JP2010013967A - 内燃機関の始動制御装置 - Google Patents

内燃機関の始動制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010013967A
JP2010013967A JP2008173194A JP2008173194A JP2010013967A JP 2010013967 A JP2010013967 A JP 2010013967A JP 2008173194 A JP2008173194 A JP 2008173194A JP 2008173194 A JP2008173194 A JP 2008173194A JP 2010013967 A JP2010013967 A JP 2010013967A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
valve
closing timing
intake valve
engine
fuel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008173194A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4697485B2 (ja
Inventor
Satoshi Yoshikawa
智 吉川
Shinichi Murata
真一 村田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Motors Corp filed Critical Mitsubishi Motors Corp
Priority to JP2008173194A priority Critical patent/JP4697485B2/ja
Priority to DE102009023413.6A priority patent/DE102009023413B4/de
Priority to US12/475,161 priority patent/US8146556B2/en
Priority to CN 200910203254 priority patent/CN101619678B/zh
Publication of JP2010013967A publication Critical patent/JP2010013967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4697485B2 publication Critical patent/JP4697485B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • Y02T10/18

Landscapes

  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、センサを必要としない簡単な制御で、混合燃料を用いたときの始動性も高められる内燃機関の始動制御装置を提供する。
【解決手段】本発明の内燃機関の始動制御装置は、吸気バルブ17の閉じるタイミングを可変する可変動弁機構25で、エンジンのクランキング中に、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させる。これより、クランキング中に筒内の実圧縮比を次第に高め、燃料が点火しやすい状況にする。
【選択図】図4

