JP5001775B2 - 建物ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、建物ユニットに関する。
建物ユニットとして、柱の下端部に床梁を接合して床構造体を構成したものがある。この建物ユニットにおいて、浴室等の床レベルを標準床レベルよりも下げるとき、特許文献1に記載の如く、梁せいが梁長手方向で変化してなる床梁を用い、床梁が梁せいの高い主床梁と、梁せいの低い副床梁とを接合してなるものにし、低床レベル部に対応する部分に副床梁を設けるものがある。副床梁の床上面レベルを標準床梁(標準床レベル部対応する部分に設けられる床梁)の床上面レベルより低くするものである。
特開平7-279255
特許文献1に記載の建物ユニットでは、梁せいの低い副床梁が床構造体の低床レベル部に対応する一辺において相対する両柱の連結線上に設けられ、床構造体を支持する基礎等の下部構造体の上に配置される。従って、副床梁は梁下面レベルが基礎等に干渉して梁せい(梁断面の高さ)を高くとれず、断面強度(断面係数等)を大きくとることができない。
本発明の課題は、建物ユニットにおいて、床構造体の少なくとも一辺に特殊床梁を設けて低床レベル部を設けるとき、特殊床梁の断面強度を確保しながら、標準床レベルに対しできるだけ低い低床レベル部を形成することにある。
請求項1の発明は、柱の下端部に床梁を接合して床構造体を構成した建物ユニットにおいて、床構造体の少なくとも一辺に設けられる床梁を特殊床梁とし、特殊床梁は床構造体の上記一辺において相対する両柱の連結線に対するユニット外側で、各柱の下端部に設けた梁連結部のユニット外側に臨む側面に接合され、特殊床梁は梁上面レベルを標準床梁の梁上面レベルより低くされるとともに、床構造体を支持する下部構造体の側傍に配置可能にされるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、特殊床梁の端部の上面に設けた接続金物をジョイントピースのユニット外側に臨む側面に接合してなるようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記特殊床梁が設けられる床構造体の一辺に補助床梁を併せ設け、補助床梁は床構造体の上記一辺において相対する両柱の連結線上で各柱の下端部に設けた梁連結部に接合され、補助床梁は梁上面レベルを標準床梁の梁上面レベルより低くされるとともに、床構造体を支持する下部構造体の上に配置可能にされるようにしたものである。
請求項4の発明は、請求項3の発明において更に、前記柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、補助床梁の端部の端面をジョイントピースの突設端に接合した平板の下半部に接合し、補助床梁の端部の上面に設けた接続金物を平板の上半部に接合してなるようにしたものである。
(請求項1)
(a)建物ユニットにおいて、特殊床梁の床上面レベルを標準床梁の床上面レベルより低くし、この特殊床梁により低床レベル部を形成するに際し、特殊床梁は床構造体の低床レベル部に対応する一辺において相対する両柱の連結線に対するユニット外側で各柱の下端部に設けた梁連結部のユニット外側に臨む側面に接合され、床構造体を支持する基礎等の下部構造体の側傍に配置される。従って、特殊床梁は基礎等に干渉することなく梁下面レベルを下げて梁せいを高くとることができ、断面強度(断面係数等)を大きくとりながら、標準床レベルに対してできるだけ低い低床レベル部を形成できる。
(請求項2)
(b)柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、特殊床梁の端部の上面に設けた接続金物をジョイントピースのユニット外側に臨む側面に接合した。従って、特殊床梁を建物ユニットの相対する柱の下端部に設けた梁連結部に強固に接合しながら、その梁上面レベルを下げることができる。
(c)建物ユニットに付属ユニットを隣接設置等するとき、建物ユニットと付属ユニットの接合面で付属ユニットの相対する柱のそれぞれは、建物ユニットの特殊床梁と干渉することなく、その特殊床梁の両外側で、建物ユニットの相対する柱のそれぞれに近接設置できる。
(請求項3)
(d)特殊床梁が設けられる床構造体の一辺に補強床梁を併せ設け、しかも、補強床梁は床構造体の低床レベル部に対応する一辺において相対する両柱の連結線上で各柱の下端部に設けた梁連結部に接合され、床構造体を支持する基礎等の下部構造体の上に配置される。従って、相対する柱と補強床梁を同一面内に設け、建物ユニットの構造強度を確実に補強できる。
(請求項4)
(e)柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、補助床梁の端部の端面をジョイントピースの突設端に接合した平板の下半部に接合し、補助床梁の端部の上面に設けた接続金物を平板の上半部に接合した。従って、補強床梁を建物ユニットの相対する柱の下端部に設けた梁連結部に強固に接合しながら、その梁上面レベルを下げることができる。
