JP2010005873A - 擬似接着封緘物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】擬似接着封緘物を構成する全頁を横方向に連ねて一封緘単位を形成すると共に、複数の封緘単位を縦方向に連ねた大判の原型用紙10において、印刷工程を経た原型用紙の用紙面上の所定の擬似接着領域に、剥離可能な接着力を発現する擬似接着剤2を塗布する擬似接着剤塗布工程と、複数の折り辺にて横方向へ複数回折り重ねることで全ての構成頁を重合する折り重ね工程Cと、最裏紙の小口辺bより先側にある全ての用紙を切除するフルスリット工程D、及び、少なくとも最下枚又はこれに重なる1枚以上の用紙を残して表側にある一部の用紙のみを切断し除去するハーフスリット工程とを具備してなる。
【選択図】図4
Description
最上葉から順に頁幅が長くなるように頁構成された複数枚の用紙が、それぞれの一端辺をのど辺aとして揃えて纏められると共に、隣接頁同士が剥離可能な疑似接着によって封緘され、各頁ののど辺aに対向する小口辺bが階段状となって順に露出する擬似接着封緘物の製造方法であって、
擬似接着封緘物を構成する全頁を横方向に連ねて一封緘単位を形成すると共に、複数の封緘単位を縦方向に連ねた大判の原型用紙10において、所定頁および所定方向の印刷を施す印刷工程と、
印刷工程を経た原型用紙10の紙面上の所定の擬似接着領域21Aに、剥離可能な接着力を発現する擬似接着剤22を塗布する擬似接着剤塗布工程と、
擬似接着剤塗布工程を経た原型用紙10を、複数の折り辺fにて横方向へ複数回折り重ねることで全ての構成頁を重合する折り重ね工程と、
折り重ね工程を経た原型用紙10において、最裏紙の小口辺bより先側にある全ての用紙を切除するフルスリット工程、及び、少なくとも最下枚又はこれに重なる1枚以上の用紙を残して表側にある一部の用紙のみを切断し除去するハーフスリット工程と、
フルスリット工程Dおよびハーフスリット工程Eを経た原型用紙10を、封緘物の天地辺に沿って封緘単位毎に横方向に切断するカッティング工程とを具備してなることを特徴とする。
例えば後述する実施例ではいずれも、表裏紙の表側を第一葉として、中紙の表側である第二葉、中紙の裏側である第三葉、表裏紙の裏側である第四葉の順に頁幅が大きいものとなっており、それぞれの小口辺bが所定のずらし幅ずつ順にずらされた位置として形成される。このような小口辺bの位置調節の任意性、容易性によって、本発明の製造方法では、小口辺bが階段状となって順に露出する擬似接着封緘物を、一枚の原型用紙10を元として縦方向に連続して効率的に形成することができる。
折り重ね工程が、各構成頁の小口辺b以遠にある折り辺fを、各構成頁を含む大きさで全て同一方向に巻き折りすることで、原型用紙10の一側端を表紙の小口辺bとして巻き折り後の最上枚に配すると共に、原型用紙10の他側端を中紙の小口辺bとして巻き折り後の最表紙と最裏紙の各小口辺b間に配するものであり、
フルスリット工程によって最裏紙の小口辺bを形成し、
1回以上のハーフスリット工程によって、1又は複数枚の中紙の小口辺bを形成するものであることが好ましい。
例えば後述する実施例1、2のように、折り重ね工程が複数の巻き折りステップからなるもの(図4、図6)が該当する。このように複数の巻き折りステップによる折り重ね工程であれば、端部から一構成頁分ずつ巻き折りを施すことにより、構成頁の頁幅分の折り返しを確実に行うことができる。
なお本発明において巻き折りとは、すべて同一方向に折り返すことであり、すべての折り辺fにて谷折りのみであるか、山折りのみであるかを示す語である。
折り重ね工程が、各構成頁の小口辺b以遠にある折り辺fによる二つ折りを繰り返すことで、原型用紙10の一側端と他側端を、構成頁中の一組の隣接頁の小口辺bとして、巻き折り後の重なり合う2枚にそれぞれ配するものであり、
