JP2010006973A - 食品食器用洗剤 - Google Patents
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Abstract
【構成】20mass%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤を主要組成とする。界面活性剤以外の補助組成物として、pHを6.0〜8.0の中性領域に調整するpH調整剤が含有され、その他の補助組成物を含む全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成されている。更に、洗剤組成がドレイズ(Draize)法による皮膚刺激インデックス(P.I.I.)が1.0以下である。
【選択図】図1
Description
本発明の第1の形態は、20mass%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤と、pHを6.0〜8.0の中性領域に調整するpH調整剤を少なくとも含有し、全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成され、ドレイズ法による皮膚刺激インデックス(P.I.I.)が1.0以下である食品食器用洗剤である。ここで、皮膚刺激インデックス(P.I.I.:Primary irritation index)は化学品の皮膚障害の度合いを表す指数であり、P.I.I.値が1.0以下であることは低刺激性を表す。
O
‖
R−C−O−〔CH2−CH−CH2−O〕n−H ・・・(1)
|
OH
本発明においては、脂肪酸のアルキル基Rが炭素数6〜22、望ましくは8〜14で、ポリグリセリンの重合度nが2〜14、望ましくは8〜12のポリグリセリン脂肪酸エステルを使用することができる。
HLB=7+Σ(親水基の個数)−Σ(親油基の個数)
このHLB値によれば、水性のものは20、最も親油のものは1となる。
前記第3の形態に係る洗剤組成によれば、前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB値が10〜16の値(好ましくは、12〜14)であるので、親油性を抑えて油汚れの洗浄力に優れた界面活性剤からなる洗剤を実現することができる。
(実施例)
ポリグリセリン脂肪酸エステル(界面活性剤) 30mass%
エチルアルコール(保存・防腐剤) 5mass%
グリセリン(安定化剤) 5mass%
クエン酸三ナトリウム(pH調整剤) 0.5mass%
精製水 59.5mass%
(比較例1)
ショ糖エステル (界面活性剤) 30mass%
エチルアルコール(保存・防腐剤) 5mass%
グリセリン(安定化剤) 5mass%
クエン酸三ナトリウム(pH調整剤) 0.5mass%
精製水 59.5mass%
比較例1は、界面活性剤としてショ糖エステルを使用した場合であり、各組成の配合比率は上記実施例と同じである。
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム (界面活性剤) 30mass%
エチルアルコール(保存・防腐剤) 5mass%
グリセリン(安定化剤) 5mass%
クエン酸三ナトリウム(pH調整剤) 0.5mass%
精製水 59.5mass%
比較例2は、界面活性剤としてアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムを使用した場合であり、各組成の配合比率は上記実施例と同じである。
ポリオキシアルエーテル(界面活性剤) 20mass%
アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム (界面活性剤) 18mass%
アルキルアミンオキシド(界面活性剤) 5mass%
アルコール(保存・防腐剤) 1mass%
安息香酸ナトリウム(pH調整剤) 0.5mass%
精製水 56.5mass%
比較例3は、界面活性剤としてポリオキシアルエーテルとアルキルエーテル硫酸エステルナトリウムとアルキルアミンオキシドの混合物を合計43mass%含有させた場合であり、各補助組成物の種別ないし配合比率は上記実施例と異なる。比較例2及び3は、市販の洗剤の組成と同等あるいは近似したものである。