図1はユニット建物を示す模式斜視図、図2は建物ユニットの低床レベル部を示し、(A)は全体斜視図、(B)は要部斜視図、図3は建物ユニットの低床レベル部に設けた浴室を示す模式正面図、図4は建物ユニットの低床レベル部の施工手順を示す模式図である。
ユニット建物1は、図1に示す如く、複数の建物ユニット10を基礎2の上に据付けて構築されたものであり、1つの建物ユニット10Aの一側に付属ユニット100を隣接設置し、これらの相隣るユニット10A、100により浴室101を構成する。
建物ユニット10は、標準的には、前述の特許文献1にも記載される如く、4本の角鋼管製柱11を4隅に配置し、各柱11の下端部に設けた溝形状鋼板製梁連結部11Aに床構造体20の4隅を接合するとともに、各柱11の上端部に設けた溝形状鋼板製梁連結部に天井構造体(不図示)の4隅を接合することにて、箱形の骨組構造体をなす如くに構成されている。床構造体20は、4本の溝形鋼製床梁21(標準床梁)を上記梁連結部11Aの内側に重ね合せる如くに嵌合、溶接して形成した枠組構造体である。また、天井構造体は、4本の溝形鋼製天井梁を上記梁連結部の内側に重ね合せる如くに嵌合、溶接して形成した枠組構造体である。
しかるに、ユニット建物1は、図1、図2に示す如く、付属ユニット100が隣接設置される建物ユニット10Aにおいて浴室101を構成するものであり、床構造体20の標準床レベルよりも下げた低床レベル部20Aの上にバスユニット102を設置するものである。
建物ユニット10Aは、図2に示す如く、床構造体20の低床レベル部20Aに対応する一辺に設けられる床梁を特殊床梁30とする。特殊床梁30は鋼管(溝形鋼等でも可)にて形成され、床構造体20の上記一辺において相対する両柱11、11の連結線に対するユニット外側で、各柱11の下端部に設けた梁連結部11Aのユニット外側に臨むウエブ側面に、後述する如くに接合される。特殊床梁30は、梁上面レベルを標準床梁21(床構造体20の上記1辺を除く他の3辺に対応する標準床レベル部に設けられる床梁21)の梁上面レベルより低くされるとともに、床構造体20を支持する下部構造体としての基礎2の側傍に配置される。
建物ユニット10Aにおいて、相対する柱11の各下端部に設けた梁連結部11Aは、柱11の下端部から床構造体20の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースにて形成されている。そして、特殊床梁30の両端部の上面に溶接等により設けた接続金物31が、相対する柱11の各下端部に設けたジョイントピース11Aのユニット外側に臨むウエブ側面に溶接等により接合される。接続金物31は、特殊床梁30に接合される横板部31Aと、ジョイントピース11Aに接合される縦板部31Bと、横板部31Aと縦板部31Bをつなぐ三角板部31Cを有する。
建物ユニット10Aは、特殊床梁30が設けられる床構造体20の上記1辺に補助床梁40を併せ設ける。補助床梁40は鋼管(溝形鋼等でも可)にて形成され、床構造体20の上記1辺において相対する両柱11、11の連結線上で各柱11の下端部に設けた梁連結部11Aに後述する如くに接合される。補助床梁40は、梁上面レベルを標準床梁21の梁上面レベルより低く設定されるとともに、柱11及び床構造体20を支持する下部構造体としての基礎20の上に配置される。
建物ユニット10Aにおいて、相対する柱11の各下端部に設けた梁連結部11Aは、前述の通り、ジョイントピースにて形成されている。これらのジョイントピース11Aそのもの、又はジョイントピース11Aに接合されている標準床梁21のカット端部からなる突設端に平板41を溶接等により接合する。そして、補助床梁40の両端部の端面を上記平板41の下半部に溶接等により接合する。更に、補助床梁40の両端部の上面に溶接等により設けた接続金物42を、平板41の上半部に溶接等により接合する。接続金物42は、補助床梁40に接合される横板部42Aと、平板41に接合される縦板部42Bと、横板部42Aと縦板部42Bをつなぐ三角板部42Cを有する。
従って、建物ユニット10Aの低床レベル部20Aは図4に示す如くに形成される。
(1)相対する柱11の各下端部に設けた梁連結部11Aに標準床梁21が連結されている(図4(A))。
(2)標準床梁21の低床レベル部20Aに対応する部分をカットする(図4(B))。
(3)特殊床梁30の両端部に設けた接続金物31のそれぞれを相対する柱11の各下端部に設けたジョイントピース11Aのウエブ側面に接合する(図4(C)。
(4)相対する柱11の各下端部に設けたジョイントピース11Aの突設端に平板41を接合する。補助床梁40の両端部の端面を平板41の下半部に接合し、補助床梁40の両端部の上面に設けた接続金物42を平板41の上半部に接合する(図4(D))。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)建物ユニット10Aにおいて、特殊床梁30の床上面レベルを標準床梁21の床上面レベルより低くし、この特殊床梁30により低床レベル部20Aを形成するに際し、特殊床梁30は床構造体20の低床レベル部20Aに対応する一辺において相対する両柱11の連結線に対するユニット外側で各柱11の下端部に設けた梁連結部11Aのユニット外側に臨む側面に接合され、床構造体20を支持する基礎2等の下部構造体の側傍に配置される。従って、特殊床梁30は基礎2等に干渉することなく梁下面レベルを下げて梁せいを高くとることができ、断面強度(断面係数等)を大きくとりながら、標準床レベルに対してできるだけ低い低床レベル部20Aを形成できる。
