JP2923959B2 - 磁気方位検出装置 - Google Patents
磁気方位検出装置Info
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Description
本発明は、地磁気を検知し、方位の測定等を行うため
に使用される磁気方位検出装置に関する。
に使用される磁気方位検出装置に関する。
【従来技術】 従来、地磁気を検知し、磁気方位を測定するものとし
て、フラックスゲートと言われる磁気変調形センサが知
られている。このフラックスゲートは、リング状の鉄心
に一次コイルを環状に巻き、更に、上記鉄心の直径線上
に互いに直角に十文字状に交差するように二次コイルを
巻いて構成される。
て、フラックスゲートと言われる磁気変調形センサが知
られている。このフラックスゲートは、リング状の鉄心
に一次コイルを環状に巻き、更に、上記鉄心の直径線上
に互いに直角に十文字状に交差するように二次コイルを
巻いて構成される。
上記フラックスゲートを利用した磁気方位検出装置
は、そのフラックスゲートの二次コイルを正確に直交す
るように配置する必要があり、その組立構成は複雑であ
り比較的大型なものとなる。更に、この磁気方位検出装
置を駆動制御する回路部には、高精度の発振回路が要求
されるための大型化すると共に複雑高価なものとなる。 本発明は、上記の課題を解決するために成されたもの
であり、その目的とするところは、センサ部において
は、ICの製造工程と同様に形成し、従来の組立を無くす
と共に小型化し、更に回路部においては、発振回路を除
いて安価で高精度な磁気方位検出装置を提供することで
ある。
は、そのフラックスゲートの二次コイルを正確に直交す
るように配置する必要があり、その組立構成は複雑であ
り比較的大型なものとなる。更に、この磁気方位検出装
置を駆動制御する回路部には、高精度の発振回路が要求
されるための大型化すると共に複雑高価なものとなる。 本発明は、上記の課題を解決するために成されたもの
であり、その目的とするところは、センサ部において
は、ICの製造工程と同様に形成し、従来の組立を無くす
と共に小型化し、更に回路部においては、発振回路を除
いて安価で高精度な磁気方位検出装置を提供することで
ある。
上記課題を解決するための発明の構成は、絶縁基板上
に抵抗体薄膜から成る固定抵抗素子と細線状の強磁性体
薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接続して形成され
た第1のハーフブリッジ回路と、絶縁基板上で抵抗体薄
膜から成る固定抵抗素子と第1のハーフブリッジ回路の
磁気抵抗素子の長手方向と直角方向を長手方向とした細
線状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接
続して形成された第2のハーフブリッジ回路と、第1の
ハーフブリッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向及び第2
のハーフブリージ回路の磁気抵抗素子の長手方向に対し
て各々略45度方向に所定のバイアス磁界が印加されるよ
うに絶縁基板の面に平行に配設された永久磁石とを備
え、第2のハーフブリッジの出力の中性点に対する符号
と、第1のハーフブリッジの出力とにより外部磁気の方
位を検出するようにしたことを特徴とする。 又、発明の他の特徴は、磁石は磁化された薄膜磁石で
あり、絶縁基板はその薄膜磁石の上に形成された絶縁膜
であり、その絶縁膜の上に固定抵抗素子及び磁気抵抗素
子とが形成されていることを特徴とする。
に抵抗体薄膜から成る固定抵抗素子と細線状の強磁性体
薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接続して形成され
た第1のハーフブリッジ回路と、絶縁基板上で抵抗体薄
膜から成る固定抵抗素子と第1のハーフブリッジ回路の
磁気抵抗素子の長手方向と直角方向を長手方向とした細
線状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接
続して形成された第2のハーフブリッジ回路と、第1の
ハーフブリッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向及び第2
のハーフブリージ回路の磁気抵抗素子の長手方向に対し
て各々略45度方向に所定のバイアス磁界が印加されるよ
