一
つに巻回して設け、前記温度特性補正用の磁気抵抗効果
素子を励磁用コイルを有しない強磁性体コアに対向する
位置に設けて構成するものである。
【0015】このとき、上記強磁性体コアの少なくとも
一つに励磁用コイルを巻回し、それにバイアス電流IB
を流すことによってバイアス磁界HB を発生させ、MR
センサを磁界感度が高く且つ直線性(リニアリティ)の
良いところで使用する。なお、バイアス磁界HB (電流
B )は、交流であってもよいし、直流であってもよ
い。
【0016】上記MRセンサを交流バイアスで使用した
場合、方位信号(低周波数)を交流信号(高周波数)に
重畳した電気信号として取り出すことができるため、M
Rセンサにより発生するオフセット及び温度ドリフト等
のノイズ成分をハイパスフィルタ(HPF)等による回
路処理で取り除くことができ、高方位精度を得ることが
できる。
【0017】すなわち、本発明の地磁気方位センサにお
いては、上記励磁用コイルを有しない強磁性体コアに温
度特性補正用のMRセンサを設ける、つまり励磁用コイ
ルから発生するバイアス磁界のほぼ印加範囲外に温度特
性補正用のMRセンサが配設されることになる。
【0018】本発明においては、磁気抵抗効果素子(以
下、MRセンサと称する。)は、互いに直交するX軸方
向とY軸方向での出力を得るため、最低でも2箇所に互
いに直交するように配置する。好ましくは、等角度間隔
(90゜間隔)で4つのMRセンサを配置する。
【0019】一方、強磁性体コアは、前記MRセンサの
配置に応じて等角度間隔(例えば90゜間隔)でギャッ
プを有し、且つ閉磁路を構成するように、周方向に配列
する。このとき、強磁性体コアの配列状態は、90゜回
転させても対称となる構造とすることが好ましく、具体
的には、正方形状、或は円環状に配列する。
【0020】上記強磁性体コアには、パーマロイ、珪素
鋼板、各種ソフトフェライト等、高透磁率、高飽和磁束
密度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)を用い、バ
イアス磁界の印加と地磁気の集束に利用する。
【0021】また、本発明の地磁気方位センサにおいて
は、バイアス磁界が印加される磁気抵抗効果素子と温度
特性補正用の磁気抵抗効果素子とを直列に接続する。こ
のような構造とすることにより、出力の安定化が図ら
れ、高出力、高方位精度が実現される。
【0022】
【作用】本発明の地磁気方位センサにおいて、強磁性体
コアは、バイアス磁界の磁路を構成するとともに、地磁
気を集束するいわゆる集束ホーンとして機能する。その
結果、互いに直交するMRセンサに加わる地磁気の総量
は、それぞれ地磁気とMRセンサのなす角度に応じて決
まり、各MRセンサから強磁性体コアにより構成される
閉磁路の中心を通る地磁気線に直角に引いた線に比例す
る。
【0023】さらに、周囲の温度変化による上記MRセ
ンサの出力変化を抑止する温度特性補正用のMRセンサ
がバイアス磁界印加用の励磁用コイルを有しない強磁性
体コアに対向する位置に配されているので、漏洩磁界
(すなわちバイアス磁界)により上記温度特性補正用の
MRセンサが影響を受けて発生しがちな方位精度の劣化
がほぼ完全に抑止されることになる。
【0024】したがって、地磁気が効率的にMRセンサ
へ磁気信号として供給されるとともに、上記MRセンサ
には効率よく温度補償が施され、地磁気の高出力及び高
精度の検出が可能となる。
【0025】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明を適用した地磁気方位セン
サの基本構造の一例を示すものである。この地磁気方位
センサは、パーマロイ等からなる4つの強磁性体コアK
1 ,K 2 ,K3 ,K4 が、90゜間隔で所定幅のギャッ
プ(隙間)G1 ,G2 ,G3 ,G4 を形成するように正
方形状に組合せて基板1上に設けられ、これらギャップ
1 ,G2 ,G3 ,G4 が形成された強磁性体コア
1 ,K2 ,K3 ,K4 の上部にそれぞれMRセンサM
1 ,M2 ,M3 ,M4 が配置されたセンサチップ2が設
置されてこれらMRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 が各
ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 上に設置されたかたち
となり、さらにこのセンサチップ2上に、地磁気方位セ
ンサを外部の電気回路とリフロー方式にて結合させるた
めのリードフレーム3が設置されて構成されている。な
