JP3727562B2 - スロットマシン - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、外周面に複数駒のシンボルが配設されたリールを複数個具備し、これらのリールをシンボル表示窓に対して回転させることによってシンボルを変動表示した後に、各リールを順に停止させて、それぞれシンボル表示窓内に所定数のシンボルを停止表示するようにしたスロットマシンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のスロットマシンでは、機体内部に、周面に複数個のシンボルが描かれた3個のリールが整列状態で収容されるとともに、機体前面の各リールに対応する位置に、それぞれシンボル表示窓が形成される。各リールは、遊技者によるゲーム開始操作により一斉に回転した後、個別の停止操作を受けて順次停止するもので、このとき各シンボル表示窓内には、それぞれ3個のシンボルが停止表示される。
【0003】
各シンボル表示窓の形成位置には、各シンボルの停止表示位置に合わせて、上、中、下、斜めの5本の停止ラインが形成されている。各リールの停止時に、いずれかの停止ライン上に特定のシンボルの組合せが成立すると、入賞となり、遊技者に所定枚数のメダルの払出しなどの特典が与えられる。
【0004】
またこの種のスロットマシンの中には、リールの裏側に各シンボルの停止位置に対応させて光源を配置し、有効化された停止ライン上のシンボルや、入賞となるシンボルなどの特定のシンボルに、背後照明を施すようにした機種が存在する。
たとえば実開昭61−151784号公報に記載されたスロットマシンでは、停止表示された各シンボル毎に背後照明用の光源を設けるとともに、各光源間に遮光板を配置して、照明対象のシンボルのみを照明するようにしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のスロットマシンでは、前記光源に単独の豆ランプやLEDを用いただけであり、シンボルおよびその周辺部を明るくするという程度の照明効果しか得られず、特定のシンボルを隣接する他のシンボルからはっきりと切り分けて、インパクトの強いシンボル表示を行うのは困難である。
【0006】
また従来のこの種の光源では、前記豆ランプやLEDをリール面に対向させて配置するので、遊技者の眼に照明光が入射してシンボルの視認が妨げられたり、長期間の遊技により遊技者の眼が疲労してしまう、というような問題が発生している。
【0007】
加えて近年のスロットマシンでは、ゲーム性の多様化にともない、単に有効ラインや入賞の成立を報知するのみならず、遊技者により選択された停止ラインを明示したり、ボーナスゲーム用の抽選当たりや「テンパイ」と称される入賞チャンスの到来を報知するなど、種々の報知を行う必要がある。しかしながら従来の光源は、単色の色彩光を発光させるだけのものであるので、報知する情報の内容に応じて種々の色彩光による背後照明を施す、といった演出を行うことは、不可能である。
【0008】
この発明は上記問題点に着目してなされたもので、各リールに対し、各シンボルの停止位置を個別に明瞭に表示するとともに、遊技者の眼に疲労を生じさせにくい背後照明を施すことが可能なスロットマシンを提供することを、第1の目的とする。
【0009】
さらにこの発明は、ゲーム展開に応じて、複数種の色彩光を選択的に発光させることにより、種々の色彩光による多彩な背後照明による報知を行い得るスロットマシンを提供することを、第2の目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
LEDや蛍光管ランプなどの発光体には、所定角度範囲内で広がりながら進行する光を発するといった指向性があることが知られている。各請求項の発明は、この指向性を利用して、外周面に複数駒のシンボルが配設された複数個のリールを、それぞれ片側に配置された取付板に固着されたステッピングモータに軸支した状態でシンボル表示窓の後方に配備し、各リールを回転させてシンボルを変動表示した後に各リールを順に停止させて、それぞれシンボル表示窓内に複数のシンボルを停止表示するようにしたスロットマシンに対してなされたものである。
【0011】
請求項1の発明にかかるスロットマシンでは、各リールは、それぞれ外周部が透光性を有する素材により構成されるとともに、各リールの裏側に、横幅が前記リールの幅に対応し、かつ高さがシンボル表示窓内に停止表示される複数駒分のシンボルの表示範囲に対応する大きさの光源ユニットが設けられる。この光源ユニットは、1駒分のシンボルの表示範囲に対応する大きさの開口部が前記シンボル表示窓内に停止するシンボルの駒数分、前面に設けられたケース体;このケース体の内部に、それぞれその前面を前記開口部に合わせるようにして収容された前記開口部と同数の導光板;および前記ケース体の一方の側面に設けられ、複数個の発光体が配設された側板を含んで構成される。
