JP2003324604A - 画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体 - Google Patents

画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラム、および記録媒体

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JP2003324604A
JP2003324604A JP2002131955A JP2002131955A JP2003324604A JP 2003324604 A JP2003324604 A JP 2003324604A JP 2002131955 A JP2002131955 A JP 2002131955A JP 2002131955 A JP2002131955 A JP 2002131955A JP 2003324604 A JP2003324604 A JP 2003324604A
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histogram
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JP2002131955A
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English (en)
Inventor
Kazuhisa Kubota
和久 久保田
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な処理で入力原稿が網点原稿であるか否
かを判別する。 【解決手段】 入力画像データから、第1の局所ブロッ
クと、第1の局所ブロックの各画素を中心画素とする第
2のブロックとを抽出する。第1の局所ブロックにおい
て、同じ濃度の画素の度数を表す第2ヒストグラムを作
成する一方で、第2の局所ブロック内の画素の平均濃度
を算出するとともに、第1の局所ブロックにおいて同じ
平均濃度の画素の度数を表す第3ヒストグラムを作成す
る。第2ヒストグラムおよび第3ヒストグラムの度数分
布に基づき、第1の局所ブロックの注目画素が網点画素
であるか否かを判別する網点画素判定部56と、入力画
像データにおいて網点画素と判定された画素の数をカウ
ントする網点画素カウント部57とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は原稿の種別を自動的
に判別する画像処理方法、画像処理装置、および画像形
成装置に関するものである。特に、写真のみよりなる写
真原稿と、あるいは、文字と写真とが混在する文字/写
真原稿とを判別するととともに、文字/写真原稿に含ま
れている写真が、印刷写真であるか印画紙写真であるか
を判別する画像処理方法、画像処理装置、および画像形
成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子複写機などの画像形成装置は、従来
のアナログ式のほかにデジタル式のものが普及してい
る。さらに、デジタル画像処理技術の進展によって、カ
ラー画像を高画質に再現するフルカラーのデジタル複写
機が製品化されている。一方、複写機が読み取る原稿画
像としては、文字、線画、写真からなる原稿や、これら
を組合せた様々な原稿が存在している。したがって、複
写機において良好な再現画像を得るためには、それぞれ
の原稿にあった画像処理を行う必要がある。
【0003】このような状況の中で、複写機の操作モー
ドとして、入力原稿の種別に対応する画像処理をデジタ
ル複写機が選択し得るように、文字モード、文字/写真
モード、写真モードなどが複写機に設定されている。
【0004】しかしながら、操作者が入力原稿毎に操作
モードの切り替えを行うことは、非常に煩わしい作業で
ある。また、入力原稿に対して不適切なモードを選択し
た場合では、出力画像における画質劣化が見られること
も多く、無駄な複写が行われることにもなる。
【0005】そこで、このような問題を解決するため
に、原稿の種別を自動的に判別処理を行うことが種々提
案されている。その一つの方法として、特開平6−19
7218公報では、ピーク画素を演算によって算出する
方法と、g(グリーン)信号の3値化を行い、あるブロ
ックにおけるすべての画素が中間レベルを取るものを検
出する方法とを用いる技術が開示されている。
【0006】さらに、上記公報では、入力原稿における
画像の種類、特に画像が印画紙写真(銀塩写真)である
のか、印刷、新聞などにおける網点写真であるのか、あ
るいは印画紙写真と網点写真との両方が含まれているの
かを判定し、その判定結果に基づいて色補正係数群を切
り替えて、最適な色補正を行う技術が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来技術では、以下に説明するような問題がある。す
なわち、網点写真を判定する際、3×3のブロックにお
いて、中心画素の濃度レベルが周囲の画素の濃度レベル
よりも高いか否かにより、網点領域を検出する。したが
って、代表的な網点しか検出することができず、たとえ
ばドットの大きい低線数の網点原稿は検出できないとい
う問題がある。また、下地領域上のノイズ等を網点画素
と誤検出してしまうため、原稿種別を誤判別する可能性
が高いという問題もある。
【0008】また、印画紙写真を判定する上で、g(グ
リーン)信号だけを用いて3値化による判別を行うの
で、精度よく原稿種別を判別することができないという
問題がある。たとえば、r(レッド)色あるいはb(ブ
ルー)色により着色した下地や中間濃度で構成された高
線数の網点写真などを、印画紙写真として誤判別してし
まう可能性がある。
【0009】さらに、原稿種別を判別するために、ピー
ク画素を演算で求めるといった領域分離(画像分離)を
行うことは、そのための処理が非常に複雑になるうえ
に、処理を行う回路が非常に大きくなってしまうという
問題がある。
【0010】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであって、その目的は、簡易な処理で入力原稿が
網点原稿であるか否かを判別することが可能な画像処理
装置、画像形成装置、画像処理方法、プログラム、およ
び記録媒体を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の画像処理装置
は、上記課題を解決するため、入力原稿より読み込まれ
る画像データに基づいて入力原稿の種別を判別する原稿
種別自動判別手段を備え、該原稿種別自動判別手段での
原稿種別の判別結果に応じた画像処理を施す画像処理装
置において、上記原稿種別自動判別手段は、複数の画素
よりなる第1の局所ブロックを入力画像データから抽出
する一方で、上記第1の局所ブロックにおける各画素を
中心画素とする第2のブロックを抽出するブロック設定
手段と、上記第1の局所ブロックにおいて、同じ濃度の
画素がいくつあるかを表す実濃度ヒストグラムを作成す
る実濃度ヒストグラム作成手段と、上記第2の局所ブロ
ック内の画素の濃度を平均した濃度である平均濃度を算
出するとともに、上記第1の局所ブロックにおいて同じ
平均濃度の画素がいくつあるかを表す平均濃度ヒストグ
ラムを作成する平均濃度ヒストグラム作成手段と、上記
実濃度ヒストグラムの度数分布と上記平均濃度ヒストグ
ラムとの度数分布とに基づいて、上記第1の局所ブロッ
クの注目画素が網点画素であるか否かを判別するととも
に、入力画像データにおいて網点画素と判定された画素
の数をカウントする網点原稿判別手段とを備えているこ
とを特徴としている。
【0012】また、本発明の画像処理方法は、上記課題
を解決するため、入力原稿より読み込まれる画像データ
に基づいて入力原稿の種別を判別し、その判別結果に応
じた画像処理を行う画像処理方法において、複数の画素
よりなる第1の局所ブロックを入力画像データから抽出
する第1のステップと、上記第1の局所ブロックにおけ
る各画素を中心画素とする第2のブロックを抽出する第
2のステップと、上記第1の局所ブロックにおいて、同
じ濃度の画素がいくつあるかを表す実濃度ヒストグラム
を作成する第3のステップと、上記第2の局所ブロック
内の画素の濃度を平均した濃度である平均濃度を算出す
るとともに、上記第1の局所ブロックにおいて同じ平均
濃度の画素がいくつあるかを表す平均濃度ヒストグラム
を作成する第4のステップと、上記実濃度ヒストグラム
の度数分布と上記平均濃度ヒストグラムとの度数分布と
に基づいて、上記第1の局所ブロックの注目画素が網点
画素であるか否かを判別するとともに、入力画像データ
において網点画素と判定された画素の数をカウントする
第5のステップとを備えていることを特徴としている。
【0013】すなわち、本発明の画像処理装置および画
像処理方法においては、原稿種別の判別結果に基づい
て、原稿種別に応じた画像処理を入力画像データに施
す。しかしながら、入力原稿に写真が含まれている場
合、その写真が印画紙写真であるのか、網点写真である
のか否かの判別に際しては、網点の線数によって誤判別
を生じる場合がある。また、RGB信号のうち、G信号
のみを用いて印画紙写真を判定すると、精度よく原稿種
別を判別することができない。
【0014】そこで、本発明の画像処理装置における原
稿種別自動判別手段は、特に、上記ブロック設定手段
と、上記実濃度ヒストグラム作成手段と、上記平均濃度
ヒストグラム作成手段と、上記網点原稿判別手段とを備
えている。一方、本発明の画像処理方法においては、特
に、上記第1のステップないし上記第5のステップを備
えている。
【0015】すなわち、ブロック設定手段あるいは第1
のステップにより抽出された第1の局所ブロックにおけ
る注目画素が網点画素である場合、該ブロックにおいて
は、網点に対応する濃度の画素と、下地に対応する濃度
の画素とがそれぞれ多く存在しているといえる。
【0016】したがって、実濃度ヒストグラム作成手段
あるいは第3のステップにより作成される実濃度ヒスト
グラムは、度数の山が2つ現れる度数分布となる。すな
わち、このような実濃度ヒストグラムの度数分布を、網
点原稿判別手段あるいは第5のステップにより把握する
ことにより、上記ブロックにおける注目画素が網点画素
である可能性を判別することができる。
【0017】一方、第1の局所ブロックにおいて下地部
分にノイズが存在している場合にも、実濃度ヒストグラ
ム作成手段あるいは第3のステップにより作成される実
濃度ヒストグラムは、度数の山が2つ現れる度数分布と
なる。このような場合、上記の実濃度ヒストグラムを用
いる処理だけでは、注目画素が網点画素でないというこ
とを判別することができない。そこで、網点原稿判別手
段あるいは第5のステップは、後述する平均濃度ヒスト
グラムを用いた処理を行う。
【0018】すなわち、第1の局所ブロックにおける注
目画素が網点画素でなく、たとえば印画紙写真画素や下
地画素であれば、該ブロックにおける画素の濃度は滑ら
かに変化しているか、あるいは変化していない。また、
第1の局所ブロックにおける注目画素が網点画素でなく
文字画素であれば、第1の局所ブロック内の画素は、濃
度差が存在するものの偏りが大きい濃度分布になる。
【0019】したがって、第1の局所ブロック内におけ
