JP2009285415A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】圧縮部材を特段の駆動装置を用いることなく回転させることで価格を上昇させることのない電気掃除機を提供すること。
【解決手段】空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を集塵容器の底部で捕集するサイクロン集塵装置を備え,上記サイクロン集塵装置が前記集塵集容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えた電気掃除機であって,前記圧縮部材が,掃除機本体の移動に応じて受動的に回転する車輪の回転と連動して回転するように構成されてなること。
【選択図】図2

Description

本発明は,塵埃を遠心分離するサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機に係り,特に,前記サイクロン集塵装置が有する塵埃の圧縮機構の駆動手段に関するものである。
従来から,略円筒状の集塵容器の中心部に設けられた排気部から前記集塵容器内の空気を排気することにより,前記集塵容器の円周部に設けられた空気吸い込み部から吸い込まれた空気を前記集塵容器の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段を経て前記排気部から排気し,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン集塵装置が,特許文献1として知られている。
このサイクロン集塵装置は,比較的大きい塵埃を旋回させることで遠心力によって捕集し,空気流に乗って飛翔する比較的小さい塵埃については,空気流中においたフィルタ手段によって捕集するものであるため,騒音が少なく,集塵効率についても改善されたものである。
上記のようなサイクロン集塵装置を一般家庭で使用すると,布団や衣類から生じる綿ホコリが集塵ごみ容積の大半を占める。この綿ホコリを構成する繊維等は,それ自体が弾性を持つため,塵埃の密度は小さく,頻繁に集塵部から取り除く(捨てる)必要がある。また,このような塵埃は,軽くて容易に飛散するため,外部のごみ箱等に廃棄する際,塵埃が舞い散って再飛散することで使用者が不快に感じるという問題がある。
しかしながら,上記特許文献1に記載のサイクロン集塵装置は,あくまで空気の流れに頼って塵埃を捕集するものであるため,捕集された前記繊維などの低密度の埃を一定以上に圧縮することが出来ず,限られた塵埃の捕集空間における塵埃の集積度をそれほど向上させることが出来るものではない。従って,捕集された塵埃を頻繁に捨てないと捕集効率が低下するので,ゴミを捨てる手間がかかる点,あるいは,塵埃を捨てる時に,塵埃が硬く圧縮されておらず,空気中で分散されやすいので,ごみ箱等に廃棄する際,塵埃が舞い散って再飛散することによる不快感を解消することが出来ないという問題を解決することが出来ない。
このような課題を解決するためには,捕集された塵埃を出来るだけ固く圧縮する必要がある。このような,塵埃の圧縮手段を備えたサイクロン集塵装置が本出願人によって出願された(特願2008−072942)。このサイクロン集塵装置は,内周面が略円筒状の集塵容器を備え,該集塵容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記集塵容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段において捕集するものであり,さらに前記集塵容器内に,該集塵容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えたものである。
このサイクロン集塵装置では,上記圧縮部材が上記垂直中心軸を中心に回転することによって,上記螺旋状曲面の下面で捕集された塵埃などの塵埃が硬く圧縮され,ゴミを捨てる手間が省力され,あるいは,塵埃を捨てる時に,塵埃が空気中で分散され,ごみ箱等に廃棄する際,塵埃が舞い散って再飛散することによる不快感を解消することが出来るといった,多くの長所が発揮される。
特開2006−75584号公報
このように上記出願(特願2008−072942)の明細書に開示されたサイクロン集塵装置を備えた電気掃除機は優れた機能を発揮するが,上記圧縮部材を自動的に回転させるにはそれなりの駆動装置と消費電力が必要であり,家庭用の電気掃除機としては,かなり高価なものとなる。また,運転に要するコストも無視できない。従って,上記圧縮部材を特段の駆動装置を用いずに,また消費電力を必要とせずに回転できる装置をすることが望ましい。
従って,本発明は上記事情に鑑み創案されたものであり,その目的とするところは,前記圧縮部材を特段の駆動装置を用いることなく回転させることで価格を上昇させることのない電気掃除機を提供することである。
上記目的を達成するために,本出願にかかる第1の発明は,
内周面が略円筒状の集塵容器を備え,該集塵容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記集塵容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン集塵装置であって,
前記集塵容器内に,該集塵容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,かつ前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えたサイクロン集塵装置を具備してなる電気掃除機であって,
前記圧縮部材が,掃除機本体の移動に応じて受動的に回転する車輪の回転と連動して回転するように構成されてなることを特徴とする電気掃除機として構成されている。
