JP5031807B2 - サイクロン分離装置 - Google Patents
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Description
また螺旋形状のような傾斜スロープ構造をもつものとしては特許文献2がある。
上記特許文献2は,空気を吸い込む吸気部と空気を排気する排気部を備えたサイクロン本体と,排気部に取り付けられ,空気をろ過するグリル部材と,サイクロン本体に取り付けられ,吸気部から吸い込まれる空気中に含まれているゴミを収集し貯蔵するゴミ収集筒と,ゴミ収集筒へ収集されたゴミが舞い上がらないように遮断し,空気中に含まれているゴミ中の一定の重量及び/または体積を有するゴミを空気の流れによりゴミ収集筒へ螺旋方向に沿って下向きに導く下向き案内部とを含んで構成されている。また,この技術は,前記下向き案内部に切欠き部を設け,切欠き部により旋回室で遠心分離された塵埃が集塵室に送られることを期待したものである。
また上記特許文献1に記載の発明は,上部が分離室,下部が集積室となり,分離室の中心には排気筒が配置されたサイクロン集塵装置を備え,電動送風機の運転によって発生する気流により塵埃を吸込口から吸い込み,吸い込んだ気流を前記吸込口と連通する吸気路を介して前記サイクロン集塵装置の分離室に,その内周壁に対し接線方向に導入し,前記分離室及び集積室の中で気流を旋回させて塵埃を分離し,分離した塵埃を前記集積室に集積する電気掃除機において,前記分離室と集積室との境界に遮蔽部材を配置し,この遮蔽部材はその外周と集積室の内壁との間に所定の間隙が生じる形状とするとともに,その縁には前記分離室の方向に突出するループ状の障壁が形設され,さらに,前記遮蔽部材の縁に,前記集積室の底面に向かって突出するループ状の障壁を形設されている。
この構成によれば,分離室内において遮蔽部材に沿って旋回する気流が障壁のところで上昇気流となり(以下,第1の旋回気流と記す),集積室から延び出して分離室の中心に迫ろうとする塵埃を排除する。
また,分離室で発生した旋回気流は遮蔽部材と集積室内壁との隙間から集積室に進入し,集積室に塵埃を落とした後分離室に帰還する(以下,第2の旋回気流と記す)のであるが,この時分離室に帰還しようとする旋回気流に塵埃が含まれていれば,その塵埃は気流がリブに衝突して方向転換を行う際に分離され,集積室に留まり,フィルタ部に到達せずサイクロン集積室内に留め置くことが可能である。
上記のような基本原理に基づくサイクロン分離装置においては,遠心分離されたゴミの捕集は重要な課題である。
その点,上記特許文献2に記載のサイクロン集塵装置では,前記下向き案内部に切欠き部を設け,切欠き部を経て旋回室で遠心分離された塵埃が集塵室に送られることを期待したものであるが,上記切欠き部があるために,下向き案内部の切欠き部から流入した気流は,上昇時に上記切欠き部より再び分離部に流出する。この流れに乗って微細な塵埃は流出してしまっており,上記特許文献2の螺旋状下向き案内部は,微細塵の舞い上がり防止のための遮蔽部材としてはほとんど機能しておらず,HEPAフィルタ等の微細塵の集塵に長けたフィルタを用いて捕集する必要があった。
また,集塵室内には,強い旋回流れが生じているため,集塵室内の静圧分布の特性から,気流の二次的流れが発生し,集塵室内に捕集した塵埃が再飛散を起こし,これにより,集塵室に塵埃を多く捕集するほど,切欠き部からの微細塵の流出量が増加し,フィルタが目詰まりしてしまうという問題があった。
従って本発明は上記したような事情に基づいて創案されたものであり,前記したような特許文献2における下向き案内部における切欠きから漏れる気流に乗って飛散し,フィルタの目詰まりを生じさせる微粉塵が飛散しないようにすることのできるサイクロン分離装置の提供を目的とするものである。
前記捕集容器内に該捕集容器の垂直中心軸を中心とする1あるいは複数の水平円盤からなりその外周端と前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる分離部材と,前記分離部材の上部に設けられ,前記捕集容器の上部空間と前記捕集容器の下部空間とを隔てる円盤状遮蔽部材であって,前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる円盤状遮蔽部材とを備えてなることを特徴とするサイクロン分離装置として構成することができる。
このような円盤形状分離部材は,前記した螺旋形状分離部材と比べて,どの方向からの上昇流(乱流の場合)に対しても,上昇流の流れを急変する邪魔板が多数配置されている。このため,慣性力による微細塵分離効率がさらに高まる。同様に,円盤形状分離部材下部により上昇する微細塵を含む気流の一部が,サイクロン集積装置内壁方向に押し出され集積装置側面内壁にある旋回気流により再度下方に戻されることによる微細塵の集塵効果もさらに高めることができる。
このような平行の円盤状分離部材を備えたサイクロン分離装置についても,螺旋状分離部材の場合と同様,前記水平円盤の外周端と前記捕集容器の内壁との間における,所定の隙間が必要である。また前記水平円盤の外周端と前記捕集容器の内壁との隙間を下方に向かい小さくなるように構成しても良い。