うに絶縁基板の面に平行に配設された永久磁石とを備
え、第2のハーフブリッジの出力の中性点に対する符号
と、第1のハーフブリッジの出力とにより外部磁気の方
位を検出するようにしたことを特徴とする。 又、発明の他の特徴は、磁石は磁化された薄膜磁石で
あり、絶縁基板はその薄膜磁石の上に形成された絶縁膜
であり、その絶縁膜の上に固定抵抗素子及び磁気抵抗素
子とが形成されていることを特徴とする。
絶縁基板上に抵抗体薄膜から成る固定抵抗素子と細線
状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接続
して形成された第1のハーフブリッジ回路及び第2のハ
ーフブリッジ回路は、それら磁気抵抗素子の長手方向が
直角に形成されている。そして、永久磁石はそれら磁気
抵抗素子の長手方向に対して各々略45度方向に所定のバ
イアス磁界が印加されるように配設されている。従っ
て、上記構成を有する磁気方位検出装置に外部磁界が作
用すると、第1のハーフブリッジ回路及び第2のハーフ
ブリッジ回路の出力端子から外部磁界方向に対して90度
の位相差を有した信号が得らる。よって、第1のハーフ
ブリッジの出力は0〜360度の範囲で、同一値を2つの
角度で取るが、何方の角度かは、その出力と90度の位相
差を有する第2のハーフブリッジの出力の中性点に対す
る符号により判定することができる。この結果、0〜36
0度の範囲の全方位を検出することができる。
状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを直列に接続
して形成された第1のハーフブリッジ回路及び第2のハ
ーフブリッジ回路は、それら磁気抵抗素子の長手方向が
直角に形成されている。そして、永久磁石はそれら磁気
抵抗素子の長手方向に対して各々略45度方向に所定のバ
イアス磁界が印加されるように配設されている。従っ
て、上記構成を有する磁気方位検出装置に外部磁界が作
用すると、第1のハーフブリッジ回路及び第2のハーフ
ブリッジ回路の出力端子から外部磁界方向に対して90度
の位相差を有した信号が得らる。よって、第1のハーフ
ブリッジの出力は0〜360度の範囲で、同一値を2つの
角度で取るが、何方の角度かは、その出力と90度の位相
差を有する第2のハーフブリッジの出力の中性点に対す
る符号により判定することができる。この結果、0〜36
0度の範囲の全方位を検出することができる。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。 第1図は本実施例装置の構成を示している。 先ず、絶縁基板1上に強磁性体薄膜及び抵抗体薄膜を
蒸着し、これらの強磁性体薄膜及び抵抗体薄膜をエッチ
ングして、細線状の第1の磁気抵抗素子2及び第1の固
定抵抗素子3を形成する。そして、上記第1の磁気抵抗
素子2と第1の固定抵抗素子3とが直列に電気的接続さ
れるようにAl等の導体金属を第1の磁気抵抗素子2及び
第1の固定抵抗素子3上に蒸着しエッチングして電極4,
5,6を形成する。これらの電極4,5,6をそれぞれ電源、グ
ランド、第1の出力端子として、第1の磁気抵抗素子2
と第1の固定抵抗素子3とにより第1のハーフブリッジ
回路21を形成する。 次に、上記絶縁基板1上に、上述と同様の製造方法に
て、第1の磁気抵抗素子2の長手方向と直角方向を長手
方向とした細線状の第2の磁気抵抗素子7及び第2の固
定抵抗素子8を形成する。次に、上述と同様に形成され
た電極9,10,11をそれぞれ電源、グランド、第2の出力
端子として、第2の磁気抵抗素子7と第2の固定抵抗素
子8とにより第2のハーフブリッジ回路31を形成する。 そして、第1の磁気抵抗素子2の長手方向に対して略
−45度、第2の磁気抵抗素子7の長手方向に対して略45
度の方向に所定のバイアス磁界22が印加されるように絶
縁基板1下に永久磁石12を固設する。 一般に、強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子の面に平
行な磁界を加えると、その内部抵抗は電流と磁界方向が
平行になったとき最大、電流と磁界方向が直交したとき
最小となる第4図に示したような非線形特性となる。 上記構成から成る磁気方位検出装置は、永久磁石12の
所定のバイアス磁界22により、第1のハーフブリッジ回
路21の第1の磁気抵抗素子2の短手方向には負方向のバ
イアス磁界(−Hoff)が印加され、第2のハーフブリッ
ジ回路31の第2の磁気抵抗素子7の短手方向には正方向
