JP2010013705A - 溶融金属浴の制御装置および溶融めっき金属帯の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融金属中に浸漬される電場創生手段と磁場創生手段を備えるとともに、該電場創生手段と磁場創生手段は、それらにより創生される電場と磁場によりローレンツ力が発生するよう配置され、該ローレンツ力を溶融金属に作用させることで、(1)溶融金属の流れをローレンツ力で制御する、(2)異物の動きをローレンツ力と逆向きの力として異物に作用する電磁アルキメデス力で制御する、のいずれかまたは両方を行うようにした。また、溶融めっき金属帯の製造方法は、上記制御装置を溶融金属浴中に設置し、溶融金属の流れや異物の動きをめっき処理に適した状態に制御しつつ、金属帯に溶融めっきを行う。
【選択図】図1
Description
この溶融めっき法を、鋼帯に溶融亜鉛めっきを施す場合を例に説明すると、冷間圧延された鋼帯または熱間圧延された後に表面のスケールが除去された鋼帯を、無酸化性または還元性雰囲気に保たれた焼鈍炉に導入して、表面酸化膜の除去を兼ねた焼鈍処理を施した後、溶融亜鉛の温度とほぼ同程度の温度まで冷却し、引き続き鋼帯を溶融亜鉛浴(めっき槽)中に導入し、浴中に設けられたシンクロールに巻き付けて略V字形の経路で溶融亜鉛浴中を通板させ、その表面に溶融亜鉛を付着させる。そして、溶融亜鉛浴から引き出された直後の鋼帯の両面にガスワイピングノズルからワイピングガスを吹き付け、過剰の溶融金属を払拭してめっき付着量の調整を行う。
また、交流磁場を用いたローレンツ力により、立ち上り部の溶融亜鉛浴面を下方に圧縮することで、見かけ上の重力を増加させ、亜鉛持ち上げ量を低減させる技術も提案されている(特許文献2)。
2FeZn7+5Al→Fe2Al5+14Zn …(1)
しかし、このトップドロスが鋼帯に付着して品質欠陥を引き起こす場合もあるため根本的な解決にはならない。さらに、Alは合金化を抑制する働きがあるため、合金化溶融亜鉛めっき鋼帯を製造する際に、合金化不良を引き起こすという問題もある。
例えば、溶融亜鉛浴内に気泡を発生させ、この気泡により浴中の浮遊ドロスを捕捉し、速やかに浴面まで浮上させて除去する技術が提案されている(特許文献3)。また、溶融亜鉛浴からの鋼帯立上り部の浴上に移動磁場を発生させ、この移動磁場による電磁力を用いて浴面に浮遊するドロスを鋼帯の周辺から除去する技術が提案されている(特許文献4)。さらに、溶融亜鉛浴からの鋼帯立上り部の浴中にメタル流(溶融亜鉛流)を発生させ、浴中の浮遊ドロスが鋼帯に付着するのを防止する技術も提案されている(特許文献5)。
まず、特許文献1の方法は、めっき表層部を酸化させてめっき品質を劣化させたり、亜鉛と鉄との合金化をいたずらに促進させる恐れがある。また、めっき表層部の酸化を防止するために、還元炉式の加熱装置を用いるなどの工夫をした場合には、加熱装置が大型化するため溶融亜鉛浴面とガスワイピングノズルとの間に設置できない可能性もある。また、仮に設置できたとしても、ガスワイピングノズルによって払拭された溶融亜鉛が加熱装置に降り積もることになり、装置を故障させたり、或いは降り積もった亜鉛が鋼帯に再付着してめっき表面欠陥になる懸念がある。
亜鉛持ち上げ量を低減するには、鋼帯が溶融亜鉛から上方に引き上げられる際に、浴中の鋼帯近傍に発生する溶融亜鉛の随伴流を抑制すれば良いことが知られている。これをガスワイピングノズル直下や溶融亜鉛浴面でない場所にコンパクトな装置を設置することで実現できれば望ましい。
まず、特許文献3の方法は、気泡により浴中の浮遊ドロスをすべて捕捉することは不可能であり、仮に捕捉できたとしても気泡の挙動を制御することができないので、鋼帯に付着してしまう懸念がある。
特許文献4の方法は、浴面の浮遊ドロス(トップドロス)が鋼帯に近づかないようにするには効果的であるが、浴中には電磁力が十分に作用しないため、浴中の浮遊ドロスの付着防止には無力である。
特許文献5の方法は、浴中の浮遊ドロスに効果がある点では優れているが、鋼帯に対するメタル流の角度や、メタル流の速度勾配、或いは鋼帯通板速度とメタル流速との関係によっては効果が無くなる場合がある。その場合には、単に浮遊ドロスが鋼帯付近を流れているに過ぎず、浮遊ドロスの付着防止には効果がない。
また、本発明の他の目的は、そのような制御装置を用いて溶融めっき浴中の溶融金属の流れや異物の動きを制御しつつ溶融めっき金属帯を製造する方法であって、例えば、金属帯に随伴する溶融金属流を制動し、金属帯が溶融金属浴から引き出される際の溶融金属の持ち上げ量を抑制したり、或いは溶融金属浴中の異物を金属帯から遠ざけ、金属帯に付着しないようにすることができる溶融めっき金属帯の製造方法を提供することにある。
