JP2010004137A - 画像処理装置および画像処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】文字や図形などの画像が重なった一方と他方との画像の色で構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を精度よく検出する。
【解決手段】検出領域を横切る第1方向の画素のうち暗い第1画素が、第1方向と交差し検出領域を横切る第2方向の画素のうち明るい第2画素よりも明るく、かつ、第1,2画素の明度の差の絶対値が閾値以上を条件に、当該領域がクロス点領域として検出され(S111〜126)当該領域の代表画素が対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるかが判定され(S131)対象領域の明度範囲ごとのヒストグラムが生成され(S102)所定度数を超える明度範囲が2以上かが判定され(S103,104)代表画素の比率が所定比率を超えるとの判定、かつ、所定度数を超える明度範囲が2以上との判定を条件に、当該対象領域が透過画像領域であると判定される(S132)。
【選択図】図10

Description

本発明は、画像処理装置および画像処理方法に関し、特に、画像の領域の判別に適した画像処理装置および画像処理方法に関する。
複合機(以下、「MFP(Multi Function Peripherals)」という)などの画像処理装置においては、近年では、コピー機能よりもプリンタ機能が使用される頻度が増加している。プリント用の原稿の内容は、通常、PC(Personal Computer)の一般アプリケーションソフトによって編集された文書や図形などの画像であることが多い。
このような画像がMFPに送信される際に、文字や図形などの画像が重なって一方の画像が他方の画像を透過して見えるような領域(以下「透過画像領域」という)が、一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて送信される場合がある。
MFPの従来の領域判別機能では、このような透過画像領域が文字領域と判別される場合があった。このような場合は、エッジ強調処理が行なわれていた。また、透過画像領域が網点領域と判別される場合があった。このような場合は、通常の網点領域と同様、スムージング処理が行なわれていた。
このように判別された結果、エッジ強調処理が行なわれた場合、透過画像領域の幾何学模様がエッジ強調されるためざらついた出力画像となることがあった。また、スムージング処理が行なわれた場合、補正量が弱いのでざらつきが十分に解消されなかった。このため、プリント結果がディスプレイで表現される画像とは大きく異なってしまうといった問題があった。
このため、透過画像領域を文字領域や網点領域と区別して精度よく検出して、適切な画像処理を行なう技術の開発が必要であった。
ところで、従来、画像のうち網点で表わされた領域である網点領域を検出するために、網点の白(または黒)の孤立点を検出するものがあった。網点とは、表示の濃淡を表現するための点であって、均等間隔に並べられた濃度に応じた大きさの所定形状の点である。孤立点とは、網点のそれぞれの点どうしが接触しておらず孤立している点をいう。
また、網点領域を検出するために、網点のクロス点を検出するものがあった(たとえば、特許文献1)。クロス点とは、一方向の画素の明度が大きくて、その方向と交差する方向の画素の明度が小さいような2方向の交差する点をいう。
特開2002−142109号公報
このような網点領域を検出する方法で、透過画像領域を検出しようとした場合、以下のような問題があった。
透過画像領域は、図5で説明するように1マスが4×4画素の正方形の組合せで構成されることが多く、幾何学模様の1マスには、重なっている画像のいずれかの一部が含まれるので、4×4画素の正方形内部の濃度が略均一である場合が多い。一方、孤立点を検出するための孤立点検出フィルタは、一般的には3×3画素または5×5画素のサイズで構成される。このため、このような孤立点検出フィルタでは、透過画像領域の4×4画素の幾何学模様を検出できないといった問題があった。また、4×4画素の内部では、濃度が略均一であるため、クロス点が検出できないといった問題があった。
また、孤立点検出フィルタの形状を透過画像領域の幾何学模様に適合するように設計しても、同じような周波数成分の印刷原稿上の網点領域と、透過画像領域とを識別することは困難であった。
この発明は上述の問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、文字や図形などの画像が重なった一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方の画像が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を精度よく検出することが可能な画像処理装置および画像処理方法を提供することである。
上述の目的を達成するために、この発明のある局面によれば、画像処理装置は、複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、第1の画素の明度と第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出するクロス点領域検出部と、クロス点領域検出部によって検出されたクロス点領域の代表画素が画像のうちの対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるか否かを判定するクロス点判定部と、対象領域に含まれる複数の画素の明度範囲ごとのヒストグラムを生成するヒストグラム生成部と、ヒストグラム生成部によって生成されたヒストグラムで示される度数が所定度数を超える、明度範囲の数が2以上であるか否かを判定するピーク判定部と、クロス点判定部によって対象領域のクロス点領域の代表画素の比率が所定比率を超えると判定され、かつ、ピーク判定部によって当該対象領域において度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域を、透過画像領域であると判定する透過画像領域判定部とを備える。