前記ケース体は、その前面がリールの周面に沿った弧状に形成されるとともに、隣接する開口部間には遮光部が形成される。前記側板に設けられた複数個の発光体は、光軸をリールの幅方向に向け、かつ導光板の側面に沿って各発光体が並んだ状態になるようにして、前記側板の前端部に配設される。前記ケース体の一側には、前記発光体が配設された側板の取付位置より後方に突出させて取付部が形成される。この取付部を前記取付板に支着することにより、各開口部および導光板がそれぞれ前記リールの裏面に沿って配備される。
【0012】
請求項2の発明では、前記光源ユニットの各導光板を、それぞれリールの周面に合わせて、前面が前方に突出する曲面状に形成する。
【0013】
請求項3の発明では、前記光源ユニットの各発光体として、紫外線発光型のLEDを使用し、各リールのシンボルを、蛍光材を含む塗料により描画する。
【0014】
請求項4の発明では、前記光源ユニットの各発光体を、複数種の色彩光を選択的に発光させることが可能に構成する。また、請求項5の発明では、発光体として、フルカラー発光型のLEDを使用する。
【0016】
【作用】
光源ユニットの開口部および導光板がリールの裏面に沿って配備されるとともに、光軸をケース体の幅方向に向けた複数の発光体が、各導光板の一側面に沿って並べられるので、各発光体からの光は、前後の各方向に広がりながらリールの幅方向に沿って進むようになる。さらに前方向に広がった光および開口部への対向面からの反射光が導光板を介して前方の各方向に拡散されて開口部より前方に導かれる。またこの導光板で拡散された光は、開口部間の遮光部で遮光されるので、開口部毎の光を明確に切り分けてリールに透過させることができ、各シンボルの停止表示範囲に対し、均一かつ照度の高い面状照明を施すことができる。
【0017】
また、各発光体は、光軸をリールの幅方向に沿わせた状態で配備されるので、発光体からの直接光が遊技者の眼に入る虞がない。さらに、各発光体は、光源ユニットの一側面にのみ配置されるので、配線が簡易化され、光源ユニットの設置や駆動制御を簡単にすることができる。
【0018】
請求項4,5の発明では、各シンボル停止表示位置の背後で複数種の色彩光を選択的に発光させることが可能となるので、複数種の色彩光の中から所定の色彩光を選択して発光されることにより、ゲームの流れに応じて多彩な色彩の背後照明を行うことが可能になる。また請求項3の発明では、紫外線発光型のLEDを用いて各シンボルより蛍光色を発光させることにより、趣向のある照明演出を行うことができる。
【0019】
【実施例】
図1は、この発明が適用されたスロットマシンの外観を、図2は機体内部の構成を、それぞれ示す。
このスロットマシンの機体1は、ボックス形状の本体部2の前面開口に扉部3を開閉可能に取り付けて成る。前記本体部2の中空内部には、上段位置にリールブロック4や、制御回路などが配置された回路基板5などが組み込まれ、下段位置には多数枚のメダルを収容するホッパー6aを有するメダル放出機6などが組み込まれている。
【0020】
前記リールブロック4は、金属フレーム7に3個のリール8a,8b,8cが一体に組み付けられて成る。各リール8a,8b,8cは、図3に示すように、円筒状の枠体81の外周面に帯状シート80を貼設して成る。各帯状シート80は、PET樹脂のような透光性を有する素材により構成される。また帯状シート80の表面には、図柄,文字,数字などの複数種のシンボルSが描かれており、その幾つかのシンボルは、入賞を成立させるための入賞シンボルを構成する。
これらリール8a,8b,8cは、それぞれ片側位置に配置された取付板10a,10b,10cに、そのリール8a,8b,8cを個別に回転駆動するステッピングモータ9a,9b,9cとともに組み付けられている。
【0021】
前記扉部3の本体は、所定の厚みをもたせた金属フレームにより構成され、その前面開口に3枚のパネル11,12,13が、後面に各種表示器や操作スイッチにかかる配線基板(図示せず)などが組み付けられている。
【0022】
正面パネル11と下部パネル13との間のフレーム部分には、始動レバー14,停止釦スイッチ15a,15b,15c,メダル投入口16などが配備され、下部パネル13の下方には、メダル払出口17,メダル受け皿18などが設けられる。
【0023】
前記パネル11,12,13は、透明な合成樹脂板または強化ガラスの表面にシルクスクリーン印刷を施して形成されるもので、上部パネル12および下部パネル13には機種名やゲーム情報などが描画される。また中央の正面パネル11には、それぞれ無着色で透明の3個のシンボル表示窓20a,20b,20cによるシンボル表示部20が形成される。このシンボル表示窓20a,20b,20cの背後には、前記リールブロックの3個のリール8a,8b,8cが位置し、リール停止時には、シンボル表示窓20a,20b,20cより各リール8a,8b,8cの外周面に表されたシンボルが、それぞれ3駒分だけ視認可能である。