フルスリット工程によって最裏紙の小口辺bを形成し、1回以上のハーフスリット工程によって、1又は複数枚の小口辺bを形成するものであるものとしても良い。
擬似接着剤塗布工程が、感圧式の擬似接着剤2を塗布するものであって、カッティング工程の後に、擬似接着力が発現しうる圧力で擬似接着封緘物をプレスするプレス工程を具備することが好ましい。
このように折り重ね工程の前に予め感圧式の擬似接着剤2を塗布しておき、しかも感圧せず擬似接着力が発現しない状態のままで折り重ね工程、フルスリット工程、ハーフスリット工程、ないしカッティング工程までを行うことで、擬似接着剤2による影響が及ばないため、原型用紙10の取り扱いが容易なものとなり、確実な工程の遂行が可能となる。擬似接着剤2による影響とは例えば折り重ね工程、フルスリット工程ないしハーフスリット工程において、擬似接着剤のはみ出し部分や露出部分がプラウ折り機、スリット刃ないしガイドローラーに転写したり貼り付いたりすることである。また例えばカッティング工程において、擬似接着位置の早期固定によって逃げ領域が閉ざされ、皺が発生することである。
またプレス工程によって任意形状をプレスするものとすることができ、擬似接着剤を塗布した塗布領域と、実際に擬似接着力が発現する接着領域とを異ならしめて、接着領域をコントロールしうる。
折り重ね工程が、複数の折り重ねステップを有し、擬似接着封緘物を構成する各頁を、のど辺aの位置に揃えて折り重ねるものであり、
擬似接着剤塗布工程の後であって折り重ね工程の前、或いは、折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間ののど辺aの重ねあわせ前に、のど辺aに沿う近傍の線状領域へ、擬似接着剤2よりも接着力の強い強接着剤3を塗布する強接着剤塗布工程を具備してなり、
擬似接着封緘物を開封したときに、のど辺aが強接着で綴られた冊子となることが好ましい。
このように擬似接着封緘物が開封によって冊子態様となる(実施例1ないし3)ことで、取り扱いが容易となる。また多量の冊子を連続的に、しかも頁同士を擬似接着して秘匿性の高い情報を隠蔽したり郵便可能な態様で形成することができるものとなる。
なお冊子ののど辺a付近の強接着領域は、のど辺aよりも片側(実施例ではいずれも表裏紙の裏側)にのみ沿う領域であれば、接着剤の不要な転写等を確実に防ぐことができ、その後の工程で取り扱いが容易となる。
また強接着剤はその後のプレス工程で接着力を発現する感圧接着剤でもよく、他に、開封時よりも強い剥離力で剥離しうる擬似接着剤でもよい。感圧接着剤であれば後の工程で取り扱いが容易となるとともに任意の領域で強接着力を得ることができ、擬似接着剤であれば冊子の態様と、表紙と中紙の分離態様との2段階の態様変形が可能なものとなる。
ハーフスリット工程において、上方からのスリット刃によって一部の重合用紙からなるハーフスリット片5を切断した後、ハーフスリット刃50Cよりも用紙送り方向前方にて回転式のガイドローラー50Gによってハーフスリット片5を巻き付け、巻きつけたハーフスリット片5に、スリット刃50Cとガイドローラー50Gとの間で所定の引張り方向で引張力を加え、これによってハーフスリット片5を用紙全体から実質的に分離させ、ガイドローラー50G近傍に設けた吸引ダクト50Bによって、分離させたハーフスリット片5を、前記引張り向と異なる吸引方向へ吸引して取り除くものであることが好ましい。
このように引張力をかけ続けながらハーフスリット片5を導くことで、技術的に困難なハーフスリットをより確実に行うことができる。
最上葉から順に頁幅が長くなるように頁構成された複数枚の用紙が、それぞれの一端辺をのど辺aとして揃えて纏められると共に、隣接頁同士が剥離可能な疑似接着によって封緘され、各頁ののど辺aに対向する小口辺bが階段状となって順に露出する擬似接着封緘物の製造方法であって、