お、上記図1においては、上記地磁気方位センサの主要
部である各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 及びセ
ンサチップ2のみを図示しており、上記基板1及びリー
ドフレーム3は省略(以下の図4,図5及び図7,図8
において示す)した。
【0027】上記各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K
4 は、図2及び図3に示す(ここでは強磁性体コアK1
のみを示す)ように、パーマロイ等の軟強磁性体金属か
らなる翼様の左右対称形状をなす部材である。各強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K 4 においては、その右翼部
a及び左翼部bには、上記基板1に設置する際の位置決
めを行うための基準孔e,fがそれぞれ設けられるとも
に、これら右翼部aと左翼部bの中央部cにて略々コ字
形状に屈曲され巻線部dが形成されている。強磁性体コ
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 のうち、強磁性体コアK1
2 には、これらの各巻線部dに励磁用コイルC1 ,C
2 が巻回され設けられている。
【0028】このとき、上記巻線部dは、上記の如く屈
曲構造として形成されているので、上記励磁用コイルC
1 ,C2 が巻回されたことによる体積の増加が緩和され
ることになり、上記強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K
4 が各MRセンサM1 ,M2,M3 ,M4 に密着され、
励磁用コイルの体積のばらつきがほぼ皆無となる。した
がって、4分割された強磁性体コアK1 ,K2 ,K3
4 を、それぞれの外形寸法のばらつきに影響されるこ
となく正確に位置決めして配設することが可能となり、
各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 のセンターのばらつ
きが抑制されることになる。
【0029】上記基板1は、図4及び図5に示すよう
に、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3,K4 を対称に配
置して各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 を同一とし且
つ各ギャップセンターの位置出しを行うための8本の位
置決めピン11a〜11hと、各強磁性体コアK1 ,K
2 ,K3 ,K4 を設置する際に強磁性体コアK1 ,K2
に設けられた励磁用コイルC1 ,C2 を収容するための
十字形状の溝部12と、上記センサチップ2のセンサー
センシングパターンのセンターと各ギャップG1
2 ,G3 ,G4 のセンターとの位置を規制するための
4つの位置決め枠13a〜13dと、励磁用コイル
1 ,C2 の巻線端末を絡げるための4本の端子ピン1
4a〜14dと、上記巻線端末を絡げる際に線材が各強
磁性体コアの上を跨らないようにするための8本の線材
規制ピン15a〜15h(ここで、使用されるものはこ
れらの線材規制ピンのうち4本、すなわち線材規制ピン
15a,15b及び15e,15f)と、センサチップ
2上にリードフレーム3を設置する際に取付の位置決め
を行うための2本のリードフレーム規制ピン16a,1
6b(これらリードフレーム規制ピン16a,16b
は、それぞれ端子ピン14a,14d上に一体形成され
ている。)とが設けられて構成されている。
【0030】上記センサチップ2は、図6に示すよう
に、その表面上に配された各MRセンサM1 ,M2 ,M
3 ,M4 がそれぞれセンサチップ2の下部に形成されて
いる各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 に対応するよう
に設けられている。すなわち、センサチップ2を強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 上に配することにより、
各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 の位置に各MRセン
サM1 ,M2 ,M3 ,M 4 がそれぞれ配設されるかたち
に構成されることになる。同様に、センサチップ2の表
面には後述する温度特性補正用のMRセンサM5
6 ,M7 ,M8 が配されており、MRセンサM5 ,M
