JP2010009983A - 充電ムラ低減方法、及び、二次電池の製造方法 - Google Patents

充電ムラ低減方法、及び、二次電池の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】正極及び負極に生じた充電ムラを確実に低減して、電池容量の低下を抑制できる充電ムラ低減方法、及びこれを利用した二次電池の製造方法を提供する。
【解決手段】電極体150に対し、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向に圧力を加え、電極体150の内部に存在するガスを、電極体150の外部に排出するガス排出工程(ステップS3)と、負極の電位がフラット部における負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す二次電池100の電池電圧の値を、目標電圧値としたとき、二次電池100の電池電圧が目標電圧値に達するまで、二次電池100の放電を行う放電工程(ステップS4)を備える充電ムラ低減方法。
【選択図】図6

Description

本発明は、充電ムラ低減方法、及び、これを利用した二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの二次電池は、携帯機器の電源として、また、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として注目されている。リチウムイオン二次電池としては、LiMO2(Mは、Co,Ni,Mn,V,Al,Mgなど)からなる正極活物質と、炭素材料からなる負極活物質と、Li塩と非水系溶媒からなる非水電解液とを有するものが主流となっている。このリチウムイオン二次電池は、高い放電電圧を示し、高出力であるという利点がある。
ところが、このリチウムイオン二次電池を製造する過程で、初期充電を行うと、非水電解液の分解に伴ってガスが発生し、このガスが電極とセパレータとの間に滞留することがある。この滞留ガスの存在により、充放電反応が阻害され、電池性能が大きく低下することがあった。この問題を解決すべく、様々な方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特開2000−90974号公報 特開2003−331916号公報
特許文献1には、次のような二次電池の製造方法が開示されている。電池ケース内に電極体を収容し、電解液を注入した後、電池ケースを封口する前に、初期充電を行う。次いで、電池ケースを開口させた状態で、減圧処理を行い、その後、電池ケースを封口する。減圧処理を行うことで、極板間に滞留しているガスを除去することができると記載されている。
特許文献2には、次のような二次電池の製造方法が開示されている。電池ケース内に電極体を収容し、電解液を注入した後、電池ケースを封口する。次いで、初期充電と放電を行った後、電池ケースの一部を開口して、130〜40000Paの圧力で真空引きを行う。その後、電池ケースを封口して、二次電池を完成させる。真空引きを行うことで、電池内で発生したガスを抜くことができると記載されている。
しかしながら、特許文献1,2に記載されている手法では、電極体の内部(極板間)に滞留しているガスを、適切に除去することができないことがあった。
また、電極体の内部(極板間)に滞留しているガスを適切に除去することができたとしても、電池性能が低下する虞があった。具体的には、極板間にガスが滞留している状態で初期充電を行うと、正極及び負極において、ガスが存在する部分と存在しない部分とで、充電ムラが生じてしまう。例えば、負極では、充電時に、ガスが存在する箇所の負極活物質ではLiの挿入が妨げられ、一方、表面にガスが存在しない箇所の負極活物質ではLiの挿入が促進されるので、充電ムラ(Li量の不均一化)が生じてしまう。
この充電ムラは、その後、極板間に滞留しているガスを適切に除去したとしても、解消することができない。従って、特許文献1,2に記載されている製法で製造した二次電池を使用した場合、充電ムラが存在する負極の一部(初期充電時にガスが存在していなかった部分)で、Liが析出してしまうことがあった。特に、ハイレートで充放電を繰り返し行った場合は、負極表面に多量のLiが析出し、これが原因で、電池容量が大きく低下することがあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、正極及び負極に生じた充電ムラを確実に低減して、電池容量の低下を抑制できる充電ムラ低減方法、及びこれを利用した二次電池の製造方法を提供することを目的とする。
その解決手段は、正極活物質を有する正極、負極活物質を有する負極、及び、セパレータを積層してなる電極体を有する二次電池であって、上記負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)において、SOC100%〜0%に相当する電気量範囲の50%以上の範囲にわたって、負極電位の変動幅が0.1V以内となるフラット部を有し、上記フラット部の最小電気量よりも小さい電気量の範囲では、電気量が減少するにしたがって負極電位が上昇する二次電池について、上記正極及び負極に生じた充電ムラを低減する方法であって、上記電極体に対し、上記正極、負極、及びセパレータの積層方向に圧力を加え、上記電極体の内部に存在するガスを、上記電極体の外部に排出するガス排出工程と、上記二次電池の放電を行う放電工程であって、上記負極の電位が上記フラット部における負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す、上記二次電池の電池電圧の値を、目標電圧値としたとき、上記二次電池の電池電圧が上記目標電圧値に達するまで、上記二次電池の放電を行う放電工程と、を備える充電ムラ低減方法である。
本発明の充電ムラ低減方法は、ガス排出工程において、電極体に圧力を加え、電極体の内部(負極とセパレータとの間、及び、正極とセパレータとの間)に存在するガスを、電極体の外部に排出する。その後、放電工程において、二次電池の電池電圧が目標電圧値に至るまで、二次電池の放電を行う。特に、本発明では、負極の電位がフラット部における負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す二次電池の電池電圧の値を目標電圧値として、放電を行う。
このように、ガスの排出を行った後に、上述の放電を行うことで、初期充電等により正極及び負極に生じた充電ムラを、確実に低減することができる。これにより、電池容量の低下を抑制することができる。
なお、本発明の充電ムラ低減方法は、例えば、二次電池の製造過程で利用することができる。具体的には、初期充電を終えた二次電池に対し、本発明の充電ムラ低減方法(ガス排出工程と放電工程)を適用することで、初期充電で生じた充電ムラを確実に低減することができる。
また、電池内でのガスの発生は、二次電池の製造過程(初期充電工程)のみならず、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として使用しているときにも起こりうるものである。本発明の充電ムラ低減方法を、実際に使用している二次電池について適用することで、充電ムラを低減して、電池容量の低下を抑制することができる。
また、正極、負極、及びセパレータを積層してなる電極体には、正極、負極、及びセパレータを積層して、捲回してなる捲回型の電極体も含む。この捲回型の電極体の場合は、捲回方向(周方向)に直交する方向(径方向)が、積層方向となる。
さらに、上記の充電ムラ低減方法であって、前記負極活物質は、炭素系材料及びLi4Ti512系材料のいずれかである充電ムラ低減方法とすると良い。
