JP2014175599A - 超電導コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】クエンチの発生を抑制することができる超電導コイルを提供する。
【解決手段】超電導コイル10は、筒状の支持部21と、支持部21の外周面に巻線された超電導線30と、軸G方向に超電導線30を挟むように支持部21に設けられた一対のフランジ部22,22と、を備えている。この超電導コイル10では、少なくとも軸G方向の膨張係数が負の負膨張スペーサ40がフランジ部22と超電導線30との間に介在されている。そのため、冷却時に超電導線30及びフランジ部22が熱収縮した場合でも、これらの間に隙間が形成されないように負膨張スペーサ40が少なくとも軸G方向に膨張することになり、超電導線30の移動を抑制することができる。
【選択図】図2
【解決手段】超電導コイル10は、筒状の支持部21と、支持部21の外周面に巻線された超電導線30と、軸G方向に超電導線30を挟むように支持部21に設けられた一対のフランジ部22,22と、を備えている。この超電導コイル10では、少なくとも軸G方向の膨張係数が負の負膨張スペーサ40がフランジ部22と超電導線30との間に介在されている。そのため、冷却時に超電導線30及びフランジ部22が熱収縮した場合でも、これらの間に隙間が形成されないように負膨張スペーサ40が少なくとも軸G方向に膨張することになり、超電導線30の移動を抑制することができる。
【選択図】図2
Description
本発明は、超電導コイルに関する。
従来の超電導コイルとしては、例えば下記特許文献1に記載されているように、筒状の支持体(内胴)の両端部にフランジ部(フランジ)を有する巻枠と、支持体の外周面に巻線された超電導線と、を備えたものが知られている。
ここで、上述したような従来の超電導コイルは、例えば図4(a),(b)に示すように、励磁時に極低温まで冷却される。超電導線130の熱収縮率がフランジ部122のそれよりも大きい場合、超電導線130とフランジ部122とが熱収縮してこれらの間に隙間が形成されてしまうおそれがある。この隙聞は超電導線130が移動できる空間となってしまうことから、例えば、線材に電磁力が印加された場合には、線材が移動してしまう可能性がある。そして、当該移動を原因としてクエンチが発生するおそれがあり、超電導コイルの信頼性低下が懸念される。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、クエンチの発生を抑制することができる超電導コイルを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る超電導コイルは、筒状の支持体と、支持体の内周面及び外周面の少なくとも一方に巻線された超電導線と、支持体の軸方向において超電導線を挟むように設けられた一対のフランジ部と、を備え、軸方向における一対のフランジ部の少なくとも一方と超電導線との間には、スペーサが介在されており、スペーサは、少なくとも軸方向の膨張係数が負であること、を特徴とする。
この超電導コイルでは、少なくとも軸方向の膨張係数が負のスペーサがフランジ部と超電導線との間に介在されているため、冷却時に超電導線及びフランジ部が熱収縮した場合でも、これらの間に隙間が形成されないようにスペーサが少なくとも軸方向に膨張することになる。よって、超電導線の移動を抑制することができ、その結果、クエンチの発生を抑制することが可能となる。
また、スペーサは、超電導コイルの励磁時において、フランジ部と超電導線とに接触すること、が好ましい。この場合、超電導コイルの励起時において超電導線及びフランジ部間に隙間が形成されるのを抑制できる。
また、上記作用効果を好適に奏する構成として、具体的には、スペーサは、周方向に分割されている構成が挙げられる。
本発明によれば、クエンチの発生を抑制できる超電導コイルを提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、一実施形態に係る超電導コイルを含む超電導マグネットを示す概略ブロック図である。本実施形態の超電導コイルは、高磁場を発生させるための超電導マグネットに用いられるものである。そこで、まず、この超電導マグネットの概略構成について説明する。
図1に示すように、超電導マグネット1は、例えばシリコン単結晶引上装置や、サイクロトロンに適用されるものであり、円環状の真空容器2と、この真空容器2内に配置されたコイル部3と、を備えている。コイル部3は、1又は複数の円環状の超電導コイル10を含んでいる。超電導コイル10は、例えばGM(ギフォードマクマホン)冷凍機等の冷凍機4により冷却されて超電導状態とされると共に、直流電圧を供給する電源部5により電流が印加されることにより、強力な磁場を発生させる。
また、電源部5には、超電導コイル10に印加する電流(以下、「印加電流」という)を制御する制御部6が接続されている。ここでの制御部6は、電源部5を制御し、超電導コイル10における自己磁場の最大値が所定値以下となるように印加電流を調整する。
