JP2006329443A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents
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Abstract
【課題】給湯性能に秀でており、コンパクトで、バルコニー設置が可能で、居住性を損なわないで設置可能な、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供する。
【解決手段】圧縮機4、放熱器5、減圧手段6および空気−冷媒熱交換器8を順次接続して形成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路2と、前記放熱器5と熱交換を行う水−冷媒熱交換器10と、前記水−冷媒熱交換器10と接続され、前記水−冷媒熱交換器10で加熱された温水を貯湯する貯湯手段11と、これらを収納する筐体1とを備え、前記空気−冷媒熱交換器8を前記筐体1内の一端側に配設するとともに、他端側には貯湯手段11を、縦方向の長さより、横方向の長さを長くなるような形態で配設したことを特徴とするもので、横長で低背の形状とすることが可能であり、集合住宅などのバルコニーに吊下げることが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】圧縮機4、放熱器5、減圧手段6および空気−冷媒熱交換器8を順次接続して形成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路2と、前記放熱器5と熱交換を行う水−冷媒熱交換器10と、前記水−冷媒熱交換器10と接続され、前記水−冷媒熱交換器10で加熱された温水を貯湯する貯湯手段11と、これらを収納する筐体1とを備え、前記空気−冷媒熱交換器8を前記筐体1内の一端側に配設するとともに、他端側には貯湯手段11を、縦方向の長さより、横方向の長さを長くなるような形態で配設したことを特徴とするもので、横長で低背の形状とすることが可能であり、集合住宅などのバルコニーに吊下げることが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ヒートポンプ方式の給湯機に関するものである。
従来、給湯機としては、ガスや石油を燃料として用い、その燃焼熱で水道水を加熱する給湯機が使用されてきた。これらは、速湯性に優れているという利点がある半面、ガス、石油といった燃料が必要でその供給が不可欠であること、燃焼後の排気ガスが大気に放出され大気汚染を招くこと、燃焼させるので不安全性を常に内在していること、燃焼時の音が大きいことなどの課題があった。特に近年増えている、エネルギー源を全て電気で行うというオール電化の住宅やマンションでは、燃料を供給する方法がないため、使用できないケースも増えてきているのが現状である。
そのようなオール電化の住宅やマンションの場合は、貯湯タンクを備えた電気温水器が備え付けられる例が多く、深夜電力を用いて、水道水を電気ヒーターで加熱して、高温(65℃〜85℃)にし、それを貯湯し、その高温水と、水道水をミキシングして、所定の温度の給湯を行うものである。ところが、深夜電力を利用するとは言え、システム効率が1以下にしかならないことで、電気代が高くなってしまう面があるために、省エネの観点から、近年では、貯湯タンクを備えた貯湯式のヒートポンプ給湯機が備え付けられる例が増えてきている。これは、燃焼による給湯機の問題を解決し、オール電化の住宅、マンションでも新たなインフラ整備を必要とせずに設置することができ、ヒートポンプ式であるため、入力に対する能力は3倍以上確保することが可能となるなどシステム効率が良く、運転に際しては安価な深夜電力を用いて、貯湯タンクに高温の湯を貯めることが可能となり、ランニングコストも安価となるなどと言った特長を持ち、徐々に普及してきている。
このような給湯機として、図8に示されるヒートポンプ給湯機がある。このヒートポンプ式給湯機は、図8に示すように、給湯サイクル71と冷媒循環回路72を備え、これら給湯サイクル71と冷媒循環回路72の本体を二つに分割し、循環路78、循環路80で接続している。この給湯サイクル71は、底壁に設けられた給水口73と上壁に設けられた給湯口74を有する貯湯タンク75と、水熱交換路76と、水循環用ポンプ77とを備え、水熱交換路76と水循環用ポンプ77が、貯湯タンク75の給湯口74と湯入口79とを連結する循環路80に介設されている。また、冷媒循環回路72は、圧縮機81と、水熱交換路76を構成する水−冷媒熱交換器82と、減圧機構83と、空気−冷媒熱交換器84とを順に冷媒通路85で接続して構成する冷媒循環回路を備える。更に、給湯サイクル71と冷媒循環回路72は、室外側に配設されている連絡配管86,87にて連結される。そして、給水口55から給水し、水循環用ポンプ57にて循環路58に流出させた低温水を水熱交換器76(すなわち水熱交換器82)で沸き上げ、給湯口74から出湯する構成となっている(例えば、特許文献1参照)。
上記ヒートポンプ給湯機にて、給湯サイクル71と冷媒循環回路72の部分を一体化したものも考案されている。これは、圧縮機と蒸発器である空気−冷媒熱交換器を、貯湯手段である貯湯タンクの上部に配置するように構成されており、空気−冷媒熱交換器の熱交換を促進するために空気を流通させる送風ファンが、空気−冷媒熱交換器の側方に配され、横方向の風路を構成している。また、水熱交換器は、貯湯タンクに巻き付けてある。そして、それらを一つの筐体に納めることにより、コンパクト化を図るヒートポンプ給湯機となっている(例えば、特許文献2参照)。
また、給湯サイクル71と冷媒循環回路72の部分を一体化した例としては、図9、図
10、図11、図12に示すものも提示されており、詳細に関しては記載されておらずアイデア的ではあるが、図9は給湯タンク90を冷媒循環回路72の下部に組み込んだ構成図、図10は給湯タンク90を冷媒循環回路72の上部に組み込んだ構成図、図11は給湯タンク90を冷媒循環回路72の横に組み込んだ構成図、図12は給湯タンク90を冷媒循環回路72を含む本体の外に設けた構成図を示している(例えば、特許文献3参照)。
特開2003−222392号公報
特開平7−98156号公報
特開2004−354045号公報