すなわち、正極活物質を有する正極、炭素系材料及びLi4Ti512系材料のいずれかからなる負極活物質を有する負極、及び、セパレータを積層してなる電極体を有する二次電池について、上記正極及び負極に生じた充電ムラを低減する方法であって、上記電極体に対し、上記正極、負極、及びセパレータの積層方向に圧力を加え、上記電極体の内部に存在するガスを、上記電極体の外部に排出するガス排出工程と、上記二次電池の放電を行う放電工程であって、上記負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)において、SOC100%〜0%に相当する電気量範囲の50%以上の範囲にわたって、負極電位の変動幅が0.1V以内となる部位をフラット部とし、上記負極の電位が上記フラット部における負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す上記二次電池の電池電圧の値を、目標電圧値としたとき、上記二次電池の電池電圧が上記目標電圧値に達するまで、上記二次電池の放電を行う放電工程と、を備える充電ムラ低減方法とすると良い。
負極活物質として炭素系材料を用いた二次電池では、負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)において、SOC100%〜0%に相当する電気量範囲の50%以上の範囲にわたって、負極電位の変動幅が0.1V以内(負極電位の最低値が0.1V)となるフラット部を有し、フラット部の最小電気量よりも小さい電気量の範囲では、電気量が減少するにしたがって負極電位が上昇することが知られている。
従って、負極活物質として炭素系材料を用いた二次電池について、ガス排出工程を行った後、負極電位が1.0V(=0.1V+0.9V)以上の値に達したときの電池電圧を目標電圧値として放電工程を行うことで、初期充電等により正極及び負極に生じた充電ムラを、確実に低減することができる。
なお、炭素系材料としては、天然黒鉛系材料、人造黒鉛系材料(メソカーボンマイクロビーズなど)、難黒鉛化炭素系材料などを例示できる。
また、負極活物質としてLi4Ti512系材料を用いた二次電池についても、上述の特性(但し、フラット部における負極電位の最低値が1.5V)を有することが知られている。
従って、負極活物質としてLi4Ti512系材料を用いた二次電池について、ガス排出工程を行った後、負極電位が2.4V(=1.5V+0.9V)以上の値に達したときの電池電圧を目標電圧値として放電工程を行うことで、初期充電等により正極及び負極に生じた充電ムラを、確実に低減することができる。
また、リチウム−遷移金属複合酸化物からなる正極活物質を有する正極、炭素系材料からなる負極活物質を有する負極、及び、セパレータを備える電極体、を有する二次電池について、上記正極及び負極に生じた充電ムラを低減する方法であって、上記電極体に圧力を加え、上記電極体の内部に存在するガスを、上記電極体の外部に排出するガス排出工程と、上記二次電池の電池電圧が2.5V以下の目標電圧値に達するまで、上記二次電池の放電を行う放電工程と、を備える充電ムラ低減方法が好ましい。
この充電ムラ低減方法では、正極活物質としてリチウム−遷移金属複合酸化物を用い、負極活物質として炭素系材料を用いた二次電池について、ガス排出工程を行った後、電池電圧が2.5V以下の目標電圧値に達するまで放電工程を行う。これにより、初期充電等により正極及び負極に生じた充電ムラを、確実に低減することができる。
なお、リチウム−遷移金属複合酸化物からなる正極活物質としては、例えば、ニッケル酸リチウムや、コバルト酸リチウム等を挙げることができる。
さらに、前記いずれかの充電ムラ低減方法であって、前記放電工程は、1時間放電率以下の電流値で、上記二次電池の放電を行う充電ムラ低減方法とすると良い。
1時間放電率(1C)以下の小さな電流値で二次電池の放電を行うことで、充電ムラをより一層低減することができる。
なお、1時間放電率(1C)の電流値とは、満充電状態(SOC100%)の二次電池を、1時間で完全放電させる(SOC0%にする)ことができる電流値(Ah)をいう。
さらに、上記いずれかの充電ムラ低減方法であって、前記放電工程は、前記二次電池の電池電圧が前記目標電圧値に達した後、上記電池電圧を上記目標電圧値に保ちつつ上記二次電池の放電を行う充電ムラ低減方法とすると良い。
二次電池の電池電圧が目標電圧値に達するまで放電した後、さらに、電池電圧を目標電圧値に保ちつつ二次電池の放電(定電圧放電)を行うことで、充電ムラをより一層低減することができる。
さらに、上記いずれかの充電ムラ低減方法であって、前記ガス排出工程は、前記電極体に加える圧力を変化させる充電ムラ低減方法とすると良い。
電極体に加える圧力を変化させることで、電極体の内部(負極とセパレータとの間、及び、正極とセパレータとの間)に滞留しているガスが、電極体の外部に排出され易くなる。従って、本発明の充電ムラ低減方法によれば、電極体の内部のガスを確実に排出できるので、充電ムラをより一層低減することができる。
さらに、上記の充電ムラ低減方法であって、前記ガス排出工程は、前記二次電池の充放電を行って、前記電極体に加える圧力を変化させる充電ムラ低減方法とすると良い。
二次電池を充電すると電極体が膨張し、その後、二次電池を放電させると電極体が収縮する。充電により電極体が膨張すると、電極体が電池ケースの内面を押圧する。このときの電池ケースからの反力によって、電極体に圧力を加えることができる。その後、放電により電極体が収縮すると、電極体が電池ケースの内面を押圧する力が弱まるので、電極体に加わる圧力が低下する。従って、二次電池の充放電を行うことで、容易に、電極体に加える圧力を変化させることができる。なお、二次電池の充放電を繰り返し行うことで、充電ムラをより一層低減することができる。
さらに、上記の充電ムラ低減方法であって、前記二次電池は、前記電極体を収容する電池ケースを備え、前記ガス排出工程は、上記電池ケースの側面に接する第1部材と、上記電池ケースを挟んで上記第1部材と対向する位置で上記電池ケースの側面に接する第2部材とを、互いの位置を固定した状態で、上記二次電池の充放電を行う充電ムラ低減方法とすると良い。
さらに、上記いずれかの充電ムラ低減方法であって、前記二次電池は、前記電極体を収容する直方体形状の電池ケースであって、第1側面及びこれと反対方向を向く第2側面を有する電池ケースを備え、上記第1側面及び上記第2側面は、それぞれ、上記電極体を上記第1側面及び上記第2側面に投影した電極投影領域内に含まれる電極領域部を有し、前記ガス排出工程は、上記第1側面の上記電極領域部に接する第1部材と、上記第2側面の上記電極領域部に接する第2部材とを、互いの位置を固定して配置した状態で、上記二次電池の充放電を行う充電ムラ低減方法とするのが好ましい。
第1部材と第2部材を互いの位置を固定(第1部材と第2部材とで電池ケースを拘束)した状態で、二次電池を充電することで、電極体によって押圧された電池ケースの膨張を防止することができる。これにより、電極体によって電池ケースを押圧した力を外部に逃がすことなく、そのまま反力として電極体に加えることができるので、電極体に加える圧力を大きくすることができる。従って、第1部材と第2部材を互いの位置を固定した状態で、二次電池を充放電を行うことで、電極体に加える圧力の変化をより大きくすることができる。これにより、電極体の内部に滞留しているガスを、より確実に、電極体の外部に排出することができる。なお、二次電池の充放電を繰り返し行うことで、充電ムラをより一層低減することができる。
あるいは、前記の充電ムラ低減方法であって、前記二次電池は、前記電極体を収容する電池ケースを備え、前記ガス排出工程は、上記電池ケースを押圧する押圧手段を用い、上記押圧手段による上記電池ケースへの押圧力を変動させて、前記電極体に加える圧力を変化させる充電ムラ低減方法とすると良い。
押圧手段によって電池ケースへの押圧力を変動させることで、適切に、電池ケースを通じて電極体に加える圧力を変化させることができる。これにより、電極体の内部のガスを適切に排出することができるので、充電ムラを適切に低減することができる。
なお、押圧手段としては、例えば、電池ケースの側面に接する第1部材と、電池ケースを挟んで第1部材と対向する位置で電池ケースの側面に接する第2部材と、電池ケースと第1部材(または第2部材)との間に位置するピエゾ素子とを備えるものが挙げられる。ピエゾ素子に交流電流を流すことで、ピエゾ素子の膨張と収縮が繰り返し行われるので、電池ケースへの押圧力を変動させて、電極体に加える圧力を変化させることができる。