この発明に従えば、画像処理装置によって、画像に含まれる検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、第1の画素の明度と第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域が、クロス点領域として検出され、検出されたクロス点領域の代表画素が画像のうちの対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるか否かが判定され、対象領域に含まれる複数の画素の明度範囲ごとのヒストグラムが生成され、生成されたヒストグラムで示される度数が所定度数を超える、明度範囲の数が2以上であるか否かが判定され、対象領域のクロス点領域の代表画素の比率が所定比率を超えると判定され、かつ、当該対象領域において度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域が、透過画像領域であると判定される。
このため、クロス点領域の代表画素の比率が所定画素を超えることを条件とすることで、透過画像領域を文字領域と区別することができ、度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であることを条件とすることで、透過画像領域を網点領域と区別することができる。その結果、文字や図形などの画像が重なった一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方の画像が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を精度よく検出することが可能な画像処理装置を提供することができる。
好ましくは、透過画像領域判定部によって透過画像領域であると判定された対象領域に対して透過画像領域に適した画像処理を行なう画像処理部をさらに備える。
この発明に従えば、画像処理装置によって、透過画像領域であると判定された対象領域に対して透過画像領域に適した画像処理が行なわれる。このため、透過画像領域について出力される画像をより高品質にすることができる。
好ましくは、ヒストグラム生成部によって生成されたヒストグラムで示される度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であるか否かを判定する明度範囲数判定部をさらに備え、透過画像領域判定部は、明度範囲数判定部によって当該対象領域において度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であると判定されたことをさらに条件として、当該対象領域を透過画像領域であると判定する。
この発明に従えば、画像処理装置によって、生成されたヒストグラムで示される度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であるか否かが判定され、当該対象領域において度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であると判定されたことをさらに条件として、当該対象領域が透過画像領域であると判定される。このため、透過画像領域をさらに精度よく検出することができる。
好ましくは、明度は、明るいほど値が高く、クロス点領域検出部は、複数の画素が格子状に並べられた画像に含まれる2×2画素の所定形状の検出領域において、第1の方向としての検出領域の一方の対角の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、第2の方向としての検出領域の他方の対角の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出し、クロス点判定部は、2×2画素の領域のうち予め定められた相対位置の画素を代表画素として、比率が所定比率を超えるか否かを判定する。
この発明に従えば、画像処理装置によって、複数の画素が格子状に並べられた画像に含まれる2×2画素の所定形状の検出領域において、第1の方向としての検出領域の一方の対角の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、第2の方向としての検出領域の他方の対角の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域が、クロス点領域として検出され、2×2画素の領域のうち予め定められた相対位置の画素が対象領域のクロス点領域の代表画素とされて、代表画素の比率が所定比率を超えるか否かが判定される。
この発明の他の局面によれば、画像処理方法は、画像処理装置によって実行される方法であって、複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、第1の画素の明度と第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出するステップと、検出されたクロス点領域の代表画素が画像のうちの対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるか否かを判定するステップと、対象領域に含まれる複数の画素の明度範囲ごとのヒストグラムを生成するステップと、生成されたヒストグラムで示される度数が所定度数を超える、明度範囲の数が2以上であるか否かを判定するステップと、対象領域のクロス点領域の代表画素の比率が所定比率を超えると判定され、かつ、当該対象領域において度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域を、透過画像領域であると判定するステップとを含む。
この発明に従えば、文字や図形などの画像が重なった一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方の画像が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を精度よく検出することが可能な画像処理方法を提供することができる。
以下、この発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分については、同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける画像処理装置が適用されるタンデム方式のカラー複写機の概略構成を示す模式的断面図である。図1を参照して、カラー複写機100は、原稿から画像データを読取るイメージリーダ部101と、画像処理装置10と、用紙上に画像を印刷するプリンタ部102とを含む。
イメージリーダ部101の原稿台103上に載置された原稿は、スキャナ104の備える露光ランプ105により照射される。スキャナ104は、スキャナモータ112により矢印方向に移動して原稿全体を走査する。原稿面からの反射光は、ミラー106〜108および集光レンズを介してCCD(Charge Coupled Device)110上に像を結ぶ。CCD110は、原稿面からの反射光をRGBの色データ(アナログ信号)に変換して、さらにデジタルのRGBデータに変換して、画像処理装置10に出力する。CCD110が画像処理装置10に出力する色データを、画像データという。
