JP4170353B2 - 画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体 - Google Patents

画像処理方法、画像処理装置、画像読取装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、入力画像データが示す画像について、画像の種別を判別する画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体に関するものである。
電子写真プロセスやインクジェット方式を用いた複写機やプリンタなどの画像形成装置は、デジタル画像処理技術の進展によって、カラー画像を高画質に再現するフルカラーのデジタル複写機・複合機などが製品化されている。
これら画像形成装置を用いて複写される原稿画像の種類には、文字、線画および写真があり、さらにはこれらを組み合わせたものがある。したがって、原稿画像についての良好な再現画像を得るためには、それぞれの原稿画像に適合した画像処理を行う必要がある。
このような状況の中で、画像形成装置の操作モードとして、原稿の種類を選択する、文字モード、文字/写真モード、写真モードなどが用意されている。
しかしながら、操作者が各原稿に対してモードの切り換えを行うことは、非常に煩わしい作業である。また、不適切なモードを選択した場合などでは、著しい画像の劣化が見られることも多く、無駄な複写が行われることにもなる。
そこで、このような問題を解決するために、原稿の種別を自動的に判別処理する構成が提案されている。なお、以下に記載の網点印刷は例えば製版印刷に使用される印刷手法である。
例えば、特許文献1に開示された技術では、従来の判定対象となる原稿種であるコピー原稿・銀塩写真および網点印刷原稿に加えてインクジェットプリンタで出力したインクジェットプリント原稿をも判定対象とするようになっている。すなわち、原稿を読み取って得られるデジタルカラー信号から色再現域に関する特徴量とテクスチャに関する特徴量を抽出し、インクジェットプリント原稿であるか否かを判定している。
具体的には、インクジェットプリント原稿は、シアン・マゼンタの彩度が一般の網点印刷原稿よりも高いという特徴がある。これは、上記した色再現域の違いとして抽出される。
また、インクジェットプリンタでは画像データの処理に誤差拡散方式やディザ方式を用いているため、インクジェットプリント原稿では紙の白地上にドットで形成されたテクスチャが存在するという特徴がある。したがって、インクジェットプリント原稿と蛍光ペンで記入された原稿とでは、色再現域の違いが小さい(すなわちカラースキャナ等の入力装置で読み込まれた信号値において、蛍光色の青系、紫系の色再現域との差が小さい)もののテクスチャに関する特徴量を抽出することにより両者の判別を行っている。
特開平10−126631号公報(1998年5月15日公開)
特許文献1では、インクジェットプリント原稿を認識し、その原稿に対して適切な処理を行い画質を向上させるようにしている。ところが、インクジェットプリント原稿には、様々な解像度でプリントされたものが存在するとともに、様々な色材、出力用紙、中間調(誤差拡散、ディザ)が存在するため、すべてのインクジェットプリント原稿を上記従来の手法によって認識することは困難である。また、種々のインクジェットプリント原稿を認識したとしても、単一の原稿モード(単一処理)では、すべてのインクジェットプリント原稿を良好に再現することは不可能である。
例えば、非常に高解像度(2800dpi(dot per inch)程度)のインクジェットプリンタで写真専用紙に画像を出力したものを原稿とし、このインクジェットプリント原稿を通常の解像度(600dpi程度)の入力装置で読み込んだ場合、一つ一つのドットを読み込むことができず、読み込み結果は印画紙写真となんら変わることがない。このような場合、インクジェットプリント原稿に対してはインクジェットプリント原稿としての処理を行うよりも印画紙写真原稿と全く同じ処理を行った方が良好な再現画像を得ることができる。
また、低解像度(600dpi以下)のインクジェットプリンタで普通紙や再生紙に画像を出力したインクジェットプリント原稿については、ほとんど全てのドットを読み取ることができるのに加えて、網点印刷原稿と同等の色再現範囲を有している。このため、このようなインクジェットプリント原稿と網点印刷原稿とを判別することは難しい。すなわち、このようなインクジェットプリント原稿は、認識する上でも網点印刷原稿とほぼ同じ特性を有している。このような場合、インクジェットプリント原稿については、文字印刷あるいは印刷写真(網点印刷写真)と同じ処理を行った方が良好な再現画像を得ることができる。