また、ピエゾ素子に代えて、油圧や空気圧の変化で自身が膨張・収縮する袋を用いても良い。袋への油(または空気)の供給と排出を繰り返し行うことで、袋の膨張と収縮を繰り返し行うことができる。
あるいは、前記いずれかの充電ムラ低減方法であって、前記二次電池は、前記電極体を収容する直方体形状の電池ケースであって、第1側面及びこれと反対方向を向く第2側面を有する電池ケースを備え、上記第1側面及び上記第2側面に直交する方向が、上記電極体を構成する前記正極、負極、及びセパレータの積層方向と一致し、上記第1側面及び上記第2側面は、それぞれ、上記電極体を上記第1側面及び上記第2側面に直交する方向に投影した電極投影領域内に含まれる電極領域部を有し、前記ガス排出工程は、満充電状態にした上記二次電池の上記電極領域部に対し、0.7MPa以上5.8MPa以下の圧力を加える充電ムラ低減方法とすると良い。
二次電池を満充電状態とすることで、電極体を電池ケースの内面に密着させることができる。この状態で、電池ケースの電極領域部に対し、0.7MPa以上の圧力を加えることで、確実に、電極体の内部のガスを排出することができる。
電極領域部に加える圧力を高くするほど、電極体の内部のガスを排出し易くなるが、圧力を高くし過ぎると、セパレータが破損し、これにより内部短絡が生じる虞がある。そこで、本発明では、電極領域部に加える圧力を5.8MPa以下に抑制する。これにより、セパレータの破損を防止して、内部短絡を防止することができる。
他の解決手段は、正極活物質を有する正極、負極活物質を有する負極、及び、セパレータを備える電極体を有する二次電池の製造方法であって、上記二次電池の初期充電を行う工程と、前記いずれかの充電ムラ低減方法にかかる前記ガス排出工程と、前記放電工程と、を備える二次電池の製造方法である。
本発明では、前述の充電ムラ低減方法を利用して、二次電池を製造する。具体的には、初期充電を終えた二次電池に対し、前述の充電ムラ低減方法(ガス排出工程と放電工程)を適用する。これにより、初期充電で生じた充電ムラを確実に低減することができる。従って、本発明の製造方法によれば、充電ムラの少ない、電池容量の低下が抑制された二次電池を製造することができる。
(実施例1)
まず、本実施例1の製造方法によって製造した二次電池100について説明する。
二次電池100は、図1及び図2に示すように、直方体形状の電池ケース110、正極外部端子120、及び負極外部端子130を備えるリチウムイオン二次電池である。電池ケース110は、図1に示すように、第1側面111、これと反対方向を向く第2側面112を有している。なお、正極外部端子120及び負極外部端子130は、円柱形状で、その外周面に雄ねじが形成されている。
電池ケース110は、金属からなり、図2に示すように、直方体形状の収容部117bを有する電池ケース本体117と、電池ケース本体117の収容部117bを閉塞する電池ケース蓋118を有している。電池ケース本体117の収容部117b内には、電極体150や非水電解液(図示なし)などが収容されている。
電極体150は、図4に示すように、断面長円状をなし、図5に示すように、シート状の正極155、負極156、及びセパレータ157を積層して捲回してなる扁平型の捲回体である。このうち、正極155は、正極集電部材151(アルミニウム箔)と、この正極集電部材151の表面に形成された正極合材層152(正極活物質153を含む)を有している。負極156は、負極集電部材158(銅箔)と、この負極集電部材158の表面に形成された負極合材層159(負極活物質154を含む)を有している。
なお、本実施例1の電極体150では、正極155、負極156、及びセパレータ157の捲回方向(周方向)に直交する方向(径方向)が、積層方向となる。従って、本実施例1では、図4に示すように、第1側面111及び第2側面112に直交する方向(図4において左右方向)が、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向に一致する。
この電極体150は、その軸線方向(図2において左右方向)の一方端部(図2において右端部)に位置し、正極155の正極集電部材151のみが渦巻状に重なる正極集電端子部150bと、他方端部(図2において左端部)に位置し、負極156の負極集電部材158のみが渦巻状に重なる負極集電端子部150cと、正極集電端子部150bと負極集電端子部150cとの間に位置し、正極合材層152及び負極合材層159を含む電極合材配置部150dを有している。正極集電端子部150bは、正極接続部材122を通じて、正極外部端子120に電気的に接続されている。負極集電端子部150cは、負極接続部材132を通じて、負極外部端子130に電気的に接続されている。
ここで、図1に示すように、電極体150を、第1側面111及び第2側面112に直交する方向(図1において上下方向)に投影した領域を、電極投影領域R1とする。さらに、図3に示すように、電池ケース110の第1側面111のうち、電極投影領域R1内に含まれる部分(図3において、格子状のハッチングで示す部分)を、電極領域部111bとする。さらに、図3に括弧書きで示すように、電池ケース110の第2側面112のうち、電極投影領域R1内に含まれる部分(図3において、斜線ハッチングで示す部分)を、電極領域部112bとする。
また、本実施例1では、正極活物質153として、ニッケル酸リチウムを用いている。また、負極活物質154として、炭素系材料(詳細には、天然黒鉛)を用いている。また、セパレータ157として、ポリエチレンシートを用いている。また、非水電解液として、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとを、1:1:1(体積比)で混合した溶媒に、1モル/リットルの濃度でLiPF6を溶解させたものを用いている。
この二次電池100について、公知の手法により、負極の電気量に応じた開回路電位を測定し、負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)を取得した。具体的には、二次電池100の内部に、棒状の金属リチウムからなる参照極を挿入し、0.01Cの一定電流で、二次電池100の充電を行った。このとき、所定時間毎に、負極の電位(vs Li/Li+)を測定し、この測定結果に基づいて、負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)を作成した。得られた負極の開回路電位曲線を図6に示す。
なお、図6の横軸には、参考値として、SOCの値(%)を括弧書きで記載している。本実施例1では、電気量(充電されている電気量)が5.0Ahである状態が、SOC100%に相当する。また、図6では、SOC0%〜100%に相当する電気量範囲について、負極電位の挙動を実線で示し、それ以外の範囲については図示を省略(一部、破線で示している)している。例えば、SOC0%以下の電気量範囲では、電気量が小さくなるにしたがって、負極電位は上昇してゆきます。
図6に示すように、二次電池100の負極の開回路電位曲線は、SOC100%〜0%に相当する電気量範囲の50%以上(具体的には、78%程度)の範囲にわたって、負極電位の変動幅が0.1V以内(負極電位の最低値が0.1V)となるフラット部Fを有している。さらに、フラット部Fの最小電気量Q1よりも小さい電気量の範囲(図6の横軸において、最小電気量Q1の位置より左側)では、電気量が減少するにしたがって負極電位が上昇している。なお、本実施例1では、二次電池100の電池電圧が4.1Vに達したときの充電状態をSOC100%、電池電圧が3.0Vに達したときの充電状態をSOC0%としている。
次に、本実施例1の二次電池100の製造方法について説明する。
(組み立て工程)