【0024】
正面パネル11の表面には、図4に示すように、各シンボル表示窓20a,20b,20cを横切るように、上、中、下、斜めの合計5本の停止ラインL1〜L5が表されており、リール停止時には、これら停止ラインL1〜L5上にそれぞれ各リール8a,8b,8cのシンボルが整列する。
なお停止ラインL1〜L5は、メダルの投入枚数に応じて有効化されるもので、投入枚数が1枚のときは中央の停止ラインL1のみが有効化され、投入枚数が2枚のときは上、中、下の3本の停止ラインL1〜L3が有効化される。さらに3枚のメダルが投入された場合は、すべての停止ラインL1〜L5が有効化される。
【0025】
さらにこの実施例のスロットマシンでは、各リール8a,8b,8cの裏側に、各シンボルの停止位置に対応させて、それぞれ面状に発光する光源21が配置される。各光源21は、それぞれ後記する制御部70または副制御部78からの駆動信号を受けて個別に動作するもので、入賞にかかるシンボルなど特定のシンボルが停止した位置に対し、面状の背後照明が施される。
【0026】
上記構成のスロットマシンにおいて、メダル投入口16よりメダルが投入されると、その投入枚数に応じた数の停止ラインが有効化される。ついで始動レバー14が操作されると、3個のリール8a,8b,8cが一斉に始動し、この後、停止釦スイッチ15a,15b,15cが操作される都度、対応するリール8a,8b,8cが停止する。すべてのリール8a,8b,8cが停止したときに、有効化された停止ライン上に、入賞のシンボルの組合せが成立すると、入賞となり、メダル払出機6の作動により、所定枚数のメダルがメダル放出口17よりメダル受け皿18へと放出される。
【0027】
図5〜7は、前記光源21の構成例を示す。
この実施例では、シンボルの表示範囲に対応する3枚の支持面43a,43b,43cを有する本体フレーム43と、各支持面43a,43b,43cに対応する開口部49を有する支持フレーム44との間に、発光体となるLED42が挿入されたブロック体40が挟み込まれて、3個の光源21が一体化された光源ユニット46Aが形成される。
【0028】
前記ブロック体40は、拡散材が混入された透明または半透明の樹脂製のもので、図7に示すように、それぞれ両側位置に、ランプ型のLED42を挿入するための3個の孔41が開設される。各ブロック体40は、前面側が、支持フレーム44の前面形状に合わせて前方に緩やかに突出する曲面形状に形成されるとともに、裏面は中央部で内側にやや入り込んだ谷型形状に形成される。
【0029】
本体フレーム43の各支持面43a,43b,43cは、ブロック体の後面に沿った形状をとり、各ブロック体40は、それぞれ各支持面43a,43b,43cと支持フレーム44とにより支持される。なお各フレーム43,44は、いずれも樹脂製であって遮光性の高い色彩に着色されており、前記3個のブロック体40を挟んだ状態でビス止めされて、一体化される。
【0030】
さらに一体化された各フレーム43,44およびブロック体40に対し、両側部より、各ブロック体40毎に3個、合計9個のLED42が配備された側板48が、各LED42が対応するブロック体40の孔内に挿入された状態で、組み付けられる。
なお、図中の51a,51bは、各LED42を電気接続するためのコネクタ部である。
【0031】
一般に、LEDから出射される光には、図8に示すように、光軸を中心として周囲に所定の角度まで広がりながら進行するという指向性がある。したがって図7の構成によれば、ブロック体40の両側部のLED42からの光は、それぞれブロック体40の前後方向に向けて広がりながら幅方向に沿って進行することになるが、後方に広がる光は前記本体フレーム43の支持面43a,43b,43cにより遮光されるため、ブロック体40の背面の内側に沿って進みつつ前方へと反射するようになる。さらにLED42からの出射光および背面からの反射光は、ブロック体40内部の拡散剤により種々の方向に拡散するので、ブロック体40の前面全体が均一かつ強い光量で発光するようになる。またLED42を両側部に設けることにより、LEDをマトリクス配列して面状の照明パターンを形成するタイプの光源と比べると、光源21の厚みを薄くすることができる。
【0032】
前記支持フレーム44の前面およびこのフレームへの各側板48の対応部分は、リールの周面に沿った弧状に形成されるとともに、フレームの上下端には、後方に突出する水平板44a,44bが形成される。また支持フレーム44の各開口部47の間にも、後方に水平に突出する遮光板49が連続形成されており、これら水平板44a,44b、および各遮光板49により、各光源21毎の光は、リール周面上で明確に切り分けて表示される。