る、各画素の実際の濃度と、ブロック設定手段あるいは
第2のステップにおいて第2の局所ブロックを用いるこ
とにより算出された平均濃度とは略等しくなる。
【0020】すなわち、実濃度ヒストグラムの度数分布
と、平均濃度ヒストグラム作成手段あるいは第4のステ
ップにより作成される平均濃度ヒストグラムの度数分布
とは略同じ形状となる。したがって、網点原稿判別手段
あるいは第6のステップにより実濃度ヒストグラムの度
数分布と平均濃度ヒストグラムの度数分布とが略同じ形
状となることを把握すれば、第1の局所ブロックの注目
画素が網点画素ではないということを判別することがで
きる。
【0021】これにより、第1の局所ブロックの注目画
素が網点画素であるか否かという判断を確実に行うこと
ができる。
【0022】さらに、網点原稿判別手段あるいは第5の
ステップにより入力画像データにおける網点画素の数を
カウントすることにより、網点画素の数が多ければ入力
原稿は網点原稿であると判別し、網点画素の数が少なけ
れば入力原稿は網点原稿ではないと判別することができ
る。
【0023】さらに、実濃度ヒストグラムおよび平均濃
度ヒストグラムは、第1の局所ブロックにおける画素の
濃度に基づき作成されるものであって、網点の線数や、
RGB信号のうち特定の色信号に基づいて作成されるも
のではない。すなわち、実濃度ヒストグラムおよび平均
濃度ヒストグラムによる網点画素の判断は、網点の線数
に影響を受けることはない。
【0024】また、下地が中間濃度であっても、実濃度
ヒストグラムにおいては、網点に対応する濃度付近と、
下地部分に対応する中間濃度付近において山が2つ現れ
る度数分布となる。したがって、注目画素が網点画素で
あるか否かを判断することができる。さらに、実濃度ヒ
ストグラムおよび平均濃度ヒストグラムは、簡易な処理
により作成することができ、網点画素のカウントも簡易
な処理にて実現することができる。
【0025】それゆえ、簡易な処理で入力原稿が網点原
稿であるか否かを判別することができる。
【0026】また、本発明の画像処理装置は、上記課題
を解決するため、上記構成の画像処理装置において、上
記網点原稿判別手段は、上記実濃度ヒストグラムにおい
て度数が最大となる濃度区分と、上記平均濃度ヒストグ
ラムにおいて度数が最大となる濃度区分とが一致するか
否かに基づいて、上記第1の局所ブロックの注目画素が
網点画素であるか否かを判別することを特徴としてい
る。
【0027】すなわち、第1の局所ブロックの注目画素
が網点画素でない場合には、実濃度ヒストグラムの度数
分布と平均濃度ヒストグラムの度数分布とは略同じ形状
となる。したがって、この場合、実濃度ヒストグラムに
おいて度数が最大となる濃度区分と、上記平均濃度ヒス
トグラムにおいて度数が最大となる濃度区分とが一致す
る。
【0028】逆にいえば、実濃度ヒストグラムにおいて
度数が最大となる濃度区分と、上記平均濃度ヒストグラ
ムにおいて度数が最大となる濃度区分とが一致していれ
ば、実濃度ヒストグラムの度数分布と平均濃度ヒストグ
ラムの度数分布とは略同じ形状であることを予測するこ
とができる。したがって、実濃度ヒストグラムと平均濃
度ヒストグラムとの度数分布を全部比較することなく、
簡易な処理で、第1の局所ブロックの注目画素が網点画
素であるか否かを判別することができる。
【0029】それゆえ、より簡易な処理で、入力原稿が
網点原稿であるか否かを判別することができる。
【0030】また、本発明の画像処理装置は、上記課題
を解決するため、上記構成の画像処理装置において、上
記原稿種別自動判別手段は、入力画像データの全画素に
ついて、同じ濃度の画素がいくつあるかを表す濃度ヒス
トグラムを作成するヒストグラム作成手段と、上記濃度
ヒストグラムにおける最大度数値を第1最大度数値とし
て抽出する第1最大度数値抽出手段と、上記第1最大度
数値をとる濃度区分と該濃度区分に隣接する濃度区分と
を除く濃度区分における最大度数値を第2最大度数値と
して抽出する第2最大度数値抽出手段と、上記濃度ヒス
トグラムにて度数が所定値以下となる濃度区分の数と上
記第1最大度数値とのうち少なくとも一方を用いて、原
稿が文字原稿であるか否かを判定する文字原稿判別手段
と、上記濃度ヒストグラムにおける総度数と上記第1最
大度数値と上記第2最大度数値とを用いて、原稿が写真
原稿であるか否かを判定する写真原稿判別手段とを備え
ていることを特徴としている。
【0031】上記の構成によれば、原稿種別自動判別手
段のヒストグラム作成手段によって作成された濃度ヒス
トグラムから、第1最大度数値抽出手段によって第1最
大度数値が抽出される。
【0032】ここで、文字原稿は、主に文字と下地とか
らなるため、上記濃度ヒストグラムにおいて、度数は文
字と下地とに対応する濃度区分にほぼ集中し、これらの
濃度区分で度数が比較的高い。このことは、上記濃度区
分以外の大部分の濃度区分では度数が比較的に低いこと
を意味する。したがって、文字原稿判別手段は、たとえ
ば度数が所定値以下となる濃度区分を抽出し、その数の
大小を判断することにより、原稿が文字原稿であるか否
かを判断することができる。
【0033】また、文字原稿では、全体に対する下地の
占める割合が多いため、上記濃度ヒストグラムにおける
下地に対応する濃度区分で度数が最大となる。したがっ
て、文字原稿判別手段は、上記第1最大度数値の大小を
判断し、原稿における下地の有無を判断することによっ
ても、原稿が文字原稿であるか否かを判断することがで
きる。
【0034】つまり、文字原稿判別手段は、度数が所定
値以下となる濃度区分数と上記第1最大度数値とのうち
少なくとも一方を用いることで、原稿が文字原稿である
か否かを的確に判断することができる。
【0035】一方、上記第1最大度数値をとる濃度区分
と隣接しない濃度区分における第2最大度数値が、第2
最大度数値抽出手段によって抽出される。
【0036】ここで、写真原稿の場合、その濃度ヒスト
グラムには、最大度数が同等レベルとなる2つ以上の山
が存在するのが特徴である。したがって、写真原稿判別
手段は、上記濃度ヒストグラムにおける総度数と上記第
1最大度数値と上記第2最大度数値とを用い、たとえ
ば、上記第1最大度数値と上記第2最大度数値との差に
対する上記総度数の割合の大小を判断することで、濃度
ヒストグラムに最大度数が同等レベルとなる2つの山が
存在しているか否かを判断することができ、これによっ
て、原稿が写真原稿であるか否かを判定することができ
る。
【0037】以上のように、上記構成では、ヒストグラ
ム作成手段と文字原稿判別手段と写真原稿判別手段とに
よって、原稿種別を容易にかつ的確に判定することがで
きる。また、文字原稿判別手段および写真原稿判別手段
は、いずれも原稿種別の判別を濃度ヒストグラムのみに
基づいて行うので、原稿種別の判別処理は簡略化されて
いる。
【0038】それゆえ、簡易な処理で入力原稿が写真原
稿であるか、文字原稿であるか的確に判別することがで
きる。
【0039】また、本発明の画像処理装置は、上記課題
を解決するため、上記構成の画像処理装置において、上
記原稿種別自動判別手段は、上記網点原稿判別手段、上
記文字原稿判別手段、および上記写真原稿判別手段の判
別結果に基づき、原稿種別の判定を行う原稿種別判定手
段を備えていることを特徴としている。
【0040】上記構成によれば、原稿種別判定手段は、
文字原稿判別手段の判別結果に基づいて入力原稿の原稿
種別が文字原稿であることを判定することができる。さ
らに、原稿種別判定手段は、写真原稿判別手段の判別結
果に基づき写真原稿であると判別された入力原稿につい
て、網点原稿判別手段の判別結果を用いて、入力原稿の
写真が印刷写真であるのか、印画紙写真であるのかを判
定することができる。また、原稿種別判定手段は、文字
原稿判別手段および写真原稿判別手段の判別結果に基づ
き文字/写真原稿であると判別された入力原稿について
も同様に、網点原稿判別手段の判別結果を用いて、入力
原稿に含まれている写真が印刷写真であるのか、印画紙
写真であるのかを判定することができる、すなわち、原
稿種別判定手段は、網点原稿判別手段、上記文字原稿判
別手段、および上記写真原稿判別手段の判別結果に基づ
き、入力原稿が、文字/印刷写真原稿であるか、文字/
印画紙写真原稿であるか、印刷写真原稿であるか、印画
紙写真原稿であるか、文字原稿であるかを判定すること
ができる。
【0041】それゆえ、より詳細な原稿種別の判別を的
確に行うことができる。
【0042】また、本発明の画像形成装置は、上記課題
を解決するため、上記構成の画像処理装置を備えている
ことを特徴としている。
【0043】上記構成によれば、原稿種別の判別が的確
に行われ、しかも、原稿種別に応じた適切な画像処理が
行われる画像処理装置を備えた画像形成装置を提供する
ことができる。
【0044】また、本発明のプログラムは、上記課題を
解決するため、上記構成の画像処理方法における各ステ
ップをコンピュータに実行させることを特徴としてい
る。
【0045】上記の発明によれば、コンピュータ等のハ
ードウェアにプログラムを読み込ませることにより、簡
易な処理で入力原稿が網点原稿であるか否かを判別する
ことができる画像処理方法をハードウェアに実行させる
ことができる。
【0046】また、本発明の記録媒体は、上記課題を解
決するため、上記構成のプログラムを記録したコンピュ
ータ読み取り可能な記録媒体であることを特徴としてい
る。
【0047】上記の発明によれば、本発明の画像処理方
法を実行するプログラムをコンピュータに読み込ませる
ことが容易となる。
【0048】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないしは図14に基づいて説明すれば以下の通りであ
る。
【0049】図2は、本実施の形態の画像形成装置とし
てのデジタルカラー複写機(画像形成装置)1の構成を
示すブロック図である。同図に示すように、デジタルカ
ラー複写機1は、電子写真プロセスを用いるものであ
り、カラー画像入力装置2(以下、単に「画像入力装
置」とする)と、カラー画像処理装置3(以下、単に
「画像処理装置」とする)と、カラー画像出力装置4
(以下、単に「画像出力装置」とする)とからなる構成
である。
【0050】画像入力装置2は、たとえば入力原稿を読
み取る図示しないスキャナー部により構成されている。
該スキャナー部は、CCDを用いて、原稿からの反射光
像をRGB(R:赤・G:緑・B:青)色のアナログ信
号として読み取る。
【0051】画像処理装置3は、画像入力装置2にて読
み取られた原稿画像を基にして所望の画像処理を行う。
【0052】画像出力装置4は、たとえば図示しない感
光体と、画像処理装置3から出力される複数色の画像信
号に基づいて感光体を露光する図示しない露光部と、上
記露光によって感光体表面に形成される静電潜像を複数
色のトナーにより現像する図示しない現像部と、現像さ
れたトナー像を用紙に転写する図示しない転写部とを少
なくとも有しており、画像処理装置3にて処理された信
号を基にしてカラー画像を用紙上に出力する。
【0053】次に、画像処理装置3について説明する。
画像処理装置3は、A/D(アナログ/デジタル)変換
部5と、シェーディング補正部6と、原稿種別自動判別
部(原稿種別自動判別手段)7と、入力階調補正部8
と、色補正部9と、領域分離処理部10と、黒生成/下
色除去部11と、空間フィルタ処理部12と、出力階調
