本発明の実施例について以下の順序で説明する。本実施例では、パチンコ機としての構成を例示するが、本発明は、これに限らず回胴式遊技機など種々の遊技機に適用可能である。
A.制御回路構成:
B.ランプ駆動基板および図柄ランプ:
C.階調制御:
D.点灯制御処理:
E.演出ユニット構成:
F.変形例:
F1.最大輝度抑制処理の変形例:
F2.図柄データ生成装置:
A.制御回路構成:
図1は実施例としての遊技機の制御回路構成を示すブロック図である。本実施例では、遊技機の動作は、主制御基板1000、払出制御基板200、サブ制御基板300などの各制御基板の分散処理によって制御される。各制御基板は、内部にCPU、RAM、ROMなどを備えたワンチップマイクロコンピュータとして構成されており、ROMに記録されたプログラムに従って種々の制御処理を実現する。
実施例の遊技機では、種々の不正を防止するため、主制御基板1000への外部からの入力が制限されている。図示する通り、主制御基板1000とサブ制御基板300とはパラレル電気信号で接続されており、主制御基板1000と払出制御基板200とは、制御処理の必要上、シリアル電気信号で接続されている。払出制御基板200、サブ制御基板300は、それぞれ主制御基板1000からのコマンドに応じて動作する。主制御基板1000から払出制御基板200に出力されるコマンドとしては、賞球指令コマンドが含まれる。また、サブ制御基板300に出力されるコマンドには、抽選結果の当落、確率変動しているか否か、および変動パターン番号という形式で表される変動時間などが含まれる。
パチンコ機は、主制御基板1000の制御に基づいて、遊技盤面に設けられた始動入賞口に球が入ると、賞球を払い出し、乱数に基づく当たり/はずれの判定を行うとともに、当たりと判定された場合には、遊技盤面に設けられた大入賞口を規定期間だけ解放するよう動作する。遊技時にかかる動作を実現するため、主制御基板1000には、始動入賞口への球の入賞を検出する入賞検出器1001の検出結果が入力されている。また、主制御基板1000からは、大入賞口を解放するための大入賞口ソレノイド1002の制御信号が出力される。
主制御基板1000には、図柄表示LED1003も接続されている。図柄表示LED1003は、16個のLEDから構成されており、遊技中の入賞の状態に応じて、普通図柄、特別図柄、普通図柄保留、特別図柄保留と呼ばれる表示を行う。主制御基板1000は、図柄表示LED1003の点灯状態を直接制御する。
その他の遊技時における各動作の制御は、払出制御基板200、サブ制御基板300を介して行われる。払出制御基板200は、遊技中の球の発射および払い出しを次の手順で制御する。球の発射は、直接的には発射制御基板202によって制御される。即ち、遊技者が、発射ハンドル201を操作すると、発射制御基板202は、発射モータ203を制御し、球を発射する。払出制御基板200は、発射制御基板202に対して、発射可否の制御信号を送出することで、間接的に球の発射を制御する。
遊技中に入賞した旨のコマンドを主制御基板1000から受信すると、払出制御基板200は、払出しモータ220を制御し、球数をカウントしながら規定数の賞球を払い出す。払出制御基板200は、払出し用に貯えられた球の不足の有無を球切れスイッチ210によって検出し、不足時には、球不足の検出信号を主制御基板1000経由でサブ制御基板300に出力する。サブ制御基板300は、この検出信号を受け、枠装飾ランプ330の所定の部位を点灯させる。
サブ制御基板300は、遊技中における音声、表示、ランプ点灯などの演出を制御する。これらの演出は、通常時、入賞時、大当たり時など、遊技中のステータスに応じて変化する。主制御基板1000から、各ステータスに応じた演出用のコマンドが送信されると、サブ制御基板300は、各コマンドに対応したプログラムを起動して、主制御基板1000から指示された演出を実現する。演出用の表示例については、後述する。
本実施例では、図示する通り、サブ制御基板300はスピーカ310を直接制御する。スピーカ310は、複数接続されていてもよい。表示器としては、枠装飾ランプ330、図柄ランプ370、パネル装飾ランプ390が設けられている。本実施例では、これらのランプには、いずれもLEDを用いた。枠装飾ランプ330、図柄ランプ370、パネル装飾ランプ390は、それぞれ基板上に配置された複数のLEDの集合を表している。
枠装飾ランプ330は、ランプ中継基板320を介してサブ制御基板300に接続されており、サブ制御基板300からの制御信号に従って、スタティックに点灯制御される。図柄ランプ370は、後述する通り、複数のセグメントから構成された表示器であり、図柄表示LED1003と関連づけられた装飾用の図柄の表示に使用される。図柄ランプ370は、ランプ駆動基板350を介してサブ制御基板300に接続されており、各LEDは、サブ制御基板300からの信号に従って、ダイナミック点灯制御される。
パネル装飾ランプ390は、図柄ランプ370の周囲を装飾するための表示器である。パネル装飾ランプ390は、ランプ駆動基板350を介してサブ制御基板300に接続されており、各LEDは、サブ制御基板300からの信号に従って、スタティックに点灯制御される。図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390を含むユニットを演出ユニットと称する。
サブ制御基板300には、ディップスイッチ308が設けられている。本実施例では、後述する通り、枠装飾ランプ330、図柄ランプ370、パネル装飾ランプ390の輝度を色間で相対的に調整することができる。ディップスイッチ308は、この調整に用いられるスイッチである。係員が、ディップスイッチ308の設定を変えると、予め用意された複数の輝度調整モードのいずれかに従って、輝度の調整が行われる。輝度調整の方法については後述する。
以上で説明した制御回路構成は、遊技機の一例である。各ハードウェアモジュールの接続先は、図示した例に限らず種々の構成を採ることが可能である。また、遊技機に要求される機能に応じて、図示したハードウェアモジュールの一部を省略した構成、別個のハードウェアモジュールを追加した構成を採ってもよい。
B.ランプ駆動基板および図柄ランプ:
図2はサブ制御基板300およびランプ駆動基板350の内部構造を示す説明図である。図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390の接続に関する部分のみを示した。枠装飾ランプ330は、図示したのとは別の回路によってCPU302と接続されている(図1参照)。