【0033】
本体フレーム43の支持面43a〜43c,各ブロック体40,各開口部47の幅は、いずれもリール幅に応じた長さに設定される。一方、本体フレーム43全体の幅は、前記支持面43a〜43cより前記リールユニットの取付板10a(10b,10c)までの距離を考慮した長さだけ突出させて形成され、さらにこの突出側に、後方に突出する取付部50が一体形成される。この取付部50は、図9に示すように、各リール毎の支持板10a(10b,10c)に支着される。
【0034】
よって各光源21は、本体フレーム43,支持フレーム44,および側板48により囲まれる空間内に、両側に3個ずつのLED42が配備された3個のブロック体40を収容した構成のものとなる。前記取付部50を支持板10a(10b,10c)に支着することにより、各光源21は、リールの裏面側で各シンボル表示位置に対応する位置に固定配置され、光源21の発光時には、対応するリールのシンボル表示位置に、前記開口部47の大きさ、形状に応じた面状の照明パターンが透過するようになる。
【0035】
各光源21内の両側部に縦並びに配置されるLED42には、それぞれ赤,青、緑の各色彩光を発光する3種類のLEDが用いられる。各光源21とも、図10に示すように、赤(R),緑(G),青(B)の各光用のLED42が、両側位置で並び方向を逆転させて配置されている。
【0036】
前記光源ユニット30の3個の光源には、それぞれ個別の駆動回路が設けられており、後記する副制御部78(図23に示す)が各駆動回路を個別に制御することにより、各光源21を独立させて動作させることが可能になる。
また1つの光源21における各LED42の発光動作は、色毎に個別に制御されており、これにより複数色の色彩光を発光することが可能となる。具体的には、各色のLED42を単独で発光させることにより、赤色,緑色,青色の三原色による発光を行うほか、図11に示すように、各色のLED42に与える駆動パルスのデューティ比を変動させることにより、白色光のほか、複数種の色彩光による発光動作を行わせることができる。
【0037】
図12〜図14は、光源ユニットの他の例を示す。
この実施例の光源ユニット46Bは、本体フレーム52,3個の支持フレーム53,および複数個のLED42が配設された側板54が、一体化された構成のものである。前記本体フレーム52は、上下方向に連設された3枚の支持板55a,55b,55cと、各支持板55a,55b,55cの一側より後方に突出する3枚の接合片56a,56b,56cと、上下の各支持板55a,55cに連接される2枚の垂直片57a,57bとにより成る。各支持板55a,55b,55cは、中央の支持板55bがその板面を垂直にして配置される一方、上下の各支持板55a,55cは、それぞれリールの周形状に合わせて板面を斜め後方に傾斜させた状態で中央の支持板55bに連ねられる。またこれらの支持板55a〜55cの幅は、リール幅に応じた長さに形成される一方、上下の各垂直片57a,57bは、連設される支持板55a,55cに対し、リールユニット4側の取付板10a(10b,10c)までの距離に応じた長さだけ突出する幅長さに形成される。さらにその突出部分の端部には、後方に突出する取付片58a,58bが連続形成される。
【0038】
前記側板54は、前縁がリール周面に沿う弧状になり、後縁が前記本体フレーム52の上下の支持板55a,55c間の距離に応じた長さの直線状に形成されて成る。この側板54の一方の面には各光源毎に6個、計18個のLED42が、前記前縁に沿って弧状に並べて配設され、さらにこれらLED42の後方にコネクタ部51aが配備される。この側板54は、LED42の配設面を本体フレーム52の一側縁(前記取付片58が形成される側)に合わせ、各LED42を各支持板55a,55b,55cの支持面上に位置させた状態で位置決めされる。
【0039】
各支持フレーム53は、矩形状の開口部59が開設された前板61と、この前板61の両側縁より後方に突出させた一対の取付片62,62とから成る。なお開口部59の各縁には、前方に向けて突出した遮光部59a,59b,59c,59dが形成される。特に開口部59の両側縁の遮光部59c,59dは、それぞれ前縁部が弧状に形成されるとともに、光の照射範囲を広げるために、各面が前記開口部59に対して斜め外を向くように形成される。
【0040】
上記構成において、各LED42を支持板55a,55b,55c上に位置させた状態で側板54を本体フレーム52上に支持した後に、これら側板54および本体フレーム52に各支持フレーム53を被せ、各取付片62,62を本体フレーム52の接合片56a,56b,56cおよび側板54にビス止めすることにより、各LED42が、本体フレーム52と支持フレーム53との間に挟持された光源ユニット46Bが形成される。さらに本体フレーム52の各取付片58a,58bを、リールユニット4の取付板10a(10b,10c)の内面にビス止めすることにより、前記光源ユニット46Bは、各開口部59をシンボル停止表示位置に対応させた状態で、リール8a(8b,8c)の裏側位置に固定支持される。
