JP2010007934A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】小型で、効率が高く、省エネ性に優れたヒートポンプ給湯機を提供する。
【解決手段】圧縮機2、放熱器3、減圧手段4および蒸発器5を順次接続して構成され、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、放熱器3と熱交換を行う水−冷媒熱交換器8と、水−冷媒熱交換器8と接続され、水道水を供給する入水管10と、水−冷媒熱交換器8で加熱された温水を貯湯する貯湯タンク9とを備え、水−冷媒熱交換器8を前記貯湯タンク9内に配設したもので、放熱器3(水−冷媒熱交換器8)の放熱がすべて貯湯タンク9内に蓄熱されるので、熱効率が向上し、また蒸発器5を下方まで大きくすることが可能となり、ヒートポンプ性能、COPの向上を図り、ランニングコストの低減、地球環境への負荷の低減を図ることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機2、放熱器3、減圧手段4および蒸発器5を順次接続して構成され、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、放熱器3と熱交換を行う水−冷媒熱交換器8と、水−冷媒熱交換器8と接続され、水道水を供給する入水管10と、水−冷媒熱交換器8で加熱された温水を貯湯する貯湯タンク9とを備え、水−冷媒熱交換器8を前記貯湯タンク9内に配設したもので、放熱器3(水−冷媒熱交換器8)の放熱がすべて貯湯タンク9内に蓄熱されるので、熱効率が向上し、また蒸発器5を下方まで大きくすることが可能となり、ヒートポンプ性能、COPの向上を図り、ランニングコストの低減、地球環境への負荷の低減を図ることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートポンプ給湯機に関するものである。
従来の給湯機は、ガスや石油を燃料として用い、その燃焼熱で水道水を加熱するのが一般的であった。これらは、速湯性に優れているという利点がある半面、ガス、石油といった燃料が必要でその供給が不可欠であること、燃焼後の排気ガスが大気に放出され大気汚染を招くこと、燃焼させるので不安全性を常に内在していること、燃焼時の音が大きいことなどの問題があった。特に近年増えている、エネルギー源を全て電気で行うというオール電化の住宅やマンションでは、燃料を供給する方法がないため、使用できないケースも増えてきているのが現状である。
そこで、貯湯タンクを備えた貯湯式のヒートポンプ給湯機が開発されている。これは、燃焼による給湯機の問題を解決し、オール電化の住宅、マンションでも新たなインフラ整備を必要としないで手軽に設置することができ、ヒートポンプ式であるため、入力に対する能力は3倍以上確保することが可能となるなど熱効率が良く、運転に際しては安価な深夜電力を用いて、貯湯タンクに高温の湯を貯めることが可能となり、ランニングコストも安価になると言う特長を持ち、徐々に普及してきている。
このようなヒートポンプ給湯機として、例えば特許文献1に示されるようなものがある。
このヒートポンプ給湯機は図4に示すように、圧縮機2、放熱器3、減圧手段4および蒸発器5を順次接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、放熱器3と熱交換を行う水−冷媒熱交換器8と、水−冷媒熱交換器8で加熱された温水を貯湯する略円筒形の貯湯タンク9を有する給湯回路を一体の本体ユニット1内に配し、蒸発器5、圧縮機2、水−冷媒熱交換器8を本体ユニット1の一方の側方に配し、貯湯タンク9を本体ユニット1の他方の側方に配したものであり、コンパクトで、低コストで、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供している。
又、図5、6に示すように、上記水−冷媒熱交換器8を、貯湯タンク9の外周に螺旋状に配して、コンパクトに構成したヒートポンプ給湯機を提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許第3825439号公報