第1の発明では,掃除機本体を移動させる動作に応じて圧縮部材が回転駆動されるので,圧縮部材を駆動するためのモータなどの装置が不要となり,また,消費電力も削減される。
その場合,前記車輪の一方向の回転のみを前記圧縮部材に伝達する第1の一方向クラッチ手段を備えれば,圧縮部材の逆回転を防止できるので,塵埃の圧縮が円滑に行われる。
また第2の発明では,内周面が略円筒状の集塵容器を備え,該集塵容器の円周部にその周方向に設けられた空気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記集塵容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段において捕集するサイクロン集塵装置であって,
前記集塵容器内に,該集塵容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,かつ前記垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えたサイクロン集塵装置を具備してなる電気掃除機であって,
さらに電源コードを巻き取るコードリールを備え,
前記圧縮部材が,前記コードリールの回転と連動して回転するように構成されてなることを特徴とする電気掃除機が提供される。
この場合も,第1の発明と同様,掃除機本体を移動させる動作に応じて圧縮部材が回転駆動されるので,圧縮部材を駆動するためのモータなどの装置が不要となり,また,消費電力も削減される。
その場合,前記コードリールの一方向の回転のみを前記圧縮部材に伝達する第2の一方向クラッチ手段を備えれば,圧縮部材の逆回転を防止できるので,塵埃の圧縮が円滑に行われる。
前記第1或いは第2の一方向クラッチ手段が,ラチェットによって構成されていれば,簡単な構成で一方向クラッチを構成することができて,装置のコストダウンを達成することができる。
本出願の第1及び第2の発明は上記のように構成されているので,前記圧縮部材を特段の駆動装置を用いることなく回転させることで価格を上昇させることのない電気掃除機を提供することができる。
以下添付図面を参照しながら,本発明の実施の形態について説明し,本発明の理解に供する。尚,以下の実施の形態は,本発明を具体化した一例であって,本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
ここに,図1は,本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの外観図,図2及び図3は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための断面図,図4は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた螺旋状回転圧縮部を説明するための図((a)は,下方から見た斜視図,(b)は,上方から見た斜視図),図5は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた上部フィルタユニット13を説明するための図,図6は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を螺旋状回転圧縮部を中心として説明するための断面図,図7は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための分解斜視図,図8は,本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの螺旋状回転圧縮部への回転力伝達経路を説明するための断面図,図9は,螺旋状回転圧縮部の回転によって,塵埃が圧縮・積層される状況を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図,図10は,螺旋状回転圧縮部への塵埃の貯まり具合を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図,図11は,直円筒状の集塵容器が用いられた場合のサイクロン集塵装置Yの断面図,図12は,螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの断面図,図13は,螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの斜視図,図14は,集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの側断面図,図15は,集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの水平断面図,図16は,本発明の一実施形態に係る電気掃除機の走行輪部分の断面図,図17は,図16に示した走行輪の駆動系に設けられたラチェット部分の断面図である。
まず,図1を用いて,本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの概略構成について説明する。
図1に示すように,前記電気掃除機Xは,掃除機本体部1,吸気口部2,接続管3,接続ホース4,操作ハンドル5などを備えて概略構成されている。前記掃除機本体部1には,不図示の電動送風機V,サイクロン集塵装置Y,制御装置Zなどが内蔵されている。なお,前記サイクロン集塵装置Yについては後段で詳述する。
前記電動送風機Vは,吸気を行うための送風ファン及び該送風ファンを回転駆動する送風駆動モータを有している。前記制御装置Zは,CPUやRAM,ROMなどの制御機器を有してなり,前記電気掃除機Xを統括的に制御する。具体的には,前記制御装置Zでは,前記CPUが前記ROMに記憶された制御プログラムに従って各種の処理を実行する。
