JP2010006261A - 洗車機システム - Google Patents

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Abstract

【課題】複数台の洗車機が配置された洗車場において、ユーザーが希望する洗車モードを確実に実行可能な洗車機にユーザーを速やかに案内してユーザーの使い勝手を良好とすると共に、複数台の洗車機を効率よく運用可能とする洗車機システムを提供する。
【解決手段】一台のリモートパネル70を複数台の洗車機とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネルを介して、それぞれの洗車機が備える洗車モードを確認し、それぞれの洗車機の稼動状態を把握し、設定された洗車モードにより所定の洗車機を選定し駆動して洗車を行う構成の洗車機システムとした。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば給油所に設置され洗車に使用される洗車機に関し、特に、複数台の洗車機を効率よく運用することを可能とする洗車機システムに関する。
従来、給油所などに設置されている洗車機は、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両に貯液タンクに貯留された液剤や洗浄水を噴霧して洗車を行う構成とされている。また、液剤や洗浄水を噴霧しながらブラッシングして洗浄することや、洗浄後に風を吹き付けて乾燥することが行われている。
洗車の際に用いる液剤としては、各種のシャンプーやワックスやコート類が用いられており、被洗浄車両のタイプや表面塗層に適した各種液剤が提案されている。これらの各種液剤は、それぞれ専用の貯液タンクに貯留されており、タンク内に挿入されたチューブを介して、洗車工程の処理に応じて噴霧され消費されていく。また、複数の洗車モードから所望のモードを選択し、使用する液剤の種類を選択して所定の洗車モードに設定する操作パネルを備えている。この操作パネルは洗車機本体に配設しているが、洗車機本体から離れた位置にリモートパネルを設置して所定の設定操作を可能にしているものもある。
操作パネルやリモートパネルを備える従来の洗車機の一例について図4を用いて説明する。この洗車機WAは、複数のブラシを備える洗浄部材と、ブロワと複数の送風ノズルを備える乾燥部材とを一体に装着し、被洗浄車両CAを跨ぐように門型とされる洗車機本体1を備えた構成であり、被洗浄車両CAと洗車機本体1を前後方向に相対移動させながら、複数の貯液タンクに貯留された液剤をそれぞれ水により希釈して前記被洗浄車両へ噴霧して、前記被洗浄車両の洗車を行う。
例えば、洗車機本体1が、車輪3を介してレール2上に沿って走行移動する構成とし、被洗浄車両CAを、該被洗浄車両CAを跨ぐ門型とされる洗車機の左右一対のレール間の所定の位置に停車して、洗車機本体1に設置する操作パネル7もしくは洗車機本体1から離れた位置に設置するリモートパネル7Aに、所望の洗車モードを設定し、スタートボタンを操作して、洗車操作を開始する。
門型の洗車機本体1は、被洗浄車両CAを洗浄するブラシとして、例えば、被洗浄車両CAの上面を洗浄するトップブラシ4と、被洗浄車両CAの両側面と前後面を洗浄する左右一対のサイドブラシ5と、被洗浄車両CAの両側面下部を洗浄する左右一対のロッカーブラシ6を備えている。
また、ブラッシングの際に使用する洗浄水や各種液剤を噴霧する各種ノズルや各種液剤を貯液する貯液タンクを備えている。各種液剤を貯液する複数の貯液タンクは、洗車機本体1に設けられるタンク収納部50に収納されており、電磁式の開閉弁と副給水ホースを備える分配配管部51を介して各ノズルに分配している。液剤を噴霧するノズルとしては、例えば、第一浄水ノズル11、第一洗剤ノズル12、第二浄水ノズル13、撥水コートノズル14、第二洗剤ノズル15、ワックスノズル16などが配設されている。
さらに、乾燥のために、ブロワ20と該ブロワ20からの送風を吹き付ける昇降自在なトップ送風ノズル21と左右一対のサイド送風ノズル22を備えている。また、洗車機本体1に配設する操作パネル7、もしくは、洗車機本体1から離れた位置に設置するリモートパネル7Aを介して、洗車機WAの駆動条件を設定し、設定された条件に基づいて洗車機WAを駆動する構成としている。8は、被洗浄車両CAの有無および車高を検知するセンサであって、例えば、超音波を利用したソニックセンサが好適に用いられる。
操作パネル7やリモートパネル7Aには、水洗いモードや、洗剤を用いた洗浄モードや、ワックスを塗布するワックスモードや、撥水剤をコートとする撥水モードなどの各種洗車モードを選択する選択ボタンや、ブラシの回転数を制御するブラシ回転スイッチや、スタート・ストップボタンなどが設けられている。