Description

本発明は、始動要求に伴いクランキングして始動を行う内燃機関の始動制御装置に関する。
自動車(車両)に搭載されるレシプロ式のエンジン(内燃機関)の始動は、イグニションスイッチやプッシュスイッチなど始動スイッチの操作で行われる始動要求により、始動装置が作動して、エンジンをクランキングすることで行われる。
通常、エンジンでは、始動時の負荷を低減するために、エンジン始動時、吸気バルブの閉弁時期は、圧縮行程の下死点から上死点寄りに離れた時期に設定して、有効圧縮比を低下させて、負荷を小さくしている。
近時では、吸気バルブの開閉タイミングを可変する可変動弁機構を用いて、こうした吸気バルブの閉弁時期の設定を行っている。
ところで、エンジンは、外気温が極低温での始動性が求められる。近時では、それに加え、通常燃料(ガソリン)ではなく、点火しにくいアルコール混合燃料(混合燃料)を使用した場合における始動性が求められるようになった。
ところが、アルコール混合燃料は、通常燃料(ガソリン)に比べ、気化しにくい燃料である。このため、今までのような吸気バルブの閉弁時期の設定では、エンジンは始動しにくい。特にアルコール混合燃料の燃料混合比は、給油する都度、変化するので、始動性の悪さもまちまちである。
このためエンジンの始動性は、通常の燃料だけでなく、アルコール混合燃料(0〜100%)にも対応できることが望まれる。
そこで、特許文献1に開示されているように、自動車(車両)の燃料タンク内に濃度センサを設け、また吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構を採用して、濃度センサから検出されるタンク内燃料のアルコール濃度にしたがい、エンジンの始動時、吸気バルブの閉弁タイミングを可変動弁機構で、吸気バルブの閉弁時期を下死点側へ近づけて(進角)、エンジンの始動を行うとする技術が提案されている。
特開2007−198308号公報
同技術は、吸気バルブが閉じるタイミングが進角して、気筒の実圧縮比が増し、筒内温度が高まるので、燃料が点火しやすくなる。
しかし、燃料タンク内のアルコール濃度は、アルコール燃料の給油毎に異なる。しかも、実際にエンジンの始動に供される燃料タンクからエンジンに向かう経路内の燃料は、その給油したときの燃料混合比とは異なることが多く、エンジン始動時、気筒へ噴射されるときのアルコール混合燃料の燃料混合比は定かではない。
特許文献1の技術は、この燃料混合比が定かではないまま、燃料タンク内でのアルコール濃度にしたがい設定された閉弁時期に、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるので、どうしてもエンジンの始動性は不確実となりやすい。しかも、特許文献1の技術は、吸気バルブの閉弁タイミングが変更されてから、クランキングが行われるので、始動の際の負荷は大きく、当初の負荷を小さくするための手立てが損なわれてしまう。そのうえ、特許文献1の技術は、アルコール濃度を検出するなど、別途、アルコール混合燃料の燃料混合比を検出するセンサが必要であり、不確実性に加え、コスト的な負担も大きい。
そこで、本発明の目的は、センサを必要としない簡単な制御で、混合燃料を用いたときの始動性も高められる内燃機関の始動制御装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、上記目的を達成するために、内燃機関の吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構で、エンジンのクランキング中に、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるようにした。
同構成により、エンジンの始動時、吸気バルブの閉じるタイミングは、クランキング中に、通常の閉弁時期から、始動が行われるまで次第に進角される。これで、クランキング中に筒内の実圧縮比は次第に高められ、筒内は燃料が点火しやすい状況になる。
請求項2に記載の発明は、進角が必要なときだけ、吸気バルブの閉弁時期を進めるよう、閉弁タイミング制御手段は、クランク期間において閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値を設定し、クランキング期間が閾値を越えた際、可変動弁機構で吸気バルブの閉弁時期を進角させるものとした。
請求項3に記載の発明は、確実に始動に至るよう、吸気バルブの閉弁時期の進角は、所定量ずつ段階的に行われるものとした。
請求項4に記載の発明は、効果的に気筒内の実圧縮比を高めるために、可変動弁機構には、吸気バルブの開弁するタイミングを、ほぼ一定に保ちながら、閉弁するタイミングを可変する機構を採用した。
請求項1の発明によれば、内燃機関の始動時、吸気バルブの閉じるタイミングは、クランキング中に、通常の閉弁時期から、始動が行われまで、次第に進角され続けるから、筒内には、点火しにくい燃料でも、さらには始動しにくい内燃機関の状況にも対応する、点火しやすい状況(実圧縮比:大)が得られる。
それ故、エンジンは、アルコール混合燃料や極低温の環境でも、確実な始動ができる。しかも、エンジン始動開始時の負荷の増大も抑えられる。特に燃料混合比の変化が把握しにくい混合燃料には好適である。