ランプ駆動基板350には、ラッチ352[1]〜352[8]の8つのラッチが並列に設けられている。各ラッチは、8ビット分のデータを保持可能である。ラッチ352[8]は、パネル装飾ランプ390に接続され、その他のラッチ352[1]〜352[7]からなるラッチ群354は、全体として図柄ランプ370に接続されている。図柄ランプ370に接続される信号には、図柄ランプ370をダイナミック点灯制御するために使用されるコモン信号376および個別信号線377が含まれる。これらの信号の詳細については後述する。
ラッチ352と、図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390との接続は、図示した例に限られない。例えば、一つのラッチ352の一部のデータ線をパネル装飾ランプ390に接続し、残りを図柄ランプ370に接続するようにしてもよい。
ランプ駆動基板350は、サブ制御基板300のCPU302からの出力ポートに接続されている。この出力ポートには、8本のデータ線およびラッチ352[1]〜352[8]を切り換えるセレクト信号を含む信号線356が含まれる。ラッチへのデータ転送は、必ずしも8ビットで行う必要はなく、4ビットなど任意に設定可能である。但し、データ転送のビット数は、ラッチで保持するビット数と一致させておくことが好ましい。転送のビット数を減らしても、データ転送の回数を増加させることによって、制御に要求される全データの転送は可能である。
サブ制御基板300に設けられたRAM内には、データの出力用にバッファメモリ304[1]、304[2]という2つのワークエリアが設けられており、データは、これらのバッファメモリ304から、交互に出力される。各バッファメモリ304は、CPU302とデータ線306等で接続されている。
CPU302から図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390へのデータ出力は、次の手順で行われる。CPU302は、いずれかのバッファメモリ304に図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390の表示を制御するための制御データを書き込む。バッファメモリ304に書き込まれたデータは、セレクト信号を切換ながら、8回に分けてランプ駆動基板350に転送され、順次、各ラッチ352に保持される。全ラッチ352へのデータの蓄積が完了すると、これらのデータは、ランプ駆動基板350から、図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390に送信される。このようにランプ駆動基板350は、見かけ上、サブ制御基板300からのデータ線数を増大させる機能を奏する。本実施例では、8つのラッチを用いることにより、最大64本までデータ線数が利用可能となっている。
図3は本実施例におけるLEDの配置を示す説明図である。これらは、演出ユニットの内部、即ち図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390を構成するLEDである。本実施例では、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の単色のLEDと、これらの三色を内蔵することによりフルカラー表示可能なLEDとを混在して用いている。ここでは、以下の制御処理を説明する便宜上、演出ユニットの内部構成についてまず説明し、遊技機に取り付ける際のユニット全体の構成については、最後に詳述する。
破線で囲んだ枠F1〜F3がパネル装飾ランプ390である。パネル装飾ランプ390には、それぞれレッド(R)単色のLEDを用いている。枠A〜Eが図柄ランプ370である。枠Aの部分には、フルカラーのLEDを用いている。枠B,Cの部分には、レッド(R)とブルー(B)の単色LEDを混在して用いている。枠A〜CのLEDは、それぞれ「8」の形状を表示可能な7本の各セグメントに内蔵されている。枠D,Eの部分には、レッド(R)の単色LEDを用いている。先に説明した通り、図柄ランプ370はダイナミック点灯制御される。この点灯制御は、枠A〜Eのそれぞれの枠内のLEDを一つのグループとして扱って行われる。以下、各枠内のLEDをグループA、B...Eとそれぞれ総称する。
図4はランプ駆動基板350および図柄ランプ370の回路構成を示す説明図である。ランプ駆動基板350からは、4本のコモン信号C12,C11、C22、C21が出力されており、それぞれグループB、グループC、グループA、グループD,Eの各LEDが接続されている。コモン信号C11、C12には、個別信号線S1−1〜S1〜14が設けられている。グループB中のブルーLEDのBb1〜Bb7およびレッドLEDのBr1〜Br7は、図示する通り、これらの個別信号線S1−1〜S1〜14に各々接続されている。グループC中のブルーLEDCb1〜Cb7およびレッドLEDのCr1〜Cr7も同様に、個別信号線S1−1〜S1〜14に各々接続されている。ブルーLEDが単体で用いられているのに対し、レッドLEDが2つペアで用いられているのは、両者間で輝度を合わせるためである。また、図の煩雑化を回避するため、図示を省略したが、各LEDには、輝度調整のための抵抗が接続されている。
コモン信号C21、C22には、個別信号線S2−1〜S2−21が設けられている。グループA中のフルカラーLEDのAc1〜Ac7に内蔵されている3色のLEDは、各々個別信号線S2−1〜S2−21に接続されている。グループD、EのレッドLEDのDr1〜Dr14は、各々個別信号線S2−1〜S2−14に接続されている。グループD,Eでは、個別信号線S2−15〜S2−21は使われていない。図示を省略したが、グループA、D,Eの各LEDも、輝度調整のための抵抗がそれぞれ接続されている。各色の最大輝度は、混色時に白色を表現できる状態を基準として設定することができる。本実施例では、「レッド:グリーン:ブルー=1:2.5:1」となるよう設定した。最大輝度は、この例に限らず、種々の設定が可能である。
かかる回路構成において、本実施例では、コモン信号C12、C22およびC11、C21をそれぞれ同期させてオンとする。コモン信号C12、C22がオンとなっている時は、各個別信号線のオン・オフに従って、グループB(レッドLEDおよびブルーLED)とグループA(フルカラーLED)の各LEDが点灯されることになる。コモン信号C11、C21がオンとなっている時は、グループC(レッドLEDおよびブルーLED)とグループD,E(レッドLED)の各LEDが点灯されることになる。
