JPH09105630A - 地磁気方位センサ - Google Patents

地磁気方位センサ

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JPH09105630A
JPH09105630A JP26307295A JP26307295A JPH09105630A JP H09105630 A JPH09105630 A JP H09105630A JP 26307295 A JP26307295 A JP 26307295A JP 26307295 A JP26307295 A JP 26307295A JP H09105630 A JPH09105630 A JP H09105630A
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JP
Japan
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magnetoresistive effect
effect element
direction sensor
geomagnetic
geomagnetic direction
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JP26307295A
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Inventor
Toshio Aizawa
俊雄 相澤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小型化を進めても、高い出力、高い方位精度
を得ることが可能な地磁気方位センサを提供する。 【解決手段】 所定のギャップをもって配された複数の
強磁性体コアと、上記ギャップ内における磁界方向に対
して略直交するように配された磁気抵抗効果素子とを備
えた地磁気方位センサにおいて、上記磁気抵抗効果素子
の長手方向の長さを、上記ギャップの長手方向の長さよ
りも長くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気抵抗効果素子
を用いた地磁気方位センサに関するものであり、特に強
磁性体コアと磁気抵抗効果素子とを組み合わせて高感度
化を図った新規な地磁気方位センサに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、カラー陰極線管において、電子
銃から出射された電子ビームの軌道が、地磁気によって
曲げられ、蛍光面上でのビーム到達位置、すなわちラン
ディング位置が変化することがある。特に高精細度陰極
線管においては、ランディング位置の余裕度が小さいた
めに、前記ランディング位置の変化が色純度の劣化等の
問題を引き起こしてしまう。これを補正するために、通
常、陰極線管にはランディング補正コイルが取り付けら
れており、このランディング補正コイルに地磁気の方位
に応じて自動的にランディング補正に必要な最適電流を
流すことにより、電子ビームの軌道を補正して、ミスラ
ンディングを防止するようにしている。ここで、ランデ
ィング補正に際しては、当然の事ながら、地磁気の方位
を正確に検出する必要があり、このために、地磁気の方
位を検出する地磁気方位センサが使用されている。
【0003】また、地磁気方位センサは、従来から用い
られてきた磁石式の方位計、すなわち磁気コンパスの代
替として、携帯型の方位計としても使用されている。
【0004】このように地磁気方位センサは様々な用途
に使用されるが、その代表的な構造としては、いわゆる
フラックスゲート型のものと、磁気抵抗効果型のものが
知られている。
【0005】フラックスゲート型地磁気方位センサは、
例えば、図23に示すように、パーマロイコア101に
電気信号出力用コイル102と励磁用コイル103を巻
回してなるものであり、地磁気を前記パーマロイコア1
01で集束し、これを電気信号出力用コイル102によ
って検出するような構造とされている。
【0006】このようなフラックスゲート型地磁気方位
センサでは、励磁用コイル103によって交流バイアス
磁界をパーマロイコア101中に発生させ、このバイア
ス磁界が反転したときに発生するパルス状の電圧を信号
として検出する。ここで、このパルス状電圧の電圧値
は、地磁気の方位によって変化するので、このパルス状
電圧を検出することにより、地磁気の方位が検出される
こととなる。
【0007】しかしながら、このフラックスゲート型地
磁気方位センサは、コイルによって地磁気を電気信号に
変換するため、感度を上げるためには、電気信号出力用
コイル102の巻き数を極めて多くしたり、地磁気の集
束効果を高めるためにパーマロイコア101の形状を大
きくする必要がある。したがって、フラックスゲート型
地磁気方位センサは、小型化や低価格化が難しかった。
【0008】一方、磁気抵抗効果型地磁気方位センサ
は、例えば、図24に示すように、4つの磁気抵抗効果
素子111が形成されたセンサチップ110を空芯コイ
ル112の中に挿入し、この空芯コイル112によって
各磁気抵抗効果素子111に対して45゜方向の交流バ
イアス磁界HB を印加してなるものである。この等価回
路を図25に示す。そして、地磁気方位センサとして使
用する場合には、図24に示した構造のものを空芯コイ
ル112の巻回方向が互いに直交するように1組使用す
る。
【0009】このような磁気抵抗効果型地磁気方位セン
サは、磁気抵抗効果素子を使用しているため、小型化し
てもフラックスゲート型地磁気方位センサに比べて高い