なお、超電導マグネット1は、高磁場が求められる種々の装置に適用可能である。コイル部3における超電導コイル10の配置は、限定されるものではなく、例えばカスプコイル型、マルチコイル型、鞍型、C型及びクロスコイル型を採用することできる。また、超電導コイル10の形状は、環状であればよく、その軸方向視において、楕円形状、長円形状(レーストラック形状)、扁平円形状又は矩形形状等の外形を有していてもよい。
図2(a)は一実施形態に係る超電導コイル10の断面図、図2(b)は図2(a)のII(b)−II(b)線に沿った断面図である。図2に示すように、超電導コイル10は、巻枠20と、超電導線30と、負膨張スペーサ(スペーサ)40と、を備えている。
巻枠20は、超電導線30を支持するものであり、ここでは、超電導線30のフープ力を支持するフープ力支持体としても機能する。この巻枠20は、径方向外側に開口するコの字状断面を有しており、支持部(支持体)21と、一対のフランジ部22,22と、を有している。
支持部21は、軸Gを有する円筒状を呈し、その外周面に超電導線30が巻線される。フランジ部22は、円環状を呈し、支持部21の外周面において径方向外側に突出するように軸G方向の両端部に設けられている。
超電導線30は、支持部21の外周面に巻線されて構成されており、円環状外形を呈している。ここでの超電導線30は、酸化物系や金属系の超電導線材が用いられ、一対のフランジ部22,22間にてこれらに軸G方向に挟まれるように配置されている。換言すると、一対のフランジ部22,22は、円環状外形の超電導線30を軸G方向に挟むように設けられている。
負膨張スペーサ40は、少なくとも軸G方向の膨張係数が負とされており、低温下で少なくとも軸G方向に膨張する特性を有している。図2(a)に示すように、この負膨張スペーサ40は、一対のフランジ部22,22のうち一方のフランジ部22と超電導線30との間に介在されており、所定厚さを有する板状に形成されている。
また、図2(b)に示すように、ここでの負膨張スペーサ40は、周方向に分割されており、具体的には、軸G方向から見て、円環形状を複数の台形形状に分割する(切り出す)ようにして構成されている。これら複数の負膨張スペーサ40は、その短辺が径方向内側に位置し且つ長辺が径方向外側に位置する向きで、軸Gを中心とした周方向に沿って所定間隔で並置されている。
なお、複数の負膨張スペーサ40の形状は、本実施形態のような台形板状に限定されるものではなく、軸G方向視で扇形形状の扇形板状であってもよいし、軸G方向視で矩形形状や、円弧外縁又は直線外縁を含む形状のものであってもよい。或いは、負膨張スペーサ40は、複数に分割せずに、軸G方向視で円環状の円環板状(中空円板状)であってもよい。
負膨張スペーサ40としては、ダイニーマ(登録商標:東洋紡株式会社)等の高強度ポリエチレン繊維を用いた強化複合材料(DFRP)を採用することができ、この場合、軸G方向の熱膨張率が負となるように繊維角度が調整される。本実施形態の負膨張スペーサ40は、後述するように、超電導コイル10の励磁時にてフランジ部22と超電導線30との間に隙間が形成されないよう膨張可能な負の熱膨張率を有している。
以上のように構成される超電導コイル10では、まず、巻枠20における一対のフランジ部22,22間にて、一方のフランジ部22に当接するように負膨張スペーサ40が設置される。その後、支持部21の外周面において負膨張スペーサ40とフランジ部22との間に超電導線30が巻線される。
ここで、超電導コイル10では、図3(a)に示すように、例えば超電導線30を巻線した直後の室温下において、一対のフランジ部22,22間に隙間が無く、負膨張スペーサ40がフランジ部22及び超電導線30に対し軸G方向に当接され、負膨張スペーサ40に軸G方向に面圧が発生する状態とされる。
そして、図3(b)に示すように、冷凍機4で極低温まで冷却され、電源部5により電流が印加された励磁下では、巻枠20及び超電導線30が収縮する。このとき、本実施形態においては、負膨張スペーサ40が負の膨張係数を有するため、当該収縮に起因して巻枠20及び超電導線30間に生じる隙間を埋めるように、負膨張スペーサ40が膨張する。その結果、超電導線30とフランジ部22との間に隙間が形成されず、負膨張スペーサ40における面圧は保持されることとなる。
以上、本実施形態によれば、負膨張スペーサ40がフランジ部22と超電導線30との間に介在されているため、超電導線30及びフランジ部22が熱収縮した場合でも、これらの間に隙間が形成されないように負膨張スペーサ40を軸G方向に膨張させることができる。そのため、当該隙間に起因する超電導線30の移動を抑制でき、クエンチの発生を抑制することが可能となる。その結果、信頼性の高い超電導コイル10の信頼性を高めることができる。また、超電導コイル10の信頼性が高いものになることから、仕様を満たすために過剰な余裕を見込んだ設計が不要となり、低コスト化も可能となる。
