JP2010005556A - 不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法 - Google Patents

不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】不飽和カルボン酸の選択率と収率に優れ、且つ、触媒成形体の機械的強度が優れた不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法の提供。
【解決手段】不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相接触酸化して不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む成形触媒の製造方法であって、触媒成分を含む粒子に、グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を加えて成形することを特徴とする不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、不飽和アルデヒドを分子状酸素を用いて気相接触酸化し、不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法に関する。
従来、不飽和アルデヒドを気相接触酸化して不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる触媒やその製造方法については数多くの提案がなされている。
このような触媒の多くは、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む組成を有しており、工業的にはこのような組成の成形触媒が使用される。これらはその成形方法により押出成形触媒や担持成形触媒等に分類される。通常、押出成形触媒は触媒成分を含む粒子を混練りし、押出成形する工程を経て製造され、担持成形触媒は触媒成分を含む粉体を担体に担持させる工程を経て製造される。
押出成形触媒に関しては、例えば、製造の際にグラファイトを添加して物理的強度や選択率を向上させる方法(特許文献1)、ヒドロキシプロピルメチルセルロースとカードランの2種類の有機バインダーを使用する押出成形触媒の製造方法(特許文献2)等が提案されている。
しかしながら、これら公知の方法で得られる触媒は、物性、触媒活性、目的生成物選択性などの点で工業触媒として必ずしも十分ではなく、一般に工業的知見から更なる改良が望まれている。
特開昭60−1580834号公報 特開2002−282696号公報
本発明は、不飽和カルボン酸の選択率と収率に優れ、且つ、触媒成形体の機械的強度が優れた不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法の提供を目的とする。
本発明は、不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相接触酸化して不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む成形触媒の製造方法であって、触媒成分を含む粒子に、グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を加えて成形することを特徴とする不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法である。
本発明の方法で得られる触媒は、不飽和アルデヒドを反応原料とし、この反応原料を分子状酸素により気相接触酸化して不飽和カルボン酸を製造するために用いられるものである。本発明の方法で得られる不飽和カルボン酸製造用触媒は、機械的強度に優れており、この触媒を用いることで不飽和カルボン酸を高い選択率と収率で製造することができる。
本発明の方法で製造される触媒(以下、「触媒」という)は、反応原料を分子状酸素を用いて気相接触酸化し、反応原料に対応する不飽和アルデヒド、例えば、アクロレインからアクリル酸、メタクロレインからメタクリル酸を製造する際に用いられる。
触媒成分としては、少なくともモリブデン及びバナジウムを含むものであって、他に、鉄、コバルト、クロム、アルミニウム、ストロンチウム、ゲルマニウム、ホウ素、ヒ素、セレン、銀、ケイ素、ナトリウム、テルル、リチウム、アンチモン、リン、カリウム、バリウム、マグネシウム、チタン、マンガン、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、カルシウム、スズ、ビスマス、ガリウム、セリウム、ランタン、ルビジウム、セシウム、タリウム等を含んでいてもよい。
このような少なくともモリブデン及びバナジウムを含む成形触媒は、一般に(1)触媒成分を含む粒子を製造する工程、(2)得られた触媒成分を含む粒子等を混練りする工程、(3)得られた混練り品を押出成形する工程、(4)乾燥及び/又は熱処理する工程を経て製造される。
本発明において、(1)の工程は特に限定されず、従来公知の種々の方法が適用できるが、通常、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む水性スラリーを乾燥し、必要に応じてさらに粉砕して粒子状にする。
