JP4856271B2 - サイクロン分離装置 - Google Patents
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Description
このサイクロン集塵装置は,比較的大きい塵埃を旋回させることで遠心力によって捕集し,空気流に乗って飛翔する比較的小さい塵埃については,空気流中においたフィルタ手段によって捕集するものであるため,騒音が少なく,集塵効率についても改善されたものである。
このような機械的な圧縮手段を備えた集塵装置では,捕集された塵埃を硬く圧縮することが出来るので,長時間連続的に使用しても集塵効率が低下することがない。
また上記特許文献2の集塵装置では,上記圧縮円板を押し下げることで,埃などを単純に直線的に(回転を伴わずに)圧縮するだけなので,次回運転開始時に上記ドーナツ状の圧縮円盤を上昇させると,綿ホコリ等の形状が復元しやすい塵埃は,圧縮前に近い容積となり,結局圧縮動作の効果が損なわれる結果となってしまうという課題がある。
このような課題は本発明の典型的な適用対象である電気掃除機などの集塵装置のみでなく,広く各種の材料などを分離するサイクロン分離装置における問題でもある。
電気掃除機本体に設けられ内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ部材を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ部材において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記フィルタ部材は,前記捕集容器の上部に設けられており,
前記フィルタ部材に対して相対移動可能に設けられ,前記フィルタ部材に対して相対移動することにより前記フィルタ部材に付着した塵埃を除去する除塵部材と,
前記除塵部材と連結され,前記サイクロン分離装置の外部から操作可能な操作部材と,
を備え,
前記操作部材の操作により前記除塵部材を前記フィルタ部材に対して相対移動させ,前記フィルタ部材に付着した塵埃を除去すると共に,
前記捕集容器内に設けられた前記フィルタ部材の上部を覆う蓋を備え,
前記蓋は,前記フィルタ部材を上方に通過した空気を前記電気掃除機本体の排気口へと通じる排気路を形成し,
前記蓋の上部に外部操作できる前記操作部材が設けられているサイクロン分離装置であって,
前記操作部材に連結される前記除塵部材は,前記フィルタ部材の上部に移動可能に設けられているサイクロン分離装置として構成されている。
前記操作部材が回転可能に設けられ,前記操作部材の回転により前記除塵部材が前記フィルタ部材に対して相対移動するものであってもよい。
そして前記除塵部材の態様としては,前記フィルタ部材に対して相対移動することで前記フィルタ部材との当接および離間を繰り返すことで,前記フィルタ部材に振動を与えるものが考えられる。
この場合,前記フィルタと当接および離間を繰り返す接触部を備え,前記接触部が複数設けられているものであってもよい。
前記接触部を弾性部材で構成すると除塵効果が高められる。
ここに,図1は,本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの外観図,図2及び図3は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための断面図,図4は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた螺旋状回転圧縮部を説明するための図,図5は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置の上蓋を開けた状態を示す分解斜視図,図6は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を螺旋状回転圧縮部を中心として説明するための断面図,図7は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための分解斜視図,図8は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの螺旋状回転圧縮部への回転力伝達経路を説明するための断面図,図9は,螺旋状回転圧縮部の回転によって,塵埃が圧縮・積層される状況を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図である。
図1に示すように,前記電気掃除機Xは,掃除機本体部1,吸気口部2,接続管3,接続ホース4,操作ハンドル5などを備えて概略構成されている。前記掃除機本体部1には,不図示の電動送風機,サイクロン集塵装置Y,図外の制御装置などが内蔵されている。なお,前記サイクロン集塵装置Yについては後段で詳述する。