画像処理装置10は、CCD110から入力される画像データに所定の画像処理を施してレーザ装置113にデジタル信号を出力する。
ここで画像処理装置10からレーザ装置113に出力されるデジタル信号は、シアン用の画像色データCと、マゼンタ用の画像色データMと、イエロー用の画像色データYと、ブラック用の画像色データKである。レーザ装置113は、入力された画像色データC,M,Y,Kに基づいて、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックそれぞれの感光体ドラム115C,115M,115Y,115Kにレーザビームを出力する。
プリンタ部102において、レーザ装置113から出力されるレーザビームは、帯電チャージャ114C,114M,114Y,114Kによって帯電された感光体ドラム115C,115M,115Y,115Kを露光し、静電潜像を形成する。シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの4色の現像器116C,116M,116Y,116Kにより、感光体ドラム115C,115M,115Y,115K上の静電潜像が現像される。
一方、無端ベルト130は、駆動ローラ133Aと固定ローラ133B,133C,133Dとにより弛まないように懸架されている。駆動ローラ133Aが図中で反時計回りに回転すると、無端ベルト130が所定速度で図中で反時計回りに回転する。
給紙カセット120〜122より適当な用紙が搬送され、タイミングローラ131から無端ベルト130に用紙が供給される。無端ベルト130に供給された用紙は、無端ベルト130上に担持され、図中で左方向に搬送される。これにより、用紙がシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの順に感光体ドラム115C,115M,115Y,115Kと接触する。用紙がそれぞれの感光体ドラム115C,115M,115Y,115Kと接触したときに、感光体ドラムと対をなす転写チャージャ117C,117M,117Y,117Kにより感光体ドラム上に現像されたトナー像が用紙に転写される。
トナー像が転写された用紙は、定着ローラ対132により加熱される。これにより、トナーは溶かされて用紙に定着する。その後、用紙はプリンタ部102から排出される。
図2は、本実施の形態におけるカラー複写機100の概略構成を示すブロック図である。図2を参照して、図1で説明したように、カラー複写機100は、画像処理装置10と、イメージリーダ部101と、プリンタ部102とを含む。
画像処理装置10は、カラー複写機100の全体を制御するための全体制御部151と、画像データを記憶するための画像メモリ152と、カラー複写機100のユーザによる操作を受付けるとともにカラー複写機100の所定の情報を表示する操作パネル153と、イメージリーダ部101から受信した画像を処理するスキャン画像処理部154と、ネットワークに接続して外部の装置と情報を通信するためのネットワークインターフェイス(以下「ネットワークI/F(InterFace)」という)155と、プリンタ部102に送信する画像を処理するプリント画像処理部160とを含む。
操作パネル153は、各種設定に関する操作の入力を受付けるためのタッチパネル付きの液晶ディスプレイ(以下「LCD(Liquid Crystal Display)」という)、および、テンキーボタン、スタートボタン、ストップボタン、および、リセットボタンなどのハードウェアの操作ボタンで構成される。操作パネル153は、タッチパネルまたは操作ボタンによってユーザから受付けられた操作に応じた操作信号を全体制御部151に送信する。
また、操作パネル153の液晶ディスプレイは、ユーザによる操作パネル153の操作に応じて全体制御部151から受信した操作画面、設定画面、エラー画面または説明画面などを表示する。
全体制御部151は、カラー複写機100の制御処理および画像処理の演算処理などの各種処理を実行するCPU(Central Processing Unit)と、CPUが各種処理を実行するときのワークメモリおよび各種ユーザ設定値を記憶するメモリであるRAM(Random Access Memory)と、CPUに各種処理を実行させる制御プログラムおよび設定値の初期値を記憶するROM(Read Only Memory)とを含む。
全体制御部151のCPUは、ROMに記憶された制御プログラムに従って、操作パネル153からの操作信号に応じて、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、および、FAX機能を実行するよう、イメージリーダ部101、プリンタ部102、画像メモリ152、スキャン画像処理部154、プリント画像処理部160、ネットワークI/Fを制御したり、画像データに対する画像処理を実行するよう、スキャン画像処理部154およびプリント画像処理部160を制御したりする。
カラー複写機100でコピー機能が用いられる場合、画像データは、イメージリーダ部101、スキャン画像処理部154、画像メモリ152、プリント画像処理部160、および、プリンタ部102の順に送られる。
カラー複写機100でスキャナ機能やFAX(Facsimile)送信機能が用いられる場合、画像データは、イメージリーダ部101、スキャン画像処理部154、画像メモリ152、ネットワークI/F155、および、外部装置(PC(Personal Computer)、サーバ、または、FAX装置)の順に送られる。
カラー複写機100でプリンタ機能やFAX受信機能が用いられる場合、画像データは、外部装置(PC、サーバ、または、FAX装置)、画像メモリ152、プリント画像処理部160、および、プリンタ部102の順に送られる。
スキャン画像処理部154は、イメージリーダ部101からのRGBデータに対して、シェーディング補正処理、倍率補正処理、領域判別処理(文字領域や網点領域の検出、モノクロ領域やカラー領域の判別など)、色変換処理(RGBからCMYKへ)、および、画像補正処理(スムージングや強調)を選択的に行ない、処理されていないRGBデータ、処理後のRGBデータ、または、CMYKデータを画像メモリ152に一時保存させる。
プリント画像処理部160は、プリンタ部102のCMYKの色ずれ補正およびスクリーン処理などを選択的に行ない、CMYKデータをプリンタ部102に送信する。プリント画像処理部160については、後述する図3で詳細に説明する。