【0041】
なお前記支持フレーム53の開口部59は、各支持板55a〜55c上のLED42に接しない位置に対応するように形成されているので、各LED42は、前方から見ると、図13,14に示すように前記支持フレーム53の前板61により隠された状態で、開口部59の一側に沿って配置されることになる。
【0042】
上記構成でも、各LED42からの光は、前後両方向に広がりながら、幅方向に沿って進むもので、前方に広がる光および支持板55a,55b,55cの支持面に沿って前方に反射する光により、開口部59全体が明るく照明される。よって各光源21は、1枚の支持板52a(52b,52c)と、側板54と、支持フレーム53とにより囲まれる空間の一側に、6個のLED42をリールの長さ方向に沿って配備した構成のものとなり、光源21の発光時には、リールの対応するシンボル停止表示位置に、前記開口部59の大きさに応じた面状の照明パターンが透過することになる。
なおこの実施例では、前面に開口部59を設けて面状の照明パターンを形成しているが、これに代えて、各支持フレーム53の前板61に、透明または半透明の窓部を形成してもよい。
【0043】
さらにこの実施例では、図15に示すように、一つの光源21につき、R,G,Bの各色毎に2個ずつのLEDを、1つずつ色を変えながら並べて配置してある。各LED42は、前記実施例と同様に、光源単位で、色毎に個別に駆動されるもので、前記光源ユニット46Aと同様に、前記図20に基づいたデューティー比の調整により、各光源毎に複数の色彩光を切り換えて発光させることが可能となる。
【0044】
図16〜18は、この発明にかかる光源ユニットの構成例を示す。
この実施例の光源ユニット46Cは、本体フレーム65と3個の開口部69を有する支持フレーム66とを、各開口部69の後方にそれぞれ導光板68a,68b,68cを配置させた状態で接合し、各導光板68a,68b,68cに、それぞれ一側方より6個のLED42を挿入した構成のものである。なお本体フレーム65および支持フレーム66は、前記第1の光源46Aの本体フレーム43および支持フレーム44と同様の構成のものであるので、ここでは細部の詳細な説明は省略する。また各LED42は、第2の光源46Bの側板54と同様の構成の側板67に組み付けられており、この側板67およびLEDの配備されていない側板70が、一体化された本体フレーム65および支持フレーム66の両側に位置合わせされて、ビスにより支着される。
【0045】
各導光板68a,68b,68cは、前後面に微細な凹凸の線状パターンが形成された拡散面を有している。なおこの実施例では、拡散面を均一に発光させるために、図19(1)(2)に示すように、各導光板68a,68b,68cを、LED42の挿入側から他端に向けて、板厚がしだいに薄くなり、また拡散面の線状パターンもしだいに密になるように形成している。なお前記板厚の変化や拡散面の傾斜角度は、各拡散面がリールの曲面形状に応じて傾斜するように、各導光板68a,68b,68c毎に個別に設定される。
【0046】
上記構成により、各LED42からの光は、前記各実施例と同様に、前後の各方向に広がりつつリールの幅方向に沿って進むもので、前方向に広がった光および前記本体フレーム65の支持面からの反射光が、導光板68a,68b,68cを介して前方の各方向に拡散するようになる。よって各光源21は、本体フレーム65,支持フレーム66,および各側板67,70により囲まれる空間内に、一側に6個のLED42が挿入された導光板68a(68b,68c)を配備した構造のものとなり、それぞれリール裏面に、各シンボルの停止表示位置に対して配備され、リールに対し面状の均一な照明パターンを透過させる。
【0047】
なお上記の光源ユニット46Cおよび前記した第1の光源ユニット46Aでは、各LED42を導光板68a,68b,68cやブロック体40内に側方より挿入した構成をとっているが、これに限らず、これら拡散材の側面に各LED42を接した状態で配置するようにしてもよい。
【0048】
前記光源ユニット46A,46B,46Cにより構成される光源21では、LEDがマトリクス配列されたタイプの光源を使用する場合よりもLEDの配置数を大幅に減らして、広い範囲に明るい照明を施すことができ、また回路構成を簡単化できる。しかも各LEDをそれぞれ光軸をリールの幅方向に沿わせて配備し、LEDの指向性を利用して拡散させた光による照明を行うから、発光体であるLEDからの直接光が遊技者の眼に入る虞がなく、遊技者が長期間シンボル表示窓20a,20b,20cを注視しても、眼の疲れが生じにくい、という効果が得られる。