前記電動送風機は,吸気を行うための送風ファン及び該送風ファンを回転駆動する送風駆動モータを有している。前記制御装置は,CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有してなり,前記電気掃除機Xを統括的に制御する。具体的には,前記制御装置では,前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
なお,前記操作ハンドル5には,ユーザが前記電気掃除機Xの稼働の有無や運転モードの選択操作などを行うための操作スイッチ(不図示)が設けられている。また,その操作スイッチの近傍には,前記電気掃除機Xの現在の状態を表示するLEDなどの表示部(不図示)も設けられている。
従って,前記電気掃除機Xでは,前記掃除機本体部1に内蔵された前記電動送風機(不図示)が作動されることにより,前記吸気口部2からの吸気が行われる。そして,前記吸気口部2から吸気された空気は,前記接続管3及び前記接続ホース4を通じて前記サイクロン集塵装置Yに流入する。前記サイクロン集塵装置Yでは,吸い込まれた空気から塵埃が遠心分離される。なお,前記サイクロン集塵装置Yで塵埃が分離された後の空気は,前記掃除機本体部1の後端に設けられた不図示の排気口から排気される。
図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yは,筐体10,集塵容器11(捕集容器の一例)などを備えている。前記筐体10は,内筒12,上部フィルタユニット13,塵埃受部14及び除塵駆動機構15,蓋部16などを備えて概略構成されている。
前記サイクロン集塵装置Yでは,前記集塵容器11,前記内筒12,前記上部フィルタユニット13,及び前記塵埃受部14が,垂直の中心軸Pを中心に同軸状に配置されている。また,前記サイクロン集塵装置Yは,前記掃除機本体部1に着脱可能に構成されている。
上記上蓋の一例である筐体10は,フィルタ122を備えた内筒12を備えている。
このサイクロン集塵装置Yでは,略円筒状の集塵容器11の中心部に設けられた前記内筒12から前記集塵容器11内の空気を排気することにより,前記集塵容器11の円周部に設けられた空気流入口111a(図7参照)から吸い込まれた空気を集塵容器11の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段の一例である前記上部フィルタユニット13などを経て前記内筒12を経て排気し,前記空気に含まれる比較的重量の大きい捕集対象物を前記集塵容器11の底部で捕集すると共に,比較的重量の小さい捕集対象物を前記上部フィルタユニット13などにおいて捕集するものである。
集塵容器11の底部には,図2に示すように底蓋310が開閉自在に取り付けられている。図2は底蓋310が閉じた状態を,図3は開いた状態を示す。ユーザは,前記掃除機本体部1から前記サイクロン集塵装置Yを取り出した後,上記底蓋310を図3に示すように開いて,該集塵容器11内の塵埃を廃棄する。上記底蓋310の開閉機構は追って詳述される。
なお,前記サイクロン集塵装置Yの筐体10と前記集塵容器11との間には,環状のシール部材161が設けられている。このシール部材161により,前記筐体10及び前記集塵容器11の間の空気の漏れが防止される。
また,前記集塵容器11の上記底蓋310には,前記内筒12に設けられた後述の回転軸部123bに嵌合する嵌合部11aが設けられている。前記嵌合部11aの外周部には,前記内筒12の回転軸部123bとの隙間を埋めるための環状のシール部材11bが設けられている。このシール部材11bにより,前記回転軸部123b及び前記集塵容器11の間の空気の漏れが防止される。
ここで,前記接続部111の前記集塵容器11への空気流入口111aは,前記接続ホース4からの空気が前記集塵容器11内で旋回するように形成されている。具体的には,前記空気流入口111aは,該集塵容器11の接線方向に向くように形成されていることで,流入口111aから吸い込まれた空気は集塵容器11の内周に沿って旋回する。従って,旋回する空気に含まれた塵埃は旋回による遠心力で集塵容器11の内周面に押し付けられ,そのために旋回の速度を失って集塵容器11の底に落下し,旋回空気から分離(遠心分離)される。そして,前記集塵容器11で遠心分離された塵埃は,該集塵容器11の底部に収容される。
一方,塵埃が分離された後の空気は,前記集塵容器11から矢印112a(図2)で示す排気経路112に沿って前記掃除機本体部1に設けられた不図示の排気口から外部に排気される。ここで,前記集塵容器11から前記排気口(不図示)までの前記排気経路112上には,前記内筒12,前記塵埃受部14,及び前記上部フィルタユニット13,蓋部16が順に配置されており,空気流中の比較的細かい塵埃が内筒12および上部フィルタユニット13に設けられたフィルタによって取り除かれる。
詳細には,前記内筒12の上端には,後述の傾斜除塵部材134に設けられた係合部134cに係合する複数の連結部12bが設けられている。前記連結部12bは,前記内筒12の上端の開口縁部に上方に突出して設けられたリブである。