このように、本実施例では、コモン信号に接続されているLEDの色の組み合わせが異なるグループが同時にオンされるよう点灯を制御する。こうすることによって、同時にオンされるグループ間での色バランスを確保しやすくなる利点がある。また、本実施例では、同じ色のLED(レッドLEDおよびブルーLED)を用いたグループB,Cを交互にオンとすることにより、これらの色(以下、「共通色」と呼ぶ)については、いずれかの部位で常に点灯している状態を実現することができる。従って、共通色全体としての明るさの時間変動を抑制することができる。
また、本実施例では、2本のコモン信号を同時にオンとすることにより、ダイナミック点灯制御において、比較的短い周期で各グループのLEDを点灯させることができる。仮に、1本のコモン信号のみを用いるものとすれば、グループB→グループC→グループA→グループD,Eという順序で各グループが点灯されることになり、点灯している期間の3倍のブランク期間が存在することになる。従って、各グループは、全期間の最大25%しか点灯期間を確保することができなくなる。
これに対し、2本のコモン信号を用いた場合には、グループB→グループC、およびグループA→グループD,Eという順序で各グループが点灯されることとなるため、点灯している期間とブランク期間を等しくすることができる。従って、全期間の最大50%の点灯期間を確保することができる。このように本実施例では、ブランク期間を短くすることができるため、LEDの明るさを確保し、表示時のちらつきを抑制することができる。
遊技機は、遊技中に上述した図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390を用いて種々の演出表示を行う。これらの演出表示の中で遊技者の興味をひくものとしては、入賞時の抽選の結果の表示であり、特に、大当たりとなることが期待されるリーチ状態における表示である。本実施例の遊技機は、図柄ランプ370に設けられた7セグメントの表示部で、例えば、中央のセグメント(図3中のグループA)を白色に光らせたり、虹のように七色に光らせたりすることで、多様なリーチ状態の演出表示を行うことができる。これらの演出において、遊技者の期待感を昂揚させるべきリーチ状態や、遊技者の興味を引くべき部位などの表示には、赤などの暖色系の色を用いる。その他の部分には、青などの寒色系の色を用いる。それぞれの色は、RGB三原色のLEDを種々の階調で点灯することで表現される。
C.階調制御:
図5は階調表現の方法を示す説明図である。コモン信号C12に接続されたLED「Bb2」の点灯制御を例にとって示した。図の左側には、コモン信号C12およびBb2に接続された個別信号S1−3の出力信号を示している。先に説明した通り、本実施例では、コモン信号C12とC11が交互にオン・オフされる。各コモン信号がオンとなる期間t1は1msである。従って、各コモン信号C12、C11は、この倍の2msの周期t2でオン・オフされることになる。コモン信号C12、C11がオン・オフされる周期t2の区間を、以下、フレームと呼ぶものとする。本実施例では、各LEDは、8フレーム、即ち16msの期間を単位としてデューティ制御される。この8フレーム分の期間を、以下、「サイクル」と呼ぶものとする。
コモン信号C12の下側に、階調値に応じて、Bb2の点灯状態を示した。階調値「0」の場合、Bb2は、1サイクル中、全フレームでオフとなる。階調値「1」の場合は、1カ所のフレームでオン(図中のハッチングを付した部分)となる。以下、階調値の増大に応じて、オンとなるフレーム数が増え、最も明るい階調値「8」では、全フレームでオンとなる。このように階調値の増加に連れて、サイクル中でLEDがオンとなっている期間の割合、即ちデューティを高くすることにより、9段階の階調を表現することができる。
図の右側には、階調表現を実現するための制御データ(以下、「フレームデータ」と呼ぶ)を例示した。図の下方に示す通り、各LEDについて1ビットが割り当てられ、このビット列によってオン・オフが制御される。右上には、Bb2のLEDに割り当てられたビット(図4中の信号線S1−3)に対応する制御データを、横に階調値、縦にフレーム番号をとって示した。同様に、ビット番号1(Bb1)は信号線S1−1、ビット番号2(Br1)は信号線S1−2、ビット番号4(Br2)は信号線S1−4への出力となる。
階調値「0」の時は(最も右側の列に相当)、1〜8フレームの全てでオフとなるから、全フレームに対し、「0」が出力される。階調値「1」の時は(右から2列目に相当)、第1フレームのみオンとなり、その他のフレームに対してはオフとなる。従って、階調値「1」に対しては、1〜8フレームのビット列「1,0,0,0,0,0,0,0」がこの順に出力されることになる。階調値2〜8についても同様に(それぞれ右から3〜9列目に相当)、オンとなるフレームに対応した部分で「1」、その他の部分で「0」となるよう順次出力される。つまり、ビット番号「3」にのみ着目すれば、LED「Bb2」で表現すべき階調値に応じて、上述したいずれかのビット列が選択され、時系列的に出力されることになる。ビット番号「3」と同時に、ビット番号「1」からはLED「Bb1」、ビット番号「2」からはLED「Br1」の制御データが順次出力される。このように、各フレーム単位で見れば、全LEDに対応した複数ビットのデータがパラレルに出力されつつ、各ビット単位で1〜8フレームを通して見れば、デューティ制御を実現するオン・オフの時系列的な信号が出力されることになる。
図6はフレームデータの出力方法を示す説明図である。サブ制御基板300に設けられた2つのバッファメモリ304[1]、304[2]を用いてフレームデータを出力する方法を示した。各バッファメモリ304には、横方向にLED名、縦方向に各フレーム番号をとり、格納されるフレームデータを模式的に示した。各バッファメモリ304には、全LEDについて、1サイクル(8フレーム)分のフレームデータが格納される。
図示する通り、フレームデータは、CPU302から2つのバッファメモリ304[1]、304[2]を介してランプ駆動基板350に出力される。CPU302は、バッファメモリ304[1]、304[2]の動作を、書込モード/読出モードに切換可能である。