10、図11、図12に示すものも提示されており、詳細に関しては記載されておらずアイデア的ではあるが、図9は給湯タンク90を冷媒循環回路72の下部に組み込んだ構成図、図10は給湯タンク90を冷媒循環回路72の上部に組み込んだ構成図、図11は給湯タンク90を冷媒循環回路72の横に組み込んだ構成図、図12は給湯タンク90を冷媒循環回路72を含む本体の外に設けた構成図を示している(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記特許文献1の構成では、給湯サイクル51と冷媒循環回路52が分かれているので、それぞれが別個に必要であり、また、それぞれを二つ設置した場合、それらの寸法が大きく、かつ重量も重いために、設置場所が限られるという面があった。また、連絡配管を室外側に配設するので、凍結防水等が必要であり、施工性やコスト性に課題を有していた。
また、高層マンション等の集合住宅へのヒートポンプ給湯機の設置を行う際に、図8のような、給湯サイクルと冷媒循環回路を分離した構成では、給湯サイクルを含むユニットをバルコニーに設置しようとしたとしても、かなりのスペースが必要となってしまう。一般的にマンションのバルコニーは、所有者個人の占有部分ではなくて、共有部分として位置付けられており、個人のものではなく、個人には専有使用権が与えられているだけである。
しかしながら、一般的には占有使用権として、エアコンの室外機などが置かれているのが通常である。その部分に、ヒートポンプ給湯機のような多大なスペースを取るものが設置されれば、マンションとしての価値が下がって住まう面があり、デベロッパーとしては好まないことになる。
また、2方向避難の基準(一般的に建物を設計する際に2方向に避難経路が必要であり、マンションでは玄関から廊下という避難経路と窓からバルコニーを通り戸境壁を破り、隣の住居に行くという2つの避難経路を設けている)を守るには、バルコニーに避難する際にじゃまになるようなものは置かないことが必要である。そのため、所有者へ使用性を考慮した設置場所がなく、オール電化のマンションに、ヒートポンプ給湯機が中々普及しないという側面となっていた。
一方、上記特許文献2のヒートポンプ給湯機であっても、マンションのバルコニーに載置することを考えれば、同じくかなりのスペースを必要となりるという面があった。また、運搬時や組立時にバランスが悪いと言うこともあり、組立、運搬の際には、下方にある貯湯タンク90は、内方に何もなく空っぽの状態であり、非常に軽い。それに対して、上方にある圧縮機88や空気熱交換器89などは、非常に重い。そのため、搬送時に非常に運びにくく、また上方が重いために筐体の強度をかなり上げないと、本体を間違って落下させた際に変形しやすいと言うことがあり、その対策として、梱包材を大きくすることが必要となり、コスト面でも高くなってしまっていた。
また、図9に示すヒートポンプ給湯機も、給湯タンク90を冷媒循環回路72の下部に組み込んでおり、同じくマンションのバルコニーに設置することを想定しているが、給湯タンク90を横長にしているために、むしろその設置面積が大きくなってしまい、バルコニーに設置した際にじゃまになってしまうとともに、上記特許文献2で記載した内容と同
じような課題を有している。
じような課題を有している。
また、図10に示す冷媒循環回路72は、図9の逆に給湯タンクを横長形状として冷媒循環回路72の上部に組み込んでいるが、図9と同じく設置面積が大きく必要となってしまう。図11は縦長の給湯タンクを冷媒循環回路72の横に組み込んで、その設置面積を少なくすることが可能ではあるが、全項が高くなってしまい、設置した後に威圧感を感じることとなり、余り好ましくはない。
これは、給湯タンク90を冷媒循環回路72本体の外に設けた図12でも同じであり、バルコニーに設置することを前提として考えていては、居住性を損なわないで、かつマンションのエクステリアを損なわないで、2方向避難に関る安全性も確保した、給湯サイクル71と冷媒循環回路72の部分を一体化した一体型のヒートポンプ給湯機を実現することは困難であると言える。
したがって本発明は、十分な加熱能力を備えつつ、マンションなどの集合住宅のバルコニーへ設置する際も、居住者にとって使用性の高いヒートポンプ給湯機を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決すために、本発明のヒートポンプ給湯機は、圧縮機、放熱器、減圧手段および空気−冷媒熱交換器を順次接続して形成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器と接続され、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯手段と、これらを収納する筐体とを備え、前記空気−冷媒熱交換器を前記筐体内の一端側に配設するとともに、他端側には貯湯手段を、縦方向の長さより、横方向の長さを長くなるような形態で配設したことを特徴とするもので、横長で低背の形状とすることが可能であり、集合住宅などのバルコニーに吊下げることが可能となる。そのため、居住者が利用するバルコニー部分には本体を設置することがなくなり、居住性に優れた、使用性の良いヒートポンプ給湯機とすることが可能となる。特に、マンションの中で、給湯配管などの配管類を天井をはわす方式のものもあるが、この場合、天井を来た配管をバルコニー下方でヒートポンプ給湯機とつなぐことが可能となり、配管が屋外に露出してエクステリアを損ねるようなことを避けることが可能となる。また、ヒートポンプ給湯機からの騒音に関しても上方に配していることにより、生活域での騒音を低減することが可能となる。また、騒音源でもある送風ファンからの風が、居住者の体に当たるようなことがなくなり、不快感を与えることもなくなるなど、集合住宅に設置しても、居住性を損なわないで使用可能な、コンパクトで、低コストで、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供できる。
本発明によれば、十分な加熱能力を備えつつ、マンションなどの集合住宅のバルコニーへ設置する際も、居住者にとって使用性の高いヒートポンプ給湯機を提供できる。
第1の発明は、圧縮機、放熱器、減圧手段および空気−冷媒熱交換器を順次接続して形成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器と接続され、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯手段と、これらを収納する筐体とを備え、前記空気−冷媒熱交換器を前記筐体内の一端側に配設するとともに、他端側には貯湯手段を、縦方向の長さより、横方向の長さを長くなるような形態で配設したことを特徴とするもので、集合住宅のバルコニーに吊下げることを可能として、床への設置面積が必要なくなり、居住性を大幅に向上することが可能となる。その際に、空気−冷媒熱交換器の面積を横方向に大きくすることが可能な形態と