また、洗車機本体1を、洗浄部材を備えた洗浄機本体と乾燥部材を備えた乾燥機本体との別体として、それぞれが、被洗浄車両CAを跨ぐように門型とされ、被洗浄車両CAと洗浄機本体と乾燥機本体とを前後方向に相対移動させながら、被洗浄車両CAの洗車を行う構成の洗車機も知られている。この構成であっても、各種ブラシと各種ノズルを備え、操作パネル7もしくはリモートパネル7Aを備えていることは同じである。
上記した従来の洗車機WAにおいては、一台の洗車機に一台の操作パネル7もしくはリモートパネル7Aが配設された1:1構成とされている。そのために、複数台の洗車機を備えた大型の洗車場では、それぞれの洗車機にそれぞれの操作パネル7もしくはリモートパネル7Aが配設されており、洗車を希望するユーザーは、空いている洗車機の前に停車して所定の洗車モードに設定し洗車機を操作するようにしている。しかし、複数台の洗車機にそれぞれ別個の操作パネルやリモートパネルを配設することは、コストアップとなり、管理も大変である。
また、有料のセルフタイプの洗車機の場合は、入金システムも個別に準備する必要があり、複数台の洗車機を設置するためには、複数の入金システムやリモートパネルを設置するスペースが必要となるので、洗車機の自由スペースをとるために、2機の有料洗車装置に共用できるようにした有料洗車装置の集金システムが既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平8−337155号公報
2台以上併設のドライブスルー型洗車機において、従来は洗車機一台にリモートパネルを一台必要としていた。リモートパネルの数が増えると、料金の回収ならびに売り上げデータ収集においても、それぞれのリモートパネルに対して行わなければならず、手間が掛かる一方、リモートパネル設置スペースも必要であり、コスト高となっていた。
さらに、ユーザーへの初期説明において、スタッフの人数もリモートパネルの数が多いとその分負担も大きくなっていた。また、リモートパネルが複数台ある場合、ユーザーが進入環境条件によって、一方の洗車機に洗車が偏る場合があり、満遍なく洗車機を駆動することが困難であった。
同じ仕様の2機の洗車機に1台のリモートパネルや入金システムを共用することで、洗車機のスペースを大きくすることは可能である。しかし、同じ仕様の複数台の洗車機が設置されている場合でも、これらの洗車機をどのような頻度で、どのような順番で使用するかは、管理者の経営判断にかかわる問題であって、複数台の洗車機が全て所望される頻度で使用されるものとは限らない。
また、洗車機の仕様としての下部洗浄や特殊ワックスなどのオプションは毎回選定されるものでなく、洗車に用いる各種洗剤やワックスや撥水コートなどの各種液剤が多様化している現状では、全ての洗車機を同一仕様に設定することは困難である。そのために、複数台の洗車機にそれぞれ異なる洗車モードを設定し、これらを効率よく組み合わせて使用することが好ましく、複数台の洗車機を備える洗車場においては、各ユーザーを、それぞれのユーザーが求める洗車モードを発揮する洗車機まで速やかに案内することが肝要となる。
そのために、単にリモートパネルや入金システムを共用することだけでは不十分であって、各洗車機のそれぞれの洗車モードと所望される洗車頻度に応じて、所定の適当な洗車機を選択して各ユーザーに報知し、各ユーザーを選択された所定の洗車機に速やかに案内する洗車機システムを構築することが好ましい。
また、一旦選択された洗車機の作動状況を見て、ユーザーが異なる洗車機を設定変更可能となる自由度を持たせることが好ましい。
本発明は、上記問題点に鑑み、複数台の洗車機が配置された洗車場において、ユーザーが希望する洗車モードを確実に実行可能な洗車機にユーザーを速やかに案内してユーザーの使い勝手を良好とすると共に、複数台の洗車機を効率よく運用可能とする洗車機システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、複数の貯液タンクに貯留された液剤をそれぞれ水により希釈して前記被洗浄車両へ噴霧して、前記被洗浄車両の洗車を行い複数の洗車モードを備える洗車機と、洗車モードを設定し設定された洗車モードに基づいて洗車機を駆動するリモートパネルを備える洗車機システムであって、一台のリモートパネルを複数台の洗車機とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネルを介して、それぞれの洗車機が備える洗車モードを確認し、それぞれの洗車機の稼動状態を把握し、設定された洗車モードにより所定の洗車機を選択して駆動する構成としたことを特徴としている。
