JP2010013871A - 建築物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複層ブレース3は、下端部を梁2の両端夫々に連結すると共に、上端部を梁2の長さ方向の中間部で連結する逆Vの字型ブレースであって、隣接するブレース補強架構面4どうし間で、一方のブレース補強架構面4が他方のブレース補強架構面4に対して、上端と下端が共に高い位置または低い位置に位置ずれさせてある。
【効果】ブレース補強架構面に複層ブレースに干渉されない大きな開口部を形成することが出来、地震時に複層ブレースを設けたブレース補強架構面の柱の上下中間部に、曲げ力が作用する高次の振動モードが発生しても、建物奥行き方向又は横方向に隣接する他のブレース補強架構面により耐力が補われる。
【選択図】図1
Description
しかも、図5に示す前記単層ブレース6に比べて、図6に示す複層ブレース3では、少なくとも1階部分において大きな開口7(大きな幅、大きな高さ)を形成し易い。
そこで、複層ブレース3を設けた柱1と梁2とで囲まれるブレース補強架構面が、併設する柱1間で上下方向に重なるように、複数の複層ブレース3の下端部と上端部を、夫々各階に連結する構造を取ることが考えられている。しかし、この場合は、高次の振動モードに対する耐力を強化できるが、やはり大きな開口部を設けることが出来なくなる。
前記ブレースを設けるに、複数階に亘る複層ブレースとその複層ブレースを架け渡した前記柱と梁とで囲まれるブレース補強架構面の複数が、併設する前記柱間では重ならず、建物奥行き方向視又は横方向視の少なくとも一方で高さ方向に部分的に重なりあって、且つ、夫々の上端と下端の少なくとも一方を高さ方向に位置ずれさせて取り付けてあることにある。
本構成によればブレース補強架構面の複数が、併設する柱間では重ならないので、ブレース補強架構面に複層ブレースに干渉されない大きな開口部を形成することが出来る。その上、ブレース補強架構面が、建物奥行き方向視又は横方向視の少なくとも一方で高さ方向に部分的に重なり合って、且つ、夫々の上端と下端の少なくとも一方を高さ方向に位置ずれさせて取付けることにより、地震時に複層ブレースを設けたブレース補強架構面の柱の上下中間部に、曲げ力が作用する高次の振動モードが発生しても、建物奥行き方向又は横方向に隣接する他のブレース補強架構面により建築物全体の耐力が補われ、全体として、地震に対する耐震強度を上げるべくブレース補強を有効にしながら、近年、特に高齢者や障害者の移動等の促進のための開口部を大きくする設計、又は改築の自由度が上がるようになった。
前記複層ブレースの長さ方向の中間部が、交差する梁と一体に連結されることによって、連結しない構造に比べて高次振動モード時に発生するブレース補強架構面の柱に作用する曲げ力に、より対抗することが出来る。
前記複層ブレースの中でも逆Vの字型ブレースによって、左右両横方向の外力が作用してもブレースの軸力強度により対抗できながら、逆Vの字の内方に大きな開口が形成でき、しかも、ブレース補強架構面どうしで、一方のブレース補強架構面が他方のブレース補強架構面に対して、上端と下端とを共に高い位置又は低い位置に位置ずれさせることにより、夫々の複層ブレースにより補強されたブレース補強架構面の柱の上下中間部に、隣接するブレース補強架構面の複層ブレースの上端又は下端が位置する。このために、前述のように複層ブレースの弱点となる上下中間位置の柱部分に曲げ力が作用しても、隣接する複層ブレースにより補強でき、結果として、建物全体の耐力を上げることが出来た。
前記複層ブレースの横に単層ブレースを配置することにより、複層ブレースにより補強されるブレース補強架構面の柱上下中間部に作用する曲げ力を、単層ブレースが受け止め、広い開口部を確保できながら、建物の耐震補強も出来るようになった。
図1に示すように、本実施形態の建築物は、併設する複数の柱1を設けると共に、その複数の柱1間に亘る梁2を上下複数階夫々に設け、柱1と梁2とで囲まれた空間内にブレースを設けて耐震補強するものである。具体的には、複数階に亘るブレースの下端部を梁2の両端部に夫々連結すると共に、上端部を梁2の長さ方向の中間部に連結し、複数階に亘り架け渡した逆Vの字型の複層ブレース3に形成してある。その複層ブレース3を複数設けて全体を耐震補強の建築物としてある。
それらの複層ブレース3は、その長さ方向の中間部で中間階の梁2と交差する箇所を、夫々梁2と一体に連結してある。これにより、外力の作用に基づく複層ブレース3の軸力方向に働く力の一部を、中間階の梁2を介して柱1に伝達できるようにしてある。