さらに、文字やグラフなどのインクジェットプリント原稿は、文字原稿と同じ処理を行った方が良好な再現画像を得ることができる。
一方、インクジェットプリント原稿は、ドットが増えてくると印画紙写真原稿に近いものとなり、ドットが少ないと網点印刷原稿に近いものとなるものの、これらの中間的な性質をもつものも存在する。例えば解像度の程度が低位から中位のインクジェット方式の画像形成装置にて、高い濃度のインクを使用して画像形成が行われて高い濃度の領域と低い濃度の領域とが混在するような原稿、あるいは低い濃度のインクを使用して画像形成が行われて全体的に低い濃度となった原稿などである。
このような中間的なインクジェットプリント原稿に対して、網点印刷原稿と印画紙写真原稿とのいずれか一方の処理を行った場合には、階調の潰れなどを含む画質の劣化が生じる。なお、このような問題は、インクジェットプリント原稿に限らず、例えば電子写真方式による出力原稿などのその他の原稿に対しても同様に発生する。
このため、例えばスキャナにて読み込んだ原稿画像を処理する上では、その画像の種別に適した処理を行い、良質な画像を得ることができるようにするため、原稿画像(入力画像)の種別を正確に判別できる技術が求められている。
したがって、本発明は、画像の種別を正確に判別することができる画像処理方法、画像処理装置、画像形成装置、プログラムおよび記録媒体の提供を目的としている。
本発明の画像処理装置は、上記課題を解決するために、入力された画像データの種別を判別する判別手段を備えた画像処理装置において、前記判別手段は、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を検出可能であり、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
また、本発明の画像処理方法は、入力された画像データの種別を判別する判別ステップを備えた画像処理方法において、前記判別ステップでは、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を検出し、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
上記の構成によれば、画像データにおける複数種類の面積階調画素領域の存在の有無に基づいて、面積階調画素領域を有する画像データの種別を複数種類に判別することができる。したがって、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
本発明の画像処理装置は、入力された画像データの種別を判別する判別手段を備えた画像処理装置において、前記判別手段は、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を、同一の特徴量についての複数種類の面積階調画素領域毎に設定された判定基準を使用して検出可能であり、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
また、本発明の画像処理方法は、入力された画像データの種別を判別する判別ステップを備えた画像処理方法において、前記判別ステップでは、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を、同一の特徴量についての複数種類の面積階調画素領域毎に設定された判定基準を使用して検出し、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
上記の構成によれば、画像データにおける複数種類の面積階調画素領域の存在の有無に基づいて、面積階調画素領域を有する画像データの種別を複数種類に判別することができる。したがって、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
また、画像データから面積階調画素領域を検出する場合に、同一の特徴量についての複数種類の面積階調画素領域毎に設定された判定基準を使用するので、判定基準の設定および特徴量と判定基準との比較が容易となる。
本発明の画像処理装置は、入力された画像データの種別を判別する判別手段を備えた画像処理装置において、前記判別手段は、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を、複数種類の面積階調画素領域毎に設定された、少なくとも2種類の面積階調画素領域同士で互いに異なる判定基準を使用して検出可能であり、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