この構成によると、一台のリモートパネルと複数台の洗車機とをそれぞれ通信可能に接続することで、一台のリモートパネルを介して複数台の洗車機を駆動する構成であっても、複数の洗車機のそれぞれの仕様と稼動状態を把握して、適当な洗車機を選択して駆動することができ、複数の洗車機を効率よく運用可能となる。また、一台のリモートパネルに所望の洗車モードを設定すれば所望の洗車を実行できるので、ユーザーにとっても使い勝手の良い洗車機システムとなる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記リモートパネルが、ユーザーが選択した洗車モードに応じた適当な洗車機を選択して該洗車機に所定の洗車モードを設定すると共に、選択した洗車機をユーザーに報知する表示手段を備えていることを特徴としている。この構成によると、ユーザーが希望する洗車モードが設定された洗車機を確認容易となり、ユーザーが求める洗車モードの洗車機までユーザーを速やかに案内することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、複数台の洗車機のそれぞれの洗車機本体に洗車モードを設定する操作パネルを設け、これらの操作パネルと前記リモートパネルとを通信可能に接続し、前記リモートパネルを介してそれぞれの操作パネルの洗車モードを設定可能としていると共に、前記リモートパネルからの指令がないときには、それぞれの操作パネルに洗車モードを独自に設定して洗車可能としていることを特徴としている。この構成によると、複数台の洗車機を一体的に制御して運用することも、それぞれの洗車機を独自に使用することも可能となり、管理者の要望に応じた使用状態に容易に対応可能となる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、複数台の洗車機が備えるそれぞれの洗車モードを予め異ならせていることを特徴としている。この構成によると、それぞれ異なる洗車モードを実行可能な洗車機を複数台設置することで、洗車モードの多様化にも対応可能となり、ユーザーが所望する洗車モードを容易に設定することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、複数台の洗車機が、共通した複数の洗車モードを有しており、前記リモートパネルに洗車機を選択する所定の条件を設定可能とし、設定される所定の条件により所定の洗車機が選択されることを特徴としている。この構成によると、複数台の洗車機それぞれが、ユーザーが希望する洗車モードをそれぞれ実行可能となり、複数のユーザーが同じ仕様の洗車モードを希望しても容易に対応することができる。また、同じ仕様が選択された場合に、どの洗車機を選択するかを規定する条件を設定しておくことで、複数台の洗車機の使用順序を管理者が予め想定しておくことができ、複数台の洗車機の任意の運用が可能となる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記所定の条件が洗車機の使用頻度であって、前記リモートパネルがそれぞれの洗車機の使用頻度を記憶していると共に、複数台の洗車機の使用頻度を揃えるように制御することと、特定の洗車機の使用頻度を高くすることを選択可能としていることを特徴としている。この構成によると、複数台の洗車機の運用状態を、管理者の要望に応じた任意の使用状態に容易に設定可能となる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記所定の条件が液剤の残存量であって、前記リモートパネルがそれぞれの洗車機に装着している液剤のタイプと残存量を記憶しており、所定の液剤の残存量が多い洗車機を選択することを特徴としている。この構成によると、洗車実行中に液剤が無くなる虞が少なくなって、ユーザーが希望する洗車モードを確実に実行することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記所定の条件が、早く消費したい液剤やワックスや撥水コートを備える洗車機、もしくは、早く交換したいブラシを備える洗車機であることを特徴としている。この構成によると、管理者の経営上の判断によって、所定の洗車機の使用頻度を変更することが可能となり、管理容易な洗車機システムとなる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、ユーザーが設定した洗車モードを有する複数台の洗車機の全てが稼動中の場合には、それぞれの洗車機に設定されたそれぞれの洗車モードと現在のモードから、洗車が早く終了する所定の洗車機を選択することを特徴としている。この構成によると、ユーザーの待ち時間を最短にできるので、ユーザーにとって使い勝手が良くなる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、ユーザーが設定した洗車モードを有する洗車機が稼動中の場合には、その旨を表示し、新たな洗車モードの設定を許可することを特徴としている。この構成によると、待たずに早速洗車できるモードの中から任意の洗車モードを選択することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、一旦選択された洗車機を、ユーザー側の操作により新たな洗車機に設定変更可能としたことを特徴としている。