さらに前記分離部材を,前記円盤状遮蔽部材と連結したりする点についても,前記螺旋状分離部材と同様に構成することができる。
またこれらの発明は,前記捕集対象物が,塵埃であるサイクロン集塵装置に適用可能である。
前記捕集容器内に該捕集容器の垂直中心軸を中心とする1あるいは複数の水平円盤からなりその外周端と前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる分離部材と,前記分離部材の上部に設けられ,前記捕集容器の上部空間と前記捕集容器の下部空間とを隔てる円盤状遮蔽部材であって,前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる円盤状遮蔽部材とを備えてなることを特徴とするサイクロン分離装置として構成されている。
ここに円盤形状分離部材は,上昇流に対してほぼ垂直に形成されており,塵埃が含まれる上昇流の方向を急変もしくは衝突させることにより,慣性力の作用で塵埃を分離・捕集することができる。
さらに,円盤形状分離部材を複数設けることにより,分離・捕集効率を高めることができる。
ここに,図1は,本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの外観図,図2及び図3は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Y(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している)の内部構造を説明するための断面図,図4は,図2及び図3に示したサイクロン集塵装置Yに設けられた螺旋部を説明するための図((a)は,下方から見た斜視図,(b)は,上方から見た斜視図),図5は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた上部フィルタユニット13を説明するための図,図6は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を螺旋形状分離部材を中心として説明するための断面図,図7は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Y(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している)の内部構造を説明するための分解斜視図,図8は,塵埃の貯まり具合を説明するための図(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している),図9は,集塵容器が直円筒状の場合を説明するサイクロン集塵装置Y(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している)の断面図,図10は,円錐台状の集塵容器が用いられた場合のサイクロン集塵装置Y(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している)の断面図,図11は,螺旋部の空気の流れを説明するためのサイクロン集塵装置Y(但し,円盤形状分離部材に替わって螺旋状分離部材を用いた場合を例示している)の斜視図である。また,図12は本発明の実施形態に係る集塵装置に用いる分離部材を示す斜視図,図13は,同実施形態に係る集塵装置の分解斜視図,図14は,同実施形態に係る集塵装置の断面図である。
図1に示すように,前記電気掃除機Xは,掃除機本体部1,吸気口部2,接続管3,接続ホース4,操作ハンドル5などを備えて概略構成されている。前記掃除機本体部1には,不図示の電動送風機,サイクロン集塵装置Y,不図示の制御装置などが内蔵されている。なお,前記サイクロン集塵装置Yについては後段で詳述する。
前記電動送風機は,吸気を行うための送風ファン及び該送風ファンを回転駆動する送風駆動モータを有している。前記制御装置は,CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有してなり,前記電気掃除機Xを統括的に制御する。具体的には,前記制御装置では,前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
なお,前記操作ハンドル5には,ユーザが前記電気掃除機Xの稼働の有無や運転モードの選択操作などを行うための操作スイッチ(不図示)が設けられている。また,その操作スイッチの近傍には,前記電気掃除機Xの現在の状態を表示するLEDなどの表示部(不図示)も設けられている。
従って,前記電気掃除機Xでは,前記掃除機本体部1に内蔵された前記電動送風機(不図示)が作動されることにより,前記吸気口部2からの吸気が行われる。そして,前記吸気口部2から吸気された空気は,前記接続管3及び前記接続ホース4を通じて前記サイクロン集塵装置Yに流入する。前記サイクロン集塵装置Yでは,吸い込まれた空気から塵埃が遠心分離される。なお,前記サイクロン集塵装置Yで塵埃が分離された後の空気は,前記掃除機本体部1の後端に設けられた不図示の排気口から排気される。