【0049】
さらに光源ユニット46B,46Cでは、一側面にのみLEDを配置することにより、配線が簡単化され、光源ユニットの設置や駆動制御が簡単になる、というメリットが得られる。
なお上記3つの実施例とも、R,G,Bの各色彩光を発光する単色発光型のLEDを複数個組み合わせて光源21を構成しているが、これに代えて、R,G,Bの各発光素子を具備するフルカラー発光型のLEDを導入するようにしてもよい。
【0050】
上記各構成による光源21では、均一かつ強い光量の光を発光することが可能であり、また発光体に応答性の良いLEDを用いているので、高速の点灯動作を実行することができる。したがって特定の色彩光による識別表示、または各色彩光を順次切り換える表示により、特定のシンボルを効果的に演出することができる。また各シンボル表示窓20a,20b,20c内に瞬間的に光の帯を走らせる表示態様(一般に「フラッシュ表示」と称される)にも、利用することができる。さらに回転中のリール8a,8b,8cに対しても、対応する3個の光源21に白色光や黄色光のような輝度の高い同一の色彩光を発光させることにより、シンボル表示窓20a,20b,20c内のリール周面全体を明るく照明したり、シンボルの狙い打ち位置など特定の位置に所定の色彩光による照明を施すことにより、その位置を明示することができる。
【0051】
図20および図21は、前記いずれかの構成の光源21による背後照明を用いた演出例を示す。
図20は、2個のリール8a,8bが停止して、2種類のテンパイ状態が成立している状態を示すもので、各テンパイにかかるシンボルS1,S2に、それぞれシンボル種毎に異なる背後照明(シンボルS1には緑色、シンボルS2には黄色)が施されている。また回転中の右側のリール8cにおいても、前記テンパイの成立ラインに対応する各光源21に、それぞれ前記シンボルS1,S2の停止表示位置における照明色と同系色の照明を施すことにより、シンボルS1やS2を停止させるべき目標位置が明示される。
【0052】
図21は、各リール8a,8b,8cが「はずれ」の状態で停止した場合に、内部抽選が当たりとなっている可能性を背後照明により報知する例を示す。なおこの実施例では、各リール8a,8b,8cには、大当たりの「7」のシンボルについて、赤および緑の2種類の色彩で描かれたシンボルSR,SGが配置されるとともに、各色彩毎の「7」の組合せについて、それぞれ入賞内容の異なる特別入賞が設定されている。
【0053】
一般にスロットマシンでは、リール始動の際に内部抽選を実行し、各リール8a,8b,8cに対し、前記抽選結果に応じたシンボルを可能な限り引き込んで停止させる「引込み制御」を行うとともに、前記特別入賞に当選している場合には、その特別入賞が引き当てられるまで当選結果を保持し、さらにその当選の可能性を、音や光などにより遊技者に報知する。
図21の例では、停止表示されたシンボルの色彩と同色の背後照明を施すことにより、そのシンボルによる入賞の可能性を報知するようにしており、さらにこの背後照明による報知のなされたシンボルの数が多くなるほど、入賞の可能性が高いことを示唆するようにしている。
【0054】
図示例によれば、赤、緑の各「7」のシンボルSR,SGとも、2個ずつ停止表示されているが、赤色のシンボルSRには、停止表示された各シンボルにそれぞれシンボルと同色の背後照明が施されているのに対し、緑色のシンボルSGについては、1個のシンボルのみに同色の緑色の背後照明が施され、他方のシンボルには、シンボルとは異なる色彩(黄色)による背後照明が施されている。したがってこの場合、赤色のシンボルSRにかかる特別入賞に当選している可能性の方が高いことが示唆されていることになる。
【0055】
図22は、上記光源21を用いたフラッシュ表示の例を示す。
図22(1)〜(3)は、点灯させる光源21を、各シンボル表示窓20a,20b,20c毎に順次高速で切り換えることにより、水平方向の各停止ラインL1〜L3に沿うフラッシュ表示を実現している。このうち図22(1)の例では、各光源21が同じ光(図示例では白色光)を発光するように設定して、その色彩光の帯を水平方向に沿って高速で走らせている。一方、図22(2)(3)では、点灯位置が切り換えられる毎に異なる色彩光を発光させることにより、残像現象による表示効果を高めるようにしている。
【0056】
