JP5522927B2 - 熱電池用電極およびそれを含む熱電池 - Google Patents

熱電池用電極およびそれを含む熱電池 Download PDF

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Description

本発明は、溶融塩を含む熱電池に関し、特に熱電池に含まれる電極の改良に関する。
熱電池は、負極、正極、およびこれらの間に配置された電解質を含む素電池を複数個備える。この電解質は、高温で溶融する塩(すなわち溶融塩)を含む。
溶融塩は、一般的に、1種または2種類以上の塩を含み、溶融状態で利用される。近年では、常温でも溶融状態(すなわち液体状態)である塩類が提案され、常温溶融塩、イオン性液体などと称されている。
溶融塩からなる電解質は、常温では、イオン伝導性を有しないため、熱電池は不活性状態にある。一方、電解質が高温に加熱されると、電解質は溶融状態となり、良好なイオン伝導体となる。このため、熱電池は、高温で活性し、外部へ電気を供給することができる。
熱電池は、貯蔵型電池の一種であり、通常、電解質が溶融しない限り、電池反応は進行しない。このため、熱電池は、5〜10年またはそれ以上の期間貯蔵した後でも、製造直後と同じ電池特性を発揮することができる。また、熱電池では、高温下で電極反応が進行する。このため、水溶液電解液または有機電解液を用いる電池に比べて、電極反応が格段に速く進行する。従って、熱電池は優れた大電流放電特性を有する。さらに、熱電池は、加熱手段(発熱要素)によっても異なるが、使用時に電池に起動信号を送ると1秒以内の短時間で電力を取り出すことができる。このため、熱電池は、誘導機器のような各種防衛機器の電源、緊急用電源などとして好適に用いられている。
ところで、近年、熱電池を搭載する機器の高性能化に伴い、機器の消費電力も増大している。このため、熱電池のさらなる高出力化が求められている。
従来より、熱電池の高出力化のために、電極に溶融塩を添加することが試みられている。例えば、特許文献1には、大電流密度放電時の負極の利用率を向上させるために、リチウムアルミニウム合金とLiCl−KCl溶融塩とを含む負極を用いることが提案されている。特許文献2には、ハイレート放電時の正極の内部抵抗を低下させるために、正極に、LiCl−KCl溶融塩およびLiClを正極に添加することが提案されている。
特開平9−7594号公報 特開平2−299162号公報(特許第2751389号公報)
高出力化のためには、溶融塩のイオン伝導度(導電性)が高いことが求められる。上記のように、機器の最近の多機能化により、電源である熱電池のさらなる高出力化が求められている。しかしながら、特許文献1および2に開示されるLiCl−KCl溶融塩を、正極または負極含ませたとしても、従来よりも大きい電流で放電する場合には、熱電池のインピーダンスが大きくなり、放電容量が低下してしまう。
よって、特許文献1および2に開示される技術を用いたとしても、高出力機器用の電源に求められるハイレート放電特性を満足させるほどの十分なハイレート放電特性を得ることはできない。
さらに、実用化の面からは、溶融塩の融点についても考慮される必要がある。イオン伝導性が高くても、融点が現在用いられている溶融塩の融点よりも高い溶融塩の場合には、電池内に配される発熱要素として特殊な材料を用いる必要がある。さらには、熱電池の作動温度域も限定される。つまり、溶融塩の融点が高い場合、デメリットが大きい。
例えば、現在広く用いられているLiCl−KCl溶融塩(融点350℃)に比べ、用いる溶融塩の融点が高い場合、熱電池の内部設定温度を、従来の500℃程度よりも、かなり高く設定する必要がある。正極材料として、例えば、600℃付近で熱分解し始めるFeS2を用いた場合、熱電池の内部設定温度を500℃よりもかなり高くすると、正極材料が劣化する可能性がある。
さらに、熱電池は、−50℃の環境下においても、放電可能であることが要求されることが多い。このような低温環境の温度は、常温(約20℃)と比較して、70℃程度低い。よって、熱電池の作動温度を常温環境下で通常の500℃に設定した場合、−50℃のような低温環境下においては、熱電池の内部温度は、430℃程度になると考えられる。溶融塩の融点がLiCl−KCl溶融塩の融点より十分に高い場合、熱電池の内部温度が430℃程度まで低下すると、前記溶融塩の温度も、その凝固点領域に達する。その結果、熱電池は、放電容量が非常に少ないか、または放電できなくなる。
そこで、本発明は、低温環境下でも用いることができる、出力特性(高出力放電特性)が向上した高容量の熱電池を提供することを目的とする。
本発明の熱電池用電極は、活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備える。前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、前記溶融塩の融点は、350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率は2.2S/cm以上である。
本発明の第1実施形態において、第1の塩は、LiFおよびLiClを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBrおよびRbClよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
本発明の第2実施形態において、第1の塩は、LiFおよびLiBrを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
3実施形態において、第1の塩は、LiClおよびLiBrを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
本発明の第4実施形態において、第1の塩は、LiBrを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
本発明の第5実施形態において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選択される2種の塩と、LiIとを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
本実施形態において、第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiIを含む場合、第2の塩は、少なくともNa含有塩を含むことが好ましい。Na含有塩は、NaBrを含むことが好ましい。
本実施形態において、第1の塩が、LiF、LiBr、およびLiIを含む場合、第2の塩は、少なくともNa含有塩を含むことが好ましい。Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。
本実施形態において、第1の塩が、LiCl、LiBr、およびLiIを含む場合、第2の塩は、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。Na含有塩は、NaFおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。K含有塩は、KFを含むことが好ましい。
本発明の第6実施形態において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩と、LiIとを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
本実施形態において、第1の塩が、LiBrおよびLiIを含む場合、第2の塩は、少なくともCs含有塩を含むことが好ましい。Cs含有塩は、CsFを含むことが好ましい。
本発明の第7実施形態において、第1の塩は、LiBrを含み、第2の塩は、少なくともNaClを含み、かつ第1の塩および第2の塩の少なくとも一方が、少なくとも1種類のI含有塩を含む。I含有塩は、KIを含むことが好ましい。
前記溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムカチオンの量は、50モル%以上であることが好ましい。
前記溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるフッ素アニオンの量は、20モル%以下であることが好ましい
前記溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるヨウ素アニオンの量は、20モル%以下であることが好ましい。
前記電極が正極である場合、前記溶融塩の量は、活物質層の5〜30重量%であることが好ましい。
前記電極が負極である場合、前記溶融塩の量は、活物質層の20〜50重量%であることが好ましい。
また、本発明は、正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極、および前記正極と前記負極との間に配された電解質を含む少なくとも1つの素電池を備える熱電池であって、前記正極が上記電極であり、および/または前記負極が上記電極である、熱電池に関する。
前記正極活物質は、FeS2、CoS2、TiS2、MnO2、およびV25よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記負極活物質は、LiとAlを含む合金、LiとSiを含む合金、およびLiとBを含む合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
本発明においては、イオン伝導性の尺度となる導電率が、500℃において2.2S/cm以上と従来よりも高く、融点が350℃以上430℃以下と従来と同程度または従来よりも低い溶融塩を、正極および負極の少なくとも一方の電極に添加している。イオン伝導性が高い溶融塩が電極に含まれているため、熱電池の出力特性を向上させることができる。
電極に含まれる溶融塩のイオン伝導性が高いため、前記溶融塩を少量添加すれば、熱電池の出力特性を向上させることができる。このため、電極に占める活物質の重量割合を大きくできるために、熱電池の放電容量を大きくすることができる。
さらには、用いる溶融塩の融点は、従来と同程度または従来よりも低いため、本発明の熱電池は、低温環境下でも十分に用いることができる。
本発明の熱電池用電極は、活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備える。前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、かつ融点が350℃以上430℃以下であり、500℃における導電率が2.2S/cm以上である。また、本発明の熱電池は、正極および負極を含み、正極および負極の少なくとも一方の電極が、前記熱電池用電極である。なお、熱電池の作動温度は、電極に含まれる溶融塩の融点よりも高い。
以下、本発明の熱電池の一例を、図1を参照しながら説明する。
図1の熱電池は、発電部と、前記発電部を備える外装ケース1を有する。外装ケース1は金属製であってもよいし、耐熱樹脂製であってもよい。発電部は、複数の素電池7と、複数の発熱剤5を含み、素電池7と発熱剤5とは、交互に積層されている。発電部の最上部には、着火パッド4が配され、着火パッド4の上部に近接して点火栓3が設置されている。発電部の周囲には導火帯6が配されている。発熱剤5は鉄粉を含み、導電性を有するため、素電池7は発熱剤5を介して電気的に直列に接続される。発熱剤5は、例えば、FeとKClO4の混合物からなる。電池の活性化時には発熱剤5の燃焼にともないFe粉が焼結するため、放電初期(燃焼初期)から放電末期(燃焼末期)まで、発熱剤5の導電性は維持される。
外装ケース1は、電池蓋11により封口されている。電池蓋11は、一対の点火端子2、ならびに正極端子10aおよび負極端子10bを備える。正極端子10aは、正極リード板を介して発電部最上部の素電池7の正極に接続されている。負極端子10bは、負極リード板8を介して発電部最下部の素電池7の負極に接続されている。電池蓋11と着火パッド4との間には、断熱材9aが配され、外装ケース1と発電部との間には、断熱材9bが配されている。
素電池7は、図2に示すように、負極12、正極13、および負極12と正極13との間に配される電解質層14を含む。
負極12は、図2に示すように、負極活物質を含む負極活物質層15、および負極活物質層15を収容するカップ状の金属ケース16を含む。金属ケース16の構成材料としては、例えば、鉄、ステンレス鋼などを用いることができる。
負極活物質は、熱電池に使用可能な材料を、特に限定することなく用いることができる。負極活物質には、例えば、リチウム金属、Li−Al、Li−Si、またはLi−Bなどのリチウム合金が用いられる。例えば、負極活物質は、LiとAlを含む合金、LiとSiを含む合金、およびLiとBを含む合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことができる。
正極13は、正極活物質を含む正極活物質層を含む。正極活物質は、熱電池で使用可能な材料を、何でもよく特に制限することなく用いることができる。正極活物質には、例えば、MnO2などのマンガン酸化物、V25などのバナジウム酸化物、FeS2などの硫化物、モリブデン酸化物、またはリチウム含有酸化物を用いることができる。例えば、正極活物質は、FeO2、CoS2、TiS2、MnO2、およびV25よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことができる。
電解質層14は、例えば、溶融塩と、保持材との混合物を含む。電解質層14に含まれる溶融塩は特に限定されない。例えば、上記電極に含まれる溶融塩を含んでいてもよいし、従来から電解質層に用いられている溶融塩を含んでいてもよい。なお、前記溶融塩は、熱電池の作動温度では溶融状態にある。保持材としては、例えば、MgO等の非導電性無機材料が用いられる。
本発明においては、上記のように、正極および負極の少なくとも一方の電極(つまり、活物質層)が、融点が350℃以上400℃以下であり、500℃における導電率が2.2S/cm以上である溶融塩を含む。本発明で用いる溶融塩の500℃における導電率は2.2S/cm以上であり、熱電池の正極または負極に従来添加されていたLiCl−KCl溶融塩(500℃における導電率1.87S/cm)よりも高い。よって、本発明により、熱電池の出力特性を顕著に向上させることができる。
電極に含まれる溶融塩のイオン伝導性が高いため、前記溶融塩を少量添加すれば、熱電池の出力特性を向上させることができる。つまり、電極に占める活物質の重量割合を大きくできる。よって、熱電池の放電容量を大きくすることができる。
さらには、前記溶融塩の融点は350〜430℃であり、前記LiCl−KCl溶融塩の融点(350℃)と比べて、同等か、多少高い程度である。よって、本発明の熱電池は、低温環境下でも十分に用いることができる。
正極に前記溶融塩が含まれる場合、前記溶融塩の量は、正極活物質層の5〜30重量%であることが好ましい。溶融塩の量が、5重量%よりも少なくなると、イオン伝導性を向上させる効果が低下する。溶融塩の量が30重量%よりも多くなると、正極中に含まれる正極活物質の量が相対的に減少するため、容量が低下する。また、熱電池は、作動時に、電解質層に含まれる溶融塩の融点以上に加熱される。正極に含まれる溶融塩の量が多いと、熱電池の作動時に、正極がその形状を維持できないことがある。