6 が平行に強磁性体コアK3 の中央部位置に、MRセン
サM7 およびM8 が平行に強磁性体コアK4 の中央部位
置に対応して配設されるかたちとされている。また、上
記各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4と外部電極とを
接続するための電極部が上記センサチップ2の表裏8箇
所に設けられている。
【0031】上記リードフレーム3は、上記地磁気方位
センサを外部の電気回路とリフロー方式にて結合させる
ためのものであり、図7及び図8(図7中、一点鎖線A
−A’による断面図)に示すように、上記基板1上に設
けられたリードフレーム規制ピン16a,16b及び1
4b,14cと嵌合して固定するための4つの係合部2
1a〜21dを有している。なお、このリードフレーム
3については、上記地磁気方位センサの電気回路への組
み込みを面実装方式にて行う場合には不要である。
【0032】上記センサチップ2に設けられたMRセン
サM1 ,M2 ,M3 ,M4 は、例えばX軸方向検出用の
2つのMRセンサM1 ,M3 と、これと直交するY軸方
向検出用の2つのMRセンサM2 ,M4 に分類される。
そして、各MRセンサ1 ,M2 ,M3 ,M4 には、同様
にセンサチップ2に設けられた温度特性(中点電位等)
補正用のMRセンサM5 ,M6 ,M7 ,M8 が直列に接
続されている。
【0033】ここで、温度特性補正用の各MRセンサM
5 ,M6 ,M7 ,M8 は、上述のようにMRセンサM5
及びM6 が平行に強磁性体コアK3 の中央部位置に、M
RセンサM7 およびM8 が平行に強磁性体コアK4 の中
央部位置に対応するようにセンサチップ2に配され、強
磁性体コアK1 ,K2 に設けられた励磁用コイルC1
びC2 から発生するバイアス磁界の影響を受けないよう
にされているが、これは次のような理由による。
【0034】例えば、温度特性補正用のMRセンサ
5 ,M6 ,M7 ,M8 が上記励磁用コイルの下部に位
置するようにセンサチップ2を構成すると、ギャップの
外であっても漏れ磁界が温度特性補正用のMRセンサM
5 ,M6 ,M7 ,M8 にバイアス磁界として印加され
る。その結果、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4
バイアス特性を示す特性曲線に歪が発生し、X方向とY
方向との出力差及び出力のオフセットが増大して、S/
N及び方位精度の悪化の主な原因となる。
【0035】これに対し、MRセンサM5 及びM6 を平
行に強磁性体コアK3 の中央部位置に、MRセンサM7
およびM8 を平行に強磁性体コアK4 の中央部位置に対
応するようにセンサチップ2に配置すると、強磁性体コ
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 中の磁気信号に対してほとん
ど感度を示さない。したがって、上記差動出力は大きく
取れ、高い方位精度が得られる。
【0036】上記地磁気方位センサを作製するには、先
ず整列巻が可能な巻線機を用いて強磁性体コアK1 ,K
2 に50ターン程度の巻線を施す。このとき、上記地磁
気方位センサにおいて、繰り返し方位精度のみが重要で
あるときは、1つの強磁性体コアのみに100ターン程
度の巻線を施せばよい。
【0037】次いで、図9及び図10(図9中、一点鎖
線B−B’による断面図)に示すように、各強磁性体コ
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 をそれぞれ上記基板1上の位
置決めピン11a〜11hに設置し、加圧治具を用いて
これら強磁性体コアK1 ,K 2 ,K3 ,K4 をそれぞれ
位置決めピン11a〜11hに圧入して基板1上に固定
する。その後、強磁性体コアK1 ,K2 に設けられた励
磁用コイルC1 ,C2の巻線端末をそれぞれ線材規制ピ
ン15a〜15dを介して端子ピン14a〜14dに絡
げ、半田付けにより固定する。
【0038】そして、図11及び図12(図11中、一
点鎖線C−C’による断面図)に示すように、センサチ
ップ2を上記基板1上の位置決め枠13a〜13dに合
わせて設置して加圧挿入し固定した後、図13及び図1
4(図13中、一点鎖線D−’による断面図)に示すよ
うに、このセンサチップ2上にリードフレーム3を上記
基板1上のリードフレーム規制ピン16a〜16hに嵌
合し圧入することにより固定する。
【0039】次いで、センサチップ2の上記電極部とリ
ードフレーム3とを半田付けにより固定し、センサチッ
