JP2010010485A - 磁気ランダムアクセスメモリ - Google Patents

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Abstract

【課題】磁壁移動型のMRAMにおいて、磁壁移動に要する臨界電流密度を低減すること。
【解決手段】本発明に係る磁壁移動型のMRAM1は、磁壁が移動する強磁性体層である磁壁移動層20と、磁壁移動層20に供給される電流が流れる配線60と、磁壁移動層20と配線60との間に介在するスピン吸収層70とを備える。スピン吸収層70のスピン拡散長は、配線60のスピン拡散長よりも短い。
【選択図】図2

Description

本発明は、磁気ランダムアクセスメモリ(MRAM:Magnetic Random Access Memory)に関する。特に、本発明は、磁壁移動型のMRAMに関する。
MRAMは、磁性体の磁化方向に基づいてデータを不揮発的に記憶する不揮発性メモリである。MRAMは、高速書き込みや書き込み回数に制限が無い等の特徴を有する。そのため、MRAMは、次世代の不揮発性メモリとして期待されており、その開発が精力的に進められている。
近年提案されている有力なMRAMの書き込み方式の一つは、スピン注入(spin momentum transfer)方式である。スピン注入磁化反転では、スピン偏極電流が書き込み電流として磁化記録層に注入され、それにより磁化記録層の磁化方向が反転する。従来良く知られている電流誘起磁界を印加することによる磁化反転では、メモリセルのサイズが小さくなると共に磁化反転に必要な電流が増大する。それに対し、スピン注入磁化反転では、メモリセルのサイズが小さくなると共に磁化反転に必要な電流が減少する。従って、スピン注入方式は、大容量のMRAMを実現するための有力な方法であると考えられている。
しかしながら、スピン注入方式を磁気トンネル接合(MTJ: Magnetic Tunnel Junction)素子に適用する場合には、トンネルバリヤ層の破壊の問題を克服する必要がある。スピン注入方式によって磁化反転を行う場合、スピン偏極電流は、トンネルバリヤ層を貫通するように磁気トンネル接合に流される。ここで、現状では、スピン注入磁化反転にはmA級のスピン偏極電流が必要である。このような大きな電流を磁気トンネル接合に流すことは、トンネルバリヤ層の破壊を招く恐れがある。
以上の問題を克服するためのアプローチの一つが、磁化記録層の面内方向にスピン偏極電流を流すことによって磁化反転を起こす技術である。このような技術は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3に開示されている。磁化記録層の面内方向にスピン偏極電流を流すことにより、磁化記録層中の磁壁を移動させ、これにより磁化記録層中の磁化方向を反転させることができる。その意味で、本技術は「磁壁移動(Domain Wall Motion)方式」と呼ばれている。磁壁移動型のMRAMによれば、トンネルバリヤ層を貫通するようにスピン偏極電流を流す必要がなく、トンネルバリヤ層の破壊を有効に回避することができる。
特開2005−191032号公報 特開2006−73930号公報 特開2006−270069号公報
本願発明者は、次の点に着目した。磁壁移動型のMRAMの磁化記録層には、スピン方向が揃うように磁化方向が固定された磁化固定領域が形成される。この磁化固定領域に書き込み電流が流れると、伝導電子のスピン方向が磁化固定領域のスピンにより影響を受け、結果として、所望のスピン方向を有するスピン電子が生成される。すなわち、磁化固定領域は、スピン偏極電流を生成するためのスピンフィルターの役割を果たす。磁化固定領域において生成されたスピン電子が磁壁に供給され、それにより磁壁移動が実現される。
通常、磁化固定領域にはトランジスタ等からビアを通して電子が注入される。しかしながら、そのような注入電子のスピン方向は、一方向に揃っておらず、ランダム(不均一)である。磁化固定領域への注入電子のスピン方向が不均一である場合、スピンフィルター機能の平均的な効率は低下し、磁壁移動に有効に寄与するスピン電子は必ずしも十分に生成されない。つまり、実効的なスピン偏極が低下し、磁壁移動が効率的に達成されない。このことは、磁壁移動に要する臨界電流密度(閾値電流密度)を低減できない要因となると考えられる。
本発明の1つの目的は、磁壁移動型のMRAMにおいて、磁壁移動に要する臨界電流密度を低減することができる技術を提供することにある。