補正部13と、階調再現処理部14と、操作パネル15
とを備えている。
【0054】A/D変換部5は、画像入力装置2のCC
DからのRGBアナログ信号をデジタル信号に変換する
ものである。
【0055】シェーディング補正部6は、画像入力装置
2の照明系・結像系・撮像系にて生じる各種の歪みを取
り除くためのシェーディング補正を行うものである。
【0056】原稿種別自動判別部7は、シェーディング
補正部6にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(R
GBの反射率信号)を、濃度信号などカラー画像処理装
置に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に
変換するものである。さらに、原稿種別自動判別部7
は、入力された原稿が、文字原稿であるか、印刷された
写真からなる原稿(印刷写真原稿)であるか、印画紙に
焼き付けられた写真を含む原稿(印画紙写真原稿)であ
るか、あるいはそれらを組合せた文字/印刷写真原稿で
あるか、文字/印画紙写真原稿であるかの判別を自動で
行うものである。原稿種別自動判別部7の詳細な構成に
ついては後述する。
【0057】入力階調補正部8は、カラーバランスを整
えると同時に、原稿種別自動判別部7の判別結果を基に
下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を行
うものである。
【0058】色補正部9は、色再現の忠実化実現のため
に、不要吸収成分を含むC(シアン)・M(マゼンタ)
・Y(イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取
り除く色補正処理を行うものである。
【0059】領域分離処理部10は、色補正部9におい
て色補正処理された画像信号を、画素毎に文字領域、網
点領域、写真領域の何れかの領域に分離するものであ
る。さらに、領域分離処理部10は、領域分離結果に基
づいて、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別
信号を、後段の黒生成/下色除去部11、空間フィルタ
処理部12、および階調再現処理部14へと出力する。
【0060】黒生成/下色除去部11では、色補正後の
CMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、
および、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し
引いて新たなCMY信号を生成する下色除去処理を行う
ものである。すなわち、黒生成/下色除去部11は、C
MYの3色信号からCMYKの4色信号を生成する。
【0061】空間フィルタ処理部12は、デジタルフィ
ルタによる空間フィルタ処理、すなわち、空間周波数特
性を補正することによって出力画像のボヤケや粒状性劣
化を防ぐよう処理するものである。
【0062】出力階調補正部13は、濃度信号などの信
号を画像出力装置4の特性値である網点面積率に変換す
る出力階調補正処理を行うものである。
【0063】階調再現処理部14は、最終的に画像を画
素に分割してそれぞれの階調を再現できるように処理す
る階調再現処理(中間調生成処理)を行うものである。
【0064】なお、上記の色補正部9による色補正処理
後、領域分離処理部10にて、黒文字(場合によっては
色文字も含む)として抽出された画像領域については、
空間フィルタ処理部12における鮮鋭度強調処理におい
て高域周波数の強調量が大きくされることが好ましい。
同時に、階調再現処理部14における中間調生成処理に
おいて、高周波数再現に適した高解像のスクリーンでの
二値化または多値化処理が選択されるように構成される
ことが好ましい。これにより、文字および写真混在原稿
における、特に黒文字あるいは色文字の再現性を高める
ことができる。
【0065】一方、領域分離処理部10により印刷写真
と判別された画像領域に関しては、空間フィルタ処理部
12において、入力網点成分を除去するためのローパス
・フィルタ処理が施される。同時に、中間調生成処理で
は、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または
多値化処理が行われる。また、領域分離処理部10にて
印画紙写真に分離された領域に関しては、階調再現性を
重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行わ
れる。
【0066】操作パネル15は、表示部である液晶ディ
スプレイ(図示せず)と、テンキー(図示せず)と、コ
ピーボタン、画像モード等の操作モード設定を行う入力
部としての設定ボタン(図示せず)とを備えている。た
とえば、原稿の種別を手動で設定する場合、画像モード
設定ボタン等を介して操作モードを選択して入力するこ
とができる。操作パネル15により入力される画像モー
ドとして、文字原稿に対応した画像処理を行うよう画像
処理装置3に命令を与えるモードである文字モード、写
真原稿に対応した画像処理を行うよう画像処理装置3に
命令を与えるモードである写真モード、文字/写真原稿
に対応した画像処理を行うよう画像処理装置3に命令を
与えるモードである文字/写真モードを設定することが
できる。
【0067】上述した各処理が施された画像データは、
一旦記憶手段(図示せず)に記憶され、所定のタイミン
グで読み出されて画像出力装置4に入力される。上記の
処理はCPU(Central Processing Unit)により行わ
れる。なお、この画像出力装置4は、画像データを記録
媒体(たとえば紙等)上に出力するものであればよく、
たとえば、電子写真方式以外にインクジェット方式を用
いたカラー画像出力装置を挙げることができる。
【0068】また、原稿種別自動判別部7における原稿
種別自動判別処理は、RGBの画像入力信号ではなく、
RGBの補色であるCMYに変換された信号を用いて行
ってもよい。さらに、原稿種別自動判別処理された結果
を基に、入力階調補正処理・色補正処理・領域分離処理
・黒生成/下地除去処理・空間フィルタ処理・階調再現
処理(中間調生成処理)などの処理を切り替えてもよ
い。詳細については後述する。
【0069】次に、原稿種別自動判別部7の構成につい
て、図1を参照しつつ説明する。なお、以下の説明で
は、信号変換部20(図1参照)によりRGB信号を補
色反転することによりCMY信号に変換された信号を用
いて、原稿種別自動判別部7が原稿種別自動判別処理を
行う場合について説明する。
【0070】図1に示すように、原稿種別自動判別部7
は、信号変換部20と、網点原稿判別部(網点原稿判別
手段)21と、第1ヒストグラム作成部(ヒストグラム
作成手段)22と、第1最大度数濃度区分抽出部(第1
最大度数値抽出手段)23と、第2最大度数濃度区分抽
出部(第2最大度数値抽出手段)24と、文字原稿判別
部(文字原稿判別手段)25と、写真原稿判別部(写真
原稿判別手段)26と、原稿種別判定部(原稿種別判定
手段)27とを備えている。
【0071】信号変換部20は、RGBの反射率信号を
濃度信号に変換するとともにRGB濃度信号を補色反転
したCMY系の信号に変換するものである。網点原稿判
別部21は、網点原稿(印刷された写真を含む原稿)を
判定するものである。網点原稿判別部21の詳細な構成
については後述する。
【0072】第1ヒストグラム作成部22は、入力画像
全体における各画素の濃度と度数とにより第1ヒストグ
ラム(濃度ヒストグラム)を作成するものである。
【0073】第1最大度数濃度区分抽出部23は、第1
ヒストグラム作成部22により作成された第1ヒストグ
ラムにおける最大度数値を第1最大度数値(MAX1)
として抽出するとともに、MAX1が属する濃度区分を
第1最大度数濃度区分として抽出するものである。
【0074】第2最大度数濃度区分抽出部24は、第1
最大度数濃度区分抽出部23により抽出された濃度区分
およびそれに隣接する濃度区分以外における、最大度数
値を第2最大度数値(MAX2)として抽出するもので
ある。つまり、第2最大度数濃度区分抽出部24は、少
なくともMAX1をとる濃度区分に隣接しない濃度区分
における2番目に大きな度数値をMAX2として抽出す
る。
【0075】文字原稿判別部25は、第1ヒストグラム
作成部22により作成された第1ヒストグラムに基づい
て、入力原稿が文字原稿であるか否かを判別するもので
ある。文字原稿判別部25の詳細な構成については後述
する。
【0076】写真原稿判別部26は、MAX1およびM
AX2に基づいて入力原稿が写真原稿であるか否かを判
別するものである。写真原稿判別部26の詳細な構成に
ついては後述する。
【0077】原稿種別判定部27は、網点原稿判別部2
1、文字原稿判別部25、および写真原稿判別部26の
判別結果に基づいて、最終的な原稿種別の判別を行うも
のである。
【0078】以下に、(1)文字原稿判別部25の構
成、(2)写真原稿判別部26の構成、および(3)網
点原稿判別部21の構成について、より具体的に説明す
る。
【0079】(1)文字原稿判別部25の構成 文字原稿判別部25は、低度数閾値設定部30と、第1
の閾値設定部31と、低度数濃度区分数判定部32と、
第2の閾値設定部33と、最大度数値判定部34とを備
えている。
【0080】低度数閾値設定部30は、上記第1ヒスト
グラムにおける低度数の濃度区分を抽出するための低度
数閾値を設定するものである。
【0081】第1の閾値設定部31は、第1ヒストグラ
ムにおける各濃度区分の度数を上記低度数閾値と比較す
ることにより抽出される低度数の濃度区分数と比較され
る第1の閾値を設定するものである。
【0082】低度数濃度区分数判定部32は、第1ヒス
トグラムにおいて上記低度数閾値よりも小さい低度数の
濃度区分を抽出してその数を低度数の濃度区分数として
カウントするとともに、上記第1の閾値と上記低度数の
濃度区分数とを比較して、入力原稿が文字原稿か否かを
判定するものである。
【0083】第2の閾値設定部33は、上記MAX1が
総度数(総画素数)に対してどれだけの割合を示してい
るかを判定するために用いられる第2の閾値を設定する
ものである。
【0084】最大度数値判定部34は、第2の閾値とM
AX1とを比較して、MAX1が総度数に対してどれだ
けの割合を示しているかを判定するものである。
【0085】上記構成により、文字原稿判別部25は、
入力原稿が文字原稿であるか否かを判別する。その具体
的な手順については後述する。
【0086】(2)写真原稿判別部26の構成 写真原稿判別部26は、第3の閾値設定部40と、写真
原稿判定部41とを備えている。
【0087】第3の閾値設定部40は、写真原稿判定部
41での写真原稿の判定を行う際に用いる第3の閾値を
設定するものである。
【0088】写真原稿判定部41は、総度数と、MAX
1と、MAX2とに基づいて得られる結果と、第3の閾
値とを比較することにより、入力原稿が写真のみの画像
であるか、文字と写真とが混在する文字/写真原稿であ
るかを判定するものである。
【0089】上記構成により、写真原稿判別部26は、
MAX1およびMAX2に基づいて入力原稿が写真原稿
であるか否かを判別する。その具体的な手順については
後述する。
【0090】(3)網点原稿判別部21の構成 網点原稿判別部21は、ブロック設定部(ブロック設定