CPU302は、まずバッファメモリ304[1]を書込モードに設定し、バッファメモリ304[2]を読出モードに設定する。この時、図中に示す黒矢印のように、バッファメモリ304[2]からは、ランプ駆動基板350に対して1サイクル分のフレームデータが順次出力される。この出力は、先に説明した通り、8ビットごとに複数回に分けて出力され、順次、ランプ駆動基板350内のラッチに蓄積される。
本実施例では、先に図5で説明した通り、1フレーム(2ms)の中で、1msごとにコモン信号C12、C11のオン・オフが切り替わる。同様に、コモン信号C22、C21のオン・オフも切り替わる。バッファメモリ304[2]からは、コモン信号のオン・オフに合わせて、オンとなるコモン信号に対応するフレームデータが出力される。つまり、コモン信号C12、C22がオンとなる期間には、グループB、Aに属するLEDに対応する第1のフレームデータが出力され、コモン信号C11、C12がオンとなる期間には、グループCおよびD,Eに対応する第2のフレームデータが出力される。この結果、読み出し時には、バッファメモリ304を第1および第2のフレームデータに対応する二つの領域に分け、各領域から交互にデータが出力される形となる。
このデータ出力と並行して、バッファメモリ304[1]には、CPU302から、次の1サイクル分のフレームデータが格納される。データの読み出しが1ms単位で行われるのに対し、データの格納は16ms単位で行われる。こうすることで、1サイクル分の出力が完了するまでに、次のサイクルに使用すべきフレームデータの格納が完了することになり円滑な表示制御を実現することができる。
こうして、バッファメモリ304[2]からのデータ出力およびバッファメモリ304[1]へのデータの格納が完了すると、CPU302はバッファメモリ304の動作モードを切り換える。即ち、バッファメモリ304[2]を書込モードに設定し、バッファメモリ304[1]を読出モードに設定する。この切り換えによって、図中の白矢印のように、バッファメモリ304[1]からは新たな制御データがランプ駆動基板350に出力され、バッファメモリ304[2]には、また次のサイクルのフレームデータがCPU302によって格納される。
本実施例では、このように2つのバッファメモリ304を交互に使うことによって、効率的にフレームデータを出力可能としている。2つのバッファメモリ304の使い分けは、上述の態様に限られない。例えば、バッファメモリ304[1]をCPU302からの書込専用バッファメモリとし、バッファメモリ304[2]をランプ駆動基板350への出力専用バッファメモリとしてもよい。この場合は、1サイクル分のデータ出力が完了した時点で、書込専用のバッファメモリ304[1]から出力専用のバッファメモリ304[2]にデータを転送し、次のサイクルのフレームデータの出力および格納を行う。かかる態様によっても、2つのバッファメモリを併用することで、効率的なデータ出力を実現することができる。
本実施例では、図柄ランプ370は、上述のフレームデータを用いてダイナミックに点灯制御されるが、パネル装飾ランプ390は、スタティックに点灯制御される。スタティック点灯制御とは、コモン信号の切り換えがなく、1サイクルの間、常時、点灯または消灯させる制御を言う。従って、パネル装飾ランプ390用の制御データは、1フレーム分のデータを1サイクルにわたって利用することで足りる。図6では、図示を省略したが、バッファメモリ304には、パネル装飾ランプ390用の制御データを格納する領域も設けられており、このデータは、フレームデータと同様、ランプ駆動基板350を介してパネル装飾ランプ390に出力される。
D.点灯制御処理:
図7は実施例における制御処理のフローチャートである。サブ制御基板300のCPU302が実行する処理である。ただし、説明の便宜上、図柄の表示に関連する処理のみを示した。左側には、CPU302が長周期(本実施例では16ms)で繰り返し実行するメインループを示し、右側には、短周期(本実施例では1ms)でメインループに割込をかけて実行される定期割込処理を示した。これらの処理は、それぞれ長周期の割込処理および短周期の割込処理で実現されている。
電源が投入され、メインループが開始されると、CPU302は、所定の初期化処理を実行し(ステップS10)、遊技用のループを開始する。この処理では、まず、主制御基板1000から送信されるシステムコマンドを解析する(ステップS12)。システムコマンドには、抽選結果の当落、確率変動しているか否か、および変動時間などが含まれており、これに基づいて表示すべき図柄が決まる。
CPU302は、このコマンドに応じて、図柄を表示するための図柄スケジュールを設定する(ステップS14)。図柄スケジュールとは、図柄の種類に応じて、各LEDの色、階調、点滅を規定するデータである。一つの図柄は、複数のサイクルで構成される。例えば、中央の7セグメントにルーレットのように回転する模様を表示させたり、中央に順次カウントアップする数字を表示させたりする場合には、その図柄に応じて、中央の7セグメントを構成する各LEDの色、階調、点滅状態が時系列的に規定されることになる。CPU302は、こうして設定された図柄スケジュールに応じて、各サイクルにおけるフレームデータを生成し、バッファメモリ304に格納する(ステップS16)。本実施例では、フレームデータを生成する時点で、色間の輝度の調整を行う。輝度調整のための処理内容については後述する。併せて、パネル装飾ランプ390用の制御データも生成し、バッファメモリ304に格納する。メインループでは、以上の処理を遊技中に繰り返し実行する。
上述の処理と併せて、1msの短周期で、定期割込処理が実行される。この処理が開始されると、CPU302は、まず、ランプ駆動基板350のコモン信号をクリアし、全LEDを消灯する(ステップS20)。これにより、個別制御信号の書き換え中に不規則にLEDが点滅することを回避できる。
次に、CPU302は、バッファメモリ304からランプ駆動基板350に、1フレーム分のフレームデータを出力する(ステップS22)。このデータ出力は、先に説明した通り、8ビットごと複数回に分けて行われる。CPU302は、1msのカウンタを更新することで(ステップS24)、定期割込処理開始から16msごとのタイミングを検出する。このタイミングに当たっている場合には(ステップS26)、枠装飾フレームデータの出力を行って(ステップS28)、定期割込処理を終了する。その他のタイミングでは(ステップS26)、枠装飾フレームデータの出力をスキップする。