図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yは,筐体10,内周面が略円筒状で,上記筐体10に対して着脱自在の集塵容器11(捕集容器の一例),内筒12,上部フィルタユニット13,塵埃受部14及び除塵駆動機構15などを備えて概略構成されている。
前記サイクロン集塵装置Yでは,前記集塵容器11,前記内筒12,前記上部フィルタユニット13,及び前記塵埃受部14が,垂直の中心軸Pを中心に同軸状に配置されている。また,前記サイクロン集塵装置Yは,前記掃除機本体部1に着脱可能に構成されている。
上記筐体10は,フィルタ122を備えた内筒12を備えている。
このサイクロン集塵装置Yでは,略円筒状の集塵容器11の中心部に設けられた前記内筒12から前記集塵容器11内の空気を排気することにより,前記集塵容器11の円周部に設けられた空気流入口111a(図7参照)から吸い込まれた空気を集塵容器11の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段の一例である前記上部フィルタユニット13などを経て前記内筒12を経て排気し,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記集塵容器11の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記上部フィルタユニット13などにおいて捕集するものである。
ここで,前記接続部111の前記集塵容器11への空気流入口(不図示)は,前記接続ホース4からの空気が前記集塵容器11内で旋回するように形成されている。具体的に,前記空気流入口(不図示)は,前記集塵容器11側の出口が該集塵容器11の円周方向に向くように形成されている。従って,前記集塵容器11では,吸い込まれた空気を旋回させることで該空気に含まれた塵埃が遠心力によって分離(遠心分離)される。そして,前記集塵容器11で遠心分離された塵埃は,該集塵容器11の底部に収容される(図2,3の塵埃D1)。
一方,塵埃が分離された後の空気は,前記集塵容器11から矢印(図2)で示す排気経路112に沿って前記掃除機本体部1に設けられた不図示の排気口から外部に排気される。ここで,前記集塵容器11から前記排気口(不図示)までの前記排気経路112上には,前記内筒12,前記塵埃受部14,及び前記上部フィルタユニット13が順に配置されている。
前記内筒12は,前記連結部12b及び前記係合部134cの係合によって,前記傾斜除塵部材134に一体に連結されている。なお,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134の連結構造はこれに限られない。例えば,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134各々に設けられた嵌合部を嵌合させることにより一体に連結する構成が考えられる。
例えば,前記内筒フィルタ122は,メッシュ状のエアフィルタ等である。なお,前記内筒フィルタ122は,前記内筒排気口121の内側又は外側のいずれに設けられていてもよい。また,前記排気口121及び前記内筒フィルタ122に換えて,前記内筒12にメッシュ状の孔を形成する構成も考えられる。その場合は,そのメッシュ状の孔が前記内筒排気口121及び前記内筒フィルタ122として機能する。
ここで,図2及び図3に加えて螺旋形状分離部材123の斜視図である図4を参照しつつ,前記螺旋形状分離部材123について説明する。
図2〜4に示されているように,前記螺旋形状分離部材123には,螺旋部123a,円筒軸部123b,円盤状遮蔽部材123cが設けられている。
図12に示すように円筒軸部123b,円盤状遮蔽部材123cについては,円盤形状分離部材201についても一体的に設けられている。
前記円筒軸部123bは,前記集塵容器11の底部に設けられた前記嵌合部11aに嵌合される中空円筒である。前述したように,前記円筒軸部123b及び前記嵌合部11aの間には前記シール部材11b(図2,3参照)が介在する。
この時,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面は図6の矢印Aで示す旋回気流と同様の傾斜方向をもって形成されていることが好ましい。
ただし,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面を,前記集塵容器11の内周面に沿って旋回する気流の傾き方向とは反対の方向に傾斜させることも可能である。
ここで,図2及び図3に加えて図5を参照しつつ,前記上部フィルタユニット13について説明する。ここに,図5(a)は,前記上部フィルタユニット13を上方から見た斜視図,図5(b)は,前記上部フィルタユニット13を下方から見た斜視図である。