手段)50と、第2ヒストグラム作成部(実濃度ヒスト
グラム作成手段)51と、第3最大度数濃度区分抽出部
52と、ブロック平均濃度算出部(平均濃度ヒストグラ
ム作成手段)53と、第3ヒストグラム作成部(平均濃
度ヒストグラム作成手段)54と、第4最大度数濃度区
分抽出部55と、網点画素判定部(網点原稿判別手段)
56と、網点画素カウント部(網点原稿判別手段)57
と、第4の閾値設定部58と、網点原稿判定部(網点原
稿判別手段)59とを備えている。
【0091】ブロック設定部50は、入力原稿における
一部の画像について、濃度と度数との関係を表すヒスト
グラムを作成するために用いるブロックを抽出するもの
である。
【0092】第2ヒストグラム作成部51は、ブロック
設定部50によって抽出されたブロック内における、各
画素の濃度と度数とに基づいて第2ヒストグラム(実濃
度ヒストグラム)を作成するものである。
【0093】第3最大度数濃度区分抽出部52は、上記
第2ヒストグラムにおいて度数が最大となる濃度区分を
抽出するものである。
【0094】ブロック平均濃度算出部53は、ブロック
設定部50により抽出されたブロック内における、注目
画素とその周囲の画素との平均濃度を算出するものであ
る。なお、ブロック平均濃度算出部53に平均濃度を算
出させるためにブロック設定部50が抽出するブロック
と、第2ヒストグラム作成部51あるいは第3ヒストグ
ラム作成部54にヒストグラムを作成させるためにブロ
ック設定部50が抽出するブロックとは、サイズが同じ
ものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0095】第3ヒストグラム作成部54は、ブロック
設定部50によって設定されたブロックにおける、ブロ
ック平均濃度算出部53によって算出された平均濃度と
その度数とを用いて第3ヒストグラム(平均濃度ヒスト
グラム)を作成するものである。
【0096】第4最大度数濃度区分抽出部55は、上記
第3ヒストグラムにおいて度数が最大となる濃度区分を
抽出するものである。
【0097】網点画素判定部56は、第2ヒストグラム
における最大度数をとる濃度区分と、第3ヒストグラム
における最大度数の濃度区分との比較を行うことによ
り、注目画素が網点画素であるか否かの判定を行うもの
である。
【0098】網点画素カウント部57は、網点画素判定
部56により網点画素と判定された画素の数をカウント
するものである。
【0099】第4の閾値設定部58は、網点画素カウン
ト部57によりカウントされた網点画素の数と比較する
ための第4の閾値を設定するものである。
【0100】網点原稿判定部59は、上記第4の閾値と
網点画素カウント部57によりカウントされた網点画素
の数とを比較することにより、入力原稿が網点原稿であ
るか否かを判定するものである。
【0101】上記構成により、網点原稿判別部21は、
入力原稿が網点原稿であるか否かを判断する。その具体
的な手順については後述する。
【0102】そして、原稿種別自動判別部7は、上記
(1)〜(3)に説明したような構成を有する文字原稿
判別部25、写真原稿判別部26、および網点原稿判別
部21を備えていることにより、入力原稿の原稿種別の
判別を行う。以下に、原稿種別の判別処理について、よ
り具体的に説明する。
【0103】原稿種別の判別処理においては、先ず、図
3に示すように、ステップ1(S1:以下、ステップを
Sと記す)にて、プレスキャンが開始され(S1)、読
み取られた原稿の全画素のRGB信号は、信号変換部2
0によりそれぞれ補色のCMY信号に変換される(S
2)。次に、S2にて変換されたCMY信号における濃
度と度数とを用いて、第1ヒストグラム作成部22によ
り第1ヒストグラムがCMY信号の各色ごとについて作
成される(S3)。ヒストグラム作成の詳細については
後述する。
【0104】また、S3以降の処理と並行して、網点原
稿判定処理が行われる(S12)。網点原稿判定処理の
詳細については後述する。
【0105】次に、S3にて作成された第1ヒストグラ
ムにおいて度数が最大となる濃度区分を選択するととも
に、選択された濃度区分の度数を第1最大度数値(MA
X1)として抽出する(S4)。
【0106】そして、第2最大度数濃度区分抽出部24
は、MAX1を抽出した濃度区分および該区分に隣接す
る濃度区分以外で、最大度数値をもつ濃度区分を選択
し、その濃度区分における度数値を第2最大度数値(M
AX2)として抽出する(S5)。
【0107】次に、S6にて、第1ヒストグラムおい
て、低度数閾値設定部30により設定された低度数閾値
と第1ヒストグラムの各濃度区分における度数とを比較
し、低度数閾値よりも小さい度数の濃度区分の数をカウ
ントする。カウントされた低度数の濃度区分の数が第1
の閾値よりも多ければ、入力原稿は、文字原稿と判定さ
れる(S11)。
【0108】一方、S6において文字原稿と判定されな
かった原稿については、最大度数値判定部34により、
第2の閾値設定部33により設定される第2の閾値とM
AX1との比較が行われる(S7)。MAX1が第2の
閾値以上であれば、入力原稿は文字原稿であると判定さ
れる(S11)。
【0109】次に、上記S6、S7にて文字原稿と判定
されなかった原稿については、S8にて、写真原稿であ
るかどうかの判定が行われる。すなわち、S8では、M
AX1とMAX2との差で総画素数(ALL)を割った
値と、第3の閾値設定部40により設定される第3の閾
値との比較が写真原稿判定部41により行われる。AL
L/(MAX1−MAX2)が第3の閾値よりも大きけ
れば、入力原稿は、写真原稿であると判定される(S1
0)。
【0110】そして、S8にて写真原稿と判定されなか
った入力原稿は、文字と写真とが混合した文字/写真原
稿であると判定する(S9)。
【0111】S9〜S11において3種類に判定された
原稿種別は、以下に説明するように、S12における網
点原稿の判定結果に基づいて、文字/印刷写真原稿・文
字/印画紙写真原稿・印刷写真原稿・印画紙写真原稿・
文字原稿として5種類の原稿種別に判定される。
【0112】すなわち、図4に示すように、S13に
て、入力原稿が文字/写真原稿であるか否かをS9の判
定結果より判断する。文字/写真原稿であると判定され
たものについては、入力原稿が網点原稿であるか否か
を、S12の判定結果より判断する(S14)。具体的
には、後述するS40にて設定されるフラグFがaであ
るか否かを見ることにより、入力原稿が網点原稿である
か否かを判断する。
【0113】S14にて「YES」と判定された原稿、
すなわち、文字/写真原稿であってなおかつ網点原稿で
あると判定された入力原稿は、文字/印刷写真原稿と判
定される(S15)。一方、S14にて「NO」と判定
された原稿、すなわち、文字/写真原稿であるが網点原
稿ではないと判定された入力原稿は、文字/印画紙写真
原稿であると判定される(S16)。
【0114】また、S13にて文字/写真原稿でないと
判定された入力原稿については、S17にて、写真原稿
であるか否かがS10の判定結果より判断される。S1
7にて写真原稿であると判定された入力原稿について
は、S18にて、入力原稿が網点原稿であるか否かを、
S12の判定結果より判定する。具体的には、後述する
S40にて設定されるフラグFがaであるか否かを見る
ことにより、入力原稿が網点原稿であるか否かを判断す
る。
【0115】S18での判定結果が「YES」であると
判定された入力原稿、すなわち、写真原稿であってなお
かつ網点原稿であると判断された入力原稿は、印刷写真
原稿と判定される(S19)。一方、S18での判定結
果が「NO」であると判定された入力原稿、すなわち写
真原稿であるが網点原稿ではないと判定された入力原稿
は、印画紙写真原稿であると判定される(S20)。
【0116】なお、S13およびS17において「N
O」と判定された入力原稿は、文字原稿と判定される
(S21)。
【0117】さらに、S3〜S21までの処理をCMY
色の信号ごとに行い、3信号のうち2信号以上で同じ判
定結果が得られた場合、その判定結果を、最終的な入力
原稿の原稿種別の判定結果として決定する(S22)。
【0118】なお、2信号以上で同じ判定結果が存在し
なければ、入力原稿の原稿種別は文字/印刷写真原稿で
あると最終的に判定される。また、上記の説明では、S
13にて文字/写真原稿と判断された原稿について、S
14にて網点原稿判定の判定結果を用いて印刷写真と印
画紙写真とを区別する方法を示した。しかし、精度は多
少低下するものの、網点原稿判定処理方法のみを用い
て、文字原稿・印刷写真原稿・印画紙写真原稿・文字/
印刷写真原稿・文字/印画紙写真原稿を判別することも
可能である。
【0119】次に、S12(図3参照)における網点原
稿の判定処理について、図5を参照しつつ説明する。図
5に示すように、S2にて変換されたCMY信号におけ
る濃度と度数とを用いて、第2ヒストグラム作成部51
により第2ヒストグラムがCMY信号の各色ごとについ
て作成される(S31)。その後、S31にて作成され
た第2ヒストグラムにおいて度数が最大となる濃度区分
を抽出する(S32)。なお、第2ヒストグラムの一
例、および第2ヒストグラムの作成手順については後述
する。
【0120】また、S31およびS32における処理と
並行して、S33にて、ブロック設定部50により設定
されるブロック内の画素の平均濃度が、ブロック平均濃
度算出部53により算出される。その後、S33により
算出された平均濃度を用いて、第3ヒストグラム作成部
54により第3ヒストグラムが作成される(S34)。
なお、第3ヒストグラムの一例、および第3ヒストグラ
ムの作成手順については後述する。
【0121】次いで、第3ヒストグラムにおいて度数が
最大となる濃度区分が抽出される(S35)。
【0122】さらに、S36にて、S32で抽出された
第2ヒストグラムにおける最大度数をとる濃度区分と、
S35で抽出された第3ヒストグラムにおける最大度数
の濃度区分との比較を行う。これらの濃度区分が異なっ
ていれば、注目画素は網点画素であると判定される。そ
して、S37にて、S36で網点画素と判定された画素
のカウントが行われる。
【0123】その後、S38にて、網点画素のカウント
数と予め網点原稿であるかの判定を行うために用意され
た第4の閾値と比較し、この閾値よりも網点画素のカウ
ント数が多ければ、入力原稿画像は、網点原稿と判定さ
れ(S39)、フラグFはaとされる(S40)。網点
画素のカウント数が第4の閾値よりも少なければ、入力
原稿は網点原稿ではないと判定される(S41)。
【0124】以上のようにして、入力原稿は、文字/印
刷写真原稿・文字/印画紙写真原稿等の5種類の原稿種
別に分類される(図4におけるS15〜S21参照)。
以下、上記原稿種別判別処理により原稿種別が判別でき
る理由について、図6ないし図14を参照しつつ説明す
る。
【0125】先ず、第1ヒストグラムの作成手順につい
て、具体的に説明する。図6ないし図8に、文字原稿、
写真原稿、文字/写真原稿について作成される第1ヒス
トグラムの一例を示す。通常、入力画像データが8ビッ
トの場合、第1ヒストグラムは256段階の濃度毎に、
その濃度をとる画素の数(度数)が表されるヒストグラ
ムとして作成される。なお、本実施の形態では、たとえ