なお,前記操作ハンドル5には,ユーザが前記電気掃除機Xの稼働の有無や運転モードの選択操作などを行うための操作スイッチ(不図示)が設けられている。また,その操作スイッチの近傍には,前記電気掃除機Xの現在の状態を表示するLEDなどの表示部(不図示)も設けられている。
前記掃除機本体部1は,該掃除機本体部1の前端に接続された前記接続ホース4と,該接続ホース4に接続された前記接続管3とを介して前記吸気口部2に接続されている。
従って,前記電気掃除機Xでは,前記掃除機本体部1に内蔵された前記電動送風機(不図示)が作動されることにより,前記吸気口部2からの吸気が行われる。そして,前記吸気口部2から吸気された空気は,前記接続管3及び前記接続ホース4を通じて前記サイクロン集塵装置Yに流入する。前記サイクロン集塵装置Yでは,吸い込まれた空気から塵埃が遠心分離される。なお,前記サイクロン集塵装置Yで塵埃が分離された後の空気は,前記掃除機本体部1の後端に設けられた不図示の排気口から排気される。
上記掃除機本体部1には,積極的なモータなどの駆動装置によらず,掃除機本体の移動に応じて受動的に回転する受動車輪164が設けられている。
以下,図2〜6を参照しつつ,本発明に係るサイクロン集塵装置Yについて詳説する。
図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yは,筐体10,内周面が略円筒状で,上記筐体10に対して着脱自在の集塵容器11,内筒12,上部フィルタユニット13,塵埃受部14及び除塵駆動機構15などを備えて概略構成されている。
前記サイクロン集塵装置Yでは,前記集塵容器11,前記内筒12,前記上部フィルタユニット13,及び前記塵埃受部14が,垂直の中心軸Pを中心に同軸状に配置されている。また,前記サイクロン集塵装置Yは,前記掃除機本体部1に着脱可能に構成されている。
上記筐体10は,フィルタ122を備えた内筒12を備えている。
このサイクロン集塵装置Yでは,略円筒状の集塵容器11の中心部に設けられた前記内筒12から前記集塵容器11内の空気を排気することにより,前記集塵容器11の円周部に設けられた空気流入口111a(図7参照)から吸い込まれた空気を集塵容器11の内周面に沿って旋回させた後,フィルタ手段の一例である前記上部フィルタユニット13などを経て前記内筒12を経て排気し,前記空気に含まれる比較的大きい塵埃を前記集塵容器11の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記上部フィルタユニット13などにおいて捕集するものである。
前記集塵容器11は,吸い込まれた空気から分離された塵埃を収容するための内周面が円筒状で,且つ外形も円筒状の容器である。前記集塵容器11は,前記サイクロン集塵装置Yの筐体10に着脱可能に構成されている。ユーザは,前記掃除機本体部1から前記サイクロン集塵装置Yを取り出した後,該サイクロン集塵装置Yから前記集塵容器11を取り外して,該集塵容器11内の塵埃を廃棄する。なお,前記サイクロン集塵装置Yの筐体10と前記集塵容器11との間には,環状のシール部材161が設けられている。このシール部材161により,前記筐体10及び前記集塵容器11の間の空気の漏れが防止される。
また,前記集塵容器11の底部には,前記内筒12に設けられた後述の回転軸部123bに嵌合する嵌合部11aが設けられている。前記嵌合部11aの外周部には,前記内筒12の回転軸部123bとの隙間を埋めるための環状のシール部材11bが設けられている。このシール部材11bにより,前記回転軸部123b及び前記集塵容器11の間における空気の漏れが防止される。
さらに,前記集塵容器11には,前記接続ホース4(図1参照)が接続される接続部111が設けられている。前記吸気口部2から前記接続管3及び前記接続ホース4を通じて吸い込まれた空気は,前記接続部111から前記集塵容器11内に流入する。
ここで,前記接続部111の前記集塵容器11への空気流入口(不図示)は,前記接続ホース4からの空気が前記集塵容器11内で旋回するように形成されている。具体的に,前記空気流入口(不図示)は,前記集塵容器11側の出口が該集塵容器11の円周方向に向くように形成されている。従って,前記集塵容器11では,吸い込まれた空気を旋回させることで該空気に含まれた塵埃が遠心力によって分離(遠心分離)される。そして,前記集塵容器11で遠心分離された塵埃は,該集塵容器11の底部に収容される(図2,3の塵埃D1)。
一方,塵埃が分離された後の空気は,前記集塵容器11から矢印(図2)で示す排気経路112に沿って前記掃除機本体部1に設けられた不図示の排気口から外部に排気される。ここで,前記集塵容器11から前記排気口(不図示)までの前記排気経路112上には,前記内筒12,前記塵埃受部14,及び前記上部フィルタユニット13が順に配置されている。
前記内筒12は,前記集塵容器11内に配置された円筒状の部材である。ここで,前記内筒12は,前記塵埃受部14によって回転可能に支持されている。具体的に,前記内筒12は,該内筒12の上端に設けられた環状の凹部12aが,前記塵埃受部14の下端に設けられた環状の支持部14cに支持されることにより回転可能な状態で吊り下げられている。なお,前記内筒12を回転可能に支持する構成は,これに限られるものではない。例えば,前記内筒12の上下の端部を軸支することが一例として考えられる。
さらに,前記内筒12の上端には,後述の傾斜除塵部材134に設けられた係合部134cに係合する複数の連結部12bが設けられている。前記連結部12bは,前記内筒12の上端の開口縁部に上方に突出して設けられたリブである。
前記内筒12は,前記連結部12b及び前記係合部134cの係合によって,前記傾斜除塵部材134に一体回転可能に連結されている。これにより,前記内筒12は,前記傾斜除塵部材134に連動して回転することになる。なお,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134の連結構造はこれに限られない。例えば,前記内筒12及び前記傾斜除塵部材134各々に設けられた嵌合部を嵌合させることにより一体回転可能に連結する構成が考えられる。
