JP2010006579A - エレベーターの運転制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ICタグをペットと飼い主に具備させて、当該ICタグが対で検出されるか否かにより乗りかご扉の開閉を制御して、同一行動を担保していたが、エレベーターの定員などにより同一行動を取ることが出来ずに分離してエレベーターに乗る事態には対応できない問題が生じていた。
【解決手段】扉開動作後、扉に備えたICタグ検出器が、一団を成す組情報を有するICタグを検出すると、扉閉釦及び所定時間経過後に扉が閉となる、扉自動閉機能を無効化し、当該ICタグ検出器が検出した累積検出数と、前記一団を成す組を構成するICタグの総数が一致するときは、扉閉釦及び扉自動閉機能を有効化し、不一致のときは、扉閉釦を前記一団を成す組の構成員に押圧させて、一団を成す組の分離行動を可能にする。
【選択図】図1

Description

本発明は、乗りかご内に複数の乗客または荷物から成る一団を成す組の乗込み状況又は降りる状況を検出して、乗り場扉及びかご扉の開閉動作を制御するエレベーターの運転制御システムに関する。
エレベーターは、乗りかごが乗り場に着床して乗場扉及びかご扉(以下、総称するときは「扉」という)が開いた後に所定の時間が経過すると閉じ動作を開始する扉自動閉機能による制御が従来から行われていた。
しかしながら、上記扉自動閉機能による制御の場合、ペットを連れた飼主がエレベーターを使用する際に、上記のように所定の時間が経過し、扉が閉じ動作を行っている最中にペットがかごに飛び乗ったり、あるいはかごから飛び降りたりして飼主とペットがかご内と乗場に分かれる分離状態が生じると、飼主はかご内の非常停止釦を押す等して運転効率を悪化させる場合があった。
そこで、ペットとその飼い主とに対となるICタグ(Integrated Circuit Tag)を備え、かご内で対になっていないICタグが存在するか否かでドアの開閉を制御する技術が知られていた(特許文献1参照)。
特開2006−182556号
上記特許文献1に開示された扉の開閉制御は、ペットとその飼い主の様に紐で繋がれた場合であり、しかも対となるICタグも数が2とか3であるから、ペットとその飼い主が分離してエレベーターに乗ることは想定していないものである。
しかしながら、複数の構成員で構成される乗客の一団の組のときは、エレベーターの定員等の関係から常に一団となって同一行動をとることができない問題があった。
すなわち、
乗客の一団の組を構成する構成員は、はぐれないように全員が一度に乗りかごに乗ること、また、逆に降りる場合も、一団の組の構成員全員が一度に降りる同一行動を望む場合が多い。
しかしながら、エレベーターには定員が存在し、さらに他の利用客も存在するため、利用客の一団の組を構成する構成員が同一のエレベーターに乗ることが困難な場合が生じ、その場合は一団の組を構成する構成員は分離してエレベーターに乗ることとなるが、前記特許文献1に示される技術では、利用客の組を構成する一団の構成員が分離してエレベーターに乗る事態は想定していないから、当該事態に対処できない問題があった。
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、一団を成す組の構成員間、構成員と荷物等の構成体から成る一団を成す組のエレベーターの乗降状態の検出を非接触で確実に行い、一団を成す組の全構成員、構成体が乗りかごに乗ったこと、または乗りかごから降りたこと、又は分離して乗ったことを判断して、扉の閉動作を行うエレベーターの運転制御システムを提供することを目的とする。
乗りかごが停止して、扉に備えたICタグ検出器が初めて一団を成す組情報が記憶されているICタグを検出すると、扉閉釦、扉自動閉機能を無効化し、ICタグ検出器が検出したICタグの検出数と、前記組情報に記憶されているICタグの総数との一致、不一致を判定し、一致のときは、前記扉閉釦及び所定時間経過後に扉が閉となる、扉自動閉機能を有効化し、不一致のときは、扉閉釦を前記一団を成す組の構成員に押圧させて、一団を為す組の分離行動を可能にさせる。
本発明によれば、一団を成す組の構成員、構成体全てが乗りかご内に存在する場合のみならず、前記構成員、構成体が分離してエレベーター利用可能となるものであるから、全員がエレベーターに乗り込めない場合でも速やかにエレベーターの運転が行え、エレベーターの運転効率が向上する効果を有する。