のバイアス磁界(Hoff)が印加される。 そして、第4図に示したように、上述のバイアス磁界
(Hoff或いは−Hoff)の強さは、磁界の変動における抵
抗値が略直線的に変化する範囲の略中心値、つまり、磁
界の強さと抵抗値とが比例関係にあるとみなすことがで
きる範囲の略中心値であるR0の値を採るように設定され
る。従って、このバイアス磁界により、第1のハーフブ
リッジ回路21の第1の磁気抵抗素子2及び第2のハーフ
ブリッジ回路31の第2の磁気抵抗素子7の内部抵抗は、
外部磁界が存在しないならばR0であり、固定抵抗素子3,
8の抵抗値も便宜上、R0と同じ値とする。 次に、その作用について説明する。 第2図は、第1のハーフブリッジ回路21を示した回路
図であり、第1の磁気抵抗素子2の抵抗値をR1、第1の
固定抵抗素子3の抵抗値をR2とする。 そして、第1図に示したように、+x方向を紙面の右
方向、+y方向を紙面の上方向、又、第1のハーフブリ
ッジ回路21の第1の磁気抵抗素子2の長手方向で+y方
向に外部磁界Hが作用した時の角度を0度として、この
外部磁界Hが時計方向に回転した時の回転角をθとす
る。その回転角θに対応した第1のハーフブリッジ回路
21の第1の出力端子6の出力電圧をV1を求める。 先ず、R1は外部磁界Hのx方向の成分Hxにより抵抗値
が変化する関係であるので、 R1=g(H)とし、比例係数をkとすると、 g(H)=g(−Hoff−Hx) ≒g(−Hoff)−k・Hx 但し、Hx≪|−Hoff| ここで、上述のように、g(−Hoff)=R0と設定され
ているので、 ∴R1=R0−k・Hx ……(1) 又、R2は、上述のように、 R2=R0 ……(2) である。 次に、電源電極4とグランド電極5との間の電源電圧
をEとすると、第1の出力端子6の出力電圧V1は、 V1={R2/(R1+R2)}E ……(3) で表される。従って、(3)式に(1)式及び(2)式
のR1,R2を代入すると、 V1={R0/(R0−k・Hx+R0)}E ={R0/(2R0−k・Hx)}E =〔1/{2−(k/R0)Hx}〕E ……(4) ここで、 t=(k/R0)Hx ……(5) とすると、(4)式は、 V1={1/(2−t)}E ……(6) ここで、 f(t)=1/(2−t) ……(7) として、(6)式に(7)式を代入すると、 V1=f(t)・E ……(8) ここで、t≪1であると、(8)式は、 V1={f(0)+(1/2!)f′(0)・t +(1/3!)f″(0)・t2+……}E ……(9) と表すことができ、(7)式を微分すると、 f′(t)=1/(2−t)2 ∴f′(0)=1/4 ……(10) となり、(9)式の右辺の第3項以下は十分小さいの
で、無視でき、(9)式に(7)式でt=0とした時の
値及び(10)式の値を代入して、 V1={(1/2)+(1/2)(1/4)t}E ={(1/2)+(1/8)t}E ……(11) 上記(11)式に(5)式を代入すると、 V1={(1/2)+(1/8)(k/R0)Hx}E ={(1/2)+(k/8R0)Hx}E ……(12) ∴Hx=(8R0/k){(V1/E)−(1/2)} ……(13) ここで、Hx=H・sinθであるので、(12)式は、 V1={(1/2)+(k/8R0)H・sinθ}E ……(14) となる。 同様に、第2のハーフブリッジ回路31の第2の出力端
子11の出力電圧V2は、外部磁界Hのy方向の成分Hyによ
り抵抗値が変化するので、 V2={(1/2)+(k/8R0)Hy}E ……(15) ∴Hy=(8R0/k){(V2/E)−(1/2)} ……(16) ここで、Hy=H・cosθであるので、(15)式は、 V2={(1/2)+(k/8R0)H・cosθ}E ……(17) となるので、第1のハーフブリッジ回路21の第1の出力
端子6の出力電圧V1及び第2のハーフブリッジ回路31の
第2の出力端子11の出力電圧V2は、第3図に示したよう
な、90度の位相差を有する信号となる。 従って、回転角θに対応した外部磁界Hのx方向の成
分Hxを示す出力電圧V1の値及び回転角θに対応した外部
磁界Hのy方向の成分Hyを示す出力電圧V2の値とからそ
の外部磁界Hの方位角θが、次式に(13)式及び(16)
式を代入して求められる。 tan-1θ=Hx/Hy 又、その外部磁界Hの大きさは、次式に(13)式及び
(16)式を代入して求められる。 又、外部磁界Hのx方向の成分Hxとy方向の成分Hyの