できるために、低背であっても加熱能力を増すことが可能となり、給湯時の湯切れ等の不具合が生じない、安定してお湯を供給できるヒートポンプ給湯機を供給することができる。
できるために、低背であっても加熱能力を増すことが可能となり、給湯時の湯切れ等の不具合が生じない、安定してお湯を供給できるヒートポンプ給湯機を供給することができる。
第2の発明は、特に第1の発明のヒートポンプ給湯機において、筐体の高さと横幅、奥行きの比を、高さと横幅の比は、高さ1に対し横幅2以上、高さと奥行きの比は、高さ1に対して奥行き0.8〜1.2の、横長、低背形状としたことを特徴とするもので、バルコニーに吊下げた際に、その高さが高くて、バルコニー下方へ出てしまい、居住者の頭に触れるような危険な状態になることを避けることが可能となる。また、バルコニーの横寸法は、4m以上あるのが多いので、その幅の中に収めることができれば、大きさの制約は受けないこととなる。そのため、上記のような高さと横幅の比としておれば、使用上、設置上問題はないし、この発明のヒートポンプ給湯機であれば、そのような横幅比で設計することは容易となる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明のヒートポンプ給湯機において、空気−冷媒熱交換器に送風する送風手段を備え、前記送風手段を、横方向に複数個並べて設けたことを特徴とするもので、筐体の高さを低くしつつ、横方向に大きくすることにより、蒸発能力を高めることが可能であり、ヒートポンプ加熱能力を向上することが可能となる。形状としては筐体の高さを低くしつつ、コンパクトは形状は変える必要がないので、バルコニーに吊下げる形態を想定しても、バルコニーの幅まで横寸法を大きくしたとしても、居住性を損ねることはなく、その分蒸発能力を大きくすることにより、電気代の削減や、送風手段から発せられる騒音を低減することが可能となる。
第4の発明は、特に第1〜3のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機において、筐体内の略中央部に圧縮機を配設するとともに、空気−冷媒熱交換器を前記筐体の上面側からみて略コの字状に構成し、前記空気−冷媒熱交換器と前記圧縮機の間には、空気上流側に向かって拡がる傾斜部を有する仕切板を設けたことを特徴とするもので、同一寸法の筐体であっても、蒸発器として使用する面積を大きくすることが可能となり、蒸発能力の向上を図ることが可能となる。それにより、電気代に削減も可能となり、同一能力であれば、送風手段である送風ファンの回転数を低くすることが可能となり、その分送風手段から発せられる騒音を低減することが可能となる
第5の発明は、特に第1〜4のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機において、筐体内の貯湯手段と対向する部位は、外方向へ突出する凸部形状としたことを特徴とするもので、それにより貯湯手段は筐体の外郭より後方に配することができ、貯湯手段の前方のスペースに、給湯回路を配置でき、空間を有効に活用することにより、コンパクト化を図ることができる。
第5の発明は、特に第1〜4のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機において、筐体内の貯湯手段と対向する部位は、外方向へ突出する凸部形状としたことを特徴とするもので、それにより貯湯手段は筐体の外郭より後方に配することができ、貯湯手段の前方のスペースに、給湯回路を配置でき、空間を有効に活用することにより、コンパクト化を図ることができる。
第6の発明は、特に第1〜5のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機において、筐体を、集合住宅のバルコニーに吊下げて設置する構成としたことを特徴とするもので、集合住宅に設置する際に、床への設置面積が不要となり、バルコニー全面に給湯機を載置することがなくなり、避難径路を遮ることもなくなり、居住性を向上することができる。特に集合住宅おいて、天井配管を行っている物件においては。給湯の配管が天井部分を這うことととなる。それに対して、バルコニーに吊下げておけば、天井から出した配管をそのままヒートポンプ給湯機に接続することが可能となり、施工性の向上や、配管の露出を少なくすることによる、エクステリア性の向上を図ることができる。
第7の発明は、特に第1〜6のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機において、水−冷媒熱交換器で加熱された温水は、貯湯手段に貯湯されるとともに、前記貯湯手段を介さずに給湯端末へ直接通水できるように構成したことを特徴とするもので、水−冷媒熱交換器で暖められた水道水は、貯湯タンクに給湯することができるとともに、一方で貯湯タンク
を介さずに蛇口やシャワー等の給湯端末へ直接通水されるので、速湯性に優れ、使い勝手が良く、湯切れの心配もないヒートポンプ給湯機を提供することができる。また、運転立ち上がり当初は貯湯タンクから給湯し、圧縮機が最適運転周波数になった後には、ダイレクトに給湯するという瞬間湯沸かし型のヒートポンプ給湯機とすることが可能となる。
を介さずに蛇口やシャワー等の給湯端末へ直接通水されるので、速湯性に優れ、使い勝手が良く、湯切れの心配もないヒートポンプ給湯機を提供することができる。また、運転立ち上がり当初は貯湯タンクから給湯し、圧縮機が最適運転周波数になった後には、ダイレクトに給湯するという瞬間湯沸かし型のヒートポンプ給湯機とすることが可能となる。
第8の発明は、特に第1〜7のいずれかの発明のヒートポンプ給湯機を、冷媒として炭酸ガスを用いて構成したものであり、高温給湯の際の熱効率を高めるとともに、冷媒が外部に漏れても、地球温暖化に及ぼす影響を、一般的エアコンに用いられているR−410Aの冷媒に比して大幅に低減することができ、環境に優しく、リサイクル性にも優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の概略斜視図、図2は図1に示す回路構成図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の概略斜視図、図2は図1に示す回路構成図である。