少なくともモリブデン及びバナジウムを含む水性スラリーを調製する方法は特に限定されず、触媒成分の著しい偏在を伴わない限り、従来からよく知られている沈殿法、酸化物混合法等の種々の方法を用いることができる。
触媒成分の出発原料としては、各元素の酸化物、硫酸塩、硝酸塩、炭酸塩、水酸化物、アンモニウム塩、ハロゲン化物等を使用することができる。例えば、モリブデン原料としてはパラモリブデン酸アンモニウム、三酸化モリブデン等が挙げられる。触媒成分の出発原料は各元素について、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
水性スラリーを乾燥して粒子状にする方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー乾燥機を用いて乾燥する方法、スラリードライヤーを用いて乾燥する方法、ドラムドライヤーを用いて乾燥する方法、蒸発乾固して塊状の乾燥物を粉砕する方法等が適用できる。これらの中では、乾燥と同時に粒子が得られること、得られる粒子の形状が整った球形であることから、スプレー乾燥機を用いて乾燥粒子を得ることが好ましい。乾燥条件は乾燥方法により異なるが、スプレー乾燥機を用いる場合、入口温度は通常100〜500℃、出口温度は通常100℃以上で好ましくは105〜200℃である。
このようにして得られた乾燥粒子は、必要に応じて、好ましくは200〜500℃で熱処理(焼成)してもよい。焼成条件は、特に限定されないが、通常、酸素、空気又は窒素流通下で行ない、焼成時間は目的とする触媒によって適宜選択すればよい。
次に(2)の工程では、(1)の工程で得られた触媒成分を含む粒子、液体並びにグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を混合したものを混練りする。
混練りに使用する装置は特に限定されず、例えば、双腕型の攪拌羽根を使用するバッチ式の混練り機、軸回転往復式やセルフクリーニング型等の連続式の混練り機等が使用できるが、混練り品の状態を確認しながら混練りを行うことができる点で、バッチ式が好ましい。また、混練りの終点は、通常目視又は手触りによって判断することができる。
前記粒子、液体並びにグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体の混合方法は特に限定されない。具体的には、粒子並びにグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を混合したものと液体とを混合する方法、触媒成分を含む溶液又はスラリー並びにグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体とを混合する方法、液体にグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を溶解又は分散させたものと粒子とを混合する方法等が例示できるが、なかでも粒子並びにグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を混合したものと液体を混合する方法が好ましい。
(2)の工程で用いる液体としては、水やアルコールが好ましく、このようなアルコールとしては、例えばエチルアルコール、メチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコールが挙げられる。これらの中では経済性と取り扱い性の点から、水が特に好ましい。これらの液体は1種を用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
液体の使用量は、触媒成分を含む粒子の性状、液体の種類等により適宜選択されるが、通常は(1)の工程で得られた乾燥粒子又は焼成粒子100質量部に対して10〜70質量部であり、好ましくは20質量部以上又は60質量部以下である。
(2)の工程で用いるグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体とは、グルコースとマンノースがグリコシド結合によって重合した多糖のことであり、その一例としてグルコマンナンを挙げることができる。グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体の起源は特に限定されないが、微生物起源、植物起源及び動物起源のものが好ましい。これらグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体は保水性と高い粘性を有しており、成形体により多くの水分を含めることができるので、最終的に触媒中に好ましい細孔が発現し、より選択率の高い触媒を製造することができる。これらは、1%水溶液、20℃における粘度が30,000mPa・s以上のものが、成形性を向上させるため、好ましい。
グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体は、未精製のまま用いてもよく、精製して用いてもよいが、不純物としての金属や強熱残分は、触媒性能を低下させることがあるため、より少ない方が好ましい。
グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体の使用量は、触媒成分を含む粒子の種類や大きさ、液体の種類等により適宜選択されるが、通常は(1)の工程で得られた触媒成分を含む粒子100質量部に対して0.05〜15質量部であり、好ましくは0.1質量部以上又は10質量部以下であり、より好ましくは0.2質量部以上又は8質量部以下である。グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体の添加量が多くなるほど成形性が向上する傾向があり、少なくなるほど成形後の熱処理等の後処理が簡単になる傾向がある。グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を用いる際の形状は粉末状態でもペースト状態でも構わない。
(2)の工程においては、上述したようなグルコース単位及びマンノース単位を含む重合体とともに、成形助剤を用いることができる。本発明においては、前記重合体とともに、成形助剤としてβ−グルカン誘導体を用いた場合、さらに活性、選択性に優れた触媒が得られる。
本発明においてβ−グルカン誘導体とは、グルコースから構成される多糖類のうち、グルコースがβ型の構造で結合したものをいい、β−1,4−グルカン、β−1,3−グルカン、β−1,6−グルカン、β−1,3−1,6−グルカンβ−1,3−1,4−グルカン等の誘導体が例示できる。
このようなβ−グルカン誘導体としては、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、発酵βグルカン、カードラン、ラミナラン、パラミロン、カロース、パキマン、スクレログルカン等のβ−1,3−グルカンなどを挙げることができる。β−グルカン誘導体は1種を用いても2種以上を用いてもよい。これらは、1%水溶液、20℃における粘度が10〜15000mPa・sの範囲のものが、成形性がよいため、好ましい。
β−グルカン誘導体の使用量は、触媒成分を含む粒子の種類や大きさ、液体の種類等により適宜選択されるが、通常は(1)の工程で得られた触媒成分を含む粒子100質量部に対して0.05〜15質量部であり、好ましくは0.1質量部以上又は10質量部以下であり、より好ましくは0.2質量部以上又は8質量部以下である。β−グルカン誘導体の添加量が多くなるほど成形性が向上する傾向があり、少なくなるほど成形後の熱処理等の後処理が簡単になる傾向がある。
グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体とβ−グルカン誘導体との合計使用量は、通常、(1)の工程で得られた触媒成分を含む粒子100質量部に対して0.2質量部以上が好ましく、0.4質量部以上がより好ましい、また、20質量部以下が好ましく、16質量部以下がより好ましい。
次に(3)の工程では、(2)の工程で得られた混練り品を押出成形する。押出成形する際には、オーガー式押出成形機、ピストン式押出成形機などを用いることができる。押出成形による成形体の形状としては特に限定はなく、リング状、円柱状、ハニカム状、星型状などの任意の形状に成形することができる。
次に(4)の工程では、(3)の工程で得られた触媒成形体を乾燥、焼成して触媒(製品)を得る。乾燥方法は特に限定されず、一般的に知られている熱風乾燥、湿度乾燥、遠赤外線乾燥又はマイクロ波乾燥などの方法を任意に用いることができる。乾燥条件は、目的とする含水率とすることができれば適宜選択することができる。
乾燥成形品は通常焼成するが、(1)の工程で触媒成分を含む粒子を焼成している場合等は省略することも可能である。焼成条件については特に限定はなく、公知の焼成条件を適用することができる。通常は200〜600℃の温度範囲で行われる。乾燥工程を省略し、焼成のみを行なってもよい。
また、本発明においては、従来公知のグラファイトやケイソウ土などの無機化合物、ガラス繊維、セラミックファイバーや炭素繊維などの無機ファイバーなどを添加することができる。添加は(2)の工程、混練りする際に行なえばよい。
本発明の触媒を用いた不飽和アルデヒドの気相接触酸化による不飽和カルボン酸の製造の例としては、アクロレインの酸化によるアクリル酸の製造や、メタクロレインの酸化によるメタクリル酸の製造等が挙げられる。
アクロレインの酸化によるアクリル酸の製造に適する触媒としては、下記一般式(I)で表される組成を有するものが好ましく挙げられる。
MoabX1cY1dZ1ef (I)
(式中、Mo、V及びOはそれぞれモリブデン、バナジウム及び酸素を示し、X1は鉄、コバルト、クロム、アルミニウム及びストロンチウムからなる群より選ばれた少なくとも一種の元素を示し、Y1はゲルマニウム、ホウ素、ヒ素、セレン、銀、ケイ素、ナトリウム、テルル、リチウム、アンチモン、リン、カリウム及びバリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Z1はマグネシウム、チタン、マンガン、銅、亜鉛、ジルコニウム、ニオブ、タングステン、タンタル、カルシウム、スズ及びビスマスからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。a、b、c、d、e及びfは各元素の原子比率を表し、a=12のときb=0.01〜6、c=0〜5、d=0〜10、e=0〜5であり、fは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である)。