負極に前記溶融塩が含まれる場合、前記溶融塩の量は、負極活物質層の20〜50重量%であることが好ましい。溶融塩の量が、20重量%よりも少なくなると、イオン伝導性を向上させる効果が低下する。溶融塩の量が50重量%よりも多くなると、負極中に含まれる活物質の量が相対的に減少するため、容量が低下する。また、正極の場合と同様に、熱電池の作動時に、負極がその形状を維持できないことがある。
なお、正極および負極(負極合剤層)の両方に上記溶融塩が含まれる場合、正極に含まれる溶融塩と、負極に含まれる溶融塩とは、同じであってもよいし、異なってもよい。
融点と導電率をコントロールするという観点から、本発明で用いられる溶融塩は、第1の塩と第2の塩を少なくとも含む。つまり、前記溶融塩は混合塩を含む。前記溶融塩の融点および導電率は、例えば、添加される塩の種類、添加される塩のモル比等を適宜変更することにより、制御することができる。溶融塩が、2元系、3元系、4元系、5元系などの複数の塩の混合物を含む場合でも、上記の融点と導電率を有すれば、同様の効果が得られる。
前記溶融塩に含まれる第1の塩および第2の塩は、それぞれ無機カチオンおよび無機アニオンを含むことが好ましい。前記無機カチオンは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、およびセシウムカチオンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。前記無機アニオンは、フッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオン、ヨウ素アニオン、硝酸アニオン、および炭酸アニオンよりなる群より選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
前記溶融塩において、少なくとも2種類の塩のうち、少なくとも1つの塩はリチウムカチオンを含み、残りの塩は、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、ルビジウムカチオン、およびセシウムカチオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
出力特性をさらに向上させるために、電極に含まれる溶融塩は、十分なイオン伝導性を有することが好ましい。そのためには、溶融塩は、充放電を担うイオンイオン種を一定量以上含むことが好ましい。例えば、充放電反応を担うイオンとしてリチウムイオンが用いられる熱電池において、溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムイオンの量は、50モル%以上であることが好ましい。リチウムイオンの量は、80モル%以上であることがさらに好ましい。
また、溶融塩を構成する元素、または溶融塩に含まれる官能基を形成する原子団の種類、ならびにその含有量によっては、溶融塩が化学的に不安定な状態となるか、または作業環境などに影響を与える場合もある。
例えば、溶融塩がフッ素アニオンを含む場合、溶融塩を取り扱う上で作業環境中の水分を管理および低減している場合でも、フッ素は水分との反応性が本質的に高いため、有毒なフッ化水素などを発生する可能性がある。このため、溶融塩がフッ素アニオンを含むことにより、作業中の周囲環境に影響を及ぼしたり、電池内部の部品を腐食したりする可能性がある。このような悪影響を回避するために、溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるフッ素アニオンの量は、20モル%以下であることが好ましい。フッ素アニオンの量は、18モル%以下であることがさらに好ましい。
さらに、ヨウ素は、水分と反応性が高いことに加え、酸素とも反応することが、発明者による実験などから分かっている。よって、溶融塩にヨウ素が含まれる場合、ヨウ素が作業環境中の水分または酸素と反応することにより、溶融塩の組成が変化する可能性がある。
このような反応を回避するためには、従来から行われている作業雰囲気または電池内雰囲気中の水分量の管理に加え、さらに前記雰囲気から酸素ガスをできる限り排除する必要がある。しかしながら、種々の検討の結果、溶融塩に含まれるヨウ素アニオンの量が20モル%以下であれば、実用上問題がない。ヨウ素アニオンの量は、10モル%以下であることがさらに好ましい。
このように、溶融塩に含まれる所定のイオン種の量をさらに限定することにより、より化学的に安定で、優れた性能の有する溶融塩を得ることができる。
溶融塩に含まれるリチウムカチオン(またはリチウム原子)、フッ素アニオン(またはフッ素原子)、およびヨウ素アニオン(またはヨウ素原子)の量は、溶融塩に含まれる塩のモル比から計算することができる。
または、例えば、蛍光X線分析法と他の分析方法(例えば、ICP発光分析法、原子吸光分析法、イオンクロマトグラフィー法、滴定法等)とを組み合わせて用いることにより、溶融塩に含まれるリチウムカチオン(またはリチウム原子)、フッ素アニオン(またはフッ素原子)、およびヨウ素アニオン(またはヨウ素原子)などの量を測定することができる。なお、このような方法によれば、溶融塩に含まれる塩の種類およびその組成比を求めることもできる。
なお、前記溶融塩の組成は、上記のような融点および導電率が得られれば、特に限定されない。例えば、融点降下の効果が最も大きいため、前記溶融塩の組成は、共晶を与える組成とすることができる。
以下、本発明で用いられる溶融塩を具体的に説明する。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、RbCl、RbBr、CsF、CsCl、およびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiF−LiCl−LiBr−NaF、LiF−LiCl−LiBr−NaF−KCl、LiF−LiCl−LiBr−NaCl、LiF−LiCl−LiBr−NaCl−KBr、LiF−LiCl−LiBr−NaBr、LiF−LiCl−LiBr−NaBr―KCl、LiF−LiCl−LiBr−KF、LiF−LiCl−LiBr−KF−NaF、LiF−LiCl−LiBr−KCl、LiF−LiCl−LiBr−KCl−KBr、およびLiF−LiCl−LiBr−KBrが挙げられる。これらのなかでも、第2の塩の含有量が30モル%以下である溶融塩が、特に好ましい。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる2種の塩を含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、RbCl、RbBr、CsF、CsCl、およびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
第1の塩が、LiFおよびLiClを含む場合、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBrおよびRbClよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい(第1実施形態)。なかでも、第2の塩は、NaBrおよびKFの少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiF−LiCl−NaBr、およびLiF−LiCl−KFなどが挙げられる。
第1の塩が、LiFおよびLiBrを含む場合、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことも好ましい(第2実施形態)。なかでも、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBrなどのNa含有塩を含むことがさらに好ましい。この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiF−LiBr−NaF、LiF−LiBr−NaF−NaCl、LiF−LiBr−NaF−KCl、LiF−LiBr−NaCl、およびLiF−LiBr−NaCl−KClなどが挙げられる。
第1の塩が、LiClおよびLiBrを含む場合、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことも好ましい(第3実施形態)。なかでも、第2の塩は、Na含有塩およびKFの少なくとも1種を含むことがさらに好ましい。Na含有塩としては、NaF、NaCl、NaBrなどを用いることができる。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiCl−LiBr−NaF、LiCl−LiBr−NaF−NaCl、LiCl−LiBr−NaCl−KF、LiCl−LiBr−NaBr、LiCl−LiBr−KF、およびLiCl−LiBr−KF−KClなどが挙げられる。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩を含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、RbCl、RbBr、CsF、CsCl、およびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む。
1の塩が、LiClを含む場合、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiCl−NaBr−KF、LiCl−NaBr−CsFなどが挙げられる。
第1の塩が、LiBrを含む場合、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい(第4実施形態)。なかでも、第2の塩は、KFを含むことがさらに好ましい。この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiBr−KF−NaCl、LiBr−KF−NaBrなどが挙げられる。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、CsIおよびLiIよりなる群から選ばれ、かつLiIを含む少なくとも1種の塩を含む。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiFLiClLiBr−LiIなどが挙げられる。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選択される2種の塩と、LiIとを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む(第5実施形態)
1の塩が、LiF、LiCl、およびLiIを含む場合、第2の塩は、少なくともNa含有塩を含むことが好ましい。前記Na含有塩は、NaBrであることがさらに好ましい。この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiFLiClLiI−NaBrなどが挙げられる。
第1の塩が、LiF、LiBr、およびLiIを含む場合、第2の塩は、少なくともNa含有塩を含むことも好ましい。前記Na含有塩は、NaF、NaCl、およびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることがさらに好ましい。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiF−LiBr−LiI−NaF、LiF−LiBr−LiI−NaCl、LiF−LiBr−LiI−NaBrなどが挙げられる。
第1の塩が、LiCl、LiBr、およびLiIを含む場合、第2の塩は、Na含有塩、およびK含有塩から選ばれる少なくとも1種の塩を含むことが好ましい。前記Na含有
塩は、NaFおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩であることがさらに好ましい。前記K含有塩は、KFであることがさらに好ましい。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiCl−LiBr−LiI−NaF、およびLiCl−LiBr−LiI−KFなどが挙げられる。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩と、LiIとを含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む(第6実施形態)
1の塩が、LiBrとLiIとを含む場合、第2の塩は、少なくともCs含有塩を含むことが好ましい。前記Cs含有塩は、CsFを含むことがさらに好ましい。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiBr−LiI−CsFなどが挙げられる。
電池に含まれる溶融塩において、第1の塩は、LiF、LiCl、LiBr、およびLiIよりなる群から選ばれる1種の塩を含み、第2の塩は、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含み、かつ第1の塩および第2の塩の少なくとも一方が、少なくとも1種類のI含有塩を含む。前記I含有塩は、KIを含むことが好ましい。
第1の塩が、LiBrを含む場合、第2の塩は、少なくともNa含有塩を含むとともに、かつ第1の塩および第2の塩の少なくとも一方が、少なくとも1種類のI含有塩を含むことが好ましい(第7実施形態)。前記Na含有塩は、NaClを含むことがさらに好ましい。また、この場合にも、I含有塩は、KIを含むことが好ましい。
この場合、好ましい塩の組み合わせとしては、例えば、LiBr−KI−NaClなどが挙げられる。
実施形態に示される溶融塩において、前記溶融塩中にヨウ素アニオンが含まれる場合、アニオンの総量に占めるヨウ素の含有量が、20モル%以下であることが好ましく、10モル%以下であることが特に好ましい。
上記溶融塩のなかでも、イオン伝導度と融点のバランスが優れているため、以下の溶融塩が好ましい。
(i)第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrを含み、第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBr、RbF、RbCl、RbBr、CsF、CsCl、およびCsBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、溶融塩。
(ii)第1の塩が、LiFおよびLiClを含み、第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBrおよびRbClよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、溶融塩。
(iii)第1の塩が、LiFおよびLiBrを含み、第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、溶融塩。