特開2006−266594号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された従来のヒートポンプ給湯機の構成では、冷媒循環回路の放熱器3と熱交換されることで、一体化されている給湯回路の水−冷媒熱交換器8が、機器内部でスペースを取ってしまい、コンパクト化の妨げになるという面があった。また、水−冷媒熱交換器8は、冷媒と水道水を熱交換するが、その際の熱ロスが水−冷媒熱交換器8外へ放熱されてしまい、熱効率が減じてしまうという課題を有していた。
また、特許文献2に記載されたような従来のヒートポンプ給湯機の構成においても、貯湯タンク9に水−冷媒熱交換器8を螺旋状に巻きつけることでさらなるコンパクト化が図
れるものの、上記同様水−冷媒熱交換器8の放熱ロスが水−冷媒熱交換器8の外方に放熱されるため、効率が悪くなるという課題を有していた。
れるものの、上記同様水−冷媒熱交換器8の放熱ロスが水−冷媒熱交換器8の外方に放熱されるため、効率が悪くなるという課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、コンパクトで、効率向上も図ることができ、省エネで、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のヒートポンプ給湯機は、圧縮機、放熱器、減圧手段および蒸発器を順次接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクとを備え、前記水−冷媒熱交換器を前記貯湯タンク内に配設したことを特徴とするもので、放熱器(水−冷媒熱交換器)の放熱が貯湯タンク内に蓄熱されることで、貯湯タンク内の温水を加熱するあるいは、保温することができ、熱効率の向上を図ることができる。また従来、蒸発器の下方に水−冷媒熱交換器を配することで、蒸発器の大きさが限定され、ヒートポンプの効率の低下を招いていたのに対して、蒸発器を下方まで大きくすることが可能となり、ヒートポンプ性能の向上を図ることができ、COPの向上を図り、電気代によるランニングコストの低減、地球環境への負荷の低減を図ることが可能となる。さらに、水−冷媒熱交換器を貯湯タンク内に配することで、従来貯湯タンク外方にスペースを割いていた分を少なくすることが可能となり、本体ユニットのコンパクト化を図ることが可能となるなど、省エネ性、設置性に優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
本発明によれば、コンパクトで、効率向上も図ることができ、省エネで、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供できる。
第1の発明は、圧縮機、放熱器、減圧手段および蒸発器を順次接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクとを備え、前記水−冷媒熱交換器を前記貯湯タンク内に配設したことを特徴とするもので、放熱器(水−冷媒熱交換器)の放熱が貯湯タンク内に蓄熱されることで、貯湯タンク内の温水を加熱するあるいは、保温することができ、熱効率の向上を図ることができる。また従来、蒸発器の下方に水−冷媒熱交換器を配することで、蒸発器の大きさが限定され、ヒートポンプの効率の低下を招いていたのに対して、蒸発器を下方まで大きくすることが可能となり、ヒートポンプ性能の向上を図ることができ、COPの向上を図り、電気代によるランニングコストの低減、地球環境への負荷の低減を図ることが可能となる。
さらに、水−冷媒熱交換器を貯湯タンク内に配することで、従来貯湯タンク外方にスペースを割いていた分を少なくすることが可能となり、本体ユニットのコンパクト化を図ることが可能となるなど、省エネ性、設置性に優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の冷媒循環回路と、水−冷媒熱交換器と、貯湯タンクを一体型の本体ユニットに収納したもので、冷媒循環回路に含まれる放熱器と、給湯回路に含まれる水−冷媒熱交換器を接続することが、本体ユニット内で、しかも生産時の工程内で可能となり、それにより冷媒漏れを防ぐと共に、防水性を確保することができるなど、安全性に優れた製品とすることができる。
第3の発明は、特に、第1又は第2の発明の貯湯タンクを本体ユニットの一側に配し、