[1]溶融金属浴中に浸漬される電場創生手段と磁場創生手段を備えるとともに、該電場創生手段と磁場創生手段は、それらにより創生される電場と磁場とによりローレンツ力が発生するよう配置され、該ローレンツ力を溶融金属に作用させることにより、下記(1)または/および(2)の制御を行うように構成したことを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
(1)溶融金属の流れをローレンツ力により制御する。
(2)溶融金属中に存在し、該溶融金属よりも電気伝導度が低い異物の動きを、ローレンツ力と逆向きの力として異物に作用する電磁アルキメデス力により制御する。
[2]上記[1]の制御装置において、電場創生手段が溶融金属中に電流を流すための対向した1対の電極を備えることを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
[3]上記[2]の制御装置において、電場創生手段は、溶融金属中に流す電流量の調整が可能であり、該電流量の調整により溶融金属に作用するローレンツ力の大きさを調整可能としたことを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
[5]上記[1]〜[3]のいずれかの制御装置において、磁場創生手段が電磁石で構成されることを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
[6]上記[5]の制御装置において、磁場創生手段は、電磁石に流す電流量の調整が可能であり、該電流量の調整により溶融金属に作用するローレンツ力の大きさを調整可能としたことを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかの制御装置において、電場創生手段および磁場創生手段を支持するための支持体を備え、該支持体内側の空部を貫通する方向にローレンツ力が作用するように、電場創生手段と磁場創生手段を支持体に設けることを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
[9]連続通板する金属帯が溶融金属浴に浸漬されることで溶融めっきが行われる溶融めっき金属帯の製造方法において、上記[1]〜[8]のいずれかの溶融金属浴の制御装置(X)を溶融金属浴中の1箇所または2箇所以上に設置し、該制御装置(X)により溶融金属の流れまたは/および異物の動きを制御しつつ、金属帯に溶融めっきを行うことを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
[11]上記[9]または[10]の製造方法において、上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、溶融金属浴の底部方向に流れる溶融金属流を制動することを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
[13]上記[9]〜[12]のいずれかの製造方法において、上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、溶融金属浴中の異物に、溶融金属浴内の異物集積部方向に電磁アルキメデス力を作用させることを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。
また、本発明による溶融めっき金属帯の製造方法によれば、そのような制御装置を用いて、例えば、(a)金属帯に随伴する溶融金属流を制動し、金属帯が溶融金属浴から引き出される際の溶融金属の持ち上げ量を適切に抑制・制御できる、(b)溶融金属浴の底部方向に流れる溶融金属流を制動し、溶融金属浴の底部またはその近傍に存在する異物の巻き上げを抑制できる、(c)溶融金属浴中のドロスなどの異物を金属帯側に接近させず(異物を金属帯から遠ざける)、金属帯に付着しないようにできる、(d)溶融金属浴中のドロスなどの異物を溶融金属浴内の異物集積部に移動・集積させることができるなど、溶融金属浴内の溶融金属の流れやドロスなどの異物の動きを溶融めっき処理に適した状態に適切に制御することができ、これにより高品質の溶融めっき金属帯を高い生産性で製造することができる。
(1)溶融金属の流れをローレンツ力により制御(制動または加速)する。
(2)溶融金属中に存在し、該溶融金属よりも電気伝導度が低い異物の動きを、ローレンツ力と逆向きの力として異物に作用する電磁アルキメデス力により制御する。
