JP2010015890A - 溶融塩及び熱電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも融点が低く、従来と同等以上の温度特性と出力特性を与える溶融塩、および前記溶融塩を含む熱電池を提供する。
【解決手段】本発明は、少なくとも2種類の塩を含む溶融塩であって、融点が200℃以上、340℃以下であり、500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である溶融塩を提供する。また、本発明は、前記溶融塩を電解質として含む熱電池を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、溶融塩および前記溶融塩を含む熱電池に関し、特に前記要溶融塩の改良に関する。
一般に、溶融塩は、1種または2種類以上の塩を含み、溶融状態で利用される。近年では、常温でも溶融状態(すなわち液体状態)である塩類が提案され、常温溶融塩、イオン性液体などと称されている。
溶融塩は、例えば、工業電解または金属精錬に用いられる電解液として利用されたり、原子力システムにおいて金属プルトニウムの製造において利用されたりしている。特に、工業電解または金属精錬においては、大電流を流す必要があるため、電解液として用いられる溶融塩には、イオン伝導性が高いことが求められる。
また、溶融塩は、熱電池の電解質としても利用されている。一般に、熱電池は、負極、正極、およびこれらの間に配置された電解質を含む素電池を複数個備える。この電解質として、高温で溶融する塩(すなわち溶融塩)が用いられている。溶融塩からなる電解質は、常温では、イオン伝導性を有しないため、熱電池は不活性状態にある。一方、電解質が高温に加熱されると、電解質は溶融状態となり、良好なイオン伝導体となる。このため、熱電池は、高温で活性化し、外部へ電気を供給することができる。
熱電池は、貯蔵型電池の一種であり、通常、電解質が溶融しない限り、電池反応は進行しない。このため、熱電池は、5〜10年またはそれ以上の期間貯蔵した後でも、製造直後と同じ電池特性を発揮することができる。また、熱電池では、高温下で電極反応が進行する。このため、水溶液電解液または有機電解液を用いる電池に比べて、電極反応が格段に速く進行する。従って、熱電池は優れた大電流放電特性を有する。さらに、熱電池は、加熱手段(発熱要素)によっても異なるが、使用時に電池に起動信号を送ると1秒以内の短時間で電力を取り出すことができる。このため、熱電池は、誘導機器のような各種防衛機器の電源、緊急用電源などとして好適に用いられている。
近年、熱電池を搭載する機器の高性能化および小型・軽量化に伴い、熱電池のさらなる作動時間の延長および小型・軽量化が求められている。
電解質を構成する塩が溶融して熱電池が作動した後、電池全体の熱は外部に放出される。このため、熱電池が作動した後、熱電池の温度が低下して、溶融状態の塩が再び固形化するまでの時間が、熱電池の作動時間(放電時間)に寄与する重要な要素の一つとなる。
従って、熱電池の作動時間を延長する方法としては、例えば、融点の低い塩を電解質に用いて、熱電池の作動温度を低下させて、溶融状態の塩が再凝固するまでの時間を延長することが考えられる。このとき、熱電池の作動時の温度および電解質以外の熱電池の構成材料(すなわち電解質以外の構成材料の断熱係数および使用量)を同じとする。
また、熱電池の内部には、一般的に、発熱剤が配されており、前記発熱剤による発熱により、電解質が溶融される。発熱剤の量は、電解質を構成する塩を溶融するのに必要な熱量が得られるように設定される。電解質を構成する塩を溶融するのに必要な熱量は、熱電池を設計する際に、熱電池の構成部品の比熱などを用いて、熱電池の総熱容量を計算し、得られた総熱容量から求めることができる。
例えば、従来から用いられている、正極に二硫化鉄を用い、負極にリチウム金属またはリチウム含有合金を用い、電解質にLiCl−KClを用いた熱電池においては、通常、電池内部の温度が500℃程度(電解質の融点よりも少し高い温度)になるように、発熱剤の量が設定される。また、例えば、電解質にLiBr−LiCl−LiFを用いた熱電池では、電池内部の温度が550℃程度になるように、発熱剤の量が設定される。なお、前記従来の熱電池において、作動温度は、使用用途により、適宜変更される。
従って、熱電池を、小型・軽量化するためには、例えば、融点の低い塩を電解質に用いることにより、塩の溶融に要する熱量を減少させる、つまり、発熱剤の使用量を低減することが考えられる。
ところで、従来より、熱電池の電池性能を改善するために、熱電池に含まれる電解質について、種々の検討が行われている。
例えば、特許文献1には、熱電池用の電解質として従来用いられてきたLiCl−KClに代わり、出力特性を改善する目的で、LiF、LiCl、およびLiBrの混合物を電解質に用いることが提案されている。
特開平2−61962号公報
しかし、上記のような従来の電解質を用いたとしても、近年要求されている熱電池の性能を満足することは難しい。また、近年要求される熱電池の性能を実現することができる電解質についての検討は、依然として不十分である。
そこで、本発明は、上記従来の問題を解決するため、従来よりも融点が低く、従来と同等以上の温度特性と出力特性を与える溶融塩、および前記溶融塩を含む熱電池を提供することを目的とする。
本発明は、第1の塩と第2の塩とを少なくとも含む溶融塩であって、融点が200℃以上、340℃以下であり、500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である、溶融塩に関する。前記第1の塩および前記第2の塩は、それぞれ無機カチオンおよび無機アニオンを含むことが好ましい。前記無機カチオンは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、およびセシウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記無機アニオンは、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硝酸イオンおよび炭酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含み、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
本発明の好ましい実施形態において、第1の塩は、LiF、LiClおよびLiBrよりなる群から選ばれる2種の塩を含み、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第1の塩がLiFおよびLiClを含む場合、Rb含有塩は、RbBrであり、Cs含有塩は、CsClであることが好ましい。
第1の塩がLiFおよびLiBrを含む場合、Rb含有塩は、RbClであり、Cs含有塩は、CsBrであることが好ましい。
第1の塩がLiClおよびLiBrを含む場合、Rb含有塩は、RbClであり、Cs含有塩は、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
前記第1の塩が、LiFおよびLiBrを含む場合、第2の塩は、Cs含有塩およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であってもよい。この場合、第2の塩は、CsIであってもよく、KIであってもよい。
本発明の別の好ましい実施形態において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩を含み、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
第1の塩がLiClである場合、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。この場合、Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、I含有塩は、LiIであることが好ましい。
第1の塩がLiClである場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。この場合、Rb含有塩は、RbClおよびRbBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Cs含有塩は、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
または、第2の塩は、Rb含有塩およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。この場合、Rb含有塩はRbClであり、I含有塩はKIであることが好ましい。
第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Rb含有塩とI含有塩を含むことができる。この場合、Rb含有塩はRbClであり、I含有塩はLiIであることが好ましい。
または、第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Cs含有塩とI含有塩を含んでもよい。この場合、Cs含有塩はCsClであり、I含有塩はLiIであることが好ましい。
あるいは、第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、を含んでもよい。この場合、Rb含有塩は、RbClであることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