ば、図6〜8に示すように、256段階の濃度を32段
階に等分割して簡略化している。こうすることにより、
ハードウェアは大幅に簡略化される。なお正確な画像処
理を行うため、分割数を増加することも可能であり、ま
た分割数を減少させることも可能である。
【0126】また、濃度を分割する方法としては、上述
のように分割する濃度区分の幅を一定にして均等に分割
することが望ましい。しかし、分割する濃度区分の幅を
一定にしないことも可能である。たとえば、注目すべき
濃度区分において分割する濃度区分の幅を細かくするこ
とも可能である。ただし、均等に分割しない場合と、均
等に分割した場合とで、任意の濃度区分における度数の
差が少なくなるように、分割された濃度区分における度
数の平均値を以下のように求めてもよい。
【0127】すなわち、前述したプレスキャンにより読
み取られた画素の濃度値が、分割されたどの濃度区分の
濃度値であるかに応じて、該当する濃度区分における度
数を1加算していく。
【0128】すなわち、ある濃度区分をai、その濃度
区分の幅をn、濃度区分aiが濃度区分D1〜Dnから
なっているとすると、任意の濃度区分Diにおける度数
Hiを、 Hi=(Σhk)/n(hkは濃度区分Dk(kは1か
らnまでの整数)に含まれている256段階の度数) として求めればよい。こうして作られた第1ヒストグラ
ムを用いて原稿種別の判定を行う。
【0129】次に、図3のフローチャート中、S6およ
びS7において、文字原稿の判定ができる理由について
説明する。
【0130】一般的に、文字原稿は、主に文字と下地と
からなっている。そのため、文字原稿の第1ヒストグラ
ムにおいては、図6に示すように、全体の濃度階調幅が
狭くなる一方で、文字と下地に対応する濃度区分で高度
数となる。このことから、逆に、低度数の濃度区分が多
く存在するのが文字原稿の特徴の1つと言える。
【0131】したがって、図3のS6にて、各濃度区分
における度数と低度数閾値とを比較することで低度数の
濃度区分を抽出するとともに、その濃度区分数をカウン
トし、上記濃度区分数と第1の閾値とを比較して低度数
の濃度区分数の大小を見ることにより入力原稿が文字原
稿である否かを判断することができる。
【0132】なお、低度数閾値の値は、ほぼ0に近いも
のが好ましい。しかし、原稿の大きさにより低度数閾値
の値を調整してもよい。
【0133】また、一般的な文字原稿のもう1つの特徴
として、原稿全面において下地の占める割合が大きいと
いう点がある。すなわち、第1ヒストグラムにおいて抽
出されたMAX1が総度数に近い値であれば、MAX1
が抽出された濃度区分が、文字原稿における下地に対応
していると考えられる。
【0134】したがって、図3のS7にてMAX1が総
度数に近い値かどうかを決定できるように予め設定され
た第2の閾値と、MAX1とを比較して、MAX1が第
2の閾値よりも大きいか否かを判断することにより、下
地の有無を判断して入力原稿が文字原稿であるか否かを
判断することができる。
【0135】なお、本実施の形態では文字原稿の判定に
当たり、S6およびS7の両方のステップを踏んでいる
が、どちらか一方のステップのみでも文字原稿の判定を
行うことが可能である。したがって、文字原稿の判定
は、度数が所定値以下の低度数となる濃度区分の数と、
MAX1とのうち、少なくとも一方を用いて行われれば
よいといえる。ただし、S6およびS7の両方のステッ
プを踏むことによって、文字原稿の判定における信頼性
を確実に高めることができる。また、本実施形態では、
S6、S7の順序で文字原稿の判定を行っているが、S
7、S6の順で文字原稿の判定を行っても構わない。
【0136】次に、上記S8によって写真原稿の判定が
できる理由について以下により詳細に説明する。
【0137】一般的に、写真原稿は、濃度階調幅が広
く、また階調幅の偏りが少ないので、図7に示すよう
に、第1ヒストグラムにおいて、濃度階調幅が広いとと
もに、少なくとも同等レベルに近い2つ以上の山が存在
するのが、写真原稿の特徴の1つと言える。
【0138】したがって、第1ヒストグラムにおいて、
最も度数値の高い濃度区分を2つ抽出し、それぞれの濃
度区分の度数値をMAX1、MAX2とした場合に、
(MAX1−MAX2)の値を見ることによって、第1
ヒストグラムで同等レベルに近い2つの山が存在するか
否かを判別することができる。
【0139】なお、ある原稿が、写真画像が大部分であ
り一部に文字画像がある文字/写真原稿である場合、
(MAX1−MAX2)が写真画像のみの写真原稿とほ
ぼ同等となることがあり得る。しかし、このような場合
には、予め入力原稿を文字/写真原稿として処理を行う
のか、あるいは写真原稿として処理を行うのかを決めて
第3の閾値を設定する。第3の閾値は、なるべく多くの
原稿について(MAX1−MAX2)を測定し、原稿種
別との関係から決定することが好ましい。
【0140】また、原稿サイズに伴い写真原稿と判別さ
れる(MAX1−MAX2)の値も変化すると考えられ
る。したがって、S8においてはこのような原稿サイズ
の原稿種別の判別への影響を少なくするため、(MAX
1−MAX2)に対する総度数(ALL)の割合を第3
の閾値と比較しているのである。このように、総度数
(ALL)を(MAX1−MAX2)で割り、原稿サイ
ズによらず規格化することにより、第3の閾値を原稿ご
とに設定する必要がなくなる。なお、S8においては、
総度数(ALL)と、(MAX1−MAX2)に第3の
閾値をかけた値とを比較して、文字/写真原稿であるの
か否かの判別を行ってもよい。
【0141】なお、第1ヒストグラムにおいて、MAX
1とMAX2との差が互いに等しくなるような文字原稿
と写真原稿とが存在する場合も考えられる。この場合、
総度数(ALL)の(MAX1−MAX2)に対する割
合は、文字原稿と写真原稿とで同じとなってしまい、こ
れらを区別することができない。
【0142】そこで、S6またはS7にて先に文字原稿
であるか否かを判定しておき、文字原稿の可能性が否定
された原稿に対してのみ、S8にて写真原稿であるか否
かの判定を行うことで、文字原稿と写真原稿とを確実に
区別することができ、これらの間での誤判別を確実に無
くすことができる。
【0143】また、S8の判断は、第1ヒストグラムの
階調幅を用いて行っていないので、階調幅の大小にかか
わらず、写真原稿であるか否かを判断することが可能と
なる。したがって、全体的に黒っぽい写真や、逆に全体
的に白っぽい写真など、階調に偏りがある(階調幅が狭
くなる)写真原稿の場合でも、上述の方法によれば的確
に写真原稿であると判断することができる。
【0144】なお、S5でのMAX2の抽出にあたって
は、MAX1を抽出した濃度区分および上記濃度区分に
隣接する濃度区分以外で、最大度数値をもつ第2の最大
度数濃度区分を選択し、その度数値をMAX2としてい
る。そうすることによりハード(スキャナー)の精度が
多少悪くても、ノイズ等に影響されず、同じ入力画像に
対してはいつも同じ結果を出すことが可能となる。ま
た、MAX1を抽出した同じ山からMAX2を抽出する
ことを防ぐことが可能となる。
【0145】なお、第1ヒストグラムの濃度の分割数を
増減した場合、MAX1を抽出した濃度ヒストグラムに
おける山と同じ山からMAX2を抽出することを防止す
るため、MAX2を抽出する際に除かれる濃度区分の数
を変更する必要がある。
【0146】また、文字/写真原稿の場合、その第1ヒ
ストグラムは、図8に示すように、文字原稿における上
述した特徴や、写真原稿の場合の上述した特徴を有して
いない。したがって、図3のS6、S7、S8にて、文
字原稿や写真原稿と判断されなかった入力原稿について
は、このような文字/写真原稿と判断することができ
る。
【0147】次に、図5のフローチャート中、S31〜
S36にて注目画素が網点画素であるか否かを判定する
ために用いられる、第2ヒストグラムおよび第3ヒスト
グラムの作成手順について、説明する。
【0148】第2ヒストグラムは、図9に示すように、
たとえば3×3の比較的小さなブロック(同図中太い実
線にて示す)における、各画素の濃度と、その濃度をと
る画素の数(度数)とに基づき作成される。なお、以下
の説明では、第2ヒストグラムを作成するために用いら
れるブロックを第1の局所ブロックとする。
【0149】また、第3ヒストグラムの作成において
は、図10に示すように、たとえば3×3のブロック
(同図中太い点線で示す)において、注目画素の濃度と
その周囲の画素との濃度の平均値である平均濃度を求め
る。なお、以下の説明では、このように平均濃度を求め
るためのブロックを第2の局所ブロックとする。
【0150】さらに、第1の局所ブロックと同サイズの
ブロック内の各画素について、第2の局所ブロックを用
いて濃度の平均濃度を求め、求められた平均濃度とその
度数とに基づいて第3ヒストグラムを作成する。
【0151】なお、本実施の形態では、第1の局所ブロ
ックと第2の局所ブロックとは同じサイズのものを用い
ているが、必ずしもこれに限定されるものでない。すな
わち、第2の局所ブロックの大きさを大きくしすぎる
と、別の領域を含む可能性があるので、その影響がでな
い、あるいは、小さくなるように第2の局所ブロックの
大きさを決めればよい。
【0152】以上の手順により、第2ヒストグラムおよ
び第3ヒストグラムが作成される。なお、図11ないし
図14に、注目画素が網点画素である場合と、網点画素
でない場合のそれぞれの場合について作成される、第2
ヒストグラムおよび第3ヒストグラムの一例を示す。
【0153】図11ないし図14に示す第2ヒストグラ
ムまたは第3ヒストグラムは、256段階の濃度を16
分割して簡略化している。こうすることにより、ハード
ウェアは大幅に簡略化される。
【0154】また、比較的小さなブロック(本実施の形
態では、3×3)内の画素についてヒストグラムを作成
するため、画素数が非常に少なく(本実施の形態では、
9個)、スキャナー等のハード的なノイズがヒストグラ
ムの作成に大きく影響する場合がある。このような場
合、256段階の濃度を分割する数を少なく、すなわち
ヒストグラムにおける各濃度区分の幅を広くすることに
より、ノイズが後述する網点画素の判定に大きく影響す
ることを防ぐことができる。
【0155】なお、256段階の濃度を分割する方法と
しては、濃度区分の幅を均等にすることが望ましい。し
かし、分割する濃度区分の幅を一定にしないことも可能
である。ただし、均等に分割しない場合と、均等に分割
した場合とで、任意の濃度区分における度数の差が少な
くなるように、分割された濃度区分における度数の平均
値を求めてもよい。度数の平均値を求めるための具体的
な手順については、第1ヒストグラムの作成手順におい
て説明した手順と同じである。
【0156】次に、上記のように作成された第2ヒスト
グラムおよび第3ヒストグラムを用いて、注目画素が網
点画素であるか否かを判断できる理由についてより具体
的に説明する。なお、以下に説明する手順によって網点
画素であるか否かが判断されるのは、第1の局所ブロッ
クの注目画素であって、第2の局所ブロックの注目画素
ではない。
【0157】注目画素が網点画素である場合、第1の局
所ブロック内における画像は網点(点状の濃度領域)と
下地とにより構成されていると考えられる。すなわち、
第1の局所ブロック内においては、網点に対応する濃度
の画素と、下地に対応する濃度の画素とがそれぞれ多く