擬似接着封緘物を構成する全頁を横方向に連ねて一封緘単位を形成すると共に、複数の封緘単位を縦方向に連ねた大判のものであって、予め疑似接着剤が概略全面に塗布された先糊圧着紙からなる原型用紙10において所定頁および所定方向の印刷を施す印刷工程Aと、
印刷工程を経た原型用紙10を、複数の折り辺fにて横方向へ複数回折り重ねることで全ての構成頁を重合する折り重ね工程Cと、
折り重ね工程を経た原型用紙10において、最裏紙の小口辺bより先側にある全ての用紙を切除するフルスリット工程D、及び、少なくとも最下枚又はこれに重なる1枚以上の用紙を残して表側にある一部の用紙のみを切断し除去するハーフスリット工程Eと、
フルスリット工程Dおよびハーフスリット工程Eを経た原型用紙10を封緘単位毎に横方向に切断するカッティング工程Fとを具備してなることを特徴とする。
本発明の製造方法に係る擬似接着封緘物は、のど辺aで二つ折りにした表裏紙と、表裏紙に挟まれる一枚または複数枚の中紙とを重ねあわせて隣接頁同士で疑似接着してなり、前記のど辺a以外の箇所に、重なり合う頁同士の小口位置をずらした小口部を有した擬似接着封緘物である。この擬似接着封緘物は、開封時には前記のど辺a以外の小口部から擬似接着した頁同士を剥離しうる。このように本発明の擬似接着封緘物は、封緘状態が送付の利便性に優れた封緘物の体裁でありながら、開封状態において情報量が多く体裁的に纏まりがある冊子の態様となる。具体的には、開封したときに、複数枚の用紙がのど辺a近傍に沿う強接着部において、擬似接着剤2よりも強い接着力で強接着され、のど辺aで揃えられた頁同士が、通常の開封作業では分離することのない程度の強接着によって綴られた冊子となる。
擬似接着された各隣接頁間にはそれぞれ所定のずらし幅をもった複数の小口辺bが形成される。所定のずらし幅の小口辺b部分にて擬似接着頁同士を剥離開封する。
擬似接着領域21Aは、隣接頁同士の当接部分の周縁に沿う周縁領域のうち、少なくとものど辺aに沿う部分以外の領域を含み、かつ前記小口部の端辺近傍を含む領域(例えば実施例1)であるか、或いは隣接頁同士の当接部分のうち、少なくとものど辺aに沿う部分以外の領域を含み、かつ前記小口部の端辺近傍を含む略全面領域(例えば実施例2、3)である。
また、最表裏紙及び中紙の少なくとも当接部分と小口部の非当接部分とに亘って感圧接着剤層が形成されてなり、擬似接着領域21Aが、前記感圧接着剤層のうち、プレスによって擬似接着力が発現した領域となっている。このように、感圧接着剤層を擬似接着領域21Aよりも大きな範囲に形成し乾燥固化させたのち、プレスによって感圧接着剤層の一部分で接着力を発現させることで、任意の感圧接着領域を得たものとしている。また、最表裏紙及び中紙の表裏全面に亘って感圧接着剤層が形成され、小口部にて感圧されないままの感圧接着剤層が固化して露出することで、小口部でずらされた一方の頁の端部表面が感圧接着剤層に保護される。さらに固化した感圧接着剤層は、他の表面部分よりも表面滑性があることで、小口部のずらし部分が小口部の指掛り時の質感相違を強調し、容易に開封しうるものとなる。
尚、最表裏紙が宛名情報の付された定形封筒の形状であり、中紙が秘匿情報の付された被封緘物の形状であって、開封によって最表裏紙から中紙が分離しうるものとしてもよい。例えば最表紙に宛名情報が付され、二つ折りされた最表裏紙によって定形封筒の態様をなすと共に、中紙が手紙の態様をなしたものが該当する。
そして本発明の擬似接着封緘物は、少なくとも下記各工程を順に経ることで製造される。
・擬似接着封緘物を構成する全頁を横方向に連ねて一封緘単位を形成すると共に、複数の封緘単位を縦方向に連ねた大判の原型用紙10において、所定頁および所定方向の印刷を施す印刷工程A
・印刷工程を経た原型用紙10の用紙面上の所定の擬似接着領域21Aに、剥離可能な接着力を発現する擬似接着剤22を塗布する擬似接着剤塗布工程B
・擬似接着剤塗布工程を経た原型用紙10を、複数の折り辺fにて横方向へ複数回折り重ねることで全ての構成頁を重合する折り重ね工程C
