JP2010004909A - サイクロン分離装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集するサイクロン分離装置であって,前記捕集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材と,前記補集容器内における補集対象物を検知する第1の検知手段を備えたサイクロン集塵装置,及び前記捕集容器に流入する空気の前記捕集容器内部空間より上流側流路における補集対象物の通過を検知する第2の検知手段とを備えてなるサイクロン分離装置。
【選択図】図2
Description
このサイクロン集塵装置は,比較的大きい塵埃を旋回させることで遠心力によって捕集し,空気流に乗って飛翔する比較的小さい塵埃については,空気流中においたフィルタ手段によって捕集するものであるため,騒音が少なく,集塵効率についても改善されたものである。
内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記捕集容器内に設けられ,該捕集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材と,
前記補集容器内における補集対象物を検知する第1の検知手段とを備えてなるサイクロン分離装置として構成されている。
第2の発明は,内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記捕集容器内に設けられ,該捕集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材と,
前記捕集容器に流入する空気の前記捕集容器内部空間より上流側流路における補集対象物の通過を検知する第2の検知手段とを備えてなるサイクロン分離装置として構成されている。
第1の発明では,前記第1の検知手段によって,捕集容器内における捕集対象物の捕集量などが検出されるので,捕集量が適当な量となった時に圧縮部材を回転させて捕集対象物を圧縮処理することができる。
また第2の発明では,第2の検知手段により前記捕集容器内部空間に空気流に乗って流入する補集対象物の通過が検知されるので,上記通過量を積分すると言った処理を行うことで,捕集容器内に堆積する捕集対象物の量などが検出されるので,捕集量が適当な量となった時に圧縮部材を回転させて捕集対象物を圧縮処理することができる。
前記圧縮部材は,モータなどの圧縮部材駆動手段によって自動的に回転駆動されることが望ましい。このような駆動手段を設けることで,圧縮部材の回転制御を自動化し省力化することができる
そして,前記圧縮部材の回転量を検知する回転量検知手段をさらに備えることで,圧縮部材による圧縮の程度を自動的に管理することができる。
さらに,前記圧縮部材のトルク反力を検知するトルク反力検知手段をさらに備えることで,異物のひっかかり等や,捕集対象物の過多による圧縮部材の回転抵抗を自動的に測定することができ,前記圧縮部材駆動手段を構成するモータなどの過負荷を未然に防止することができる。
前記圧縮部材駆動手段は,前記フィルタ手段の清掃機構を駆動するための手段と兼用させることができる。これによって装置の簡素化によるコストダウンや装置の小型化が可能となる。
掃除などの捕集工程を開始するときに,以前に捕集した捕集対象物が捕集容器内にたまっていることが往々にしてありうる。上記のような以前の捕集物が圧縮されないままに捕集容器内に蓄積されていると,後の捕集時に抵抗となって捕集量増加をさせることの妨げとなりうる。そこで,前記補集対象物の補集工程の開始前に前記圧縮部材駆動手段を駆動して,捕集容器内の空気抵抗を少なくすることが望ましい。
上記のような補集工程の開始前に圧縮部材駆動手段を駆動するに際しては,補集工程の開始前に前記第1及び/若しくは第2の検知手段によって捕集対象物の捕集状態を検知し,その検知された状態に応じて圧縮部材駆動手段を駆動するようにしてもよい。
また,前記圧縮部材が回転駆動された後に,前記第1及び/若しくは第2の検知手段によって捕集対象物の捕集状態を検知すること,つまり,圧縮部材によって捕集対象物を圧縮しつつ,前記第1及び/若しくは第2の検知手段によって捕集対象物の捕集状態を検知して,その検知された状態に応じて,圧縮部材の回転駆動を継続或いは停止することで,圧縮部材の回転による過負荷を防止することが望ましい。
同様に,圧縮部材駆動手段が,前記回転量検知手段による検知結果に応じて前記圧縮部材を回転駆動してもよい。
例えば圧縮部材が過負荷になった場合,圧縮部材の回転数が低下すると思われる。従って,前記圧縮部材駆動手段が,前記回転量検知手段によって検知された回転量が予め定められた回転量より少ない場合に,過負荷と判断して前記圧縮部材の回転駆動を停止するようにすることが望ましい。