(iv)第1の塩が、LiClおよびLiBrを含み、第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、溶融塩。
次に、本発明の熱電池の動作を以下に説明する。
点火端子2に接続された電源により、点火端子2に高電圧が印加されると、点火栓3が発火する。これにより、着火パッド4および導火帯6が燃焼し、ついで、発熱剤5が燃焼して、素電池7が加熱される。そして、素電池7に配された電解質層14が溶融状態となり、前記電解質がイオン伝導体となる。このようにして、電池が活性化し、放電が可能となる。
なお、上記では電池内部に点火栓を備え、電池内部より発電部を加熱して電池を活性化する内部加熱方式の熱電池について説明したが、本発明は、電池内部に点火栓を備えずに、バーナ等により電池外部から発電部を加熱して電池を活性化する外部加熱方式の熱電池にも適用することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
溶融塩の組成、溶融塩の融点、および溶融塩の導電性は、以下のようにして求めた。
(1)溶融塩の組成の決定
溶融塩の組成の詳細な決定は、主にCALPHAD(Calculation of Phase Diagram and Thermodynamics)法と呼ばれる、熱力学的データを用いて計算科学的に平衡状態図を作成する手法を利用した。CALPHAD法は、例えばL.KaufmanおよびH.Bernsteinによる著書 "Computer Calculation of Phase Diagrams with Special Reference to Refractory Metals", Academic Press, New York, (1970) などに説明されている。CALPHAD法では、平衡状態の判定などに非常に複雑な計算を実行する必要があるが、現在では、一般的なコンピューターで作動するThermo-Calc(Thermo-Calc Sotware AB社)、FACTSAGE(GTT Technologies GmbH社)などの商用のソフトウエアが存在する。本実施例においては、FACT SAGEを用いた。
この手法により、未知組成であっても、溶融塩を構成している塩の個々の熱力学的データから、任意の温度での状態図を作成できる。よって、種々の温度で作成された、2種類以上の塩からなる混合塩の状態図から、混合塩が溶融状態から凝固状態に変化する共晶点を求めることができる。つまり、混合塩の共晶組成とそのときの温度(融点)を決定することができる。
(2)溶融塩の融点の測定
溶融塩(混合塩)の融点を、以下のようにして得た。
第1の方法においては、上記CALPHAD法により得た状態図を利用した。具体的には、種々の温度での状態図を作成し、得られた状態図から、共晶点の温度とその組成を確認して、溶融塩の融点を決定した。
第2の方法においては、溶融塩の融点を実験的に測定した。溶融塩の融点は、例えば、示差熱分析DTA(Differntial Thermal Analysis)、示差走査熱量分析DSC(Differential Scanning Calorimetry)などによって求めることができる。今回は、熱変化による重量変化と共晶点における吸熱を測定できる重量熱重量分析TG(Thermo gravimetry)−示差熱分析DTA(Differntial Thermal Analysis)分析装置を用い、溶融塩の融点を測定した。
(3)導電率の測定
溶融塩の電気伝導度(導電率)を実験的に測定した。導電率の測定は、東北大学の佐藤ら(例えば、「溶融NaF−AlF3系の密度および電気伝導度」佐藤譲ら、日本金属学会誌 第41巻 第12号(1977))などによって紹介されている方法を参考にして行った。具体的には、石英のボディと白金電極で構成された伝導度セルを作製する。交流インピーダンス法によって予め電気伝導度の値が既知のKCl水溶液またはLiCl−KCl溶融塩を測定し、伝導度セルのセル定数を決定する。セル定数を求めた伝導度セルを用いて、任意の温度、例えば、熱電池の標準的な内部温度と考えられる500℃での、溶融塩の抵抗値を測定する。得られた抵抗値を用いて、溶融塩の導電率を得ることができる。この方法により、任意温度での溶融塩の導電率を正確に測定することができる。
以上のように、手法(1)を用いて、未知組成の溶融塩の状態図を得ることができ、その状態図から、溶融塩の共晶点(融点)とそのときの組成を決定することができる。手法(2)により、溶融塩の融点を実験的に測定することができる(第2の方法)。さらに、手法(3)により、溶融塩の導電率を得ることができる。
以下に、本発明で用いることができる溶融塩を示す。
表1に、溶融塩に含まれる塩の種類および塩の混合比を表1に示す。表2には、溶融塩の融点および500℃での導電率を示す。なお、溶融塩の融点は、TG−DTA分析によって得た。また、表1には、溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるLiイオンの割合、ならびに溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるFイオンの割合およびIイオンの割合も示す。
Figure 0005522927
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上記のように、表2には、TG−DTA分析によって得られた溶融塩の融点を記載している。所定の溶融塩の融点に関し、TG−DTA分析によって得られた値と、CALPHAD法による状態図から得られた値と比較をしたところ、両者による差は、最大でも数℃以内であった。よって、CALPHAD法による状態図から得られた融点と、TG−DTA分析によって得られた融点との差は、数℃以内であると考えられる。
なお、実験により求めた融点または凝固点は、測定サンプルの結晶化の状態、測定装置の校正状態などにも影響される可能性がある。つまり、実験により融点を求めた場合、測定誤差が生じる可能性がある。一方、十分に検証された熱力学的データに基づいたCALPHAD法により求めた融点は、サンプルの状態、測定装置等の影響を受けない。よって、測定誤差を考慮すれば、計算によって求めた融点も、十分実用的であると考えられる。
以下の表3〜12に、本発明で用いられる別の溶融塩に含まれる塩の種類、塩の混合比、融点および500℃での導電率を示す。また、溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるLiイオンの割合、ならびに溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるFイオンの割合およびIイオンの割合も示す。
なお、以下の溶融塩の融点には、CALPHAD法で得られる状態図から求められた融点を主に利用した。
Figure 0005522927
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実施例1では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩13を用い、溶融塩13の量を変化させた。
《実施例1》
(電池1)
以下の手順で、図2に示す素電池を作製した。なお、正極、電解質層、負極、および素電池の作製は、水分の影響を極力排除するため、基本的に、全て露点−50℃以下の乾燥空気中で行った。
(1)電解質層の作製
フッ化リチウム(LiF)、塩化リチウム(LiCl)、臭化リチウム(LiBr)、およびフッ化ナトリウム(NaF)を用いた。これらの塩は、真空環境下、200℃で48時間乾燥した。
乾燥後、内部を露点が管理されたアルゴン雰囲気としているグローブボックス内にて、LiFとLiClとLiBrとNaFとを、7:23:60:10のモル比で混合した。得られた混合物を、適量、高純度アルミナのルツボに移し、前記ルツボを溶融炉に入れた。溶融炉の内部は、露点が管理されたアルゴン雰囲気とした。前記混合物を、溶融炉にて加熱溶融し、LiFとLiClとLiBrとNaFとの溶融塩を得た。
得られた溶融塩を、自然冷却した。この後、溶融塩を、露点が管理されたアルゴン雰囲気下で、ステンレス鋼製のボールを用いるボールミルを用いて約12時間粉砕し、粉末化した。得られた溶融塩の粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いにて分級した。
なお、以下においても、正極、負極および電解質層に含まれる溶融塩は、基本的に、このようにして作製した。
得られた溶融塩の粉末と、酸化マグネシウム(MgO)とを、60:40の重量比で混合した。得られた混合物を、溶解炉にて500℃で12時間加熱して、混合塩をMgOに十分なじませた。加熱後、前記混合物を自然冷却した。
次いで、前記混合物を、露点が管理されたアルゴン雰囲気下で、ステンレス鋼製のボールを用いるボールミルを用いて、約12時間粉砕した。得られた粉末を60メッシュ(目開き250μm)の篩いにて分級した。得られた混合粉末を3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.5mmの円板状の電解質層を得た。
(2)正極の作製
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩13の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、89:1:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(3)負極の作製
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、上記溶融塩23の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
次に、負極合剤層3をステンレス鋼(SUS304)製のカップ状の金属ケースに入れ、金属ケースの開口端部を内方に折り曲げて、負極合剤層3の周縁部をかしめて、負極合剤層を金属ケース内に固定した。このようにして、直径13mm、厚さ約0.5mmの円板状の負極を得た。
このようにして得られた正極、電解質層および負極を用いて、図2に示されるような素電池を得た。得られた素電池を、電池1とした。
(電池2)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩13の粉末と、シリカ粉末との重量比を、85:5:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池2を作製した。
(電池3)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩13の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池3を作製した。
(電池4)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩13の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池4を作製した。
(電池5)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩13の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池5を作製した。
(電池6)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩13の粉末と、シリカ粉末との重量比を、50:40:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池6を作製した。
[評価]
《素電池のDC−IRの測定》
電池1〜6の出力特性を評価した。具体的には、出力特性の尺度である高率放電時における直流抵抗成分(DC−IR)を、以下のようにして求めた。
作製した素電池を、温度の制御が可能な2枚の板で挟み、所定の温度まで加熱し、無付加な状態の電圧Vopenを測定する。
次に、素電池を、1.0A・cm-2に相当する電流で放電させる。前記1.0A・cm-2の電流密度は、熱電池の高率放電時の一般的な電流密度である。
素電池を放電させると、その電圧が、無付加な状態の電圧Vopenから降下する。この降下した電圧分がその電流時における反応抵抗であると考えられ、直流抵抗成分DC−IR(Direct Current Inner Resistance)と呼ばれる。具体的には、オームの法則により、無付加な状態での電圧Vopenと、電流値I(A)で放電したときの電圧、例えば直径13mmの素電池を電流密度1.0A・cm-2に相当する電流値1.33Aで放電した時の放電電圧V1.0とから、DC−IR(Ω)は、(電圧降下分ΔV)÷1.33=(Vopen−V1.0)÷1.33で表される。
DC−IRの測定は、500℃および430℃で行った。常温環境下における熱電池作動時の電池内部の標準的な温度が500℃である。−50℃の環境温度下における電池内部の温度を想定した温度が430℃である。430℃におけるDC−IRの測定は、一般的に放電反応が低下する低温での電池性能を評価するために行った。
結果を表13に示す。
《実施例2》
実施例2では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩23を用い、溶融塩23の種類を変化させた。本実施例では、電解質層および負極は、実施例1と同じとした。
(電池7)
以下のようにして作製した正極を用いたこと以外、電池1を同様にして、電池7を作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩23の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(電池8)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩23の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池8を作製した。
(電池9)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩23の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池9を作製した。
(電池10)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩23の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池10を作製した。
電池7〜10のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表13に示す。
《実施例3》
実施例3では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩26を用い、溶融塩26の量を変化させた。本実施例では、電解質層および負極は、実施例1と同じとした。