この構成によると、ユーザーの求めに応じた洗車機の選択が可能となるので、常連客の要望を満足させることができ、地域住民にとって利用し易い洗車機システムとなる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記操作パネルに、当該洗車機の選択を禁止するスイッチを設けたことを特徴としている。この構成によると、故障中や点検中の洗車機の使用を禁止することができ、管理者およびユーザーにとって利用し易い洗車機システムとなる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、各洗車機に表示灯を設け、新たに選択された際に前記表示灯を点灯表示することを特徴としている。この構成によると、洗車モードを選択したユーザーに、進入すべき洗車機を明示することができ、ユーザーが求める洗車モードの洗車機までユーザーを速やかに案内することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記表示手段が、画面表示と音声表示のいずれか、もしくは両方であることを特徴としている。この構成によると、ユーザーが希望する洗車モードを実行可能な洗車機をユーザーに確実に報知することができる。
また本発明は、上記構成の洗車機システムにおいて、前記リモートパネルを、複数台の洗車機への進入路の手前側に設置すると共に、リモートパネル設置位置と各洗車機との間にそれぞれ被洗浄車両の待機位置を設けたことを特徴としている。この構成によると、複数台の洗車機を一台のリモートパネルを介して制御駆動するシステムであっても、リモートパネルの設置位置からそれぞれの洗車機に進入する位置にそれぞれ待機位置を設けているので、後に続くユーザーに余分な待機時間を付加することもなく、複数台の洗車機を効率良く運用可能な洗車機システムとなる。
本発明によれば、一台のリモートパネルを複数台の洗車機とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネルを介して所定の洗車機を選択して、所定の洗車を行う構成としたので、複数台の洗車機が配置された洗車場において、一台のリモートパネルにユーザーが希望する洗車モードを入力するだけで、所望の洗車モードを実行可能な洗車機が選定されて所定の洗車モードで洗車することができるので、ユーザーにとって使い勝手が良く、複数台の洗車機を効率よく運用可能とする洗車機システムを得ることができる。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明に係る洗車機システムの要部構成を示す平面図であり、(a)は二台の洗車機を備える第一実施形態を示し、(b)は待機位置を設けた第二実施形態を示す。図2は三台の洗車機を備える第三実施形態を示す平面図ある。図3は本発明に係るリモートパネルのパネル画面を示す正面図であって、(a)は待ち受け画面の一例を示し、(b)は待ち受け画面から洗車機案内画面に至る変化の一例を示す。図4は洗車機一台の全体構成例を示す側面図である。また、同一構成部材については同一の符号を用い、詳細な説明は適宜省略する。
本発明に係る洗車機システムは、例えば図4に示す洗車機WAを複数台有する洗車場において、これらの洗車機WAを効率よく運用するための洗車機システムであって、この複数台の洗車機WAを一台のリモートパネルを用いて制御駆動するシステムである。例えば図1(a)に示す実施形態では、洗車機WA1、WA2の二台の洗車機WAを制御し駆動するためのリモートパネル70を、これらの洗車機への進入路の手前側に設置している。
それぞれの洗車機WA1、WA2は、被洗浄車両CAと洗車機本体1を前後方向に相対移動させながら、複数の貯液タンクに貯留された液剤をそれぞれ水により希釈して前記被洗浄車両へ噴霧して、前記被洗浄車両の洗車を行い複数の洗車モードを備える洗車機である。また、一台のリモートパネル70を複数台の洗車機WA1、WA2とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネル70を介して所定の洗車機を選択して、所定の洗車を行う構成としている。
ユーザー(ドライバー)が、被洗浄車両CAを洗車する際に、リモートパネル70の設置位置に被洗浄車両CAを停車して、リモートパネル70の液晶パネル上の案内画面に沿って希望する洗車モードを入力して設定する。すると、リモートパネル70が、入力された洗車モードを実行可能な洗車機WA1を選択し、その旨をユーザーに報知する。所定の洗車機WA1が報知されると、ユーザーが、この報知された洗車機WA1に被洗浄車両CAを移動させて所定の洗車モードを実行して洗車を行う。
この際、報知された洗車機WA1に被洗浄車両CAを移動して、この洗車機の左右一対のレール間の所定の位置に停車して、洗車機に設ける車体検知センサもしくはスタートボタンを操作して、洗車操作を開始することができる。