この制御処理では、長周期で実行されるメインループにおいて、各LEDの階調値を設定するだけでなく、フレームデータへの展開を完了している(ステップS16)。従って、定期割込処理は、フレームデータを生成する必要がなく、単にランプ駆動基板350へのデータ出力を行うのみで良いため、非常に処理負荷が軽くなる利点がある。本実施例では、ランプ駆動基板350へのデータ出力を8ビットずつ複数回に分けて実行しているが、定期割込処理での処理負荷が軽いため、多量のデータ出力も短周期で十分に実行することが可能となる。
図8はフレームデータ生成処理のフローチャートである。図7のステップS16の詳細な処理内容に相当する。CPU302は、まず図柄スケジュールのデータを読込み(ステップS16a)、調整値を読み込む(ステップS16b)。調整値とは、RGBの色調整を行うための設定値である。本実施例では、サブ制御基板300に設けられたディップスイッチ308を係員が操作することによって調整値を設定することができる。
CPU302は、この調整値に基づいて、図柄データのうちグリーン(G)の階調値を変換する(ステップS16c)。図中に変換方法を2通り例示した。上に示したのは、変換テーブルTabを用いる方法である。下に示したのは、変換係数TCを用いる方法である。変換テーブルTabは、0〜8の入力階調値に対して、それぞれ変換後の値を与えるテーブルである。例えば、調整値「1」が設定されている場合、この変換テーブルTabによれば、入力階調値0〜8に対して、変換後の階調値は、「0,1,1,2,2,3,3,4,4」となる。この変換テーブルTabによれば、最大輝度は、階調値4に抑制される。同様にして、調整値2,3の場合も、変換後の階調値が与えられる。
変換テーブルTabの内容は、蛍光灯を多用した明るいホール、白熱灯のように赤味を帯びた照明を用いたホール、比較的暗いホールなど、遊技機が設置されるホールの照明環境に応じて、用意すればよい。入力階調値と変換後の階調値との関係は、それぞれの照明環境下で、図柄における色の使い分けの意図に沿った印象を遊技者に与えるように比視感度に基づく解析や官能試験などによって設定することができる。
変換テーブルTabに代えて、変換係数を用いた変換を行っても良い。下方の図には、変換係数の設定例を示した。この例では、調整値「1」に対して変換係数0.5が与えられる。調整値「1」が設定されている場合には、入力階調値に変換係数0.5を乗じた値が変換後の階調値となる。この結果、グリーンの最大輝度は、階調値4となる。図の例では、調整値2,3に対して、それぞれ0.5よりも小さい値が設定されているため、これらの調整値が設定されている場合には、最大輝度は更に抑制されることになる。
変換係数を用いる方法では、階調変換に要する設定値の記憶容量が少なくて済むという利点がある。一方、変換テーブルTabを用いる場合には、入力階調値と変換後の階調値とを非線形に対応づけることが可能となり、図柄の色遣いに対する設計意図を適切に反映した階調変換を実現することができる利点がある。
CPU302は、グリーン(G)の階調変換が終了すると、R,G,Bの各色の階調値に基づき、フレームデータを生成する(ステップS16d)。即ち、図5で示した対応関係に基づき、各色の階調値を、LEDのオン・オフのパルス信号に変換する。
以上で説明した実施例の遊技機によれば、ハードウェア資源を有効活用しつつ、表示器の色数、階調数の増加、色バランスの確保を図ることができ、遊技時の表現可能性を向上することができる。グリーン(G)の最大輝度を抑制することにより、グリーン(G)の比視感度が他色に比べて相対的に高いことに基づく影響を緩和でき、図柄設計時に意図した以上にグリーン(G)が目立つことを回避することができる。この結果、レッド(R)などを用いた演出表示によって、遊技者に意図した通りの高揚感を与えることが可能となる。
E.演出ユニット構成:
先に図3において図柄ランプ370およびパネル装飾ランプ390を含む演出ユニットのLEDの配置を示し、これに基づいて演出ユニットの点灯制御について説明した。以下では、図3のように配置されたLEDの外部に取り付けられる部材など、演出ユニット全体の構造について図面を参照しながら詳述する。
図9は、演出ユニットを示す斜視図である。図10は、表飾り部材を示す斜視図である。図11は、図柄表示器を示す斜視図である。図12は、装飾基体を示す正面図である。図13は、透光体を示す正面図である。図14は、表飾り部材を示す背面斜視図である。図15は、LED基板を示す斜視図である。図16は、前側筐体を示す斜視図である。図17は、前側筐体を示す背面図である。図18は、後側筐体を示す斜視図である。図19は、区画投光部材を示す斜視図である。図20は、被覆装飾部材を示す背面斜視図である。図21は、レンズ部材及び拡散シートを示す斜視図である。
図9に示すように、演出ユニット40は、図10に示す表飾り部材42と図11に示す図柄表示器41とのユニット化によって構成されている。表飾り部材42は、図12に示す装飾基体70と図13に示す透光体71〜73との組付体によって形成されている。装飾基体70は、非透光性の合成樹脂材料からなり、横長楕円の額縁形状をなして図柄表示器41の図柄表示部41aが臨設される表示窓部74と、該表示窓部74の上方及び左右側方に設けられて透光体71〜73を個々に取り付ける取付部75〜77と、表飾り部材42を遊技盤4表面(遊技領域12)にビス止めするためのビス止め穴78aが穿設された鍔状フランジ部78と、が形成されている。なお、取付部75〜77には、それぞれ透光体71〜73を裏面側からビス止めするためのビス止め穴(図示しない)が穿設されている。
また、装飾基体70の裏面側には、図14に示すように、図柄表示器41に対して表飾り部材42を位置決めするための位置決め突起79が突設されている。透光体71〜73は、それぞれ透光性の合成樹脂材料からなる。透光体71は、「PASSION」の文字を図案化した形状をなし、表示窓部74の上方の取付部75にビス止めするためのビス止め穴80が穿設されている。透光体72,73は、相互に左右対称の円弧形状をなし、表示窓部74の左右側方の取付部76,77にビス止めするためのビス止め穴81,82が穿設されている。なお、透光体72,73は、それぞれレンズ部材によって形成されている。
図柄表示器41は、図11に示すように、LED基板90と、該LED基板90を収容する基板ボックス91と、を備えている。LED基板90には、図15に示すように、図柄表示器41と表飾り部材42との組み付け状態において、「PASSION」の文字を図案化した透光体71の裏面側から光を照射する複数の装飾LED92と、左側の円弧形状の透光体72の裏面側から光を照射する複数の装飾LED93と、右側の円弧形状の透光体73の裏面側から光を照射する複数の装飾LED94とが実装されている。これらの装飾LED92〜94は図2におけるパネル装飾ランプ390を構成しており、図3で示した配置図のグループF1〜F3に対応する。