第1の塩がLiClまたはLiBrである場合、第2の塩は、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでいてもよい。
第2の塩は、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、I含有塩と、を含むことが好ましい。I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
あるいは、第2の塩は、前記Na含有塩および前記K含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。第1の塩がLiClである場合、Na含有塩はNaBrであり、K含有塩はKBrであることが好ましい。
第1の塩がLiBrである場合、Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
前記溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムカチオンの量は、50モル%以上であることが好ましい。
また、本発明は、正極、負極、および前記正極と前記負極との間に配された電解質を含む少なくとも1つの素電池を備える熱電池であって、前記電解質が、上記溶融塩を含む、熱電池に関する。前記正極および前記負極の少なくとも一方が、前記溶融塩をさらに含むことが好ましい。
本発明によれば、融点が200℃以上、320℃以下であり、500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である溶融塩を提供することができる。このように、溶融塩の融点を、従来用いられている溶融塩の融点よりも低くすることにより、前記溶融塩を含む電解質が、溶融してから再凝固するまでの時間を延長することができる。このため、熱電池の作動時間を長くすることができる。さらに、発熱剤の使用量を低減することができるため、熱電池の小型・軽量化が可能となる。
さらに、本発明の溶融塩は、従来の溶融塩と比べてイオン伝導性に優れており、かつ融点が低いため、熱電池用の電解質以外にも、工業電解または金属精錬に用いられる電解質としても用いることができる。また、本発明の溶融塩は、電解質として溶融塩を利用する蓄電システム、発電システムなどの大型電池に用いることができる。さらには、廃棄物からの金属の回収などの資源リサイクル、新規材料の合成のための反応場の提供のために、本発明の溶融塩を用いることもできる。
本発明の溶融塩は、少なくとも2種類の塩を含み、融点が200℃以上、320℃以下であり、かつ500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である。また、本発明の熱電池は、前記溶融塩を電解質として含む。具体的に、本発明の熱電池は、正極、負極、および正極と負極との間に配置され、熱電池の作用温度で溶融する溶融する塩(前記溶融塩)を含む電解質(換言すると、常温では不活性であり、所定温度で溶融することにより、活性となる電解質)を含む少なくとも1つの素電池を備える。なお、熱電池の作動温度は、電解質に用いられる塩の融点よりも高い。
本発明の溶融塩は、特に熱電池の電解質としての使用に適している。上記のように、本発明の溶融塩の500℃における導電率は1.4S/cm以上、2.3S/cm以下であり、従来と同等か、またはそれ以上である。さらに、本発明の溶融塩の融点は、200℃以上、320℃以下と、従来の熱電池に用いられている溶融塩の融点よりも低い。よって、本発明の溶融塩を熱電池の電解質として用いることにより、作動温度を従来よりも低く、かつ従来と同等とそれ以上の出力特性に優れた熱電池を提供することが可能となる。さらには、本発明の融点の低い溶融塩を用いることにより、溶融塩の溶融(熱電池の活性化)に必要な発熱剤の使用量が低減される。よって、本発明の溶融塩を用いることにより、熱電池を小型・軽量化することが可能となる。つまり、熱電池という特殊な電池構成、過酷な環境温度、および厳しい放電条件において、従来よりも低温領域で同等以上の放電特性を有する電解質を用いることにより、より使い易く小型かつ軽量の熱電池を提供することが可能となる。
また、本発明の溶融塩の融点は、従来の熱電池に用いられている溶融塩の融点よりも低い。このため、従来と同様の作動温度を有する熱電池の場合、本発明の溶融塩を用いることにより、溶融塩が溶融して熱電池が活性化した後、溶融塩が再凝固するまでの時間を延長することができる。よって、本発明の溶融塩を用いることにより、電池の作動時間を延長することができる。
さらに、本発明の溶融塩は、溶融温度が低く、かつ従来と同等以上の導電率を有するため、例えば、大電流を必要とする工業電解または金属精錬に用いられる電解質としても用いることができる。
このように、本発明の溶融塩を用いることにより、工業電解または金属精錬を従来と比較して低い温度で行なうことができるため、運用コストを低下させたり、環境安全性を向上させたりすることができる。
以下、本発明の溶融塩について、具体的に説明する。
融点と導電率をコントロールするという観点から、本発明の溶融塩は、第1の塩と第2の塩を少なくとも含む。つまり、本発明の溶融塩は混合塩を含む。本発明の溶融塩の融点および導電率は、例えば、添加される塩の種類、添加される塩のモル比等を適宜変更することにより、制御することができる。溶融塩が、2元系、3元系、4元系、5元系などの複数の塩の混合物を含む場合でも、上記の融点と導電率を有すれば、同様の効果が得られる。
本発明の溶融塩に含まれる少なくとも2種類の塩は、無機カチオンおよび無機アニオンを含むことが好ましい。前記無機カチオンは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、よびセシウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。前記無機アニオンは、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、およびヨウ素アニオン、硝酸イオンおよび炭酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の溶融塩において、少なくとも2種類の塩のうち、少なくとも1つの塩はリチウムカチオンを含むことが好ましい。残りの塩は、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、およびセシウムカチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
具体的に、本発明の溶融塩は、第1の塩と第2の塩とを含み、前記第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含み、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれ少なくとも1種の塩であることが好ましい。I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
特に、前記第2の塩は、ルビジウムカチオンおよびセシウムカチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましい。原因は未だ特定されていないが、本発明者の検討により、ルビジウムカチオンおよび/またはセシウムカチオンが含まれることにより、融点が200℃以上、320℃以下であり、かつ500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である溶融塩が得られやすい。
溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるセシウムイオンの量は、5〜50モル%であることが好ましい。
溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるルビジウムイオンの量は、5〜50モル%であることが好ましい。
以下、本発明の溶融塩を具体的に説明する。
(実施の形態1)
本発明の好ましい実施形態に係る溶融塩は、第1の塩が、LiF、LiClおよびLiBrよりなる群から選ばれる2種の塩を含み、第2の塩が、Rb含有塩、Cs含有塩およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第1の塩がLiFとLiClとを含む場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。この場合、Rb含有塩はRbBrを含むことが好ましく、Cs含有塩は、CsClを含むことが好ましい。
第1の塩がLiFとLiBrとを含む場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。この場合、Rb含有塩は、RbClを含むことが好ましく、Cs含有塩は、CsBrを含むことが好ましい。
または、第2の塩は、Cs含有塩およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。この場合、第2の塩は、CsIおよびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第1の塩がLiClとLiBrを含む場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。この場合、Rb含有塩は、RbClを含むことが好ましく、Cs含有塩は、CsClを含むことが好ましい。