また,前記内筒12の上部には,前記集塵容器11で塵埃が分離された後の空気を,前記上部フィルタユニット13に向けて排気するための内筒排気口121が形成されている。そして,前記内筒排気口121には,該内筒排気口121全体を覆う円筒状を成す内筒フィルタ122が設けられている。前記内筒フィルタ122は,前記内筒排気口121を通過する空気を濾過する。
例えば,前記内筒フィルタ122は,メッシュ状のエアフィルタ等である。なお,前記内筒フィルタ122は,前記内筒排気口121の内側又は外側のいずれに設けられていてもよい。また,前記排気口121及び前記内筒フィルタ122に換えて,前記内筒12にメッシュ状の孔を形成する構成も考えられる。その場合は,そのメッシュ状の孔が前記内筒排気口121及び前記内筒フィルタ122として機能する。
一方,前記内筒12の下部には,前記集塵容器11内の塵埃を圧縮するための螺旋状回転圧縮部123が設けられている。
ここで,図2及び図3に加えて螺旋状回転圧縮部123の斜視図である図4を参照しつつ,前記螺旋状回転圧縮部123について説明する。
図2〜4に示されているように,前記螺旋状回転圧縮部123には,螺旋部123a,回転軸部123b,円盤状遮蔽部材123cが設けられている。
前記回転軸部123bは,前記集塵容器11の底部に設けられた前記嵌合部11aに嵌合される中空円筒である。前述したように,前記回転軸部123b及び前記嵌合部11aの間には前記シール部材11b(図2,3参照)が介在する。
円盤状遮蔽部材123cは,前記集塵容器11内において,後述する旋回流の遠心分離力により塵埃を分離する上側空間の部分(分離部104)と,塵埃を蓄積する下側空間の部分(集塵部105)との仕切りの役割を果たす。これにより,捕集した塵埃が巻き上がり,内筒フィルタ122を詰まらせる事を防ぐ。また,円盤状であるため,サイクロン気流中に含まれる塵埃が引っかかることが無く,塵埃を効率的に集塵容器11の底部へ誘導することができる。
また,前記回転軸部123bには,該回転軸部123bを中心にして,前記集塵室105の底面に向かって螺旋状に延び,その上下面が,前記垂直中心軸Pを中心とする螺旋状曲面を備えて湾曲した板状の螺旋部123a(圧縮部材の一例)が設けられている。前記螺旋部123aは,後述するように前記内筒12が回転されるとき,前記集塵容器11内に蓄積された塵埃を集塵容器11の底部向かって移動させる。この時,前記圧縮部材の前記螺旋状曲面が,該螺旋状曲面を螺子と想定したときに,該圧縮部材の回転により螺子が後退するように形成されていることにより,この螺旋状曲面でゴミを圧縮することができる。
この時,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面は図6矢印Aの旋回気流と同様の傾斜方向をもって形成されていることが好ましい。このような螺旋部123aを図6矢印Aの旋回と反対方向に回転させることで前記集塵容器11内の塵埃は,該集塵容器11内面との摩擦によって,該集塵容器11底部へ移動することになる。
ただし,前記螺旋部123aの前記螺旋状曲面を,前記集塵容器11の内周面に沿って旋回する気流の傾き方向とは反対の方向に傾斜させることも可能である。この時,螺旋部123aの回転方向は,図6矢印Aの旋回気流の旋回方向と同一,即ち,螺旋部123aを螺子と想定したとき,螺旋部123aの回転により螺子が後退する方向になる。
さらに,前記内筒12が回転されるとき,前記集塵容器11の底部まで移動した塵埃に対して前記螺旋部123aは,前記集塵容器11の底面との摩擦によって,圧縮することになる。このような構成によれば,塵埃が螺旋部123aに押圧されることによって固く圧縮されるので,前記集塵容器11の塵埃の蓄積可能量を増加させることができる。従って,例えば前記集塵容器11の小型化を実現することが可能である。また,固く圧縮された塵埃は,容易に解けないので,取り出し時にも空気中に飛散する問題がなく,そのままの形で固まったゴミとして廃棄することが出来る。
一方,前記内筒12の内筒フィルタ122で濾過された後の空気は,該内筒12内を通じて前記上部フィルタユニット13に導かれる。
ここで,図2及び図3に加えて図5を参照しつつ,前記上部フィルタユニット13について説明する。ここに,図5(a)は,前記上部フィルタユニット13を上方から見た斜視図,図5(b)は,前記上部フィルタユニット13を下方から見た斜視図である。
前記上部フィルタユニット13は,HEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)131,フィルタ除塵部材132及び傾斜除塵部材134などを有している。
前記HEPAフィルタ131は,前記内筒12から排気されて前記排気経路112上を流れる空気をさらに濾過するエアフィルタの一種である。
前記HEPAフィルタ131は,前記垂直中心軸Pの周りに環状に配置固定された複数枚のフィルタの集合で構成されている。なお,複数枚のフィルタ各々は,例えば図5(b)に示すような骨組みに固定される。また,前記HEPAフィルタ131に含まれた複数枚のフィルタは,略水平方向に凹凸を繰り返すプリーツ状に配置されている。これにより,前記HEPAフィルタ131におけるフィルタ面積が十分に確保されている。なお,前記HEPAフィルタ131の下端と前記筐体10との間には,環状のシール部材162が設けられている。これにより,前記HEPAフィルタ131と前記筐体10との間の空気の漏れが防止される。
また,図2及び図3に示すように,前記HEPAフィルタ131の中央には,後述のフィルタ除塵部材132に設けられた連結部133が嵌挿される中空部131aが形成されている。また,前記中空部131aには,前記連結部133を回転可能に支持する支持部131bが設けられている。