ネットワークI/F155は、カラー複写機100をLAN(Local Area Network)などの通信ネットワークと接続するためのインターフェイスである。ネットワークI/F155は、画像処理装置10の各部で処理された画像データを、通信ネットワークを介して、PC、サーバおよびFAX装置などの外部装置に送信したり、外部装置から受信された画像データを画像処理装置10の各部に送る。
図3は、本実施の形態におけるプリント画像処理部160の機能の一部を示す機能ブロック図である。図3を参照して、プリント画像処理部160は、図2で説明したように、画像処理装置10に含まれる。プリント画像処理部160は、網点領域検出部161と、文字領域検出部162と、透過画像領域検出部170と、画像補正部163とを含む。
網点領域検出部161は、画像メモリ152に記憶された画像データに基づいて、表示の濃淡を表現するための点であって、均等間隔に並べられた濃度に応じた大きさの所定形状の点である網点で表わされた領域である網点領域を検出する。
文字領域検出部162は、画像メモリ152に記憶された画像データに基づいて、文字が含まれる領域を検出する。
透過画像領域検出部170は、文字や図形などの画像が重なった一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方の画像が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を検出する。透過画像領域検出部170については、後述する図6で詳細に説明する。
画像補正部163は、網点領域検出部161、文字領域検出部162および透過画像領域検出部170の検出結果に基づいて、それぞれの領域の種類に応じた適切な画像補正を実行する。
たとえば、画像補正部163は、文字領域にはエッジ強調を行ない、網点領域には弱いスムージングを行ない、透過画像領域には強いスムージングを行なう。網点領域を含む印刷原稿をスキャンした場合、MTF(Modulation Transfer Function)が低下するので、スムージング処理は、透過画像領域に対して弱めに実行することが好ましい。
図4は、本実施の形態における透過画像領域を説明するための説明図である。図4を参照して、この画像は、PC上で動作する一般的なアプリケーションソフト(たとえば、ワープロソフトまたは表計算ソフトなど)で作成された画像例である。
この画像には、グラデーション状に色付けされた六角形の図形、均一に色付けされた三角形の図形、および、真黒に色付けされた「ABC」の文字の画像が含まれる。そして、六角形の画像の一部および三角形の画像の一部が重ねられ、重なっている箇所の三角形の画像の一部が、六角形の画像の一部を透過しているように示されている。また、三角形の画像の一部が文字の画像の一部と重ねられ、重なっている箇所の文字の一部が、三角形の画像の一部を透過しているように示されている。
このように、複数の図形が重ねられて背面の図形が前面の図形を透過しているように表示される領域が、透過画像領域である。PCのプリンタとしてカラー複写機100などのMFPが用いられるのはオフィスユースであることから、このような重ねあわされる画像は、図形や文字が多い。また、図形や文字の明度は均一またはグラデーションなどの緩やかで規則的な変化であることが非常に多い。重ねあわされた画像は、印刷された状態では、一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されている場合が多いが、PCのモニタ上では、違和感なく透かし合成されたように表示される。
図5は、本実施の形態における透過画像領域の拡大図である。図5を参照して、図4で説明したPCのアプリケーションソフトまたはプリンタドライバによってカラー複写機100などのMFPに送信されてくる透過画像領域を拡大すると、図5(A)から図5(C)までで示されるような幾何学模様となっている場合がある。
この幾何学模様の黒色の部分が重なっている画像の一方の色で表現され、白色の部分が重なっている画像の他方の色で表現される。たとえば、図4の画像において、幾何学模様の黒色の部分が文字の黒色であり、白色の部分が三角形の灰色である場合、図5のように拡大された状態では、黒色と灰色との幾何学模様に見えるが、拡大してない状態では、図4で示すように、透過画像領域は、文字の黒色と三角形の灰色との略中間の色に見える。これによって、一方の画像が他方の画像に透過して見えるような効果が奏される。
また、この幾何学模様の1マスは、本実施の形態においては、4×4画素であるが、1×1画素の場合もある。さらに、幾何学模様の黒色の部分と白色の部分との比率によって、透過比率を制御することができる。
図6は、本実施の形態における透過画像領域検出部170の機能を示す機能ブロック図である。透過画像領域検出部170は、図3で説明したように、プリント画像処理部160に含まれる。
透過画像領域検出部170は、クロス点検出部171と、クロス点計数部172と、明度ヒストグラム生成部173と、明度ピーク検出部174と、明度分布検出部175と、透過画像領域判定部176とを含む。
クロス点検出部171は、入力された画像に対して、図7(A)のクロス点検出フィルタでクロス点を検出する。クロス点とは、一方向の画素の明度が大きくて、その方向と交差する方向の画素の明度が小さいような2方向の交差する点をいう。
図7は、本実施の形態におけるクロス点検出フィルタおよびその変形例を示す図である。図7(A)は、本実施の形態におけるクロス点検出フィルタである。図7(A)を参照して、本実施の形態におけるクロス点検出フィルタは、2×2画素のフィルタである。入力された画像において、このクロス点検出フィルタのような2×2画素の領域に順次着目して、次式のいずれかが成立する場合に、この領域の所定の相対位置の画素(本実施の形態では2×2画素の領域の左上の画素)をクロス点として検出する。
MIN(M11,M22)−MAX(M21,M12)>REFA
MIN(M21,M12)−MAX(M11,M22)>REFA
ここで、入力される画像が256階調のグレイスケールの画像であり、白を255LSB、黒を0LSBとした場合、REFAは、たとえば、20LSBである。しかし、これに限定されず、他の値であってもよい。
つまり、明るいほど明度の値が高い場合、クロス点検出部171は、複数の画素が格子状に並べられた画像に含まれる2×2画素の形状の検出領域において、第1の方向としての検出領域の一方の対角の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、第2の方向としての検出領域の他方の対角の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値REFA以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出し、クロス点領域の2×2画素の領域の所定の相対位置の画素をクロス点領域の代表画素であるクロス点として検出する。