性能試験は、皮膚刺激インデックス(P.I.I.)及び洗浄力について行い、前者のP.I.I.はDraize法(ドレイズ法と云う)に基づき求め、後者の洗浄力については、皿洗い試験とリーナツ法による洗浄力試験を行った。
図1の皿洗い試験結果によれば、比較例1は他の洗剤と比較して半分程度の枚数を洗浄するにとどまっており、洗浄力が劣ることがわかる。本実施例の洗剤は、皿洗い試験に関し、他の市販品(比較例2,3)と同程度の洗浄枚数(16枚)を示している。
図1のリーナツ法による試験結果によれば、本実施例の洗剤は、他の市販品(比較例2,3)と同程度の洗浄効率(80%)を示している。
上記の皿洗い試験及びリーナツ法による洗浄力試験から、本実施例の洗剤は、市販品と同程度あるいはそれ以上の洗浄力を有することがわかる。
本実施形態におけるP.I.I.試験は、台所用洗剤の安全性評価の一環として、OECDガイドライン(短期毒性404)に準拠して、ウサギによる皮膚一次刺激性試験により行われた。
皮膚の観察は、被験物質を取り除いた1、24、48及び72時間後における貼付部位の反応を下記の基準に従って観察し、評点を求める。除去72時間においても反応が認められている場合には、反応が消失するまで観察し、最長除去14日後まで毎日観察する。その間に全例において皮膚反応の消失が認められればその日をもって実験終了とする。
A.虹斑と痂皮形成 評点
虹斑なし ・・・・・・・・・・ 0
ごく軽度の虹斑(やっと認められる程度)・・・・・・・・・・ 1
明らかな虹斑 ・・・・・・・・・・ 2
中等度から強度の虹斑 ・・・・・・・・・・ 3
深虹色の強い虹斑から軽い痂皮形成(障害は深部に)・・・・・ 4
B.浮腫形成 評点
浮腫なし ・・・・・・・・・・ 0
ごく軽度の浮腫(やっと認められる程度)・・・・・・・・・・ 1
軽度の浮腫(周囲と明らかに区別可能) ・・・・・・・・・・ 2
中等度の浮腫(1mm程盛り上がっている)・・・・・・・・・ 3
強い浮腫(1mm以上盛り上がり、周囲に広がる)・・・・・・ 4
虹斑と痂皮形成 浮腫形成
健常皮膚 健常皮膚
判定時間(hr) 1 48 1 48
評点 a b c d
被験物質の皮膚刺激性は個体平均値(平均P.I.I.)を算出して、下記の安全性区分により評価する。
安全性区分 平均P.I.I.値
無刺激物 0
弱い刺激物 0<P.I.I.<2
中等度の刺激物 2≦P.I.I.<5
強い刺激物 ≧5
蛋白変性率(%)=((H0−Ht)/H0)×100
H0:緩衝液添加の蛋白質のピーク高さ
Ht:試験物質添加の蛋白質のピーク高さ
図6は、市販品の台所用洗剤との比較測定結果を示す。この蛋白変性試験においては、測定対象の各種台所用洗剤の使用濃度溶液1に対して上記蛋白質溶液を9の割合で混合したものを試験溶液とした。図6の横軸において、No.1〜6は市販品の各種台所用洗剤に対応し、No.7〜8は本実施例に対応する。No.1〜5はコンパクト型(濃縮)洗剤であり、洗剤濃度は、0.75ml/L、No.6は石鹸系洗剤であり、その洗剤濃度は5ml/Lである。No.7〜8の洗剤濃度は、それぞれ、0.75ml/L、1.5ml/Lである。本実施例に対応するNo.7〜8の蛋白変性率はいずれも1.0以下であり、市販品よりも、蛋白変性による肌荒れ等の影響がより少ないことが分かった。
Claims (4)
- 20mass%以上のポリグリセリン脂肪酸エステルからなる界面活性剤と、pHを6.0〜8.0の中性領域に調整するpH調整剤を少なくとも含有し、全成分が食品添加物及び/又は飲用品から構成され、ドレイズ法による皮膚刺激インデックス(P.I.I.)が1.0以下であることを特徴とする食品食器用洗剤。
- 蛋白質変性試験による蛋白変性率が2以下である請求項1に記載の食品食器用洗剤。
- 前記ポリグリセリン脂肪酸エステルのHLB(Hydrophile−Lipophile Balance)値が10〜16の値である請求項1又は2に記載の食品食器用洗剤。
- 前記飲用品は、精製飲用水及び/又は醸造アルコールである請求項1、2又は3に記載の食品食器用洗剤。
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