(電池11)
以下のようにして作製した正極を用いたこと以外、電池1を同様にして、電池11を作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩26の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(電池12)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩26の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池12を作製した。
(電池13)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩26の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池13を作製した。
(電池14)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩26の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池1と同様にして、電池14を作製した。
電池11〜14のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表13に示す。
Figure 0005522927
《実施例4》
実施例4では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩81を用い、溶融塩81の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池15)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩81の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩84の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池15を得た。
(電池16)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩81の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池15と同様にして、電池16を作製した。
(電池17)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩81の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池15と同様にして、電池17を作製した。
(電池18)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩81の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池15と同様にして、電池18を作製した。
電池15〜18のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表14に示す。
《実施例5》
実施例5では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩87を用い、溶融塩87の量を変化させた。本実施例では、電解質層および負極は、実施例4と同じとした。
(電池19)
以下のようにして作製した正極を用いたこと以外、電池15と同様にして、電池18を作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩87の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(電池20)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩87の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池19と同様にして、電池20を作製した。
(電池21)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩87の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池19と同様にして、電池21を作製した。
(電池22)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩87の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池19と同様にして、電池22を作製した。
電池19〜22のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表14に示す。
Figure 0005522927
《実施例6》
実施例6では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩93を用い、溶融塩93の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池23)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩93の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩89の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池23を得た。
(電池24)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩93の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池23と同様にして、電池24を作製した。
(電池25)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩93の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池23と同様にして、電池25を作製した。
(電池26)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩93の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池23と同様にして、電池26を作製した。
電池23〜26のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表15に示す。
《実施例7》
実施例7では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩95を用い、溶融塩95の量を変化させた。本実施例では、電解質層および負極は、実施例6と同じとした。
(電池27)
以下のようにして作製した正極を用いたこと以外、電池23と同様にして、電池27を作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩95の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(電池28)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩95の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池27と同様にして、電池28を作製した。
(電池29)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩95の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池27と同様にして、電池29を作製した。
(電池30)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩95の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池27と同様にして、電池30を作製した。
電池27〜30のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表15に示す。
Figure 0005522927
《実施例8》
実施例8では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩108を用い、溶融塩108の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池31)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩108の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径20μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩107の粉末(平均粒径25μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池31を得た。
(電池32)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩108の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池31と同様にして、電池32を作製した。
(電池33)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩108の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池31と同様にして、電池33を作製した。
(電池34)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩108の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池31と同様にして、電池34を作製した。
電池31〜34のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表16に示す。
《実施例9》
実施例9では、正極に添加する溶融塩として上記溶融塩111を用い、溶融塩111の量を変化させた。本実施例では、電解質層および負極は、実施例8と同じとした。
(電池35)
以下のようにして作製した正極を用いたこと以外、電池31と同様にして、電池35を作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩111の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、85:5:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
(電池36)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩111の粉末と、シリカ粉末との重量比を、80:10:10としたこと以外、電池35と同様にして、電池36を作製した。
(電池37)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩111の粉末と、シリカ粉末との重量比を、70:20:10としたこと以外、電池35と同様にして、電池37を作製した。
(電池38)
正極を作製するときに、正極活物質粉末と、溶融塩111の粉末と、シリカ粉末との重量比を、60:30:10としたこと以外、電池35と同様にして、電池38を作製した。
電池35〜38のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表16に示す。
Figure 0005522927
《実施例10》
実施例10では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩13を用い、溶融塩13の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池39)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩23の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩13の粉末(平均粒径20μm)とを、90:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池39を得た。
(電池40)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩13の粉末との重量比を、80:20としたこと以外、電池39と同様にして、電池40を作製した。
(電池41)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩13の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池39と同様にして、電池41を作製した。
(電池42)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩13の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池39と同様にして、電池42を作製した。
(電池43)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩13の粉末との重量比を、40:60としたこと以外、電池39と同様にして、電池43を作製した。
電池39〜43のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表17に示す。
《実施例11》
実施例11では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩23を用い、溶融塩23の量を変化させた。本実施例では、電解質層および正極は、実施例10と同じとした。
(電池44)
以下のようにして作製した負極を用いたこと以外、電池39と同様にして、電池44を作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩23の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
(電池45)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩23の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池44と同様にして、電池45を作製した。