存在しているといえる。
【0158】したがって、図11に示すように、第1の
局所ブロックの注目画素が網点画素である場合に第2ヒ
ストグラムを作成すると、度数の山が2つ現れることに
なる。
【0159】一方、第1の局所ブロックの注目画素が網
点画素である場合に、第2の局所ブロックを用いて求め
られる各画素の平均濃度は、網点に対応する濃度と、下
地に対応する濃度とを平均した値となる。したがって、
図12に示すように、第1の局所ブロックの注目画素が
網点画素である場合に作成される第3ヒストグラムは、
中間濃度部分に山が1つ現れる度数分布となる。
【0160】さらに、第3ヒストグラムにおいて度数が
最大となる濃度区分は、第1の局所ブロックにおける画
素の濃度を平均した濃度値が属する濃度区分となる。
【0161】また、注目画素が網点画素でない場合、第
1の局所ブロック内の画像の特徴として、濃度が滑らか
に変化している、あるいは、変化していないという点を
挙げることができる。
【0162】したがって、第1の局所ブロック内におけ
る、各画素の実際の濃度と、その画素を注目画素として
第2の局所ブロックを用いることにより求められた平均
濃度とは略等しくなる。
【0163】すなわち、図13および図14に示すよう
に、注目画素が網点画素でない場合に第2ヒストグラム
および第3ヒストグラムを比較すると、度数が最大とな
る濃度区分は同一となる。なお、度数が最大となる濃度
区分が第2ヒストグラムと第3ヒストグラムとにおいて
1つずれた場合であっても、「度数が最大となる濃度区
分が同一」であるものとする。
【0164】以上のようにして第2ヒストグラムおよび
第3ヒストグラムの度数分布を比較することにより、網
点画素が注目画素であるか否かを判断することができ
る。なお、第2ヒストグラムおよび第3ヒストグラムの
度数分布から、第1の局所ブロックの注目画素が網点画
素であるか否かを明瞭に判断できない場合は、注目画素
は網点画素ではないと判断する。これにより、信頼度が
高い網点画素の判断を行うことができる。
【0165】また、網点画素と判定された画素の数が、
第4の閾値よりも大きい場合に、入力原稿が網点原稿と
判定され、網点画素のカウント数が第4の閾値よりも少
なければ、入力原稿が網点原稿でないと判定されること
は、図5のフローチャート中S37〜41において説明
した通りである。
【0166】なお、ユーザが、図2の操作パネル15を
介して、画像モードとして原稿に文字のみが含まれるモ
ード(文字モードなど)を選択した場合は、図3におけ
るS6の処理、すなわち文字原稿判別部25における文
字原稿の判定処理を省略することができる。特に、ユー
ザが文字/写真モードあるいは写真モードを選択して、
原稿に写真のみが含まれているのか、あるいは文字およ
び写真が含まれているのかを明らかにした場合には、図
3におけるS7およびS8の処理、すなわち写真原稿判
別部26における写真原稿の判定処理を省略することが
できる。
【0167】また、上記のようにユーザが文字/写真モ
ード、あるいは写真モードを選択した場合であっても、
網点原稿判別部21における網点原稿の判定が行われ、
写真領域部分を印刷(網点)写真原稿であるのか、印画
紙写真であるのかを判定することができる。
【0168】さらに、文字原稿は一部の文字領域と大部
分をしめる下地領域とより構成されている。したがっ
て、文字原稿について作成される第2ヒストグラムおよ
び第3ヒストグラムは、下地領域に対応する度数が高
く、文字領域に対応する度数が低い形状のヒストグラム
となる。このような第2ヒストグラムおよび第3ヒスト
グラムの形状を判断して、文字原稿を網点領域と区別す
ることも可能である。
【0169】また、上記した各閾値(低度数閾値、第1
の閾値、第2の閾値、第3の閾値、第4の閾値)を調整
可能な値とすることにより、必要に応じた所望の画像処
理を行うことが可能となる。各閾値を調整可能な値とす
るためには、閾値として予想される複数の値を予めRO
M(Read On Memory)等の記憶手段に格納しておき、必
要に応じてスイッチ等により、記憶手段に格納された値
を読み出すことができるようにしておけばよい。
【0170】なお、上記の例ではプレスキャンを行うこ
とにより原稿種別の判別を行う例を示しているが、上記
に限定されるものではなく、シェーディング補正処理後
の画像データを画像メモリに格納し、この画像データを
用いて原稿種別の判別を行うようにしてもよい。
【0171】以上に説明したように、原稿種別自動判別
部7により原稿種別の判別が自動で行われ、その原稿判
別結果に基づいて、原稿種別自動判別部7より後段で行
われる入力階調補正処理・色補正処理・領域分離処理・
黒生成/下色除去処理・空間フィルタ処理・階調再現処
理(中間調生成処理)処理が切り替えられる(図2参
照)。
【0172】たとえば、入力原稿の原稿種別が文字原稿
であると判断された場合には、以下の通りである。すな
わち、領域分離処理部10では、たとえば線画等の文字
領域として領域分離されたところを有効な領域分離と判
断する。一方で、文字原稿であったとしても、原稿の種
類によって誤判別が行われる可能性があるため、連続階
調の網点領域、写真領域として領域分離されたところは
誤った領域分離とみなし、これ以降の処理に反映させな
いようにする。
【0173】また、入力階調補正部8、あるいは階調再
現処理部14においては、ハイライトを多めに除去した
り、コントラストを大きくするような補正曲線が用いら
れたりする。
【0174】一方、色補正部9においては、色文字に対
して彩度を重視した色補正処理を行い、黒生成/下色除
去部11においては、黒文字に対して黒生成量を多めに
設定する黒生成下色除去処理を行う。空間フィルタ処理
部12では、文字に対して空間フィルタ処理でエッジを
強調し、平滑化処理を弱くするようにフィルタ係数を設
定するなどのパラメータの切り替えを行う。
【0175】また、入力原稿が文字/印画紙写真原稿で
あると判定された場合には、以下の通りである。すなわ
ち、原稿種別自動判別部7により行われる各処理におい
て、文字原稿について行われる処理と印画紙写真原稿に
ついて行われる処理との中間パラメータを用いた処理が
行われる。
【0176】そして、領域分離処理部10では、文字、
線画、あるいは印画紙として領域分離されたところを有
効な領域分離と判断する。一方、文字/印画紙写真原稿
であったとしても、原稿の種類によっては誤判別される
場合があるため、網点といった領域分離されたところは
誤分離とみなし、これ以降の処理に反映させないように
する。
【0177】また、入力階調補正部8、および階調再現
処理部14では、文字原稿あるいは印画紙写真原稿につ
いてどちらの再現性を重視するかにより、印画紙写真原
稿について行われる処理と文字原稿について行われる処
理との中間のパラメータを用いて、ハイライトの除去や
コントラストの調整を行う。
【0178】一方、色補正部9は、彩度の強弱や階調性
のバランスが極端にならないような色補正処理を行う。
また、黒生成/下色除去部11は、印画紙写真画像に影
響が出ない程度に黒生成量にて、黒生成/下色除去処理
を行う。
【0179】なお、本実施の形態における、A/D変換
部5と、シェーディング補正部6と、原稿種別自動判別
部7と、入力階調補正部8とは、画像入力装置2に備え
ることも可能である。
【0180】また、上記した実施の形態では、画像形成
装置として電子写真プロセスを用いたデジタルカラー複
写機を採用した場合について説明した。しかし、画像形
成装置は、デジタルカラー複写機に限定されるものでは
ない。すなわち、画像入力装置から情報を入力して、所
定の画像処理を行い、その結果を出力する画像形成装
置、たとえば、インクジェット記録方式や昇華型の記録
方式を用いた画像形成装置にも本実施の画像処理装置3
を適用することができる。
【0181】また、本実施の形態のプログラムは、本実
施の形態の画像処理方法における各ステップをコンピュ
ータに実行させるプログラムとして実現することができ
る。さらに、本実施の形態の記録媒体は、本実施の形態
のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
録媒体として実現することができる。本実施の形態のプ
ログラムを記録媒体に記録することにより、本実施の形
態の画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体
を持ち運び自在に提供することができる。
【0182】なお、本実施の形態では、この記録媒体と
しては、マイクロコンピュータで処理が行われるために
図示していないメモリ、たとえばROMのようなものがプ
ログラムメディアであってもよいし、また、図示してい
ないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設
けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能
なプログラムメディアであってもよい。
【0183】いずれの場合においても、格納されている
プログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行さ
せる構成であってもよいし、あるいは、いずれの場合も
プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マ
イクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶
エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行さ
れる方式であってもよい。このダウンロード用のプログ
ラムは予め本体装置に格納されているものとする。
【0184】ここで、上記プログラムメディアは、本体
と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープや
カセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)
ディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM
/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード
(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、ある
いはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read O
nly Memory)、EEPROM(ElectricallyErasable Program
mable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半
導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体
であってもよい。
【0185】また、本実施の形態の記録媒体は、インタ
ーネット、LAN(Local Area Network)等を含む通信
ネットワークと接続可能であって、通信ネットワークか
らプログラムをダウンロードすることができる構成であ
ってもよい。上記構成とすることにより、記録媒体に記