圧縮機と、減圧手段と、蒸発器を前記本体ユニットの他側に配したもので、冷媒循環回路の冷媒配管、給湯回路の給湯配管をそれぞれ短距離で結ぶことが可能となり、その配管から放熱される放熱量を減ずることが可能となり、熱交率が低下することを防止するとともに、防水性を確保することができ、省エネ性、安全性に優れた機器とすることが可能である。また、防水に要する各部品を削減可能であり、機器の合理化、軽量化を図ることができる。
圧縮機と、減圧手段と、蒸発器を前記本体ユニットの他側に配したもので、冷媒循環回路の冷媒配管、給湯回路の給湯配管をそれぞれ短距離で結ぶことが可能となり、その配管から放熱される放熱量を減ずることが可能となり、熱交率が低下することを防止するとともに、防水性を確保することができ、省エネ性、安全性に優れた機器とすることが可能である。また、防水に要する各部品を削減可能であり、機器の合理化、軽量化を図ることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか一つの発明の水−冷媒熱交換器を、貯湯タンク内の下方に配したもので、水−冷媒熱交換器と一体化され、主に本体ユニットの下方に配されている圧縮機への配管経路を短縮化することが可能であり、配管からの放熱量を減ずることで、効率低下を抑えることが可能となる。また、水−冷媒熱交換器からの放熱は、貯湯タンク内に溜まることで効率向上を実現しているが、その温度は給湯配管を介して放熱されるため、冷媒で加熱された給湯配管内の温度よりも低温となる。そのため、貯湯タンク内で温度が低い下方に配することで、貯湯タンク内の上下方向の温度勾配の乱れを防ぎ、効率の低下を防ぐことが可能となり、省エネ性を確保することができる。
第5の発明は、特に、第1〜4のいずれか一つの発明の水−冷媒熱交換器を、水道水を循環させる給湯配管内に、冷媒を循環させる冷媒配管を配置して構成したもので、万が一冷媒配管から冷媒が漏れ出したとして、給湯配管内に漏れることとなり、それを検知して機器を停止させれば、貯湯タンクに冷媒が漏れ出して、不安全となることを防ぐことができ、安全性を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか一つの発明の貯湯タンク内の温水と浴槽内の温水を熱交換する水−水熱交換器と、前記水−水熱交換器と接続されると共に、浴槽と接続する浴槽入湯管と浴槽出湯管を本体ユニット内に配したもので、本体ユニットのコンパクト化を図ることができる。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか一つの発明の蒸発器内方に、前記蒸発器との間にある空間を空けて圧縮機を覆うカバー板を設け、さらに前記蒸発器を、前記圧縮機が載置された底板まで延伸したもので、蒸発器の面積を本体ユニット内で最大限に拡大することができ、ヒートポンプ能力の向上を図るとともに、COPの向上による省エネ性を高めることができる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか一つの発明の冷媒循環回路に充填される冷媒として炭酸ガスを用いたもので、高温給湯の際の熱効率を高めると共に、冷媒が外部に漏れても、地球温暖化に及ぼす影響を、一般的エアコンに用いられているR−410Aの冷媒に比して大幅に低減することができ、環境に優しく、リサイクル性にも優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の回路構成図、図2は、同ヒートポンプ給湯機の本体ユニットの内観斜視図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の回路構成図、図2は、同ヒートポンプ給湯機の本体ユニットの内観斜視図である。
本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、本体ユニット1内に、冷媒循環回路と給湯回路を一体に収納して構成される。この冷媒循環回路は、主に本体ユニット1の左方に、給湯回路は本体ユニット1の右方に配設されている。