(電池46)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩23の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池44と同様にして、電池46を作製した。
電池44〜46のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表17に示す。
《実施例12》
実施例12では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩26を用い、溶融塩26の量を変化させた。本実施例では、電解質層および正極は、実施例10と同じとした。
(電池47)
以下のようにして作製した負極を用いたこと以外、電池39と同様にして、電池47を作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩26の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
(電池48)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩26の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池47と同様にして、電池48を作製した。
(電池49)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩26の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池47と同様にして、電池49を作製した。
電池47〜49のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表17に示す。
Figure 0005522927
《実施例13》
実施例13では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩81を用い、溶融塩81の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池50)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩84の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩81の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池50を得た。
(電池51)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩81の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池50と同様にして、電池51を作製した。
(電池52)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩81の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池50と同様にして、電池52を作製した。
電池50〜52のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表18に示す。
《実施例14》
実施例14では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩87を用い、溶融塩87の量を変化させた。本実施例では、電解質層および正極は、実施例13と同じとした。
(電池53)
以下のようにして作製した負極を用いたこと以外、電池50と同様にして、電池53を作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩87の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
(電池54)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩87の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池53と同様にして、電池54を作製した。
(電池55)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩87の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池53と同様にして、電池55を作製した。
電池53〜55のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表18に示す。
Figure 0005522927
《実施例15》
実施例15では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩93を用い、溶融塩93の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池56)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩89の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩93の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池56を得た。
(電池57)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩93の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池56と同様にして、電池57を作製した。
(電池58)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩93の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池56と同様にして、電池58を作製した。
電池56〜58のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表19に示す。
《実施例16》
実施例16では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩95を用い、溶融塩95の量を変化させた。本実施例では、電解質層および正極は、実施例15と同じとした。
(電池59)
以下のようにして作製した負極を用いたこと以外、電池56と同様にして、電池59を作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩95の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
(電池60)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩95の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池59と同様にして、電池60を作製した。
(電池61)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩95の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池59と同様にして、電池61を作製した。
電池59〜61のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表19に示す。
Figure 0005522927
《実施例17》
実施例17では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩108を用い、溶融塩108の量を変化させた。本実施例では、電解質層は、実施例1と同じとした。
(電池62)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩107の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩108の粉末(平均粒径20μm)とを80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池62を得た。
(電池63)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩108の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池62と同様にして、電池63を作製した。
(電池64)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩108の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池62と同様にして、電池64を作製した。
電池62〜64のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表20に示す。
《実施例18》
実施例18では、負極に添加する溶融塩として上記溶融塩111を用い、溶融塩111の量を変化させた。本実施例では、電解質層および正極は、実施例17と同じとした。
(電池65)
以下のようにして作製した負極を用いたこと以外、電池62と同様にして、電池65を作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩111の粉末(平均粒径20μm)とを、80:20の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
(電池66)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩111の粉末との重量比を、65:35としたこと以外、電池65と同様にして、電池66を作製した。
(電池67)
負極を作製するときに、負極活物質粉末と、溶融塩111の粉末との重量比を、50:50としたこと以外、電池65と同様にして、電池67を作製した。
電池64〜66のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表20に示す。
Figure 0005522927
以下の実施例では、正極および負極に添加される溶融塩の種類を変化させた、以下の実施例において、電解質層は、実施例1と同じとした。
《実施例19》
(電池68)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩25の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩13の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池68を得た。
(電池69)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩26を用いたこと以外、電池68と同様にして、電池69を作製した。
(電池70)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩50を用いたこと以外、電池68と同様にして、電池70を作製した。
(電池71)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩23を用いたこと以外、電池68と同様にして、電池71を作製した。
(電池72)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩13を用いたこと以外、電池68と同様にして、電池72を作製した。
電池68〜72のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表21に示す。
Figure 0005522927
《実施例20》
(電池73)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩13の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩25の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池73を得た。
(電池74)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩26を用いたこと以外、電池73と同様にして、電池74を作製した。
(電池75)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩50を用いたこと以外、電池73と同様にして、電池75を作製した。
(電池76)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩23を用いたこと以外、電池73と同様にして、電池76を作製した。
電池73〜76のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表22に示す。
Figure 0005522927
《実施例21》
(電池77)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩80の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩87の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池77を得た。
(電池78)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩81を用いたこと以外、電池77と同様にして、電池78を作製した。
(電池79)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩84を用いたこと以外、電池77と同様にして、電池79を作製した。
(電池80)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩87を用いたこと以外、電池77と同様にして、電池80を作製した。
電池77〜80のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表23に示す。
Figure 0005522927
《実施例22》
(電池81)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩87の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩80の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池81を得た。
(電池82)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩81を用いたこと以外、電池81と同様にして、電池82を作製した。