同様に圧縮部材が過負荷になった場合,圧縮部材の回転におけるトルク反力が増加すると思われる。従って,前記圧縮部材駆動手段が,前記トルク反力検知手段による検知結果に応じて前記圧縮部材の回転駆動を行うことが望ましい。
具体的には,前記圧縮部材駆動手段が,前記トルク反力検知手段によって検知されたトルク反力が予定より大きい場合,前記圧縮部材の回転駆動を停止することで,圧縮部材の過負荷を未然に防止することができる。
捕集対象物のひっかかり係り等によって回転抵抗が増加した場合の解消策として,圧縮部材の回転方向を逆にすることが,効果的である。従って,前記圧縮部材駆動手段が,前記回転量検知手段及び/若しくはトルク反力検知手段の検知結果に応じて,前記圧縮部材の回転方向を逆転するような制御を取り入れることが望ましい。
その結果,塵埃などの捕集対象物に対する圧縮力を維持することが出来,同時に該螺旋状曲面の上面側は集塵容器の空間として確保される。従って,大量の捕集対象物を捕集容器に蓄積してもサイクロン分離装置部分の性能が維持されるため吸い込み力が低下せず,長時間にわたって高い捕集効率を維持できる。
また上記第1及び第2の発明によれば,上記のように捕集対象物について固く圧縮された状態を保持することで,圧縮力を解除し時にも,再度空中に飛散するような問題を生じず,またそのままの形で後処理に回したり,捨てたりすることが出来る。
さらに上記第1の発明では,前記補集容器内における補集対象物を検知する第1の検知手段或いは,前記捕集容器に流入する空気の前記捕集容器内部空間より上流側流路における補集対象物の通過を検知する第2の検知手段を備えているので,前記第1の検知手段によって,捕集容器内における捕集対象物の捕集量などが検出され,捕集量が適当な量となった時に圧縮部材を回転させて捕集対象物を圧縮処理することができる。
また第2の発明では,第2の検知手段により前記捕集容器内部空間に空気流に乗って流入する補集対象物の通過が検知されるので,上記通過量を積分すると言った処理を行うことで,捕集容器内に堆積する捕集対象物の量などが検出されるので,捕集量が適当な量となった時に圧縮部材を回転させて捕集対象物を圧縮処理することができる。
ここに,図1は,本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの外観図,図2及び図3は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための断面図,図4は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた螺旋状回転圧縮部を説明するための図((a)は,下方から見た斜視図,(b)は,上方から見た斜視図),図5は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた上部フィルタユニット13を説明するための図,図6は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を螺旋状回転圧縮部を中心として説明するための断面図,図7は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための一部断面図を含む分解斜視図,図8は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの螺旋状回転圧縮部への回転力伝達経路を説明するための断面図,図9は,螺旋状回転圧縮部の回転によって,塵埃が圧縮・積層される状況を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図,図10は,螺旋状回転圧縮部への塵埃の貯まり具合を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図,図11は,直円筒状の集塵容器が用いられた場合のサイクロン集塵装置Yの断面図,図12は,螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの断面図,図13は,螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの斜視図,図14は,集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの側断面図,図15は,集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの水平断面図である。