・折り重ね工程を経た原型用紙10において、3葉小口より段差寸法Cの位置で第一のスリッターを施し、重なったすべての紙を切断してフルスリット工程片を除去するフルスリット工程D
・折り重ね工程を経た原型用紙10において、3葉小口より段差寸法C分短い位置で3葉を切断せず2葉端部該当部のみ切断して第二のスリッター片を除去するハーフスリット工程E
・フルスリット工程Dおよびハーフスリット工程Eを経た原型用紙10を封緘単位毎に横方向に切断するカッティング工程F
・擬似接着剤塗布工程Bで塗布した擬似接着剤2が接着するよう加圧して擬似接着力を発現させ、隣接頁同士を擬似接着するプレス工程G
(原型用紙10)
原型用紙10として、冊子の情報がコンピュータプリントによって印刷された用紙を用いる。複数の冊子を同時に連続製造する場合、冊子毎に幅方向に展開したプリント情報を得ておき、各冊子に対応するプリント情報を高さ方向に必要数ずつ連ねる。例えば冊子Aのプリント情報IAと冊子Bのプリント情報IBを備えておき、冊子AとBとをそれぞれ100部および50部生産するときには、プリント情報IAを縦方向に連ねて100数プリントすると共に、この最終列から更に縦方向に連ねてプリント情報IBの半分の数だけ連続してプリントする。このようにコンピュータプリントに冊子毎に幅方向に展開したプリント情報を登録しておくことで、同一の製造ラインにおいて、任意の種類の冊子を任意数だけ効率的に製造することができる。
折り重ね工程では、複数の折り重ねステップを有し、擬似接着封緘物を構成する各頁を、のど辺aの位置に揃えて折り重ねる。詳述すれば、折り重ねにより重合する構成頁それぞれの一端辺をのど辺a位置に揃えると共に、原型用紙10の両側端それぞれが、両端部を含む頁と重合する構成頁の折り辺fに対して所定量だけずれた位置となるように折り重ねるものである。いずれの実施例においても、折り重ね工程後において原型用紙10の両側端は、のど辺aと対向する小口辺b側であって隣接頁の小口辺bよりも所定のずらし幅だけずらされた位置に配される。例えば実施例2のように、二つ折りを2回繰り返し、構成頁を8ページ4枚のものとする場合には、原型用紙10の一側端を表紙の小口辺bとして巻き折り後の最上枚に配すると共に、原型用紙10の他側端を最上枚の中紙の小口辺bとして巻き折り後の上から2枚目に配するものとなる。その後、ハーフスリット工程を1回のみ行うことで、最裏紙上に隣接する1枚の中紙の小口辺bを形成する。
フルスリット工程は、最裏紙の小口辺bより先側にある全ての用紙を切断し除去するフルカットの工程である。
フルスリット工程では、折り重ね工程を経た原型用紙10において、のど辺aと対向する小口辺b側の小口辺bよりも所定の第一切断幅だけ内側に入った箇所に、最裏紙の端辺形状ですべての用紙を含むフルスリッターを施し、最裏紙の端辺形状以遠で重合する全ての用紙を除去する。これにより、最裏紙を含む端部が切除片となる。
ハーフスリット工程は、少なくとも最下枚から1枚以上の用紙を残してこれよりも表側にある一部の用紙のみを切断し除去する工程である。
ハーフスリット工程では、フルスリット工程を経た原型用紙10において、のど辺aと対向する小口辺b側の前記最裏紙の端辺形状よりも内側に入った箇所に、最表紙又は中紙のいずれかの頁の端辺形状で最裏紙よりも小さな形状で厚さ方向の一部分までハーフスリット工程を施し、重合する用紙のうち最裏紙以外の一部の用紙を除去する。
カッティング工程後のプレス工程によって、カッティングしたのちに所期の感圧接着剤が接着するよう加圧接着させることで、加圧による形状のゆがみを逃がして、皺の発生を抑えることができる。
実施例1は、のど辺aで連結し、小口4枚が階段状に成型された定形封書サイズの冊子であり、冊子ののど辺a以外の3辺部または4枚の各対向概略全面が疑似接着された封緘状態において、封緘物として郵送可能に使用される。