検出に、全ブリッジ回路を用いれば出力電圧V1,V2を(1
/2)E基準から0基準とすることができる。そして、予
め外部磁界Hの大きさが分かっており、その方位のみ検
出するのであれば、全ブリッジ回路の出力電圧V1の値と
その時の出力電圧V2の符号とから外部磁界Hの方位を求
めることができる。 従って、本発明による磁気方位検出装置はICと同様の
製造工程にて、その検出素子部が形成できるので高精度
なものを十分に小型化でき、且つ、駆動制御回路部には
発振回路を必要としないので安価となる。 更に、上述の実施例の構成を示した第1図において、
絶縁基板1下に永久磁石12を貼り付ける代わりに、他の
絶縁基板上にCoPt等をスパッタリングして、被着させ、
被膜を形成し、その被膜をエッチング、着磁してバイア
ス磁石としての永久磁石を形成する。その永久磁石上に
絶縁被膜を蒸着、エッチングして、絶縁基板1に代わる
絶縁部を形成する。以下、上述と同様にして、その絶縁
部上に磁気方位検出装置のセンサ部が形成できる。この
ような構成による磁気方位検出装置は、上述の実施例と
同様の作用、効果を有すると共に、永久磁石を貼り付け
たりする必要がないので一層小型で高精度にできる。
又、上記他の絶縁基板として半導体基板を用いることに
より、信号処理回路を一体IC化して形成することも可能
である。
蒸着し、これらの強磁性体薄膜及び抵抗体薄膜をエッチ
ングして、細線状の第1の磁気抵抗素子2及び第1の固
定抵抗素子3を形成する。そして、上記第1の磁気抵抗
素子2と第1の固定抵抗素子3とが直列に電気的接続さ
れるようにAl等の導体金属を第1の磁気抵抗素子2及び
第1の固定抵抗素子3上に蒸着しエッチングして電極4,
5,6を形成する。これらの電極4,5,6をそれぞれ電源、グ
ランド、第1の出力端子として、第1の磁気抵抗素子2
と第1の固定抵抗素子3とにより第1のハーフブリッジ
回路21を形成する。 次に、上記絶縁基板1上に、上述と同様の製造方法に
て、第1の磁気抵抗素子2の長手方向と直角方向を長手
方向とした細線状の第2の磁気抵抗素子7及び第2の固
定抵抗素子8を形成する。次に、上述と同様に形成され
た電極9,10,11をそれぞれ電源、グランド、第2の出力
端子として、第2の磁気抵抗素子7と第2の固定抵抗素
子8とにより第2のハーフブリッジ回路31を形成する。 そして、第1の磁気抵抗素子2の長手方向に対して略
−45度、第2の磁気抵抗素子7の長手方向に対して略45
度の方向に所定のバイアス磁界22が印加されるように絶
縁基板1下に永久磁石12を固設する。 一般に、強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子の面に平
行な磁界を加えると、その内部抵抗は電流と磁界方向が
平行になったとき最大、電流と磁界方向が直交したとき
最小となる第4図に示したような非線形特性となる。 上記構成から成る磁気方位検出装置は、永久磁石12の
所定のバイアス磁界22により、第1のハーフブリッジ回
路21の第1の磁気抵抗素子2の短手方向には負方向のバ
イアス磁界(−Hoff)が印加され、第2のハーフブリッ
ジ回路31の第2の磁気抵抗素子7の短手方向には正方向
のバイアス磁界(Hoff)が印加される。 そして、第4図に示したように、上述のバイアス磁界
(Hoff或いは−Hoff)の強さは、磁界の変動における抵
抗値が略直線的に変化する範囲の略中心値、つまり、磁
界の強さと抵抗値とが比例関係にあるとみなすことがで
きる範囲の略中心値であるR0の値を採るように設定され
る。従って、このバイアス磁界により、第1のハーフブ
リッジ回路21の第1の磁気抵抗素子2及び第2のハーフ
ブリッジ回路31の第2の磁気抵抗素子7の内部抵抗は、
外部磁界が存在しないならばR0であり、固定抵抗素子3,
8の抵抗値も便宜上、R0と同じ値とする。 次に、その作用について説明する。 第2図は、第1のハーフブリッジ回路21を示した回路
図であり、第1の磁気抵抗素子2の抵抗値をR1、第1の
固定抵抗素子3の抵抗値をR2とする。 そして、第1図に示したように、+x方向を紙面の右
方向、+y方向を紙面の上方向、又、第1のハーフブリ
ッジ回路21の第1の磁気抵抗素子2の長手方向で+y方
向に外部磁界Hが作用した時の角度を0度として、この
外部磁界Hが時計方向に回転した時の回転角をθとす
る。その回転角θに対応した第1のハーフブリッジ回路
21の第1の出力端子6の出力電圧をV1を求める。 先ず、R1は外部磁界Hのx方向の成分Hxにより抵抗値