そのうえ、始動性は、センサを必要とせず、吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるだけで確保されるから、簡単な制御であり、コスト的な負担も少ない。
請求項2の発明によれば、進角が必要なときだけ、吸気バルブの閉弁時期を進めることができる。
請求項3の発明によれば、さらに吸気バルブの進角は、所定量ずつ段階的に行われるから、点火しにくい燃料や、極低温の環境でも、一層、確実にエンジンの始動ができる。
請求項4の発明によれば、気筒内の実圧縮比を効果的に高めることができ、気筒内の温度を効果的に上昇させることができる。
以下、本発明を図1〜図4に示す第1の実施形態にもとづいて説明する。
図1は、内燃機関、例えばアルコール混合燃料(混合燃料)の使用が可能なレシプロ式のSOHCエンジン1の一部と、同エンジン1の制御系とを概略的に示している。
まず、エンジン1について説明すると、図1中2はシリンダブロック、3は同じくシリンダブロック2の上部に搭載されたシリンダヘッドである。このうちシリンダブロック1には気筒4(一部だけ図示)が形成されている。同気筒4内にはピストン6が往復動可能に収めてある。このピストン6が、コンロッド7、クランクピン8を介して、シリンダブロック2の下部に設けたクランクシャフト9に連結されている。
シリンダヘッド2の下面には燃焼室11が形成されている。燃焼室11の両側には、吸気ポート12、排気ポート13が形成してある。そのうち吸気ポート12とつながる吸気マニホールド14には、燃料を噴射する燃料噴射弁15が設けてある。また吸気ポート12には吸気バルブ17が設けられ、排気ポート13には排気バルブ18が設けてある。なお、燃焼室11の中央には点火プラグ19が設けてある。またシリンダヘッド2の上部には、吸気用カム20と排気用カム21との双方を有するカムシャフト22が保持部材23を介して回転自在に設けられている。カムシャフト22は、クランクシャフト9から伝わる軸出力で駆動されるものである。
バルブのうち吸気バルブ17には、吸気バルブ17の閉じるタイミングを可変する可変動弁機構25(連続リフト可変動弁機構)が組み付けられている。また排気バルブ18には、通常の一義的なバルブ特性、すなわち排気用カム21のカム変位に追従して、所期に排気バルブ18を開閉駆動させるロッカアーム26が組み付けられている。
ここで、可変動弁機構25について説明すると、同機構25には、吸気用カム17の直上に配置されたセンタロッカアーム30、同センタロッカアーム30の直上に配置されたスイングカム40、同スイングカム40と隣接した吸気バルブ17側に配置された吸気ロッカアーム50を組み合わせた構造が用いられている。
すなわち、センタロッカアーム30は、吸気用カム20の変位を受けて上下動する部品である。具体的には、センタロッカアーム30は、例えばL形のアーム部31と、同アーム部31の中間に設けた滑りローラ32とを有して構成してあり、このうち滑りローラ32が吸気用カム17のカム面と転接している。アーム部31の横方向に延びるアーム端部31aは、シリンダヘッド2の吸気バルブ17側で回転自在に支持されている制御シャフト34の外周部に支持されている。これにより、吸気用カム20のカム変位が、滑りローラ32、さらにはアーム端部31a端を支点としたアーム部31の揺動変位で、上方のスイングカム40へ伝えられるようにしている。またセンタ制御シャフト34が回動変位すると、センタロッカアーム30は、吸気用カム20との転接位置を変更しながら、カムシャフト22の軸心と交差する方向(進角や遅角方向)へ変位する。
スイングアーム40は、一端部がロッカアーム50側へ向かって突出し、反対側の他端部が、シリンダヘッド2に設けてある支持シャフト41に回動自在に支持されている。一端部の端面には、ロッカアーム50を押動するカム面42が形成されている。下部には、センタロッカアーム30の上方向に延びるアーム端部31b端に形成してある斜面35と転接する滑りローラ43が設けられている。これにより、スイングアーム40は、センタロッカアーム30が駆動されると、支持シャフト41を支点に揺動する。また制御シャフト34の回動変位により、センタロッカアーム30の吸気用カム20に対する転接位置が変更すると、スイングカム40の姿勢が変化(傾く)する。
ロッカアーム50は、制御シャフト34をロッカシャフトとして回動変位するアーム部材51を有する。このアーム部材51の一端部には、吸気バルブ17端を押動するアジャストスクリュ部52を有し、他端部にはスイングアーム40のカム面42と転接するニードルローラ53を有している。これにより、スイングアーム40が揺動すると、カム面42でニードルローラ53が押されあるいは戻る。これで、ロッカアーム50は、制御シャフト34を支点に揺動し、吸気バルブ27を開閉させる。
ここで、カム面42は、上部側が吸気用カム20のベース円に相当するベース円区間とし、下部側がベース円区間と連続したリフト区間として形成してあり、制御シャフト34の回動変位により、センタロッカアーム30の滑りローラ32が、吸気用カム20の進角方向あるいは遅角方向へ変位すると、スイングカム40の姿勢が変化して、ニードルローラ53が転動するカム面42の領域が変化し、ニードルローラ53が揺動するベース区間とリフト区間の比率が変わる。この進角方向の位相変化、遅角方向の位相変化を伴うベース区間、リフト区間の比率の変化により、吸気バルブ17のバルブリフト量が、吸気用カム20のトップのカムプロフィルがもたらす低リフトから、吸気用カム20の頂部から基端部までの全体のカムプロフィルがもたらす高リフトまで連続的に可変される。と同時に、吸気バルブ17の開閉タイミングを、開弁時期よりも閉弁時期が大きく可変させる。