図22(4)(5)は、特定の光源21にかかる点灯動作を順次高速で切り換えるようにした例を示す。図22(4)の例では、中央のシンボル表示位置の光源21を点灯させた後、その上下、左右の4個の光源21を同時に点灯させることにより、光の帯を中央位置から水平、垂直の各方向に走らせている。また図22(5)の例では、左、中央の各シンボル表示窓20a,20bの上段位置の光源21からそれぞれ斜めに位置する光源21に、点灯位置を切り換えることにより、斜め方向に走る光の帯を提示している。なおこれらの表示においても、単一の色彩光による光の帯を走らせることも、複数の色彩光を順次切り換えながら走らせることも、可能である。
【0057】
図22(6)は、2個のリール(図示例では左,中央のリール8a,8b)が停止した段階で、入賞にかかる数字の「7」のシンボルによる「テンパイ」が成立した場合の表示例であって、停止した各リール8a,8bにおいては、「7」のシンボルに他の図示しないシンボルと異なる色彩光(赤色光)による背後照明が施される。また回転中のリール8cでは、縦方向に沿って各種色彩光が切り換えられつつフラッシュ表示されている。
【0058】
なお、前記図22(1)〜(5)に示したフラッシュ表示は、制御部内で実施される内部抽選が当たって入賞のシンボルが成立する可能性がきわめて高くなったときや、「リプレイ」と称されるボーナスゲーム時の特別当たりの発生時などに実施される。
【0059】
また図22(1)〜(5)の種のフラッシュ表示、および図22(6)に示したような背後照明によるシンボルの識別表示のいずれについても、前記した内部抽選の当たりやリプレイの成立などの特別の入賞条件に応じて、それぞれ固有の色彩光による表示を行うことが可能である。
【0060】
なお上記したLEDによる光源21には、最近開発された紫外線発光型のLEDを導入することができる。この場合にはリール8a,8b,8c上の各シンボルを、蛍光材を含む塗料により描画することにより、各シンボルより蛍光色を発光させて、趣向のある照明演出を行うことができる。
また上記各構成の光源21については、発光体として、LEDに代えて蛍光管ランプや微小な長さの蛍光灯を用いることも可能である。
【0061】
図23は、上記光源21を用いたスロットマシン1の電気構成を示す。
図中の77は、前記制御基板5上に搭載される制御部であり、制御、演算の主体であるCPU71,プログラムや抽選処理のためのテーブルが記憶されるROM72,データの読み書きに用いられるRAM73,および抽選処理用の乱数を発生させる乱数発生器74を含む。
【0062】
前記制御部77には、バス79を介して各種の入出力部が接続され、CPU71は、ROM72内のプログラムに基づき各種入力信号を認識しつつ、出力部に駆動信号を与えてゲームに関わる一連の処理を実行する。入力部としては、前記始動レバー14,停止釦スイッチ15a,15b,15cなどの操作スイッチのほか、メダル投入口16より投入されたメダルを検知するためのメダル検知センサ75などが接続される。また出力部としては、メダル払出機6や前記ステッピングモータ9a,9b,9cを駆動するリール駆動部76のほか、図示しない装飾用のランプや表示器などが接続される。
【0063】
さらにこのスロットマシンには、前記制御部77とは独立させて、前記各光源21の点灯動作を制御するための副制御部78が設けられている。この副制御部78も制御部77と同様にマイクロコンピュータを制御主体とするもので、そのROM(図示せず)内には、各光源に所定の照明パターンを生成させるための駆動制御の内容(たとえば前記図11に示したR,G,Bのデューティー比の組合せパターンや、発光動作のタイミングなど)が格納されている。
【0064】
さらに各制御部77,78のROMには、あらかじめ各リール8a,8b,8cに対して実行される各種の照明パターンがコード化されてセットされている。副制御部78内のCPU(図示せず)は、メインの制御部77より実行すべき照明パターンのコード情報を受け取ると、各光源21につき、それぞれ指示された照明パターンを実行するのに必要な駆動制御の内容を前記ROMより読み出して各光源の駆動回路(図示せず)にセットし、目的とする照明パターンを実現する。
【0065】
これにより、メインの制御部77側では、ゲームの流れに応じて副制御部78に所定のコード情報を出力するだけで良くなるので、CPU71の負担を減らして、種々の照明パターンによる演出を行うことができる。ただし必ずしもこのような制御を行う必要はなく、メインの制御部77のみでゲームおよび背後照明用の制御を実行するようにしてもよい。
【0066】
【発明の効果】
この発明によれば、各シンボル停止表示位置に対向配備された導光板と、この導光板の一側面に沿って並べられた複数の発光体とを用いて、前記シンボル停止表示位置に対し、照度が高く、均一な面状の照明パターンを透過させるようにしたので、各シンボル停止表示位置を個別に明瞭に表示することが可能となる。また各発光体は、光軸をリールの幅方向に沿わせた状態で配備されるので、発光体からの直接光が遊技者の眼に入る虞がなく、遊技者の眼に疲労を生じさせにくい背後照明を施すことができる。