本実施形態において、前記第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、およびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩をさらに含んでいてもよい。
本実施形態において、第1の塩の量は、溶融塩の50〜70重量%であることが好ましく、第2の塩の量は、溶融塩の50〜30重量%であることが好ましい。
本実施形態における好ましい溶融塩としては、例えば、LiF−LiCl−RbBr、LiF−LiCl−CsCl、LiF−LiBr−RbCl、LiF−LiBr−CsBr、LiCl−LiBr−RbCl、LiCl−LiBr−CsCl、LiCl−LiBr−CsClなどが挙げられる。
(実施の形態2)
本発明の別の好ましい実施形態に係る溶融塩は、第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩を含み、第2の塩が、Rb含有塩、Cs含有塩、N含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
実施の形態1と同様に、Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれ少なくとも1種の塩であることが好ましい。I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
第1の塩がLiClである場合、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。例えば、第2の塩は、Rb含有塩およびCsI含有塩の少なくとも一方の塩と、I含有塩とを含むことができる。この場合、Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。I含有塩は、LiIであることが好ましい。
または、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでいてもよい。この場合、Rb含有塩は、RbClおよびRbBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましく、Cs含有塩は、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
あるいは、第2の塩は、Rb含有塩およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでいてもよい。この場合、Rb含有塩はRbClであり、I含有塩はKIであることが好ましい。
第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Rb含有塩、Cs含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
例えば、第2の塩は、Rb含有塩とI含有塩とを含んでもよい。この場合、Rb含有塩はRbClであり、I含有塩はLiIであることが好ましい。
第2の塩は、Cs含有塩とI含有塩とを含んでいてもよい。この場合、Cs含有塩はCsClであり、I含有塩はLiIであることが好ましい。
または、第1の塩がLiBrである場合、第2の塩は、Rb含有塩およびCs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩とを含んでいてもよい。この場合、Rb含有塩は、RbClであることが好ましい。Cs含有塩は、CsF、CsCl、およびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。K含有塩は、KF、KCl、およびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
あるいは、第1の塩がLiClまたはLiBrである場合、第2の塩は、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含んでもよい。
例えば、第2の塩は、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、I含有塩とを含んでいてもよい。この場合、I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第2の塩は、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
第1の塩がLiClである場合、Na含有塩はNaBrであり、K含有塩はKBrであることが好ましい。
第1の塩がLiBrである場合、Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。K含有塩は、KF、KCl、およびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることが好ましい。
本実施形態において、第2の塩がI含有塩を含まない場合、第1の塩の量は、溶融塩の50〜70重量%であることが好ましく、第2の塩の量は、溶融塩の30〜50重量%であることが好ましい。
第2の塩がI含有塩を含む場合、第1の塩の量は、溶融塩の15〜70重量%であることが好ましく、第2の塩の量は、溶融塩の30〜85重量%であることが好ましい。
本実施形態における好ましい溶融塩としては、例えば、LiCl−NaCl−RbCl、LiCl−NaCl−CsCl、LiCl−NaBr−RbCl、LiCl−NaBr−CsCl、LiCl−KF−RbBr、LiCl−KCl−RbCl、LiBr−NaF−CsF、LiBr−NaF−CsCl、LiBr−NaCl−RbCl、LiBr−NaCl−CsCl、LiBr−NaBr−CsCl、LiBr−KF−CsBr、LiBr−KCl−CsCl、LiBr−KCl−CsBr、LiBr−KCl−CsCl、LiCl−LiI−RbF、LiCl−LiI−RbBr、LiCl−LiI−RbI、LiCl−LiI−CsF、LiCl−LiI−CsBr、LiCl−LiI−CsI、LiBr−LiI−RbCl、LiBr−LiI−CsClなどが挙げられる。
なお、出力特性を向上させるために、電解質に用いられる溶融塩は、十分なイオン伝導性を有する必要がある。そのため、溶融塩は、充放電を担うイオンイオン種を一定量以上含む必要がある。例えば、充放電反応を担うイオンとしてリチウムイオンが用いられる熱電池において、溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムイオンの量は、50モル%以上であることが好ましい。リチウムイオンの量は、60モル%以上であることがさらに好ましい。
溶融塩に含まれるリチウムカチオンなどの量は、溶融塩に含まれる塩のモル比から計算することができる。
または、例えば、蛍光X線分析法と他の分析方法(例えば、ICP発光分析法、原子吸光分析法、イオンクロマトグラフィー法、滴定法等)とを組み合わせて用いることにより、溶融塩に含まれるリチウムカチオン(またはリチウム原子)などの量を測定することができる。なお、このような方法によれば、溶融塩に含まれる塩の種類およびその組成比を求めることもできる。
なお、本発明の溶融塩の組成は、上記のような融点および導電率が得られれば、特に限定されない。例えば、融点降下の効果が最も大きいため、本発明の溶融塩の組成は、共晶を与える組成とすることができる。
次に、本発明の熱電池の一例を、図1を参照しながら説明する。
素電池7と発熱剤5とを交互に複数個積み重ねた発電部が、金属製の外装ケース1に収納されている。発電部の最上部には、着火パッド4が配され、着火パッド4の上部に近接して点火栓3が設置されている。発電部の周囲には導火帯6が配されている。発熱剤5は鉄粉を含み、導電性を有するため、素電池7は発熱剤5を介して電気的に直列に接続されている。発熱剤5は、例えば、FeとKClO4の混合物からなる。電池の活性化時には、発熱剤5の燃焼にともないFe粉が焼結するため、放電初期(燃焼初期)から放電末期(燃焼末期)まで、発熱剤5の導電性は維持される。
外装ケース1は、一対の点火端子2、ならびに正極端子10aおよび負極端子10bを備えた電池蓋11により封口されている。正極端子10aは、正極リード板(図示せず)を介して発電部最上部の素電池7の正極に接続されている。一方、負極端子10bは、負極リード板8を介して発電部最下部の素電池7の負極に接続されている。電池蓋11と着火パッド4との間には、断熱材9aが配され、外装ケース1と発電部との間には、断熱材9bが配されている。
素電池7は、図2に示すように、負極12、正極13、および負極12と正極13との間に配される電解質層14からなる。
負極12は、図2に示すように、負極活物質を含む負極合剤層15、および負極合剤層15を収容するカップ状の金属ケース16を含む。負極活物質は、熱電池に使用可能なものであれば何でもよく特に制限されない。負極活物質には、例えば、リチウム金属、Li−Al、Li−Si、もしくはLi−Bなどのリチウム合金が用いられる。金属ケース16の構成材料としては、例えば、鉄用いることができる。
正極13は正極活物質を含む。正極活物質は、熱電池で使用可能な材料であれば何でもよく特に制限されない。正極活物質には、例えば、MnO2などのマンガン酸化物、V25などのバナジウム酸化物、FeS2などの硫化物、モリブデン酸化物、またはリチウム含有酸化物を用いることができる。