複数台の洗車機を、一台のリモートパネル70を用いて制御し駆動することができる。しかし、それぞれの洗車機にそれぞれ操作パネル7を設けて、これらの操作パネル7と前記リモートパネル70とを通信可能に接続して、一体的に、また、それぞれ独自に駆動可能な構成としておけば、複数台の洗車機を一体的に制御して運用することも、それぞれの洗車機を独自に使用することも可能となり、管理者の要望に応じた使用状態に容易に対応可能となって好適である。
複数台の洗車機を一台のリモートパネル70で制御し駆動するためには、リモートパネル70と複数台の洗車機とをそれぞれ通信可能に接続しておけばよく、例えば1対N通信可能(例えばRS−485相当の信号規格を採用して)としておくことができる。また、リモートパネル70とそれぞれの洗車機とをそれぞれ1対1通信に複数通信ポートに接続しておく構成であってもよい。
リモートパネル70(または、操作パネル7)には、後述するように、スタンダードモード、オプションモード、フルオプションモードを選択可能とし、さらに、液剤タイプ、ブラシタイプ、ワックスタイプ、撥水コートタイプ、ブラシ回転速度をそれぞれ選択可能としている。スタンダードモードとは、例えば、通常の洗剤やワックスを用いて、水洗いと洗浄とワックス掛けを行うモードであり、オプションモードとは、特定の液剤を指定して洗浄とワックス掛けを行うことや、撥水コートや高圧洗浄や下部洗浄などの特定のモードを追加するモードであり、フルオプションとは、水洗いと洗浄とワックス掛けに加えて、撥水コートや高圧洗浄や下部洗浄などの全ての操作を含むモードである。
上記の構成であれば、一台のリモートパネル70にて、複数台の洗車機の稼動状態を把握することも、それぞれの洗車機の洗車モードを設定して駆動することも可能となる。そのために、リモートパネル70にて所定の洗車モードを設定後、洗車機の稼動状態を確認し、最適の洗車機への誘導を行うことができる。また、それぞれの洗車機の稼動状態を把握できるので、それぞれの洗車機が稼動中かどうか、また、稼動中であれば、設定された洗車モードから、何時終了するかを判別することができる。
また、ユーザーが希望する洗車モードに適した洗車機をユーザーに報知するために、リモートパネル70に、最適の洗車機を示す表示手段を設けることが好ましい。この表示手段としては、最適の洗車機を示す画面表示と音声表示のいずれか一方でも、もしくは両方を用いることができる。このように、最適の洗車機を示す表示手段を備える構成であれば、ユーザーが希望する洗車モードが設定された洗車機を確認容易となり、ユーザーが求める洗車モードの洗車機までユーザーを速やかに案内することができる。
複数台の洗車機への進入路の手前側に設置されるリモートパネル70を介して、ユーザーが希望する洗車モードに適した洗車機として洗車機WA1が表示されると、ユーザーは被洗浄車両CAを図中の誘導矢印B1方向に移動し、選択された洗車機WA1の前の所定位置に停車して、前述したように、洗車機WA1に設ける車体検知センサが感知して、もしくはスタートボタンを操作して洗車操作が開始される。また、洗車機WA2が表示されると誘導矢印B2方向に移動して同様な操作を行い所定の洗車を行う。
この際に、図1(b)に示す実施形態のように、リモートパネル設置位置と各洗車機との間にそれぞれ被洗浄車両の待機位置31、32を設けると、所定の洗車モードを設定し終えたユーザーが速やかに所定の洗車機まで移動可能となり、後に続く新たなユーザーのリモートパネル70での洗車モード入力操作を邪魔しない構成となる。この構成であれば、複数台の洗車機を一台のリモートパネルを介して制御駆動するシステムであっても、リモートパネルの操作が終了したユーザーを素早く所定の洗車機の待機位置に移動させて、後に続くユーザーに余分な待機時間を付加することなく次の入力操作を可能とするので、リモートパネル70の入力操作の効率が向上して、複数台の洗車機を効率良く運用可能な洗車機システムとなる。
また、複数台の洗車機は2台とは限定されず、図2に示す実施形態のように3台の洗車機WA1、WA2、WA3を一台のリモートパネル70で制御し駆動する構成とすることもできる。この場合でも、リモートパネル70と複数台の洗車機WA1、WA2、WA3とをそれぞれ通信可能に接続しているので、それぞれの洗車機の稼動状態を確認することも、それぞれの洗車機の洗車モードを設定し、駆動制御することも可能である。
また、それぞれの洗車機WA1、WA2、WA3との間にそれぞれ被洗浄車両CAの待機位置31、32、33を設けておくことで、洗車機WA1が選択されると誘導矢印B1方向に移動して待機位置31に停車し、洗車機WA2が選択されると誘導矢印B2方向に移動して待機位置32に停車し、洗車機WA3が選択されると誘導矢印B3方向に移動して待機位置33に停車して、後に続くユーザーの入力操作を可能とし、複数台の洗車機を効率良く運用可能な洗車機システムとなることは明らかである。