実施例1の擬似接着封緘物はたとえば下記工程を順に経ることで製造される。
・印刷及び印字を行う印刷工程
・複数の折り重ねステップを有し、擬似接着封緘物を構成する各頁を、のど辺aの位置に揃えて折り重ねる折り重ね工程
・折り重ね工程の前または折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間において、擬似接着領域21Aへ擬似接着剤2を塗布する擬似接着剤塗布工程
・折り重ね工程の前または折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間において、のど辺aを接着するための強接着剤3を塗布する強接着剤塗布工程
・小口側よりずらし幅Θ一つ分だけ入り込んだ位置で第一のスリッターを施し、重なった2枚とも切断しそのフルスリット工程片を除去するフルスリット工程。
・小口側よりずらし幅Θ二つ分だけ入り込んだ位置で第二のスリッターを施し、第3葉以下を切断せず2葉端部該当部のみ切断して第二のスリッターを施し、そのスリット片5を除去するハーフスリット工程。
・一部の冊子となる天地辺cを連続方向の所定の寸法でカッティングするカッティング工程
・所期の感圧接着剤が接着するよう加圧する加圧接着を施すプレス工程
実施例1の擬似接着剤塗布工程では、折り重ね工程の前または折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間において、擬似接着領域21Aへ擬似接着剤2を塗布し、これを固化させることで、折り重ね前或いは折り重ね途中の原型用紙10上面へ擬似接着剤2層を形成する。擬似接着剤2には紫外線硬化剤が混入されており、塗布直後に紫外線照射することで層形成する。なお擬似接着剤2層の形成は、紫外線硬化式のほか、排風による冷却乾燥式でも良い。層厚さは10〜50μmであり、加圧接着後は三分の二程度の7〜33μmとなる。
強接着剤塗布工程は、擬似接着剤塗布工程の後であって、折り重ね工程の前または折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間ののど辺aの重ねあわせ前に、のど辺aに沿う線状の強接着領域へ、擬似接着剤2よりも接着力の強い強接着剤3を塗布する工程である。
用紙 :上質紙(幅470mm 厚さ128g/m2 三菱製紙社「IJフォーム用紙」)
プリンタ:連続用紙プリンタ( オセ社 SP7450ツイン:A3幅両面印刷可能)
圧着加工装置:専用加工ライン(ミヤコシ社 プラウ折り装置を備えた圧着加工装置)
送達冊子仕様:全体幅(第四葉14の用紙幅)105mm、四葉共通の用紙高さ203mm,ずらし幅Θ4mm、プレス工程後の全体厚さ0.5mm
[1]折り順、折り位置によって決定される位置に製品の4葉の各表裏に配置される情報が担持(印刷)されている原型用紙10を連続的に給紙する。巻き折り設計の場合、折りの内側となる面では、1葉裏−4葉表−2葉裏−3葉表と配置される。
[2]〜[4]プラウ折り装置による所定位置で各種折りステップによって原型用紙10を折り重ねる(折り重ね工程)。実施例1では内巻4折りである。後述のスリッター装置に対してスリッター位置が所定の向きとなるように折り順と方向を決定している。
[3´]冊子ののど(連結部)となる部位に線状に強接着する接着剤を連続的に塗布する(強接着剤塗布工程)。
[5]4葉の開封端位置で[2]折りの端部を幅eでスリッター装置にて剪断し、除去する(フルスリット工程)。3葉の開封端部は、給紙[1]の段階の端部がそのまま使用される。フルスリットは丸刃スリッターで受け胴に対してギャップなしで不要片を完全に切断する。
[6]2葉の開封端位置でスリッター装置にてC幅の2倍の幅で切断し除去する(ハーフスリット工程)。ハーフスリットは、受け胴に対して厳密にクリアランス調整を実施し、3葉を切断せず2葉を切断し、スリット片5を除去する。当実施例の用紙の場合、このクリアランスは0.25mmであった。