前記電場創生手段Aは、溶融金属中に流す電流量を調整可能とすることが好ましい。電極間に流れる電流量を変化させると、電場の強さを調整することができる。ローレンツ力の大きさは電場の強さに比例するので、溶融金属に作用させるローレンツ力の大きさを調整することができ、溶融金属の流れの制御をより適切に行うことが可能となる。また、そのようなローレンツ力の大きさを調整することを通じて、異物に働く電磁アルキメデス力の大きさを調整できるので、異物の動きの制御もより適切に行うことが可能となる。
磁場創生手段Bを永久磁石で構成する場合、上記のように1対の永久磁石を異なる磁極が対向するように配置すれば、特にコンパクトな装置構成で磁場を創生することができる。また、溶融亜鉛浴は通常460℃程度と高温であるが、例えば、アルニコ磁石などのような耐熱温度が500℃以上の永久磁石を用いれば問題はない。
また、磁場創生手段Bを電磁石で構成する場合には、電磁石に流す電流量を調整可能とすることが好ましい。電磁石に流す電流を変化させると、磁場の強さを調整することができる。ローレンツ力の大きさは磁場の強さにも比例するので、溶融金属に作用させるローレンツ力の大きさを調整することができ、溶融金属の流れの制御をより適切に行うことが可能となるのである。また、そのようなローレンツ力の大きさを調整することを通じて、異物に働く電磁アルキメデス力の大きさを調整できるので、異物の動きの制御もより適切に行うことが可能となる。
本実施形態では、前記支持体は、内側に空部100(窓孔)を有する枠体1(フレーム構造体)で構成されている。この枠体1は長方形状であり、この長方形状の枠体1の対向する2辺(部分p1,p2)に電場創生手段Aを構成する1対の電極2a,2b(陽極および陰極)を設けるとともに、他の対向する2辺(前記部分p1,p2と90°の位置関係にある部分p3,p4)に、磁場創生手段Bを構成する1対の磁石3a,3bを異なる磁極(N極およびS極)が対向するようにして設け、前記1対の電極2a,2b間で電場を創生するとともに、前記1対の磁石3a,3b間で、前記電場と直交する磁場を創生するようにしてある。
前記電極2a,2b(陽極および陰極)と磁石3a,3b(N極およびS極)は、これらが創生する電場と磁場が直交するように配置されているため、フレミング左手の法則に従いそれぞれと直交する方向、すなわち、枠体1の内側の空部100(窓孔)を貫通する方向にローレンツ力が発生し、このローレンツ力で溶融金属の流れを制御(溶融金属流の制動または加速、溶融金属の流動化など)できる。また、溶融金属にローレンツ力が作用することにより、ドロスなどの異物には溶融金属が受けるローレンツ力とは逆方向に電磁アルキメデス力が働くので、この電磁アルキメデス力により異物の動きを制御(異物の金属帯側への接近抑制など)できる。
また、必要に応じて、電場創生手段Aの電極2a,2b間に通電させる電流量を変化させること、或いは磁場創生手段Bが電磁石の場合に電磁石に通電させる電流量を変化させることにより、ローレンツ力や電磁アルキメデス力の大きさを変化させ、溶融金属や異物に作用する力を調整することができる。
また、本発明の溶融金属浴の制御装置は、以下に説明するような溶融めっき金属帯の製造方法の他、溶融金属を扱う種々の方法、設備に適用することができる。
この溶融めっき金属帯の製造方法は、連続通板中の金属帯が溶融金属浴に浸漬されることで溶融めっきが行われる溶融めっき金属帯の製造方法であり、制御装置Xを溶融金属浴中の1箇所または2箇所以上に設置し、この制御装置Xにより溶融金属の流れまたは/および異物の動きを制御しつつ、金属帯に溶融めっきを行う。溶融金属の流れの制御形態としては、さきに述べた理由から、金属帯に随伴する溶融金属流を制動し、金属帯が溶融金属浴から引き出される際の溶融金属の持ち上げ量を抑制する形態が最も有用である。また、溶融金属浴の底部方向に流れる溶融金属流を制動し、溶融金属浴の底部またはその近傍に存在するドロスなどの異物の巻き上げを抑制する形態も有用である。さらに、異物の動きの制御形態としては、さきに述べた理由から、溶融金属浴中のドロスなどの異物を金属帯から遠ざけ、金属帯に付着しないようにする形態が最も有用である。また、溶融金属浴中のドロスなどの異物を溶融金属浴内の異物集積部に移動・集積させる形態も有用である。
(イ)制御装置Xが発生させるローレンツ力により、浴中で上方に方向転換されて移動する金属帯に随伴する溶融金属流を制動し、金属帯が溶融金属浴から引き出される際の溶融金属の持ち上げ量を抑制する。