また、本発明の画像処理方法は、入力された画像データの種別を判別する判別ステップを備えた画像処理方法において、前記判別ステップでは、前記画像データにおける複数種類の面積階調画素領域のそれぞれについての存在の有無を、複数種類の面積階調画素領域毎に設定された、少なくとも2種類の面積階調画素領域同士で互いに異なる判定基準を使用して検出し、その検出結果に基づいて画像データの種別を判別することを特徴としている。
上記の構成によれば、画像データにおける複数種類の面積階調画素領域の存在の有無に基づいて、面積階調画素領域を有する画像データの種別を複数種類に判別することができる。したがって、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
また、画像データから面積階調画素領域を検出する場合に、複数種類の面積階調画素領域毎に設定された、少なくとも2種類の面積階調画素領域同士で互いに異なる判定基準(判定方法)を使用するので、面積階調画素領域の検出を異なる見地(判定基準)から行うことができ、あるいは各面積階調画素領域の検出に最適な方法や特徴量を使用して行うことができる。これにより、画像データの種別の判別をさらに正確に行うことができる。
上記の画像処理装置において、前記判別手段は、前記画像データから面積階調画素領域についての特徴量を抽出する特徴量抽出部と、前記特徴量についての第1の判定基準、およびこの第1の判定基準よりも前記特徴量についての低い判定基準である第2の判定基準を設定する判定基準設定部と、前記特徴量抽出部にて抽出された特徴量を前記第1の判定基準と比較して前記画像データから第1の面積階調画素を検出する第1面積階調画素検出部と、前記特徴量抽出部にて抽出された特徴量を前記第2の判定基準と比較して前記画像データから第2の面積階調画素を検出する第2面積階調画素検出部と、前記画像データにおける第1の面積階調画素の数と第2の面積階調画素の数とに基づいて画像データの種別を決定する種別決定部とを備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、特徴量抽出部は、前記画像データから面積階調画素領域についての特徴量を抽出する。第1面積階調画素検出部は、特徴量抽出部にて抽出された特徴量を第1の判定基準と比較して前記画像データから第1の面積階調画素を検出し、第2面積階調画素検出部は、特徴量抽出部にて抽出された特徴量を第1の判定基準よりも特徴量についての低い判定基準である第2の判定基準と比較して画像データから第2の面積階調画素を検出する。種別決定部は、画像データにおける第1の面積階調画素の数と第2の面積階調画素の数とに基づいて画像データの種別を決定する。
これにより、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
上記の画像処理装置において、前記第2面積階調画素検出部は、前記第2の判定基準に基づいて第2面積階調画素ではないと判定した画素についてのこの判定結果を、当該画素の周辺に存在する画素についての判定結果に基づいて補正する判定結果補正部を備えている構成としてもよい。
上記の構成によれば、判定結果補正部は、第2の判定基準に基づいて第2面積階調画素ではないと判定した画素についてのこの判定結果を、当該画素の周辺に存在する画素についての判定結果に基づいて補正する。このように、第2面積階調画素検出部の判定結果に対する判定結果補正部による補正は、当該画素の周辺に存在する画素というエリア情報を用いて行われるので、低濃度や高濃度、高線数や低線数といった面積階調画像領域を構成する画素として認識しずらい画素も確実に認識が可能となる。したがって、画像データの種別をさらに正確に判別することができる。
上記の画像処理装置において、前記特徴量は、前記画像データが有する濃度差および濃度差の総和を示す繁雑度を抽出したものである構成としてもよい。
上記の構成によれば、画像データにおける面積階調画素領域の存在の有無を検出するための特徴量として、濃度差および繁雑度といった適切かつ扱いやすい指標を使用しているので、面積階調画素領域の検出が容易となる。
本発明の画像処理装置は、入力された画像データの種別を判別する判別手段を備えた画像処理装置において、前記判別手段は、前記画像データから第1および第2の面積階調画素を含む面積階調画素についての第1の特徴量を抽出し、この第1の特徴量に基づいて、前記画像データから前記面積階調画素を検出する面積階調画素検出部と、前記面積階調画素についての前記第1の特徴量とは異なる第2の特徴量を抽出し、この第2の特徴量に基づいて前記面積階調画素から第1の面積階調画素を検出する第1面積階調画素検出部と、
前記面積階調画素の数と前記第1の面積階調画素の数から第2の面積階調画素の数を算出し、これら第1および第2の面積階調画素の数に基づいて前記画像データの種別を決定する種別決定部とを備えていることを特徴としている。