本発明の一実施の形態において、磁壁移動型のMRAMが提供される。そのMRAMは、磁壁が移動する強磁性体層である磁壁移動層と、磁壁移動層に供給される電流が流れる配線と、磁壁移動層と配線との間に介在するスピン吸収層とを備える。スピン吸収層のスピン拡散長は、配線のスピン拡散長よりも短い。
本発明に係る磁壁移動型のMRAMによれば、磁壁移動に要する臨界電流密度を低減することが可能となる。
添付図面を参照して、本発明の実施の形態に係るMRAMを説明する。本発明の実施の形態に係るMRAMは、磁壁移動型のMRAMである。
1.第1の実施の形態
1−1.磁壁移動型のMRAM及びメモリセル
図1は、磁壁移動型のMRAM1の構成の一例を示すブロック図である。MRAM1は、アレイ状に配置された複数のメモリセルMCを備えている。各メモリセルMCは、磁気抵抗素子10とトランジスタTR1、TR2を有している。トランジスタTR1、TR2のゲートは、ワード線WLに接続されている。トランジスタTR1のソース/ドレインの一方は第1ビット線BL1に接続されており、その他方は磁気抵抗素子10に接続されている。トランジスタTR2のソース/ドレインの一方は第2ビット線BL2に接続されており、その他方は磁気抵抗素子10に接続されている。
MRAM1は、更に、ワード線WLに接続されたワード制御回路2と、ビット線対BL1、BL2に接続されたビット制御回路3を備えている。ワード制御回路2は、アクセス対象のメモリセルMCにつながるワード線WLを選択し、選択されたワード線WLに所定の電位を印加する。これにより、アクセス対象のメモリセルMCのトランジスタTR1、TR2がオンする。一方、ビット制御回路3は、アクセス対象のメモリセルMCにつながるビット線対BL1、BL2を選択し、選択されたビット線BL1、BL2のそれぞれに所定の電位を印加する。ビット線BL1、BL2の電位差に応じて、第1ビット線BL1から第2ビット線BL2へ、あるいは、第2ビット線BL2から第1ビット線BL1へ電流が流れる。このように、アクセス対象のメモリセルMCの磁気抵抗素子10に、所望の方向の電流(例えば書き込み電流)を導入することが可能である。
図2は、第1の実施の形態に係るメモリセルMCの構造例を示す断面図である。メモリセルMCは、磁壁移動型の磁気抵抗素子10と、その磁気抵抗素子10に接続されたトランジスタTR1、TR2を有している。トランジスタTR1のソース/ドレインの一方は、ビアを介して第1ビット線BL1に接続されており、その他方はビア50−1を介して磁気抵抗素子10に接続されている。トランジスタTR2のソース/ドレインの一方は、ビアを介して第2ビット線BL2に接続されており、その他方はビア50−2を介して磁気抵抗素子10に接続されている。
磁気抵抗素子10は、強磁性体層である磁壁移動層(磁化記録層)20、非磁性体層であるトンネルバリヤ層30、及び強磁性体層であるピン層(磁化固定層)40を含んでいる。トンネルバリヤ層30は、磁壁移動層20とピン層40との間に挟まれており、ピン層40はトンネルバリヤ層30を介して磁壁移動層20に接続されている。尚、ピン層40の磁化方向は、実質的に一方向に固定されている。
強磁性体層(磁壁移動層20、ピン層40)の材料としては、NiFe、CoFe、CoFeB、CoPt、CoPtCr、CoPd、FePt、CoFePt、CoFePd、GdCo、TbFeCo、GdFeCo、GdTbFeCoが例示される。一方、トンネルバリヤ層30は、例えばAlO、MgO等の絶縁体層である。このような強磁性体層(磁壁移動層20、ピン層40)及びトンネルバリヤ層30によって、MTJが形成される。
磁壁移動層20は、第1磁化固定領域21、第2磁化固定領域22、及び磁化反転領域23を有している。磁化反転領域23は、第1境界B1において第1磁化固定領域21と接触し、第2境界B2において第2磁化固定領域22と接触している。磁化反転領域23の磁化方向は反転可能であり、ピン層40の固定磁化方向と平行あるいは反平行となることが許される。一方、第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22のそれぞれの磁化方向は、形状磁気異方性、静磁結合、交換結合などを利用することにより、所定の方向に固定される。ここで、磁壁移動層20内に磁壁が形成されるように、第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22のそれぞれの磁化方向は固定される。