(ロ)制御装置Xが発生させるローレンツ力により、溶融金属浴の底部方向に流れる溶融金属流を制動し、溶融金属浴の底部またはその近傍に存在する異物(例えば、ボトムドロス)の巻き上げを抑制する。
(ハ)制御装置Xが発生させるローレンツ力により、溶融金属浴中の異物に、該異物を金属帯から遠ざける方向に電磁アルキメデス力を作用させ、異物を金属帯から遠ざける。
(ニ)制御装置Xが発生させるローレンツ力により、溶融金属浴中の異物に、溶融金属浴内の異物集積部方向に電磁アルキメデス力を作用させ、異物を異物集積部に移動・集積させる。
図2は、溶融亜鉛浴(めっき浴)中での溶融亜鉛の流動状態を示している。上方から溶融亜鉛浴4に進入した鋼帯5は、シンクロール6によって上方(鉛直方向)に方向転換された後、溶融亜鉛浴4から引き上げられるが、シンクロール6で方向転換されて上方に移動する鋼帯5の近傍には、鋼帯に随伴して上昇する溶融金属流f1(随伴流)が存在する。この随伴流は溶融亜鉛の持ち上げ量を左右する重要な流れであり、この流れが大きいと持ち上げ量が増えてしまう。
前記各制御装置Xは、浴中立上り部50に向かって斜め下方にローレンツ力Lが発生するように斜めに配置されている。このような形態でローレンツ力Lが発生することにより、鋼帯5から多少離れたところに配置された制御装置Xからでも、溶融金属流f1(随伴流)を制動することができ、鋼帯5による亜鉛持ち上げ量の低減が可能となる。また、制御装置Xの電極2a,2b間に流す電流量を調整するなどしてローレンツ力の大きさを調整すれば、例えば、ライン速度に応じて亜鉛持ち上げ量を適切な量に制御することもできる。なお、制御装置Xは、1つの装置で鋼帯5の全幅をカバーする幅を有するものでもよいし、複数の装置を板幅方向に配置したものでもよい。
図5は、図3と図4で各設置された制御装置Xを全て配置した実施形態であり、このような形態で制御装置Xを設置することで、品質も生産性も高い溶融亜鉛めっき鋼帯の製造が可能となる。
前記各制御装置Xは、浴中立上り部50に向かって斜め下方にローレンツ力Lが発生し、したがってドロスに働く電磁アルキメデス力Eが反鋼帯方向(鋼帯5から遠ざかる方向)の斜め上方に向かって作用するように配置されている。この実施形態は上記(ハ)の作用の実現を主目的としているため、図3の実施形態よりも浴面下の深い位置に制御装置Xを配置し、且つローレンツ力Lの作用方向の浴中立上り部50に対する傾きが図3の実施形態よりも大きい。この実施形態では、ドロスに電磁アルキメデス力Eが働くことにより鋼帯5への異物の接近が抑えられ、鋼帯5へのドロス付着が防止される。なお、制御装置Xが発生するローレンツ力の調整や、装置の鋼帯幅方向での配置については、図3で述べたと同様である。
なお、本実施形態では、電磁アルキメデス力によってドロスを鋼帯5の面外方向に遠ざけるよう制御装置Xを設置しているが、鋼帯5の面内方向(鋼帯面に沿った方向)にドロスを遠ざけるように、すなわち板幅方向両エッジから外側方向にドロスを遠ざけるように、その方向に向かって電磁アルキメデス力を作用させてもよい。
また、本実施形態では、槽底部方向(鉛直下方)に異物への電磁アルキメデス力が作用するような位置に配置された制御装置Xについては、上向きのローレンツ力Lが発生するので、副次的な作用として、図4の実施形態と同様に下降する溶融金属流(図4の溶融金属流f2)が制動され、底部に堆積するボトムドロスの巻き上げが抑制される。
また、本実施形態でも、上向きのローレンツ力Lが発生するので、副次的な作用として、図4の実施形態と同様に下降する溶融金属流(図4の溶融金属流f2)が制動され、底部に堆積するボトムドロスの巻き上げが抑制される。
以上述べた本発明の溶融めっき金属帯の製造方法は、溶融亜鉛めっき鋼帯の他、溶融亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼帯、アルミニウムめっき鋼帯など、任意の溶融めっき金属帯の製造に適用できる。
2a,2b 電極
3a,3b 磁石
4 溶融亜鉛浴
5 鋼帯
6 シンクロール
7 ガスワイピングノズル
8 めっき槽
9 すのこ状部材
50 浴中立上り部
80 壁面
81 槽底面
90 すのこ板
100 空部
A 電場創生手段
B 磁場創生手段
X 制御装置
p1,p2,p3,p4 部分
f1,f2,f3 溶融金属流
Sa,Sb 異物集積部
L ローレンツ力
E 電磁アルキメデス力
Claims (13)
- 溶融金属浴中に浸漬される電場創生手段と磁場創生手段を備えるとともに、該電場創生手段と磁場創生手段は、それらにより創生される電場と磁場とによりローレンツ力が発生するよう配置され、該ローレンツ力を溶融金属に作用させることにより、下記(1)または/および(2)の制御を行うように構成したことを特徴とする溶融金属浴の制御装置。