(電池83)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩84を用いたこと以外、電池81と同様にして、電池83を作製した。
電池81〜83のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表24に示す。
Figure 0005522927
《実施例23》
(電池84)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩88の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、上記表7の溶融塩93の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池84を得た。
(電池85)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩89を用いたこと以外、電池84と同様にして、電池85を作製した。
(電池86)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩90を用いたこと以外、電池84と同様にして、電池86を作製した。
(電池87)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩93を用いたこと以外、電池84と同様にして、電池87を作製した。
(電池88)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩95を用いたこと以外、電池84と同様にして、電池88を作製した。
電池84〜88のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表25に示す。
Figure 0005522927
《実施例24》
(電池89)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩93の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩88の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池89を得た。
(電池90)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩89を用いたこと以外、電池89と同様にして、電池90を作製した。
(電池91)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩90を用いたこと以外、電池89と同様にして、電池91を作製した。
(電池92)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩95を用いたこと以外、電池89と同様にして、電池92を作製した。
電池89〜92のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表26に示す。
Figure 0005522927
《実施例25》
(電池93)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩102の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩111の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池93を得た。
(電池94)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩107を用いたこと以外、電池93と同様にして、電池94を作製した。
(電池95)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩108を用いたこと以外、電池93と同様にして、電池95を作製した。
(電池96)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩109を用いたこと以外、電池93と同様にして、電池96を作製した。
(電池97)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩111を用いたこと以外、電池93と同様にして、電池97を作製した。
電池93〜97のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表27に示す。
Figure 0005522927
《実施例26》
(電池98)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩111の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩102の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池98を得た。
(電池99)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩107を用いたこと以外、電池98と同様にして、電池99を作製した。
(電池100)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩108を用いたこと以外、電池98と同様にして、電池100を作製した。
(電池101)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩109を用いたこと以外、電池98と同様にして、電池101を作製した。
電池98〜101のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表28に示す。
Figure 0005522927
《実施例27》
(電池102)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩121の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩121の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池102を得た。
(電池103)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩138を用いたこと以外、電池102と同様にして、電池103を作製した。
電池102〜103のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表29に示す。
Figure 0005522927
《実施例28》
(電池104)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩121の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩138の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池104を得た。
電池104のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表30に示す。
Figure 0005522927
《実施例29》
(電池105)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩129の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩129の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池105を得た。
(電池106)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩131を用いたこと以外、電池105と同様にして、電池106を作製した。
電池105〜106のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表31に示す。
Figure 0005522927
《実施例30》
(電池107)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩129の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩131の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池107を得た。
電池107のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表32に示す。
Figure 0005522927
《実施例31》
(電池108)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩140の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩141の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池108を得た。
(電池109)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩141を用いたこと以外、電池108と同様にして、電池109を作製した。
電池108〜109のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表33に示す。
Figure 0005522927
《実施例32》
(電池110)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩141の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩140の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池110を得た。
電池110のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表34に示す。
Figure 0005522927
《実施例33》
(電池111)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩142の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩142の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池111を得た。
電池111のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表35に示す。
Figure 0005522927
《実施例34》
(電池112)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩145の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩145の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池112を得た。
(電池113)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩146を用いたこと以外、電池112と同様にして、電池113を作製した。
電池112〜113のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表36に示す。
Figure 0005522927
《実施例35》
(電池114)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩145の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩146の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池114を得た。
電池114のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表37に示す。
Figure 0005522927
《実施例36》
(電池115)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩148の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩151の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池115を得た。
(電池116)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩151を用いたこと以外、電池115と同様にして、電池116を作製した。
電池115〜116のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表38に示す。
Figure 0005522927
《実施例37》
(電池117)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩151の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩148の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池117を得た。
電池117のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表39に示す。
Figure 0005522927
《実施例38》
(電池118)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩154の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩154の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池118を得た。
電池118のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表40に示す。
Figure 0005522927
《実施例39》
(電池119)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩155の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩155の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池119を得た。
電池119のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表41に示す。
Figure 0005522927
《実施例40》