つまり、可変動弁機構25により、図2に示されるように吸気バルブ17は、バルブリフト量が低リフトV1〜高リフトV7まで連続的に可変する。と共に開閉タイミングが、開弁タイミングをほぼ一定に保ちながら、閉弁タイミングが連続的に可変するという挙動で、連続的に可変される。
そして、制御シャフト34を駆動する駆動部、例えば電動モータ60は、制御部、例えばECU61(例えばマイクロコンピュータで構成されるもの)に接続されている。同ECU61は、燃料噴射弁15や点火プラグ19などにも接続されている。ECU61には予めエンジンの運転状態に応じた点火時期や燃料噴射量や燃料噴射時期や吸気バルブ制御量などといったエンジン1の運転に必要な情報が設定(マップなど)されていて、ECU61から入力されるエンジンの運転状態(例えば車速、エンジン回転数、アクセル開度など)に応じて、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、吸気バルブ17のバルブリフト量・開閉タイミングなどが制御されるようにしてある。
またエンジン1には、ECU61、可変動弁機構25、クランクシャフト9を回転駆動させるスタータ、例えば電動モータ67(本願の始動手段に相当)などで構成される始動制御装置65が設けられている。同始動制御装置65は、ECU61に接続された始動スイッチ、例えばプッシュスタートスイッチ66(本願の始動手段に相当)のオン操作により、始動要求信号が出力されると、電動モータ67を作動させてエンジン1をクランキングし、始動に適した点火時期、燃料噴射量、噴射時期、通常の始動用開閉タイミング(吸気バルブ)で、エンジンの始動させるものである。
この始動制御装置65には、こうしたエンジン制御の他に、エンジン1の始動性を促進する工夫が加えられている。同工夫には、点火しにくいアルコール混合燃料など混合燃料やアルコール混合燃料やさらには極低温の環境などでも、高い始動性を発揮する制御が採用されている。
この制御は、エンジン始動時のクランキング中に、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、可変動弁機構25により進角させる技術である。
具体的には、ECU61に、クランク期間において吸気バルブ17の閉弁時期の進角を行うか否かの時期を判定する閾値を設定しておく。これは、例えばクランキング時間を用いた所定時間tで定め、例えばクランキングしているクランキング時間が、ある所定時間値tを越えたか否かで判定する。
ここで、所定時間値tは、通常の燃料(例えばガソリン)を使用したとき、燃料が点火されエンジン1が始動に至るときの時間値が用いられ、通常燃料のときよりも、現在の燃料噴射弁15から噴射される燃料が点火しにくいか否かを判定するものである。このため、閾値は、クランキング時間の値でなくとも、同様な結果をもたらす、エンジンの燃焼サイクルの行程数や、クランキング回転の変動(クランク角センサで得られる角速度)の値を閾値として用いても構わない。
ECU61には、クランキング期間が閾値を越えた際、ここではクランク時間が所定時間値tを越えた際、可変動弁機構25の電動モータ60を作動させ、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、進角させる制御が設定されている(本願の閉弁タイミング制御手段に相当)。具体的には、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量ずつ、段階的に進角させる制御が設定されている。同制御により、クランキング中、エンジン1の始動が行われるまで、吸気バルブ17の閉じるタイミングを次第に進角させて、気筒の実圧縮比を段階的に高めるようにしてある。つまり、点火しにくい燃料や点火しにくい環境でも、容易に燃料の点火が行われるようにしてある。図3には、この制御のフローチャートが示されている。
つぎに、エンジン1が始動するときの状況を同フローチャートに基づいて説明する。
今、例えばプッシュスタートスイッチ66がオン操作され、始動要求信号が出力されたとする。このとき、吸気バルブ17の開閉タイミングは、通常燃料のエンジン始動に適した時期[閉弁時期が、圧縮行程の下死点(BDC)から上死点(TDC)寄りに大きく離れている]に定めてある(図4中のα線)。
この状態からECU61は、燃料噴射弁15や点火プラグ19や電動モータ67を作動させ、エンジン1をクランキングする。すると、クランキング初期は、通常の始動の如く、吸気バルブ17は、図4中の太線αに示されるリフトカーブにしたがい開閉、すなわち圧縮行程の下死点から上死点寄りに大きく離れた端を閉弁時期として開閉する。排気バルブ19は、図4中の破線に示される排気用カム20のリフトカーブにしたがい開閉する。
ここで、ステップS1に示されるようにECU61では、このクランキング期間が、閾値を越えるか否かを判定している。閾値には、例えば通常の燃料(ガソリン)を使用してエンジンの始動に費やす時間が用いられている。通常燃料で、通常の環境であれば、ステップS2,ステップS3へと進み、この時間で定めた所定時間値t内におけるクランキングだけで、エンジン1は始動する。