なお、実際のクロス点は、2×2画素の4つの画素の真中の点である。しかし、デジタル画像処理においては、通常、画素が座標で特定されるが、画素以外の点を座標等の具体的な値で特定することが困難である。このため、実際のクロス点に替えて、クロス点領域の代表画素をクロス点とみなしている。奇数画素数のクロス点領域であれば、実際のクロス点と同じ真中の画素をクロス点とすることができる。
図7(B)は、変形例のクロス点検出フィルタである。図7(B)を参照して、図7(A)で説明したクロス点検出フィルタに替えて、図7(B)のクロス点検出フィルタを用いるようにしてもよい。図7(B)のクロス点検出フィルタは、4×4画素のフィルタである。入力された画像において、変形例のクロス点検出フィルタのような4×4画素の領域に順次着目して、次式のいずれかが成立する場合に、この領域の所定の相対位置の画素(変形例では4×4画素の右から2画素目で上から2画素目の画素)をクロス点として検出する。
MIN(N11,N12,N21,N22,N33,N34,N43,N44)
−MAX(N13,N14,N23,N24,N31,N32,N41,N42)>REFA
MIN(N13,N14,N23,N24,N31,N32,N41,N42)
−MAN(N11,N12,N21,N22,N33,N34,N43,N44)>REFA
変形例の場合は、明るいほど明度の値が高い場合、クロス点検出部171は、複数の画素が格子状に並べられた画像に含まれる4×4画素の形状の検出領域を横切る第1の方向としての第2象限と第4象限とを結ぶ方向(または第1象限と第3象限とを結ぶ方向)の画素のうち明度の低い画素の明度から、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向としての第1象限と第3象限とを結ぶ方向(または第2象限と第4象限とを結ぶ方向)の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値REFA以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出し、クロス点領域の4×4画素の領域の所定の相対位置の画素をクロス点領域の代表画素であるクロス点として検出する。
図6に戻って、クロス点計数部172は、入力された画像を16×32画素の対象領域に区切って、クロス点検出部171によって検出されたクロス点が、それぞれの対象領域に含まれる個数を計数する。
図8は、本実施の形態におけるクロス点の検出例を示す図である。図8を参照して、対象となっている領域が図2(A)で示したような透過画像領域である場合、本実施の形態においては図2(A)の1マスが4×4画素であるので、透過画像領域の幾何学模様は、重なり合う一方の画像の色と他方の画像の色との2色を交互に配した1マスの大きさが4×4画素の市松模様となる。
クロス点検出部171は、図8の対象領域において、斜線でハッチングした円で示す市松模様の格子点を実際のクロス点として検出し、この実際のクロス点の左上の画素をクロス点とみなして検出する。図8の対象領域は、16×32画素の領域であるが、クロス点計数部172は、この対象領域に含まれるクロス点の個数を32個と計数する。
図6に戻って、明度ヒストグラム生成部173は、入力された画像を16×32画素の対象領域に区切った対象領域ごとに明度ヒストグラムを生成する。対象領域ごとの明度ヒストグラムは、各明度階調の画素が対象領域に含まれる度数を示す。
図9は、本実施の形態における明度ヒストグラムの例を示す図である。図9(A)は、透過画像領域または文字領域における明度ヒストグラムの例を示す。図9(A)を参照して、透過画像領域は、2つの画像の色で構成され、それぞれの画像が単色で構成されることが多いので、透過画像領域は、2色で構成されることが多い。また、文字領域は、文字の色と背景の色とで構成されることが多いので、文字領域は、2色で構成されることが多い。このため、透過画像領域または文字領域の明度ヒストグラムのピークは、2つであることが多く、それらのピークが突出して高い。また、階調分布が離散的であることが多い。
図9(B)は、網点領域における明度ヒストグラムの例を示す。図9(B)を参照して、網点領域は、スキャナで読取られたときに、MTFが低下したり、ノイズを多く含むようになりS/N(Signal to Noise Ratio)が小さくなったりする。また、網点領域もグレイスケールでは、点の色と背景の色との2色で構成される。このため、網点領域の明度ヒストグラムは、2つのピークを持つが、その半値幅は広くなりピークは低くなる。
図9(C)は、写真領域における明度ヒストグラムの例を示す。図9(C)を参照して、写真領域の明度ヒストグラムは、明度分布が大きな広がりをもつことが多く、それぞれの度数も低い。
図6に戻って、明度ピーク検出部174は、明度ヒストグラム生成部173によって生成された明度ヒストグラムに基づいて、対象領域において、各明度階調の度数のうち、所定度数REFCを超える明度階調の数を検出する。
ここで、所定度数REFCは、対象領域の総画素数の15%程度であることが好ましい。たとえば、本実施の形態においては、対象領域は、16×32画素の領域であり、総画素数は、512画素であるので、所定度数REFC=512×15%=76.8、つまり、REFCを77画素とする。
たとえば、図9(A)で示した2つのピークにおける度数が所定度数REFCを超えている。このため、明度ピーク検出部174は、図9(A)の明度ヒストグラムでは、所定度数REFCを超える明度階調の数を2と検出する。一方、図9(B)および図9(C)の明度ヒストグラムでは、所定度数REFCを超える明度階調の数を0と検出する。
図6に戻って、明度分布検出部175は、明度ヒストグラム生成部173によって生成された明度ヒストグラムに基づいて、対象領域において、度数が1以上の明度階調の数を検出する。なお、本実施の形態においては、度数が1以上の明度階調の数を検出するようにしたが、度数が少数以上の明度階調を検出するのであれば、1よりも大きな数、たとえば、2以上の明度階調の数を検出するようにしてもよい。
透過画像領域判定部176は、クロス点計数部172によって計数された対象領域のクロス点数が所定数REFB以上であり、明度ピーク検出部174によって検出された対象領域において度数が所定度数REFCを超える明度ピークの数が2以上であり、明度分布検出部175によって検出された対象領域において度数が1以上の明度階調が所定数REFD以下であるときに、当該対象領域を透過画像領域と判定する。