また、ICタグの情報として、一団を構成する数、一団を構成する構成員名、一団の名称、乗る階床、降りる階床等を登録記憶しておくと、分離してエレベーターに乗り込んだ先発組が降りた階におけるIC検出器の検出情報に基づいて、後発組に対して先発組が降りた階をアナウンスすることにより、はぐれることなく、また一団となって同一行動が可能となる効果を奏する。
また、一団を成す組の構成員が各々保持する携帯電話に前記ICタグを備えることにより、本発明を適用したエレベーターを利用する際に、より確実に乗客がICタグを保持する効果を奏する。
また、エレベーターが設けられている建物の入居者または案内者が着用するバッジまたは名札と、前記建物への来客が着用するバッジまたは名札とにそれぞれICタグを備えるようにすることにより、建物に不案内な来客が居住者または案内者からはぐれる恐れを低減する効果を奏する。
以下、本発明の第1乃至第4の実施形態について、図1乃至図7に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態におけるエレベーター全体構成図で、エレベーターの乗りかご1は、扉2、扉2に配設された、第1ICタグ検出器3が複数個設けられており、乗りかご1内には、扉閉釦6、その他の釦類等(図示せず)、及び第2ICタグ検出器4を備えたかご内操作盤5が配設されている。
また、乗りかご1の外側には信号処理装置7が配設され、当該信号処理装置7を介して前記検出器、釦類等の信号がエレベーター制御装置8に伝達される。
図2は、ICタグ内蔵カード9の例を示す図で、エレベーターが設置された建物の入居者、又は他のエレベーター利用者等で、一団となって行動をとることを希望する場合に所持するカードで、電磁誘導方式のパッシブタイプ(自ら電波を発しない)のICタグ(Integrated Circuit Tag)10を内蔵している。
図3は、ICタグ10の拡大図で、ICチップ10aと無線用アンテナ10bとを備え、無線用アンテナ10bは、ICタグ10の向きにかかわらず安定した受信性能を発揮する3軸アンテナで、前記前記第1、第2ICタグ検出器3、4との間で通信を行う。ICタグ10と第2ICタグ検出器4との間での通信可能な距離は、乗客が前記扉閉釦6を押圧出来る距離、例えば、腕を伸ばして押圧可能な60センチメートル程度以下の扉閉釦押圧可能距離に設定してある。
本発明の制御システムについて説明する。
任意の場所に設置されたICタグの登録装置(図示せず)を用いて登録された、一団を成す組の情報が記憶されているICタグ10を第1ICタグ検出器3が検出すると、ICタグに記憶されている情報、例えば、一団を構成する数、一団を構成する構成員名、一団の名称、乗る階床、降りる階床等の情報がエレベーター制御装置8に信号処理装置7を介して出力され、当該情報に基づいてエレベーター制御装置8は、所定時間経過後に扉を自動的に閉にする扉自動閉機能を無効化する。
次いで、所定時間、例えば、乗り降りして定員に達するとした場合に要するのに十分な時間経過後、エレベーター制御装置11は第1ICタグ検出器3が一団を成す組のICタグ10を全て検出したか否か判断し、全て検出したと判断したときは、扉を閉にする通常のエレベーター制御を行う。
一方、前記所定時間が経過しても第1ICタグ検出器3が一団を成す組のICタグ10を全て検出していないときは、当該一団を成す組の構成員に、扉閉釦を押圧するようにアナウンスすると共に、当該扉閉釦の押圧信号と第2ICタグ検出器のICタグ10検出信号とを監視し、前記両信号を同時に受信すると、当該一団を成す組の構成員によって扉閉釦が押圧されたと判断して通常の扉自動閉機能に基づいて扉を閉にして通常のエレベーター制御を行う。
エレベーターから降りる場合について以下、説明する。
一団を成す組の構成員全てがエレベーターに乗り込めたものの、目的階に達する前に、エレベーターの乗降の都合上、一団を成す組の構成員の一部がエレベーターから一旦降りて、再度乗り込む際に、乗り込めない事態が生じたときは前記「分離」と同様に制御し、また再度全員乗り込めたときは前記ICタグを全て検出したときと同様のエレベーター制御となる。
また、目的階に到着し、一団を成す組が降りるときは、ICタグ検出器が一団を成す組の全てのICタグを検出するまで、扉閉釦6、自動扉閉機能を無効化する。
図4は本発明の制御動作を示すフローチャートで、当該フローチャートに基づいて本発明の制御システムを詳細に説明する。
乗りかごが乗場に至ると乗りかごを停止させて(ステップS1)、扉開動作制御を行い(ステップS2)、当該扉が開状態において、IC検出装置3が一団を成す組としてのICタグを初めて検出すると(ステップS3)、ICタグに記憶されている、一団を構成する数、及び一団を構成する構成員名、一団の名称、乗る階床、降りる階床等の情報を取得すると共に、扉閉釦および扉を自動的に閉にする扉自動閉機能を無効化(ステップS4)して、ステップS5に進む。