図1に示すように,前記電気掃除機Xは,掃除機本体部1,吸気口部2,接続管3,接続ホース4,操作ハンドル5などを備えて概略構成されている。前記掃除機本体部1には,不図示の電動送風機,サイクロン集塵装置Y,制御装置Zなどが内蔵されている。なお,前記サイクロン集塵装置Yについては後段で詳述する。
前記電動送風機は,吸気を行うための送風ファン及び該送風ファンを回転駆動する送風駆動モータを有している。前記制御装置Zは,CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有してなり,前記電気掃除機Xを統括的に制御する。具体的には,前記制御装置Zでは,前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
なお,前記操作ハンドル5には,ユーザが前記電気掃除機Xの稼働の有無や運転モードの選択操作などを行うための操作スイッチ(不図示)が設けられている。また,その操作スイッチの近傍には,前記電気掃除機Xの現在の状態を表示するLEDなどの表示部(不図示)も設けられている。
従って,前記電気掃除機Xでは,前記掃除機本体部1に内蔵された前記電動送風機(不図示)が作動されることにより,前記吸気口部2からの吸気が行われる。そして,前記吸気口部2から吸気された空気は,前記接続管3及び前記接続ホース4を通じて前記サイクロン集塵装置Yに流入する。前記サイクロン集塵装置Yでは,吸い込まれた空気から塵埃が遠心分離される。なお,前記サイクロン集塵装置Yで塵埃が分離された後の空気は,前記掃除機本体部1の後端に設けられた不図示の排気口から排気される。
図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yは,筐体10,内周面が略円筒状で,上記筐体10に対して着脱自在の集塵容器11(捕集容器の一例),内筒12,上部フィルタユニット13,塵埃受部14及び除塵駆動機構15などを備えて概略構成されている。
前記サイクロン集塵装置Yでは,前記集塵容器11,前記内筒12,前記上部フィルタユニット13,及び前記塵埃受部14が,垂直の中心軸Pを中心に同軸状に配置されている。また,前記サイクロン集塵装置Yは,前記掃除機本体部1に着脱可能に構成されている。
上記筐体10は,フィルタ122を備えた内筒12を備えている。
このサイクロン集塵装置Yでは,略円筒状の集塵容器11の中心部に設けられた前記内筒12から前記集塵容器11内の空気を排気することにより,前記集塵容器11の円周部に設けられた空気流入口111a(図7参照)から吸い込まれた空気を集塵容器11の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段の一例である前記上部フィルタユニット13などを経て前記内筒12を経て排気し,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記集塵容器11の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記上部フィルタユニット13などにおいて捕集するものである。
また,前記集塵容器11の底部には,前記内筒12に設けられた後述の回転軸部123bに嵌合する嵌合部11aが設けられている。前記嵌合部11aの外周部には,前記内筒12の回転軸部123bとの隙間を埋めるための環状のシール部材11bが設けられている。このシール部材11bにより,前記回転軸部123b及び前記集塵容器11の間の空気の漏れが防止される。
ここで,前記接続部111の前記集塵容器11への空気流入口(不図示)は,前記接続ホース4からの空気が前記集塵容器11内で旋回するように形成されている。具体的に,前記空気流入口(不図示)は,前記集塵容器11側の出口が該集塵容器11の円周方向に向くように形成されている。従って,前記集塵容器11では,吸い込まれた空気を旋回させることで該空気に含まれた塵埃が遠心力によって分離(遠心分離)される。そして,前記集塵容器11で遠心分離された塵埃は,該集塵容器11の底部に収容される(図2,3の塵埃D1)。
一方,塵埃が分離された後の空気は,前記集塵容器11から矢印(図2)で示す排気経路112に沿って前記掃除機本体部1に設けられた不図示の排気口から外部に排気される。ここで,前記集塵容器11から前記排気口(不図示)までの前記排気経路112上には,前記内筒12,前記塵埃受部14,及び前記上部フィルタユニット13が順に配置されている。
さらに,前記内筒12の上端には,後述の傾斜除塵部材134に設けられた係合部134cに係合する複数の連結部12bが設けられている。前記連結部12bは,前記内筒12の上端の開口縁部に上方に突出して設けられたリブである。