前記上部フィルタユニット13は,HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)131,フィルタ除塵部材132及び傾斜除塵部材134などを有している。
前記HEPAフィルタ131は,前記垂直中心軸Pの周りに環状に配置固定された複数枚のフィルタの集合で構成されている。なお,複数枚のフィルタ各々は,例えば図5(b)に示すような骨組みに固定される。また,前記HEPAフィルタ131に含まれた複数枚のフィルタは,略水平方向に凹凸を繰り返すプリーツ状に配置されている。これにより,前記HEPAフィルタ131におけるフィルタ面積が十分に確保されている。なお,前記HEPAフィルタ131の下端と前記筐体10との間には,環状のシール部材162が設けられている。これにより,前記HEPAフィルタ131と前記筐体10との間の空気の漏れが防止される。
また,図2及び図3に示すように,前記HEPAフィルタ131の中央には,後述のフィルタ除塵部材132に設けられた連結部133が嵌挿される中空部131aが形成されている。また,前記中空部131aには,前記連結部133を支持する支持部131bが設けられている。
但し,前記HEPAフィルタ131に塵埃が堆積して目詰まりが生じると,空気の通過抵抗が大きくなる。そのため,前記電動送風機(不図示)の負荷が大きくなり吸塵力が低下するおそれがある。そこで,前記上部フィルタユニット13には,前記HEPAフィルタ131に付着した塵埃を除去する前記フィルタ除塵部材132が設けられている。
また,前記連結部133には,該連結部133に設けられたネジ穴133aに前記傾斜除塵部材134がネジ133bで螺着される。これにより,前記フィルタ除塵部材132及び前記傾斜除塵部材134が一体に連結される。なお,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間には,隙間を埋める環状のシール部材163が設けられている。これにより,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間の空気の漏れが防止される。
そして,前記フィルタ除塵部材132には,その外周部にギア132bが形成されている。このギア132bは,図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yに設けられた除塵駆動機構15に設けられたギア15aに噛合される。
なお,本実施の形態では,前記除塵駆動モータによって前記フィルタ除塵部材132が回転される場合を例に挙げて説明するが,前記除塵駆動モータに換えて,前記フィルタ除塵部材132を手動で回転させることのできる機構を設けることも他の実施例として考えられる。
前述したように,サイクロン集塵装置Yは,概略円筒形状に形成され,上部に配置された上部フィルタユニット13と,下部に配置された集塵容器11とを備えて構成されている。
集塵容器11内に収納された前記内筒12の下端には,分離部104と集塵部105の境界部である円盤状遮蔽部材123cが一体的に接合されている。上記円盤状遮蔽部材123cとその下部の前記螺旋部123a(あるいは,円盤形状分離板201c)の外径は,ほぼ同じで,分離部104の内径より小さく,円盤状遮蔽部材123c(あるいは,円盤形状分離板201c)の外周と集塵容器11の内壁との間には隙間(クリアランス)106(図6)が存在している。隙間(クリアランス)106は,分離部104において分離した塵埃を集塵部105へ移動する場合に,ある程度の体積を持つ塵埃においてもスムーズに移動することができ,かつ一度集塵部105に移動・蓄積した塵埃を巻き上げ,内筒フィルタ122を詰まらさないようにするに適した値である。実験によれば11mm程度が望ましいことが分かった。
一方,円盤形状分離板201cについては,図12に示されるように,円筒軸部123bを中心として上下方向に等間隔で平行な円盤形状分離板201cが設けられている。
図3,図6に示すように,分離室104の周方向に形成された接続部111の空気流入口111aから集塵容器11の分離室104に入った気流は,図6の矢印Aのように,分離室104の円筒状の内周面に沿って高速で旋回する。旋回気流中の比較的大きい塵埃には遠心力が作用して気流から分離され,集塵容器11の内壁へ押し付けられる。図2に示すように,空気の排気口121が,下方にあるため,その後,気流は旋回しながら,集塵室105に入る。図6において二点鎖線で示す矢印Aのように旋回する気流(主流)は,集塵室105の底面に到達した後は上昇に転じる。
さらに,螺旋形状分離部材123の螺旋状曲面は,円盤状遮蔽部材123cから下方に向かってほぼ垂直に伸びる円筒軸部123bを中心にして,集塵容器11の底面に向かって始端(円盤状遮蔽部材123cとの接続部)から終端(下端)までが1周分以上,円筒軸部123bの周囲に巻き付くように形成されている。そのため,どの方向からの上昇流(乱流の場合)に対しても前述した微細塵捕集効果が得られる。円盤形状分離板201cについても,複数枚上下に所定の隙間を介して重ねて設けられているので,同様のどの方向からの上昇流(乱流の場合)に対しても前述した微細塵捕集効果が得られる。