(b)柱11の下端部に設けた梁連結部11Aが柱11の下端部から床構造体20の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピース11Aを有してなり、特殊床梁30の端部の上面に設けた接続金物31をジョイントピース11Aのユニット外側に臨む側面に接合した。従って、特殊床梁30を建物ユニット10Aの相対する柱11の下端部に設けた梁連結部11Aに強固に接合しながら、その梁上面レベルを下げることができる。
(c)建物ユニット10Aに付属ユニット100を隣接設置等するとき、建物ユニット10Aと付属ユニット100の接合面で付属ユニット100の相対する柱11のそれぞれは、建物ユニット10Aの特殊床梁30と干渉することなく、その特殊床梁30の両外側で、建物ユニット10Aの相対する柱11のそれぞれに近接設置できる。
(d)特殊床梁30が設けられる床構造体20の一辺に補強床梁を併せ設け、しかも、補強床梁は床構造体20の低床レベル部20Aに対応する一辺において相対する両柱11の連結線上で各柱11の下端部に設けた梁連結部11Aに接合され、床構造体20を支持する基礎2等の下部構造体の上に配置される。従って、相対する柱11と補強床梁を同一面内に設け、建物ユニット10Aの構造強度を確実に補強できる。
(e)柱11の下端部に設けた梁連結部11Aが柱11の下端部から床構造体20の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピース11Aを有してなり、補助床梁40の端部の端面をジョイントピース11Aの突設端に接合した平板41の下半部に接合し、補助床梁40の端部の上面に設けた接続金物42を平板41の上半部に接合した。従って、補強床梁を建物ユニット10Aの相対する柱11の下端部に設けた梁連結部11Aに強固に接合しながら、その梁上面レベルを下げることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。本発明が適用される建物ユニットにあっては、床構造体の2辺以上において本発明の特殊床梁を設けることができる。
本発明の建物ユニットが上階に設けられるとき、床構造体を支持する下部構造体は、下階建物ユニットの天井梁等になる。
本発明の建物ユニットは、浴室に限らず、玄関、ステップダイン室、勝手口、車庫等を形成するものにも適用できる。
図1はユニット建物を示す模式斜視図である。 図2は建物ユニットの低床レベル部を示し、(A)は全体斜視図、(B)は要部斜視図である。 図3は建物ユニットの低床レベル部に設けた浴室を示す模式正面図である。 図4は建物ユニットの低床レベル部の施工手順を示す模式図である。
符号の説明
1 ユニット建物
2 基礎(下部構造体)
10A 建物ユニット
11 柱
11A 梁連結部(ジョイントピース)
20 床構造体
20A 低床レベル部
21 床梁
30 特殊床梁
31 接続金物
40 補助床梁
41 平板
42 接続金物

Claims (4)

  1. 柱の下端部に床梁を接合して床構造体を構成した建物ユニットにおいて、
    床構造体の少なくとも一辺に設けられる床梁を特殊床梁とし、特殊床梁は床構造体の上記一辺において相対する両柱の連結線に対するユニット外側で、各柱の下端部に設けた梁連結部のユニット外側に臨む側面に接合され、
    特殊床梁は梁上面レベルを標準床梁の梁上面レベルより低くされるとともに、床構造体を支持する下部構造体の側傍に配置可能にされることを特徴とする建物ユニット。
  2. 前記柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、特殊床梁の端部の上面に設けた接続金物をジョイントピースのユニット外側に臨む側面に接合してなる請求項1に記載の建物ユニット。
  3. 前記特殊床梁が設けられる床構造体の一辺に補助床梁を併せ設け、補助床梁は床構造体の上記一辺において相対する両柱の連結線上で各柱の下端部に設けた梁連結部に接合され、
    補助床梁は梁上面レベルを標準床梁の梁上面レベルより低くされるとともに、床構造体を支持する下部構造体の上に配置可能にされる請求項1又は2に記載の建物ユニット。
  4. 前記柱の下端部に設けた梁連結部が柱の下端部から床構造体の輪郭に沿う方向に突設したジョイントピースを有してなり、補助床梁の端部の端面をジョイントピースの突設端に接合した平板の下半部に接合し、補助床梁の端部の上面に設けた接続金物を平板の上半部に接合してなる請求項3に記載の建物ユニット。
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