前記内筒12は,前記連結部12b及び前記係合部134cの係合によって,前記傾斜除塵部材134に一体回転可能に連結されている。これにより,前記内筒12は,前記傾斜除塵部材134に連動して回転することになる。なお,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134の連結構造はこれに限られない。例えば,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134各々に設けられた嵌合部を嵌合させることにより一体回転可能に連結する構成が考えられる。
例えば,前記内筒フィルタ122は,メッシュ状のエアフィルタ等である。なお,前記内筒フィルタ122は,前記内筒排気口121の内側又は外側のいずれに設けられていてもよい。また,前記排気口121及び前記内筒フィルタ122に換えて,前記内筒12にメッシュ状の孔を形成する構成も考えられる。その場合は,そのメッシュ状の孔が前記内筒排気口121及び前記内筒フィルタ122として機能する。
ここで,図2及び図3に加えて螺旋状回転圧縮部123の斜視図である図4を参照しつつ,前記螺旋状回転圧縮部123について説明する。
図2〜4に示されているように,前記螺旋状回転圧縮部123には,螺旋部123a,回転軸部123b,円盤状遮蔽部材123cが設けられている。
前記回転軸部123bは,前記集塵容器11の底部に設けられた前記嵌合部11aに嵌合される中空円筒である。前述したように,前記回転軸部123b及び前記嵌合部11aの間には前記シール部材11b(図2,3参照)が介在する。
この時,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面は図6矢印Aの旋回気流と同様の傾斜方向をもって形成されていることが好ましい。このような螺旋部123aを図6矢印Aの旋回と反対方向に回転させることで前記集塵容器11内の塵埃は,該集塵容器11内面との摩擦によって,該集塵容器11底部へ移動することになる。
ただし,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面を,前記集塵容器11の内周面に沿って旋回する気流の傾き方向とは反対の方向に傾斜させることも可能である。この時,螺旋部123aの回転方向は,図6矢印Aの旋回気流の旋回方向と同一,即ち,螺旋部123aを螺子と想定したとき,螺旋部123aの回転により螺子が後退する方向になる。
さらに,前記内筒12が回転されるとき,前記集塵容器11の底部まで移動した塵埃に対して前記螺旋部123aは,前記集塵容器11の底部との摩擦によって,上記底面との間で塵埃を回転により回転軸中心から外側に向かって押し出し圧縮することになる。このような構成によれば,塵埃が回転によって固く圧縮されるので,前記集塵容器11の塵埃の蓄積可能量を増加させることができる。従って,例えば前記集塵容器11の小型化を実現することが可能である。また,固く圧縮された塵埃は,容易に解けないので,取り出し時にも空気中に飛散する問題がなく,そのままの形でゴミとして廃棄することが出来る。
ここで,図2及び図3に加えて図5を参照しつつ,前記上部フィルタユニット13について説明する。ここに,図5(a)は,前記上部フィルタユニット13を上方から見た斜視図,図5(b)は,前記上部フィルタユニット13を下方から見た斜視図である。
前記上部フィルタユニット13は,HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)131,フィルタ除塵部材132及び傾斜除塵部材134などを有している。
前記HEPAフィルタ131は,前記垂直中心軸Pの周りに環状に配置固定された複数枚のフィルタの集合で構成されている。なお,複数枚のフィルタ各々は,例えば図5(b)に示すような骨組みに固定される。また,前記HEPAフィルタ131に含まれた複数枚のフィルタは,略水平方向に凹凸を繰り返すプリーツ状に配置されている。これにより,前記HEPAフィルタ131におけるフィルタ面積が十分に確保されている。なお,前記HEPAフィルタ131の下端と前記筐体10との間には,環状のシール部材162が設けられている。これにより,前記HEPAフィルタ131と前記筐体10との間の空気の漏れが防止される。
また,図2及び図3に示すように,前記HEPAフィルタ131の中央には,後述のフィルタ除塵部材132に設けられた連結部133が嵌挿される中空部131aが形成されている。また,前記中空部131aには,前記連結部133を回転可能に支持する支持部131bが設けられている。
但し,前記HEPAフィルタ131に塵埃が堆積して目詰まりが生じると,空気の通過抵抗が大きくなる。そのため,前記電動送風機(不図示)の負荷が大きくなり吸塵力が低下するおそれがある。そこで,前記上部フィルタユニット13には,前記HEPAフィルタ131に付着した塵埃を除去する前記フィルタ除塵部材132が設けられている。