この冷媒循環回路は、本体ユニット1内部に配された圧縮機2と、放熱器3と、例えば電動膨張弁からなる減圧手段4と、L字形状の空気−冷媒熱交換器からなる蒸発器5とが、順次冷媒配管6で接続されて閉回路が構成されている。7は、送風ファンであり、蒸発器5に風を当て、蒸発能力を高め、ヒートポンプ加熱能力を高めるようになっている。
一方給湯回路は、放熱器3と熱交換を行って水道水などを温水に変える水−冷媒熱交換器8と、水−冷媒熱交換器8にて得た温水を貯湯する貯湯タンク9と、貯湯タンク9や水−冷媒熱交換器8に水道水を入水する入水管10と、貯湯タンク9や水−冷媒熱交換器8から温水を、給湯端末である蛇口11やシャワー1などに給湯する給湯管14と貯湯タンク9内の低温の水を送水する給湯循環水ポンプ15、給湯配管16などの給湯機能部品から構成されている。
そして、水−冷媒熱交換器8は、貯湯タンク9内の下方に配されており、放熱器3と水−冷媒熱交換器8は、熱交換を行うために、一体化されている。
上記給湯回路について、更に説明する。
入水管10には、タンク入水流量を測定する計器である入水流量計17、入水圧力を制限する減圧弁18が設けられており、その先は、貯湯タンク9へ給水するタンク入水管19と、給湯する際に温度調整を行うために、上方へ導かれる給湯入水管20と、水−冷媒熱交換器8にて熱交換を行うために供給される熱交入水管21に分かれる。熱交入水管21は、入水管10から放熱器3(水−冷媒熱交換器8)に水道水を直接供給する配管であり、この熱交入水管21には逆止弁22が設けられている。23は、熱交供給管であり、貯湯タンク9から水−冷媒熱交換器8に、給湯循環水ポンプ15の運転により、貯湯タンク9内の下方に貯まった低温水を送る配管であり、水−冷媒熱交換器8で熱交換され、高温となった温水は、貯湯三方弁24に送られ、その温度によって、低温の際は、貯湯タンク9の下方へ、高温の際は、貯湯タンク9の上方に送られ、貯湯タンク9内に貯湯される。
25は、タンク給湯管であり、貯湯タンク9から、高温水(通常は60℃〜90℃)を給湯混合弁26へ給湯する配管であり、給湯混合弁26は、入水管10から給湯入水管20を経て供給される水道水と、タンク給湯管25とから来る温水を混合させ、適切な給湯温度になった温水が、給湯管14を介して、蛇口11やシャワー12に給湯される。
27は、同じくタンク給湯管25を通過した温水と、給湯入水管20から供給される水道水とを混合し、適切な給湯温度を得、浴槽13に注湯する風呂注湯混合弁であり、風呂注湯混合弁27にて最適温度となった温水が、風呂注湯管28を介し、逆流防止弁29を通過して、浴槽13に注湯され、浴槽13に湯をはることになる。30は、風呂熱交換器であり、風呂注湯混合弁27から浴槽13へとお湯が向かう際に通過することになる。
風呂熱交換器30は、浴槽13内のお湯を追炊きする際に用いる熱交換器であり、浴槽13から、浴槽出湯管31を介して、風呂循環水ポンプ32で浴槽13からお湯を引き込み、そのお湯と、貯湯タンク9から追炊きポンプ33で引き込んだ貯湯タンク9内の高温水とを熱交換して、浴槽入湯管34で風呂へ戻すことにより、浴槽13の温度を一定に保つ保温運転や、浴槽13の湯量を足さなくても湯温を上昇させる追炊き運転を行う。つまり、風呂熱交換器30は、水−水熱交換器となっているわけである。また、35は給湯流量計であり、給湯流量を測定する計器である。給湯と風呂注湯が同時に行われた際には、入水流量計17と、給湯流量計35の差が、風呂注湯量として算出できることとなる。
36は、排出弁であり、寒冷地等にて長期間使用しない場合に、凍結防止等を目的に、
貯湯タンク9内の水を抜くために用いる弁であり、37は、貯湯タンク9の圧力逃がし弁、38は、貯湯タンク9の缶体保護弁である。また、制御装置39は、冷媒循環回路の高圧側の冷媒温度を検出し、その温度の高低から冷媒循環回路の立ち上がり状態を判定し、給湯混合弁26や風呂注湯混合弁27の開度を制御するなどの制御手段を行う。
貯湯タンク9内の水を抜くために用いる弁であり、37は、貯湯タンク9の圧力逃がし弁、38は、貯湯タンク9の缶体保護弁である。また、制御装置39は、冷媒循環回路の高圧側の冷媒温度を検出し、その温度の高低から冷媒循環回路の立ち上がり状態を判定し、給湯混合弁26や風呂注湯混合弁27の開度を制御するなどの制御手段を行う。
次に、本体ユニット1に一体化収納されている冷媒循環回路及び給湯回路の各要素の配置構成について、図2及び図3を参照して説明する。