感度が得られるが、0.3ガウス程度の微弱な磁気であ
る地磁気の方位を検出するには不十分であった。
【0010】また、このような磁気抵抗効果型地磁気方
位センサでは、センサチップ110上の磁気抵抗効果素
子111に対して45゜方向のバイアス磁界HB を加え
ているため、また、感度向上のために磁気抵抗効果曲線
を無理に急峻なものとしているために、磁気抵抗効果素
子111の磁気抵抗効果特性にヒステリシスが生じてし
まう。そのため、このような磁気抵抗効果型地磁気方位
センサでは、磁気抵抗効果特性のヒステリシスを解消す
るために複雑な信号処理用回路を設ける必要があった
り、±10゜程度の方位精度しか得られない等の問題が
あった。
【0011】以上のように、従来の地磁気方位センサ
は、感度の点で不満を残しており、また、小型化や低価
格化を進めることも難しかった。
【0012】そこで、近年、所定のギャップをもって配
された複数の強磁性体コアと、上記ギャップ内における
磁界方向に対して略直交するようにギャップ内に配され
た複数の磁気抵抗効果素子とを備えたタイプの地磁気方
位センサが提案されている。この地磁気方位センサで
は、地磁気を強磁性体コアで集束して大きな磁束密度に
変換した上で磁気抵抗効果素子によって検出するため、
上述のフラックスゲート型地磁気方位センサや磁気抵抗
効果型地磁気方位センサに比べて高い感度を得ることが
できる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
地磁気方位センサに用いられる磁気抵抗効果素子の磁気
抵抗効果特性は、地磁気方位センサの出力や精度を向上
させる上で、非常に重要な要件である。そして、一般に
磁気抵抗効果素子は、磁場中成膜を行うことにより、そ
の磁気抵抗効果特性を向上することができる。すなわ
ち、一般の磁気抵抗効果素子では、成膜時にDC磁界を
印加しておき、これにより、異方性を付けて磁気抵抗効
果特性の改善を図っている。
【0014】しかし、地磁気方位センサでは、地磁気の
方位を検出するために、複数の磁気抵抗効果素子を向き
が異なるようにして配置する必要があるので、上述のよ
うな磁場中成膜によって磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効
果特性を向上させることができない。
【0015】そこで、地磁気方位センサでは、磁気抵抗
効果素子のパターン形状を改良することにより、磁気抵
抗効果特性を改善している。すなわち、地磁気方位セン
サでは、磁気抵抗効果素子の線幅に対する長さの比、す
なわちアスペクト比を大きくして、形状異方性を付ける
ことにより、磁気抵抗効果特性を向上させている。ここ
で、アスペクト比が小さく、磁気抵抗効果素子の形状異
方性が不十分であると、磁気抵抗効果特性が悪くなって
しまったり、また、各磁気抵抗効果素子の特性にばらつ
きが生じてしまったりするため、高方位精度を得ること
が困難になってしまう。
【0016】ところで、磁気抵抗効果素子のアスペクト
比を大きくするには、地磁気方位センサが大型のときに
は磁気抵抗効果素子の長さを長くすればよい。しかし、
通常、地磁気方位センサには小型化が望まれるため、磁
気抵抗効果素子の線幅を細くすることにより、アスペク
ト比を大きくしている。しかし、磁気抵抗効果素子は、
線幅を細くすると、磁気抵抗効果素子に加わる磁界の変
化に対する抵抗の変化率(以下、抵抗変化微分値と称す
る。)が小さくなってしまうという現象、すなわち、い
わゆるHkが大きくなるという現象が生じる。そのた
め、磁気抵抗効果素子の線幅を細くしたときに、線幅の
太い磁気抵抗効果素子を用いたときと同レベルの出力が
得られるようにするには、バイアス磁界の強さをより大
きくする必要があった。このように、従来の地磁気方位
センサでは、小型化する際には、バイアス磁界の強さを
大きくする必要があり、また、バイアス磁界の強さを大
きくしても高い出力を得ることができなかった。
【0017】そこで本発明はこのような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、小型化を進めても、高い出
力、高い方位精度を得ることが可能な地磁気方位センサ
を提供することを目的としている。
【0018】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに完成された本発明に係る地磁気方位センサは、所定
のギャップをもって配された複数の強磁性体コアと、上
記ギャップ内における磁界方向に対して略直交するよう
に配された磁気抵抗効果素子とを備えた地磁気方位セン
サであって、上記磁気抵抗効果素子の長手方向の長さ
を、上記ギャップの長手方向の長さよりも長くしたこと
を特徴とするものである。
【0019】この地磁気方位センサでは、磁気抵抗効果
素子の長手方向の長さを、ギャップの長手方向の長さよ
りも長くしているので、磁気抵抗効果素子の線幅を細く
することなく、磁気抵抗効果素子のアスペクト比を大き
くすることができる。
【0020】上記地磁気方位センサにおいては、少なく
とも1つの強磁性体コアに励磁用コイルを設け、この励
磁用コイルに電流を供給して、磁気抵抗効果素子にバイ
アス磁界を印加することが好ましい。このようにバイア
ス磁界を印加することにより、磁気抵抗効果素子を、感
度が高く且つ直線性(リニアリティ)の良いところで使
用することができる。なお、磁気抵抗効果素子に印加す
るバイアス磁界は交流であっても直流であってもよく、
したがって、励磁用コイルに供給する電流は交流であっ
ても直流であってもよい。
【0021】ここで、上記磁気抵抗効果素子に高周波の