録されたプログラムの更新を行うことが容易となる。
【0186】なお、このように通信ネットワークからプ
ログラムをダウンロードする場合に、そのダウンロード
用のプログラムは、予め画像形成装置に格納されている
ものであってもよいし、あるいは別な記録媒体からイン
ストールされるものであってもよい。
【0187】また、本実施の形態の記録媒体に格納され
たプログラムを、画像形成装置に備えられているプログ
ラム読取装置(図示せず)により読み取ることにより、
本実施の形態の画像処理方法が実行される。
【0188】なお、本発明の画像処理装置は、原稿より
読み込まれた入力画像データにより原稿の種別を自動的
に判別する原稿種別自動判別手段を備え、この判定結果
に基づいて最適な処理を施す画像処理装置において、原
稿種別自動判別手段には、入力画像データより複数の画
素よりなる第1の局所ブロックを抽出するブロック設定
部と、上記第1の局所ブロックの各画素の濃度値に基づ
いてヒストグラムを作成する第2ヒストグラム作成部
と、上記第1の局所ブロック内の各画素に対して、複数
の画素よりなる第2の局所ブロックを設定し第2の局所
ブロック内の画素の濃度の平均値を算出するブロック平
均値算出部と、ブロック平均値算出部により求められた
第1の局所ブロックの画素の平均値を用いてヒストグラ
ムを作成する第3のヒストグラム作成部と、上記第2ヒ
ストグラム作成部と第3のヒストグラム作成部により作
成されたヒストグラムの形状を比較し、上記原稿に網点
領域が含まれているか否かを判定する判定部よりなる網
点原稿判別部とを備えている構成であってもよい。
【0189】上記構成の画像処理装置によれば、平均値
の濃度値を画素濃度として扱いヒストグラムを作成する
ことにより、網点画素の特徴量を、簡易な方法で判別す
ることが可能である。さらに、処理速度、回路規模を少
なくすることができ、ハードウェアは大幅に簡略化する
ことができる。
【0190】また、本発明の画像処理装置は、上記構成
の画像処理装置において、上記原稿種別自動判別手段に
は、さらに、第2ヒストグラム作成部により作成された
ヒストグラムより最大の度数を有する濃度区分を抽出す
る第2ヒストグラム最大度数区分抽出部と、第3ヒスト
グラム作成部により作成されたヒストグラムより最大の
度数を有する濃度区分を抽出する第3ヒストグラム最大
度数区分抽出部が備えられており、上記判定部は、第2
ヒストグラム最大度数区分と第3ヒストグラム最大度数
区分とが一致するか否かにより上記第1の局所ブロック
が網点領域であるか否かを判定する網点画素判定部と、
網点領域であると判定された第1の局所ブロックの数を
計数する網点画素カウント部と、網点画素カウント部の
結果を予め定められる閾値(第4の閾値)と比較するこ
とにより読み込まれた原稿が網点原稿であるか否かを判
定する網点原稿判定部より構成されていてもよい。
【0191】上記構成の画像処理装置によれば、第2ヒ
ストグラム最大度数区分と第3ヒストグラム最大度数区
分とが一致するか否かにより原稿が網点原稿であるか否
かを判定することにより、ヒストグラム全体の形状の比
較を行う必要がなく、簡易な方法で精度よく印刷写真と
印画紙写真の判別が可能となる。また、処理速度、回路
規模を少なくすることができ、ハードウェアは大幅に簡
略化することができる。
【0192】また、本発明の画像処理装置は、上記構成
の画像処理装置において、上記原稿種別自動判別手段に
は、原稿より読み込まれた全ての入力画像データを用い
てヒストグラムを作成する第1ヒストグラム作成部と、
このヒストグラムの形状の特徴量を求める特徴量抽出部
と、上記特徴量に基づいて、上記原稿が文字原稿である
か否かを判別する文字原稿判別部と、上記特徴量に基づ
いて、上記原稿が写真原稿であるか否かを判別する写真
原稿判別部が備えられている構成であってもよい。
【0193】上記構成の画像処理装置によれば、原稿に
おける全ての判定をヒストグラムによる判定で行うこと
により、処理速度、回路規模を少なくすることができ、
ハードウェアは大幅に簡略化することができる。
【0194】また、本発明の画像処理装置は、上記構成
の画像処理装置において、上記原稿種別自動判別手段に
は、文字原稿判別部、写真原稿判別部および網点原稿判
別部より出力される判定結果に基づいて、総合的に原稿
種別の判定を行う原稿種別判定部が備えられている構成
であってもよい。
【0195】上記構成の画像処理装置によれば、簡易な
方法でモノクロ原稿、カラー原稿に関わらず原稿を判別
することが可能となり、また、各色成分の回路が同一で
あるため、回路規模を小さくすることができる。
【0196】また、本発明の画像形成装置は、上記構成
の画像処理装置を備えている構成であってもよい。
【0197】上記構成の画像形成装置によれば、原稿種
別の判別精度が向上し、それに応じた画像処理を施すこ
とができるので品質のよい画像を出力することができ
る。
【0198】また、本発明の画像処理方法は、原稿より
読み込まれた入力画像データにより原稿種別を自動的に
判別する原稿種別自動判別処理を備え、この判別処理結
果に基づいて最適な処理を施す画像処理方法において、
原稿種別自動判別処理は、入力画像データより複数の画
素よりなる第1の局所ブロックを抽出し、この局所ブロ
ックの各画素の濃度値に基づいてヒストグラムを作成す
る第1のステップと、上記第1の局所ブロック内の各画
素に対して、複数の画素よりなる第2の局所ブロックを
設定し第2の局所ブロック内の画素の濃度の平均値を算
出する第3のステップと、第3のステップにより求めら
れた第1の局所ブロックの画素の平均値を用いてヒスト
グラムを作成する第5のステップと、上記第1のステッ
プと第5のステップにより作成されたヒストグラムの形
状を比較し、上記原稿に網点領域が含まれているか否か
を判定し、上記原稿に写真領域が含まれている場合、こ
の写真領域が網点よりなる印刷写真であるか、あるい
は、印画紙写真であるかを判定する第2のステップより
なる構成であってもよい。
【0199】
【発明の効果】本発明の画像処理装置は、以上のよう
に、原稿種別自動判別手段が、複数の画素よりなる第1
の局所ブロックを入力画像データから抽出する一方で、
上記第1の局所ブロックにおける各画素を中心画素とす
る第2のブロックを抽出するブロック設定手段と、上記
第1の局所ブロックにおいて、同じ濃度の画素がいくつ
あるかを表す実濃度ヒストグラムを作成する実濃度ヒス
トグラム作成手段と、上記第2の局所ブロック内の画素
の濃度を平均した濃度である平均濃度を算出するととも
に、上記第1の局所ブロックにおいて同じ平均濃度の画
素がいくつあるかを表す平均濃度ヒストグラムを作成す
る平均濃度ヒストグラム作成手段と、上記実濃度ヒスト
グラムの度数分布と上記平均濃度ヒストグラムとの度数
分布とに基づいて、上記第1の局所ブロックの注目画素
が網点画素であるか否かを判別するとともに、入力画像
データにおいて網点画素と判定された画素の数をカウン
トする網点原稿判別手段とを備えているものである。
【0200】また、本発明の画像処理方法は、以上のよ
うに、複数の画素よりなる第1の局所ブロックを入力画
像データから抽出する第1のステップと、上記第1の局
所ブロックにおける各画素を中心画素とする第2のブロ
ックを抽出する第2のステップと、上記第1の局所ブロ
ックにおいて、同じ濃度の画素がいくつあるかを表す実
濃度ヒストグラムを作成する第3のステップと、上記第
2の局所ブロック内の画素の濃度を平均した濃度である
平均濃度を算出するとともに、上記第1の局所ブロック
において同じ平均濃度の画素がいくつあるかを表す平均
濃度ヒストグラムを作成する第4のステップと、上記実
濃度ヒストグラムの度数分布と上記平均濃度ヒストグラ
ムとの度数分布とに基づいて、上記第1の局所ブロック
の注目画素が網点画素であるか否かを判別するととも
に、入力画像データにおいて網点画素と判定された画素
の数をカウントする第5のステップとを備えている方法
である。
【0201】上記構成によれば、簡易な処理にて作成さ
れる実濃度ヒストグラムおよび平均濃度ヒストグラムを
用いて、注目画素が網点画素であるか否かを確実に判断
することができる。さらに、網点画素のカウントも簡易
な処理にて実現することができる。
【0202】それゆえ、簡易な処理で入力原稿が網点原
稿であるか否かを判別することができるという効果を奏
する。
【0203】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記構成の画像処理装置において、上記網点原稿
判別手段は、上記実濃度ヒストグラムにおいて度数が最
大となる濃度区分と、上記平均濃度ヒストグラムにおい
て度数が最大となる濃度区分とが一致するか否かに基づ
いて、上記第1の局所ブロックの注目画素が網点画素で
あるか否かを判別するものである。
【0204】実濃度ヒストグラムにおいて度数が最大と
なる濃度区分と、平均濃度ヒストグラムにおいて度数が
最大となる濃度区分とが一致していれば、実濃度ヒスト
グラムの度数分布と平均濃度ヒストグラムの度数分布と
は略同じ形状であることを予測することができる。した
がって、実濃度ヒストグラムと平均濃度ヒストグラムと
の度数分布を全部比較することなく、簡易な処理で、第
1の局所ブロックの注目画素が網点画素であるか否かを
判別することができる。
【0205】それゆえ、より簡易な処理で、入力原稿が
網点原稿であるか否かを判別することができるという効
果を奏する。
【0206】また、本発明の画像処理装置は、以上のよ
うに、上記構成の画像処理装置において、上記原稿種別
自動判別手段は、入力画像データの全画素について、同
じ濃度の画素がいくつあるかを表す濃度ヒストグラムを
作成するヒストグラム作成手段と、上記濃度ヒストグラ
ムにおける最大度数値を第1最大度数値として抽出する
第1最大度数値抽出手段と、上記第1最大度数値をとる
濃度区分と該濃度区分に隣接する濃度区分とを除く濃度
区分における最大度数値を第2最大度数値として抽出す
る第2最大度数値抽出手段と、上記濃度ヒストグラムに
て度数が所定値以下となる濃度区分の数と上記第1最大
度数値とのうち少なくとも一方を用いて、原稿が文字原
稿であるか否かを判定する文字原稿判別手段と、上記濃
度ヒストグラムにおける総度数と上記第1最大度数値と
上記第2最大度数値とを用いて、原稿が写真原稿である
か否かを判定する写真原稿判別手段とを備えているもの
である。
【0207】上記構成によれば、ヒストグラム作成手段
と文字原稿判別手段と写真原稿判別手段とによって、原
稿種別を容易にかつ的確に判定することができる。ま
た、文字原稿判別手段および写真原稿判別手段は、いず
れも原稿種別の判別を濃度ヒストグラムのみに基づいて
行うので、原稿種別の判別処理は簡略化されている。
【0208】それゆえ、簡易な処理で入力原稿が写真原
稿であるか、文字原稿であるか的確に判別することがで
きるという効果を奏する。
【0209】また、本発明の画像処理装置は、上記課題
を解決するため、上記構成の画像処理装置において、上
記原稿種別自動判別手段は、上記網点原稿判別手段、上
記文字原稿判別手段、および上記写真原稿判別手段の判
別結果に基づき、原稿種別の判定を行う原稿種別判定手
段を備えていることを特徴としている。
【0210】上記構成によれば、原稿種別判定手段は、
文字原稿判別手段の判別結果に基づいて入力原稿の原稿