が変化する関係であるので、 R1=g(H)とし、比例係数をkとすると、 g(H)=g(−Hoff−Hx) ≒g(−Hoff)−k・Hx 但し、Hx≪|−Hoff| ここで、上述のように、g(−Hoff)=R0と設定され
ているので、 ∴R1=R0−k・Hx ……(1) 又、R2は、上述のように、 R2=R0 ……(2) である。 次に、電源電極4とグランド電極5との間の電源電圧
をEとすると、第1の出力端子6の出力電圧V1は、 V1={R2/(R1+R2)}E ……(3) で表される。従って、(3)式に(1)式及び(2)式
のR1,R2を代入すると、 V1={R0/(R0−k・Hx+R0)}E ={R0/(2R0−k・Hx)}E =〔1/{2−(k/R0)Hx}〕E ……(4) ここで、 t=(k/R0)Hx ……(5) とすると、(4)式は、 V1={1/(2−t)}E ……(6) ここで、 f(t)=1/(2−t) ……(7) として、(6)式に(7)式を代入すると、 V1=f(t)・E ……(8) ここで、t≪1であると、(8)式は、 V1={f(0)+(1/2!)f′(0)・t +(1/3!)f″(0)・t2+……}E ……(9) と表すことができ、(7)式を微分すると、 f′(t)=1/(2−t)2 ∴f′(0)=1/4 ……(10) となり、(9)式の右辺の第3項以下は十分小さいの
で、無視でき、(9)式に(7)式でt=0とした時の
値及び(10)式の値を代入して、 V1={(1/2)+(1/2)(1/4)t}E ={(1/2)+(1/8)t}E ……(11) 上記(11)式に(5)式を代入すると、 V1={(1/2)+(1/8)(k/R0)Hx}E ={(1/2)+(k/8R0)Hx}E ……(12) ∴Hx=(8R0/k){(V1/E)−(1/2)} ……(13) ここで、Hx=H・sinθであるので、(12)式は、 V1={(1/2)+(k/8R0)H・sinθ}E ……(14) となる。 同様に、第2のハーフブリッジ回路31の第2の出力端
子11の出力電圧V2は、外部磁界Hのy方向の成分Hyによ
り抵抗値が変化するので、 V2={(1/2)+(k/8R0)Hy}E ……(15) ∴Hy=(8R0/k){(V2/E)−(1/2)} ……(16) ここで、Hy=H・cosθであるので、(15)式は、 V2={(1/2)+(k/8R0)H・cosθ}E ……(17) となるので、第1のハーフブリッジ回路21の第1の出力
端子6の出力電圧V1及び第2のハーフブリッジ回路31の
第2の出力端子11の出力電圧V2は、第3図に示したよう
な、90度の位相差を有する信号となる。 従って、回転角θに対応した外部磁界Hのx方向の成
分Hxを示す出力電圧V1の値及び回転角θに対応した外部
磁界Hのy方向の成分Hyを示す出力電圧V2の値とからそ
の外部磁界Hの方位角θが、次式に(13)式及び(16)
式を代入して求められる。 tan-1θ=Hx/Hy 又、その外部磁界Hの大きさは、次式に(13)式及び
(16)式を代入して求められる。 又、外部磁界Hのx方向の成分Hxとy方向の成分Hyの
検出に、全ブリッジ回路を用いれば出力電圧V1,V2を(1
/2)E基準から0基準とすることができる。そして、予
め外部磁界Hの大きさが分かっており、その方位のみ検
出するのであれば、全ブリッジ回路の出力電圧V1の値と
その時の出力電圧V2の符号とから外部磁界Hの方位を求
めることができる。 従って、本発明による磁気方位検出装置はICと同様の
製造工程にて、その検出素子部が形成できるので高精度
なものを十分に小型化でき、且つ、駆動制御回路部には
発振回路を必要としないので安価となる。 更に、上述の実施例の構成を示した第1図において、
絶縁基板1下に永久磁石12を貼り付ける代わりに、他の
絶縁基板上にCoPt等をスパッタリングして、被着させ、
被膜を形成し、その被膜をエッチング、着磁してバイア
ス磁石としての永久磁石を形成する。その永久磁石上に
絶縁被膜を蒸着、エッチングして、絶縁基板1に代わる
絶縁部を形成する。以下、上述と同様にして、その絶縁
部上に磁気方位検出装置のセンサ部が形成できる。この
ような構成による磁気方位検出装置は、上述の実施例と
同様の作用、効果を有すると共に、永久磁石を貼り付け
たりする必要がないので一層小型で高精度にできる。
又、上記他の絶縁基板として半導体基板を用いることに
より、信号処理回路を一体IC化して形成することも可能