交流バイアス磁界を印加したときには、低周波の方位信
号を、高周波の交流信号に重畳した電気信号として取り
出すことができるため、磁気抵抗効果素子の特性等に起
因して発生するオフセットや温度ドリフト等のノイズ成
分を、ハイパスフィルタ(HPF)等を用いた回路処理
によって取り除くことができ、方位情報を高精度に得る
ことができる。
【0022】なお、上記地磁気方位センサにおいて、磁
気抵抗効果素子は、互いに直交するX軸方向とY軸方向
での出力を得るために、少なくとも、互いに直交するよ
うに2つ設けられる。好ましくは、等角度間隔、すなわ
ち90゜間隔で4つの磁気抵抗効果素子を配置する。
【0023】一方、強磁性体コアは、例えば、磁気抵抗
効果素子の配置に応じて等角度間隔(例えば90゜間
隔)に、各強磁性体コア間にギャップを有し、且つ強磁
性体コア全体で閉磁路を構成するように、周方向に配列
する。このとき、強磁性体コアの配列状態は、90゜回
転させても対称となる構造とすることが好ましく、具体
的には例えば、正方形状、或は円環状に配列する。ここ
で、強磁性体コアは、パーマロイ、珪素鋼板、又は各種
ソフトフェライト等のような高透磁率且つ高飽和磁束密
度を有する軟磁性材(いわゆるソフト材)からなること
が好ましく、バイアス磁界の印加と地磁気の集束に利用
される。
【0024】ところで、磁気抵抗効果素子は、その使用
環境の温度変化によって出力値に変動が生じる場合があ
る。そこで、上記地磁気方位センサは、磁気抵抗効果素
子の温度変化による出力変動を抑止するための温度特性
補正用磁気抵抗効果素子を備えていることが好ましい。
ここで、温度特性補正用磁気抵抗効果素子は、励磁用コ
イルによって生じるバイアス磁界による影響が受けない
ように、励磁用コイルを有していない強磁性体コアの近
傍に設けた方がよい。このように温度特性補正用磁気抵
抗効果素子を設けることにより、出力の安定化が図ら
れ、高出力、高方位精度が実現される。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。
【0026】本発明を適用した地磁気方位センサの基本
構造の一例を図1に示す。この図1に示すように、本実
施の形態に係る地磁気方位センサは、フェライトやパー
マロイ等からなる4つの強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 を備えている。ここで、これらの強磁性体コ
アK1 ,K2 ,K3 ,K4 は、それぞれ互いに成す角度
が90゜となるように、且つそれぞれの間に所定幅のギ
ャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 を形成するように、略正
方形状に組み合わされて基板上に配されている。
【0027】ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 が形成さ
れたこれらの強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の上
部には、各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 の位置に対
応するように4つの磁気抵抗効果素子M1 ,M2
3 ,M4 が配置されたセンサチップ2が設置されてい
る。ここで、各磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M
4の長さは、各磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M
4 に対応した各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 の長さ
よりも長く形成される。このように、各磁気抵抗効果素
子M1 ,M2 ,M3 ,M4 の長さを、各磁気抵抗効果素
子M1 ,M2 ,M3,M4 に対応した各ギャップG1
2 ,G3 ,G4 の長さよりも長くすると、磁気抵抗効
果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 の線幅を細くすることな
く、磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 のアスペ
クト比を大きくとることが可能となる。
【0028】そして、このセンサチップ2上には、地磁
気方位センサを外部の電気回路とリフロー方式にて結合
させるためのリードフレームが設置されている。なお、
図1では、地磁気方位センサの主要部である各強磁性体
コアK1 ,K2 ,K3 ,K4及びセンサチップ2のみを
図示しており、基板やリードフレーム等については省略
している。
【0029】上記強磁性体コアK1 の平面図を図2に示
すと共に、その側面図を図3に示す。この強磁性体コア
1 は、パーマロイ等の軟磁気特性を有する強磁性体か
らなり、図2及び図3に示すように、翼様の左右対称形
状を成している。この強磁性体コアK1 の右翼部a及び
左翼部bには、この強磁性体コアK1 を基板上に設置す
る際の位置決めに使用される基準孔e,fがそれぞれ設
けられている。そして、これら右翼部aと左翼部bの中
央部cは、略コ字形状に屈曲されており、この屈曲した
部分がコイルを巻回するための巻線部dとなっている。
【0030】そして、他の強磁性体コアK2 ,K3 ,K
4 も、図2及び図3に示した強磁性体コアK1 と同一の
材質及び形状とされている。ただし、強磁性体コア
1 ,K2 ,K3 ,K4 のうち、互いに対抗するように
配される一対の強磁性体コアK1,K2 には、巻線部d