また、本発明の画像処理方法は、入力された画像データの種別を判別する判別ステップを備えた画像処理方法において、前記判別ステップでは、前記画像データから第1および第2の面積階調画素を含む面積階調画素についての第1の特徴量を抽出し、この第1の特徴量に基づいて、前記画像データから前記面積階調画素を検出する面積階調画素検出処理と、前記面積階調画素についての前記第1の特徴量とは異なる第2の特徴量を抽出し、この第2の特徴量に基づいて前記面積階調画素から第1の面積階調画素を検出する第1面積階調画素検出処理と、前記面積階調画素の数と前記第1の面積階調画素の数から第2の面積階調画素の数を算出し、これら第1および第2の面積階調画素の数に基づいて前記画像データの種別を決定する種別決定処理とを行うことを特徴としている。
上記の構成によれば、面積階調画素検出部は、入力された画像データから第1および第2の面積階調画素を含む面積階調画素についての第1の特徴量を抽出し、この第1の特徴量に基づいて、前記画像データから前記面積階調画素を検出する。第1面積階調画素検出部は、前記面積階調画素についての前記第1の特徴量とは異なる第2の特徴量を抽出し、この第2の特徴量に基づいて前記面積階調画素から第1の面積階調画素を検出する。種別決定部は、前記面積階調画素の数と前記第1の面積階調画素の数から第2の面積階調画素の数を算出し、これら第1および第2の面積階調画素の数に基づいて前記画像データの種別を決定する。
このように、本発明の構成では、画像データにおける複数種類の面積階調画素領域の存在の有無に基づいて、面積階調画素領域を有する画像データの種別を複数種類に判別することができる。したがって、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域といった従来検出できなかった面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
上記の画像処理装置において、前記第1の特徴量は、前記画像データが有する濃度差および濃度差の総和を示す繁雑度を抽出したものである構成としてもよい。
上記の構成によれば、画像データにおける面積階調画素領域の存在の有無を検出するための第1の特徴量として、濃度差および繁雑度といった適切かつ扱いやすい指標を使用しているので、面積階調画素領域の検出が容易となる。
上記の画像処理装置において、前記第2の特徴量は、注目画素を中心として複数画素を有するブロックにおける画像濃度の反転回数を抽出したものである構成としてもよい。
上記の構成によれば、画像濃度の反転回数を第1面積階調画素を検出するための特徴量としているので、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)では濃淡が明確であるのに対して、インクジェット方式の画像形成装置(プリンタ、複写機もしくは複合機)で出力された第2面積階調画素では濃淡が不明確であることによる。この場合、例えば第1面積階調画素を抽出するための閾値を第2面積階調画素の濃淡の変化範囲よりも大きい値に設定しておけば、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。
上記の画像処理装置において、前記第2の特徴量は、注目画素を中心とした複数の画素からなるブロックにおける画素値の標準偏差を抽出したものである構成としてもよい。
上記の構成によれば、注目画素を中心とした複数の画素からなるブロックにおける画素値の標準偏差を第1面積階調画素を検出するための特徴量としているので、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)は濃淡が明確であるので、濃淡が不明確な第2面積階調画素よりも標準偏差が大きくなることによる。
上記の画像処理装置において、前記第2の特徴量は、注目画素を中心とした複数の画素からなるブロック内における平均濃度差を抽出したものである構成としてもよい。
上記の構成によれば、注目画素を中心とした複数の画素からなるブロック内における平均濃度差を第1面積階調画素を検出するための特徴量としているので、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)は濃度(画素値)が揃っているので、第2面積階調画素の場合よりもブロックの平均濃度差が小さくなることによる。
上記の画像処理装置において、前記種別決定部は、第2の面積階調画素に対する第1の面積階調画素の比に基づいて画像データの種別を決定する構成としてもよい。
上記の構成によれば、第2の面積階調画素に対する第1の面積階調画素の比という扱いやすい指標を使用して画像データの種別を決定するので、この決定を容易に行うことができる。