このとき、エンジン1に使用される燃料が通常燃料でなく、燃料混合比が特定しにくいアルコール混合燃料など混合燃料が使用されたときであったとする。しかも、エンジンが極低温の環境に有ったとする(点火がしにくい環境)。このときは、燃料は、筒内で気化が十分に行われないので、始動には至らない。
このような点火がしにくい状況だと、エンジン1のクランキング期間は、長くなり、所定時間値tを越える。すると、ECU61は、現在の状況では始動は行えないと判定し、ステップS1からステップS4へ向かうルーチンへ至る。
すると、ECU61は、電動モータ60の作動により可変動弁機構25を制御して、吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量、進角させる。具体的には、吸気バルブ17の開閉特性は、図4中の矢印に示されるように開弁するタイミングがほぼ一定のまま変わらずに、閉弁するタイミングが、圧縮行程の下死点へ、所定量、近づくように変わる。閉弁タイミングが圧縮行程の下死点へ近づくと、気筒の実圧縮比は増加し、筒内の温度を上昇させる。これにより、筒内は燃料が気化しやすい環境になる。
この環境により、点火しにくい混合燃料の気化が促進され、同燃料が初爆から完爆状態へ向かう。この完爆の継続により、ECU61は、エンジンが始動をしたと判定し(ステップS3)、始動制御を終える。
一方、変更した吸気バルブ17の閉タイミングでも、始動が確認されないと、再びステップS1から始まるルーチンへ戻る。そして、再びECU61は、可変動弁機構25を制御して、さらに吸気バルブ17の閉じるタイミングを、所定量、進角させる。
この進角は、エンジンの始動が確認されるまで、段階的に行われる。つまり、クランキング期間の後期は、エンジンの始動が確認されないと、図4中に示される細線βのリフトカーブのように吸気バルブ17の閉じるタイミングが、圧縮行程の下死点まで接近するまで、段階的に進角し続ける。この間、筒内における燃料の気化しやすい環境は、高められ続ける(筒内の温度上昇:大)。
これにより、クランク期間の後期では、始動しにくいアルコール混合燃料など混合燃料でも、さらには極低温の環境でも、燃料の気化が促進されて、エンジン1の始動に至る。
それ故、エンジン1は、始動しにくい燃料や、極低温の環境でも、確実に始動できる。特に始動制御は、実際に気筒に供給される燃料を対象とした制御なので、たとえアルコール混合燃料の燃料混合比が変化しても、確実にエンジン1が始動できる。
したがって、エンジンの始動性を高めることができる。特に燃料混合比の変化が把握しにくい混合燃料を使用するときには好適である。しかも、クランク期間が無用に長くなるのが抑えられるので、始動燃料の低減が図れる。そのうえ、始動制御は、クランキング中、燃料が完爆を確認するまで、吸気バルブ17の閉じるタイミングを進角させるだけなので、簡単である。加えて、クランキング開始時、吸気バルブ17の閉弁時期は、今までと同じでよいから、始動負荷は抑えられ、始動しやすい特性を犠牲せずにすむ。さらにセンサは不要なので、コスト的な負担も少なくてすむ。そのうえ、吸気バルブ17は、クランキング期間の初期時、今までよりも遅閉じ側に変更しても、始動性が確保されるから、吸気バルブ17の遅閉じによるミラーサイクルが進められ、エンジンの燃費低減が図れる利点もある。
特に可変動弁機構25には、吸気バルブ17の開弁するタイミングを、ほぼ一定にしながら、閉弁するタイミングを可変する機構を採用すると、気筒内の実圧縮比を効果的に高められるから、気筒内の温度を効果的に上昇させることができ、エンジンに高い始動性をもたらせることができる。
また始動制御には、閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値を設定し、クランキング期間が閾値を越えると、吸気バルブ17の閉弁時期を進角させる制御を採用したので、進角が必要なときだけ、吸気バルブ17の閉じるタイミングを進めることができ、効果的に進角制御が行える。しかも、吸気バルブ17の進角を、段階的に進むようにすると、どのような始動しにくい燃料や、極低温の環境でも、一層、エンジン1の始動が確実なものとなる。
図5および図6は、本発明の第2の実施形態を示す。
本実施形態は、可変動弁機構として、第1の実施形態のようなバルブリフトとバルブ開閉タイミングとの双方を連続的に可変する連続リフト可変動弁機構を用いたのではなく、吸気バルブ8の位相を連続的に可変する連続位相可変式動弁機構70を用いたものである(DOHCのエンジンに適用)。
すなわち、同機構70は、例えば吸気用カムスプロケット72を有する短筒形のハウジング73内に、進角室74および遅角室75設け、これら進角室74〜遅角室75間に、吸気用のカムシャフト22aにつながるベーン75を設けて、油圧の供給により、ベーン75を遅角室74〜進角室75へ変位させることによって、吸気用カム20の位相を遅角したり進角させたりする。
この連続位相可変式動弁機構70を用いて、図6に示されるようにエンジンのクランキング中に、吸気バルブ17の位相を、例えばクランク期間初期の太線αからクランク期間後期の細線βのように変えることによって、吸気バルブ17が閉じるタイミングを進角させてもよい。