まず、図7に示すように、ステップS1において、二次電池の組み立てを行う。具体的には、まず、ニッケル酸リチウム(正極活物質153)とアセチレンブラックとポリテトラフルオロエチレンとカルボキシメチルセルロースとを、88:10:1:1(重量比)の割合で混合し、これに分散溶媒を混合して、正極スラリを作製した。次いで、この正極スラリを、厚さ15μmのアルミニウム箔151の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、アルミニウム箔151の表面に正極合材152が塗工された正極155を得た(図5参照)。
また、天然黒鉛(負極活物質154)と、スチレン−ブタジエンラバーと、カルボキシメチルセルロースとを、98:1:1(重量比)の割合で水中で混合して、負極スラリを作製した。次いで、この負極スラリを、厚さ10μmの銅箔158の表面に塗布し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、銅箔158の表面に負極合材159が塗工された負極156を得た(図5参照)。
次に、正極155、負極156、及びセパレータ157を積層し、これを捲回して断面長円状の電極体150を形成した(図4参照)。但し、正極155、負極156、及びセパレータ157を積層する際には、電極体150の一端部から、正極155のうち正極合材152を塗工していない未塗工部が突出するように、正極155を配置しておく。さらには、負極156のうち負極合材159を塗工していない未塗工部が、正極155の未塗工部とは反対側から突出するように、負極156を配置しておく。これにより、正極155の正極集電部材151のみが渦巻状に重なる正極集電端子部150bと、負極156の負極集電部材158のみが渦巻状に重なる負極集電端子部150cを有する電極体150(図2参照)が形成される。
なお、本実施例1では、セパレータ157として、厚さ25μmのポリエチレンシートを用いている。
次に、電極体150の正極集電端子部150bと正極外部端子120とを、正極集電部材122を通じて接続する。さらに、電極体150の負極集電端子部150cと負極外部端子130とを、負極集電部材132を通じて接続する。その後、これを電池ケース本体117内に収容し、電池ケース本体117と電池ケース蓋118とを溶接して、電池ケース110を封止した。次いで、電池ケース蓋118に設けられている注液口(図示しない)を通じて電解液を注液した後、注液口を封止する。
なお、本実施例1では、非水電解液として、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとを、1:1:1(体積比)で混合した溶媒に、1モル/リットルの濃度でLiPF6を溶解させたものを用いている。
(初期充電工程)
次に、ステップS2(図7参照)に進み、二次電池100に初期充電を行った。具体的には、公知の電源装置を用いて、二次電池100について、0.1Cの電流値で、SOC50%まで充電を行った。さらに、0.5Cの電流値で、SOC100%まで充電を行った。このようにして、二次電池100を満充電状態とした。この初期充電を行うと、非水電解液の分解反応が起こり、この分解反応によりガスが発生する。この発生したガスの一部が、電極体150の内部(正極155とセパレータ157との間、または、負極156とセパレータ157との間)に滞留することがある。
(ガス排出工程)
次に、ステップS3(図7参照)に進み、満充電状態の二次電池100について、電極体150に対し、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向(図4において左右方向)に圧力を加え、電極体150の内部に存在するガスを、電極体150の外部に排出した。具体的には、図8に示すように、二次電池100の第1側面111側に配置した第1部材30と、第2側面112側に配置した第2部材40とを、円柱状のロッド51とナット53とを用いて締結した。これにより、第1部材30及び第2部材40により、二次電池100にかかる第1側面111の電極領域部111b及び第2側面112の電極領域部112bに圧力を加えた。この状態で、7日間放置した。すなわち、7日間、電極領域部111b,112bに圧力を加え続けた。
なお、第1部材30は、押圧本体部35と密着押圧プレート36とを有している。押圧本体部35は、第1側面111(電極領域部111bを除く)と対向する対向部35bを含んでいる。密着押圧プレート36は、第1側面111の電極領域部111bと対向する密着押圧対向部36bを含んでいる。密着押圧対向部36bは、対向部35bに比べて、第1側面111側(図8において左側)に、0.2mmだけ突出させている。
また、第2部材40は、押圧本体部45と密着押圧プレート46とを有している。押圧本体部45は、第2側面112(電極領域部112bを除く)と対向する対向部45bを含んでいる。密着押圧プレート46は、第2側面112の電極領域部112bと対向する密着押圧対向部46bを含んでいる。密着押圧対向部46bは、対向部45bに比べて、第2側面112側(図8において右側)に、0.2mmだけ突出させている。
従って、第1部材30及び第2部材40の対向部35b,45bが第1側面111,第2側面112に当接するまで、ロッド51及びナット53を用いて第1部材30及び第2部材40を締結することで、密着押圧プレート36,46の密着押圧対向部36b,46bにより、電極領域部111b,112bを確実に押圧することができる。このようにして、本実施例1では、満充電状態にした二次電池100の電極領域部111b,112bに対し、0.7MPaの圧力を加えた。これにより、電極体150に対し、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向(図8において左右方向)に圧力を加え、電極体150の内部に存在するガスを、電極体150の外部に排出することができる。
なお、本実施例1では、ステップS3が、ガス排出工程に相当する。
(放電工程)
次に、ステップS4(図7参照)に進み、二次電池100の放電を行った。具体的には、二次電池100の電池電圧が目標電圧値に至るまで、一定電流値で二次電池100の放電(定電流放電)を行い、引き続き、二次電池100の電池電圧を目標電圧値に保ちつつ、二次電池100の放電(定電圧放電)を行った。特に、本実施例1では、負極の電位(vs Li/Li+)がフラット部Fにおける負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す二次電池の電池電圧の値を、目標電圧値とした。
なお、二次電池100にかかる負極の開回路電位曲線(図6参照)では、フラット部Fにおける負極電位の最低値が0.1Vであった。従って、本実施例1では、負極電位が1.0V(=0.1V+0.9V)以上の値に達したときの電池電圧が、目標電圧値となる。さらに、二次電池100について、電池電圧と負極電位との関係を調査したところ、負極電位が1.0V(vs Li/Li+)のときの電池電圧が2.5Vとなり、負極電位が1.0V(vs Li/Li+)より大きくなるにしたがって、電池電圧が小さくなっていた。従って、本実施例1では、目標電圧値は、2.5V以下の電池電圧値となる。
ここで、二次電池100における電池電圧と負極電位との関係図を図9に示す。図9より、負極電位が1.0V(vs Li/Li+)のとき、電池電圧が2.5Vになることがわかる。また、負極電位が1.0V(vs Li/Li+)より大きくなるにしたがって、電池電圧が小さくなってゆくことがわかる。
なお、電池電圧と負極電位との関係図は、次のようにして作成した。具体的には、まず、所定の電池電圧値(図9において黒丸で示す電池電圧値)に調整した二次電池100を用意する。次いで、各電池電圧値(図9において黒丸で示す電池電圧値)に調整した各々の二次電池100を分解して、負極156を取り出す。各々の負極156とリチウム金属からなる対向極とを用いて、各々の負極電位(vs Li/Li+)を測定した。この測定結果より、電池電圧と負極電位との関係図(図9)を作成した。
以上より、本実施例1では、二次電池100の電池電圧(端子間電圧)が2.5V以下の目標電圧値(例えば、0.8V)に至るまで、一定電流値で二次電池の放電(定電流放電)を行い、引き続き、二次電池100の電池電圧を目標電圧値(例えば、0.8V)に保ちつつ、二次電池100の放電(定電圧放電)を行った。なお、本実施例1では、定電流放電の電流値を、1時間放電率(1C)としている。また、定電流放電と定電圧放電の合計時間を3時間としている。