図2に示すように、複数の柱1と複数の梁2とを設けた一つの大架構面5内には、逆Vの字型の複層ブレース3を、横に隣接するものどうしの間で、一方の前記ブレース補強架構面4が他方の前記ブレース補強架構面4に対して、上端と下端が共に高い位置または低い位置に位置ずれさせて取付けてあると共に、ブレース補強架構面4の複層ブレース3の横に、単層階に亘る単層ブレース6を配設してあってもよい。
図3に示すように、複層ブレース3は、2層階に亘って設けるもの以外に、3層以上の複層階に亘って設けてもよい。その場合も、複層階の中間階に併設するブレースの下端又は上端が梁2に連結するように上下位置をずらせて、全体として耐震補強するのが好ましい。
図4に示すように、上下高さ方向に位置ずれさせる複層ブレース3のブレース補強架構面4は、併設する柱1間で重ならなければよく、建物の奥行き方向に分散させて配置してあっても、本願の目的を果たす耐震補強効果が期待できる。
2 梁
3 複層ブレース
4 ブレース補強架構面
5 大架構面
Claims (4)
- 柱と梁とブレースとで構成される建築物であって、
前記ブレースを設けるに、複数階に亘る複層ブレースとその複層ブレースを架け渡した前記柱と梁とで囲まれるブレース補強架構面の複数が、併設する前記柱間では重ならず、建物奥行き方向視又は横方向視の少なくとも一方で高さ方向に部分的に重なりあって、且つ、夫々の上端と下端の少なくとも一方を高さ方向に位置ずれさせて取り付けてある建築物。 - 前記複層ブレースは、その長さ方向の中間部で前記梁と交差する箇所を、夫々前記梁と一体に連結してある請求項1記載の建築物。
- 前記複層ブレースは、下端部を前記梁の両端夫々に連結すると共に、上端部を前記梁の長さ方向の中間部で連結する逆Vの字型ブレースであって、隣接する前記ブレース補強架構面どうし間で、一方の前記ブレース補強架構面が他方の前記ブレース補強架構面に対して、上端と下端が共に高い位置または低い位置に位置ずれさせてある請求項1又は2記載の建築物。
- 複数の前記柱と複数の前記梁とを設けた一つの大架構面内で、横方向に並ぶ前記複数のブレース補強架構面が互いに上下に位置ずれさせてあって、前記ブレース補強架構面の複層ブレースの横に、単層階に亘る単層ブレースを配設してある請求項1〜3のいずれかに記載の建築物。
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JP2008176014A JP5379414B2 (ja) | 2008-07-04 | 2008-07-04 | 建築物 |
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Cited By (1)
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KR101909096B1 (ko) * | 2018-03-06 | 2018-10-17 | (주)한국방재기술 | 벽식 아파트 철골 프레임 시스템 보강공법 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0510051A (ja) * | 1991-07-01 | 1993-01-19 | Ohbayashi Corp | 制振機能を持つ偏心ブレース構造 |
JPH11256869A (ja) * | 1998-03-06 | 1999-09-21 | Kajima Corp | 制震構造物 |
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2008
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Patent Citations (2)
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Title |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101909096B1 (ko) * | 2018-03-06 | 2018-10-17 | (주)한국방재기술 | 벽식 아파트 철골 프레임 시스템 보강공법 |
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