図7および図8は、本発明の第3の実施形態を示す。
本実施形態は、可変動弁機構として、吸気バルブ17の開弁期間を連続的に可変する連続開弁期間可変式動弁機構80を用いたものである(DOHCのエンジンに適用)。
同機構80は、吸気用カムシャフト10の一定回転を不等速回転に変えて、吸気バルブ17の開弁期間を連続的に可変させる。
すなわち、同機構80は、吸気用のカムシャフト22aの外周面に、吸気用カム20を有するカムローブ82を回転自在に外嵌させる。またカムシャフト22aの回転を、ハーモニックリング83を用いた不等速機構84で、所定周期で速度を変化させて、カムローブ82に伝える。そして、ハーモニックギヤ85で、ハーモニックリング83の偏心位相を制御して、吸気用カム20が吸気バルブ17の基端部を通過する速度を連続的に可変させるものである。
この連続開弁期間可変式動弁機構80を用いて、図8に示されるようにエンジンのクランキング中に、吸気バルブ17の開弁期間を、例えばクランク期間初期の太線αからクランク期間後期の細線βのように変えることによって、吸気バルブ17が閉じるタイミングを進角させてもよい。
なお、本発明は上述したいずれの実施形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。
本発明の第1の実施形態に係る始動制御装置の制御系を、シリンダヘッドの一部と共に示す図。 エンジンに搭載された可変動弁機構の特性を説明するための線図。 始動制御装置の制御を説明するためのフローチャート。 エンジン始動時のクランク中において吸気バルブが進角するときを説明するための図。 本発明の第2の実施形態の要部となる、異なる形態の可変動弁機構を説明する斜視図。 同可変動弁機構で、エンジンのクランク中に吸気バルブが進角するときを説明するための図。 本発明の第3の実施形態の要部となる、異なる形態の可変動弁機構を説明する斜視図。 同可変動弁機構で、エンジンのクランク中に吸気バルブが進角するときを説明するための図。
符号の説明
17 吸気バルブ
25 可変動弁機構
61 ECU(閉弁タイミング制御手段)
66,67 電動モータ,プッシュスタートスイッチ(始動手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関の始動要求時、吸気バルブの開閉を伴いながらクランキングして内燃機関の始動を行う始動手段と、
    前記内燃機関の吸気バルブの閉じるタイミングを可変する可変動弁機構と、
    前記クランキング中に、前記吸気バルブの閉じるタイミングを進角させるように前記可変動弁機構を制御する閉弁タイミング制御手段と
    を具備したことを特徴とする内燃機関の始動制御装置。
  2. 前記閉弁タイミング制御手段は、クランク期間において閉弁時期の進角を行うか否かを判定する閾値が設定され、クランキング期間が前記閾値を越えた際、前記吸気バルブの閉弁時期を進角させるように前記可変動弁機構を制御するものであることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の始動制御装置。
  3. 前記吸気バルブの閉弁時期の進角は、所定量ずつ段階的に行われるものであることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の始動制御装置。
  4. 前記可変動弁機構は、前記吸気バルブの開弁するタイミングを、ほぼ一定に保ちながら、閉弁するタイミングを可変するものであることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載の内燃機関の始動制御装置。
JP2008173194A 2008-07-02 2008-07-02 内燃機関の始動制御装置 Active JP4697485B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008173194A JP4697485B2 (ja) 2008-07-02 2008-07-02 内燃機関の始動制御装置
DE102009023413.6A DE102009023413B4 (de) 2008-07-02 2009-05-29 Startsteuervorrichtung eines Verbrennungsmotors
US12/475,161 US8146556B2 (en) 2008-07-02 2009-05-29 Start control device of internal combustion engine
CN 200910203254 CN101619678B (zh) 2008-07-02 2009-05-31 内燃机的起动控制装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008173194A JP4697485B2 (ja) 2008-07-02 2008-07-02 内燃機関の始動制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010013967A true JP2010013967A (ja) 2010-01-21
JP4697485B2 JP4697485B2 (ja) 2011-06-08