そして、透過画像領域判定部176は、透過画像領域と判定した対象領域を特定可能なデータを画像補正部163に出力する。
ここで、所定数REFBは、12画素とする。しかし、これに限定されず、所定数REFBは、対象領域に含まれる最大限のクロス点数よりも十分に小さい値であれば、他の値であってもよい。本実施の形態においては、16×32画素の対象領域に含まれる最大限のクロス点数は、図8で示したように、32画素であり、所定数REFBは、この32画素よりも十分に小さい12画素とした。
また、所定数REFDは、15画素とする。しかし、これに限定されず、所定数REFDは、2〜全階調数(本実施の形態では256)の10%程度(本実施の形態では25程度)、さらに好ましくは、10〜20程度であれば他の数であってもよい。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態においては、図6で説明したように、透過画像領域を検出するための構成が、透過画像領域検出部170が図6のブロック図で示されるような構成である場合(たとえば、ハードウェア回路で構成される場合)について説明した。第2の実施の形態においては、透過画像領域を検出するための構成が、透過画像領域検出処理のプログラムが実行されることによって画像処理装置10に構成される場合(ソフトウェアで構成される場合)について説明する。
図10は、第2の実施の形態における画像処理装置10によって実行される透過画像領域検出処理の流れを示すフローチャートである。図10を参照して、この透過画像領域検出処理は、画像処理装置10によって実行される画像処理のための処理のサブルーチンであり、画像データから16×32画素の対象領域を順次読出して、その対象領域が透過画像領域であるか否かを検出するための処理である。
まず、ステップS101で、カラー複写機100の画像処理装置10のCPUは、対象となる画像データから対象領域の明度データMxy(x=1〜16,y=1〜32)を読込む。
そして、ステップS102で、画像処理装置10のCPUは、明度階調(本実施の形態においては256階調)ごとの明度ヒストグラムを生成する。この明度ヒストグラムは、図9で説明した明度ヒストグラムと同様の明度ヒストグラムである。
次に、ステップS103で、画像処理装置10のCPUは、ステップS102で生成した明度ヒストグラムに基づいて、図6の明度ピーク検出部174で説明した所定度数REFCと同様の、度数が対象領域の総画素数の16×32画素の15%程度である77画素を超えるピークの明度階調の数を特定する。
そして、ステップS104で、画像処理装置10のCPUは、ステップS103で特定したピーク数が2以上であるか否かを判断する。ピーク数が2以上でない、つまり2未満であると判断した場合(ステップS104でNOと判断した場合)、画像処理装置10のCPUは、この透過画像領域検出処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、ピーク数が2以上であると判断した場合(ステップS104でYESと判断した場合)、ステップS105で、画像処理装置10のCPUは、ステップS102で生成した明度ヒストグラムに基づいて、度数が1以上の明度階調の数を計数する。
そして、ステップS106で、画像処理装置10のCPUは、ステップS105で計数された明度階調数が、図6の透過画像領域判定部176で説明した所定数REFDと同様の、15以下であるか否かを判断する。度数が1以上の明度階調数が15以下でない、つまり、15より多いと判断した場合(ステップS106でNOと判断した場合)、画像処理装置10のCPUは、この透過画像領域検出処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、度数が1以上の明度階調数が15以下であると判断した場合(ステップS106でYESと判断した場合)、画像処理装置10のCPUは、ステップS111で、x,yの初期値として1を代入し、xの値が16以上となるまでステップS112〜ステップS126までの処理を繰返し、yの値が32以上となるまでステップS113〜ステップS124までの処理を繰返す。
ステップS114では、画像処理装置10のCPUは、M11,M12,M21,M22のそれぞれに、Mxy,Mx(y+1),M(x+1)y,M(x+1)(y+1)の値を代入する。そして、画像処理装置10のCPUは、ステップS115で、L1=MIN(M11,M22)−MAX(M21,M12)、ステップS116で、L2=MIN(M21,M12)−MAX(M11,M22)を算出する。
そして、ステップS121で、画像処理装置10のCPUは、L1またはL2が20を超えるか否かを判定する。L1またはL2が20を超えると判断した場合(ステップS121でYESと判断した場合)、ステップS122で、画像処理装置10のCPUは、クロス点の数Pを1加算する。
L1およびL2のいずれもが20を超えないと判断した場合(ステップS121でNOと判断したい場合)、および、ステップS122の後、ステップS123で、画像処理装置10のCPUは、yを1加算する。また、ステップS125で、画像処理装置10のCPUは、xを1加算する。
ステップS112〜ステップS126およびステップS113〜ステップS124の二重ループが終了した後、ステップS131で、画像処理装置10のCPUは、クロス点数Pが、図6の透過画像領域判定部176で説明したREFBと同様の、12以上であるか否かを判断する。クロス点数Pが12以上でない、つまり12未満であると判断した場合(ステップS131でNOと判断した場合)、画像処理装置10のCPUは、この透過画像領域検出処理を終了して、実行する処理をこの処理の呼出元の処理に戻す。
一方、クロス点数Pが12以上であると判断した場合(ステップS131でYESと判断した場合)、ステップS132で、画像処理装置10のCPUは、当該対象領域が透過画像領域である旨を特定可能なデータをRAMに記憶させる。
次に、前述した実施の形態の効果について説明する。