また、本実施例1の二次電池100では、負極活物質154として炭素系材料(具体的には、天然黒鉛)を用いている。このため、初期充電時に生じる非水電解液の分解に伴って、負極活物質154の表面にSEI(Solid Electrolyte Interface)が生成する。このSEIを破壊しないようにするため、電池電圧が1.2V以下になるまで(目標電圧値を1.2V以下として)放電する場合は、25℃以下の温度環境下で、二次電池100を放電するのが好ましい。
また、二次電池100では、負極集電部材158に銅箔を用いている。このため、負極集電部材158をなす銅の溶出を防止するために、負極の電位が3.2Vを上回らない(電池電圧が0.4Vを下回らない)範囲で、二次電池100を放電するのが好ましい。従って、目標電圧値は、0.4V以上2.5V以下の電池電圧値にするのが好ましい。
その後、所定の検査工程などを経て、本実施例1の二次電池100が完成する。
(電池性能の評価)
次に、本実施例1の製造方法により製造した二次電池100について、性能評価を行った。具体的には、放電工程の条件を異ならせて製造した3種類の二次電池100(サンプル1〜3とする)を用意して、これらについて性能評価を行った。
サンプル1の製造方法では、放電工程において、目標電圧値を、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも0.9V高い値(1.0V)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(2.5V)に設定した。すなわち、電池電圧(端子間電圧)が2.5Vに達するまで、1Cの電流値で二次電池の放電(定電流放電)を行い、引き続き、電池電圧を2.5Vに保ちつつ、二次電池の放電(定電圧放電)を行った。
サンプル2の製造方法では、放電工程において、目標電圧値を、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも1.9V高い値(2.0V)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(1.6V)に設定した。すなわち、電池電圧(端子間電圧)が1.6Vに達するまで、1Cの電流値で二次電池の放電(定電流放電)を行い、引き続き、電池電圧を1.6Vに保ちつつ、二次電池の放電(定電圧放電)を行った。
サンプル3の製造方法では、放電工程において、目標電圧値を、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも2.5V高い値(2.6V)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(0.8V)に設定した。すなわち、電池電圧(端子間電圧)が0.8Vに達するまで、1Cの電流値で二次電池の放電(定電流放電)を行い、引き続き、電池電圧を0.8Vに保ちつつ、二次電池の放電(定電圧放電)を行った。
また、比較例として、実施例1とは異なる手法で製造した二次電池を5種類(サンプル4〜8とする)用意した。
具体的には、サンプル4の製造方法では、ガス排出工程及び放電工程を行っていない。サンプル5の製造方法では、実施例1と同様にしてガス排出工程を行ったが、放電工程は行っていない。サンプル6の製造方法では、ガス排出工程は行っていないが、実施例1のサンプル1と同様にして放電工程を行った。
サンプル7の製造方法では、実施例1と同様にしてガス排出工程を行った。しかしながら、放電工程では、目標電圧値を、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも0.5Vだけ高い値(0.6V)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(3.0V)に設定した。すなわち、電池電圧(端子間電圧)が3.0Vに達するまで、1Cの電流値で二次電池の放電(定電流放電)を行い、引き続き、電池電圧を3.0Vに保ちつつ、二次電池の放電(定電圧放電)を行った。
サンプル8の製造方法では、実施例1と異なり、電極領域部111b,112bに加える圧力を0.1MPaと小さくして、ガス排出工程を行った。一方、放電工程は、実施例1のサンプル1と同様にして行った。
サンプル1〜8について、それぞれ、5000サイクルの充放電を行い、各サンプルの性能を比較した。
まず、サンプル1〜8について、それぞれ、初期(サイクル充放電を行う前)の放電容量を測定した。具体的には、1/5Cの電流で、電池電圧(端子間電圧)が4.1Vに達するまで(SOC100%の満充電状態に達するまで)、定電流充電を行った。その後、電池電圧を4.1Vに保った定電圧充電を行い、充電の電流値が定電圧充電を開始したときの電流値の1/10まで低下したところで充電を終了した。次いで、1/5Cの電流で、端子間電圧が3.0Vに達するまで定電流放電を行い、このときの放電電気量を初期容量として得た。
次に、サンプル1〜8について、それぞれ、サイクル充放電を行った。具体的には、0℃の温度環境下において、20Aの大電流で、電池電圧(端子間電圧)が4.1Vに達するまで定電流充電を行った。次いで、20Aの大電流で、電池電圧(端子間電圧)が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。この充放電を1サイクルとして、この充放電サイクルを5000サイクル行った。
その後、前述した初期容量の測定と同様にして、5000サイクルの充放電を行った後のサンプル1〜8について、電池容量(サイクル後容量という)を測定した。そして、各サンプルについて、初期容量に対するサイクル後容量の割合((サイクル後容量/初期容量)×100(%))を、容量維持率(%)として算出した。これらの結果を表1に示す。
Figure 2010009983
表1に示すように、比較例にかかるサンプル4〜8の二次電池では、容量維持率が、60%〜67%となった。これに対し、実施例1にかかるサンプル1〜3の二次電池では、容量維持率が73〜84%となり、比較例(サンプル4〜8)に比べて高い容量維持率を示した。この結果より、本実施例1の製造方法(ガス排出工程及び放電工程)によれば、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを、確実に低減して、電池容量の低下を抑制することができたといえる。
詳細に検討すると、比較例のサンプル4では、容量維持率が60%となり、サンプル1〜8の中で容量維持率が最も小さくなった。すなわち、ガス排出工程及び放電工程のいずれも行うことなく製造した二次電池において、容量維持率が最も小さくなった。この理由は、ガス排出工程及び放電工程のいずれも行うことなく製造したために、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを低減できなかったからであると考えられる。その結果、大電流によるサイクル充放電に伴って、負極に多量のLiが析出し、電池容量が大きく低下したと考えられる。
また、比較例のサンプル5では、容量維持率が63%となり、サンプル4に次いで容量維持率が小さくなった。すなわち、実施例1と同様にしてガス排出工程を行っているが、放電工程を行うことなく製造した二次電池では、容量維持率が全サンプル中で2番目に小さくなった。この理由は、実施例1と同様にしてガス排出工程を行うことで、電極体内部のガスを排出できたとしても、放電工程を行っていないので、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを低減できなかったからであると考えられる。その結果、大電流によるサイクル充放電に伴って、負極にLiが析出してゆき、電池容量が大きく低下したと考えられる。