図柄表示部41aには、左・中・右の特別図柄を表示するための複数の図柄表示LEDと、特別図柄の背景面を光装飾するための背景LED151(図15参照)と、が実装されている。図柄表示LEDおよび背景LED151が、図2における図柄ランプ370を構成している。図柄表示LEDは図3で示した配置図のグループA〜Cに対応し、背景LED151は、グループD、Eに対応する。
図柄表示LEDは、図3にも示した通り、左図柄用、中図柄用、右図柄用の3種類に分類され、これら左・中・右の図柄表示LEDの前方には、それぞれ7セグメント形式に区画形成された区画投光部材95〜97等の各種構成部材が配置される。これにより、左・中・右の特別図柄は、それぞれ複数の図柄表示LEDの点灯/消灯の各種組合せによって「0〜9」の数字が7セグメント形式の表示形態で表示されるようになっている。図柄表示LEDの前方に配置される区画投光部材95〜97等の各種構成部材については後で詳述する。
透光体71照射用の装飾LED92の外周部分には、装飾LED92から照射される光が透光体71以外の部分(例えば、透光体72,73等)を照射しないようにリフレクター98が取り付けられている。また、LED基板90の四隅部分には、基板ボックス91内にLED基板90を取り付け固定するための取付穴99が穿設されている。但し、一方の対角線上の隅角部分に穿設された取付穴99は、後述する前側筐体100の位置決め突起111及び後側筐体101の位置決め穴114aと対応する位置決め穴として機能する一方、他方の対角線上の隅角部分に穿設された取付穴99は、後述する前側筐体100のビス止め穴112及び後側筐体101のビス止め穴115aと対応するビス止め穴として機能するものである。
基板ボックス91は、前側筐体100と後側筐体101とから構成されており、前側筐体100及び後側筐体101は、それぞれ透明な合成樹脂材料によって形成されている。前側筐体100の前面側には、図16に示すように、図柄表示部41aの基部を形成する表示突出部102が中央部分に形成され、四隅部分には位置決め突出部103が形成されている。表示突出部102は、区画投光部材95〜97を個々に取り付けるための取付開口104〜106が穿設され、図柄表示器41と表飾り部材42との組み付け状態において、装飾基体70の表示窓部74に内嵌して組み付けられる。なお、取付開口104〜106以外となる表示突出部102の前面部分は、レンズ部102aとして形成され、基板ボックス91内にLED基板90を収容した状態で、背景LED151の光を前方に拡散して投光することで特別図柄の背景面を構成するようになっている。
また、前側筐体100には、挿通穴107〜109と位置決め穴110とが穿設されている。挿通穴107は、基板ボックス91内にLED基板90を収容した状態で、装飾LED92及びリフレクター98を挿通する穴であり、挿通穴108,109は、基板ボックス91内にLED基板90を収容した状態で、個々に装飾LED93,94を挿通する穴である。位置決め穴110は、装飾基体70の位置決め突起79との係合によって表飾り部材42を図柄表示器41に位置決めする穴である。
前側筐体100の裏面側には、図17に示すように、基板ボックス91内でLED基板90を位置決めするための位置決め突起111が一方の対角線上の隅角部分に形成され、他方の対角線上の隅角部分には、LED基板90を基板ボックス91内にビス止めするためのビス止め穴112が形成されている。なお、前側筐体100の上辺部分には、LED基板90からの発熱を外部に放出するための放熱穴113が穿設されている。
一方、後側筐体101には、図18に示すように、前側筐体100の位置決め突起111と係合する位置決め穴114aが穿設された位置決めボス114と、前側筐体100のビス止め穴112と対応するビス止め穴115aが穿設された取付ボス115とが形成されている。また、後側筐体101には、基板ボックス91の外部に設けられる表示制御基板(図示しない)を基板ボックス91内のLED基板90に接続するための接続開口116と、複数の放熱穴117とが穿設されている。
次に、図柄表示LED150の前方に配置される区画投光部材95〜97等の各種構成部材について説明する。なお、左・中・右の図柄表示LEDの前方には、それぞれ同様の構成部材が配置されるため、便宜的に、中図柄表示LEDの前方に配置される構成部材についてのみ説明を行い、同様の構成部材には同一の符号を付記する。但し、以下に説明する図柄表示LEDの前方に配置される各種構成部材は、基板ボックス91を構成する前側筐体100の表示突出部102(取付開口104〜106)に取り付けられ、基板ボックス91内にLED基板90を収容した状態で、図柄表示LEDの前方に配置される。また、図柄表示部41aでの最終停止図柄となる中図柄は、左右の図柄に比べて注目度が高くなるように大き目の構成部材によって形成され、且つ前方(遊技者側)への突出量が大きく形成されている。
中図柄を形成する区画投光部材96は、図19に示すように、区画片部120によって7つの投光部121に区画され、正面視で「8」の字状の7セグメント形状に形成されている。「8」の字を形成する上下の穴部には、ビス止め穴122aを穿設した取付片部122が形成されている。区画投光部材96の外周壁には、鍔状フランジ部123が全周に亘って形成されている。鍔状フランジ部123は、前側筐体100の取付開口105に形成される取付フランジ部105a(図16参照)との当接によって前側筐体100に対する区画投光部材96の取付位置を規制するものである。
また、区画投光部材96の前側部分には、図20に示す被覆装飾部材130と、図21に示すレンズ部材131及び拡散シート132とが取り付けられる。被覆装飾部材130は、非透光性の合成樹脂材料から形成されると共に、区画投光部材96の7つの投光部121と個々に対応する7つの投光穴133が穿設され、正面視で「8」の字状の7セグメント形状に形成されている。「8」の字を形成する上下の穴部には、被覆装飾部材130と区画投光部材96との組み付け状態において、区画投光部材96の取付片部122(ビス止め穴122a)を前方から被覆する被覆片部134が形成されており、該被覆片部134の裏面には、ビス止め穴122aと対応する取付ボス135が突設されている。