圧縮機2と、減圧手段4と、蒸発器5が、本体ユニット1の左下方に配置され、圧縮機2と蒸発器5は、本体ユニット1の底板40に載置されている。圧縮機2の上方、蒸発器5の内方には、底板40に載置されたカバー板41が配されており、圧縮機2や減圧手段4を覆い、水が浸入したりすることを防いでいる。カバー板41の上方には、ファン支持板42があり、送風手段である送風ファン7があり、蒸発器5に風を当て、蒸発能力を高め、ヒートポンプ加熱能力を高めるようになっている。
カバー板41と蒸発器5との間には、空間Lが設けられているが、これは後方に関しても同様であり、後方は図示していないが、空間Lよりも若干狭いが空間が設けられている。そのため、蒸発器5は、送風ファン7で全段が吸引されるようになり、熱効率の向上を図るようにしている。
一方給湯回路は、本体ユニット1の右方に貯湯タンク9が配されており、その貯湯タンク9の内下方には、放熱器3と一体化された水−冷媒熱交換器8が設けられている。貯湯タンク9や水−冷媒熱交換器8に水道水を入水する入水管10と、温水を蛇口11や浴槽13などの給湯端末に給湯する給湯管14などの給湯回路は、貯湯タンク9の前方に配されている。また、貯湯タンク9内の低温の水を送水する給湯循環水ポンプ15は、貯湯タンク9の左側方、圧縮機2の前方のカバー板41の内方に配されている。また、放熱器3と水−冷媒熱交換器8は熱交換を行うために、一体化されており、図3にその断面を示しているが、給湯配管16内に冷媒配管6が設けられ、冷媒配管6は、銅管を2重に重ねた形態をしており、外方の銅管には冷媒が漏れた際に、それを逃がすための溝43が複数設けられている。
圧縮機2の前方、給湯循環水ポンプ15の側方には、風呂循環水ポンプ32があり、この風呂循環水ポンプ32は底板40に載置され、カバー板41の内方に配されている。追炊きポンプ33は、貯湯タンク9の側方、カバー板41内方に配されており、送風ファン7の送風経路を塞がないようになっている。貯湯タンク9の側方には、貯湯タンク9を外部と遮蔽するために、貯湯タンク9と略同心円状の仕切板44が設けられており、この仕切板44に、風呂熱交換器30が取り付けられている。そして、この風呂熱交換器30と接続されている浴槽入湯管34などの配管も、貯湯タンク9の前方に配されている。
以下、図面に基づいて、本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の動作を説明する。
圧縮機2を運転すると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、放熱器3(水−冷媒熱交換器8)に送られ、貯湯タンク9の下方より、給湯循環水ポンプ15の動力にて熱交供給管23を通ってきた低温水と熱交換して放熱する。これにより、貯湯三方弁24に送られる低温水は、高温に加熱される。放熱器3(水−冷媒熱交換器8)から流出する冷媒は、減圧手段4にて減圧膨張され、蒸発器5に送られ、送風ファン7にて送られた空気と熱交換して、蒸発器5を通過する間に、蒸発してガス化する。
このガス化した冷媒は、再度圧縮機2に吸入され、再度圧縮される過程を繰り返し、低温水は徐々に加熱される。その加熱された水の温度が低いときは、貯湯三方弁24にて、
貯湯タンク9の下方に送られ、高温になると貯湯タンク9の上方に送られる。これは、貯湯タンク9内の上下の温度勾配が、上方は高く、下方は低くなっているので、その温度勾配を乱さないためである。そして、最終的には、貯湯タンク9内に、85℃以上の高温の温水が貯えられることとなる。
貯湯タンク9の下方に送られ、高温になると貯湯タンク9の上方に送られる。これは、貯湯タンク9内の上下の温度勾配が、上方は高く、下方は低くなっているので、その温度勾配を乱さないためである。そして、最終的には、貯湯タンク9内に、85℃以上の高温の温水が貯えられることとなる。
次に、使用者が、蛇口11から給湯したり、シャワー12を使用する場合には、高温に保たれた貯湯タンク9からタンク給湯管25を通過してきた温水と、入水管10から給湯入水管20を経て供給される水道水を給湯混合弁26にて、混合させ、適切な給湯温度を得て、給湯管14を介して供給される。