に励磁用コイルC1 ,C2 が巻回されている。
【0031】ここで、巻線部dは上記の如く屈曲構造と
なっているので、励磁用コイルC1,C2 が巻回されて
も、励磁用コイルC1 ,C2 が強磁性体コアK1 ,K2
の上面から盛り上がるようなことはない。したがって、
上述のように強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 上に
センサチップを配置したとき、センサチップ2は、強磁
性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 に密着するように配置
される。そして、このようにセンサチップ2を強磁性体
コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 に密着するように配置する
ことにより、励磁用コイルC1 ,C2 からのバイアス磁
界が各磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 に効率
よく印加されるので、各磁気抵抗効果素子M1 ,M2
3 ,M4 を効率よく励磁することが可能となる。
【0032】また、励磁用コイルC1 ,C2 が強磁性体
コアK1 ,K2 の上面から盛り上がるようなことがな
く、センサチップ2が強磁性体コアK1 ,K2 ,K3
4 に密着するように配置されるので、この地磁気方位
センサでは、4つの強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K
4 を、正確に位置決めして配置することができる。した
がって、この地磁気方位センサでは、各強磁性体コアK
1 ,K2 ,K3 ,K4 の間に形成される各ギャップ
1 ,G2 ,G3 ,G4 の位置を正確に定めることが可
能であり、これらのギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4
中心位置のばらつきを抑制することができる。
【0033】以上のような強磁性体コアK1 ,K2 ,K
3 ,K4 が配される基板の平面図を図4に示すと共に、
その側面図を図5に示す。これら図4及び図5に示すよ
うに、基板1は、中央に形成された十字形状の溝部12
と、十字形状の溝部12の周囲に形成された8本の位置
決めピン11a,11b,11c,11d,11e,1
1f,11g,11h、4つの位置決め枠13a,13
b,13c,13d、4本の端子ピン14a,14b,
14c,14d、8本の線材規制ピン15a,15b,
15c,15d,15e,15f,15g,15h、及
び8本のリードフレーム規制ピン16a,16b,16
c,16d,16e,16f,16g,16hとを備え
ている。
【0034】ここで、十字形状の溝部12は、各強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 を設置する際に強磁性体
コアK1 ,K2 に設けられた励磁用コイルC1 ,C2
収容するためのものである。
【0035】また、上記位置決めピン11a〜11h
は、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3,K4 の位置を定
めるためのものである。すなわち、位置決めピン11a
〜11hは、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4
配置する際に、各ギャップG1,G2 ,G3 ,G4 の間
隙が同一となるようにすると共に、各ギャップG1 ,G
2 ,G3 ,G4 の中心位置を正確に定めるためのもので
ある。
【0036】また、上記位置決め枠13a〜13dは、
センサチップ2のセンサーセンシングパターンのセンタ
ーと、各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 のセンターと
の位置を規制するためのものであり、上記端子ピン14
a〜14dは、励磁用コイルC1 ,C2 の巻線端末を絡
げるためのものであり、上記線材規制ピン15a〜15
hは、巻線端末を絡げる際に線材が各強磁性体コア
1 ,K2 ,K3 ,K4 の上を跨らないようにするため
のものである。ただし、本実施の形態に係る地磁気方位
センサにおいて、これらの線材規制ピンのうち、実際に
線材の規制に使用するのは線材規制ピン15a,15b
及び線材規制ピン15e,15fだけであり、他の4本
の線材規制ピン15c,15d及び線材規制ピン15
g,15hは使用しない。
【0037】そして、上記リードフレーム規制ピン16
a〜16hは、センサチップ2上にリードフレームを設
置する際に位置決めを行うためのものである。ここで、
これらのリードフレーム規制ピン16a〜16hは、そ
れぞれ位置決めピン11a〜11h上に一体成形されて
いる。
【0038】このような基板1上に強磁性体コアK1
2 ,K3 ,K4 を介して配置されるセンサチップ2に
は、図6に示すように、基板1に対向する側の面に形成
された4つの磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4
と、同様に基板1に対向する側の面に形成された4つの
温度特性補正用磁気抵抗効果素子M5 ,M6 ,M7 ,M
8 とが設けられている。
【0039】ここで、各磁気抵抗効果素子M1 ,M2
3 ,M4 は、センサチップ2の下部に配される強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 によって形成される各ギ
ャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 にそれぞれ対応するよう
に設けられている。すなわち、センサチップ2を強磁性
体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 上に配することにより、
各ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4 の位置に各磁気抵抗
効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 がそれぞれ配される。
ここで、センサチップ2には、これらの磁気抵抗効果素
子M1 ,M2 ,M3 ,M4 と外部電極とを接続するため
の電極部が表裏8箇所に設けられている。
【0040】一方、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M
5 ,M6 ,M7 ,M8 は、2つの温度特性補正用磁気抵
抗効果素子M5 ,M6 が互いに平行に強磁性体コアK3
の中央部に対応する位置に配されており、他の2つの温
度特性補正用磁気抵抗効果素子M7 ,M8 が互いに平行
に強磁性体コアK4 の中央部に対応する位置に配されて
いる。ここで、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M5
6 ,M7 ,M8 は、励磁用コイルが巻回されていない
方の強磁性体コアK3 ,K4 の中央部に対応する位置に
配されるので、これらの温度特性補正用磁気抵抗効果素
子M5 ,M6 ,M7 ,M8 は励磁用コイルによって生じ
るバイアス磁界による影響が受けることがない。
【0041】このようなセンサチップ2上に配されるリ
ードフレーム3について、平面図を図7に示すと共に、
図7中の一点鎖線A−A’における断面図を図8に示
す。このリードフレーム3は、地磁気方位センサを外部
の電気回路とリフロー方式にて結合させるためのもので
あり、図7及び図8に示すように、基板1上に設けられ
たリードフレーム規制ピン16a〜16hとそれぞれ嵌
合して固定するための8つの係合部21a,21b,2
1c,21d,21e,21f,21g,21hを有し
ている。なお、このリードフレーム3は、地磁気方位セ
ンサの電気回路への組み込みを面実装方式によって行う
場合には不要である。
【0042】ところで、上記センサチップ2に設けられ
た磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 は、X軸方
向検出用の2つの磁気抵抗効果素子M1 ,M3 と、これ
と直交するY軸方向検出用の2つの磁気抵抗効果素子M
2 ,M4 とに分類される。そして、各磁気抵抗効果素子
1 ,M2 ,M3 ,M4 には、センサチップ2に設けられ
た温度特性補正用磁気抵抗効果素子M5 ,M6 ,M7
8 がそれぞれ直列に接続されている。
【0043】ここで、温度特性補正用磁気抵抗効果素子
5 ,M6 ,M7 ,M8 は、磁気抵抗効果素子M1 ,M
2 ,M3 ,M4 の中点電位等の温度特性を補正するため
のものである。そして、上述したように、温度特性補正
用磁気抵抗効果素子M5 ,M6 が強磁性体コアK3 の中
央部に対応する位置に配され、温度特性補正用磁気抵抗
効果素子M7 ,M8 が強磁性体コアK4 の中央部に対応
する位置に配されており、これらの温度特性補正用磁気
抵抗効果素子M5 ,M6 ,M7 ,M8 が、強磁性体コア
1 ,K2 に設けられた励磁用コイルC1 ,C2 から発
生するバイアス磁界の影響を受けないようにされてい
る。
【0044】以上のような地磁気方位センサを作製する
際は、先ず、整列巻が可能な巻線機を用いて強磁性体コ
アK1 ,K2 に50ターン程度の巻線を施す。なお、地
磁気方位センサとして、繰り返し方位精度のみが重要で
あるときには、1つの強磁性体コアのみに100ターン
程度の巻線を施すようにしてもよい。
【0045】次に、4つの強磁性体コアK1 ,K2 ,K
3 ,K4 を、各強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4
基準孔e,fが基板1の位置決めピン11a〜11hに
それぞれ対応するように、基板1上に配する。そして、
加圧治具を用いて、これらの強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 に圧力を加え、位置決めピン11a〜11h
を強磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 の基準孔e,f
に圧入する。これにより、図9、及び図9中の一点鎖線
B−B’における断面図である図10に示すように、強
磁性体コアK1 ,K2 ,K3 ,K4 が基板1上に固定さ
れる。
【0046】次に、強磁性体コアK1 ,K2 に設けられ
た励磁用コイルC1 ,C2 の巻線端末の線材をそれぞれ
線材規制ピン15a,15b及び線材規制ピン15e,
15fを介して端子ピン14a〜14dに絡げ、半田付
けにより固定する。
【0047】次に、図11、及び図11中の一点鎖線C
−C’における断面図である図12に示すように、セン
サチップ2を基板1上の位置決め枠13a〜13dに対
応するように配した上で加圧挿入する。これにより、強
磁性体コアK1 ,K2 ,K3,K4 を挟んで、基板1上
にセンサチップ2が固定される。
【0048】次に、図13、及び図13中の一点鎖線D
−D’における断面図である図14に示すように、リー