レンズ部材131及び拡散シート132は、それぞれ被覆装飾部材130に内嵌する「8」の字形状に形成されている。レンズ部材131には、被覆装飾部材130の7つの投光穴133と個々に対応する7つのレンズ部136が形成されている。拡散シート132は、光拡散性を有するシート材料によって形成されている。
そして、区画投光部材96が前側筐体100の取付開口105に裏面側から挿入される一方、レンズ部材131及び拡散シート132を内嵌した被覆装飾部材130が取付開口105に前面側から挿入され(この状態で、区画投光部材96の鍔状フランジ部123と被覆装飾部材130の側壁後端部とで取付開口105に形成された取付フランジ部105aを挟持した状態となる)、区画投光部材96のビス止め穴122aと被覆装飾部材130の取付ボス135とが裏面側からビスで共締めされることで、前側筐体100の表示突出部102(取付開口105)に、区画投光部材96、被覆装飾部材130、レンズ部材131、及び拡散シート132の各種構成部材が取り付けられる。また、これと同様にして、左図柄を形成する区画投光部材95、被覆装飾部材130、レンズ部材131、及び拡散シート132が表示突出部102の取付開口104に取り付けられ、右図柄を形成する区画投光部材97、被覆装飾部材130、レンズ部材131、及び拡散シート132が表示突出部102の取付開口106に取り付けられる。
次に、上記のようにして区画投光部材95〜97等の各種構成部材を組み付けた前側筐体100と、後側筐体101との間にLED基板90を挟持し、後側筐体101のビス止め穴115aからビス止めすることで、基板ボックス91内にLED基板90を収容固定した図柄表示器41が構成される。この状態で、LED基板90に実装された装飾LED92と該装飾LED92の近傍に取り付けられたリフレクター98は、前側筐体100の挿通穴107を通して外部に露出され、左右の装飾LED93,94も同様に前側筐体100の各挿通穴108,109を通して外部に露出される。また、LED基板90に実装された複数の図柄表示LED150は、それぞれ区画投光部材95〜97の各投光部121内に配置され、背景LED151は、区画投光部材95〜97外周となる表示突出部102内に配置される。
上記した演出ユニット40の組み付け状態において、装飾LED92を点灯することで、装飾LED92の光が挿通穴140の側面とレフレクター98の内壁面を導光路として「PASSION」の透光体71を光装飾する。また、装飾LED93,94を点灯することで、装飾LED93,94の光が挿通穴140の側面と表示窓部74の外壁面とを導光路として左側円弧状の透光体72及び右側円弧状の透光体73をそれぞれ光装飾する。図柄表示器41は、遊技盤面への組み付け時に、位置決め突出部103によって、遊技盤裏面から一定距離離れた位置に保持されるため、装飾LED92〜94も透光体71〜73から適正な距離を保って配置される。これにより、装飾LED92〜94の光がそれぞれ透光体71〜73全体に均等に投光されて拡散性を向上するようになっている。さらには、複数の図柄表示LEDの点灯/消灯の組合せによってレンズ部材131の複数のレンズ部136のうち任意のレンズ部136から発光を行うことで、図柄表示部41aに左・中・右の特別図柄を表示し、また、背景LED151を点灯することで表示突出部102前面のレンズ部102aを特別図柄の背景面として光装飾する。
以上のように、本実施形態の演出ユニットの構造によれば、図柄表示LEDの光によって表示セグメント(レンズ部材131に形成された「8」の字状の7セグメント)を発光表示して図柄表示を行う一方、区画投光部材95〜97によって図柄表示LEDの光と区分けされた背景LED151の光で表示セグメントの背景面を発光表示することができる。このため、表示セグメントの背景面を光装飾することができ、ひいては図柄表示における視覚的な興趣を向上することができる。
F.変形例:
(1)図8で説明した通り、本実施例の遊技機は、グリーン(G)に対して最大輝度を抑制するための階調変換を適用する。階調変換は、実施例で説明した他にも種々の変形例を採ることができる。例えば、実施例では、調整値に応じて変換テーブルTabまたは変換係数TCを選択可能としたが、これらは調整値に関わらず固定としてもよい。
(2)実施例では、調整値を係員がディップスイッチ308で設定するものとしたが、サブ制御基板300が自動設定するようにしてもよい。例えば、遊技機の背面や遊技盤面などに、遊技機が設置されている場所の照明環境を検出するためのセンサを設け、このセンサの検出結果に基づいて調整値を設定する方法を採ることができる。この場合のセンサとしては、照明の明るさのみを検出可能なものとしてもよいし、照明のスペクトルやR,G,Bの強さを検出可能なものとしてもよい。後者の態様では、例えば、赤味が強い照明光用の変換テーブル、青味が強い照明光用の変換テーブルを個別に用意しておくことにより、照明光が含むスペクトルの相違が演出表示に与える影響も自動的に反映させることができる利点がある。センサの位置は、遊技盤面の方が好ましい。遊技盤面は遊技者が注視している部分の照明状態を最も適切に把握可能であり、その影響を演出表示に最も適切に反映可能だからである。
(3)図8の実施例では、グリーン(G)のみを階調変換の対象としたが、他色をグリーン(G)と併せて、またはグリーン(G)に代えて、階調変換の対象としてもよい。他色をグリーン(G)と併せて階調変換する場合、変換テーブルまたは変換係数は、グリーン(G)と他色で共通としてもよいし、個別に設けるようにしてもよい。
(4)図8の実施例では、グリーン(G)以外の色の階調値に関わらず、グリーン(G)の階調変換を行う例を示した。これに対し、グリーン(G)に対する階調変換の可否、および変換係数等を、他色の階調値との関係で制御するようにしてもよい。
図22はグリーンの階調変換の可否を制御するテーブル例を示す説明図である。このテーブルは、変換前のグリーンの階調値ごとに設けられており、グリーン、レッド、ブルーの階調値の組み合わせに対して、グリーンの階調値の変換係数を与える。図の例は、レッドおよびブルーの階調値が共に0〜2の範囲にある時には、変換係数0.5でグリーンを階調変換することを表している。ハッチングの部分は、グリーンの階調変換を行わない領域である。この例では、レッドおよびブルーの階調値が低い領域、即ちグリーンの単色発光に近い領域において、階調変換を行うことになる。