また、比較例のサンプル6では、容量維持率が65%となり、サンプル5に次いで容量維持率が小さくなった。すなわち、実施例1のサンプル1と同様にして放電工程を行っているが、ガス排出工程を行うことなく製造した二次電池では、容量維持率が全サンプル中で3番目に小さくなった。この理由は、放電工程を行う前に、電極体内部に滞留しているガスを排出していないからであると考えられる。このため、電極体内部に滞留しているガスが、放電工程において充電ムラを低減(Li量を均一化)することの妨げになり、適切に、充電ムラを低減することができなかったと考えられる。その結果、大電流によるサイクル充放電に伴って、負極にLiが析出してゆき、電池容量が大きく低下したと考えられる。
また、比較例のサンプル8でも、容量維持率が65%となり、サンプル5に次いで容量維持率が小さくなった。すなわち、実施例1のサンプル1と同様にして放電工程を行っているが、電極領域部111b,112bに加える圧力を0.1MPaと小さくしてガス排出工程を行って製造した二次電池では、容量維持率が全サンプル中で3番目に小さくなった。この理由は、ガス排出工程において、電極領域部111b,112bに加える圧力が0.1MPaでは小さ過ぎて、適切に、電極体内部に滞留しているガスを排出することができなかったためと考えられる。このため、電極体内部に滞留しているガスが、放電工程において充電ムラを低減することの妨げになり、適切に、充電ムラを低減することができなかったと考えられる。その結果、大電流によるサイクル充放電に伴って、負極にLiが析出してゆき、電池容量が大きく低下したと考えられる。
これに対し、電極領域部111b,112bに加える圧力を0.7MPaとしてガス排出工程を行ったサンプル1〜3(実施例1)では、容量維持率が73%以上となり、比較例にかかるサンプル7に比べて、大きな値を示した。この結果より、満充電状態にした二次電池の電極領域部に対し、0.7MPa以上の圧力を加えて、電極体の内部に滞留するガスを排出した後、前述の放電工程を行うことで、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制することができるといえる。
また、比較例にかかるサンプル7では、容量維持率が67%となり、サンプル6,8に次いで容量維持率が小さくなった。すなわち、実施例1のサンプル1と同様にしてガス排出工程を行っているが、目標電圧値を実施例1よりも高い値に設定して放電工程を行って製造した二次電池では、容量維持率が全サンプル中で5番目に小さくなった。この理由は、目標電圧値が、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも0.5Vだけ高い値(0.6V)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(3.0V)では、高すぎたためと考えられる。すなわち、放電工程において、電池電圧が上記目標電圧値に達するまで二次電池を放電したとしても、放電が不十分で、充電ムラを十分に低減することができなかったと考えられる。その結果、大電流によるサイクル充放電に伴って、負極にLiが析出してゆき、電池容量が大きく低下したと考えられる。
これに対し、目標電圧値を、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも0.9V以上高い値(1.0V以上)に達したときに示す二次電池の電池電圧の値(2.5V以下)に設定して放電工程を行ったサンプル1〜3(実施例1)では、容量維持率が73%以上となり、比較例にかかるサンプル7に比べて、大きな値を示した。この結果より、前述のガス排出工程を行った後に、負極の電位がフラット部における負極電位(vs Li/Li+)の最低値(0.1V)よりも0.9V以上高い値(1.0V以上)に達したときに示す電池電圧値(2.5V以下)に達するまで、二次電池を放電することで、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制することができるといえる。
さらに、実施例1にかかるサンプル1〜3の結果について検討する。サンプル1では、容量維持率が73%であったのに対し、サンプル2,3では、容量維持率が80%以上となり、極めて高い容量維持率を示した。この理由は、サンプル2,3では、電池電圧が1.6V以下(具体的には、順に、1.6V,0.8V)になるまで放電を行ったからであると考えられる。本実施例1の二次電池100では、電池電圧が1.6V以下となる範囲で、正極の電位がほとんど変動しなくなる。正極の電位がほとんど変動しなくなるまで二次電池の放電を行った後、その電池電圧(1.6V以下)を保ちつつ放電(定電圧放電)を行うことで、特に、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制することができるといえる。
(実施例2)
次に、実施例2について説明する。本実施例2の二次電池の製造方法は、実施例1と比較して、ガス排出工程のみが異なり、その他については同様である。従って、ここでは、実施例1と異なる点を中心に説明し、同様な点については説明を省略または簡略化する。
本実施例2では、ステップS1において、実施例1と同様にして二次電池の組み立てを行い、その後、ステップS2に進み、実施例1と同様にして二次電池の初期充電を行った(図7参照)。次いで、ステップS3(ガス排出工程)に進み、以下のようにして、初期充電により電極体150の内部に滞留したガスを、電極体150の外部に排出した。
まず、実施例1と同様に、二次電池100の第1側面111側に第1部材30を配置し、二次電池100の第2側面111側に第2部材40を配置した状態で、円柱状のロッド51とナット53とを用いて、第1部材30及び第2部材40を締結した(図8,図10参照)。この状態で、公知の充放電装置80を用いて、二次電池100の充放電を行った(図10参照)。
具体的には、図10に示すように、充放電装置80の第1端子81を二次電池100の正極外部端子120に接続し、第2端子82を負極外部端子130に接続する。この状態でまず、1Cの電流値で、電池電圧(端子間電圧)が3.0Vに達するまで定電流放電を行った。次いで、1Cの電流値で、電池電圧(端子間電圧)が4.1Vに達するまで定電流充電を行った。この充放電を1サイクルとして、この充放電サイクルを所定のサイクル数行った。
二次電池100を充電すると電極体150が膨張し、その後、二次電池100を放電させると電極体150が収縮する。充電により電極体150が膨張すると、電極体150が電池ケース110の内面113,114(図8参照)を押圧する。このときの電池ケース110からの反力によって、電極体150への圧力を高めることができる。その後、放電により電極体150が収縮すると、電極体150が電池ケース110の内面113,114を押圧する力が弱まるので、電極体150に加わる圧力が低下する。従って、二次電池100の充放電を行うことで、容易に、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向(図13において左右方向)について、電極体150に加える圧力を変化させることができる。
しかも、本実施例2では、第1部材30と第2部材40を互いの位置を固定した状態で(図8参照)、二次電池100を充電する。このため、電極体150によって押圧された電池ケース110の膨張を防止することができる。これにより、電極体150によって電池ケース110を押圧した力を外部に逃がすことなく、そのまま反力として電極体150に加えることができるので、電極体150に加える圧力を大きくすることができる。従って、本実施例2では、第1部材30と第2部材40を互いの位置を固定した状態で、二次電池100の充放電を行うので、電極体150に加える圧力の変化をより大きくすることができる。これにより、電極体150の内部に滞留しているガスを、より確実に、電極体150の外部に排出することができる。
次いで、ステップS4(放電工程)に進み、実施例1と同様にして二次電池の放電を行った。その後、所定の検査工程などを経て、二次電池が完成する。
(電池性能の評価)