【0067】
請求項4,5の発明では、各シンボル停止表示位置の背後で複数種の色彩光を選択的に発光させることが可能となるので、複数種の色彩光の中から所定の色彩光を選択して発光させることにより、ゲームの流れに応じて多彩な色彩の背後照明を行って、演出効果を高めることができる。
請求項3の発明によれば、発光体として紫外線発光型のLEDを使用するとともに、各シンボルを蛍光材を含む塗料により描画したので、各シンボルより蛍光色を発光させて、趣向のある照明演出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例にかかるスロットマシンの外観を示す斜視図である。
【図2】スロットマシンの内部構造を示す正面図である。
【図3】リールの構成を示す斜視図である。
【図4】シンボル表示部の構成を示す正面図である。
【図5】光源ユニットの例を示す斜視図である。
【図6】図5の光源ユニットの構成を示す分解斜視図である。
【図7】図5の光源ユニットに組み込まれるブロック体の構成を示す正面図、平面図、側面図である。
【図8】LEDの指向性を示す説明図である。
【図9】図5の光源ユニットのリールへの取付け方法を示す斜視図である。
【図10】各光源内のLEDの配置例を示す説明図である。
【図11】複数種の色彩光を発光させるためのLEDへの駆動パルスのデューティ比の組合せを示す説明図である。
【図12】光源ユニットの第2の例を示す分解斜視図である。
【図13】図12の光源ユニットの正面図、および側面図である。
【図14】図12の光源ユニットの断面図である。
【図15】側板上でのLEDの配置例を示す正面図である。
【図16】この発明にかかる光源ユニットの構成例を示す斜視図である。
【図17】図16の光源ユニットの分解斜視図である。
【図18】図16の光源ユニットのリールへの取付け方法を示す斜視図である。
【図19】導光板の構成を示す正面図および底面図である。
【図20】背後照明による演出例を示す説明図である。
【図21】背後照明による演出例を示す説明図である。
【図22】背後照明を用いたフラッシュ表示の例を示す説明図である。
【図23】スロットマシンの電気構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
8a,8b,8c リール
21 光源
42 LED
46C 光源ユニット
68a、68b,68c 導光板
Claims (5)
- 外周面に複数駒のシンボルが配設された複数個のリールを、それぞれその片側に配置された取付板に固着されたステッピングモータに軸支した状態でシンボル表示窓の後方に配備し、各リールを回転させてシンボルを変動表示した後に各リールを順に停止させて、それぞれシンボル表示窓内に複数のシンボルを停止表示するようにしたスロットマシンにおいて、
各リールは、それぞれ外周部が透光性を有する素材により構成されるとともに、各リールの裏側には、横幅が前記リールの幅に対応し、かつ高さがシンボル表示窓内に停止する複数駒分のシンボルの表示範囲に対応する大きさの光源ユニットが設けられており、
前記光源ユニットは、
1駒分のシンボルの表示範囲に対応する大きさの開口部が前記シンボル表示窓内に停止するシンボルの駒数分、前面に設けられたケース体;このケース体の内部に、それぞれその前面を前記開口部に合わせるようにして収容された前記開口部と同数の導光板;および前記ケース体の一方の側面に設けられ、複数個の発光体が配設された側板を含んで構成され、
前記ケース体は、その前面がリールの周面に沿った弧状に形成されるとともに、隣接する開口部間に遮光部が形成され、
前記側板に設けられた複数個の発光体は、光軸をリールの幅方向に向け、かつ導光板の側面に沿って各発光体が並んだ状態になるようにして、前記側板の前端部に配設され、
前記ケース体の一側には、前記発光体が配設された側板の取付位置より後方に突出させて取付部が形成されており、この取付部を前記取付板に支着することにより、各開口部および導光板がそれぞれ前記リールの裏面に沿って配備されることを、特徴とするスロットマシン。 - 前記光源ユニットの各導光板は、それぞれリールの周面に合わせて、前面が前方に突出する曲面状に形成されている請求項1に記載されたスロットマシン。
- 前記光源ユニットの各発光体は紫外線発光型のLEDであり、各リールのシンボルは、蛍光材を含む塗料により描画されている請求項1または2に記載されたスロットマシン。
- 前記光源ユニットの各発光体は、複数種の色彩光を選択的に発光させることが可能である請求項1または2に記載されたスロットマシン。
- 前記光源ユニットの各発光体は、フルカラー発光型のLEDである請求項1または2に記載されたスロットマシン。
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