前述したように,前記サイクロン集塵装置Yでは,前記内筒フィルタ122及び前記HEPAフィルタ131の二段階で空気を濾過することにより塵埃の捕集力が高められている。
但し,前記HEPAフィルタ131に塵埃が堆積して目詰まりが生じると,空気の通過抵抗が大きくなる。そのため,前記電動送風機V(不図示)の負荷が大きくなり吸塵力が低下するおそれがある。そこで,前記上部フィルタユニット13には,前記HEPAフィルタ131を振動させて,そこに付着した塵埃を除去する前記フィルタ除塵部材132が設けられている。
前記フィルタ除塵部材132は,前記HEPAフィルタ131の中央部に設けられた前記支持部131bによって回転可能に支持されている。具体的に,前記フィルタ除塵部材132には,前記支持部131bに回転可能に支持される連結部材133が設けられている。
また,前記連結部材133には,該連結部材133に設けられたネジ穴133aに前記傾斜除塵部材134がネジ133bで螺着される。これにより,前記フィルタ除塵部材132及び前記傾斜除塵部材134が一体回転可能に連結される。なお,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間には,隙間を埋める環状のシール部材163が設けられている。これにより,前記傾斜除塵部材134及び前記HEPAフィルタ131の間の空気の漏れが防止される。
前記フィルタ除塵部材132は,図2及び図5(a)に示すように,前記HEPAフィルタ131の上端部に接触するように該HEPAフィルタ131に沿って所定間隔で配置された二つの接触部132aを有している。前記接触部132aは板バネ状の弾性部材である。なお,前記接触部132aは,板バネ状の弾性部材に限られるものではない。また,前記接触部132aは,一つであっても或いはさらに複数であってもよい。
そして,前記フィルタ除塵部材132には,その外周部にギア132bが形成されている。このギア132bは,図2及び図3に示すように,前記サイクロン集塵装置Yに設けられた除塵駆動機構15に設けられたギア15aに噛合される。
前記フィルタ除塵部材132が回転されると,該フィルタ除塵部材132に設けられた二つの前記接触部132a各々は,プリーツ状に形成された前記HEPAフィルタ131に断続的に衝突して振動を与える。従って,前記HEPAフィルタ131に付着した塵埃は,前記フィルタ除塵部材132から与えられる振動によって叩き落とされる。なお,前記除塵駆動モータ(不図示)が作動されるタイミングは,例えば前記電気掃除機Xにおける集塵動作の開始前や終了後であることが望ましい。これにより,前記電動送風機Vによる吸気によって前記HEPAフィルタ131に下流側への気流がない状態で,前記HEPAフィルタ131の除塵を効果的に行うことができる。
また,前述したように,前記塵埃受部14は,前記内筒12を回転可能に支持している。具体的に,前記塵埃受部14の開口14a縁部の下端には,前記内筒12の上端に設けられた環状の前記凹部12aに嵌合される環状の前記支持部14cが設けられている。これにより,前記内筒12は,前記塵埃受部14によって回転可能な状態で吊り下げられている。
次に,前記した螺旋状回転圧縮部123の構造についてさらに詳しく説明する。
前述したように,サイクロン集塵装置Yは,概略円筒形状に形成され,上部に配置された上部フィルタユニット13と,下部に配置された集塵容器11とを備えて構成されている。
集塵容器11内に収納された前記内筒12の下端には,分離部104と集塵部105の境界部である円盤状遮蔽部材123cが一体的に接合されている。上記円盤状遮蔽部材123cとその下部の前記螺旋部123aの外径は,ほぼ同じで,分離部104の内径より小さく,円盤状遮蔽部材123cの外周と集塵容器11の内壁との間には隙間(クリアランス)106(図6)が存在している。隙間(クリアランス)106は,分離部104において分離した塵埃を集塵部105へ移動する場合に,ある程度の体積を持つ塵埃においてもスムーズに移動することができ,かつ一度集塵部105に移動・蓄積した塵埃を巻き上げ,内筒フィルタ122を詰まらさないようにするに適した値である。実験によれば13mm程度が望ましいことが分かった。
さらにまた,上記螺旋部123aと集塵容器11内面との間の隙間(クリアランス)107(本発明における略円筒状の空間に相当する)は,集塵容器11の径が集塵容器11の底部に向かい小さくなる部分であるため,集塵容器11の底部に向かって小さくなるように構成されている。これにより,塵埃と集塵容器11の内壁側面との摩擦が大きくなり,螺旋状回転圧縮部123による中心軸P方向に塵埃を移動させる力が大きくなるため,されに効率的に圧縮が行なわれる。
また,円盤状遮蔽部材123cは,高さ方向に所定の厚みを持つ。円盤状遮蔽部材123cの高さ方向の厚みは,分離部104における遠心分離性能に影響し,本実施例では,実験により求めた13mm程度としている。
また,螺旋状回転圧縮部123の螺旋部123aは,前記したように上下の螺旋状曲面に挟まれて湾曲した板状に形成されており,円盤状遮蔽部材123cから下方に向かってほぼ垂直に伸びる回転軸部123bを中心にして,集塵容器11の底面に向かって始端(円盤状遮蔽部材123cとの接続部)から終端(下端)までが1周分以上,回転軸部123bの周囲に巻き付くように形成されている。上記巻き付き角度の望ましい数字としては,1.6周分である。このような巻き付きによって,螺旋部123aは,集塵容器11の内周面にそったサイクロン旋回気流(図6に矢印Aで示す)の回転方向に沿って下方に向かって傾斜する螺旋状の旋回面が形成されている。
また,螺旋状回転圧縮部123の螺旋部123aの終端(下端)と集塵室105の底面との間には,隙間(クリアランス)108(図6参照)が介在している。これにより,回転軸中心から外側に向け押し出し,圧縮することが出来る塵埃量を大幅に増加することが出来る。