例えば図2に示されるように、第1磁化固定領域21の磁化方向は、第1境界B1に向かう方向に固定され、第2磁化固定領域22の磁化方向は、第2境界B2に向かう方向に固定されている。磁化反転領域23の磁化方向は、反転可能であり、第1境界B1あるいは第2境界B2に向くことが許される。磁化反転領域23の磁化方向が第1境界B1へ向いている場合、磁化反転領域23と第2磁化固定領域22が単一の磁区を形成し、第1磁化固定領域21が他の磁区を形成する。この場合、磁壁は、第1磁化固定領域21と磁化反転領域23との間の第1境界B1に形成される。一方、磁化反転領域23の磁化方向が第2境界B2へ向いている場合、磁化反転領域23と第1磁化固定領域21が単一の磁区を形成し、第2磁化固定領域22が他の磁区を形成する。この場合、磁壁は、第2磁化固定領域22と磁化反転領域23との間の第2境界B2に形成される。このように、磁壁移動層20には磁壁が形成される。
上述のピン層40は、トンネルバリヤ層30を介して磁化反転領域23上に形成されている。つまり、磁壁移動層20の磁化反転領域23は、トンネルバリヤ層30を介してピン層40に接続されており、MTJの一部を担っている。上述の通り、磁化反転領域23の磁化方向は、ピン層40の固定磁化方向と平行あるいは反平行となることが許される。磁化反転領域23の磁化方向がピン層40の磁化方向と“平行”の場合、MTJの抵抗値は比較的小さくなる。一方、磁化反転領域23の磁化方向がピン層40の磁化方向と“反平行”の場合、MTJの抵抗値は比較的大きくなる。このような抵抗値の変化を利用することによって、メモリセルMCは、データ“0”あるいは“1”を不揮発的に記憶することが可能である。例えば、平行状態はデータ“0”に対応付けられ、反平行状態はデータ“1”に対応付けられる。
メモリセルMCにデータを書き込むためには、所望のデータに応じて平行状態あるいは反平行状態を実現すればよい。つまり、磁化反転領域23の磁化方向を所望のデータに応じた方向に向ければよい。本実施の形態によれば、磁化反転領域23における磁化反転は、「磁壁移動方式」により実現される。具体的には、磁壁移動層20内に書き込み電流が平面的に流される。このとき、第1磁化固定領域21は、第1状態のスピン電子を磁化反転領域23に供給するスピンフィルターの役割を果たす。一方、第2磁化固定領域22は、第1状態と逆の第2状態のスピン電子を磁化反転領域23に供給するスピンフィルターの役割を果たす。このような磁化反転領域23へのスピン注入により、磁壁は、第1境界B1から第2境界B2へ、あるいは、第2境界B2から第1境界B1へ移動する。この磁壁移動により、磁化反転領域23の磁化方向が反転する。
以上に説明されたように、磁壁移動層20は磁壁を有しており、その磁壁は磁壁移動層20内を移動する。但し、磁壁移動層20の形状や磁化固定領域21、22の磁化方向は図2で示された例に限られない。後に説明されるように、様々な形態が可能である(第3節参照)。重要なことは、磁壁移動層20が磁壁を有しており、その磁壁が磁壁移動層20の面内方向に流れる書き込み電流(スピン偏極電流)によって移動することである。以下、磁壁移動層20に対して書き込み電流を供給するための構成を説明する。
1−2.スピン吸収層
図2に示されるように、本実施の形態に係るメモリセルMCは、配線60及びスピン吸収層70を備えている。磁壁移動層20には、これら配線60及びスピン吸収層70を通して書き込み電流が供給される。
具体的には、トランジスタTR1上に形成されたビア50−1は、配線60−1に接続されている。配線60−1上にはスピン吸収層70−1が局所的に形成されており、そのスピン吸収層70−1が磁壁移動層20の第1磁化固定領域21に接触している。すなわち、スピン吸収層70−1は、配線60−1と磁壁移動層20の第1磁化固定領域21との間に介在しており、配線60−1は、スピン吸収層70−1を介して第1磁化固定領域21に接続されている。また、トランジスタTR2上に形成されたビア50−2は、配線60−2に接続されている。配線60−2上にはスピン吸収層70−2が局所的に形成されており、そのスピン吸収層70−2が磁壁移動層20の第2磁化固定領域22に接触している。すなわち、スピン吸収層70−2は、配線60−2と磁壁移動層20の第2磁化固定領域22との間に介在しており、配線60−2は、スピン吸収層70−2を介して第2磁化固定領域22に接続されている。
上述の通り、トランジスタTR1、TR2をオンし、ビット線BL1、BL2の間に所定の電位差を印加することによって、第1ビット線BL1と第2ビット線BL2の間に書き込み電流を流すことができる。書き込み電流が第1ビット線BL1からトランジスタTR1を通してビア50−1に流れ込む場合、その書き込み電流は更に配線60−1を流れ、スピン吸収層70−1を通して磁壁移動層20に供給される。この場合、書き込み電流は、磁壁移動層20において、第1磁化固定領域21から磁化反転領域23を通って第2磁化反転領域22へ平面的に流れる。一方、書き込み電流が第2ビット線BL2からトランジスタTR2を通してビア50−2に流れ込む場合、その書き込み電流は更に配線60−2を流れ、スピン吸収層70−2を通して磁壁移動層20に供給される。この場合、書き込み電流は、磁壁移動層20において、第2磁化固定領域22から磁化反転領域23を通って第1磁化反転領域21へ平面的に流れる。