また,螺旋状曲面(あるいは,円盤形状分離板201c)の切れ目(切欠き)がないので,そこから前記上昇流が漏れるようなことがなく,前記上昇気流に対して万遍なく邪魔板として働き,それが損なわれることが無く,上昇気流に多く含まれる細かい塵埃が直接フィルタに吸い込まれてフィルタを早期に目詰まりさせる問題がない。
この再飛散した塵埃に関しても,螺旋形状分離部材123の螺旋状曲面は邪魔板の効果により,慣性力が作用して気流から分離される。これにより,一度捕集した塵埃は,再飛散することなく,捕集効率が飛躍的に向上する。さらに,螺旋形状分離部材123の螺旋状曲面は,円盤状遮蔽部材123cから下方に向かってほぼ垂直に伸びる円筒軸部123bを中心にして,集塵容器11の底面に向かって始端(円盤状遮蔽部材123cとの接続部)から終端(下端)までが1周分以上,円筒軸部123bの周囲に巻き付くように連続的に形成されているため(即ち切れ目あるいは切欠きがなく),どの角度からの二次的流れ(図6の矢印B)による再飛散に対しても前述した微細塵捕集効果が得られる。
また,微細塵が再飛散してしまい上昇時の気流に微細塵が含まれてしまう場合においても,前述したように,上昇に転じた気流に含まれる微細塵は,螺旋形状分離部材123の螺旋状曲面(あるいは,円盤形状分離板201c)により,上昇流の流れの方向が急変することで,慣性力が作用して気流から分離されるため,塵埃の流出を最小限に抑えることができる。(図11の気流C)さらに螺旋形状分離部材下部により上昇する微細塵を含む気流の一部がサイクロン集積装置内壁方向に押し出され集積装置側面内壁にある旋回気流により再度下方に戻されることで微細塵の集塵効果を上げることができる。(図11の気流C)
また,円盤状遮蔽部材123cは,塵埃を分離する上側空間の部分(分離部104)と,塵埃を蓄積する下側空間の部分(集塵部105)との仕切りの役割に加えて,上昇流に対しては,前述した慣性力による微細塵分離効果(邪魔板としての効果)と上昇する微細塵を含む気流の一部がサイクロン集積装置内壁方向に押し出され集積装置側面内壁にある旋回気流により再度下方に戻されることで微細塵を集塵する効果を奏する。
前述したように,吸引された塵埃200は,分離部104において分離され,隙間106(図6)を通り,集塵部105へ導かれる。集塵部105においては,塵埃は隙間107を通り,隙間108によりせき止められる(トラップされる)ことにより,蓄積される。この蓄積は,螺旋部123aに沿って既に蓄積された塵埃の上に積層されていく。そのため,この集塵装置では,螺旋部123a(あるいは,円盤形状分離板201c)に沿って,偏ることなく積層が成長していくため,集塵部105内で偏って蓄積されていくことがなく,同容積の集塵部と比較して集塵可能容量が飛躍的に向上する。
11…集塵容器(捕集容器)
12…内筒
13…上部フィルタユニット
14…集塵受部
104…分離部
105…集塵部
123…螺旋形状分離部材
123a…螺旋部
123b…円筒軸部
200…塵埃
201…円盤形状分離部材
201c…円盤形状分離部板
Claims (5)
- 内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の捕集容器の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記旋回する空気流の遠心力によって前記空気から分離し前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン分離装置において,
前記捕集容器内に該捕集容器の垂直中心軸を中心とする複数の水平円盤からなり,前記水平円盤は、該垂直軸を中心として上下等間隔に設けられ,その外周端と前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる分離部材と,
前記分離部材の上部に設けられ,前記捕集容器の上部空間と前記捕集容器の下部空間とを隔てる円盤状遮蔽部材であって,前記捕集容器の内壁との間に,所定の隙間が設けられてなる円盤状遮蔽部材とを備えてなることを特徴とするサイクロン分離装置。 - 前記最も下にある前記水平円盤の下面と前記捕集容器の底部との間には,所定の隙間が設けられてなる請求項1に記載のサイクロン分離装置。
- 前記水平円盤の外周端と前記捕集容器の内壁との隙間が下方に向かい小さくなる請求項1あるいは2のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記分離部材が、前記円盤状遮蔽部材と連結されている請求項1〜3のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記捕集対象物が,塵埃であるサイクロン集塵装置に適用されてなる請求項1〜4のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
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