(電池120)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩26の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩26の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池120を得た。
(電池121)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩81を用いたこと以外、電池120と同様にして、電池121を作製した。
(電池122)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩95を用いたこと以外、電池120と同様にして、電池122を作製した。
(電池123)
正極に添加する溶融塩として、溶融塩108を用いたこと以外、電池120と同様にして、電池123を作製した。
電池120〜123のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表42に示す。
Figure 0005522927
《実施例41》
(電池124)
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩26の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩81の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極と負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、電池124を得た。
(電池125)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩95を用いたこと以外、電池124と同様にして、電池125を作製した。
(電池126)
負極に添加する溶融塩として、溶融塩108を用いたこと以外、電池124と同様にして、電池126を作製した。
電池124〜126のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表43に示す。
Figure 0005522927
《実施例42》
(電池127)
塩化リチウム(LiCl)と塩化カリウム(KCl)を用い、実施例1と同様にして、電解質層を作製した。LiClとKClとのモル比は59:41とした。
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、溶融塩81の粉末(平均粒子径20μm)と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径25μm)を用いた。負極活物質と、溶融塩81の粉末(平均粒径20μm)とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極、電解質層および負極を用い、実施例1と同様にして、電池127を作製した。
電池127のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を、表44に示す。
Figure 0005522927
《比較例1》
LiClとKClとを用い、実施例1と同様にして、電解質層を作製した。LiClとKClとのモル比は59:41とした。
正極を以下のようにして作製した。
正極活物質としてFeS2粉末(平均粒径12μm)を用いた。正極活物質と、LiCl−KCl溶融塩(LiCl:KCl=59:41(モル比))と、シリカ粉末(平均粒径約0.2μm)とを、70:20:10の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径13mm、厚さ約0.4mmの円板状の正極を得た。上記溶融塩において、LiClとKClとのモル比は、59:41とした。
負極を以下のようにして作製した。
負極活物質としてLi−Al合金粉末(リチウム含有量:20重量%、平均粒径20μm)を用いた。負極活物質と、上記LiCl−KCl溶融塩(LiCl:KCl=59:41(モル比))とを、65:35の重量比で混合した。得られた混合物を、3ton/cm2の圧力で成型して、直径11mm、厚さ約0.4mmの円板状の負極合剤層を得た。
上記のようにして得られた正極、電解質層、および負極を用いたこと以外、電池1と同様にして、比較電池1を得た。
《比較例2》
電解質層の作製において、LiF、LiClおよびLiBrを用い、LiFとLiClとLiBrとのモル比を21:23:56としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池2を得た。
《比較例3》
正極、負極および電解質層の作製において、LiF、LiClおよびLiBrを用い、LiFとLiClとLiBrとのモル比を21:23:56としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池3を得た。
《比較例4》
電解質層の作製において、LiCl、LiBr、およびKBrを用い、LiClとLiBrとKBrとのモル比を25:37:38としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池4を得た。
《比較例5》
正極、負極および電解質層の作製において、LiCl、LiBr、およびKBrを用い、LiClとLiBrとKBrとのモル比を25:37:38としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池5を得た。
《比較例6》
電解質層の作製において、LiF、LiBr、およびKBrを用い、LiFとLiBrとKBrとのモル比を3:60:37としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池6を得た。
《比較例7》
正極、負極および電解質層の作製において、LiF、LiBr、およびKBrを用い、LiFとLiBrとKBrとのモル比を3:60:37としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池7を得た。
《比較例8》
電解質層の作製において、LiF、LiCl、およびLiIを用い、LiFとLiClとLiIとのモル比を12:29:59としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池8を得た。
《比較例9》
正極、負極および電解質層の作製において、LiF、LiCl、およびLiIを用い、LiFとLiClとLiIとのモル比を12:29:59としたこと以外、比較例1と同様にして、比較電池9を得た。
比較電池1〜9の正極、負極および電解質層に含まれる溶融塩の種類、500℃での導電率および融点を、表45に示す。
Figure 0005522927
比較電池1〜9のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表46に示す。
Figure 0005522927
以下の実施例43〜46では、正極活物質および負極活物質の種類を変更した。なお、実施例43〜46において、電解質層は、実施例1と同じである。
《実施例43》
(電池128〜131)
正極活物質として、CoS2(平均粒径20μm)(電池128)、TiS2(平均粒径18μm)(電池129)、MnO2(平均粒径23μm)(電池130)、またはV25(平均粒径20μm)(電池131)を用いたこと以外、電池69と同様にして、電池128〜131を作製した。
電池128〜131のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表47に示す。
Figure 0005522927
《実施例44》
(電池132〜135)
正極活物質として、CoS2(平均粒径20μm)(電池132)、TiS2(平均粒径18μm)(電池133)、MnO2(平均粒径23μm)(電池134)、またはV25(平均粒径20μm)(電池135)を用いたこと以外、電池72と同様にして、電池132〜135を作製した。
電池132〜135のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表48に示す。
Figure 0005522927
《実施例45》
(電池136〜137)
負極活物質として、Li−Si合金粉末(平均粒径25μm)(電池136)、またはLi−B合金粉末(平均粒径30μm)(電池137)を用いたこと以外、電池74と同様にして、電池136〜137を作製した。
電池136〜137のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表49に示す。
Figure 0005522927
《実施例46》
(電池138〜139)
負極活物質として、Li−Si合金粉末(平均粒径25μm)(電池138)、またはLi−B合金粉末(平均粒径30μm)(電池139)を用いたこと以外、電池72と同様にして、電池138〜139を作製した。
電池138〜139のDC−IR値を、実施例1と同様にして求めた。結果を表50に示す。
Figure 0005522927
表13〜44および47〜50に示されるように、電池1〜139の500℃でのDC−IR値は、56〜102mΩであった。このようなDC−IRの値は、比較例1に示されるLiCl−KCl溶融塩を電解質として用いる一般的な熱電池のDC−IR(136mΩ)と比較して、25〜59%程度低下(すなわち放電性能が向上)している。つまり、融点が350℃以上、430℃以下であり、500℃での導電率が2.2S/cm以上の溶融塩を正極および負極の少なくとも一方に添加することにより、DC−IRが低減される。すなわち、同じ高率放電を行った場合、従来の熱電池と比較して、上記溶融塩を含む熱電池は電圧低下が低く抑えられる。よって、本発明により、熱電池の出力特性を向上させることができる。
また、電池1〜139の430℃でのDC−IRは、72〜104mΩであった。このようなDC−IR値は、比較例1に示される、LiCl−KCl溶融塩が電解質層に含まれる一般的な熱電池の430℃でのDC−IR(146mΩ)と比較して、29〜51%程度低下(すなわち放電性能が向上)している。本発明で用いる溶融塩は導電率が高く、よって、イオン伝導性が向上される。さらに、融点が430℃以下であるため、430℃においても、溶融塩が凝固状態とはならず、高いイオン伝導性を維持できる。このため、本発明の熱電池は、従来の熱電池と比較して、430℃におけるDC−IR値も低減させることができる。
正極に前記溶融塩が含まれる場合、表13〜16に示されるように、前記溶融塩の量は、正極活物質層の5〜30重量%であることが好ましい。溶融塩の量が、5重量%よりも少なくなると、イオン伝導性を向上させる効果が低下する。溶融塩の量が30重量%よりも多くなると、放電性能は向上するが、正極中に含まれる正極活物質の量が相対的に減少するため、容量が低下する。また、熱電池は、作動時に、電解質層に含まれる溶融塩の融点以上に加熱される。正極に含まれる溶融塩の量が多いと、熱電池の作動時に、正極がその形状を維持できないことがある。
負極に前記溶融塩が含まれる場合、前記溶融塩の量は、表17〜20に示されるように、負極活物質層の20〜50重量%であることが好ましい。溶融塩の量が、20重量%よりも少なくなると、イオン伝導性を向上させる効果が低下する。溶融塩の量が50重量%よりも多くなると、放電性能は向上するが、負極中に含まれる活物質の量が相対的に減少するため、容量が低下する。また、正極の場合と同様に、熱電池の作動時に、負極がその形状を維持できないことがある。
比較電池3の500℃でのDC−IRは、比較的良好な値を示した。しかしながら、430℃でのDC−IRは、非常に高い値であった。比較電池3に含まれるLiF−LiCl−LiBr溶融塩の融点は443℃であり、前記溶融塩は430℃ではほぼ凝固状態にあると考えられる。このため、イオン伝導性が極端に低下し、比較電池3は、430℃の温度では、放電が困難であるか、または不可能であると考えられる。比較電池2でも、430℃でのDC−IRが非常に高いのは、前記と同じ理由であると考えられる。
なお、所定の溶融塩を電極に含む素電池の放電が、430℃において困難であるか、または不可能である場合、前記素電池を含む熱電池は、低温環境下で用いることができない。
一方、表13〜44および47〜50の結果から、本発明の電池1〜139は、430℃という低温領域においても、従来よりも優れた放電性能を示すことがわかる。
また、溶融塩を構成する塩の組成によっては、次のような化学的な安定性に問題があることも明らかになってきた。溶融塩を、正極および/または負極に用いる場合、それらの製造プロセスの過程で、溶融塩が溶融する温度以上に加熱し、その温度に一定時間保持して、溶融塩を、正極活物質または負極活物質に吸着させる必要がある。様々な組成の溶融塩を実験した結果、この吸着プロセスにおいて、溶融塩中にヨウ素アニオンが存在する場合、ある種の分解反応が起こっていることが認められた。
例えば、ヨウ素アニオンを含有する溶融塩の融点を測定する場合、測定結果が、測定時の雰囲気に影響を受けることがわかった。具体的には、比較電池8および9に含まれるLiF−LiCl−LiI溶融塩のみを、−40℃以下となるように水分管理されたドライエア雰囲気中で500℃まで加熱した場合、TG(Thermo Gravimetry)分析の結果から、約30%の重量減少が観測された。
一方、同じ溶融塩を、高純度なAr不活性ガス中で500℃まで加熱した場合、重量減少は、数%以下であった。このように、種々の実験検証から、溶融塩がヨウ素アニオンを含む場合、その溶融塩は、特に酸素存在下で分解反応を引き起こすと考えられる。
すなわち、ヨウ素アニオンが、雰囲気中の酸素ガスと反応し、I3 -が生成される(式(A))。生成されたI3 -が、ヨウ素分子および1価のヨウ素アニオンと平衡状態になる(式(B))。つまり、環境中の微量酸素などの影響で、溶融塩に含まれるヨウ素アニオンが、ヨウ素分子として、溶融塩から遊離するメカニズムが考えられる。
3I- + 1/2O2 ⇔ I3 - + O2- (A)
3 - ⇔ I2 + I- (B)
前記のような反応を回避するためには、従来から行われている作業雰囲気または電池内雰囲気中の水分量の管理に加え、さらに前記雰囲気から酸素ガスをできる限り排除する必要がある。しかしながら、種々の検討の結果、溶融塩に含まれるヨウ素アニオンの量が、アニオンの総量の20モル%以下であれば、実用上問題がないことがわかった。このような観点から、比較電池8および9で用いられている溶融塩のヨウ素アニオンの量は、アニオンの総量の59モル%であるため、化学的安定性が低いと考えられる。
さらには、フッ素と水との反応性は高い。このため、溶融塩がフッ素アニオンを含む場合、作業環境中の水分を管理および低減していても、溶融塩が、作業環境に影響を及ぼしたり、電池内部の部品を腐食したりする可能性がある。このような悪影響を回避するために、溶融塩に含まれるフッ素アニオンの量は、アニオンの総量の20モル%以下であることが好ましい。このような観点から、比較電池2および3に含まれる溶融塩において、フッ素アニオンの量は、アニオンの総量の21モル%以上であるため、化学的安定性に問題があると考えられる。