また、メタクロレインの酸化によるメタクリル酸の製造に適する触媒としては、下記一般式(II)で表される組成を有するものが好ましく挙げられる。
gMohiCujX2kY2lZ2mn (II)
(式中、P、Mo、V、Cu及びOはそれぞれリン、モリブデン、バナジウム、銅及び酸素を示し、X2はアンチモン、ビスマス、ヒ素、ゲルマニウム、ジルコニウム、テルル、セレン、ケイ素、タングステン、ホウ素及び銀からなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Y2は鉄、亜鉛、クロム、マグネシウム、タンタル、マンガン、コバルト、バリウム、ガリウム、セリウム及びランタンからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示し、Z2はカリウム、ルビジウム、セシウム及びタリウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素を示す。g、h、i、j、k、l、m及びnは各元素の原子比率を表し、h=12のときg=0.5〜3、i=0.01〜3、j=0〜2、k=0〜3、l=0〜3、m=0.01〜3であり、nは前記各成分の原子価を満足するのに必要な酸素原子比率である。)
本発明の方法で製造した触媒の存在下、反応原料であるアクロレイン、又はメタクロレインと分子状酸素とを含む原料ガスを気相接触酸化することにより不飽和カルボン酸を製造することができる。反応は、通常、固定床で行なう。また、触媒層は1層でも2層以上でもよい。この際、反応管内において、触媒はシリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリコンカーバイト、チタニア、マグネシア、セラミックボールやステンレス鋼等の不活性担体で希釈されていてもよい。また、(2)の工程、混練りする際にこれらの不活性担体を添加してもよい。このとき、反応ガス中の不飽和アルデヒドの濃度は広い範囲で変えることができるが、1〜20容量%、特に3〜10容量%が好ましい。
原料の不飽和アルデヒドは、水、低級飽和アルデヒド等の不純物を少量含んでいてもよく、これらの不純物は反応に実質的な影響を与えない。分子状酸素源としては空気を用いることが経済的であるが、必要に応じて純酸素で富化した空気等も用いることができる。原料ガス中の酸素濃度は、不飽和アルデヒドに対するモル比(容量比)で規定され、この値は0.3〜4、特に0.4〜2.5が好ましい。
原料ガスは反応原料と分子状酸素以外に水を含んでいることが好ましく、また窒素、二酸化炭素等の不活性ガスで希釈して用いることが好ましい。原料ガス中の水の濃度は、3〜45容量%が好ましい。反応圧力としては常圧から数100kPaまでが好ましい。反応温度は通常200〜430℃の範囲で選ぶことができるが、特に220〜400℃の範囲が好ましい。接触時間は1.5〜15秒が好ましい。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例及び比較例中の「部」は質量部であり、混練りにはバッチ式の双腕型の攪拌羽根を備えた混練り機を使用した。また、原料ガス及び反応ガスの分析はガスクロマトグラフィーにより行った。触媒組成は触媒原料の仕込み量から求めた。また、グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体及びβ−グルカン誘導体の粘度は、1%水溶液又は分散液を用いて、B型粘度計により測定した。
実施例及び比較例中の原料不飽和アルデヒドの反応率(以下、反応率という)、生成する不飽和カルボン酸の選択率は次式により算出した。
反応率(%)=A/B×100
不飽和カルボン酸の選択率(%)=C/A×100
不飽和カルボン酸の収率(%)=C/B×100
ここで、Aは反応した原料不飽和アルデヒドのモル数、Bは供給した原料不飽和アルデヒドのモル数、Cは生成した不飽和カルボン酸のモル数である。
また、触媒成形体の充填粉化率は以下のように定義する。
触媒成形体a部を、水平方向に対して垂直に設置した内径30mmφ、長さ5mからなるステンレス鋼管に、ステンレス鋼管上部より充填し、充填後ステンレス鋼管下部より回収する。回収した触媒成形体の内、8メッシュの篩を通過しない触媒成形体がb部であったとき、充填粉化率は以下の式で表される。
充填粉化率(%)={(a−b)/a}×100
また、圧縮強度の測定はそれぞれ以下の方法により測定した。
圧縮強度:藤井精機(株)製 小型材料試験機 FSP−100型で測定し、平均圧縮強度は30個の成形体を測定した平均値である。
(実施例1)