前記内筒12は,前記連結部12b及び前記係合部134cの係合によって,前記傾斜除塵部材134に一体回転可能に連結されている。これにより,前記内筒12は,前記傾斜除塵部材134に連動して回転することになる。なお,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134の連結構造はこれに限られない。例えば,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134各々に設けられた嵌合部を嵌合させることにより一体回転可能に連結する構成が考えられる。
例えば,前記内筒フィルタ122は,メッシュ状のエアフィルタ等である。なお,前記内筒フィルタ122は,前記内筒排気口121の内側又は外側のいずれに設けられていてもよい。また,前記排気口121及び前記内筒フィルタ122に換えて,前記内筒12にメッシュ状の孔を形成する構成も考えられる。その場合は,そのメッシュ状の孔が前記内筒排気口121及び前記内筒フィルタ122として機能する。
ここで,図2及び図3に加えて螺旋状回転圧縮部123の斜視図である図4を参照しつつ,前記螺旋状回転圧縮部123について説明する。
図2〜4に示されているように,前記螺旋状回転圧縮部123には,螺旋状曲面を備えた螺旋部123a,回転軸部123b,円盤状遮蔽部材123cが設けられている。
前記回転軸部123bは,前記集塵容器11の底部に設けられた前記嵌合部11aに嵌合される中空円筒である。前述したように,前記回転軸部123b及び前記嵌合部11aの間には前記シール部材11b(図2,3参照)が介在する。
この時,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面は図6矢印Aの旋回気流と同様の傾斜方向をもって形成されていることが好ましい。このような螺旋部123aを図6矢印Aの旋回と反対方向に回転させることで前記集塵容器11内の塵埃は,該集塵容器11内面との摩擦によって,該集塵容器11底部へ移動することになる。
ただし,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面を,前記集塵容器11の内周面に沿って旋回する気流の傾き方向とは反対の方向に傾斜させることも可能である。この時,螺旋部123aの回転方向は,図6矢印Aの旋回気流の旋回方向と同一,即ち,螺旋部123aを螺子と想定したとき,螺旋部123aの回転により螺子が後退する方向になる。
さらに,前記内筒12が回転されるとき,前記集塵容器11の底部まで移動した塵埃に対して前記螺旋部123aは,前記集塵容器11の底部との摩擦によって,上記底面との間で塵埃を回転により回転軸中心から外側に向かって押し出し圧縮することになる。このような構成によれば,塵埃が回転によって固く圧縮されるので,前記集塵容器11の塵埃の蓄積可能量を増加させることができる。従って,例えば前記集塵容器11の小型化を実現することが可能である。また,固く圧縮された塵埃は,容易に解けないので,取り出し時にも空気中に飛散する問題がなく,そのままの形でゴミとして廃棄することが出来る。
前記筐体10の上部を構成する蓋部16の上面には取っ手314が設けられている。取っ手314は,外部から操作可能な操作部材の一例である。
上記取っ手314は,上記筐体10とは独立して垂直軸心の回りに回転自在である。上記取っ手314の内部には,斜面を構成する上側取っ手内蔵ギア316が一体に内蔵されており,上記上側取っ手内蔵ギア316と,同じく斜面を構成する下側取っ手内蔵ギア318とが同じ方向の斜面を接して対向している。上記のように上側取っ手内蔵ギア316と,下側取っ手内蔵ギア318とは,斜面同士であるので,上側の取っ手内蔵ギア316が回転すると下側取っ手内蔵ギア318が上記斜面に押されて下方に移動する。従って,取っ手314を回転させることで上側取っ手内蔵ギア316が下側取っ手内蔵ギア318と噛み合って取っ手314の回転が下側取っ手内蔵ギア318に伝えられる。
下側取っ手内蔵ギア318は,中間体320の上面に形成されており,中間体320の下面にはクラッチギア322が形成されているので,上記下側取っ手内蔵ギア318の下方への移動により中間体320と共にクラッチギア322も下方に移動することになる。
上記中間体320の下方には,図外の隙間を介してフィルタ除塵部材132に一体的に固定されたクラッチ受部326が設けられており,上記中間体320の下方への移動に伴ってクラッチギア322と上記クラッチ受部326とが噛み合い,取っ手314の回転がクラッチギア322とクラッチ受部326から構成されるクラッチ機構を介して,フィルタ除塵部材132に伝達され,フィルタ除塵部材132に連結された内筒12およびこれと一体に連結された螺旋状回転圧縮部材123が回転し,螺旋部123aが回転する。これによって,螺旋部123aの螺子の運び作用により螺旋部123aに絡まった塵埃がゆっくりと螺旋部123aの先端方向に運ばれ,底蓋310が開くことによって開放された集塵容器11の底部開口から外部に放出される。