まず、図1のヒートポンプ給湯機の概略斜視図から説明を行う。図1より、本体ユニット1内には、冷媒循環回路2と給湯サイクル3が一体に収納して構成され、冷媒循環回路2は本体ユニット1の左方にあり、給湯サイクル3は本体ユニット1の右方に配設されており、本体ユニットは低背で横長な形状となっている。
この冷媒循環回路2は、圧縮機、放熱器、減圧手段および蒸発器を順次接続して閉回路が構成されており、縦置き形の圧縮機4と、放熱器5(水−冷媒熱交換器10)と、減圧手段である電動膨張弁6が本体ユニット1の略左中央下方に配置されている。圧縮機4、放熱器5の左方には、仕切板7があり、この仕切板7の左方には、蒸発器である空気−冷媒熱交換器8が載置されており、この空気―冷媒熱交換器8は、上面側から見て略L字状をしている。空気―冷媒熱交換器8の内方には、送風手段である送風ファン9があり、空気−冷媒熱交換器8に風を当て、蒸発能力を高め、ヒートポンプ加熱能力を高めるようになっている。10は本体ユニット1の略中央部に配された給湯サイクル3に含まれる水−冷媒熱交換器(放熱器)であり、放熱器5と水−冷媒交換器10は一体形状となっている。
本体ユニット1の右方には、給湯サイクル3を構成する部品が設けられており、本体ユニット1の右の大部分を占めているのは11は、水−冷媒熱交換器10で加熱された水道水を貯めておくための貯湯タンクであり、横向きの円筒状になっている。貯湯タンク11の前方には、給湯回路12が配されている。13は貯湯タンク11や水−冷媒熱交換器10に水道水を入水する入水管、14は貯湯タンク11や水−冷媒熱交換器10から温水を給湯端末(図2の蛇口や風呂)に給湯する給湯管である。15は風呂のお湯を追い炊きするための風呂熱交換器である。16は水ポンプであり風呂に注湯する際に利用する。17は制御装置であり、冷媒循環回路2や、給湯サイクル3を最適となるように制御する手段である。
図2に示す回路構成図にて説明する。同じ部品の図番は図1と同じである。次に、図2で図1で示した各要素部品の回路構成図について詳しく説明する。図2において、本実施の形態のヒートポンプ給湯機は、本体ユニット1内に冷媒循環回路2と給湯サイクル3とを一体に収納して構成されている。
冷媒循環回路2は、本体ユニット1内部に配設された圧縮機4と、放熱器5と、例えば
電動膨張弁から成る減圧手段6と、L字形状の空気熱交換器から成る蒸発器8(空気−冷媒熱交換器)とが冷媒配管2aで接続されて構成されている。また、蒸発器8(空気−冷媒熱交換器)に風を当て、蒸発能力を高めるための送風ファン9が設けられている。
電動膨張弁から成る減圧手段6と、L字形状の空気熱交換器から成る蒸発器8(空気−冷媒熱交換器)とが冷媒配管2aで接続されて構成されている。また、蒸発器8(空気−冷媒熱交換器)に風を当て、蒸発能力を高めるための送風ファン9が設けられている。
一方、給湯回路は、放熱器5と熱交換を行って水道水などを温水に変える水−冷媒熱交換器10(例えば、放熱器5と一体形状となっている二重管構造の熱交換器)と、水−冷媒熱交換器10にて得た温水を貯める貯湯タンク11と、貯湯タンク11や水−冷媒熱交換器10に水道水を入水する入水管13と、貯湯タンク11や水−冷媒熱交換器10から温水を蛇口18やシャワー19の給湯端末に給湯する給湯管14と、貯湯タンク11内の低温の水を送水する給湯循環水ポンプ20から構成されている。
更に、上記給湯回路の構成について説明する。
タンク入水管21は、入水管13から水道水を貯湯タンク11に送る配管であり、水道水供給管22は、入水管13から放熱器5(水−冷媒熱交換器10)に水道水を直接供給する配管である。熱交給水管23は、貯湯タンク11から水−冷媒熱交換器10に、給湯循環水ポンプ20の運転により、貯湯タンク11内の下方に貯まった低温水を送る配管であり、貯湯管24は、水−冷媒熱交換器10で暖められた水道水を、貯湯タンク11や、元混合弁25に送る配管であり、貯湯タンク側配管24aの途中には貯湯三方弁25が、また元混合弁側配管26の途中には逆止弁27が設けられている。
また、タンク給湯管11aは、貯湯タンク11から高温水(通常は60℃〜90℃)を元混合弁25へ給湯する配管であり、元混合弁25は、貯湯管24、元混合弁側廃刊26とタンク給湯管11aとから来る温水や水を混合させる弁であり、逆止弁27は、元混合弁25手前に設けられた弁である。また、給湯混合弁28は、元混合弁25を通過した温水と、入水管13から供給される水道水とを混合し、適切な給湯温度を得、蛇口18やシャワー19に供給する弁であり、給湯混合弁28と入水管13の間には逆流防止の逆止弁B28a、28bが設けられている。そして、給湯混合弁28にて最適温度となった温水が、給湯管14を介して、蛇口18やシャワー19に給湯される。
29は風呂注湯混合弁であり、同じく元混合弁25を通過した温水と、入水管13から供給される水道水とを混合し、適切な給湯温度を得、風呂30に注湯する弁であり、風呂注湯混合弁29と入水管13の間には逆流防止の逆止弁C29bが設けられている。風呂注湯混合弁29にて最適温度となった温水が、風呂注湯管31を介し、逆流防止弁32を通過して、風呂30に注湯され、風呂に湯を注水することになる。
15は風呂熱交換器であり、風呂注湯混合弁29から風呂30へとお湯が向かう際に通過することになる。風呂熱交換器15は、風呂30内のお湯を追炊きする際に用いる熱交換器であり、風呂30から、浴槽出湯管31を介して、風呂循環水ポンプ16で風呂からお湯を引き込み、そのお湯と、貯湯タンク11から追炊きポンプ32で引き込んだ貯湯タンク11内の高温水とを熱交換して、浴槽入湯管33で風呂へ戻すことにより、風呂30の温度を一定に保つ保温運転や、風呂30の湯量を足さなくても湯温を上昇させる追炊き運転を行う。つまり、風呂熱交換器15は、水−水熱交換器となっているわけである。
また、34aは入水流量計であり、入水流量を測定する計器であり、給湯流量計34bは給湯流量を測定する計器である。排出弁35は、寒冷地等にて長期間使用しない場合に、凍結防止等でタンク内の水を抜くために用いる弁であり、制御弁36は入水流量を制御する弁である。35aは貯湯タンク11の圧力逃がし弁、35bは貯湯タンク11の缶体保護弁である。
また、制御装置17は、冷媒循環回路の高圧側の冷媒温度を検出し、その温度の高低から冷媒循環回路の立ち上がり状態を判定し、元混合弁25や給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29の開度を制御する手段である。