である。
本発明は、絶縁基板上に抵抗体薄膜から成る固定抵抗
素子と細線状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを
直列に接続して形成され、互いに磁気抵抗素子の長手方
向が直交するように配設された第1のハーフブリッジ回
路及び第2のハーフブリッジ回路と、第1のハーフブリ
ッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向及び第2のハーフブ
リッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向に対して各々略45
度方向に所定のバイアス磁界が印加されるように絶縁基
板の面に平行に配設された永久磁石とを備えており、第
2のハーフブリッジの出力の中性点に対する符号と、第
1のハーフブリッジの出力とにより外部磁気の方向を検
出するようにしたことをことを特徴とする。よって、簡
単な構造で且つ直流バイアス電圧を用いるだけで、0〜
360度の全範囲の方位を検出することができる。又、本
発明の磁気方位検出装置は、磁石、固定抵抗素子、磁気
抵抗素子が絶縁基板に形成されていることから、平板チ
ップとすることができ、構造をコンパクトにすることが
できる。特に、磁石も薄膜磁石として基板の面に平行に
配設した場合には、よりコンパクトな素子チップとする
ことができる。さらに、センサ部においては、ICの製造
工程と同様に形成されるために、組立の必要が無く高精
度に小型化できる。更に、ハーフブリッジ回路を用いて
いるために、発振回路が必要ないので安価となる。
素子と細線状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを
直列に接続して形成され、互いに磁気抵抗素子の長手方
向が直交するように配設された第1のハーフブリッジ回
路及び第2のハーフブリッジ回路と、第1のハーフブリ
ッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向及び第2のハーフブ
リッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向に対して各々略45
度方向に所定のバイアス磁界が印加されるように絶縁基
板の面に平行に配設された永久磁石とを備えており、第
2のハーフブリッジの出力の中性点に対する符号と、第
1のハーフブリッジの出力とにより外部磁気の方向を検
出するようにしたことをことを特徴とする。よって、簡
単な構造で且つ直流バイアス電圧を用いるだけで、0〜
360度の全範囲の方位を検出することができる。又、本
発明の磁気方位検出装置は、磁石、固定抵抗素子、磁気
抵抗素子が絶縁基板に形成されていることから、平板チ
ップとすることができ、構造をコンパクトにすることが
できる。特に、磁石も薄膜磁石として基板の面に平行に
配設した場合には、よりコンパクトな素子チップとする
ことができる。さらに、センサ部においては、ICの製造
工程と同様に形成されるために、組立の必要が無く高精
度に小型化できる。更に、ハーフブリッジ回路を用いて
いるために、発振回路が必要ないので安価となる。
第1図は本発明の具体的な一実施例に係る磁気方位検出
装置のセンサ部の構成と外部磁界の方向を示した説明
図。第2図は第1図における第1のハーフブリッジ回路
21を示した回路図。第3図は同実施例装置のセンサ部に
おける2つの出力信号を示した説明図。第4図は強磁性
体薄膜から成る磁気抵抗素子に磁界を加えた時の内部抵
抗の変化を表す説明図である。 1……絶縁基板、2,7……磁気抵抗素子 3,8……固定抵抗素子、6……第1の出力端子 11……第2の出力端子、12……永久磁石 21……第1のハーフブリッジ回路 31……第2のハーフブリッジ回路
装置のセンサ部の構成と外部磁界の方向を示した説明
図。第2図は第1図における第1のハーフブリッジ回路
21を示した回路図。第3図は同実施例装置のセンサ部に
おける2つの出力信号を示した説明図。第4図は強磁性
体薄膜から成る磁気抵抗素子に磁界を加えた時の内部抵
抗の変化を表す説明図である。 1……絶縁基板、2,7……磁気抵抗素子 3,8……固定抵抗素子、6……第1の出力端子 11……第2の出力端子、12……永久磁石 21……第1のハーフブリッジ回路 31……第2のハーフブリッジ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01R 33/02 G01R 33/06