このように操作者によって取っ手314が回転されることで塵埃がゆっくりと外部に放出されるので,塵埃に含まれる細かい塵などが舞い上がったり飛散したりすることがなく,室内が塵などによって汚染されることがない。
尚,取っ手314から手を離すと,バネ収納部328に内蔵された図外のバネによって前記中間対320が押し上げられ,クラッチギア322とクラッチ受部326から構成されるクラッチ機構が開放される。これによって,取っ手314を操作しない限り上記クラッチ機構が開放状態にあるので,徐塵駆動モータ151によってフィルタ除塵部材132が回転されても,取っ手314が回転しないので,安全である。
ここで,図2及び図3に加えて図5を参照しつつ,前記上部フィルタユニット13について説明する。ここに,図5(a)は,前記蓋部16を下方から見た斜視図,図5(b)は,前記上部フィルタユニット13を上方から見た斜視図である。
前記上部フィルタユニット13は,HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)131,フィルタ除塵部材132及び傾斜除塵部材134などを有している。
前記HEPAフィルタ131は,前記垂直中心軸Pの周りに環状に配置固定された複数枚のフィルタの集合で構成されている。なお,複数枚のフィルタ各々は,例えば図5(b)に示すような骨組みに固定される。また,前記HEPAフィルタ131に含まれた複数枚のフィルタは,略水平方向に凹凸を繰り返すプリーツ状に配置されている。これにより,前記HEPAフィルタ131におけるフィルタ面積が十分に確保されている。なお,前記HEPAフィルタ131の下端と前記筐体10との間には,環状のシール部材162が設けられている。これにより,前記HEPAフィルタ131と前記筐体10との間の空気の漏れが防止される。
また,図2及び図3に示すように,前記HEPAフィルタ131の中央には,後述のフィルタ除塵部材132に設けられた連結部133が嵌挿される中空部131aが形成されている。また,前記中空部131aには,前記連結部133を回転可能に支持する支持部131bが設けられている。
但し,前記HEPAフィルタ131に塵埃が堆積して目詰まりが生じると,空気の通過抵抗が大きくなる。そのため,前記電動送風機(不図示)の負荷が大きくなり吸塵力が低下するおそれがある。そこで,前記上部フィルタユニット13には,前記HEPAフィルタ131に付着した塵埃を除去する前記フィルタ除塵部材132が設けられている。
また,前記連結部133には,該連結部133に設けられたネジ穴133aに前記傾斜除塵部材134がネジ133bで螺着される。これにより,前記フィルタ除塵部材132及び前記傾斜除塵部材134が一体回転可能に連結される。なお,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間には,隙間を埋める環状のシール部材163が設けられている。これにより,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間の空気の漏れが防止される。
そして,前記フィルタ除塵部材132には,その外周部にギア132bが形成されている。このギア132bは,図8に示すように,前記サイクロン集塵装置Yに設けられた除塵駆動機構15に設けられた除塵駆動モータ151の回転軸に設けられたギア15aに噛合される。
そして,上記フィルタ除塵部材132の回転は,前記したように,傾斜除塵部材134に伝達され,傾斜除塵部材134と一体に回転する内筒12及び内筒12と一体の螺旋状回転圧縮部123が前記垂直中心軸Pの周りに回転する。
なお,本実施の形態では,前記除塵駆動モータによって前記フィルタ除塵部材132が回転される場合を例に挙げて説明するが,前記除塵駆動モータ151に換えて,前記フィルタ除塵部材132を手動で回転させることのできる機構を設けることも他の実施例として考えられる。
さらに,除塵駆動モータ以外の別のモータによって,螺旋状回転圧縮部123を回転させることも当然考えられる。上部フィルタユニット13の除塵と,螺旋状回転圧縮部123の回転とを別に行いたい場合には,このような別駆動の方を採用することも考えられる。
前述したように,サイクロン集塵装置Yは,概略円筒形状に形成され,上部に配置された上部フィルタユニット13と,下部に配置された集塵容器11とを備えて構成されている。
また,上記隙間108の幅は,集塵部105の底部に押し付けられ,圧縮された塵埃が螺旋部分の終端と集塵部105底部の間に詰まることによる破損や,異物等の詰まりを起こすことを防ぐことができる値である。本実施例では,IEC規格に基づくDMT標準ゴミTYPE8を試験ゴミとして10g使用した実験により求めた上記隙間108の幅を6〜13mm程度としている。