また上記隙間108の幅は,集塵室105の底部に押し付けられ,圧縮された塵埃が螺旋部分の終端と集塵室105底部の間に詰まることによる破損や,異物等の詰まりを起こすことを防ぐことができる値である。本実施例では,IEC規格に基づくDMT標準ゴミTYPE8を試験ゴミとして10g使用した実験により求めた上記隙間108の幅を6〜13mm程度としている。
以上のように構成された電気掃除機の集塵動作について以下に説明する。
図3,図6に示すように,分離室104の周方向に形成された接続部111の空気流入口111aから集塵容器11の分離室104に入った気流は,図6の矢印Aのように,分離室104の円筒状の内周面に沿って高速で旋回する。旋回気流中の比較的大きい塵埃には遠心力が作用して気流から分離され,集塵容器11の内壁へ押し付けられる。図2に示すように,空気の排気口121が,下方にあるため,その後,気流は旋回しながら,集塵室105に入る。図6において二点鎖線で示す矢印Aのように旋回する気流(主流)は,集塵室105の底面に到達した後は上昇に転じる。図6の例では,この螺旋状回転圧縮部123のまわりの間隙107を旋回する気流の回転方向と螺旋状回転圧縮部123の螺旋部123aの傾き方向が一致しており,サイクロン旋回気流を妨げることがない。このため,圧力損失が少なく効率的な遠心分離が可能であり,高い吸い込み仕事率が得られる。
また,図6に二点鎖線で示す矢印Aの気流により運ばれる塵埃は,螺旋部123aの終端部(下端部)と集塵容器11の底面との間の空間112aに引っかかり(トラップされ),蓄積され,螺旋部123aの螺旋形状の湾曲面に沿って下側から順に積層されていく。このため,さらに圧力損失の増加を防ぐことができる。
さらに,螺旋状回転圧縮部123のまわりの間隙107を旋回する気流の回転方向と螺旋状回転圧縮部123の螺旋部123aの傾き方向が一致しているため,蓄積・積層された塵埃は,気流によっても若干圧縮される。これにより,蓄積・積層された塵埃の容積が小さくなり,より効率的な塵埃捕集を達成できる。
次に,塵埃の空気流による蓄積と積層の作用について説明する。
前述したように,吸引された塵埃は,分離部104において分離され,隙間106(図6)を通り,集塵部105へ導かれる。集塵部105においては,塵埃は隙間107を通り,隙間108によりせき止められる(トラップされる)ことにより,蓄積される。この蓄積は,螺旋状回転圧縮部123が回転されるごとに既に蓄積された塵埃の上に積層されていく。そのため,この集塵装置では,螺旋部123aに沿って,偏ることなく積層が成長していくため,集塵部105内で偏って蓄積されていくことがなく,同容積の集塵部と比較して集塵可能容量が飛躍的に向上する。
また,螺旋部123aは,サイクロン旋回気流の回転方向に沿って下方に向かって傾斜する方向性をもつ螺旋形状とすることが出来る。この場合には,サイクロンの気流による圧縮効果も得られる。これにより,さらに集塵可能容量が向上する。
次に,回転圧縮の作用について具体的に説明する。
たとえば,送風駆動モータの駆動が停止されると,気流が旋回を止める。送風駆動モータの駆動停止が確認された後,除塵駆動機構15が駆動されると,上述したように内筒12,排気口121,円盤状遮蔽部材123c,螺旋状回転圧縮部123,回転軸部123bが一体となって,垂直中心軸Pを中心として,図8の矢印D方向(上面から見て,反時計方向)に回転する。このようにして,除塵駆動機構15による回転が,図8に示される第1の回転軸線152と第2の回転軸線153を介して回転軸部123bに伝達される。
こうして螺旋状回転圧縮部123が回転すると,螺子の原理により,回転軸方向(図9の矢印Eで示す垂直下向き方向)に推力が発生する。この推力により,集塵室105に蓄積されている図9の塵埃200は,回転軸方向に押し出され,集塵容器11の底面に押し付けられることにより回転軸方向に圧縮される。
上述の説明は,モータにより駆動される除塵駆動機構15によって螺旋状回転圧縮部123が自動的に回転駆動される例である。しかしながら,上記のようなモータなどの積極的駆動手段を用いることは装置として高価であるし,消費電力の点でも無駄が多い。このような事情に基づいて,電気掃除機Xの集塵動作とは関係のない電気掃除機Xを移動させる動作に従動して螺旋状回転圧縮部123を回転させるようにしてもよい。
図16は,そのような従動的に螺旋状回転圧縮部123を駆動する機構を設けた掃除機本体1を正面から見たものであるが,ここに,前記除塵駆動機構15はモータなどの駆動装置を備えておらず,或いは,図外のクラッチなどによってモータなどの駆動装置とは離接自在に構成されている。
図16に示す掃除機本体1では,前記除塵駆動機構15は受動車輪164の回転に連動しており,掃除機本体1の移動に応じて回転する。
具体的には,前記車輪164の内側で,かつ同軸上には略ラチェット機構170(図17参照,後述)を内蔵した傘歯車163(図16参照)があり, 傘歯車163が回転することにより,傘歯車163とかみ合う傘歯車165が回転駆動される。傘歯車165はシャフト160を介してギア15a(前記除塵駆動機構15により駆動されるギア15a)に連結されており,このギア15aの回転力は,前記フィルタ除塵部材132及び螺旋状回転圧縮部123を駆動するギア132bに伝達される。これにより,前記フィルタ除塵部材132及び螺旋状回転圧縮部123が回転される。
前記傘歯車163は,内部にラチェット機構170を内蔵しており,図17はこのラチェット機構170を図16の矢印161方向から見た図である。即ち,受動車輪164とラチェット機構170のラチェット車171は車軸162に固定されており,傘歯車163は車軸162に対し回転自由な状態で取り付けられている。ラチェット車171の外周部には,その中心線Lに対して小さい角度θ1で交差する斜面D1と大きい角度θ2で交差する斜面D2が交差することで形成される偏向歯Dが等ピッチで複数形成されている。