ドフレーム3を基板1のリードフレーム規制ピン16a
〜16hに嵌合し圧入することにより、リードフレーム
3をセンサチップ2上に固定する。
【0049】最後に、センサチップ2の電極部とリード
フレーム3とを半田付けにより固定すると共に、センサ
チップ2及び基板1に接着剤を塗布して硬化させ確実に
固定して、地磁気方位センサが完成する。
【0050】上述のような構成を有する地磁気方位セン
サの等価回路を図15に示す。すなわち、この地磁気方
位センサにおいて、X軸方向検出用の2つの磁気抵抗効
果素子M1 ,M3 は、温度特性補正用磁気抵抗効果素子
5 ,M7 と共にブリッジを構成している。そして、こ
のブリッジからの出力は、差動アンプA1 に入力され、
この差動アンプA1 によって差動が取られて、X軸方向
の地磁気の強さを示す信号であるX出力が出力される。
同様に、Y軸方向検出用の2つの磁気抵抗効果素子
2 ,M4 は、温度特性補正用磁気抵抗効果素子M6
8 と共にブリッジを構成している。そして、このブリ
ッジからの出力は、差動アンプA2 に入力され、この差
動アンプA2 によって差動が取られて、Y軸方向の地磁
気の強さを示す信号であるY出力が出力される。
【0051】ここで、地磁気検出用の磁気抵抗効果素子
1 ,M2 ,M3 ,M4 には、定電位電源VCCが接続さ
れており、センス電流IB が供給される。また、強磁性
体コアK1 ,K2 に巻回された励磁用コイルC1 ,C2
により、X軸方向検出用の磁気抵抗効果素子M1 と磁気
抵抗効果素子M3 には180゜方位の異なるバイアス磁
界(HB及び−HB)が印加され、同様にY軸方向検出用
の磁気抵抗効果素子M2 と磁気抵抗効果素子M4 にも1
80゜方位の異なるバイアス磁界(HB及び−HB)が印
加される。
【0052】ところで、以上のような地磁気方位センサ
に使用される磁気抵抗効果素子は、次のような特徴を持
っている。
【0053】(1)磁界の強度により抵抗値が変化す
る。
【0054】(2)弱い磁界を感知する能力に優れてい
る。
【0055】(3)抵抗値変化を電気信号として取り出
すことができる。
【0056】そして、この地磁気方位センサでは、この
ような磁気抵抗効果素子の特徴を利用して地磁気による
磁気信号を電気信号に変換する。そこで、以下、このよ
うな磁気抵抗効果素子による磁気信号の電気信号への変
換について説明する。
【0057】図16は、磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効
果特性曲線の一例を示すものである。この図16におい
て、横軸は磁気抵抗効果素子に垂直に加わる磁界の強さ
を示しており、縦軸は磁気抵抗効果素子の抵抗値の変
化、あるいは磁気抵抗効果素子に直流電流を流した場合
の出力電圧の変化を示している。この図16に示すよう
に、磁気抵抗効果素子の抵抗値は、磁界が零のときに最
大となり、大きな磁界(磁気抵抗効果素子のパターン形
状等にもよるが100〜200ガウス程度)を印加した
ときに約3%小さくなる。
【0058】ここで、磁気抵抗効果素子からの出力のS
/N(出力電圧振幅)及び歪率を向上させるためには、
図16に示すように、バイアス磁界HB が必要となる。
そして、本実施の形態に係る地磁気方位センサでは、先
にも述べたように、このようなバイアス磁界HB を、強
磁性体コアK1 ,K2 に励磁用コイルC1 ,C2 を巻回
し、この励磁用コイルC1 ,C2 にバイアス電流IB
流すことによって与えている。ここで、上述したよう
に、X軸方向検出用の一方の磁気抵抗効果素子M1 に印
加されるバイアス磁界の方向と、X軸方向検出用の他方
の磁気抵抗効果素子M3 に印加されるバイアス磁界の方
向とは、逆方向、すなわち180゜方位が異なる方向と
されている。同様に、Y軸方向検出用の一方の磁気抵抗
効果素子M2 に印加されるバイアス磁界の方向と、Y軸
方向検出用の他方の磁気抵抗効果素子M4 に印加される
バイアス磁界の方向とも、逆方向、すなわち180゜方
位が異なる方向とされている。
【0059】このとき、地磁気信号HE が入ってくる
と、例えばX軸方向検出用の磁気抵抗効果素子M1 及び
3 に加わる磁界の強さは以下のようになる。
【0060】 磁気抵抗効果素子M1 に加わる磁界の強さ= HB +HE 磁気抵抗効果素子M3 に加わる磁界の強さ=−HB +HE したがって、交流バイアス磁界を印加とすると、X軸方
向検出用の一方の磁気抵抗効果素子M1 に印加される磁
界は、図16中の線Aで示すように変化し、この磁界の
変化が、図16中の線Bで示すように電圧変化として出
力される。一方、X軸方向検出用の他方の磁気抵抗効果
素子M3 に印加される磁界は、図16中の線Cで示すよ
うに変化し、この磁界の変化が、図16中の線Dで示す
ように電圧変化として出力される。そして、この磁気抵
抗効果素子M1 からの出力、すなわち図16中の線Bで
示される電圧変化と、磁気抵抗効果素子M3 からの出
力、すなわち図16中の線Dで示される電圧変化との出
力差Lが、差動信号として取り出され、この差動信号が
X出力として出力される。また、Y軸方向検出用の磁気
抵抗効果素子M2 ,M4 からも同様にY出力が出力され
る。
【0061】ここで、X出力は、地磁気HE の方位θに
依存しており、HE sinθに比例して変化する。同様
に、Y出力も、地磁気HE の方位θに依存しており、H
E cosθに比例して変化する。したがって、横軸に方
位θをとって出力電位をプロットすると、X出力及びY
出力は図17に示すようなものとなる。
【0062】したがって、これらX出力及びY出力か