浴槽13への湯はりに関しても同じで、タンク給湯管25を通過した温水と、給湯入水管20から供給される水道水とを風呂注湯混合弁27で混合し、適切な給湯温度を得て、風呂注湯管28、逆流防止弁29を通過して、浴槽13に注湯され、浴槽13に湯をはることになる。
また、使用者が、蛇口11、シャワー12を閉じるか、あるいは浴槽13に適量のお湯が溜まって給湯する必要がなくなると、圧縮機2を駆動し、高圧となった冷媒を、放熱器3に送り、そこに給湯循環水ポンプ15を駆動させて、送られた低温水を水−冷媒熱交換器8で加熱し、その加熱された温水を貯湯タンク9に貯湯する貯湯運転が行われる。
以上のように、本実施の形態におけるヒートポンプ給湯機によれば、圧縮機2、放熱器3、減圧手段4および蒸発器5を順次接続して冷媒配管6で閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、蒸発器5に送風する送風ファン7と、放熱器3と熱交換を行うために一体化された水−冷媒熱交換器8と、水−冷媒熱交換器8と接続され、水道水を供給する入水管10と、水−冷媒熱交換器8で加熱された温水を貯湯する貯湯タンク9と、加熱された温水を蛇口11やシャワー12等の給湯端末へ通水するように接続した給湯管14を備えており、水−冷媒熱交換器8を貯湯タンク9内に配設しており、放熱器3(水−冷媒熱交換器8)の放熱が貯湯タンク9内に蓄熱されることで、貯湯タンク9内の温水を加熱するあるいは、保温することができ、熱効率の向上を図ることができ、ひいては省エネ性を大幅に向上することができる。
また従来は、蒸発器5の下方に、水−冷媒熱交換器8を配することで、蒸発器5の大きさが限定され、ヒートポンプの効率の低下を招いていたのに対して、本実施の形態では、蒸発器5を、下方にある底板40まで延伸することが可能となり、ヒートポンプ性能の向上を図ることができ、COPの向上を図り、電気代によるランニングコストの低減、地球環境への負荷の低減を図ることが可能となる。加えて、水−冷媒熱交換器8を貯湯タンク9内に配することで、従来貯湯タンク9外にスペースを割いて、水−冷媒熱交換器8を配設していたスペースを減ずることが可能となり、本体ユニット1のコンパクト化が図ることが可能となるなど、省エネ性、設置性に優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
また、水−冷媒熱交換器8と、この水−冷媒熱交換器8を内方に配した貯湯タンクを一体型の本体ユニット1に収納しているので、一体化されている放熱器3(水−冷媒熱交換器8)において、冷媒循環回路に含まれる放熱器3と、給湯回路に含まれる水−冷媒熱交換器8を接続することが、本体ユニット1内で、容易に可能であり、この一体型の本体ユニット1を生産する際に、接続することができるために、その際に冷媒の漏れ、水漏れの有無を検査することができ、使用に際して、品質の向上を図ることができるなど、安全性に優れた製品とすることができる。
さらに、放熱器3と熱交換を行う水−冷媒熱交換器8を内方した貯湯タンク9を、本体
ユニット1の一方の側方に配し、圧縮機2、減圧手段4、蒸発器5を前記本体ユニット1の他方の側方に配していることで、冷媒循環回路の冷媒配管6、給湯回路の給湯配管16をそれぞれ短距離で結ぶことが可能となり、その冷媒配管6、給湯配管16から放熱される放熱量を減らすことができ、熱交率が低下することを防ぐことが可能となる。また、給湯配管16を短配管化することで、給湯配管16からの水が漏れる範囲を減らすことができ、防水性を確保することが可能となり、安全性を高められると共に、防水に要する各部品の削減が可能となり、機器の合理化、軽量化を図ることができる。
ユニット1の一方の側方に配し、圧縮機2、減圧手段4、蒸発器5を前記本体ユニット1の他方の側方に配していることで、冷媒循環回路の冷媒配管6、給湯回路の給湯配管16をそれぞれ短距離で結ぶことが可能となり、その冷媒配管6、給湯配管16から放熱される放熱量を減らすことができ、熱交率が低下することを防ぐことが可能となる。また、給湯配管16を短配管化することで、給湯配管16からの水が漏れる範囲を減らすことができ、防水性を確保することが可能となり、安全性を高められると共に、防水に要する各部品の削減が可能となり、機器の合理化、軽量化を図ることができる。