次に、リモートパネル70について説明する。図3(a)にリモートパネル70の一例を示す。リモートパネル70は、例えば、液晶パネルであるタッチパネル71とカード挿入口72、紙幣挿入口73、硬貨挿入口74、スピーカ75などを備えている。洗車を希望するユーザーは、このリモートパネル70位置に被洗浄車両CAを停車して、所定のプリペイドカードや紙幣や硬貨を投入して、所定の洗車モード入力操作を開始する。
タッチパネル71は、例えば、「洗車モード入力開始」の待ち受け画面が表示されており、画面上のスタートボタン81を指でタッチして洗車モードの入力を開始する。それから図3(b)に示すように、待ち受け画面71Aから、複数の洗車モードに該当するタッチボタン82が表示されたモード選択画面71Bが表示され、所定のボタンをタッチして入力操作が終了すると、入力された洗車モードに対応した洗車機が選択される。選択された洗車機情報は、洗車機案内画面71Cとして表示される。この入力操作の際に、スピーカ75から操作方法を教示する音声ガイダンスを出力して、ユーザーの入力操作を援助することも可能である。
洗車機案内画面71Cに表示する内容としては、例えば、「お客様の洗車モードは・・・・です。○号機へどうぞ」と表示する。また、モード選択画面71Bと洗車機案内画面71Cとの間に、選択された所定のモードをさらに詳細な仕様に設定する、例えばツリー状の詳細仕様選定画面を設けることもできる。
選択された洗車機を表示する洗車機案内画面71Cには、選択され表示された洗車機をユーザーが了解する場合に押圧するOKボタン83と、選択された洗車機以外の洗車機を希望する場合に押圧するNOボタン84とを表示することができる。このNOボタン84が操作されると、初期画面に戻り新たな洗車モードを入力する構成としている。
上記した構成であれば、一旦選択された洗車機を、ユーザー側の操作により新たな洗車機に設定変更可能となり、ユーザーの求めに応じた洗車機の選択が可能となるので、使い慣れた洗車機を使用したい常連客の要望を満足させることができ、常連客や地域住民にとって利用し易い洗車機システムとなる。
選択された洗車機の表示は、スピーカ75を介して音声表示することもできる。また、画面表示と音声表示とを共に行うことも可能であり、これらの使用状態の選択も管理者が任意に設定可能としている。
また、画面表示や音声表示だけでなく、各洗車機に表示灯41を設けて、新たに選択された際に前記表示灯41を点灯表示することができる。この構成であれば、洗車を開始しようとするユーザーに、進入すべき洗車機を明示することができ、ユーザーが求める洗車モードの洗車機までユーザーを確実に、また、速やかに案内することができる。
複数台の洗車機を設置する場合には、それぞれが備える洗車モードを予め異ならせておくことができる。この構成であれば、それぞれの洗車機に必要な装備を装着すればよく、設備費用を削減することができる。また、異なる洗車モードを実行可能な洗車機を複数台設置することで、それぞれの洗車機の特性が明確となり、ユーザーが所望する洗車モードと洗車機との整合性を容易に確認することができる。
また、複数台の洗車機が、共通した複数の洗車モードを有し、リモートパネルに洗車機を選択する所定の条件を設定可能とし、設定される所定の条件により所定の洗車機を選択する構成とすることができる。この構成であれば、複数台の洗車機それぞれが、ユーザーが希望する洗車モードをそれぞれ実行可能となり、複数のユーザーが同じ仕様の洗車モードを希望しても容易に対応することができる。また、同じ仕様が選択された場合に、どの洗車機を選択するかを規定する所定の条件を予め設定しておくことで、複数台の洗車機の使用順序を管理者が予め想定しておくことができ、複数台の洗車機の任意の運用が可能となる。
前記所定の条件として使用頻度を規定することができ、複数台の洗車機を満遍なく稼動させるために、各洗車機の所望される使用頻度に応じて所定の洗車機を選択する構成とすることができる。このためには、リモートパネル70がそれぞれの洗車機の使用頻度を記憶していると共に、複数台の洗車機の使用頻度を揃えるように制御する。また、管理する側の立場から、特定の洗車機の使用頻度を高くしたい場合が想定されるので、この場合には、特定の洗車機の使用頻度を高くすることを選択可能としている。このように、複数台の洗車機の使用頻度を揃えるように制御すること、および、特定の洗車機の使用頻度を高くするように制御すること、の両方が可能な構成であれば、複数台の洗車機の運用状態を、管理者の要望に応じた任意の使用状態に容易に設定可能となり、管理者にとって使い勝手の良い洗車機システムとなる。