一方、ステップS3において、IC検出装置3が一団を成す組のICタグを検出しないときは、扉閉釦6および扉自動閉機能は無効化されていないので、ステップS10に進んで所定時間経過、又は扉閉釦6が押圧されるまで待機する。
扉開動作(ステップS2)から所定の時間、例えば、乗り降りして定員に達するとした場合に要するのに十分な時間が経過したときに(ステップS5)、前記、一団を成す組のICタグ全てをIC検出装置3が検出したか、すなわち、前記一団を成す構成員が全てエレベーターに乗り込んだか否か判定し(ステップS6)、全て乗り込んだとの判定のときは、ステップS9に進んで、扉閉釦および扉自動閉機能を有効化する。
また、ステップS6において、全て乗り込んではいないと判定のときは、一団を成す組の構成員に扉閉釦の押圧を促すアナウンスを行う(ステップS7)。
次いで、アナウンスを聞いた一団を成す組の構成員が扉閉釦6を押圧したことを検出すると、扉閉釦6および自動扉閉機能を有効化する(ステップS8〜ステップS9)。
ステップS9で自動扉閉機能が有効化されると、所定時間経過、又は扉閉釦押圧後、扉閉動作が開始され、扉閉動作が完了すると、乗りかごが昇降制御される(ステップS10〜ステップS13)。
なお、ステップS10において扉閉釦6の押圧を、ステップS8における扉閉釦6の長押し、又は押圧と兼用させても良い。
上記第1の実施形態によれば次の効果を奏する。
一団を構成する組の構成員が定員オーバーにより全員が同一のエレベーターに乗り込めない場合、エレベーターの扉の閉動作は、当該構成員が扉閉釦を押圧しない限り行われないものであるから、分離行動となることを当該構成員が十分確認しているので、はぐれに対する対処を確実に行える効果を奏する。
ICタグに登録記憶する情報として、一団を構成する数、及び一団を構成する構成員名、一団の名称、乗る階床、降りる階床とすると、一団を成す組の構成員名情報と、第1IC検出器3が読み取った構成員のICタグに記憶されている組情報とから、はぐれている構成員が簡単に判別できる効果を奏し、さらに、降りる階床を案内アナウンスすることにより、降りる階床を誤る虞を防止できる効果を奏する。
また、一団を成す構成員と当該構成員の手荷物にICタグ10を装着すれば、乗り場または乗りかご内への荷物の置き忘れによる紛失や盗難を防止できる効果を奏する。
なお、一人の構成員と一個または複数個の手荷物との組で一団を構成する場合も、同様の効果を奏する。
また、ICタグを具備する一団を成す組の構成員全員をエレベーターの乗りかご1内に安全かつ確実に乗降させることが出来る効果を奏する。
前記第1の実施形態の変形例として、以下のようにしても良い。
前記実施形態においては、当該組情報に、乗る階床、降りる階床等の階床情報を含ませたが、当該階床情報を含ませなくとも良い。そのときは、一団を成す組が分離してエレベーターに乗り込む場合のエレベーター制御手段として、分離したことを示すフラグを立てて、当該フラグが立っているときは、先に乗り込んだ組が降りた階床を記憶し、後から乗り込んだ組に降りる階を一団を成す組の名を以てアナウンスしても良い。
すると、一団を成す組が分離してエレベーターに乗り込んでも、はぐれる虞がなくなる効果を奏する。
また、前記実施形態においては、一団を成す組を1組として説明したが、一団を成す組は複数存在しても良い。その場合、複数の一団を成す組が分離してエレベーターに乗り込む場合は、ステップS7で扉閉釦の押圧を促すアナウンスは、分離した一団の組全てに押圧を促すアナウンスとなる。
また、前記実施形態においては、無効化された扉閉釦及び自動扉閉機能を有効化する条件として、所定時間の経過としたが、荷重検出器による乗りかごの満員検出としても、また、両者を併用し、早く達成した方に基づいても良い。
すると、エレベーターのロス時間を無くして効率的にエレベーターの運転を行える。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。図5は、第2の実施形態におけるICタグ10の装着状況を示している。前記第1の実施形態における装着との違いは、特定の乗客がICタグ10を内蔵したカード9を所持する代わりに、ICタグ10を備えた携帯電話11を所持することである。このICタグ10は、購入済の携帯電話11の外面に単に貼り付けるようにすることも可能であり、必ずしも携帯電話業者と提携してシステムを構築する必要はない。