さらに、貯湯タンク9内の温水と浴槽13内の温水を熱交換する水−水熱交換器である風呂熱交換器30と、この風呂熱交換器30と接続され、浴槽13と接続する浴槽入湯管34、浴槽出湯管31を本体ユニット1内に配しており、本体ユニット1のコンパクト化を図っている。
また、放熱器3と一体化された水−冷媒熱交換器8は、貯湯タンク9の内方に配しているが、その箇所を貯湯タンク9の下方としている。冷媒配管6と繋がっている圧縮機2は底板40に載置されている。この冷媒配管6は、放熱器3に繋がっており、放熱器3は、水−冷媒熱交換器8と一体化されており、この水−冷媒熱交換器8は貯湯タンク9の下方に配されていることで、冷媒配管6の配管長さを短くすることができ、これにより、冷媒配管から放熱される放熱量が低減され、能力の向上、COPの向上が可能となり、省エネ性を高めることができる。
さらに、給湯配管16の入水管10、給湯管14は、底板40に近い、本体ユニット1の下方から導かれているが、この入水管10、給湯管14と水−冷媒熱交換器8をつなぐ給湯配管16の長さを短くすることもでき、この給湯配管16からの放熱量も同じく減ずることができるために、省エネ性の向上を図ることが可能となる。
また、水−冷媒熱交換器8からの放熱は、貯湯タンク8内に溜まることで効率向上を実現しているが、その温度は、給湯配管16を介して放熱されるため、冷媒で加熱された給湯配管16内の温度よりも低温となる。そのため、貯湯タンク9内の上下方向の温度勾配の乱れを防ぐことで、効率の低下を防ぐことが可能となり、省エネ性を確保することができる。
ところで、放熱器3、水−冷媒熱交換器8を構成している配管は、図3に示すように、冷媒を循環させる冷媒配管6を、水道水を循環させる給湯配管16内に配置し、冷媒配管6は、2重管で、外方には溝43が設けているので、万が一冷媒配管6から冷媒が漏れ出ても、溝43を介して外方に放出されるため、給湯配管16や、貯湯タンク9内に放出されることを防いでいる。冷媒中には、冷媒と共に、圧縮機2を駆動させるときの損失を低減するために、オイルが含まれており、このオイルが貯湯タンク9内に漏れないことは、安全上非常に重要である。
また、蒸発器5の内方には、圧縮機2を覆うようにカバー板41を設けており、このカバー板41と、蒸発器5の間には空間Lを設けており、蒸発器5は、圧縮機2を載置している底板40まで延伸しており、蒸発器5の面積を本体ユニット1内で最大まで大きくすることで、ヒートポンプ能力の向上を図ることが可能となり、ひいてはCOPの向上、省エネ性を高めることができる。
以上のように、冷媒回路と給湯回路を一体の本体ユニット1に収納し、水−冷媒熱交換器8や蒸発器5の収納性の向上と効率向上を図ることができ、小型化を図りつつ能力向上を図ることができることで、省エネで、コンパクト性に秀でたヒートポンプ給湯機を提供することが可能となるのである。
また、本実施の形態では、冷媒として炭酸ガスを用いたヒートポンプ給湯機としている。これにより冷媒循環回路は、冷媒の圧力が臨界圧力以上となる超臨界冷媒循環回路であり、臨界圧力以上に昇圧された冷媒により、水−冷媒熱交換器8の水流路の流水を加熱する構成となり、水−冷媒熱交換器8の放熱器3を流れる冷媒は、圧縮機2で臨界圧力以上に加圧されているので、水−冷媒熱交換器8の水流路の流水により熱を奪われて温度が低下しても凝縮することがなく、水−冷媒熱交換器8全域で冷媒と水とに温度差を形成しやすくなり、高温の湯が得られ、かつ熱交換効率を高くできる。加えて、炭酸ガスであるので、万一冷媒が外部に漏れたとしても、地球温暖化に及ぼす影響を、一般的エアコンに用いられているR−410Aの冷媒に比して大幅に低減することができ、環境に優しいヒートポンプ給湯機とすることができる。
以上のように、本発明に係るヒートポンプ給湯機は、コンパクトで、効率向上も図ることができ、省エネで、使い勝手の良いもので、家庭用の給湯器や、業務用の給湯装置などに広く適している。
1 本体ユニット
2 圧縮機
3 放熱器
4 減圧手段
5 蒸発器(空気−冷媒熱交換器)
6 冷媒配管
7 送風ファン
8 水−冷媒熱交換器
9 貯湯タンク
10 入水管
11 蛇口
12 シャワー
14 給湯管
16 給湯配管
30 風呂熱交換器(水−水熱交換器)
31 浴槽出湯管
34 浴槽入湯管
40 底板
41 カバー板
2 圧縮機
3 放熱器
4 減圧手段
5 蒸発器(空気−冷媒熱交換器)