また,前記連結部133には,該連結部133に設けられたネジ穴133aに前記傾斜除塵部材134がネジ133bで螺着される。これにより,前記フィルタ除塵部材132及び前記傾斜除塵部材134が一体回転可能に連結される。なお,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間には,隙間を埋める環状のシール部材163が設けられている。これにより,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間の空気の漏れが防止される。
そして,前記フィルタ除塵部材132には,その外周部にギア132bが形成されている。このギア132bは,図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yに設けられた除塵駆動機構15に設けられたギア15aに噛合される。
そして,上記フィルタ除塵部材132の回転は,前記したように,傾斜除塵部材134に伝達され,傾斜除塵部材134と一体に回転する内筒12及び内筒12と一体の螺旋状回転圧縮部123が前記垂直中心軸Pの周りに回転する。
なお,本実施の形態では,前記除塵駆動モータによって前記フィルタ除塵部材132が回転される場合を例に挙げて説明するが,前記除塵駆動モータに換えて,前記フィルタ除塵部材132を手動で回転させることのできる機構を設けることも他の実施例として考えられる。
さらに,除塵駆動モータ以外の別のモータによって,螺旋状回転圧縮部123を回転させることも当然考えられる。上部フィルタユニット13の除塵と,螺旋状回転圧縮部123の回転とを別に行いたい場合には,このような別駆動の方を採用することも考えられる。
前述したように,サイクロン集塵装置Yは,概略円筒形状に形成され,上部に配置された上部フィルタユニット13と,下部に配置された集塵容器11とを備えて構成されている。
集塵容器11内に収納された前記内筒12の下端には,分離部104と集塵部105の境界部である円盤状遮蔽部材123cが一体的に接合されている。上記円盤状遮蔽部材123cとその下部の前記螺旋部123aの外径は,ほぼ同じで,分離部104の内径より小さく,円盤状遮蔽部材123cの外周と集塵容器11の内壁との間には隙間(クリアランス)106(図6)が存在している。隙間(クリアランス)106は,分離部104において分離した塵埃を集塵部105へ移動する場合に,ある程度の体積を持つ塵埃においてもスムーズに移動することができ,かつ一度集塵部105に移動・蓄積した塵埃を巻き上げ,内筒フィルタ122を詰まらさないようにするに適した値である。実験によれば13mm程度が望ましいことが分かった。
また上記隙間108の幅は,集塵室105の底部に押し付けられ,圧縮された塵埃が螺旋部分の終端と集塵室105底部の間に詰まることによる破損や,異物等の詰まりを起こすことを防ぐことができる値である。本実施例では,IEC規格に基づくDMT標準ゴミTYPE8を試験ゴミとして10g使用した実験により求めた上記隙間108の幅を6〜13mm程度としている。
図3,図6に示すように,分離室104の周方向に形成された接続部111の空気流入口111aから集塵容器11の分離室104に入った気流は,図6の矢印Aのように,分離室104の円筒状の内周面に沿って高速で旋回する。旋回気流中の比較的大きい塵埃には遠心力が作用して気流から分離され,集塵容器11の内壁へ押し付けられる。図2に示すように,空気の排気口121が,下方にあるため,その後,気流は旋回しながら,集塵室105に入る。図6において二点鎖線で示す矢印Aのように旋回する気流(主流)は,集塵室105の底面に到達した後は上昇に転じる。図6の例では,この螺旋状回転圧縮部123のまわりの間隙107を旋回する気流の回転方向と螺旋状回転圧縮部123の螺旋部123aの傾き方向が一致しており,サイクロン旋回気流を妨げることがない。このため,圧力損失が少なく効率的な遠心分離が可能であり,高い吸い込み仕事率が得られる。
前述したように,吸引された塵埃は,分離部104において分離され,隙間106(図6)を通り,集塵部105へ導かれる。集塵部105においては,塵埃は隙間107を通り,隙間108によりせき止められる(トラップされる)ことにより,蓄積される。この蓄積は,螺旋状回転圧縮部123が回転されるごとに既に蓄積された塵埃の上に積層されていく。そのため,この集塵装置では,螺旋部123aに沿って,偏ることなく積層が成長していくため,集塵部105内で偏って蓄積されていくことがなく,同容積の集塵部と比較して集塵可能容量が飛躍的に向上する。