これらの部品を本体ユニット内に配したのが図1の概略斜視図であり、図3の内観図である。図3は平面内観図であり、図1、図2と同じく、本体ユニット1内には、冷媒循環回路2と給湯サイクル3が一体に収納して構成されており、この冷媒循環回路2は、本体ユニット1の略左中央に縦置き形の圧縮機4、放熱器5、減圧手段である例えば電動膨張弁6とが近接して配設してある。そして、蒸発器である空気−冷媒熱交換器8は、本体ユニット1の左方に略L字状に構成されて配されており、空気−冷媒熱交換器8の内方には、送風手段である送風ファン9があり、この送風ファン9はファン支持板37に固定されている。送風ファン9の周囲には、ベルマウス38があり、送風量を十分に確保できるようにしてある。送風ファン9と圧縮機4の間には隔壁である仕切板7がある。
太目の矢印で記載しているように、送風ファン9で吸引された空気は、L字状の空気−冷媒熱交換器6の後方、左方から引き込まれて、空気−冷媒熱交換器8で熱交換を行い、熱交換され、吸熱された空気は、送風ファン9を通過して、本体ユニット1の前方に排出されるようになっている。また、空気−冷媒熱交換器6の右方にある圧縮機4、放熱器5、減圧手段6とは冷媒配管で接続されており、圧縮機4、放熱器5、減圧手段である電動膨張弁6、空気−冷媒熱交換器8が冷媒配管で環状に結ばれて、冷媒循環回路2を構成している。水−冷媒熱交換器10は放熱器5と一体形状となっており、圧縮機4の後方に配されている。圧縮機4の前方には、風呂循環水ポンプ16があり、風呂循環水ポンプ16の上方に記載はされていないが、追い炊きポンプ19が配されている。
本体ユニット1の右方には、貯湯タンク11が横長状に配されており、その前方には給湯サイクル3がある。貯湯タンク11の前方には、入水管13、給湯管14をつなぐための、配管ベース39がある。
以下、図面に基づいて、上記ヒートポンプ給湯機の動作を説明する。
圧縮機4を運転すると、高圧まで圧縮されて吐出された冷媒は、放熱器5(水−冷媒熱交換器10)に送られ、水道水供給管13を通ってきた水道水と熱交換して放熱する。これにより、貯湯管24、元混合弁25に流れる水道水は高温に加熱される。放熱器5(水-冷媒熱交換器10)から流出する冷媒は、減圧手段6にて減圧膨張され、蒸発器(空気−冷媒熱交換器)8に送られ、送風ファン9にて送られた空気と熱交換して、蒸発器(空気−冷媒熱交換器)8を通過する間に、蒸発してガス化する。このガス化した冷媒は、再度圧縮機4に吸入され、再度圧縮される過程を繰り返し、徐々に加熱された水道水は、給湯管24、元混合弁25を通り、蛇口18、シャワー19に給湯したり、風呂30に注湯をおこなったりする。
そして、冷媒サイクル2は立ち上がりが遅く、速湯性に劣っているため、貯湯タンク11によってその立ち上がりの悪さを補っている。すなわち、冷媒サイクル2が立上り、所定の給湯温度となるまでの間は、高温に保たれた貯湯タンク11からタンク給湯管11aを通過してきた温水と、まだ立ち上がっていない水−冷媒熱交換器10を通過してきた水(徐々に温度が上がり高温となる水)とを、元混合弁25で混合し、さらに給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29で入水管13を通ってきた水道水と混合して、所定の温度の給湯あるいは注湯を行う。
次に冷媒サイクルが立ち上がってくると、元混合弁25の開度を調整し、貯湯タンク11からの高温の温水と、水−冷媒熱交換器10からの温水を適温に混合し、給湯混合弁2
8や、風呂注湯混合弁29に送り、給湯混合弁28や風呂注湯混合弁29で入水管13を通ってきた水道水と混合して給湯する。
8や、風呂注湯混合弁29に送り、給湯混合弁28や風呂注湯混合弁29で入水管13を通ってきた水道水と混合して給湯する。
最終的には、元混合弁25の開度を調整して、タンク給湯管11a側を閉じて、貯湯タンク11からタンク給湯管11aを通過してきた温水は用いず、入水管13、水道水供給管22を通ってきた水道水を冷媒サイクル2の水−冷媒熱交換器10で加熱して得た温水を、元混合弁25を介して、給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29へ送り、入水管13を通ってきた水道水と、混合し、所定の温度を得て、蛇口18、シャワー19への給湯や、風呂30への注湯を行う。即ち、制御装置17によって、冷媒サイクル2の立ち上がり状態を把握し、元混合弁25や給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29の開度を調整し、所定温度の温水を給湯端末に供給する制御が行われる。
また、使用者が、蛇口18、シャワー19を閉じるか、あるいは風呂30に適量のお湯が溜まって給湯する必要がなくなると、水ポンプ20を駆動させ、三方弁25を開き、次回の給湯運転のために、貯湯タンク11に高温の温水を貯湯する貯湯運転が行われる。
このように冷媒サイクル2の立ち上がり状態に応じて、貯湯タンク11に貯めた温水を用いて給湯端末(蛇口18、シャワー19、風呂30)へ給湯、注湯したり、貯湯タンク11を介さずに水−冷媒熱交換器10で加熱して得た温水を給湯端末へ直接給湯したりすることができる構成としている。これにより本実施の形態では、リアルタイム給湯を可能とし、使用者が給湯したいときに給湯ができる速湯性能を確保することができ、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供することができる。換言すれば、この速湯性能の確保によって、貯湯タンク11の容量を貯湯式のヒートポンプ給湯機のそれよりも小さいものとすることができ、設置性の大幅な向上、コストダウン、使用性の向上を実現できることにもなる。
この際に、本実施の形態のヒートポンプ給湯機では、圧縮機4、放熱器5(水−冷媒熱交換器10)、減圧手段6、空気−冷媒熱交換器8を順次接続して閉回路を構成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路のうち、空気−冷媒熱交換器を除くものを本体ユニット1の左方に配し、合わせて、貯湯タンク11、給湯回路12、風呂循環水ポンプ18などの給湯部品も本体ユニットの右方に配して、低背で横長な形状としている。そのため、集合住宅などのバルコニーに吊下げることが可能となり、居住者が利用するバルコニー部分には本体を設置する必要がなくなり、居住性に優れた、使用性の良いヒートポンプ給湯機とすることが可能となる。