電解質層14は、例えば、本発明の溶融塩と、保持材との混合物を含む。なお、前記溶融塩は、熱電池の作動温度で溶融する。保持材としては、例えば、MgO等の非導電性無機材料が用いられる。
上記熱電池の動作を以下に説明する。
点火端子2に接続された電源により、点火端子2を経由して点火栓3に高電圧が印加されると、点火栓3が発火する。これにより、着火パッド4および導火帯6が燃焼し、ついで、発熱剤5が燃焼して、素電池7が加熱される。そして、素電池7に配された電解質層14が溶融状態となり、前記電解質がイオン伝導体となる。このようにして、電池が活性化し、放電が可能となる。
正極13および負極合剤層15の少なくとも一方は、イオン伝導性が向上するため、本発明の溶融塩を少なくとも1種含むことが好ましい。正極および/または負極合剤層に含まれる溶融塩は、電解質層14に用いられる溶融塩と同じでもよい。または電解質層14に用いられる溶融塩と融点がほぼ同じであれば、正極および/または負極合剤層に含まれる溶融塩は、電解質層14に用いられる溶融塩と異なっていてもよい。
なお、上記では電池内部に点火栓を備え、電池内部より発電部を加熱して電池を活性化する内部加熱方式の熱電池について説明したが、本発明は、電池内部に点火栓を備えずに、バーナ等により電池外部から発電部を加熱して電池を活性化する外部加熱方式の熱電池にも適用することができる。
以下に、本発明を、実施例を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
以下の実施例では、溶融塩の組成、溶融塩の融点、溶融塩の導電性、および本発明の溶融塩を電解質として含む素電池の出力特性を以下のようにして求めた。
(1)溶融塩の組成の決定
溶融塩の組成の詳細な決定は、主にCALPHAD(Calculation of Phase Diagram and Thermodynamics)法と呼ばれる、熱力学的データを用いて計算科学的に平衡状態図を作成する手法を利用した。CALPHAD法は、例えばL.KaufmanおよびH.Bernsteinによる著書 "Computer Calculation of Phase Diagrams with Special Reference to Refractory Metals", Academic Press, New York, (1970)などに説明されている。CALPHAD法では、平衡状態の判定などに非常に複雑な計算を実行する必要があるが、現在では、一般的なコンピューターで作動するThermo-Calc (Thermo-Calc Sotware AB社)、FACT SAGE(GTT Technologies GmbH社)などの商用のソフトウエアが存在する。本実施例においては、FACT SAGEを用いた。
この手法により、未知組成であっても、溶融塩を構成している塩の個々の熱力学的データから、任意の温度での状態図を作成できる。よって、種々の温度で作成された、2種類以上の塩からなる混合塩の状態図から、混合塩が溶融状態から凝固状態に変化する共晶点を求めることができる。つまり、混合塩の共晶組成とそのときの温度(融点)を決定することができる。
(2)溶融塩の融点の測定
溶融塩(混合塩)の融点を、以下のようにして得た。
第1の方法においては、上記CALPHAD法により得た状態図を利用した。具体的には、種々の温度での状態図を作成し、得られた状態図から、共晶点の温度とその組成を確認して、溶融塩の融点を決定した。
第2の方法においては、溶融塩の融点を実験的に測定した。溶融塩の融点は、例えば、示差熱分析DTA(Differntial Thermal Analysis)、示差走査熱量分析DSC(Differential Scanning Calorimetry)などによって求めることができる。今回は、熱変化による重量変化と共晶点における吸熱を測定できる重量熱重量分析TG(Thermo gravimetry)−示差熱分析DTA(Differntial Thermal Analysis)分析装置を用い、溶融塩の融点を測定した。
(3)導電率の測定
溶融塩の電気伝導度(導電率)を実験的に測定した。導電率の測定は、東北大学の佐藤ら(例えば、「溶融NaF−AlF3系の密度および電気伝導度」佐藤譲ら、日本金属学会誌 第41巻 第12号(1977))などによって紹介されている方法を参考にして行った。具体的には、石英のボディと白金電極で構成された伝導度セルを作製する。交流インピーダンス法によって予め電気伝導度の値が既知のKCl水溶液またはLiCl−KCl溶融塩を測定し、伝度度セルのセル定数を決定する。セル定数を求めた伝導度セルを用いて、任意の温度、例えば、熱電池の標準的な内部温度と考えられる500℃での、溶融塩の抵抗値を測定する。得られた抵抗値を用いて、溶融塩の導電率を得ることができる。この方法により、任意温度での溶融塩の導電率を正確に測定することができる。
以上のように、手法(1)を用いて、未知組成の溶融塩の状態図を得ることができ、その状態図から、溶融塩の共晶点(融点)とそのときの組成を決定することができる。手法(2)により、溶融塩の融点を実験的に測定することができる(第2の方法)。さらに、手法(3)により、溶融塩の導電率を得ることができる。
(4)放電試験
素電池を、温度の制御が可能な2枚の板で挟み、所定の温度まで加熱した。素電池を、加熱した状態で、1.0A/cm2の電流で、電池電圧が1.2Vになるまで放電し、放電容量を求めた。放電容量の測定は、340℃、425℃、または525℃で行なった。
なお、前記放電の電流値は、素電池の単位断面積(1cm2)あたりの電流値である。ここで、素電池の断面積とは、素電池の積層方向とは垂直であり、かつ素電池としての最大面積を与える面の面積のことをいう。
各素電池の各温度における放電容量は、各素電池を、従来の熱電池の一般的な作動温度(525℃)で、0.5A/cm2の電流で、電池電圧が1.2Vに低下するまで放電したときの放電容量に対する容量比率(すなわち、各素電池の、525℃、放電電流0.5A/cm2での放電容量値を100%とした相対比率)として求めた。なお、前記従来の熱電池としては、電解質としてLiCl−KClを用いた熱電池を想定した。
上記実施例および比較例において、各温度につき、5つの素電池について、放電容量を求め、得られた比率の平均値を、容量比率とした。
《実施例1》
以下の手順で、図2に示すような素電池を作製した。なお、素電池の作製は、基本的に、全て露点−50℃以下の乾燥空気中で水分の影響を極力排除した環境下で行った。
(1)電解質の作製
第1の塩として、LiFおよびLiClを用い、第2の塩として、RbBrを用いた。これらの塩は、真空環境下にて200℃で48時間乾燥した。
乾燥後、露点が管理されたアルゴン雰囲気のグローブボックス内にて、LiFとLiClとRbBrをモル比1:57:42の割合で混合した。得られた混合物を、適量、高純度アルミナのルツボに移し、前記ルツボを溶融炉に入れた。溶融炉の内部は、露点が管理されたアルゴン雰囲気とした。前記混合物を、溶融炉にて加熱溶融し、LiFとLiClとRbBrとの混合塩(溶融塩)を得た。
得られた混合塩を、自然冷却した。この後、混合塩を、露点が管理されたアルゴン雰囲気下で、ステンレス鋼製のボールを用いるボールミルを用いて、約12時間粉砕し、粉末化した。得られた混合塩の粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いにて分級した。
得られた混合塩の粉末と、酸化マグネシウム(MgO)とを、重量比60:40の割合で混合した。得られた混合物を、溶解炉にて500℃で12時間加熱して、混合塩をMgOに十分なじませた。加熱後、得られた混合物を自然冷却した。
次いで、前記混合塩を、露点が管理されたアルゴン雰囲気下で、ステンレス鋼製のボールを用いるボールミルを用いて、約12時間粉砕した。得られた粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いにて分級した。分級後の粉末を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.5mmの円盤状の電解質層を得た。
(2)正極の作製
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、上記LiFとLiBrとCsBrとの混合塩と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円盤状の正極を得た。
(3)負極の作製
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%)を用いた。
負極活物質と、上記LiFとLiClとRbBrの混合塩とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの負極合剤層を得た。
次に、負極合剤層を、ステンレス鋼(SUS304)製のカップ状の金属ケースに入れ、金属ケースの開口端部を内方に折り曲げて、負極合剤層の周縁部にかしめて、負極合剤層を金属ケース内に固定した。このようにして、直径13mm、厚さ約0.5mmの円盤状の負極を得た。
(4)素電池の作製
得られた正極と負極とを電解質層を介して積層して、図2に示す素電池を得た。なお、正極の容量に比べて、負極の容量が大きくなるように、正極活物質量および負極活物質量を調整しておいた。