また、液剤の残存量に応じて選択する洗車機を設定することも可能であり、リモートパネル70が、それぞれの洗車機に装着している液剤のタイプと残存量を記憶しておく構成として、所定の液剤の残存量が多い洗車機を選択するようにすると、洗車実行中に液剤が無くなる虞が少なくなって、ユーザーが希望する洗車モードを確実に最後まで実行することができる。
また、液剤やブラシを新しいものと交換する場合には、所定の洗車機の液剤やブラシを高頻度に使用して、早く消費してしまい、そのまま新品と交換したいことがある。この場合には、早く消費したい洗剤やワックスや撥水コートを備える洗車機、もしくは、早く交換したいブラシを備える洗車機を率先して選択する構成としておくことが好ましい。この構成であれば、管理者の経営上の判断によって、所定の洗車機の使用頻度を変更することが可能となり、管理容易な使い勝手の良い洗車機システムとなる。
上記したように、リモートパネルに予め設定する洗車機を選択する際の所定の条件としては、所望される洗車機の使用頻度であったり、液剤の残存量であったり、早く交換したい液剤やブラシを備える洗車機であるが、これらの条件以外にも、点検やメンテナンスの時期から逆算して早く稼動したい場合などが想定される。
また、複数台の洗車機を有する洗車機システムにおいては、ユーザーにとって使い勝手が良くなる種々の操作方法が考えられるので、以下説明する。
ユーザーが設定した洗車モードを有する複数台の洗車機の全てが稼動中の場合には、それぞれの洗車機に設定されたそれぞれの洗車モードと現在のモードから、洗車が終了する時間が早くなる所定の洗車機を選択するように予め設定しておくことが好ましい。この構成であれば、ユーザーが希望する洗車モードを実行可能な洗車機が稼動中の場合に、ユーザーの待ち時間を最短にできるので、ユーザーにとって使い勝手が良くなる。
また、ユーザーが設定した洗車モードを有する洗車機が稼動中の場合には、その旨を表示し、新たな洗車モードの設定を許可する構成としておくことができる。この構成であれば、一旦選択した洗車モードを許容される新たな洗車モードに変更することで、稼動中の洗車機が終了するのを待たずに早速洗車できるようになって、時間的余裕のないユーザーにとっては使い勝手のよい洗車機システムとなる。
また、複数台の洗車機を備える洗車場であれば、なかには、故障中や点検中やメンテナンス中の機台もあるので、これらの使用できない洗車機が選択されないようにすることが好ましい。そのために、本実施の形態においては、それぞれの操作パネル7に、当該洗車機の選択を禁止するスイッチを設ける構成としている。この構成であれば、故障中や点検中の洗車機の使用を禁止することができ、管理者およびユーザーにとって利用し易い洗車機システムとなる。
また、複数台の洗車機に対して、進入路の入口部に一台のリモートパネルを設置するので、洗車場のスペースの有効利用が図れ、洗車可能な車両であることを検知する車高検知ゲートなどの設備が一台分でよく、設置コストを削減することができる。さらに、洗車機に装備する各種オプションを別々の機台に装備すればよく、洗車データの収集や、入金管理やつり銭補充管理などの管理業務の負荷を低減することができる。
上記したように本発明に係る洗車機システムによれば、一台のリモートパネルを複数台の洗車機とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネルを介して、それぞれの洗車機が備える洗車モードを確認し、それぞれの洗車機の稼動状態を把握し、設定された洗車モードにより所定の洗車機を駆動して洗車を行う構成としているので、ユーザー(ドライバー)自身が、複数台の洗車機の中から希望する洗車モードを実行可能な洗車機を選別する必要がない。また、一台のリモートパネルに所望の洗車モードを入力し、表示される洗車機に移動して所望の洗車が実行可能となるので、ユーザーにとって使い勝手の良い洗車機システムとなる。
また、複数台の洗車機を、管理者自身が設定する条件に基づき、管理者の所望する使用頻度で稼動することができるので、本発明に係る洗車機システムは、管理者にとっても使い勝手の良い洗車機システムとなる。
そのために、本発明に係る洗車機システムは、管理する側にとっても、ユーザーにとっても使い勝手が良いシステムとなり、複数台の洗車機を設置する際に、スペースの有効活用を図ることができる。また、各種洗車モードや各種オプションを同一の洗車機ではなく、それぞれ別の洗車機に設定しておき、ユーザーの要望に応じて適当な洗車機を選定するので、設置コストが図れ、保守点検も容易となって、ユーザーの要望するオプションが多い洗車場の洗車機システムとして好適に適用される。
本発明に係る洗車機システムの要部構成を示す平面図であり、(a)は二台の洗車機を備える第一実施形態を示し、(b)は待機位置を設けた第二実施形態を示す。 三台の洗車機を備える第三実施形態を示す平面図ある。 本発明に係るリモートパネルのパネル画面を示す正面図であって、(a)は待ち受け画面の一例を示し、(b)は待ち受け画面から洗車機案内画面に至る変化の一例を示す。 洗車機一台の全体構成例を示す側面図である。