特に、マンションの中で、給湯配管などの配管類を天井内に配設する方式のものもあるが、この場合、天井を通って来た配管をバルコニーの上方でヒートポンプ給湯機とつなぐことが可能となり、配管が屋外に露出してエクステリアを損ねるようなことを避けることが可能となる。また、ヒートポンプ給湯機からの騒音に関しても上方に配していることにより、生活域での騒音を提言することが可能となる。また、騒音源でもある送風ファンからの風が、居住者の体に当たるようなことがなくなり、不快感を与えることもなくなるなど、集合住宅に設置しても、居住性を損なわないで使用可能な、コンパクトで、低コストで、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供できる。
また、バルコニーに設置することを想定すれば、横方向の長さはバルコニーの幅まで広げることも可能であり、例えば。蒸発器である空気−冷媒熱交換器8を大きくすれば、給湯運転の際に、自立運転が可能で、湯切れの生じないヒートポンプ給湯機とすることができるし、貯湯タンク11を横方向大きくすれば、貯湯タンク11からの湯を給湯、貯湯に流すことが可能な量が増えるために、同じく湯切れすることがなくなり、使い勝手の良い、ヒートポンプ給湯機とすることができる。また、蒸発器を大きくしても、送風風量を変
えないように、送風ファン9の回転数を落してやれば、低騒音のヒートポンプ給湯機とすることも可能である。
えないように、送風ファン9の回転数を落してやれば、低騒音のヒートポンプ給湯機とすることも可能である。
また、戸建て住宅に設置する際も同じことが可能であるし、戸建て住宅で屋外スペースに余裕があれば、地面直上にたたきを作り、その上に載置することにより、低背のために外部からヒートポンプ給湯機が見えなくなり、エクステリア性を損ねることがなくなる。
加えて、運転に関して言えば、水−冷媒熱交換器10で暖められた水道水は、貯湯タンク11に給湯されるとともに、貯湯タンク11を介さずに、蛇口18やシャワー19や浴槽30に直接給湯するようにしたものであり、水−冷媒熱交換器8で暖められた水道水は、貯湯タンク11に給湯することができるとともに、一方で貯湯タンク11を介さずに蛇口18などに直接通水されるので、速湯性に優れ、使い勝手が良く、湯切れの心配もないヒートポンプ給湯機を提供することができる。また、運転立ち上がり当初は貯湯タンク11から給湯し、圧縮機4が最適運転周波数になった後には、ダイレクトに給湯するという瞬間湯沸かし型のヒートポンプ給湯機とすることが可能となる。
(実施の形態2)
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の斜視図である。付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
図4は、本発明の第2の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の斜視図である。付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
図4において、本体ユニット1の高さ(A)と横幅(B)、奥行き(C)の比を、高さと横幅の比は、高さ1に対し横幅2以上(2A以上)、高さと奥行きの比は、高さ1に対して奥行き0.8〜1.2(0.8A〜1.2A)の、横長、低背形状としたものであり、これは第1の発明の形態をとることにより実現できるものである。この形態によれば、バルコニーに吊下げた際に、その高さが高くて、バルコニー下方へ出てしまい、居住者の頭に触れるような危険な状態になることを避けることが可能となる。
また、バルコニーの横寸法は、4m以上あるのが多いので、その幅の中に収めることができれば、大きさの制約は受けないこととなる。そのため、上記のような高さと横幅の比としておれば、使用上、設置上問題はないし、この発明のヒートポンプ給湯機であれば、そのような横幅比で設計することは容易となる。
(実施の形態3)
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の平面内観図であり、付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
図5は、本発明の第3の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の平面内観図であり、付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
図1、図2と同じく、本体ユニット1内には、冷媒循環回路2と給湯サイクル3が一体に収納して構成されており、この冷媒循環回路2は、本体ユニット1の略左中央に縦置き形の圧縮機4、放熱器5、減圧手段である例えば電動膨張弁6とが近接して配設してある。そして、蒸発器である空気−冷媒熱交換器8は、本体ユニット1の左方に略L字状に構成されて配されており、空気−冷媒熱交換器8の内方には、送風手段である送風ファン9aと9bが横方向に配されている。右側の送風ファン9bと圧縮機4の間には隔壁である仕切板7がある。
太目の矢印で記載しているように、送風ファン9で吸引された空気は、L字状の空気−冷媒熱交換器6の後方、左方から引き込まれて、空気−冷媒熱交換器8で熱交換を行い、熱交換され、吸熱された空気は、送風ファン9を通過して、本体ユニット1の前方に排出されるようになっている。
送風ファンを横方向9a、9bと二つあるいはそれ以上に複数個並べてものであり、本
体ユニット1の背を低くしつつ、横方向に大きくすることにより、蒸発能力を高めることが可能であり、ヒートポンプ加熱能力を向上することが可能となる。形状としては低背を守りつつ、コンパクトは形状は変える必要がないので、バルコニーに吊下げる形態を想定しても、バルコニーの幅まで横寸法を大きくしたとしても、居住性を損ねることはなく、その分蒸発能力を大きくすることにより、電気代の削減や、送風手段から発せられる騒音を低減することが可能となる。
体ユニット1の背を低くしつつ、横方向に大きくすることにより、蒸発能力を高めることが可能であり、ヒートポンプ加熱能力を向上することが可能となる。形状としては低背を守りつつ、コンパクトは形状は変える必要がないので、バルコニーに吊下げる形態を想定しても、バルコニーの幅まで横寸法を大きくしたとしても、居住性を損ねることはなく、その分蒸発能力を大きくすることにより、電気代の削減や、送風手段から発せられる騒音を低減することが可能となる。
(実施の形態4)
図6は、本発明の第4の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の平面内観図であり、付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。図1、図2と同じく、本体ユニット1内には、冷媒循環回路2と給湯サイクル3が一体に収納して構成されており、本体ユニット1の左方には略コの字状に構成されて配された空気−冷媒熱交換器8が設けられており、その空気−冷媒熱交換器8の内方には送風手段である送風ファン9が配されている。送風ファン9と圧縮機4の間には隔壁である仕切板7が斜めに配されている。