このように、他色の階調値との関係で、グリーンの階調変換の可否を制御することにより、例えば、白色などR,G,Bの混色で表現されるべき色のバランスは保持しつつ、グリーンが目立ち過ぎるのを抑制することが可能となる。レッドまたはブルーに階調変換を施す場合も同様である。階調変換の可否は、図22の例に限らず種々の設定が可能である。例えば、グリーンの階調値に依らず、図22に示したテーブルを一律に用いるようにしてもよい。
F1.最大輝度抑制処理の変形例:
最大輝度抑制処理は、必ずしもフレームデータ生成処理(図8)で実行する必要はない。フレームデータ生成処理に代えて、図柄スケジュール設定処理(図7のステップS14)で実行するようにしてもよい。
図23は変形例としての図柄スケジュール設定処理のフローチャートである。図7のステップS14に代えて実行する処理内容である。この処理では、CPU302は、まず主制御基板1000からのコマンドを解析し、コマンドに応じて原図柄データを読み込む(ステップS14a)。原図柄データとは、階調値を変換する前の図柄データである。即ち、それぞれの色による比視感度の相違を考慮しない状況で、本来、それぞれのLEDで表示されるべき図柄を表すデータである。
次に、CPU302は、調整値を読み込み(ステップS14b)、実施例(図8)と同様の方法でグリーン(G)の階調値を変換し(ステップS14c)、変換された後の階調値を図柄スケジュールとして設定する(ステップS14d)。この変換には、図示する変換テーブルTabまたは変換係数TCを用いることができる。実施例(図8)について説明した種々の変形例を適用することも可能である。
変形例の処理によっても、グリーン(G)について最大輝度を抑制することができる。変形例の処理を適用した場合には、フレームデータ生成処理(図7のステップS16)の時には、階調値変換(図8のステップS16c)を省略しても差し支えない。フレームデータ生成処理時にも階調値変換(図8のステップS16c)を適用し、図柄スケジュールの設定時の変換処理と併せて、最大輝度を調整するようにしてもよい。
F2.図柄データ生成装置:
実施例および変形例では、表示を行う際にグリーンの最大輝度を抑制するための階調変換を行う例を示した。同様の効果は、グリーン階調値を抑制して生成された図柄データを用いることで実現することもできる。これは、図柄データを生成する時点で、階調変換を施しておく態様に相当する。
図24は図柄データ生成装置10の構成を示す説明図である。まず、比視感度の相違による影響を考慮することなく原図柄データを生成した後、比視感度の影響に基づく階調変換を施して、遊技機での演出表示用の図柄データを生成するための装置である。この図柄データ生成装置10は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータに、上述した機能を実現するためのコンピュータプログラムをインストールすることで構成することができる。
図中に、コンピュータプログラムのインストールによって実現される機能ブロックを併せて例示した。コマンド入力部12は、マウスやキーボードなどを通じて、ユーザからのコマンドを入力する。原図柄データ格納部13は、入力されたコマンドに従って、上述した原図柄データを生成し、管理する機能を奏する。
変換テーブル管理部11は、入力されたコマンドに従って、原図柄データの階調値を変換するための変換テーブルを生成し、管理する。変換テーブルに代えて、変換係数を用いるようにしてもよい。
図の右側に、原図柄データおよび変換テーブルを生成するためのインタフェース画面Wを例示した。インタフェース画面Wは、図柄データ生成画面W1と、変換テーブル生成画面W2を有している。変換テーブル生成画面W2には、変換の実行ボタンB1、キャンセルボタンB2が設けられている。図柄データ生成画面W1と変換テーブル生成画面W2は、個別のウィンドウとして構成してもよい。
ユーザは、マウス等の操作によって、図柄データ生成画面W1に表示された図柄の各部位について表示すべき色を指定する。色の設定は、例えば、図柄の一部をクリックした後、カラーチャートから表示すべき色を選択する方法を採ることができる。図柄を回転させる等、表示に動きをもたせる場合には、それぞれ指定した表示に対して表示時間、表示順序などを指定するタイムチャートを設けても良い。
変換テーブル生成画面W2では、入力階調値と出力階調値との対応関係を表すトーンカーブが表示されている。初期画面では、階調変換を行わない状態TC1が表示される。ユーザは、トーンカーブTC1上の黒丸で示した階調値をマウス等で移動させることによって新たなトーンカーブを指定することができる。
図中のトーンカーブTC2、TC3は、入力階調値8等に対応する出力階調値を下げた場合の設定例を例示している。この例では、まず、入力階調値に対して出力階調値が単調増加となるようにトーンカーブTC2を求める。トーンカーブTC2は、ユーザから指定された階調値と原点とを通るスプライン曲線などによって求めることができる。こうして得られたトーンカーブTC2に基づき、それぞれの入力階調値に対応する出力階調値(実数値)を求め、これを整数化することによって、トーンカーブTC3を得ることができる。このトーンカーブTC3が、階調変換テーブルとなる。
図中のインタフェースは、例示に過ぎず、図柄データ生成装置10には、この他にも種々のインタフェース画面を利用可能である。また、変換テーブルの設定方法も、上述した方法に限らない。例えば、図8および図23に示したテーブルに値を直接入力するようにしてもよい。
階調値変換部14は、上述の方法で設定された変換テーブルを用いて、原図柄データの階調値を変換する。図柄データ格納部15は、変換後のデータを遊技機用の図柄データとして格納する。このデータは、サブ制御基板300に取り付けられるROMへの焼き付け等によって遊技機に組み込むことが可能である。
以上で説明した図柄データ生成装置10を用いれば、比視感度の影響を考慮することなく本来、表示させるべき図柄をデザインし、その後、比視感度の影響や遊技機が設置されるホールの照明環境などを考慮して図柄データの階調値を変換することができる。従って、図柄のデザイン時の意図に沿った演出表示を行うための図柄データを、比較的容易に生成することができる。
以上、本発明の種々の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができることはいうまでもない。本実施例では、LEDを用いた表示器の制御を例示したが、本発明は、液晶パネルなど、種々の表示器に対して適用可能である。また、実施例中においてハードウェアで実現されている部分はソフトウェアによって実現してもよいし、ソフトウェアで実現されている部分をハードウェアで実現してもよい。