6 冷媒配管
7 送風ファン
8 水−冷媒熱交換器
9 貯湯タンク
10 入水管
11 蛇口
12 シャワー
14 給湯管
16 給湯配管
30 風呂熱交換器(水−水熱交換器)
31 浴槽出湯管
34 浴槽入湯管
40 底板
41 カバー板
Claims (8)
- 圧縮機、放熱器、減圧手段および蒸発器を順次接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクとを備え、前記水−冷媒熱交換器を前記貯湯タンク内に配設したことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
- 冷媒循環回路と、水−冷媒熱交換器と、貯湯タンクを一体型の本体ユニットに収納したことを特徴とする請求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
- 貯湯タンクを本体ユニットの一側に配し、圧縮機と、減圧手段と、蒸発器を前記本体ユニットの他側に配したことを特徴とする請求項1または2に記載のヒートポンプ給湯機。
- 水−冷媒熱交換器を、貯湯タンク内の下方に配したことを特長とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 水−冷媒熱交換器を、水道水を循環させる給湯配管内に、冷媒を循環させる冷媒配管を配置して構成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 貯湯タンク内の温水と浴槽内の温水を熱交換する水−水熱交換器と、前記水−水熱交換器と接続されると共に、浴槽と接続する浴槽入湯管と浴槽出湯管を本体ユニット内に配したことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 蒸発器内方に、前記蒸発器との間にある空間を空けて圧縮機を覆うカバー板を設け、さらに前記蒸発器を、前記圧縮機が載置された底板まで延伸したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 冷媒循環回路に充填される冷媒として炭酸ガスを用いたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008166822A JP2010007934A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | ヒートポンプ給湯機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008166822A JP2010007934A (ja) | 2008-06-26 | 2008-06-26 | ヒートポンプ給湯機 |
Publications (1)
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JP2010007934A true JP2010007934A (ja) | 2010-01-14 |
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010007934A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012180945A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 給湯システム |
CN103216936A (zh) * | 2013-04-11 | 2013-07-24 | 王子忠 | 环保节能型五温五效高温热泵热水机组系统 |
-
2008
- 2008-06-26 JP JP2008166822A patent/JP2010007934A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012180945A (ja) * | 2011-02-28 | 2012-09-20 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 給湯システム |
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