プ2と上記基板1に接着剤を塗布して硬化することによ
り、上記地磁気方位センサが完成する。
【0040】上述の構成を有する地磁気方位センサの等
価回路は、図15に示す通りである。すなわち、X軸方
向検出用の2つのMRセンサM1 ,M3 は、温度特性補
正用のMRセンサM5 ,M7 と共にブリッジを構成し、
差動アンプA1 よりX出力が出力される。同様に、Y軸
方向検出用の2つのMRセンサM2 ,M4 は、温度特性
補正用のMRセンサM6 ,M8 と共にブリッジを構成
し、差動アンプA2 よりY出力が出力される。
【0041】地磁気検出用のMRセンサM1 ,M2 ,M
3 ,M4 には、定電位電源VCCが接続され、センス電流
B が供給される。また、X軸方向検出用のMRセンサ
1 とMRセンサM3 には、180゜方位の異なるバイ
アス磁界(HB及び−HB)が印加され、同様にY軸方向
検出用のMRセンサM2 とMRセンサM4 にも180゜
方位の異なるバイアス磁界(HB及び−HB)が印加され
る。
【0042】上記構成の地磁気方位センサにおいて、M
RセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 は、次のような特徴を
持っている。 (1)磁界の強度により抵抗値が変化する。(磁気抵抗
効果) (2)弱い磁界を感知する能力に優れている。 (3)抵抗値変化を電気信号として取り出すことができ
る。
【0043】本発明の地磁気方位センサにおいては、こ
の特徴を利用して地磁気による磁気信号を電気信号に変
換する。図16は、MRセンサのMR特性曲線を示すも
のである。この図16において、横軸はMRセンサに垂
直に加わる磁界の強さ、縦軸はMRセンサの抵抗値の変
化、あるいは出力電圧変化(MRセンサに直流電流を流
した場合)である。
【0044】MRセンサの抵抗値は、磁界零で最大とな
り、大きな磁界(MRセンサのパターン形状等にもよる
が100〜200ガウス程度)を印加したときに約3%
小さくなる。MRセンサ出力のS/N(出力電圧振幅)
及び歪率向上のためには、図16に示すように、バイア
ス磁界HB が必要となる。このバイアス磁界HBは、先
にも述べたように、強磁性体コアK1 ,K2 に励磁用コ
イルC1 ,C2 を巻回し、これにバイアス電流IB を流
すことによって与えられる。
【0045】このとき、X軸方向検出用のMRセンサM
1 に印加されるバイアス磁界の方向とMRセンサM3
印加されるバイアス磁界の方向は、互いに180゜反転
している。同様に、Y軸方向検出用のMRセンサM2
印加されるバイアス磁界の方向とMRセンサM4 に印加
されるバイアス磁界の方向も、互いに180゜反転して
いる。
【0046】ここで、地磁気信号HE が入ってくると、
例えばX軸方向検出用のMRセンサM1 及びM3 に加わ
る磁界の強さは以下のようになる。 MRセンサM1 : HB +HE MRセンサM3 : −HB +HE
【0047】交流バイアス磁界印加とすると、MRセン
サM1 に印加される磁界は図16中線Aで示すように変
化し、この磁界の変化が図16中線Bで示すように電圧
変化として出力される。一方、MRセンサM3 に印加さ
れる磁界は図16中線Cで示すように変化し、この磁界
の変化が図16中線Dで示すように電圧変化として出力
される。
【0048】このMRセンサM1 からの出力(線B)と
MRセンサM3 からの出力(線D)の出力差Lが、差動
信号(X出力)として取り出される。Y軸方向検出用の
MRセンサM2 ,M4 についても同様であり、差動信号
(Y出力)が取り出される。
【0049】これら差動信号は地磁気HE の方位により
変化し、それぞれHE sinθ、H E cosθに比例す
る。したがって、横軸に方位θをとって出力電位をプロ
ットすると、X出力及びY出力は図17に示すようなも
のとなる。したがって、これらX出力及びY出力から、
地磁気に対する方位θを算出することができる。
【0050】すなわち、X出力とY出力の比X/Yは、
これら出力がHE sinθ、HE cosθに比例するこ
とから、sinθ/cosθで表わすことができる。 X/Y=sinθ/cosθ=tanθ したがって、 θ=tan-1(X/Y) (ただし、0≦θ≦180゜のときX≧0、180゜<
θ<360゜のときX<0である。)
【0051】以上によって地磁気HE の方位θを知るこ
とができるが、次に強磁性体コアK 1 ,K2 ,K3 ,K
4 による地磁気集束原理について説明する。
【0052】先ず、図18に、フェライト、パーマロイ
等からなる強磁性体コアKが地磁気にどのような影響を