次に、本実施例2の製造方法で製造した二次電池について、性能評価を行った。具体的には、ガス排出工程の条件(充放電のサイクル数)を異ならせて製造した3種類の二次電池(サンプル9〜11とする)を用意して、これらについて性能評価を行った。なお、サンプル9〜11の放電工程では、いずれも、実施例1のサンプル3と同様にして、定電流−定電圧放電を行っている。
サンプル9のガス排出工程では、前述の充放電サイクルを、1サイクルだけ行った。サンプル10のガス排出工程では、前述の充放電サイクルを、5サイクル行った。サンプル11のガス排出工程では、前述の充放電サイクルを、10サイクル行った。
まず、サンプル9〜11について、それぞれ、実施例1と同様にして、初期(サイクル充放電を行う前)の放電容量を測定した。
次に、サンプル9〜11について、それぞれ、実施例1と同様にして、サイクル充放電を5000サイクル行い、5000サイクルの充放電を行った後の電池容量(サイクル後容量という)を測定した。
その後、サンプル9〜11について、初期容量に対するサイクル後容量の割合((サイクル後容量/初期容量)×100(%))を、容量維持率(%)として算出した。これらの結果を表2に示す。なお、表2には、比較のため、実施例1のサンプル3の容量維持率も併せて示している。
Figure 2010009983
表2に示すように、実施例2にかかるサンプル9〜11の二次電池では、容量維持率が86〜89%となり、極めて高い容量維持率を示した。この結果より、本実施例2の製造方法(ガス排出工程及び放電工程)によれば、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを確実に低減して、電池容量の低下を抑制することができたといえる。
さらに、サンプル9〜11の容量維持率を比較すると、ガス排出工程において、充放電サイクルを1サイクルだけ行ったサンプル9では86%、充放電サイクルを5サイクル行ったサンプル10では88%、充放電サイクルを10サイクル行ったサンプル11では89%となっている。この結果より、ガス排出工程において、充放電サイクルを複数サイクル繰り返し行うことで、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラをより一層低減して、電池容量の低下をより一層抑制することができるといえる。
また、実施例1のサンプル3と実施例2のサンプル9〜11の容量維持率を比較する。両サンプルは、ガス排出工程のみを異ならせて製造した関係にある。具体的には、実施例1のサンプル3では、ガス排出工程において、満充電状態にした二次電池100の電極領域部111b,112bに対し、0.7MPaの圧力を7日間加え続けた。一方、実施例2のサンプル9〜11ではガス排出工程において、満充電状態にした二次電池100の電極領域部111b,112bに対し、0.7MPaの圧力を加えた状態で、充放電を行った。
サンプル3では、容量維持率が84%となったのに対し、サンプル9〜11では、容量維持率が86%以上となった。この結果より、実施例1のガス排出工程よりも、実施例2のガス排出工程のほうが、電極体150の内部に存在するガスを、より適切に、電極体150の外部に排出できたといえる。すなわち、満充電状態にした二次電池の電極領域部に0.7MPa以上の圧力を長期間加え続けるよりも、二次電池の充放電を行って電極体150に加える圧力を変化させたほうが、より適切に、しかも、効率よく、電極体150の内部に存在するガスを排出することができるといえる。
(実施例3)
次に、実施例3について説明する。
実施例1,2では、二次電池100の製造過程において、ガス排出工程(ステップS3)と放電工程(ステップS4)を行った。これにより、初期充電により正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制した。
これに対し、本実施例3では、複数の二次電池100を電気的に直列に接続した組電池200(図11参照)について、ガス排出工程と放電工程を行う。これにより、使用に伴って正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制する。なお、組電池200は、例えば、電気自動車やハイブリッド自動車などの電源として使用する。
組電池200は、図11に示すように、複数の二次電池100と、二次電池100の間に介在する介在部材50と、複数の二次電池100を挟んで固定する第1部材30及び第2部材40を備えている。複数の二次電池100は、一列に(図11において左右方向に)配置されている。さらに、隣り合う二次電池100の正極外部端子120と負極外部端子130とは、連結部材61により、電気的に接続されている。なお、図11では、組電池200の両端部に位置する4つの二次電池100のみを図示し、その間に位置する複数の二次電池100の図示を省略している。
詳細には、連結部材61は、矩形板状の金属板からなり、正極外部端子120及び負極外部端子130を挿通可能とする貫通孔61bが2つ形成されている。連結部材61の一方の貫通孔61b内に正極外部端子120を挿通させると共に、他方の貫通孔61b内に負極外部端子13を挿通させた状態で、正極外部端子120の雄ねじにナット63を螺合させて、正極外部端子120と連結部材61とを締結すると共に、負極外部端子130の雄ねじにナット63を螺合させて、負極外部端子130と連結部材61とを締結している。このようにして、組電池200を構成する二次電池100を電気的に直列に接続している。
また、組電池200を構成する二次電池100の間には、介在部材50が配置されている。詳細には、介在部材50は、二次電池100の電極領域部111b,112bに密着して配置されている。さらに、組電池200を構成する全ての二次電池100を、第1部材30と第2部材40とで挟んで固定している。具体的には、組電池200を構成する二次電池100のうち最も右端に位置する二次電池100の第1側面111側に第1部材30を配置し、最も左端に位置する二次電池100の第1側面111側に第2部材40を配置した状態で、円柱状のロッド51とナット53とを用いて、第1部材30及び第2部材40を締結している。
次に、本実施例3のガス排出工程及び放電工程について説明する。
組電池200を、例えば、ハイブリッド自動車の電源として、ハイブリッド自動車に搭載している場合について説明する。
(ガス排出工程)
本実施例3では、組電池200がハイブリッド自動車に搭載された状態のまま、公知の充放電装置80を用いて、組電池200を構成する各々の二次電池100について、充放電を行った。具体的には、図12に示すように、充放電装置80の第1端子81を、最も右端に位置する二次電池100の正極外部端子120に接続し、第2端子82を、最も左端に位置する二次電池100の負極外部端子130接続した状態で、充放電サイクルを所定サイクル数(例えば、10サイクル)行った。
なお、組電池200を構成する二次電池100は、電気的に直列に接続されているので、上述のように充放電を行うことで、組電池200を構成する全ての二次電池100を等しく充放電することができる。また、充放電サイクルの条件は、実施例2と同様としている。このように、各々の二次電池100の充放電を行うことで、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向(図12において左右方向)について、電極体150に加える圧力を変化させることができる。
しかも、本実施例3では、実施例2と同様に、第1部材30と第2部材40を互いの位置を固定した状態で(図12参照)、組電池200を構成する各々の二次電池100の充放電を行うので、電極体150に加える圧力の変化をより大きくすることができる。これにより、電極体150の内部に滞留しているガスを、より確実に、電極体150の外部に排出することができる。
(放電工程)
次に、放電工程に進み、充放電装置80を用いて、組電池200を構成する各々の二次電池100について放電を行った。具体的には、図12に示すように、充放電装置80の第1端子81を、最も右端に位置する二次電池100の正極外部端子120に接続し、第2端子82を、最も左端に位置する二次電池100の負極外部端子130接続した状態で、放電(定電流−定電圧放電)を行った。なお、放電(定電流−定電圧放電)は、実施例1の放電工程(ステップS4)と同様にする。