(1) 画像処理装置10によって、明るいほど明度の値が高い場合、複数の画素が格子状に並べられた画像に含まれる2×2画素の検出領域を横切る第1の方向である一方の対角の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向である他方の対角の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値REFA以上であることを条件として、当該検出領域が、クロス点領域として検出され、検出された2×2画素のクロス点領域の予め定められた相対位置である左上の代表画素であるクロス点が、画像のうちの対象領域に含まれる数がREFBを超えるか否かが判定され、対象領域に含まれる複数の画素の明度階調ごとの明度ヒストグラムが生成され、生成された明度ヒストグラムで示される度数がREFCを超える、明度範囲の数が2以上であるか否かが判定され、対象領域のクロス点が対象領域に含まれる数がREFBを超えると判定され、かつ、当該対象領域において度数がREFCを超える明度階調が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域が、透過画像領域であると判定される。
このため、クロス点が対象領域に含まれる数がREFBを超えることを条件とすることで、透過画像領域を文字領域と区別することができ、度数がREFCを超える明度範囲が2以上であることを条件とすることで、透過画像領域を網点領域と区別することができる。その結果、文字や図形などの画像が重なった一方の画像の色と他方の画像の色とで構成される幾何学模様に抽象化されて構成される、一方の画像が他方の画像を透過して見えるような透過画像領域を精度よく検出することができる。
(2) 画像処理装置10によって、透過画像領域であると判定された対象領域に対して透過画像領域に適した画像処理である網点領域よりも強いスムージングが行なわれる。このため、透過画像領域について出力される画像をより高品質にすることができる。
(3) 画像処理装置10によって、生成された明度ヒストグラムで示される度数が1以上の明度階調の数がREFD未満であるか否かが判定され、当該対象領域において度数が1以上の明度階調の数がREFD未満であると判定されたことをさらに条件として、当該対象領域が透過画像領域であると判定される。このため、透過画像領域をさらに精度よく検出することができる。
次に、前述した実施の形態の変形例について説明する。
(1) 前述した実施の形態においては、256階調の明度階調のそれぞれについて明度ヒストグラムを生成するようにした。しかし、これに限定されず、明度ヒストグラムが生成される明度階調が、さらに多い階調であってもよいし、さらに少ない階調であってもよい。
また、複数の階調がまとめられた複数段階の明度範囲、たとえば、0〜15までが1段階目、16〜31までが2段階目、・・・、240〜255までの16段階目というように16階調がまとめられた16段階の明度範囲のそれぞれについて明度ヒストグラムが生成されるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態においては、16×32画素の対象領域にクロス点が含まれる数が所定数を超えるか否かを判定するようにした。しかし、これに限定されず、対象領域にクロス点が含まれる比率が所定比率を超えるか否かを判定するものであればよい。
(3) 前述した実施の形態においては、対象領域は、16×32画素の領域とした。しかし、これに限定されず、対象領域どうしが重ならないような、他のサイズの矩形の領域であってもよいし、三角形もしくは六角形などの多角形の領域であってもよいし、対象領域どうしが重なる、円形、楕円形、矩形、または、多角形の領域であってもよい。
また、エッジを抽出して、そのエッジで囲まれる領域を対象領域としてもよい。16×32画素の対象領域とした場合、対象領域に含まれるクロス点の数が所定数を超えることを、この対象領域が透過画像領域である1つの条件としたが、エッジで囲まれる領域を対象領域とした場合、この対象領域に含まれるクロス点の比率が所定比率を超えることを、この対象領域が透過画像領域である1つの条件とすればよい。
(4) 前述した実施の形態においては、第1の方向および第2の方向を、正方形の検出領域の対角の方向とした。また、前述した変形例では、第1の方向および第2の方向を、第2象限と第4象限とを結ぶ方向(もしくは第1象限と第3象限とを結ぶ方向)もしくは第1象限と第3象限とを結ぶ方向(もしくは第2象限と第4象限とを結ぶ方向)とした。
しかし、これに限定されず、第1の方向および第2の方向は、それぞれ検出領域を横切りそれぞれが交差する方向であればよく、四角形の検出領域の対辺の方向であってもよいし、検出領域をギザギザに横切る画素の並びの方向およびその方向と交差し検出領域をギザギザに横切る画素の並びの方向であってもよい。
(5) 前述した実施の形態においては、明るいほど明度の値が高いこととした。このため、複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、所定の閾値REFA以上であることを条件として、当該検出領域をクロス点領域として検出するようにした。
しかし、これに限定されず、複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、第1の方向と交差し検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、第1の画素の明度と第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値REFA以上であることを条件とすれば、明るいほど明度の値が高い場合であっても、暗いほど明度の値が高い場合であっても、当該検出領域を、クロス点領域として検出することができる。
(6) 前述した実施の形態においては、明度に関する処理として説明した。しかし、これに限定されず、明度を濃度と読替えた処理としてもよい。
(7) 前述した実施の形態においては、画像処理装置10として発明を説明した。しかし、これに限定されず、画像処理装置10を含むカラー複写機100またはMFPなどの画像形成装置、および、画像処理装置10またはPCで前述した画像処理を実行する、画像処理方法もしくは画像処理プログラムとして発明を捉えることができる。
また、画像処理プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体として発明を捉えることができる。この記録媒体は、磁気テープ、フレキシブルディスク,ハードディスクなどの磁気ディスク、CD−ROM,CD−R,CD−RW,DVD−ROM,DVD−R,DVD−RW,DVD−RAM,DVD+R,DVD+RWなどの光ディスク、MOなどの光磁気ディスク、メモリカード、または、USBメモリなどの固定的にプログラムを担持する媒体であってもよいし、ASP(Application Service Provider)などのサーバから通信ネットワークを介してプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であってもよい。