Family

ID=41513062

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008173194A Active JP4697485B2 (ja) 2008-07-02 2008-07-02 内燃機関の始動制御装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP4697485B2 (ja)
CN (1) CN101619678B (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013144534A (ja) * 2011-12-16 2013-07-25 Nippon Soken Inc 内燃機関の始動制御装置
JP2013533938A (ja) * 2010-07-09 2013-08-29 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両のカムシャフト調整装置

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
SE542390C2 (en) * 2016-10-19 2020-04-21 Scania Cv Ab Method and system for controlling the intake and exhaust valves in an internal combustion engine
JP7151288B2 (ja) * 2018-09-04 2022-10-12 トヨタ自動車株式会社 ミラーサイクルエンジン

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161768A (ja) * 2000-11-27 2002-06-07 Unisia Jecs Corp 内燃機関の可変動弁システム
JP2006170163A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Denso Corp 内燃機関の始動制御装置
JP2006291940A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
JP2006291939A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
JP2006342677A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Hitachi Ltd 圧縮着火エンジン
JP2006348774A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Mazda Motor Corp エンジンの吸気制御装置
JP2007198367A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008111375A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Nissan Motor Co Ltd エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4425155B2 (ja) * 2004-03-12 2010-03-03 日立オートモティブシステムズ株式会社 内燃機関のバルブタイミング制御装置
DE102005054212B4 (de) * 2004-11-15 2021-09-23 Denso Corporation Startsteuervorrichtung für eine Brennkraftmaschine

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002161768A (ja) * 2000-11-27 2002-06-07 Unisia Jecs Corp 内燃機関の可変動弁システム
JP2006170163A (ja) * 2004-12-20 2006-06-29 Denso Corp 内燃機関の始動制御装置
JP2006291940A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
JP2006291939A (ja) * 2005-04-14 2006-10-26 Toyota Motor Corp エンジンの制御装置
JP2006342677A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Hitachi Ltd 圧縮着火エンジン
JP2006348774A (ja) * 2005-06-13 2006-12-28 Mazda Motor Corp エンジンの吸気制御装置
JP2007198367A (ja) * 2005-12-28 2007-08-09 Hitachi Ltd 内燃機関の可変動弁装置
JP2008111375A (ja) * 2006-10-30 2008-05-15 Nissan Motor Co Ltd エンジンの圧縮比制御装置及び圧縮比制御方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013533938A (ja) * 2010-07-09 2013-08-29 ダイムラー・アクチェンゲゼルシャフト 車両のカムシャフト調整装置
JP2013144534A (ja) * 2011-12-16 2013-07-25 Nippon Soken Inc 内燃機関の始動制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101619678A (zh) 2010-01-06
CN101619678B (zh) 2012-12-05
JP4697485B2 (ja) 2011-06-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4957611B2 (ja) 内燃機関の制御方法
JP4516401B2 (ja) エンジンの始動制御装置
JP3912147B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
US8146556B2 (en) Start control device of internal combustion engine
US8843294B2 (en) Apparatus for and method of controlling variable valve timing mechanism
JP4682713B2 (ja) エンジンの吸気制御装置
JP4755128B2 (ja) エンジンの始動制御装置
JP5310733B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2006348863A (ja) 内燃機関の始動装置
JP4716053B2 (ja) 内燃機関
WO2019035312A1 (ja) 内燃機関の可変動作システム及びその制御装置
JP2005188283A (ja) 内燃機関の始動制御装置及び始動制御方法
JP4697485B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP5035317B2 (ja) 内燃機関の制御方法及び内燃機関システム
JP2007056839A (ja) 内燃機関のバルブタイミング制御装置
JP2011064109A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4182888B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2007154823A (ja) 内燃機関の制御装置および車両
JP4433591B2 (ja) 内燃機関の可変動弁装置
JP5994653B2 (ja) 火花点火式多気筒エンジンの始動装置
JP5099355B2 (ja) 内燃機関の始動制御装置
JP2007278112A (ja) 筒内直接噴射式内燃機関
JP2004324572A (ja) 内燃機関の制御装置
WO2020008941A1 (ja) 内燃機関の制御システム及びその制御装置
JP2006161585A (ja) 可変動弁機構の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100428

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100709

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110202

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110215

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 4697485

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350