Claims (2)
- 【請求項1】絶縁基板上に抵抗体薄膜から成る固定抵抗
素子と細線状の強磁性体薄膜から成る磁気抵抗素子とを
直列に接続して形成された第1のハーフブリッジ回路
と、 前記絶縁基板上で抵抗体薄膜から成る固定抵抗素子と前
記第1のハーフブリッジ回路の磁気抵抗素子の長手方向
と直角方向を長手方向とした細線状の強磁性体薄膜から
成る磁気抵抗素子とを直列に接続して形成された第2の
ハーフブリッジ回路と、 前記第1のハーフブリッジ回路の磁気抵抗素子の長手方
向及び前記第2のハーフブリッジ回路の磁気抵抗素子の
長手方向に対して各々略45度方向に所定のバイアス磁界
が印加されるように前記絶縁基板の面に平行に配設され
た永久磁石と を備え、 前記第2のハーフブリッジの出力の中性点に対する符号
と、前記第1のハーフブリッジの出力とにより外部磁気
の方位を検出するようにしたことをことを特徴とする磁
気方位検出装置。 - 【請求項2】前記磁石は磁化された薄膜磁石であり、前
記絶縁基板はその薄膜磁石の上に形成された絶縁膜であ
り、その絶縁膜の上に前記固定抵抗素子及び前記磁気抵
抗素子とが形成されていることを特徴とする請求項1に
記載の磁気方位検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1005795A JP2923959B2 (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 磁気方位検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1005795A JP2923959B2 (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 磁気方位検出装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02186285A JPH02186285A (ja) | 1990-07-20 |
JP2923959B2 true JP2923959B2 (ja) | 1999-07-26 |
Family
ID=11621016
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1005795A Expired - Lifetime JP2923959B2 (ja) | 1989-01-12 | 1989-01-12 | 磁気方位検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2923959B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6529114B1 (en) | 1998-05-27 | 2003-03-04 | Honeywell International Inc. | Magnetic field sensing device |
CN1608197A (zh) * | 2001-12-27 | 2005-04-20 | 松下电器产业株式会社 | 方位传感器及其制造方法 |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS56102414U (ja) * | 1979-12-31 | 1981-08-11 | ||
JPS58101483A (ja) * | 1981-12-11 | 1983-06-16 | Nec Home Electronics Ltd | 磁気抵抗素子 |
JPS61262613A (ja) * | 1985-05-16 | 1986-11-20 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 地磁気方位センサ |
-
1989
- 1989-01-12 JP JP1005795A patent/JP2923959B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02186285A (ja) | 1990-07-20 |
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Legal Events
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