(8) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態の1つにおける画像処理装置が適用されるタンデム方式のカラー複写機の概略構成を示す模式的断面図である。 本実施の形態におけるカラー複写機の概略構成を示すブロック図である。 本実施の形態におけるプリント画像処理部の機能の一部を示す機能ブロック図である。 本実施の形態における透過画像領域を説明するための説明図である。 本実施の形態における透過画像領域の拡大図である。 本実施の形態における透過画像領域検出部の機能を示す機能ブロック図である。 本実施の形態におけるクロス点検出フィルタおよびその変形例を示す図である。 本実施の形態におけるクロス点の検出例を示す図である。 本実施の形態における明度ヒストグラムの例を示す図である。 第2の実施の形態における画像処理装置によって実行される透過画像領域検出処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
10 画像処理装置、100 カラー複写機、101 イメージリーダ部、102 プリンタ部、103 原稿台、104 スキャナ、105 露光ランプ、106〜108 ミラー、110 CCD、112 スキャナモータ、113 レーザ装置、114C,114M,114Y,115K 帯電チャージャ、115C,115M,115Y,115K 感光体ドラム、116C,116M,116Y,116K 現像器、117C,117M,117Y,117K 転写チャージャ、120〜122 給紙カセット、130 無端ベルト、131 タイミングローラ、132 定着ローラ対、133A 駆動ローラ、133B,133C,133D 固定ローラ、151 全体制御部、152 画像メモリ、153 操作パネル、154 スキャン画像処理部、155 ネットワークI/F、160 プリント画像処理部、161 網点領域検出部、162 文字領域検出部、163 画像補正部、170 透過画像領域検出部、171 クロス点検出部、172 クロス点計数部、173 明度ヒストグラム生成部、174 明度ピーク検出部、175 明度分布検出部、176 透過画像領域判定部。

Claims (5)

  1. 複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、前記第1の方向と交差し前記検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、前記第1の画素の明度と前記第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出するクロス点領域検出手段と、
    前記クロス点領域検出手段によって検出された前記クロス点領域の代表画素が前記画像のうちの対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるか否かを判定するクロス点判定手段と、
    前記対象領域に含まれる前記複数の画素の明度範囲ごとのヒストグラムを生成するヒストグラム生成手段と、
    前記ヒストグラム生成手段によって生成された前記ヒストグラムで示される度数が所定度数を超える、明度範囲の数が2以上であるか否かを判定するピーク判定手段と、
    前記クロス点判定手段によって前記対象領域の前記クロス点領域の代表画素の比率が所定比率を超えると判定され、かつ、前記ピーク判定手段によって当該対象領域において度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域を、透過画像領域であると判定する透過画像領域判定手段とを備える、画像処理装置。
  2. 前記透過画像領域判定手段によって前記透過画像領域であると判定された前記対象領域に対して前記透過画像領域に適した画像処理を行なう画像処理手段をさらに備える、請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記ヒストグラム生成手段によって生成された前記ヒストグラムで示される度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であるか否かを判定する明度範囲数判定手段をさらに備え、
    前記透過画像領域判定手段は、前記明度範囲数判定手段によって当該対象領域において度数が1以上の明度範囲の数が所定数未満であると判定されたことをさらに条件として、当該対象領域を前記透過画像領域であると判定する、請求項1または請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記明度は、明るいほど値が高く、
    前記クロス点領域検出手段は、複数の画素が格子状に並べられた前記画像に含まれる2×2画素の前記所定形状の前記検出領域において、前記第1の方向としての前記検出領域の一方の対角の方向の画素のうち明度の低い画素の明度から、前記第2の方向としての前記検出領域の他方の対角の方向の画素のうち明度の高い画素の明度を減算した値が、前記所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出し、
    前記クロス点判定手段は、2×2画素の領域のうち予め定められた相対位置の画素を代表画素として、前記比率が所定比率を超えるか否かを判定する、請求項1から請求項3までのいずれかに記載の画像処理装置。
  5. 画像処理装置によって実行される画像処理方法であって、
    複数の画素からなる画像に含まれる画素の組合せの所定形状の検出領域を横切る第1の方向の画素のうち暗い第1の画素が、前記第1の方向と交差し前記検出領域を横切る第2の方向の画素のうち明るい第2の画素よりも明るく、かつ、前記第1の画素の明度と前記第2の画素の明度との差の絶対値が、所定の閾値以上であることを条件として、当該検出領域を、クロス点領域として検出するステップと、
    検出された前記クロス点領域の代表画素が前記画像のうちの対象領域に含まれる比率が所定比率を超えるか否かを判定するステップと、
    前記対象領域に含まれる前記複数の画素の明度範囲ごとのヒストグラムを生成するステップと、
    生成された前記ヒストグラムで示される度数が所定度数を超える、明度範囲の数が2以上であるか否かを判定するステップと、
    前記対象領域の前記クロス点領域の代表画素の比率が所定比率を超えると判定され、かつ、当該対象領域において度数が所定度数を超える明度範囲が2以上であると判定されたことを条件として、当該対象領域を、透過画像領域であると判定するステップとを含む、画像処理方法。
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