上記の画像処理装置において、前記第1の面積階調画素は網点印刷写真領域に属する面積階調画素であり、前記第2の面積階調画素は網点印刷写真領域に属する面積階調画素、および網点印刷写真領域と印画紙写真領域とに属さない第3の面積階調画素の少なくとも一方を含んでおり、前記種別決定部は、画像データの種別の決定処理において、前記画像データにおける前記第3の面積階調画素の領域の存在の有無を判別する構成としてもよい。
上記の構成によれば、網点印刷写真領域と印画紙写真領域とに属さない第3の面積階調画素領域という特殊な領域の存在の有無を画像データから判別することができるので、このような特殊な領域を有する画像データに対して画質を劣化させない最適な処理を行うことができる。
上記の画像処理装置は、判別手段の前記種別決定部にて画像データが前記第3の面積階調画素の領域を含むと判定された場合に、画像データの全領域に対して同一種類の処理を行う構成としてもよい。
上記の構成によれば、網点印刷写真領域と印画紙写真領域とに属さない第3の面積階調画素領域という特殊な領域を含む画像データに対して、その全領域に領域分離を行うことなく同一種類の処理を行うので、このような特殊な領域を有する画像データに対して画質を劣化させない最適な処理を行うことができる。
本発明の画像読取装置は、上記のいずれかの画像処理装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、網点印刷写真画像や印画紙写真画像と言った従来の原稿モードでは分類することができない、特定インクジェット等出力原稿画像(インクジェット方式や電子写真方式で出力した特定の画像)を認識して最適な処理を行うことができるので、原稿から品質の良い画像データを作成できる画像読取装置を提供可能である。
本発明の画像形成装置は、上記のいずれかの画像処理装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、網点印刷写真画像や印画紙写真画像と言った従来の原稿モードでは分類することができない、特定インクジェット等出力原稿画像(インクジェット方式や電子写真方式で出力した特定の画像)を認識して最適な処理を行うことができるので、品質の良い画像を出力できる画像形成装置を提供可能である。
本発明の画像処理装置では、画像データにおける複数種類の面積階調画素領域の存在の有無に基づいて、面積階調画素領域を有する画像データの種別を複数種類に判別することができる。したがって、面積階調画素領域として、単に網点印刷領域のみならず、例えばインクジェットプリンタあるいは電子写真方式の画像形成装置から出力された画像の面積階調画素領域も検出することが可能となり、画像データ(その画像データの元となる原稿)の種別を正確に判別することができる。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態では、本発明の画像処理装置をデジタルカラー複写機に適用した場合について説明する。
また、以下の説明において、面積階調画素領域に属する画素としては、網点で構成された画像のほかに、規則的に密に並んだ平行線から構成される万線画像、誤差拡散によって作成される画像、画素配分法によって作成される画像、ディザ法によって作成される画像、あるいは濃度パターン法によって作成される画像など、2値または多値の面積変化によって中間調表現がなされている画像が含まれる。
また、本実施の形態において、画像処理装置は、網点印刷原稿と印画紙写真原稿との中間的な性質を有する原稿を判別可能となっている。このような原稿としては、例えば解像度の程度が低位から中位のインクジェット方式の画像形成装置にて、高い濃度のインクを使用して画像形成が行われて高い濃度の領域と低い濃度の領域とが混在するような原稿、あるいは低い濃度のインクを使用して画像形成が行われて全体的に低い濃度となった原稿などである。この種の原稿と同様の性質を有する原稿は、電子写真方式の画像形成装置にて出力された原稿にも存在する。以下、この種の原稿を特定インクジェット等出力原稿と称する。
図2は、本発明のカラー画像処理装置を適用したデジタルカラー複写機の概略構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係るデジタルカラー複写機は、図2に示すように、カラー画像入力装置1、カラー画像処理装置2、カラー画像出力装置3および操作パネル4を備えている。カラー画像処理装置2は、A/D変換部11、シェーディング補正部12、原稿種別自動判別部(判別手段)13、入力階調補正部14、領域分離処理部15、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、出力階調補正部19および階調再現処理部20を備えている。