与えるのかを模式的に図示した。強磁性体は空気中に比
べて磁気抵抗が小さいため、地磁気が吸い寄せられるよ
うに曲げられ、強磁性体コアK中を通って再び外へ出
る。
【0053】したがって、上記強磁性体コアKは、地磁
気を集束し、大きな磁束密度に変換する。(実際は、地
磁気は強磁性体コアKを磁化し、ギャップに大きな磁界
を発生する。) 図19は、円形の強磁性体コアKを用いた場合に地磁気
がどのように各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 に伝
わるのかを示したものであり、各MRセンサM 1
2 ,M3 ,M4 に磁気信号として印加される地磁気の
総量は、各MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 から強磁
性体コアKの中心を通る地磁気線HEOに垂直に引いた線
の長さに相当する。
【0054】X軸方向検出用MRセンサM1,M3に印加
される地磁気の総量:rsinθ Y軸方向検出用MRセンサM2,M4に印加される地磁気
の総量:rcosθ したがって、これら地磁気の総量に基づいて出力される
地磁気方位センサ出力(X出力,Y出力)より、先の計
算式に従って地磁気HE の方位θが算出される。
【0055】図20に示すように強磁性体コアKが正方
形の場合も同様であり、強磁性体コアKの中心点を回転
中心として90゜回転させたときに対称となる形状であ
れば、いずれの場合にも同様の出力を得ることができ
る。
【0056】前述のように、励磁用コイルC1 ,C2
コアとして機能する強磁性体コアK 1 ,K2 を軟磁性体
(ソフト強磁性体)とし、地磁気の集束ホーンとして使
用すると、空心コイルやマグネットを使用したときに比
べて出力が大きくなり、感度が向上する。
【0057】さらに、本実施例の地磁気方位センサにお
いては、周囲の温度変化による上記MRセンサの出力変
化を抑止する温度特性補正用のMRセンサM5 ,M6
7,M8 がバイアス磁界印加用の励磁用コイルを有し
ない強磁性体コアK3 ,K4に配されているので、漏洩
磁界(すなわちバイアス磁界)により上記温度特性補正
用のMRセンサM5 ,M6 ,M7 ,M8 が影響を受けて
発生しがちな方位精度の劣化がほぼ完全に抑止されるこ
とになる。したがって、地磁気が効率的にMRセンサM
1 ,M2 ,M3 ,M4 へ磁気信号として供給されるとと
もに、上記MRセンサM1 ,M2 ,M3 ,M4 には効率
よく温度補償が施され、地磁気の高出力及び高精度の検
出が可能となる。
【0058】本発明者等は、実際の効果を確かめるた
め、次のような実験を行った。実験のサンプルとして
は、上記実施例の地磁気方位センサAと、この地磁気方
位センサAとの比較例として強磁性体コアK3 ,K4
も励磁用コイルが設けられた地磁気方位センサBを用い
て、X出力、Y出力、及びオフセット値のそれぞれにつ
いて、差動アンプにより出力値を300倍に増幅して測
定した。
【0059】地磁気方位センサA及び地磁気方位センサ
Bについての実験結果をそれぞれ下記の表1及び表2に
示す。
【0060】
【表1】
【0061】
【表2】
【0062】表1及び表2において、*印を付した数値
は絶対値を、#印を付した数値は±での数値を示す。こ
れらの結果から明かなように、地磁気方位センサAは地
磁気方位センサBと比較して出力のばらつきが少なく、
オフセット値がほぼ1/3程度に改善されていることが
わかる。このとき、さらにそれぞれの地磁気方位センサ
についてMR特性を示す特性曲線を調べたところ、地磁
気方位センサA,Bについてそれぞれ図21及び図22
のようになった。これらの図を見ても明かなように、地
磁気方位センサAは、地磁気方位センサBと比較して、
MR特性のばらつきがなく高精度な地磁気方位の検出が
可能であることがわかる。
【0063】以上、本発明を適用した実施例について説
明してきたが、本発明がこれら実施例に限定されるわけ
ではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で形状、材
質、寸法等、任意に変更することが可能である。
【0064】
【発明の効果】以上の説明からも明かなように、本発明
に係る地磁気方位センサは、実用的な感度及び高い方位
精度を有し、しかも小型化、低価格化が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る地磁気方位センサの主要部を模
式的に示す平面図である。