このように、配線60を流れる書き込み電流は、スピン吸収層70を通して磁壁移動層20に供給される。本実施の形態に係るスピン吸収層70は、次のような特徴を有し、次のような役割を果たす。
まず、本実施の形態に係るスピン吸収層70は、「スピン拡散長」が比較的短い(10〜20nm程度)非磁性金属材料で形成される。スピン拡散長とは、伝導電子のスピン状態が保持される特性長である。例えば、スピン拡散長が10nmと短いPtが、スピン吸収層70の材料として用いられる。また、Ptの他に、スピン拡散長が約10nmであるRu、Ir、Au、Ag、Pdといった非磁性金属を、スピン吸収層70の材料として用いることもできる。一方、書き込み電流が流れる配線60の材料は、Cu,Al等の導電体である。このような配線60のスピン拡散長は比較的長い(100nm以上)。例えば、Cu配線の場合、スピン拡散長は500nm程度であり、Al配線の場合、スピン拡散長は100nm程度である。いずれの場合も、スピン吸収層70のスピン拡散長は、配線60のスピン拡散長よりも短いことに留意されたい。
このように、比較的長いスピン拡散長の配線60の上に比較的短いスピン拡散長のスピン吸収層70が積層された場合、それら配線60とスピン吸収層70との界面に、スピンに対する大きな化学ポテンシャル差が形成される。その結果、スピン吸収層70において、特定方向のスピンが吸収され、蓄積される(スピン蓄積効果)。結果として、スピン方向の揃った伝導電子が磁壁移動層20の直下に集まり、その伝導電子が磁壁移動層20に注入されることになる。すなわち、本実施の形態に係るスピン吸収層70は、特定方向のスピンを選択的に吸収し、磁壁移動層20に注入される伝導電子のスピン方向を揃える役割を果たす。
トランジスタ(TR1あるいはTR2)からビア50を通して配線60に流れ込む伝導電子のスピン方向は、一方向に揃っておらず、ランダム(不均一)である。しかしながら、本実施の形態によれば、配線60と磁壁移動層20との間にスピン吸収層70が介在しており、そのスピン吸収層70が伝導電子のスピン方向を“積極的”に揃える。従って、スピン方向の揃った伝導電子が磁壁移動層20の直下に集まり、磁壁移動層20に注入されることになる。その結果、磁化固定領域(21あるいは22)におけるスピンフィルター機能の平均的な効率が向上し、磁壁移動に有効に寄与するスピン方向の揃ったスピン電子が十分に生成される。よって、磁壁に作用する実効的なスピン偏極度が向上し、磁化反転のトルクを効率的に与えることが可能となる。すなわち、磁壁移動がより効率的に達成され、磁壁移動に要する臨界電流密度(閾値電流密度)が低減される。従って、書き込み電流を低減することが可能となる。
また、揃った電子スピンから実効的な磁場が磁壁移動層20の近傍に発生する。その磁場も磁壁移動層20における磁化反転を促進する。つまり、磁場及びスピントルクの両面から書き込み電流を低減することが可能となる。
図3及び図4は、図2で示されたメモリセルMCのレイアウトの例を示す平面図である。トランジスタにつながるビア50は、磁壁移動層20から少し離れた位置に形成されている。ビア50につながる配線60は、ビア50の位置から磁壁移動層20の直下まで延在するように形成されている。そして、配線60と磁壁移動層20の間にスピン吸収層70が形成されている。つまり、スピン吸収層70は、磁壁移動層20の直下の位置において配線60上に局所的に形成されており、ビア50とオーバーラップしていない。
このようにレイアウトされた配線60及びスピン吸収層70によって、スピン方向の揃った伝導電子を磁壁移動層20に効率的に注入することが可能となる。伝導電子は、ビア50から配線60に引き込まれ、磁壁移動層20の直前でスピン吸収層70を通る。そして、上述の通り、スピン方向の揃った伝導電子が磁壁移動層20の直下に集まり、その伝導電子が磁壁移動層20に注入される。その結果、磁壁移動が効率的に実現され、磁壁移動に要する臨界電流密度が低減される。
以上に説明された通り、本実施の形態によれば、磁壁移動に要する臨界電流密度が低減される。従って、書き込み電流を低減し、低電流動作が可能なMRAMを実現することが可能となる。また、磁壁移動が効率的に行われるため、データ書き込みが高速化される。更に、書き込み電流が低減されるため、回路規模を縮小することが可能となる。このように、低消費電力、高速動作、高密度のMRAMが実現される。