種別が文字原稿であることを判定することができる。さ
らに、原稿種別判定手段は、写真原稿判別手段の判別結
果に基づき写真原稿であると判別された入力原稿につい
て、網点原稿判別手段の判別結果を用いて、入力原稿の
写真が印刷写真であるのか、印画紙写真であるのかを判
定することができる。また、原稿種別判定手段は、文字
原稿判別手段および写真原稿判別手段の判別結果に基づ
き文字/写真原稿であると判別された入力原稿について
も同様に、網点原稿判別手段の判別結果を用いて、入力
原稿に含まれている写真が印刷写真であるのか、印画紙
写真であるのかを判定することができる、すなわち、原
稿種別判定手段は、網点原稿判別手段、上記文字原稿判
別手段、および上記写真原稿判別手段の判別結果に基づ
き、入力原稿が、文字/印刷写真原稿であるか、文字/
印画紙写真原稿であるか、印刷写真原稿であるか、印画
紙写真原稿であるか、文字原稿であるかを判定すること
ができる。
【0211】それゆえ、より詳細な原稿種別の判別を的
確に行うことができるという効果を奏する。
【0212】また、本発明の画像形成装置は、以上のよ
うに、上記構成の画像処理装置を備えているものであ
る。
【0213】上記構成によれば、原稿種別の判別が的確
に行われ、しかも、原稿種別に応じた適切な画像処理が
行われる画像処理装置を備えた画像形成装置を提供する
ことができる。
【0214】また、本発明のプログラムは、以上のよう
に、上記構成の画像処理方法における各ステップをコン
ピュータに実行させるものである。
【0215】上記の発明によれば、コンピュータ等のハ
ードウェアにプログラムを読み込ませることにより、簡
易な処理で入力原稿が網点原稿であるか否かを判別する
ことができる画像処理方法をハードウェアに実行させる
ことができるという効果を奏する。
【0216】また、本発明の記録媒体は、以上のよう
に、上記構成のプログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体である。
【0217】上記の発明によれば、本発明の画像処理方
法を実行するプログラムをコンピュータに読み込ませる
ことが容易となるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る画像処理装置の原
稿種別自動判別部の概略の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】上記画像処理装置を備える画像形成装置として
のデジタルカラー複写機の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】上記画像処理装置による原稿種別自動判別処理
の流れをあらわすフローチャートである。
【図4】上記画像処理装置による原稿種別自動判別処理
の流れをあらわすフローチャートである。
【図5】上記画像処理装置による網点原稿判定処理の流
れをあらわすフローチャートである。
【図6】256段階の濃度を32段階に区分した時に作
成される文字原稿の第1ヒストグラムの一例を示す模式
図である。
【図7】256段階の濃度を32段階に区分した時に作
成される写真原稿の第1ヒストグラムの一例を示す模式
図である。
【図8】256段階の濃度を32段階に区分した時に作
成される文字/写真原稿の第1ヒストグラムの一例を示
す模式図である。
【図9】第2ヒストグラムを作成する際に用いる第1の
局所ブロックの一例を示す模式図である。
【図10】第3ヒストグラムを作成する際に用いる第2
の局所ブロックの一例を示す模式図である。
【図11】256段階の濃度を16段階に区分し、第1
の局所ブロックの注目画素が網点画素である場合に作成
される、第2ヒストグラムの一例を示す模式図である。
【図12】256段階の濃度を16段階に区分し、第1
の局所ブロックの注目画素が網点画素である場合に作成
される、第3ヒストグラムの一例を示す模式図である。
【図13】256段階の濃度を16段階に区分し、第1
の局所ブロックの注目画素が網点画素でない場合に作成
される、第2ヒストグラムの一例を示す模式図である。
【図14】256段階の濃度を16段階に区分し、第1
の局所ブロックの注目画素が網点画素でない場合に作成
される、第3ヒストグラムの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
1 デジタルカラー複写機(画像形成装置) 7 原稿種別自動判別部(原稿種別自動判別手段) 21 網点原稿判別部(網点原稿判別手段) 22 第1ヒストグラム作成部(ヒストグラム作成手
段) 23 第1最大度数濃度区分抽出部(第1最大度数値抽
出手段) 24 第2最大度数濃度区分抽出部(第2最大度数値抽
出手段) 25 文字原稿判別部(文字原稿判別手段) 26 写真原稿判別部(写真原稿判別手段) 27 原稿種別判定部(原稿種別判定手段) 50 ブロック設定部(ブロック設定手段) 51 第2ヒストグラム作成部(実濃度ヒストグラム作
成手段) 53 ブロック平均濃度算出部(平均濃度ヒストグラム
作成手段) 54 第3ヒストグラム作成部(平均濃度ヒストグラム
作成手段) 56 網点画素判定部(網点原稿判別手段) 57 網点画素カウント部(網点原稿判別手段) 59 網点原稿判定部(網点原稿判別手段)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入力原稿より読み込まれる画像データに基
    づいて入力原稿の種別を判別する原稿種別自動判別手段
    を備え、該原稿種別自動判別手段での原稿種別の判別結
    果に応じた画像処理を施す画像処理装置において、 上記原稿種別自動判別手段は、 複数の画素よりなる第1の局所ブロックを入力画像デー
    タから抽出する一方で、上記第1の局所ブロックにおけ
    る各画素を中心画素とする第2のブロックを抽出するブ
    ロック設定手段と、 上記第1の局所ブロックにおいて、同じ濃度の画素がい
    くつあるかを表す実濃度ヒストグラムを作成する実濃度
    ヒストグラム作成手段と、 上記第2の局所ブロック内の画素の濃度を平均した濃度
    である平均濃度を算出するとともに、上記第1の局所ブ
    ロックにおいて同じ平均濃度の画素がいくつあるかを表
    す平均濃度ヒストグラムを作成する平均濃度ヒストグラ
    ム作成手段と、 上記実濃度ヒストグラムの度数分布と上記平均濃度ヒス
    トグラムとの度数分布とに基づいて、上記第1の局所ブ
    ロックの注目画素が網点画素であるか否かを判別すると
    ともに、入力画像データにおいて網点画素と判定された
    画素の数をカウントする網点原稿判別手段とを備えてい
    ることを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】上記網点原稿判別手段は、 上記実濃度ヒストグラムにおいて度数が最大となる濃度
    区分と、上記平均濃度ヒストグラムにおいて度数が最大
    となる濃度区分とが一致するか否かに基づいて、上記第
    1の局所ブロックの注目画素が網点画素であるか否かを
    判別することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装
    置。
  3. 【請求項3】上記原稿種別自動判別手段は、 入力画像データの全画素について、同じ濃度の画素がい
    くつあるかを表す濃度ヒストグラムを作成するヒストグ
    ラム作成手段と、 上記濃度ヒストグラムにおける最大度数値を第1最大度
    数値として抽出する第1最大度数値抽出手段と、 上記第1最大度数値をとる濃度区分と該濃度区分に隣接
    する濃度区分とを除く濃度区分における最大度数値を第
    2最大度数値として抽出する第2最大度数値抽出手段
    と、 上記濃度ヒストグラムにて度数が所定値以下となる濃度
    区分の数と上記第1最大度数値とのうち少なくとも一方
    を用いて、原稿が文字原稿であるか否かを判定する文字
    原稿判別手段と、 上記濃度ヒストグラムにおける総度数と上記第1最大度
    数値と上記第2最大度数値とを用いて、原稿が写真原稿
    であるか否かを判定する写真原稿判別手段とを備えてい
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理
    装置。
  4. 【請求項4】上記原稿種別自動判別手段は、 上記網点原稿判別手段、上記文字原稿判別手段、および
    上記写真原稿判別手段の判別結果に基づき、原稿種別の
    判定を行う原稿種別判定手段を備えていることを特徴と
    する請求項3に記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4のいずれか1項に記載の
    画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装
    置。
  6. 【請求項6】入力原稿より読み込まれる画像データに基
    づいて入力原稿の種別を判別し、その判別結果に応じた
    画像処理を行う画像処理方法において、 複数の画素よりなる第1の局所ブロックを入力画像デー
    タから抽出する第1のステップと、 上記第1の局所ブロックにおける各画素を中心画素とす
    る第2のブロックを抽出する第2のステップと、 上記第1の局所ブロックにおいて、同じ濃度の画素がい
    くつあるかを表す実濃度ヒストグラムを作成する第3の
    ステップと、 上記第2の局所ブロック内の画素の濃度を平均した濃度
    である平均濃度を算出するとともに、上記第1の局所ブ
    ロックにおいて同じ平均濃度の画素がいくつあるかを表
    す平均濃度ヒストグラムを作成する第4のステップと、 上記実濃度ヒストグラムの度数分布と上記平均濃度ヒス
    トグラムとの度数分布とに基づいて、上記第1の局所ブ
    ロックの注目画素が網点画素であるか否かを判別すると
    ともに、入力画像データにおいて網点画素と判定された
    画素の数をカウントする第5のステップとを備えている
    ことを特徴とする画像処理方法。
  7. 【請求項7】請求項6に記載の画像処理方法における各
    ステップをコンピュータに実行させるためのプログラ
    ム。
  8. 【請求項8】請求項7に記載のプログラムを記録したコ
    ンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009080572A (ja) * 2007-09-25 2009-04-16 Toshiba Corp 動物体検出装置及び動物体検出方法
JP2010004137A (ja) * 2008-06-18 2010-01-07 Konica Minolta Business Technologies Inc 画像処理装置および画像処理方法
RU2534005C2 (ru) * 2013-02-01 2014-11-27 Корпорация "САМСУНГ ЭЛЕКТРОНИКС Ко., Лтд." Способ и система преобразования моментального снимка экрана в метафайл

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