ら、地磁気の方位θを算出することができる。すなわ
ち、X出力とY出力の比X/Yは、これらの出力がHE
sinθ、HE cosθに比例することから、下記式
(1)に示すように、tanθで表わすことができる。
【0063】 X/Y=HE sinθ/HE cosθ=tanθ ・・・(1) したがって、地磁気の方位θは、下記式(2)で表され
る。
【0064】θ=tan-1(X/Y) ・・・(2) ただし、上記式(2)において、X≧0のときは、0≦
θ≦180゜であり、X<0のときは、180゜<θ<
360゜である。
【0065】こうして、本実施の形態に係る地磁気方位
センサでは、地磁気HE による磁気信号が電気信号に変
換され、地磁気HE の方位θが検出される。
【0066】つぎに、本実施の形態に係る地磁気方位セ
ンサに使用される強磁性体コアK1,K2 ,K3 ,K4
による地磁気集束原理について説明する。
【0067】図18に、フェライトやパーマロイ等から
なる強磁性体コアKが地磁気にどのような影響を与える
のかを模式的に図示した。この図18に示すように、強
磁性体は空気中に比べて磁気抵抗が小さいため、地磁気
は強磁性体コアKに吸い寄せられるように曲げられ、強
磁性体コアK中を通って再び外へ出る。したがって、上
記強磁性体コアKは、地磁気による磁束を集束し、大き
な磁束密度に変換する。すなわち、本実施の形態に係る
地磁気方位センサでは、強磁性体コアK1 ,K2
3 ,K4 が地磁気によって磁化されて集束ホーンとし
て機能し、その結果、ギャップG1 ,G2 ,G3 ,G4
に大きな磁界が発生する。
【0068】ここで、本実施の形態に係る地磁気方セン
サでは、強磁性体コアK1 ,K2 に励磁用コイルC1
2 を巻回し、この励磁用コイルC1 ,C2 に電流を流
すことによって磁気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M
4 にバイアス磁界を印加しているが、この強磁性体コア
1 ,K2 は、上述のように地磁気の集束ホーンとして
も機能する。したがって、本実施の形態に係る地磁気方
センサでは、空心コイルやマグネットを使用してバイア
ス磁界を印加するタイプの地磁気方位センサに比べて、
より大きな出力が得られ、感度を向上することができ
る。
【0069】図19は、円形の強磁性体コアを用いた場
合に地磁気がどのように各磁気抵抗効果素子M1
2 ,M3 ,M4 に伝わるかを示したものであり、各磁
気抵抗効果素子M1 ,M2 ,M3 ,M4 に磁気信号とし
て印加される地磁気の総量は、各磁気抵抗効果素子
1 ,M2 ,M3 ,M4 から強磁性体コアKの中心を通
る地磁気HEOに垂直に引いた線の長さに相当する。すな
わち、X軸方向検出用の磁気抵抗効果素子M1,M3に印
加される地磁気の総量は、rsinθとなり、Y軸方向
検出用の磁気抵抗効果素子M2,M4に印加される地磁気
の総量は、rcosθとなる。したがって、これら地磁
気の総量に基づいて出力される地磁気方位センサからの
X出力及びY出力により、先の計算式に従って地磁気H
E の方位θが算出される。
【0070】なお、図20に示すように強磁性体コアが
正方形の場合にも同様であり、強磁性体コアの中心点を
回転中心として90゜回転させたときに対称となる形状
であれば、いずれの場合にも同様の出力を得ることがで
きる。
【0071】ところで、従来の地磁気方位センサでは、
小型化する際に、磁気抵抗効果素子のアスペクト比を維
持するために、磁気抵抗効果素子の線幅を細くしてい
た。しかし、磁気抵抗効果素子の線幅を細くすると、磁
気抵抗効果素子のHkが増大し、抵抗変化微分値が小さ
くなってしまっていた。そのため、従来の地磁気方位セ
ンサでは、小型化すると、磁気抵抗効果素子からの出力
が低下してしまい、これを補うためにはバイアス磁界を
増加させる必要あった。
【0072】これに対して、上述したように、本実施の
形態に係る地磁気方位センサでは、磁気抵抗効果素子の
長さを、磁気抵抗効果素子に対応したギャップの長さよ
りも長くしているので、地磁気方位センサを小型化して
ギャップの長さが短くなっても、磁気抵抗効果素子の線
幅を細くすることなく、磁気抵抗効果素子のアスペクト
比を大きくとることが可能となる。したがって、本実施
の形態に係る地磁気方位センサでは、小型化を図って
も、バイアス磁界を増加させることなく、高い出力が得
られる。
【0073】ここで、アスペクト比が75で線幅が10
μmの磁気抵抗効果素子の磁気抵抗効果特性曲線、及び
アスペクト比が75で線幅が20μmの磁気抵抗効果素
子の磁気抵抗効果特性曲線の一例を図21に示す。この
図21において、横軸は、励磁用コイルに供給されるバ
イアス電流の値であり、磁気抵抗効果素子に印加される
磁界の大きさを表しており、縦軸は、磁気抵抗効果素子
の抵抗変化率である。また、アスペクト比が75で線幅
が10μmの磁気抵抗効果素子の抵抗変化微分値特性曲
線、及びアスペクト比が75で線幅が20μmの磁気抵
抗効果素子の抵抗変化微分値特性曲線の一例を図22に
示す。この図22において、横軸は、励磁用コイルに供
給されるバイアス電流の値であり、磁気抵抗効果素子に
印加される磁界の大きさを表しており、縦軸は、磁気抵
抗効果素子の抵抗変化微分値である。
【0074】図21及び図22から明らかなように、ア
スペクト比が同じでも線幅が細くなると、磁気抵抗効果
素子としての性能が低下することが分かる。したがっ
て、磁気抵抗効果素子の線幅を細くすることなく、磁気
抵抗効果素子のアスペクト比を大きくとることが可能な
本実施の形態に係る地磁気方位センサでは、小型化を図
っても、磁気抵抗効果素子の性能を高く維持することが