[7]所定の冊子縦寸法でカッティングする。当装置では203mm周長のロータリーカッターにてカッティングしている(カッティング工程)。
[8]上下のシリンダーのギャップ調整により約50kg/cm2の加圧となるプレスを連続的に実施する(プレス工程)。
[9]以上で完成し製品としてスタックされる。
この製造方法は、擬似接着剤塗布工程において擬似接着剤を塗布するいわゆる後糊方式であるが、予め擬似接着剤層が形成された用紙を使用するいわゆる先糊方式での実施も有効である。すなわち印刷工程では印刷前の原型用紙として、予め感圧式の擬似接着剤層が塗布形成された先糊用紙を使用する。この場合、擬似接着剤塗布工程を省略し、折り重ね工程を印刷工程後の用紙に対して施すものとすることができる。先糊用紙としては例えば先糊圧着紙である幅470mm、厚さ105g/m2、日本理化製紙社「理化メール」(商品名)を用いることができる。このように先糊圧着紙を用いる代わりに擬似接着剤塗布工程を省くことで、擬似接着剤塗布工程を省略することができ、塗布や固化乾燥における不良品の発生を無くすことができる。
折り重ね工程の第一の二つ折りステップとして、原型用紙10の幅方向の両端が階段状指掛り寸法C分の差となる位置で2つ折りし、
折り重ね工程の第二の二つ折りステップとして、短い側の端部が1葉となるように短い側の端部から1葉の寸法となるa1のキョリの位置で短い側の端部が外になるように2つ折りとする。
次にハーフスリット工程として、1葉端部からc×2の位置で4葉を切断せず3葉端部該当部のみ切断して第二のスリッターを処置し、スリット片を除去する。
実施例3のフルスリット工程では、折り重ねられた原型用紙10の小口側よりもずらし幅Θだけ入り込んだ位置で第一のスリッターによりフルスリットを施す。これにより、再下枚から2枚分(すなわち、再下枚である第四葉14とその上に隣接する第三葉13の合計2枚)をまとめて切断し、再裏紙の小口辺bを形成する工程である。
実施例3のハーフスリット工程は、折り重ねられた原型用紙10の小口側よりも、ずらし幅Θのニ倍量だけ短い位置で、第二のスリッターによりハーフスリットを施す。これにより、再下枚から2枚分(すなわち、再下枚である第四葉14とその上に隣接する第三葉13の合計2枚)重なったスリット部分のうち、最下枚を切断せずに第三葉13の上一枚のみを切断して、第三葉13の小口辺bを形成する。
業務処理に使用されるコンピュータプリンタは、連続用紙を用い約A3サイズ(420mm)の用紙への出力を想定したものが主流である。一方、第一種郵便の幅は、90mm〜120mmであり、これを105mmとするとこれは、A3の長手幅の1/4である。つまり、第一種郵便サイズ4葉を横に連接した幅は約A3であり、これはコンピュータプリンタの印字用紙幅を有効に使用する幅と一致する。このコンピュータプリンタにより情報を付与された幅約A3の連続用紙を当発明を実現する圧着加工装置にて処理することによりそのまま郵便等として送達できる冊子が製造される。つまり、個人情報等の慎重な取扱いを要する情報を複数葉の用紙に別々にコンピュータプリンタにて出力したものをマッチングするという面倒でかつミスの発生しやすい方法を取らずに(積層はがきと同様に)低コストに高速に担持情報量の多い冊子状送達物の製造を実現できる。
b1〜b4 小口辺
c1〜c4 天地辺
f 折り辺
10 原型用紙
11 第一葉
12 第二葉
13 第三葉
14 第四葉
2 擬似接着剤
20 擬似接着剤ローラー
21A 擬似接着領域
N2A 非塗布領域
3 強接着剤
30 強接着剤ノズル
4 フルスリット片
40C スリット刃
5 ハーフスリット片
50C スリット刃
50G ガイドローラー
50B 吸引ダクト
C0 カッティング刃
P0 加圧プレス
P1 部分加圧プレス
Pt 部分加圧部