2.第2の実施の形態
図5は、本発明の第2の実施の形態に係るメモリセルMCの構造例を示す断面図である。図6及び図7は、図5で示されるメモリセルMCのレイアウトの例を示す平面図である。第1の実施の形態と同じ構成には同一の符号が付され、重複する説明は適宜省略される。
本実施の形態に係るメモリセルMCは、上述のスピン吸収層70に加えて、スピン偏極層80を更に備えている。このスピン偏極層80は、ビア50と配線60との間に介在しており、配線60は、スピン偏極層80を介してビア50に接続されている。より詳細には、ビア50−1上にスピン偏極層80−1が形成され、そのスピン偏極層80−1上に配線60−1が形成されている。同様に、ビア50−2上にスピン偏極層80−2が形成され、そのスピン偏極層80−2上に配線60−2が形成されている。
スピン偏極層80は、スピン分極率の高い材料で形成された磁性体層であり、スピン偏極層80の磁気モーメントは一方向に揃っている。例えば、スピン偏極層80の材料は、スピン分極率が0.45であるNiFeである。本実施の形態によれば、ランダムなスピン方向を持つトランジスタからの伝導電子は、スピン分極率の高いスピン偏極層80を通って、配線60に供給される。このとき、伝導電子のスピン方向がある程度揃う。つまり、配線60を流れる伝導電子のスピン偏極度が向上する。従って、第1の実施の形態と比較して、更に効率良く所望のスピンの流れを形成することが可能となる。その結果、磁壁移動がより効率的に実現され、磁壁移動に要する臨界電流密度が低減される。
スピン偏極層80の材料は、NiFe(スピン分極率:0.45)に限られない。例えば、Fe(0.45)、Co(0.42)、Ni(0.43)、CoFe(0.53)、CoFeB(0.60)等の強磁性金属合金を用いることもできる。あるいは、ハーフメタル材料をスピン偏極層80の材料として用いることもできる。例えば、CoMnAl(0.76)、CoMnSi(1.00)、CoCrFeAl(0.97)等に代表される分極率の大きい室温で強磁性を示すホイスラー合金を用いることができる。更には、NdFeBに代表される強力磁石材料を用いることもできる。いずれの場合でも同様の効果が得られる。
3.磁壁移動層
本発明は、いかなる磁壁移動型MRAMにも適用され得る。このとき、磁壁が移動する磁壁移動層20の形状としては様々なものが考えられる。
図8は、磁壁移動層20の平面形状が矩形である場合を示している。第1磁化固定領域21、磁化反転領域23、及び第2磁化固定領域22は、直線状に形成されている。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22の磁化方向は共に、磁化反転領域23に向かう方向、あるいは、磁化反転領域23から離れる方向に固定されている。つまり、第1磁化固定領域21と第2磁化固定領域22の磁化方向は、互いに逆向きである。
図9は、磁壁移動層20の平面形状が菱形である場合を示している。磁化状態は、図8の例の場合と同様である。
図10は、磁壁移動層20の平面形状がU字形である場合を示している。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22は、磁化反転領域23の両端に接続されており、互いに平行である。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22の磁化方向は共に、磁化反転領域23に向かう方向、あるいは、磁化反転領域23から離れる方向に固定されている。つまり、第1磁化固定領域21と第2磁化固定領域22の磁化方向は、同じ向きである。
図11は、磁壁移動層20の平面形状がH字形である場合を示している。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22は、磁化反転領域23の両端に接続されており、互いに平行である。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22の磁化方向は、互いに平行であり、磁化反転領域23の磁化方向と交差している。
図12は、磁壁移動層20の平面形状がY字形である場合を示している。第1磁化固定領域21及び第2磁化固定領域22は、磁化反転領域23の同じ端部に接続されている。第1磁化固定領域21と第2磁化固定領域22の一方の磁化方向は、磁化反転領域23に向かう方向に固定されており、他方の磁化方向は、磁化反転領域23から離れる方向に固定されている。