得られた素電池を、実施例1の素電池とした。
《実施例2》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiFとLiClを用い、第2の塩としてCsClを用い、LiFとLiClとCsClとのモル比を1:58:41とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例2の素電池を得た。
《実施例3》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiFとLiBrを用い、第2の塩としてRbClを用い、LiFとLiBrとRbClとのモル比を1:57:41とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例3の素電池を得た。
《実施例4》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiFとLiBrを用い、第2の塩としてCsBrを用い、LiFとLiBrとCsBrとのモル比を2:62:36とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例4の素電池を得た。
《実施例5》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClとLiBrを用い、第2の塩としてRbClを用い、LiClとLiBrとRbClとのモル比を48:7:45とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例5の素電池を得た。
《実施例6》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClとLiBrを用い、第2の塩としてCsClを用い、LiClとLiBrとCsClとのモル比を35:20:45とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例6の素電池を得た。
《実施例7》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClとLiBrを用い、第2の塩としてCsBrを用い、LiClとLiBrとCsBrとのモル比を3:59:38とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例7の素電池を得た。
《実施例8》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてNaClとRbClを用い、LiClとNaClとRbClとのモル比を54:5:41とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例8の素電池を得た。
《実施例9》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてNaClとCsClを用い、LiClとNaClとCsClとのモル比を53:8:39とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例9の素電池を得た。
《実施例10》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてNaBrとRbClを用い、LiClとNaBrとRbClとのモル比を52:5:43とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例10の素電池を得た。
《実施例11》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてNaBrとCsClを用い、LiClとNaBrとCsClとのモル比を52:9:39とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例11の素電池を得た。
《実施例12》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてKFとRbBrを用い、LiClとKFとRbBrとのモル比を66:13:21とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例12の素電池を得た。
《実施例13》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてKClとRbClを用い、LiClとKClとRbClとのモル比を55:37:8とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例13の素電池を得た。
《実施例14》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてKBrとNaBrを用い、LiClとKBrとNaBrとのモル比を53:33:14とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例14の素電池を得た。
《実施例15》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaFとCsFを用い、LiBrとNaFとCsFとのモル比を55:1:44とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例15の素電池を得た。
《実施例16》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaFとCsClを用い、LiBrとNaFとCsClとのモル比を63:1:36とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例16の素電池を得た。
《実施例17》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaClとRbClを用い、LiBrとNaClとRbClとのモル比を55:13:32とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例17の素電池を得た。
《実施例18》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaClとCsClを用い、LiBrとNaClとCsClとのモル比を60:5:35とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例18の素電池を得た。
《実施例19》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaBrとCsClを用い、LiBrとNaBrとCsClとのモル比を61:4:35とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例19の素電池を得た。
《実施例20》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKFとCsBrを用い、LiBrとKFとCsBrとのモル比を65:3:32とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例20の素電池を得た。
《実施例21》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとCsClを用い、LiBrとKClとCsClとのモル比を63:3:34とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例21の素電池を得た。
《実施例22》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとCsBrを用い、LiBrとKClとCsBrとのモル比を60:22:18とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例22の素電池を得た。
《実施例23》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKBrとCsClを用い、LiBrとKBrですとCsClとのモル比を62:4:34とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例23の素電池を得た。
《実施例24》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaFとKBrを用い、LiBrとNaFとKBrとのモル比を61:2:37とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例24の素電池を得た。
《実施例25》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaClとKClを用い、LiBrとNaClとKClとのモル比を55:13:32とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例25の素電池を得た。
《実施例26》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaClとKBrを用い、LiBrとNaClとKBrとのモル比を58:6:36とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例26の素電池を得た。