上記傘歯車163内には,前記ラチェット車171の前記偏向歯Dの斜面D1或いはD2に対して,その回転方向に応じて異なる角度によって接触する突起175が複数固定されている。上記突起175は,ゴムなどの弾性材料によって構成され,前記傘歯車163の回転方向に応じて,容易に撓んだり,或いは圧縮されるだけで容易には撓むことがないように構成されている。
この構成において,矢印174方向に受動車輪164が回転した場合は,ラチェット車に形成された前記偏向歯Dのなだらかな斜面D2が突起175に当たり,突起175が容易に撓むため,ギア15aとギヤ132bの回転負荷によって,ラチェット車171は傘歯車172に対し空転する。
一方受動車輪164が矢印173方向に回転した場合には,ラチェット車171の偏向歯Dの傾斜が険しい斜面D1から突起175に当たることにより,偏向歯Dが圧縮されるだけで逃げないので,定常状態でギア15aとギヤ132bを十分稼働させうるトルクを出すことができ,ラチェット車171と傘歯車163の間に空転が生じない。
例えば,電気掃除機Xの進行方向側の車輪の回転を矢印173の方向として受動車輪164が回転した場合,除塵駆動機構15が回転し,後退方向側に車輪が回転した場合はラチェット機構170の空転により除塵駆動機構15が回転しないようにしておけば,電気掃除機Xが前進するたびに,常時螺旋状回転圧縮部123を回転させて,捕集した塵埃を消費電力無しで圧縮することができる。
そして,上記除塵駆動機構15の回転によるフィルタ除塵部材132の回転は,前記したように,傾斜除塵部材134に伝達され,傾斜除塵部材134と一体に回転する内筒12及び内筒12と一体の螺旋状回転圧縮部123が前記垂直中心軸Pの周りに回転して,上部フィルタユニット13の目詰まりを解消する。
また,回転圧縮部123周辺の塵埃や障害物などの状態によって回転圧縮部123が回転困難な場合も考えられるが,例えば,定常状態の2倍以上のトルクがかかった場合は,矢印173方向(掃除機の進行方向)への回転についてもラチェット機構が空転するよう部品171の傾斜を工夫したり,ラチェット車171の偏向歯Dの固さを調整することにより,車輪のロックを防ぐことができる。
なお,本実施の形態では,車輪164とラチェット機構170に連動する除塵駆動機構15によって前記フィルタ除塵部材132が回転される場合を例に挙げて説明したが,コードリールの巻き取り機構を備えた電気掃除機では,車輪164に換えて,コードリールの巻き取り機構と連動させて除塵駆動機構15の回転駆動を実現することも他の実施例として考えられる。この場合,コードリールを手動で引き出す時に,偏向歯Dの険しい斜面D1に弾性体の突起175が当接し,コードリールが巻き込まれるときに,偏向歯Dのなだらかな斜面D2に弾性体の突起175が当接するように偏向歯Dの斜面の向きを調整することが望ましい。
ラチェット機構は,上記のような弾性の突起と斜面D1,D2との組み合わせの他,一方には容易に倒れ,他方には倒れない金属やプラスティックの爪のようなものであっても良い。
ところで,サイクロン集塵装置Yでは,塵埃が図10における300(ほぼ螺旋部123aの始端の位置)よりも上部まで積層された場合,上側から新たに塵埃201(図9参照)が吸引されて来ても,塵埃201は引っかかる部分がないため積層・集積することができず,内筒12の回りを回転し続けてしまう。回転し続けることにより,内筒フィルタ122に大量の塵埃が付着し,吸引力が急激に低下する。また,送風駆動モータに大きな負担がかかり,製品寿命を低下させる。
しかしながら,この集塵装置Yでは,螺旋部123aの回転によって集塵容器の底面との間に蓄積した塵埃に回転を与え,これによって軸中心から外側に向かって押し出すことで圧縮するので,螺旋状回転圧縮部123と集塵容器11の底部との間の塵埃200は,一度圧縮されると,回転停止後,さらには,集塵容器11を解放して圧縮力が解除された後も,圧縮状態が保持される。
このように,圧縮状態が保持されることにより,塵埃は高さ300よりも下部で保持されることになり,上方から新たに塵埃201が吸引された場合でも,塵埃は集積され,螺旋状回転圧縮部123の回転により,新たな塵埃201をさらに圧縮することが出来,効率的な連続圧縮を行うことが出来る。その結果,実験によれば,同容量の集塵部において約3倍の集塵可能容量向上効果が確認された。
また,この集塵装置Yでは,一度の吸引によって,大量の塵埃を捕塵し,塵埃の高さが図10における300まで到達した場合でも,螺旋部123aと接触している塵埃と一体となり,回転軸方向へ押し出され,圧縮を行うことができる。
また,螺旋状回転圧縮部123が回転し圧縮動作を行うものであるため,螺旋状回転圧縮部123の回転によって塵埃に軸回転中心から外側向きの力が発生する。そのため,塵埃は円筒状の回転軸部123b部分にはあまり付着しない傾向があり,メンテナンス性が飛躍的に高まる。さらに,塵埃が螺旋状回転圧縮部123に付着した場合においても,螺旋状回転圧縮部123が回転することによって,塵埃を下方へ押し出し圧縮する際に塵埃により,剥がされていく。このように,螺旋状回転圧縮部123のメンテナンス性は非常に高い。
さらに,前記したように,圧縮後の塵埃はドーナツ型に固められ一体化しているため,ゴミ捨て時のゴミ飛散やこぼれ落ちなどを防ぐことができ,効率的なゴミ捨てが行える。
螺旋状回転圧縮部123の回転を,モータなどの駆動手段によって行なうことにより,送風駆動モータの駆動中(吸引中)に螺旋状回転圧縮部123を自動的に回転させることができる。この動作によって,塵埃を捕集・集積すると同時に塵埃を圧縮することができる。これにより,さらに効率的に圧縮することができ,上記の効果がさらに高まる。また,一度に大量の塵埃を吸引した場合でも圧縮が可能なため,長時間連続して掃除を行うことができる。