(1)溶融金属の流れをローレンツ力により制御する。
(2)溶融金属中に存在し、該溶融金属よりも電気伝導度が低い異物の動きを、ローレンツ力と逆向きの力として異物に作用する電磁アルキメデス力により制御する。 - 電場創生手段が溶融金属中に電流を流すための対向した1対の電極を備えることを特徴とする請求項1に記載の溶融金属浴の制御装置。
- 電場創生手段は、溶融金属中に流す電流量の調整が可能であり、該電流量の調整により溶融金属に作用するローレンツ力の大きさを調整可能としたことを特徴とする請求項2に記載の溶融金属浴の制御装置。
- 磁場創生手段が永久磁石で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金属浴の制御装置。
- 磁場創生手段が電磁石で構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の溶融金属浴の制御装置。
- 磁場創生手段は、電磁石に流す電流量の調整が可能であり、該電流量の調整により溶融金属に作用するローレンツ力の大きさを調整可能としたことを特徴とする請求項5に記載の溶融金属浴の制御装置。
- 電場創生手段および磁場創生手段を支持するための支持体を備え、該支持体内側の空部を貫通する方向にローレンツ力が作用するように、電場創生手段と磁場創生手段を支持体に設けることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の溶融金属浴の制御装置。
- 支持体が枠体からなり、該枠体の対向する部分(p1),(p2)に電場創生手段を構成する1対の電極を設けるとともに、枠体の対向する部分であって且つ前記部分(p1),(p2)と90°の位置関係にある部分(p3),(p4)に、磁場創生手段を構成する1対の磁石を異なる磁極が対向するようにして設け、前記1対の電極間で電場を創生するとともに、前記1対の磁石間で、前記電場と直交する磁場を創生するようにしたことを特徴とする請求項7に記載の溶融金属浴の制御装置。
- 連続通板する金属帯が溶融金属浴に浸漬されることで溶融めっきが行われる溶融めっき金属帯の製造方法において、
請求項1〜8のいずれかに記載の溶融金属浴の制御装置(X)を溶融金属浴中の1箇所または2箇所以上に設置し、該制御装置(X)により溶融金属の流れまたは/および異物の動きを制御しつつ、金属帯に溶融めっきを行うことを特徴とする溶融めっき金属帯の製造方法。 - 上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、
制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、浴中で上方に方向転換されて移動する金属帯に随伴する溶融金属流を制動することを特徴とする請求項9に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。 - 上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、
制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、溶融金属浴の底部方向に流れる溶融金属流を制動することを特徴とする請求項9または10に記載の溶融めっき金属帯の製造方法。 - 上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、
制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、溶融金属浴中の異物に、該異物を金属帯から遠ざける方向に電磁アルキメデス力を作用させることを特徴とする請求項9〜11のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造方法。 - 上方から溶融金属浴に進入した金属帯が、浴中で上方に方向転換された後、溶融金属浴から引き出される溶融めっき金属帯の製造方法であって、
制御装置(X)が発生させるローレンツ力により、溶融金属浴中の異物に、溶融金属浴内の異物集積部方向に電磁アルキメデス力を作用させることを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の溶融めっき金属帯の製造方法。
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