図6は、本発明の第4の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機の平面内観図であり、付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。図1、図2と同じく、本体ユニット1内には、冷媒循環回路2と給湯サイクル3が一体に収納して構成されており、本体ユニット1の左方には略コの字状に構成されて配された空気−冷媒熱交換器8が設けられており、その空気−冷媒熱交換器8の内方には送風手段である送風ファン9が配されている。送風ファン9と圧縮機4の間には隔壁である仕切板7が斜めに配されている。
この形状であれば空気−冷媒熱交換器8を本体ユニット1の上面からみて略コの字状に構成することにより、空気−冷媒熱交換器8の面積を本体ユニット1に比して大きくすることができ、蒸発面積が大きくなり、ひいてはヒートポンプ能力、加熱能力を高めることが可能となる。
給湯に際しては、冷媒循環回路2の立ち上がり状態に応じて、貯湯タンク11に貯めた温水を用いて給湯端末へ給湯したり、貯湯タンク11を介さずに水−冷媒熱交換器8で加熱して得た温水を給湯端末へ直接給湯したりすることができる構成としていので、加熱能力が大きいことは、その分貯湯タンク11を小さくすることができ、主として高さ方向を縮小化が可能となり、さらなるコンパクト化を図ることが可能となる。
(実施の形態5)
図3、図5、図6に書いているヒートポンプ給湯機の平面内観図で、本発明の第5の実施の形態を説明する。付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
図3、図5、図6に書いているヒートポンプ給湯機の平面内観図で、本発明の第5の実施の形態を説明する。付与している番号に付いては、第1の実施の形態と同一である。
第5の発明は、貯湯タンクと対面する本体ユニット後方に外方向へ張り出す凸部40を設けたものであり、それにより貯湯タンクは本体ユニット1の外郭より後方まで延伸することができ、貯湯タンク11前方のスペースに、給湯サイクル2の部品を配置でき、空間を有効に活用することにより、コンパクト化を図ることができる。
第1の実施の形態、第3の実施の形態、第4の実施の形態で示したように、左側方にある空気−冷媒熱交換器8は後方および右側方から空気を吸引する。そのためには、後方に空気を入れるための間隙が必要であり、その間隙をどの程度にするかは、設置の際に考慮しなくてはならない。
そのため、このような背面に凸部40があったとしても、設置スペースに制約とはならない。むしろ、その寸法を決め込むのに、この凸部40を利用して、凸部が接するまで近づけても、性能面では問題がないとすれば、スペースを取らなかったために性能が出ないなどといった誤設置による性能ダウンを防ぐことができ、設置性の向上につながる。
(実施の形態6)
図7は、本発明の第6の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機を設置した状態を示しており、集合住宅のバルコニー41に吊下げた図である。集合住宅の階高は3m程度であり、居室の天井高さは2.1m以上となっており、この間に勾配を設けた水関係の配管を通す場合、いわゆる天井配管のものがある。
図7は、本発明の第6の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機を設置した状態を示しており、集合住宅のバルコニー41に吊下げた図である。集合住宅の階高は3m程度であり、居室の天井高さは2.1m以上となっており、この間に勾配を設けた水関係の配管を通す場合、いわゆる天井配管のものがある。
この場合、天井の上を通ってきた配管42は、そのままバルコニー41の下方に吊下げた本体ユニット1に接続することが可能となる。そのため、施工に際して配管の保形などの作業が不要となり、作業性が向上する。また、配管が屋外に露出する部分を少なくすることが可能となり、屋外から見た際のエクステリア性を向上することができる。
また、ヒートポンプ給湯機から騒音が出ていても、その騒音源は上方にあり、居住空間から離れることとなるので、実聴的に問題とならないようにすることが可能となる。また、屋内に騒音が侵入する際も、天井裏が接しており、居住空間とは離れているので、騒音が気にならなくなる。
さらに、送風ファン9からの風が、バルコニー41にいる人に当たることがなく、居住者に不快感を与えることもなくなる。また、バルコニー41を広く使えることは、バルコニーに避難する際にじゃまになるようなものは置かないことが可能であり、建築基準法でうたわれている2方向避難の基準(一般的に建物を設計する際に2方向に避難経路が必要であり、マンションでは玄関から廊下という避難経路と窓からバルコニーを通り戸境壁43を破り、隣の住居に行くという2つの避難経路を設けている)を守ることにも容易に可能となる。そのため安全性が向上することとなる。
集合住宅に、ヒートポンプ給湯機が中々普及しない大きな要因の一つは。その設置場所が問題となるという面である。それに対して。このように、バルコニー41に吊下げれば、その居住性を損ねないと言う事で、ヒートポンプ給湯機普及の切り札のひとつになるといえる。
(実施の形態7)
本発明の第7の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、水−冷媒熱交換器10で暖められた温水は、最初は、高温な温水を貯めている貯湯タンク11内の温水と、水道水を混ぜて、給湯、貯湯を行うが、冷媒サイクルが立ちあがった後は、元混合弁25の開度を調整し、貯湯タンク11からの高温の温水と、水−冷媒熱交換器10からの温水を適温に混合し、給湯混合弁28や、風呂注湯混合弁29に送り、給湯混合弁28や風呂注湯混合弁29で入水管13を通ってきた水道水と混合して給湯、貯湯する。
本発明の第7の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、水−冷媒熱交換器10で暖められた温水は、最初は、高温な温水を貯めている貯湯タンク11内の温水と、水道水を混ぜて、給湯、貯湯を行うが、冷媒サイクルが立ちあがった後は、元混合弁25の開度を調整し、貯湯タンク11からの高温の温水と、水−冷媒熱交換器10からの温水を適温に混合し、給湯混合弁28や、風呂注湯混合弁29に送り、給湯混合弁28や風呂注湯混合弁29で入水管13を通ってきた水道水と混合して給湯、貯湯する。