また,螺旋部123aは,サイクロン旋回気流の回転方向に沿って下方に向かって傾斜する方向性をもつ螺旋形状とすることが出来る。この場合には,サイクロンの気流による圧縮効果も得られる。これにより,さらに集塵可能容量が向上する。
たとえば,送風駆動モータの駆動が停止されると,気流が旋回を止める。送風駆動モータの駆動停止が確認された後,除塵駆動機構15が駆動されると,上述したように内筒12,排気口121,円盤状遮蔽部材123c,螺旋状回転圧縮部123,回転軸部123bが一体となって,垂直中心軸Pを中心として,図8の矢印D方向(上面から見て,反時計方向)に回転する。このようにして,除塵駆動機構15による回転が,図8に示される第1の回転軸線152と第2の回転軸線153を介して回転軸部123bに伝達される。
こうして螺旋状回転圧縮部123が回転すると,螺子の原理により,回転軸方向(図9の矢印Eで示す垂直下向き方向)に推力が発生する。この推力により,集塵室105に蓄積されている図9の塵埃200は,回転軸方向に押し出され,集塵容器11の底面に押し付けられることにより回転軸方向に圧縮される。
このように,この実施形態では,圧縮部材の一例である螺旋状回転圧縮部123を回転駆動する圧縮部材駆動手段が,本発明における圧縮部材駆動手段の一例を構成し,前記フィルタ手段の一例である上部フィルタユニット13の清掃機構を駆動するための手段である除塵駆動機構15と兼用されているので,装置の兼用化により部品点数を減少させ,或いは装置を小型化させることに成功している。
例えば集塵容器11内部の捕集対象物の堆積状態などを検知するセンサを配することにより,その検知結果に応じて螺旋状回転圧縮部123を回転させ,或いは停止させるという間欠回転制御が可能になる。
図7(a)は,集塵容器11を含む集塵装置全体の分解斜視図,(b)は,(a)に示した集塵容器11を後記する光学センサ500の光軸505を含む水平面で切断した断面図である。
図7に示した集塵容器11の下部側面を覆うカバー502内には,投光部504及び受光部503を備えた光学センサ500が設けられている。光学センサ500は上記センサの一例である。この場合,投光部504及び受光部503は,捕集容器の一例である集塵容器11の底部近くを光軸505が横切るように,例えば分離部104の周辺であって,圧縮部材123とは干渉しない部分を上記光軸505が通過するように配置することが適切である。
上のように光学センサ500の光軸505が,圧縮部材123と干渉しないように配置することで,回転する圧縮部材123によって光軸505が遮られて光学センサ500にノイズが生じるという不都合が回避される。また,この実施形態に係るサイクロン式集塵装置では,旋回する空気流による遠心力で塵埃が集塵容器11の内周面近くに堆積するものであるので,光学センサ500を,図7(b)のように,集塵容器11の内周面に沿って配置することで,塵埃の堆積量を正確に測定することができる。上記光学センサ500の一例として赤外線センサが考えられる。光学センサ500は,上記集塵容器11の垂直側壁508にその軸心が水平あるいは垂直(光軸507の方向)となるように配置されてもよく,受光量の多少に基づいて集塵容器11の底部近くに貯まった塵埃の量を検出することができる。光学センサ500が第1の検知手段の一例である。上記光学センサ500によって,捕集容器11内における塵埃の捕集量が検出されるので,この捕集量が適当な量となった時に圧縮部材123を回転させて塵埃を圧縮処理することができる。
このように,分離部104と集塵容器11の間に塵埃がたまっている場合は螺旋状回転圧縮部123を回転させるという制御により,運転中における塵埃の圧縮とサイクロン方式による分離能力回復を必要なタイミングで自動的に行うことができる。
上記赤外線センサ506が,本発明における第2の検知手段の一例である。
回転負荷の検出手段の一例として,螺旋状回転圧縮部123の回転速度を観測する手法が考えられる。
例えばモータなどの駆動手段151(図8参照)の軸152について回転量を検知する図外の光学式エンコーダを配し,回転量が例えば通常時(定格負荷時の回転速度などから換算)の1/3まで落ちている場合は,駆動手段151による螺旋状回転圧縮部123の回転を停止するという制御が可能である。
また,回転負荷の検出手段の一例として,螺旋状圧縮部123の回転に対するトルク反力を観測する手法も考えられる。例えば駆動手段151がDCモータである場合,トルク反力の一例としてモータ電流を容易に観測することができ,モータ電流が定格の1.5倍に達した場合は螺旋状回転圧縮部123の回転を停止するという制御が可能である。