可能であり、高い出力が得られる。
【0075】なお、本実施の形態に係る地磁気方位セン
サで使用される温度特性補正用磁気抵抗効果素子は、地
磁気を検出する素子としては機能しないので、線幅を細
くすることによってアスペクト比を大きくしても、地磁
気方位センサとしての性能を低下させるようなことはな
い。
【0076】以上、本発明を適用した実施の形態につい
て説明してきたが、当然の事ながら、本発明は本実施の
形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱し
ない範囲で形状、材質、寸法等を任意に変更することが
可能である。
【0077】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係る地磁気方位センサでは、更なる小型化を進めて
も、磁気抵抗効果素子の線幅を細くすることなく、アス
ペクト比を大きくすることが可能であり、高い感度及び
高い方位精度を得ることができる。したがって、本発明
によれば、小型化や低価格化が容易で、且つ実用的な高
い感度及び高い方位精度を有する地磁気方位センサを提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した地磁気方位センサの一例につ
いて、その主要部を模式的に示す平面図である。
【図2】上記地磁気方位センサの強磁性体コアを模式的
に示す平面図である。
【図3】上記地磁気方位センサの強磁性体コアを模式的
に示す側面図である。
【図4】上記地磁気方位センサの基板を模式的に示す平
面図である。
【図5】上記地磁気方位センサの基板を模式的に示す側
面図である。
【図6】上記地磁気方位センサのセンサチップを模式的
に示す平面図である。
【図7】上記地磁気方位センサのリードフレームを模式
的に示す平面図である。
【図8】図7中の一点鎖線A−A’における断面図であ
る。
【図9】基板上に強磁性体コアが固定された状態を模式
的に示す平面図である。
【図10】図9中の一点鎖線B−B’における断面図で
ある。
【図11】強磁性体コアが固定された基板上にセンサチ
ップが固定された状態を模式的に示す平面図である。
【図12】図11中の一点鎖線C−C’における断面図
である。
【図13】強磁性体コア及びセンサチップが固定された
基板上にリードフレームが固定された状態を模式的に示
す平面図である。
【図14】図13中の一点鎖線D−D’における断面図
である。
【図15】図1に示した地磁気方位センサの等価回路図
である。
【図16】磁気抵抗効果素子からの出力を説明するため
の図である。
【図17】出力電圧と方位との関係を示す特性図であ
る。
【図18】強磁性体コアによる地磁気の集束を示す模式
図である。
【図19】円形コアを用いた場合に、各磁気抵抗効果素
子に印加される地磁気の総量を示す模式図である。
【図20】正方形コアを用いた場合に、各磁気抵抗効果
素子に印加される地磁気の総量を示す模式図である。
【図21】磁気抵抗効果特性曲線に対する磁気抵抗効果
素子の線幅の影響を示す特性図である。
【図22】抵抗変化微分値特性曲線に対する磁気抵抗効
果素子の線幅の影響を示す特性図である。
【図23】従来のフラックスゲート型地磁気方位センサ
を模式的に示す平面図である。
【図24】従来の磁気抵抗効果型地磁気方位センサを模
式的に示す平面図である。
【図25】図24に示した磁気抵抗効果型地磁気方位セ
ンサの等価回路図である。
【符号の説明】
1 ,M2 ,M3 ,M4 磁気抵抗効果素子 M5 ,M6 ,M7 ,M8 温度特性補正用の磁気抵抗効
果素子 K1 ,K2 ,K3 ,K4 強磁性体コア G1 ,G2 ,G3 ,G4 ギャップ C1 ,C2 励磁用コイル 1 基板 2 センサチップ 3 リードフレーム

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定のギャップをもって配された複数の
    強磁性体コアと、上記ギャップ内における磁界方向に対
    して略直交するように配された磁気抵抗効果素子とを備
    えた地磁気方位センサにおいて、 上記磁気抵抗効果素子の長手方向の長さを、上記ギャッ
    プの長手方向の長さよりも長くしたことを特徴とする地
    磁気方位センサ。
  2. 【請求項2】 略直交する少なくとも一対の磁気抵抗効
    果素子を有することを特徴とする請求項1記載の地磁気
    方位センサ。
  3. 【請求項3】 前記強磁性体コアが軟磁気特性を有する
    強磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の地磁
    気方位センサ。
  4. 【請求項4】 少なくとも1つの強磁性体コアに励磁用
    コイルが設けられており、この励磁用コイルに電流を供
    給することにより、前記ギャップ内に配された磁気抵抗
    効果素子にバイアス磁界を印加することを特徴とする請
    求項1記載の地磁気方位センサ。
  5. 【請求項5】 前記磁気抵抗効果素子の温度変化による
    出力変動を抑止するための温度特性補正用磁気抵抗効果
    素子を備えていることを特徴とする請求項1記載の地磁
    気方位センサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012096132A1 (ja) 2011-01-13 2012-07-19 アルプス電気株式会社 磁気センサ

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