また、本実施形態では、上述したように、一方のフランジ部22と超電導線30との間に負膨張スペーサ40を介在させる、すなわち、一対のフランジ部22,22間において軸G方向における一方側に負膨張スペーサ40が配置されるように超電導線30を巻線するだけで面圧が生じるため、クエンチの発生を抑制するという上記作用効果を作業性がよく実現することができる。
また、本実施形態の負膨張スペーサ40は、上述したように、超電導コイル10の励磁時において、フランジ部22と超電導線30との間に隙間が形成されないように膨張可能とされている。換言すると、負膨張スペーサ40は、超電導コイル10の励磁時においてフランジ部22と超電導線30とに接触する。よって、超電導コイル10の励起時に超電導線30及びフランジ部22間に隙間が形成されるのを確実に抑制でき、その結果、クエンチの発生を好適に抑制することができる。
なお、一般的に、超電導線30及びフランジ部22間に隙聞を生じないように超電導コイル10を軸方向にプレスし溶接する構造も考えられる。しかしこの場合、プレスするために大きな治具が必要であると共に、予荷重が非常に大きくする必要があるため、製造上が困難であり現実的ではない。これに対し、本実施形態は、このような治具等の必要が要されずに作業性よく製造できるものであり、有効なものである。
また、超電導線30及びフランジ部22間に隙聞を生じないように、超電導線30よりも大きな熱収縮材料を巻枠20に用いる構造も考えられる。しかしこの場合、通常、FRPやアルミ合金等の低耐力材が熱収縮材料とされるために、巻枠20に大きな体積が必要となる。特にアルミ合金を用いる場合には、電気伝導率が比較的高く、電流掃引による磁場変動の際に大きな渦電流による発熱を伴うおそれがある。これに対し、本実施形態は、FRPやアルミ合金等を巻枠20に用いる必要性が低いものであり、この点においても、有効である。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、上記実施形態では、支持体である支持部21の外周面に超電導線30が巻線されているが、この構成に限定されるものではない。支持体の内周面に超電導線が巻線される構成としてもよいし、支持体の内周面及び外周面に超電導線が巻線される構成としてもよい。
また、上記実施形態では、一対のフランジ部22,22間において超電導線30の片側のみに負膨張スペーサ40を介在させているが、この構成に限定されるものではない。例えば、図2に示す例では、超電導線30の上側に負膨張スペーサ40を介在させているが、これに代えて又は加えて、超電導線30の下側に負膨張スペーサ40を介在させてもよい。要は、負膨張スペーサ40は、軸G方向において、一対のフランジ部22,22の少なくとも一方と超電導線30との間に介在されていればよい。
また、上記実施形態では、フランジ部22と負膨張スペーサ40との間、及び、負膨張スペーサ40と超電導線30との間の少なくとも一方に、その他の部材をさらに介在させてもよい。
10…超電導コイル、21…支持部(支持体)、22…フランジ部、30…超電導線、40…負膨張スペーサ(スペーサ)、G…軸。
Claims (3)
- 筒状の支持体と、
前記支持体の内周面及び外周面の少なくとも一方に巻線された超電導線と、
前記支持体の軸方向において前記超電導線を挟むように設けられた一対のフランジ部と、を備え、
前記軸方向における前記一対のフランジ部の少なくとも一方と前記超電導線との間には、スペーサが介在されており、
前記スペーサは、少なくとも前記軸方向の膨張係数が負であること、を特徴とする超電導コイル。 - 前記スペーサは、前記超電導コイルの励磁時において、前記フランジ部と前記超電導線とに接触すること、を特徴とする請求項1記載の超電導コイル。
- 前記スペーサは、周方向に分割されていること、特徴とする請求項1又は2記載の超電導コイル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2013049236A JP2014175599A (ja) | 2013-03-12 | 2013-03-12 | 超電導コイル |
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Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
JP2016140399A (ja) * | 2015-01-30 | 2016-08-08 | 株式会社日立製作所 | 超電導磁石ならびに磁気共鳴撮像装置 |
CN109686528A (zh) * | 2018-12-18 | 2019-04-26 | 武汉船用电力推进装置研究所(中国船舶重工集团公司第七一二研究所) | 一种高温超导储能磁体装置 |
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2013
- 2013-03-12 JP JP2013049236A patent/JP2014175599A/ja active Pending
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