以上のように、ガス排出工程と放電工程を行うことで、使用に伴って正極及び負極に生じた充電ムラを適切に低減して、電池容量の低下を抑制することができる。
(実施例4)
実施例2,3では、ガス排出工程において、二次電池100の充放電を行うことで、電極体150に加える圧力を変化させて、電極体150の内部に滞留しているガスを排出した。これに対し、本実施例4では、電池ケース110を押圧する押圧手段300(図13参照)を用い、押圧手段300による電池ケース110への押圧力を変動させて、電極体150に加える圧力を変化させる。これにより、電極体150の内部に滞留しているガスを、電極体150の外部に排出する。
具体的には、本実施例4の押圧手段300は、図13に示すように、電池ケース110の第1側面111に接する第1部材330と、電池ケース110の第2側面112に接する第2部材340と、電池ケース110と第1部材330との間に位置するピエゾ素子70とを備える。第1部材330と第2部材340とを、円柱状のロッド51とナット53を用いて締結することで、第1部材30と第2部材40の互いの位置を固定すると共に、第1部材330と第2部材340との間に、二次電池100とピエゾ素子70を挟んで固定している。
この状態で、ピエゾ素子70を交流電源装置90に接続し、ピエゾ素子70に交流電流を流すことで、ピエゾ素子70の膨張と収縮が繰り返し行われる。これにより、電池ケース110への押圧力を変動させて、正極155、負極156、及びセパレータ157の積層方向(図13において左右方向)について、電極体150に加える圧力を変化させることができる。従って、電極体150の内部に滞留しているガスを、電極体150の外部に排出することができる。
以上において、本発明を実施例1〜4に即して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
二次電池100の上面図である。 二次電池100の内部構造を示す図であり、図1のC−C矢視断面図に相当する。 二次電池100の正面図である。 二次電池100の内部構造を示す図であり、図1のF−F矢視断面図に相当する。 電極体150の拡大断面図であり、図4のB部拡大図に相当する。 二次電池100の負極の開回路電位曲線を示す図である。 実施例1,2にかかる二次電池の製造方法の流れを示すフローチャートである。 実施例1のガス排出工程を説明する説明図である。 二次電池100における電池電圧と負極電位との関係を示す図である。 実施例2のガス排出工程を説明する説明図である。 組電池200を説明する説明図である。 実施例3のガス排出工程及び放電工程を説明する説明図である。 実施例4のガス排出工程を説明する説明図である。
符号の説明
30,330 第1部材
40,340 第2部材
100 二次電池
110 電池ケース
111 第1側面
111b,112b 電極領域部
112 第2側面
120 正極外部端子
130 負極外部端子
150 電極体
153 正極活物質
154 負極活物質
155 正極
156 負極
157 セパレータ
300 押圧手段
R1 電極投影領域

Claims (10)

  1. 正極活物質を有する正極、負極活物質を有する負極、及び、セパレータを積層してなる電極体を有する二次電池であって、
    上記負極の開回路電位曲線(横軸が電気量、縦軸が電位)において、SOC100%〜0%に相当する電気量範囲の50%以上の範囲にわたって、負極電位の変動幅が0.1V以内となるフラット部を有し、上記フラット部の最小電気量よりも小さい電気量の範囲では、電気量が減少するにしたがって負極電位が上昇する
    二次電池について、
    上記正極及び負極に生じた充電ムラを低減する方法であって、
    上記電極体に対し、上記正極、負極、及びセパレータの積層方向に圧力を加え、上記電極体の内部に存在するガスを、上記電極体の外部に排出するガス排出工程と、
    上記二次電池の放電を行う放電工程であって、
    上記負極の電位が上記フラット部における負極電位の最低値よりも0.9V以上高い値に達したときに示す、上記二次電池の電池電圧の値を、目標電圧値としたとき、
    上記二次電池の電池電圧が上記目標電圧値に達するまで、上記二次電池の放電を行う
    放電工程と、を備える
    充電ムラ低減方法。
  2. 請求項1に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記負極活物質は、炭素系材料及びLi4Ti512系材料のいずれかである
    充電ムラ低減方法。
  3. 請求項1または請求項2に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記放電工程は、1時間放電率以下の電流値で、上記二次電池の放電を行う
    充電ムラ低減方法。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記放電工程は、
    前記二次電池の電池電圧が前記目標電圧値に達した後、上記電池電圧を上記目標電圧値に保ちつつ上記二次電池の放電を行う
    充電ムラ低減方法。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記ガス排出工程は、
    前記電極体に加える圧力を変化させる
    充電ムラ低減方法。
  6. 請求項5に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記ガス排出工程は、
    前記二次電池の充放電を行って、前記電極体に加える圧力を変化させる
    充電ムラ低減方法。
  7. 請求項6に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記二次電池は、
    前記電極体を収容する電池ケースを備え、
    前記ガス排出工程は、
    上記電池ケースの側面に接する第1部材と、上記電池ケースを挟んで上記第1部材と対向する位置で上記電池ケースの側面に接する第2部材とを、互いの位置を固定した状態で、上記二次電池の充放電を行う
    充電ムラ低減方法。
  8. 請求項5に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記二次電池は、
    前記電極体を収容する電池ケースを備え、
    前記ガス排出工程は、
    上記電池ケースを押圧する押圧手段を用い、上記押圧手段による上記電池ケースへの押圧力を変動させて、前記電極体に加える圧力を変化させる
    充電ムラ低減方法。
  9. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の充電ムラ低減方法であって、
    前記二次電池は、
    前記電極体を収容する直方体形状の電池ケースであって、第1側面及びこれと反対方向を向く第2側面を有する電池ケースを備え、
    上記第1側面及び上記第2側面に直交する方向が、上記電極体を構成する前記正極、負極、及びセパレータの積層方向と一致し、
    上記第1側面及び上記第2側面は、それぞれ、上記電極体を上記第1側面及び上記第2側面に直交する方向に投影した電極投影領域内に含まれる電極領域部を有し、
    前記ガス排出工程は、満充電状態にした上記二次電池の上記電極領域部に対し、0.7MPa以上5.8MPa以下の圧力を加える
    充電ムラ低減方法。
  10. 正極活物質を有する正極、負極活物質を有する負極、及び、セパレータを備える電極体を有する
    二次電池の製造方法であって、
    上記二次電池の初期充電を行う工程と、
    請求項1〜請求項9のいずれか一項に記載の充電ムラ低減方法にかかる前記ガス排出工程と、前記放電工程と、を備える
    二次電池の製造方法。
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