具体的には,回転負荷が大きくなっていることを検知したら螺旋状回転圧縮部123を2秒間ほど逆回転し,再度順方向回転に切り替える。この順方向回転中にも同様の回転負荷が検知された場合は回転を停止する,という手順で実現可能である。
リブ400は,1本でも効果があるが,バランス上,複数,均等に設けることが望ましい。
また,螺旋部123aと集塵容器11の内壁側面との間の塵埃を押し出すための摩擦を発生させるための抵抗を生じさせる構造は,集塵容器11の内壁側面にリブ400に限らず,抵抗となる凹凸や表面処理でもよい。
11…集塵容器(捕集容器)
12…内筒
13…上部フィルタユニット
14…集塵受部
15…除塵駆動機構
104…分離部
105…集塵部
123…螺旋状回転圧縮部
123a…螺旋部(圧縮部)
123b…回転軸部
123c…円盤状遮蔽部材
123d…始端部
200,201…塵埃
400…リブ
Claims (13)
- 内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記捕集容器内に設けられ,該捕集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材と,
前記補集容器内における補集対象物を検知する第1の検知手段とを備えてなるサイクロン分離装置。 - 内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記捕集容器内に設けられ,該捕集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材と,
前記捕集容器に流入する空気の前記捕集容器内部空間より上流側流路における補集対象物の通過を検知する第2の検知手段とを備えてなるサイクロン分離装置。 - 前記圧縮部材を自動的に回転駆動する圧縮部材駆動手段をさらに備えてなる請求項1または2に記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材の回転量を検知する回転量検知手段をさらに備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材のトルク反力を検知するトルク反力検知手段をさらに備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材駆動手段は,前記フィルタ手段の清掃機構を駆動するための手段と兼用されてなる請求項3〜5のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材駆動手段が,前記圧縮部材を,補集対象物の補集工程の開始前に回転駆動されるように制御するものである請求項3〜6のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 圧縮部材駆動手段が,補集工程の開始前に前記圧縮部材を駆動するに際して,補集工程の開始前に前記第1及び/若しくは第2の検知手段によって捕集対象物の捕集状態を検知し,その検知された状態に応じて圧縮部材を駆動するように制御してなる請求項3〜7のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 圧縮部材駆動手段が,圧縮部材によって捕集対象物を圧縮しつつ,前記第1及び/若しくは第2の検知手段によって捕集対象物の捕集状態を検知して,その検知された状態に応じて,圧縮部材の回転駆動を継続或いは停止するように制御してなる請求項3〜8のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 圧縮部材駆動手段が,前記回転量検知手段による検知結果に応じて前記圧縮部材を回転駆動する請求項4〜9のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材駆動手段が,前記回転量検知手段によって検知された回転量が予め定められた回転量より少ない場合に過負荷と判断して前記圧縮部材の回転駆動を停止するように制御してなる請求項4〜10のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記圧縮部材駆動手段が,前記トルク反力検知手段による検知結果に応じて前記圧縮部材の回転駆動を行うように制御してなる請求項5〜11のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記捕集対象物が,塵埃である場合に,サイクロン集塵装置に適用されてなる請求項1〜12のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
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