【図2】上記地磁気方位センサの強磁性体コアを模式的
に示す平面図である。
【図3】上記地磁気方位センサの強磁性体コアを模式的
に示す側面図である。
【図4】上記地磁気方位センサの基板を模式的に示す平
面図である。
【図5】上記地磁気方位センサの基板を模式的に示す側
面図である。
【図6】上記地磁気方位センサのセンサチップを模式的
に示す平面図である。
【図7】上記地磁気方位センサのリードフレームを模式
的に示す平面図である。
【図8】図7中、一点鎖線A−A’による断面図であ
る。
【図9】基板上に各強磁性体コアが固定された様子を模
式的に示す平面図である。
【図10】図9中、一点鎖線B−B’による断面図であ
る。
【図11】各強磁性体コアが固定された基板上にセンサ
チップが固定された様子を模式的に示す平面図である。
【図12】図11中、一点鎖線C−C’による断面図で
ある。
【図13】センサチップが固定された基板上にリードフ
レームが固定された様子を模式的に示す平面図である。
【図14】図13中、一点鎖線D−’による断面図であ
る。
【図15】図1に示す地磁気方位センサの等価回路図で
ある。
【図16】MRセンサのMR特性曲線を示す特性図であ
る。
【図17】出力電圧と方位との関係を示す特性図であ
る。
【図18】強磁性体コアによる地磁気の集束状態を示す
模式図である。
【図19】円形コアを用いた場合に各MRセンサのに印
加される地磁気の総量を示す模式図である。
【図20】正方形コアを用いた場合に各MRセンサのに
印加される地磁気の総量を示す模式図である。
【図21】上記地磁気方位センサのMR特性を示す特性
図である。
【図22】温度特性補正用のMRセンサにもバイアス磁
界が印加される構造を有する地磁気方位センサのMR特
性を示す特性図である。
【図23】従来のフラックスゲート型の地磁気方位セン
サの一例を模式的に示す概略平面図である。
【図24】従来のMR型の地磁気方位センサの一例を模
式的に示す概略平面図である。
【図25】図24に示す地磁気方位センサの等価回路図
である。
【符号の説明】
1 ,M2 ,M3 ,M4 MRセンサ M5 ,M6 ,M7 ,M8 温度特性補正用のMRセンサ K1 ,K2 ,K3 ,K4 強磁性体コア G1 ,G2 ,G3 ,G4 ギャップ C1 ,C2 励磁用コイル 1 基板 2 センサチップ 3 リードフレーム

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周方向に所定のギャップをもって配列さ
    れてなる地磁気を集束する複数の強磁性体コアと、 前記ギャップ位置に配されてなる磁気抵抗効果素子と、 周囲の温度変化による前記磁気抵抗効果素子の出力変動
    を抑止する温度特性補正用の磁気抵抗効果素子とを有
    し、 電流の供給によりギャップ位置の磁気抵抗効果素子にバ
    イアス磁界を印加する励磁用コイルが前記強磁性体コア
    のうちの少なくとも一つに巻回されて設けられ、前記温
    度特性補正用の磁気抵抗効果素子が励磁用コイルを有し
    ない強磁性体コアと対向する位置に設けられてなること
    を特徴とする地磁気方位センサ。
  2. 【請求項2】 略直交する少なくとも一対の磁気抵抗効
    果素子を有することを特徴とする請求項1記載の地磁気
    方位センサ。
  3. 【請求項3】 強磁性体コアが軟磁気特性を有する強磁
    性体よりなることを特徴とする請求項1記載の地磁気方
    位センサ。
  4. 【請求項4】 バイアス磁界が印加される磁気抵抗効果
    素子と温度特性補正用の磁気抵抗効果素子とが直列に接
    続されていることを特徴とする請求項1記載の地磁気方
    位センサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012096132A1 (ja) 2011-01-13 2012-07-19 アルプス電気株式会社 磁気センサ
CN112858964A (zh) * 2019-11-27 2021-05-28 Tdk株式会社 磁传感器

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CN112858964A (zh) * 2019-11-27 2021-05-28 Tdk株式会社 磁传感器
CN112858964B (zh) * 2019-11-27 2024-04-02 Tdk株式会社 磁传感器

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