三酸化モリブデン100部、五酸化バナジウム3.2部、ほう酸0.4部、五酸化アンチモン3.8部及び85%リン酸10.0部を純水800部と混合した。これを還流下で3時間加熱攪拌した後、硝酸銅2.8部及び酸化コバルト0.9部を加え、再び還流下で2時間加熱攪拌した。このスラリーを50℃まで冷却し、重炭酸セシウム10.1部を純水30部に溶解したものを加え、15分間攪拌した。次に、硝酸アンモニウム10部を純水30部に溶解したものを加え、15分間攪拌した。そして、得られた触媒成分を含むスラリーをスプレー乾燥機を用いて平均粒径80μmの触媒成分を含む粒子とした。
このようにして得られた触媒成分を含む粒子100部に対して、粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が190,000mPa・sであるグルコマンナン5部を加え、乾式混合した。ここに純水50部を混合し、双腕型の攪拌羽根をもつバッチ式の混練機を用いて粘土状物質になるまで混練した後、オーガー式押出成形機を用いて押出成形し、外径6mm、内径1mm、長さ5mmの触媒成形体を得た。
得られた触媒成形体を130℃で6時間乾燥し、次いで空気流通下、380℃で5時間熱処理して最終焼成品を得た。
得られた成形触媒の酸素以外の元素の組成は、
1.5Mo120.6Cu0.20.1Sb0.4Co0.2Cs0.9
であった。
この成形触媒をステンレス製反応管に充填し、メタクロレイン5%、酸素10%、水蒸気30%及び窒素55%(容量%)の原料ガスを用い、常圧下、接触時間3.6秒、反応温度270℃で反応させた。結果を表1に示す。
(実施例2)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、グルコマンナン3部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が15000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロース2部とを加えた以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、グルコマンナン3部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が40mPa・sのカードラン2部とを加えた以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、グルコマンナン2部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が15000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロース2部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が40mPa・sのカードラン1部とを加えた以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、グルコマンナン2部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が4000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロース3部とを加えた以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、グルコマンナンを加えずに、得られた触媒焼成物100部に対して純水40部だけを添加した以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。得られた成形体は保形性の非常に低いものであった。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が15000mPa・sであるヒドロキシプロピルメチルセルロース4部と粘度(1%水溶液、20℃における粘度)が40mPa・sのカードラン1部とを加えた以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、グルコマンナン5部の代わりに、平均粒径5〜9nmのシリカゾルを無水ケイ酸として5部添加した以外は、実施例1と同様に触媒成形体を製造し、反応を行った。結果を表1に示す。
Figure 2010005556

Claims (4)

  1. 不飽和アルデヒドを分子状酸素により気相接触酸化して不飽和カルボン酸を製造する際に用いられる、少なくともモリブデン及びバナジウムを含む成形触媒の製造方法であって、触媒成分を含む粒子に、グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体を加えて成形することを特徴とする不飽和カルボン酸製造用触媒の製造方法。
  2. 触媒成分を含む粒子に、グルコース単位及びマンノース単位を含む重合体並びにβ−グルカン誘導体を加えて成形することを特徴とする請求項1記載の触媒の製造方法。
  3. 前記重合体が、グルコマンナンである請求項1又は2記載の触媒の製造方法。
  4. 前記β−グルカン誘導体が、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、及びβ−1,3−グルカンのいずれか1種以上である請求項2記載の触媒の製造方法。
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