《実施例27》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてNaBrとKClを用い、LiBrとNaBrとKClとのモル比を57:11:32とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例27の素電池を得た。
《実施例28》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKFとKClを用い、LiBrとKFとKClとのモル比を65:3:32とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例28の素電池を得た。
《実施例29》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKFとKBrを用い、LiBrとKFとKBrとのモル比を63:2:35とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例29の素電池を得た。
《実施例30》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとNaClを用い、LiBrとKClとNaClとのモル比を55:32:13とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例30の素電池を得た。
《実施例31》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとNaBrを用い、LiBrとKClとNaBrとのモル比を57:32:11とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例31の素電池を得た。
《実施例32》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとKFを用い、LiBrとKClとKFとのモル比を65:32:3とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例32の素電池を得た。
《実施例33》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとKBrを用い、LiBrとKClとKBrとのモル比を62:13:24とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例33の素電池を得た。
《実施例34》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKBrとNaFを用い、LiBrとKBrとNaFとのモル比を61:37:2とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例34の素電池を得た。
《実施例35》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKBrとNaClを用い、LiBrとKBrとNaClとのモル比を58:36:6とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例35の素電池を得た。
《実施例36》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKBrとKFを用い、LiBrとKBrとKFとのモル比を63:34:3とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例36の素電池を得た。
《実施例37》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKBrとKClを用い、LiBrとKBrとKClとのモル比を62:24:14とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例37の素電池を得た。
《実施例38》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiFとLiBrを用い、第2の塩としてCsIを用い、LiFとLiBrとCsIとのモル比を2:63:35とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例38の素電池を得た。
《実施例39》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとRbFを用い、LiClとLiIとRbFとのモル比を24:69:7とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例39の素電池を得た。
《実施例40》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとRbBrを用い、LiClとLiIとRbBrとのモル比を21:69:10とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例40の素電池を得た。
《実施例41》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとRbIを用い、LiClとLiIとRbIとのモル比を21:65:14とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例41の素電池を得た。
《実施例42》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとCsFを用い、LiClとLiIとCsFとのモル比を23:70:7とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例42の素電池を得た。
《実施例43》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとCsBrを用い、LiClとLiIとCsBrとのモル比を57:3:40とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例43の素電池を得た。
《実施例44》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとCsIを用い、LiClとLiIとCsIとのモル比を21:66:13とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例44の素電池を得た。
《実施例45》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとRbClを用い、LiBrとLiIとRbClとのモル比を18:67:15とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例45の素電池を得た。
《実施例46》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとCsClを用い、LiBrとLiIとCsClとのモル比を66:3:31とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例46の素電池を得た。
《実施例47》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiFとLiBrを用い、第2の塩としてKIを用い、LiFとLiBrとKIとのモル比を2:61:37とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例47の素電池を得た。
《実施例48》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとNaFを用い、LiClとLiIとNaFとのモル比を31:60:9とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例48の素電池を得た。
《実施例49》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとNaBrを用い、LiClとLiIとNaBrとのモル比を23:59:18とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例49の素電池を得た。
《実施例50》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとKFを用い、LiClとLiIとKFとのモル比を25:67:8とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例50の素電池を得た。
《実施例51》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてLiIとKBrを用い、LiClとLiIとKBrとのモル比を23:67:10とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例51の素電池を得た。
《実施例52》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiClを用い、第2の塩としてRbClとKIを用い、LiClとRbClとKIとのモル比を54:43:4とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例52の素電池を得た。