そして、最終的には、元混合弁25の開度を調整して、タンク給湯管11a側を閉じて、貯湯タンク11からの温水は用いず、入水管13、水道水供給管22を通ってきた水道水を冷媒サイクル2の水−冷媒熱交換器10で加熱して得た温水を、元混合弁31を介して、給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29へ送り、入水管13を通ってきた水道水と、混合し、所定の温度を得て、蛇口18、シャワー19への給湯や、風呂30への注湯を行う。即ち、制御装置17によって、冷媒サイクル2の立ち上がり状態を把握し、元混合弁25や給湯混合弁28、風呂注湯混合弁29の開度を調整し、所定温度の温水を給湯端末に供給する制御が行われる。
このように貯湯手段である貯湯タンク11を介さないで、給湯、貯湯するようなりアルタイム給湯を可能とし、使用者が給湯したいときに給湯ができる速湯性能を確保することができ、使い勝手の良いヒートポンプ給湯機を提供することができる。この速湯性能の確保によって、貯湯タンク11の容量を貯湯式のヒートポンプ給湯機のそれよりも小さいものとすることができ、本体ユニット1のコンパクト化、ひいては設置性の大幅な向上、コストダウン、使用性の向上を実現できることにもなる。
(実施の形態8)
本発明の第8の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、特に第1の発明のヒートポ
ンプ給湯機を、冷媒として炭酸ガスを用いて構成したものであり、高温給湯の際の熱効率を高めるとともに、冷媒が外部に漏れても、地球温暖化に及ぼす影響を、一般的エアコンに用いられているR−410Aの冷媒に比して大幅に低減することができ、環境に優しく、リサイクル性にも優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
本発明の第8の実施の形態におけるヒートポンプ給湯機は、特に第1の発明のヒートポ
ンプ給湯機を、冷媒として炭酸ガスを用いて構成したものであり、高温給湯の際の熱効率を高めるとともに、冷媒が外部に漏れても、地球温暖化に及ぼす影響を、一般的エアコンに用いられているR−410Aの冷媒に比して大幅に低減することができ、環境に優しく、リサイクル性にも優れたヒートポンプ給湯機とすることができる。
以上のように、本発明は、ヒートポンプサイクルで温水を生成して給湯するヒートポンプ給湯機に適用され、例えば、家庭用の瞬間湯沸し器や、業務用の給湯装置などに適している。
1 本体ユニット(筐体)
2 冷媒循環回路
3 給湯サイクル
4 圧縮機
5 放熱器
6 減圧手段
7 仕切板
8 蒸発器(空気−冷媒熱交換器)
9 送風手段(送風ファン)
10 水−冷媒熱交換器
11 貯湯手段(貯湯タンク)
40 凸部
2 冷媒循環回路
3 給湯サイクル
4 圧縮機
5 放熱器
6 減圧手段
7 仕切板
8 蒸発器(空気−冷媒熱交換器)
9 送風手段(送風ファン)
10 水−冷媒熱交換器
11 貯湯手段(貯湯タンク)
40 凸部
Claims (8)
- 圧縮機、放熱器、減圧手段および空気−冷媒熱交換器を順次接続して形成し、冷媒を循環させる冷媒循環回路と、前記放熱器と熱交換を行う水−冷媒熱交換器と、前記水−冷媒熱交換器と接続され、前記水−冷媒熱交換器で加熱された温水を貯湯する貯湯手段と、これらを収納する筐体とを備え、前記空気−冷媒熱交換器を前記筐体内の一端側に配設するとともに、他端側には貯湯手段を、縦方向の長さより、横方向の長さを長くなるような形態で配設したことを特徴とするヒートポンプ給湯機。
- 筐体の高さと横幅、奥行きの比を、高さと横幅の比は、高さ1に対し横幅2以上、高さと奥行きの比は、高さ1に対して奥行き0.8〜1.2の、横長、低背形状としたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ給湯機。
- 空気−冷媒熱交換器に送風する送風手段を備え、前記送風手段を、横方向に複数個並べて設けたことを特徴とする請求項1または2記載のヒートポンプ給湯機。
- 筐体内の略中央部に圧縮機を配設するとともに、空気−冷媒熱交換器を前記筐体の上面側からみて略コの字状に構成し、前記空気−冷媒熱交換器と前記圧縮機の間には、空気上流側に向かって拡がる傾斜部を有する仕切板を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 筐体内の貯湯手段と対向する部位は、外方向へ突出する凸部形状としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 筐体を、集合住宅のバルコニーに吊下げて設置する構成としたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 水−冷媒熱交換器で加熱された温水は、貯湯手段に貯湯されるとともに、前記貯湯手段を介さずに給湯端末へ直接通水できるように構成したことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
- 冷媒として炭酸ガスを用いたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のヒートポンプ給湯機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005149057A JP2006329443A (ja) | 2005-05-23 | 2005-05-23 | ヒートポンプ給湯機 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009198121A (ja) * | 2008-02-22 | 2009-09-03 | Daikin Ind Ltd | 熱源ユニットと、その熱源ユニットを備えた給湯機及びその熱源ユニットを備えた空気調和機 |
JP2009216261A (ja) * | 2008-03-07 | 2009-09-24 | Daikin Ind Ltd | ヒートポンプ式給湯機 |
-
2005
- 2005-05-23 JP JP2005149057A patent/JP2006329443A/ja active Pending
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