符号の説明
1 洗車機本体
2 レール
3 車輪
7 操作パネル
31 待機位置
32 待機位置
41 表示灯
70 リモートパネル
71 タッチパネル
CA 被洗浄車両
WA 洗車機

Claims (15)

  1. 被洗浄車両と洗車機本体を前後方向に相対移動させながら、複数の貯液タンクに貯留された液剤をそれぞれ水により希釈して前記被洗浄車両へ噴霧して、前記被洗浄車両の洗車を行い複数の洗車モードを備える洗車機と、洗車モードを設定し設定された洗車モードに基づいて洗車機を駆動するリモートパネルを備える洗車機システムであって、
    一台のリモートパネルを複数台の洗車機とそれぞれ通信可能に接続し、該リモートパネルを介して、それぞれの洗車機が備える洗車モードを確認し、それぞれの洗車機の稼動状態を把握し、設定された洗車モードにより所定の洗車機を選択して駆動する構成としたことを特徴とする洗車機システム。
  2. 前記リモートパネルが、ユーザーが選択した洗車モードに応じた適当な洗車機を選択して該洗車機に所定の洗車モードを設定すると共に、選択した洗車機をユーザーに報知する表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載の洗車機システム。
  3. 複数台の洗車機のそれぞれの洗車機本体に洗車モードを設定する操作パネルを設け、これらの操作パネルと前記リモートパネルとを通信可能に接続し、前記リモートパネルを介してそれぞれの操作パネルの洗車モードを設定可能としていると共に、前記リモートパネルからの指令がないときには、それぞれの操作パネルに洗車モードを独自に設定して洗車可能としていることを特徴とする請求項1または2に記載の洗車機システム。
  4. 複数台の洗車機が備えるそれぞれの洗車モードを予め異ならせていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗車機システム。
  5. 複数台の洗車機が、共通した複数の洗車モードを有しており、前記リモートパネルに洗車機を選択する所定の条件を設定可能とし、設定される所定の条件により所定の洗車機が選択されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の洗車機システム。
  6. 前記所定の条件が洗車機の使用頻度であって、前記リモートパネルがそれぞれの洗車機の使用頻度を記憶していると共に、複数台の洗車機の使用頻度を揃えるように制御することと、特定の洗車機の使用頻度を高くすることを選択可能としていることを特徴とする請求項5に記載の洗車機システム。
  7. 前記所定の条件が液剤の残存量であって、前記リモートパネルがそれぞれの洗車機に装着している液剤のタイプと残存量を記憶しており、所定の液剤の残存量が多い洗車機を選択することを特徴とする請求項5に記載の洗車機システム。
  8. 前記所定の条件が、早く消費したい液剤やワックスや撥水コートを備える洗車機、もしくは、早く交換したいブラシを備える洗車機であることを特徴とする請求項5に記載の洗車機システム。
  9. ユーザーが設定した洗車モードを有する複数台の洗車機の全てが稼動中の場合には、それぞれの洗車機に設定されたそれぞれの洗車モードと現在のモードから、洗車が早く終了する所定の洗車機を選択することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の洗車機システム。
  10. ユーザーが設定した洗車モードを有する洗車機が稼動中の場合には、その旨を表示し、新たな洗車モードの設定を許可することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の洗車機システム。
  11. 一旦選択された洗車機を、ユーザー側の操作により新たな洗車機に設定変更可能としたことを特徴とする請求項1から10のいずれかに記載の洗車機システム。
  12. 前記操作パネルに、当該洗車機の選択を禁止するスイッチを設けたことを特徴とする請求項3から11のいずれかに記載の洗車機システム。
  13. 各洗車機に表示灯を設け、新たに選択された際に前記表示灯を点灯表示することを特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の洗車機システム。
  14. 前記表示手段が、画面表示と音声表示のいずれか、もしくは両方であることを特徴とする請求項2から13のいずれかに記載の洗車機システム。
  15. 前記リモートパネルを、複数台の洗車機への進入路の手前側に設置すると共に、リモートパネル設置位置と各洗車機との間にそれぞれ被洗浄車両の待機位置を設けたことを特徴とする請求項1から14のいずれかに記載の洗車機システム。
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