《実施例53》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとNaClを用い、LiBrとLiIとNaClとのモル比を28:57:15とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例53の素電池を得た。
《実施例54》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとNaBrを用い、LiBrとLiIとNaBrとのモル比を15:57:28とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例54の素電池を得た。
《実施例55》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとNaIを用い、LiBrとLiIとNaIとのモル比を43:30:27とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例55の素電池を得た。
《実施例56》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてLiIとKClを用い、LiBrとLiIとKClとのモル比を17:66:17とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例56の素電池を得た。
《実施例57》
電解質層の作製において、第1の塩としてLiBrを用い、第2の塩としてKClとKIを用い、LiBrとKClとKIとのモル比を62:11:27とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、実施例57の素電池を得た。
《比較例1》
電解質層の作製において、LiClおよびKClのみを用い、LiClとKClとのモル比を59:41とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、比較例1の素電池を得た。
《比較例2》
電解質層の作製において、LiF、LiCl、およびLiBrを用い、LiFとLiClとLiBrとのモル比を21:23:56とした。前記以外、実施例1と同様の方法により、比較例2の素電池を得た。
上記実施例および比較例で用いられた電解質層に含まれる溶融塩を構成する塩の種類および各塩のモル比を表1および2にまとめる。
Figure 2010015890
Figure 2010015890
各実施例で用いた溶融塩の融点および500℃での導電率、ならびに340℃、425℃、および525℃での放電試験結果で得られた容量比率(525℃、0.5mA/cm2で放電したときの容量を100%とした)を、表3および4に示す。
Figure 2010015890
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実施例1〜57の素電池では、比較例1および2の素電池と比較して、いずれの温度においても、80%を超える高い容量比率が得られた。特に、340℃においては、本発明の溶融塩を含む素電池のみが、実用上必要かつ十分と考えられる高い放電特性を示した。
本発明の溶融塩の融点が200℃以上340℃以下であり、比較例1および2で用いられた溶融塩の融点よりも低い。よって、比較例1および2で用いられた溶融塩の融点よりも低い温度領域(例えば340℃)においても、電解質は、十分な溶融状態を維持することができる。さらに、本発明の溶融塩は、500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下であり、従来の溶融塩と同等以上の高い導電率を有する。
よって、本発明の溶融塩を用いることにより、従来に比べて低い温度領域(例えば340℃)でも、高い放電特性を有する素電池を提供することができると考えられる。
以下の実施例では、熱電池を作製した。熱電池の作製は、水分の影響を極力排除するために、露点−50℃以下の乾燥空気中で行った。
《実施例58》
本実施例では、実施例1の素電池を用いて、図1に示すような熱電池を作製した。
素電池と発熱剤とを交互に積み重ねて、発電部を構成した。このとき、素電池を13個用いた。発熱剤には、FeとKClO4との混合物を用いた。電池作動中の平均温度が325℃、425℃、または525℃となるように発熱剤の量を調整した。なお、本実施例では、電池の作動温度を、発熱剤の量を変えることにより調整したが、発熱剤中の各材料の配合比を変えることにより、電池の作動温度を調整することもできる。
発電部の上部に着火パッドを配し、その周囲を導火帯で覆った。着火パッドおよび導火帯には、Zr、BaCrO4、およびガラス繊維の混合物を用いた。
点火栓の点火剤には、硝酸カリウム、硫黄、および炭素の混合物を用いた。断熱材には、シリカとアルミナを主成分とするセラミック繊維材料を用いた。
上記発電部を外装ケースに収めた。電池蓋に設けられた正極端子および負極端子に、それぞれ正極リード板の一端および負極リード板の一端を溶接した。なお、正極リード板の他端は、発電部最上部の素電池の正極に接続しておいた。負極リード板の他端は、発電部最下部の素電池の負極に接続しておいた。
次いで、電池蓋を外装ケースに溶接することにより、電池を密閉した。こうして、実施例58の熱電池を得た。
《実施例59》
実施例1の素電池の代わりに実施例8の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例59の熱電池を得た。
《実施例60》
実施例1の素電池の代わりに実施例14の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例60の熱電池を得た。
《実施例61》
実施例1の素電池の代わりに実施例15の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例61の熱電池を得た。
《実施例62》
実施例1の素電池の代わりに実施例24の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例62の熱電池を得た。
《実施例63》
実施例1の素電池の代わりに実施例38の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例63の熱電池を得た。
《実施例64》
実施例1の素電池の代わりに実施例47の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例64の熱電池を得た。
《実施例65》
実施例1の素電池の代わりに実施例52の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例65の熱電池を得た。
《実施例66》
実施例1の素電池の代わりに実施例53の素電池を用いたこと以外、実施例58と同様の方法により、実施例66の熱電池を得た。
実施例58〜66の熱電池を、以下のような放電試験に供した。すなわち、点火端子に接続された電源より高電圧を印加し、点火栓を発火させ熱電池を活性化させた。この後、各熱電池を、2A/cm2の電流で、電池電圧が6.5Vに低下するまで放電した。その結果、素電池を複数個積層した熱電池においても、素電池と同様の容量が得られることが確かめられた。
上記と同様に、前記放電の電流値は、素電池の単位断面積(1cm2)あたりの電流値である。素電池の断面積とは、素電池の積層方向とは垂直であり、かつ素電池としての最大面積を与える面の面積のことをいう。
熱電池には、高電流での放電に加え、高電圧が要求される場合が多い。このため、一般的な熱電池は、図1に示すように、素電池と発熱剤とを交互に複数個積層した発電部を備える。熱電池の性能は、素電池の性能に大きく依存する。本発明の溶融塩を用いることにより、素電池の性能を向上させることができる。よって、本発明により、積層される素電池の数に関係無く、高性能の熱電池を提供することができる。
熱電池の作動温度を325℃または425℃とした場合は、従来の熱電池の作動温度(525℃)と比べて、作動温度が低いため、発熱剤の量を低減することができる。このため、熱電池を小型かつ軽量化することができる。
また、上記実施例では、電解質層の形状は径13mmの円板状としたが、電解質層の大きさおよび形状は特に限定されない。電解質層の形状は、例えば、中心部に穴の空いたドーナッツ状、半円状、四角形状であってもよい。
本発明によれば、融点が従来よりも低く、導電率は従来と同等以上の溶融塩、特に熱電池の電解質に適した溶融塩を提供することができる。よって、本発明により、例えば、従来よりも低温域で従来同等以上の温度特性と出力特性に優れ、かつ小型で軽量の熱電池を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る熱電池の一部を切り欠いて断面とした斜視図である。 本発明の一実施形態の熱電池に用いられる素電池の縦断面図である。
符号の説明
1 外装ケース
2 点火端子
3 点火栓
4 着火パッド
5 発熱剤
6 導火帯
7 素電池
8 負極リード板
9a、9b 断熱材
10a 正極端子
10b 負極端子
11 電池蓋
12 負極
13 正極
14 電解質
15 負極合剤層
16 集電体

Claims (43)