Θ1〜Θ3 ずらし幅
Claims (7)
- 最上葉から順に頁幅が長くなるように頁構成された複数枚の用紙が、それぞれの一端辺をのど辺として揃えて纏められると共に、隣接頁同士が剥離可能な疑似接着によって封緘され、各頁ののど辺に対向する小口辺が階段状となって順に露出する擬似接着封緘物の製造方法であって、
擬似接着封緘物を構成する全頁を横方向に連ねて一封緘単位を形成すると共に、複数の封緘単位を縦方向に連ねた大判の原型用紙において、所定頁および所定方向の印刷を施す印刷工程と、
印刷工程を経た原型用紙の紙面上の所定の擬似接着領域に、剥離可能な接着力を発現する擬似接着剤を塗布する擬似接着剤塗布工程と、
擬似接着剤塗布工程を経た原型用紙を、複数の折り辺にて横方向へ複数回折り重ねることで全ての構成頁を重合する折り重ね工程と、
折り重ね工程を経た原型用紙において、最裏紙の小口辺より先側にある全ての用紙を切除するフルスリット工程、及び、少なくとも最下枚又はこれに重なる1枚以上の用紙を残して表側にある一部の用紙のみを切断し除去するハーフスリット工程と、
フルスリット工程およびハーフスリット工程を経た原型用紙を封緘単位毎に横方向に切断するカッティング工程とを具備してなることを特徴とする擬似接着封緘物の製造方法。 - 折り重ね工程が、各構成頁の小口辺以遠にある折り辺を全て同一方向に巻き折りすることで、原型用紙の一側端を表紙の小口辺として巻き折り後の最上枚に配すると共に、原型用紙の他側端を中紙の小口辺として巻き折り後の最表紙と最裏紙の各小口辺間に配するものであり、
フルスリット工程によって最裏紙の小口辺を形成し、1回以上のハーフスリット工程によって、1又は複数枚の中紙の小口辺を形成するものである
請求項1記載の擬似接着封緘物の製造方法。 - 折り重ね工程が、各構成頁の小口辺以遠にある折り辺による二つ折りを繰り返すことで、原型用紙の一側端と他側端を、構成頁中の一組の隣接頁の小口辺として、巻き折り後の重なり合う2枚にそれぞれ配するものであり、
フルスリット工程によって最裏紙の小口辺を形成し、1回以上のハーフスリット工程によって、1又は複数枚の小口辺を形成するものである
請求項1記載の擬似接着封緘物の製造方法。 - 擬似接着剤塗布工程が、感圧式の擬似接着剤を塗布するものであって、
カッティング工程の後に、擬似接着力が発現しうる圧力で擬似接着封緘物をプレスするプレス工程を具備する請求項1、2または3のいずれか記載の擬似接着封緘物の製造方法。 - 折り重ね工程が、複数の折り重ねステップを有し、擬似接着封緘物を構成する各頁を、のど辺の位置に揃えて折り重ねするものであり、
擬似接着剤塗布工程の後であって折り重ね工程の前、或いは、折り重ね工程の複数の折り重ねステップ間ののど辺の重ねあわせ前に、のど辺に沿う強接着領域へ、擬似接着剤よりも接着力の強い強接着剤を塗布する強接着剤塗布工程を具備してなり、
擬似接着封緘物を開封したときに、のど辺が強接着領域で綴られた冊子となる請求項1、2、3または4のいずれか記載の擬似接着封緘物の製造方法。 - ハーフスリット工程において、上方からのスリット刃によって一部の重合用紙からなるハーフスリット片を切断した後、ハーフスリット刃よりも用紙送り方向前方にて回転式のガイドローラーによってハーフスリット片を巻きつけ、巻きつけたハーフスリット片に、スリット刃とガイドローラーとの間で所定の引張り方向で引張力を加えながら、ガイドローラー近傍に設けた吸引ダクトによってハーフスリット片を前記引張り向と異なる吸引方向へ吸引して取り除く請求項1、2、3、4または5のいずれか記載の擬似接着封緘物の製造方法。
- 印刷工程に用いる原型用紙が、予め疑似接着剤が概略全面に塗布された先糊圧着紙である請求項1、2、3、4、5または6のいずれか記載の擬似接着封緘物の製造方法。
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