さらにまた,送風駆動モータの駆動中(吸引中)に螺旋状回転圧縮部123を間欠的に回転させることにより,塵埃の捕集と同時に圧縮を行うことが出来るとともに,螺旋状回転圧縮部123を長い時間にわたって駆動し続けることがないため,消費電力の増加を防ぎ,駆動機構の寿命に伴う製品寿命を高めることができる。さらに,圧縮部駆動機構が駆動する際の騒音を低減することができ,より静かで使用しやすいサイクロン集塵装置が得られる。
本発明の実施の形態に係る電気掃除機Xの外観図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための断面図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための断面図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた螺旋状回転圧縮部を説明するための図((a)は,下方から見た斜視図,(b)は,上方から見た斜視図)。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yに設けられた上部フィルタユニット13を説明するための図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を螺旋状回転圧縮部を中心として説明するための断面図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの内部構造を説明するための分解斜視図。 本発明の実施の形態に係るサイクロン集塵装置Yの螺旋状回転圧縮部への回転力伝達経路を説明するための断面図。 螺旋状回転圧縮部の回転によって,塵埃が圧縮・積層される状況を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図。 螺旋状回転圧縮部への塵埃の貯まり具合を説明するサイクロン集塵装置Yの断面図。 直円筒状の集塵容器が用いられた場合のサイクロン集塵装置Yの断面図。 螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの断面図。 螺旋部の設定位置を説明するためのサイクロン集塵装置Yの斜視図。 集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの側断面図。 集塵容器に形成されるリブを説明するためのサイクロン集塵装置Yの水平断面図。 電気掃除機1の進行方向から見た,車輪の回転により回転圧縮部を回転させる機構の説明図。 回転圧縮部を駆動する機構に内蔵されたラチェット機構の説明図。
符号の説明
10…筐体(集塵装置本体)
11…集塵容器
12…内筒
13…上部フィルタユニット
14…塵埃受部
15…除塵駆動機構
104…分離部
105…集塵部
123…螺旋状回転圧縮部
123a…螺旋部(圧縮部)
123b…回転軸部
123c…円盤状遮蔽部材
123d…始端部
164…受動車輪
170…ラチェット機構
175…突起
200,201…塵埃
400…リブ
D…偏向歯

Claims (5)

  1. 内周面が略円筒状の集塵容器を備え,該集塵容器の円周部にその周方向に設けられた空
    気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記集塵
    容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大
    きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段
    において捕集するサイクロン集塵装置であって,
    前記集塵容器内に,該集塵容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,かつ前記
    垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えたサイクロン集塵装置を具備してなる電気
    掃除機であって,
    前記圧縮部材が,掃除機本体の移動に応じて受動的に回転する車輪の回転と連動して回
    転するように構成されてなることを特徴とする電気掃除機。
  2. 前記車輪の一方向の回転のみを前記圧縮部材に伝達する第1の一方向クラッチ手段をさ
    らに備えてなる請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 内周面が略円筒状の集塵容器を備え,該集塵容器の円周部にその周方向に設けられた空
    気流入口から吸い込まれた空気を前記略円筒状の内周面に沿って旋回させた後,前記集塵
    容器の中心部からフィルタ手段を経て排気することにより,前記空気に含まれる比較的大
    きい塵埃を前記集塵容器の底部で捕集すると共に,比較的小さい塵埃を前記フィルタ手段
    において捕集するサイクロン集塵装置であって,
    前記集塵容器内に,該集塵容器の垂直中心軸を中心とする螺旋状曲面を備え,かつ前記
    垂直中心軸の周りに回転可能な圧縮部材を備えたサイクロン集塵装置を具備してなる電気
    掃除機であって,
    さらに電源コードを巻き取るコードリールを備え,
    前記圧縮部材が,前記コードリールの回転と連動して回転するように構成されてなるこ
    とを特徴とする電気掃除機。
  4. 前記コードリールの一方向の回転のみを前記圧縮部材に伝達する第2の一方向クラッチ
    手段をさらに備えてなる請求項3に記載の電気掃除機。
  5. 前記第1或いは第2の一方向クラッチ手段が,ラチェットによって構成されてなる請求
    項2あるいは4のいずれかに記載の電気掃除機。
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