  1. 第1の塩と第2の塩とを少なくとも含む溶融塩であって、融点が200℃以上、340℃以下であり、500℃における導電率が1.4S/cm以上、2.3S/cm以下である、溶融塩。
  2. 前記第1の塩および前記第2の塩は、それぞれ無機カチオンおよび無機アニオンを含む、請求項1記載の溶融塩。
  3. 前記無機カチオンは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、およびセシウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、前記無機アニオンは、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硝酸イオンおよび炭酸イオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1または2記載の溶融塩。
  4. 前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含み、
    前記第2の塩が、Rb含有塩、Cs含有塩、Na含有塩、K含有塩、およびI含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の溶融塩。
  5. 前記Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項4記載の溶融塩。
  6. 前記第1の塩が、LiF、LiClおよびLiBrよりなる群から選ばれる2種の塩を含み、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩、前記Cs含有塩、および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項4または5記載の溶融塩。
  7. 前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる2種の塩を含み、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩および前記Cs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項6記載の溶融塩。
  8. 前記第1の塩が、LiFおよびLiClを含む、請求項7記載の溶融塩。
  9. 前記Rb含有塩は、RbBrである、請求項8記載の溶融塩。
  10. 前記Cs含有塩は、CsClである、請求項8記載の溶融塩。
  11. 前記第1の塩が、LiFおよびLiBrを含む、請求項7記載の溶融塩。
  12. 前記Rb含有塩は、RbClである、請求項11記載の溶融塩。
  13. 前記Cs含有塩は、CsBrである、請求項11記載の溶融塩。
  14. 前記第1の塩が、LiClおよびLiBrを含む、請求項7記載の溶融塩。
  15. 前記Rb含有塩は、RbClである、請求項14記載の溶融塩。
  16. 前記Cs含有塩は、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項14記載の溶融塩。
  17. 前記第1の塩が、LiFおよびLiBrであり、
    前記第2の塩が、前記Cs含有塩および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項6記載の溶融塩。
  18. 前記第2の塩が、CsIである、請求項17記載の溶融塩。
  19. 前記第2の塩が、KIである、請求項17記載の溶融塩。
  20. 前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩を含み、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩、前記Cs含有塩、前記Na含有塩、前記K含有塩、および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項4または5記載の溶融塩。
  21. 前記第1の塩が、LiClであり、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩、前記Cs含有塩、および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項20記載の溶融塩。
  22. 前記Rb含有塩は、RbF、RbCl、RbBrおよびRbIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記Cs含有塩は、CsF、CsCl、CsBrおよびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記I含有塩は、LiIである、請求項21記載の溶融塩。
  23. 前記第2の塩が、前記Rb含有塩および前記Cs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項21記載の溶融塩。
  24. 前記Rb含有塩は、RbClおよびRbBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項23記載の溶融塩。
  25. 前記Cs含有塩は、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項23記載の溶融塩。
  26. 前記第2の塩が、前記Rb含有塩および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項21記載の溶融塩。
  27. 前記Rb含有塩がRbClであり、前記I含有塩がKIである、請求項26記載の溶融塩。
  28. 前記第1の塩が、LiBrであり、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩、前記Cs含有塩、および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項20記載の溶融塩。
  29. 前記第2の塩が、前記Rb含有塩と前記I含有塩を含み、前記Rb含有塩がRbClであり、前記I含有塩がLiIである、請求項28記載の溶融塩。
  30. 前記第2の塩が、前記Cs含有塩と前記I含有塩を含み、前記Cs含有塩がCsClであり、前記I含有塩がLiIである、請求項28記載の溶融塩。
  31. 前記第1の塩が、LiBrであり、
    前記第2の塩が、前記Rb含有塩および前記Cs含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、前記Na含有塩および前記K含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、を含む、請求項20記載の溶融塩。
  32. 前記Rb含有塩は、RbClである、請求項31記載の溶融塩。
  33. 前記Cs含有塩は、CsF、CsClおよびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項31記載の溶融塩。
  34. 前記Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項31〜33のいずれかに記載の溶融塩。
  35. 前記第1の塩が、LiClまたはLiBrであり、
    前記第2の塩が、前記Na含有塩、前記K含有塩、および前記I含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項20記載の溶融塩。
  36. 前記第2の塩が、前記Na含有塩および前記K含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩と、前記I含有塩と、を含む、請求項35記載の溶融塩。
  37. 前記I含有塩は、LiI、NaI、およびKIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項36記載の溶融塩。
  38. 前記第2の塩が、前記Na含有塩および前記K含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項35記載の溶融塩。
  39. 前記第1の塩がLiClであり、
    前記Na含有塩はNaBrであり、前記K含有塩はKBrである、請求項38記載の溶融塩
  40. 前記第1の塩が、LiBrであり、
    前記Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であり、
    前記K含有塩は、KF、KClおよびKBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩である、請求項38記載の溶融塩。
  41. 前記溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムカチオンの量が、50モル%以上である、請求項1〜40のいずれかに記載の溶融塩。
  42. 正極、負極、および前記正極と前記負極との間に配された電解質を含む少なくとも1つの素電池を備える熱電池であって、
    前記電解質が、請求項1〜41のいずれかに記載の溶融塩を含む、熱電池。
  43. 前記正極および前記負極の少なくとも一方が、前記溶融塩をさらに含む、請求項42記載の熱電池。
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