なお、出力特性をさらに向上させるために、電極に含まれる溶融塩は、十分なイオン伝導性を有することが好ましい。そのためには、溶融塩は、充放電を担うイオンイオン種を一定量以上含むことが好ましい。例えば、充放電反応を担うイオンとしてリチウムイオンが用いられる熱電池において、溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムイオンの量は、50モル%以上であることが好ましい。リチウムイオンの量は、80モル%以上であることがさらに好ましい。
以上のように、溶融塩に含まれるヨウ素イオンの量またはフッ素イオンの量をアニオンの総量の20モル%以下とし、リチウムイオンの量をカチオンの総量の50モル%以上とすることにより、溶融塩の化学的安定性を向上させることができるとともに、熱電池の出力特性をも向上させることができる。
以上、本発明の電池に関する表13〜44および47〜50と、比較電池に関する表45〜46とから分かるように、比較電池4、5、6および7では、本発明の電池と比較して、出力特性が劣っていた。さらに、比較電池4、5、6および7は、従来の標準的組成を有する比較電池1と比較しても、出力特性を向上させる効果は、認められなかった。
比較電池2および3の500℃での出力特性は向上していた。しかし、これらの比較電池の430℃での出力特性は、従来の熱電池に相当する比較電池1の430℃での出力特性よりも低い値を示した。さらには、上記のように、比較電池2および3に用いられている溶融塩は、上記のように、化学的安定性に問題がある。
比較電池8および9の出力特性は比較的良好な値を示したが、比較電池8および9に用いられている溶融塩には、上記のように、化学的安定性に問題がある。
一方、本発明で用いる溶融塩の500℃における導電率は、2.2S/cm以上であり、従来より一般的に用いられているLiCl−KCl溶融塩の500℃における導電率よりも高い。よって、イオン伝導性が向上されるため、前記溶融塩を含む熱電池は、DC−IRが低い。つまり、前記溶融塩を用いることにより、熱電池の出力特性を向上させることができる。
さらに、本発明に用いている溶融塩は350℃以上430℃以下である。このため、本発明の溶融塩は、従来の溶融塩が溶融状態を維持することができなかった温度領域よりも低い温度領域(約430℃以下)においても、溶融状態を維持することができる。つまり、本発明の熱電池は、従来の溶融塩を含む熱電池が放電することができない温度領域においても、放電することができる。
このように、用いる溶融塩の物性(融点、導電率)を適切に調節することにより、熱電池の電池特性を顕著に向上させることができる。
用いる溶融塩に含まれるヨウ素イオンおよびフッ素イオンの量を適切に調節することにより、熱電池の製造プロセスにおいて溶融塩が劣化したり、熱電池の長期保管中に熱電池が劣化したりすることを抑制することができる。さらには、溶融塩に含まれるリチウムイオンの量は多くすることにより、熱電池の出力特性を向上させることもできる。つまり、溶融塩の含まれるイオン種およびその量を適切に調節することにより、従来よりも広い温度範囲で、熱電池の出力特性を向上できるとともに、環境への負荷を低減したり、長期保存性などを向上させたりすることができる。
以下の実施例では、図1に示されるような熱電池を作製した。
《実施例47》
(電池140)
実施例2で作製した素電池9を用いて、図1に示されるような熱電池を作製した。得られた熱電池を電池134とした。なお、熱電池の作製は、水分の影響を極力排除するために、露点−50℃以下の乾燥空気中で行った。
素電池7と発熱剤5とを交互に積み重ねて、発電部を構成した。このとき、素電池7を13個用いた。発熱剤5には、FeとKClO4との混合物を用いた。電池作動中の平均温度が500℃となるように発熱剤の量を調整した。
発電部の上部に着火パッド4を配し、その周囲を導火帯6で覆った。着火パッド4および導火帯6には、Zr、BaCrO4、およびガラス繊維の混合物を用いた。
点火栓3の点火剤には、硝酸カリウム、硫黄、および炭素の混合物を用いた。断熱材9aおよび9bには、シリカとアルミナを主成分とするセラミック繊維材料を用いた。
得られた熱電池を、電池140とした。
(電池141)
実施例4の素電池17を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池141を作製した。
(電池142)
実施例7の素電池29を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池142を作製した。
(電池143)
実施例8の素電池33を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池143を作製した。
(電池144)
実施例12の素電池48を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池144を作製した。
(電池145)
実施例13の素電池51を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池145を作製した。
(電池146)
実施例14の素電池54を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池146を作製した。
(電池147)
実施例16の素電池60を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池147を作製した。
(電池148)
実施例18の素電池66を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池148を作製した。
(電池149)
実施例40の素電池120を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池149を作製した。
(電池150)
実施例40の素電池121を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池150を作製した。
(電池151)
実施例40の素電池122を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池151を作製した。
(電池152)
実施例40の素電池123を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池152を作製した。
(電池153)
実施例41の素電池124を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池153を作製した。
(電池154)
実施例41の素電池125を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池154を作製した。
(電池155)
実施例41の素電池126を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池155を作製した。
(電池156)
実施例42の素電池127を用いたこと以外、電池140と同様にして、電池156を作製した。
電池140〜156の熱電池について、以下のような放電試験を行った。すなわち、点火端子に接続された電源より高電圧を印加し、点火栓を発火させ熱電池を活性化させた。そして、熱電池を1A/cm2(終止電圧:6.5V)の電流密度で放電した。この放電試験は、熱電池を温度調整のできる温度槽に設置し、環境温度を20℃(常温)または−50℃(極低温)とした状態で行った。
その結果、素電池を複数個積層した熱電池においても、素電池の場合と同様のDC−IR値が得られることが確かめられた。
上記実施例では、熱電池の形状は円柱状としたが、熱電池の形状は特に限定されない。熱電池の形状は、例えば、角柱状としてもよい。
本発明によれば、導電率が従来よりも高い溶融塩、特に熱電池の電解質に適した溶融塩を提供することができる。よって、本発明により、従来よりも出力特性に優れた電池、または出力特性に優れ、かつ小型で軽量の熱電池を提供することができる。また、本発明により、従来の技術では、困難または不可能であった溶融塩の化学的安定性を改良することもできる。
本発明の一実施形態に係る熱電池の一部を切り欠いて断面とした斜視図である。 本発明の一実施形態の熱電池に用いられる素電池の縦断面図である。
符号の説明
1 外装ケース
2 点火端子
3 点火栓
4 着火パッド
5 発熱剤
6 導火帯
7 素電池
8 負極リード板
9a、9b 断熱材
10a 正極端子
10b 負極端子
11 電池蓋
12 負極
13 正極
14 電解質
15 負極合剤層
16 集電体

Claims (25)

  1. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であ
    前記第1の塩が、LiFおよびLiClを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、KBrおよびRbClよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  2. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiFおよびLiBrを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  3. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiClおよびLiBrを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、RbF、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  4. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiBrを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、KF、KCl、およびCsFよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  5. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選択される2種の塩と、LiIとを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  6. 前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiIを含み、
    前記第2の塩が、少なくともNa含有塩を含む、請求項記載の熱電池用電極。
  7. 前記Na含有塩は、NaBrを含む、請求項記載の熱電池用電極。
  8. 前記第1の塩が、LiF、LiBr、およびLiIを含み、
    前記第2の塩が、少なくともNa含有塩を含む、請求項記載の熱電池用電極。
  9. 前記Na含有塩は、NaF、NaClおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項記載の熱電池用電極。
  10. 前記第1の塩が、LiCl、LiBr、およびLiIを含み、
    前記第2の塩が、Na含有塩およびK含有塩よりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項記載の熱電池用電極。
  11. 前記Na含有塩は、NaFおよびNaBrよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、請求項10記載の熱電池用電極。
  12. 前記K含有塩は、KFを含む、請求項10記載の熱電池用電極。
  13. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiF、LiCl、およびLiBrよりなる群から選ばれる1種の塩と、LiIとを含み、
    前記第2の塩が、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、RbF、RbCl、RbBr、RbI、CsF、CsCl、CsBr、およびCsIよりなる群から選ばれる少なくとも1種の塩を含む、熱電池用電極。
  14. 前記第1の塩が、LiBrおよびLiIを含み、
    前記第2の塩が、少なくともCs含有塩を含む、請求項13記載の熱電池用電極。
  15. 前記Cs含有塩が、CsFを含む、請求項14記載の熱電池用電極。
  16. 活物質と、溶融塩とを含む活物質層を備え、
    前記溶融塩は、少なくとも第1の塩と第2の塩とを含み、
    前記溶融塩の融点が350℃以上、430℃以下であり、前記溶融塩の500℃での導電率が2.2S/cm以上であり、
    前記第1の塩が、LiBrを含み、
    前記第2の塩が、少なくともNaClを含み、
    前記第1の塩および前記第2の塩の少なくとも一方が、少なくとも1種類のI含有塩を含む、熱電池用電極。
  17. 前記I含有塩は、KIを含む、請求項16記載の熱電池用電極。
  18. 前記溶融塩に含まれるカチオンの総量に占めるリチウムカチオンの量が、50モル%以上である、請求項1〜17のいずれかに記載の熱電池用電極。
  19. 前記溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるフッ素アニオンの量が、20モル%以下である、請求項1〜17のいずれかに記載の熱電池用電極。
  20. 前記溶融塩に含まれるアニオンの総量に占めるヨウ素アニオンの量が、20モル%以下である、請求項1〜17のいずれかに記載の熱電池用電極。
  21. 前記電極が、正極であり、
    前記溶融塩の量が、前記活物質層の5〜30重量%である、請求項1〜20のいずれかに記載の熱電池用電極。
  22. 前記電極が、負極であり、
    前記溶融塩の量が、前記活物質層の20〜50重量%である、請求項1〜20のいずれかに記載の熱電池用電極。
  23. 正極活物質を含む正極、負極活物質を含む負極、および前記正極と前記負極との間に配された電解質を含む少なくとも1つの素電池を備える熱電池であって、
    前記正極が、請求項21記載の電極であり、および/または前記負極が、請求項22記載の電極である、熱電池。
  24. 前記正極活物質が、FeS2、CoS2、TiS2、MnO2、およびV25よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項23記載の熱電池。
  25. 前記負極活物質が、LiとAlを含む合金、LiとSiを含む合金、およびLiとBを含む合金よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む、請求項23記載の熱電池。
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