また、ピン層40や磁壁移動層20は、垂直磁気異方性を有する垂直磁化膜で形成されてもよい。その場合、ピン層40及び磁壁移動層20の磁化方向は、膜面に垂直な方向となる。第1磁化固定領域21の磁化方向は、膜面に垂直な第1の方向に固定され、第2磁化固定領域22の磁化方向は、第1の方向と逆の第2の方向に固定される。磁化反転領域23の磁化は反転可能であり、第1の方向あるいは第2の方向を向く。
以上、本発明の実施の形態が添付の図面を参照することにより説明された。但し、本発明は、上述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で当業者により適宜変更され得る。
図1は、本発明の実施の形態に係るMRAMの構成例を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る磁壁移動型メモリセルの構造例を示す断面図である。 図3は、図2で示されたメモリセルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図4は、図2で示されたメモリセルのレイアウトの他の例を示す平面図である。 図5は、本発明の第2の実施の形態に係る磁壁移動型メモリセルの構造例を示す断面図である。 図6は、図5で示されたメモリセルのレイアウトの一例を示す平面図である。 図7は、図5で示されたメモリセルのレイアウトの他の例を示す平面図である。 図8は、本実施の形態における磁壁移動層の平面形状の一例を示す平面図である。 図9は、本実施の形態における磁壁移動層の平面形状の他の例を示す平面図である。 図10は、本実施の形態における磁壁移動層の平面形状の更に他の例を示す平面図である。 図11は、本実施の形態における磁壁移動層の平面形状の更に他の例を示す平面図である。 図12は、本実施の形態における磁壁移動層の平面形状の更に他の例を示す平面図である。
符号の説明
1 MRAM
2 ワード制御回路
3 ビット制御回路
10 磁気抵抗素子
20 磁壁移動層
21 第1磁化固定領域
22 第2磁化固定領域
23 磁化反転領域
30 トンネルバリヤ層
40 ピン層
50 ビア
60 配線
70 スピン注入層
80 スピン偏極層
MC メモリセル
TR1、TR2 トランジスタ
WL ワード線
BL1 第1ビット線
BL2 第2ビット線

Claims (7)

  1. 磁壁移動型の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    磁壁が移動する強磁性体層である磁壁移動層と、
    前記磁壁移動層に供給される電流が流れる配線と、
    前記磁壁移動層と前記配線との間に介在し、前記配線よりもスピン拡散長が短いスピン吸収層と
    を備える
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  2. 請求項1に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記スピン吸収層の材料は、Pt、Ir、Ru、Au、Ag、Pdのいずれかを含み、
    前記配線の材料は、Cu、Alのいずれかを含む
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記スピン吸収層は、前記配線上に局所的に形成されている
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記配線は、ビアを介してトランジスタに接続されており、
    前記電流は、前記トランジスタ及び前記ビアを通して前記配線に流れ込む
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  5. 請求項4に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記スピン吸収層は、前記ビアとオーバーラップしていない
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  6. 請求項4又は5に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記ビアと前記配線との間に介在する磁性体層であるスピン偏極層を更に備える
    磁気ランダムアクセスメモリ。
  7. 請求項6に記載の磁気ランダムアクセスメモリであって、
    前記スピン偏極層の材料は、Fe、Co、Niのうち少なくとも一種類を含む
    磁気ランダムアクセスメモリ。
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