図3,図6に示すように,分離部104の周方向に形成された接続部111の空気流入口111aから集塵容器11の分離部104に入った気流は,分離部104の円筒状の内周面に沿って高速で旋回する。旋回気流中の比較的大きい塵埃には遠心力が作用して気流から分離され,集塵容器11の内壁へ押し付けられる。図2に示すように,空気の排気口121が,下方にあるため,その後,気流は旋回しながら,集塵部105に入る。上記旋回する気流(主流)は,集塵部105の底面に到達した後は上昇に転じる。
前述したように,吸引された塵埃は,分離部104において分離され,隙間106(図2)を通り,集塵部105へ導かれる。集塵部105においては,塵埃は隙間107を通り,隙間108によりせき止められる(トラップされる)ことにより,蓄積される。この蓄積は,螺旋状回転圧縮部123が回転されるごとに既に蓄積された塵埃の上に積層されていく。そのため,この集塵装置では,螺旋部123aに沿って,偏ることなく積層が成長していくため,集塵部105内で偏って蓄積されていくことがなく,同容積の集塵部と比較して集塵可能容量が飛躍的に向上する。
また,螺旋部123aは,サイクロン旋回気流の回転方向に沿って下方に向かって傾斜する方向性をもつ螺旋形状とすることが出来る。この場合には,サイクロンの気流による圧縮効果も得られる。これにより,さらに集塵可能容量が向上する。
たとえば,送風駆動モータの駆動が停止されると,気流が旋回を止める。送風駆動モータの駆動停止が確認された後,除塵駆動機構15が駆動されると,上述したように内筒12,排気口121,円盤状遮蔽部材123c,螺旋状回転圧縮部123,回転軸部123bが一体となって,垂直中心軸Pを中心として,図8の矢印D方向(上面から見て,反時計方向)に回転する。このようにして,除塵駆動機構15による回転が,図8に示される第1の回転軸線152と第2の回転軸線153を介して回転軸部123bに伝達される。
こうして螺旋状回転圧縮部123が回転すると,螺子の原理により,回転軸方向(図9の矢印Eで示す垂直下向き方向)に推力が発生する。この推力により,集塵部105に蓄積されている図9の塵埃200は,回転軸方向に押し出され,集塵容器11の底面に押し付けられることにより回転軸方向に圧縮される。
11…集塵容器(捕集容器)
12…内筒
13…上部フィルタユニット
14…塵埃受部
15…除塵駆動機構
104…分離部
105…集塵部
123…螺旋状回転圧縮部
123a…螺旋部(圧縮部)
123b…回転軸部
123c…円盤状遮蔽部材
123d…始端部
200,201…塵埃
400…リブ
310…底蓋
111a…流入口
112a…矢印 (排気経路)
312…上部筐体
314…取っ手
316…上側取っ手内蔵ギア
318…下側取っ手内蔵ギア
319…隙間
320…中間体
322…クラッチギア
324…隙間
326…クラッチ受部
Claims (5)
- 電気掃除機本体に設けられ内周面が略円筒状の捕集容器を備え,該捕集容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記捕集容器の中心部からフィルタ部材を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい捕集対象物を前記捕集容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい捕集対象物を前記フィルタ部材において捕集するサイクロン分離装置であって,
前記フィルタ部材は,前記捕集容器の上部に設けられており,
前記フィルタ部材に対して相対移動可能に設けられ,前記フィルタ部材に対して相対移動することにより前記フィルタ部材に付着した塵埃を除去する除塵部材と,
前記除塵部材と連結され,前記サイクロン分離装置の外部から操作可能な操作部材と,
を備え,
前記操作部材の操作により前記除塵部材を前記フィルタ部材に対して相対移動させ,前記フィルタ部材に付着した塵埃を除去すると共に,
前記捕集容器内に設けられた前記フィルタ部材の上部を覆う蓋を備え,
前記蓋は,前記フィルタ部材を上方に通過した空気を前記電気掃除機本体の排気口へと通じる排気路を形成し,
前記蓋の上部に外部操作できる前記操作部材が設けられているサイクロン分離装置であって,
前記操作部材に連結される前記除塵部材は,前記フィルタ部材の上部に移動可能に設けられているサイクロン分離装置。 - 前記操作部材が回転可能に設けられ,前記操作部材の回転により前記除塵部材が前記フィルタ部材に対して相対移動する請求項1に記載のサイクロン分離装置。
- 前記除塵部材は,前記フィルタ部材に対して相対移動することで前記フィルタ部材との当接および離間を繰り返すことで,前記フィルタ部材に振動を与えるものである請求項1あるいは2のいずれかに記載のサイクロン分離装置。
- 前記フィルタと当接および離間を繰り返す接触部を備え,前記接触部が複数設けられている請求項3に記載のサイクロン分離装置。
- 前記接触部が弾性部材である請求項4に記載のサイクロン分離装置。
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