本実施形態によれば、通常の乗客がエレベーター乗車時にほぼ確実に所持していることが期待される携帯電話11にICタグ10を備えたので、一団の組の構成員全員に対してより高い確率でエレベーターの乗りかご1内に安全かつ確実に同乗させ、また乗りかご1から安全かつ確実に降りさせる制御を実行できるという効果がある。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。図6は、第3の実施形態におけるICタグ10の装着状況を示している。前記第1及び第2の実施形態との違いは、予め登録装置(図示せず)によって組として登録されたバッジ14を装着することである。
本実施形態によれば、例えばエレベーターを備えた建物の受付係員や前記建物に入居している会社の従業員が、自分と来客とに予め登録装置(図示せず)によって組として登録されたバッジ12を装着することにより、たとえエレベーターが混雑していても前記建物に不案内な来客をはぐれさせることなく、乗りかご1内に安全かつ確実に同乗させ、また乗りかご1から安全かつ確実に降りさせ案内することができる効果を有する。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。図7は、第4の実施形態におけるICタグ10の装着状況を示している。前記第1ないし第3の実施形態との違いは、予め登録装置12によって組として登録された名札13を装着することである。
本実施形態によれば、例えばエレベーターを備えた建物の受付係員や前記建物に入居している会社の従業員が、自分と来客とに予め登録装置12によって組として登録された名札13を装着することにより、本発明の第3の実施形態と同等の効果を奏する。
本発明におけるエレベーターの全体構成図 本発明におけるICタグ内蔵カードの例を示す図 本発明におけるICタグの詳細図 本発明におけるエレベーターの制御動作を示すフローチャート 本発明の第2の実施例になるICタグを装着した携帯電話の図 本発明の第3の実施例になるICタグを装着したバッジの図 本発明の第4の実施例になるICタグを装着した名札の図
符号の説明
1 乗りかご
2 扉
3 第1ICタグ検出器
4 第2ICタグ検出器
5 かご内操作盤
6 扉閉釦
7 信号処理装置
8 エレベーター制御装置
9 ICカード
10 ICタグ
10a ICチップ
10b 無線用アンテナ
11 携帯電話
12 バッジ
13 名札

Claims (5)

  1. 乗場に設けられた乗場呼び装置と、乗りかご内に設けられ、乗りかご扉閉装置、乗りかご扉開装置、行き先階登録装置、通話装置等を備えた操作盤と、前記装置等からの信号に基づいてエレベーターの運転を制御するエレベーター制御手段とを備えたエレベーターにおいて、
    乗りかご扉または乗場扉を通過すると、一団に関する組情報が記憶されているICタグを検出し、当該検出した組情報をエレベーター制御手段に出力する第1ICタグ検出器と、前記操作盤に設けられ、扉閉装置操作可能距離以下で、かつ、検出した前記組情報をエレベーター制御手段に出力する第2ICタグ検出器をさらに備え、
    前記第1ICタグ検出器が初めて一団を成す組情報を記憶するICタグを検出すると、前記エレベーター制御手段は、乗りかご扉閉装置及び、乗りかご扉自動閉機能を無効化し、第1ICタグ検出器が検出した、一団に関する組情報の内、一団を構成するICの総数と、第1ICタグ検出器が検出したICタグの累積数とを比較し、一致しているときは、前記乗りかご扉閉装置及び乗りかご扉自動閉機能を有効化し、不一致のときは、第2ICタグ検出器におけるICタグの検出信号を監視し、当該検出信号と扉閉装置の信号とを共に検出したときに、前記乗りかご扉閉装置及び乗りかご扉自動閉機能を有効化するエレベーターの運転制御システム。
  2. 前記組情報として、少なくとも一団を構成する数、一団を構成する構成員名、一団の名称、降りる階床を含む請求項1記載のエレベーターの運転制御システム。
  3. 前記不一致のときに、エレベーター制御手段は、一団を為す組の一部が降りた階床と、当該階床における第1ICタグ検出器の検出数を累積記憶し、前記総数に達するまで、前記一団を成す組の残余のICタグを検出すると、降りる階床の案内を行う、請求項1乃至2に記載のエレベーターの運転制御システム。
  4. 前記ICタグが、携帯電話に具備されている請求項1ないし2に記載のエレベーターの運転制御システム。
  5. 前記ICタグは、エレベーターが設けられている建物の案内者用のバッジまたは名札と、前記建物を訪れる来客用バッジまたは名札とに具備されている、請求項1乃至2に記載のエレベーターの運転制御システム。
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