カラー画像入力装置(画像読取手段)1は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部(図示せず)より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置2に入力するものである。
カラー画像入力装置1にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置2内を、A/D変換部11、シェーディング補正部12、原稿種別自動判別部13、入力階調補正部14、領域分離処理部15、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、出力階調補正部19および階調再現処理部20の順に送られ、CMYKのデジタルカラー信号としてカラー画像出力装置3へ出力される。
A/D(アナログ/デジタル)変換部11は、RGBのアナログ信号をデジタル信号に変換するもので、シェーディング補正部12は、A/D変換部11より送られてきたデジタルのRGB信号に対して、カラー画像入力装置1の照明系、結像系、撮像系で生じる各種の歪みを取り除く処理を施すものである。また、シェーディング補正部12ではカラーバランスの調整を行う。
原稿種別自動判別部13では、シェーディング補正部12にて各種の歪みが取り除かれカラーバランスの調整がなされたRGB信号(RGBの反射率信号)を濃度信号などカラー画像処理装置2に採用されている画像処理システムの扱い易い信号に変換するとともに、原稿種別の判別を行う。この原稿種別自動判別部13で生成された原稿種別判定信号は、入力階調補正部14、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、階調再現処理部20に出力される。なお、原稿種別自動判別部13の詳細については後述する。
入力階調補正部14は、下地濃度の除去やコントラストなどの画質調整処理を施すものである。
領域分離処理部15は、RGB信号より、入力画像中の各画素を文字領域、網点領域、写真(印画紙写真)領域のいずれかに分離するものである。領域分離処理部15は、分離結果に基づき、画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号を、色補正部16、黒生成下色除去部17、空間フィルタ処理部18、および階調再現処理部20へと出力するとともに、入力階調補正部14より出力された入力信号をそのまま後段の色補正部16に出力する。
色補正部16は、色再現の忠実化実現のために、不要吸収成分を含むCMY(C:シアン・M:マゼンタ・Y:イエロー)色材の分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理を行うものである。
黒生成下色除去部17は、色補正後のCMYの3色信号から黒(K)信号を生成する黒生成、元のCMY信号から黒生成で得たK信号を差し引いて新たなCMY信号を生成する処理を行うものであって、CMYの3色信号はCMYKの4色信号に変換される。
黒生成処理の一例として、スケルトンブラックによる黒生成を行う方法(一般的方法)がある。この方法では、スケルトンカーブの入出力特性をy=f(x)、入力されるデータをC,M,Y、出力されるデータをC',M',Y',K'、UCR(Under Color Removal)率をα(0<α<1)とすると、黒生成下色除去処理は以下の式(1)で表わされる。
K’=f{min(C,M,Y)}
C’=C−αK’
M’=M−αK’
Y’=Y−αK’ (1)
空間フィルタ処理部18は、黒生成下色除去部17より入力されるCMYK信号の画像データに対して、領域識別信号を基にデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって出力画像のぼやけや粒状性劣化を防ぐように処理するものである。階調再現処理部20も、空間フィルタ処理部18と同様に、CMYK信号の画像データに対して領域識別信号を基に所定の処理を施すものである。
例えば、領域分離処理部15にて文字に分離された領域は、特に黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部18による空間フィルタ処理における鮮鋭強調処理で高周波数の強調量が大きくされる。同時に、階調再現処理部20においては、高域周波数の再現に適した高解像度のスクリーンでの二値化または多値化処理が選択される。
また、領域分離処理部15にて網点領域に分離された領域に関しては、空間フィルタ処理部18において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。そして、出力階調補正部19では、濃度信号などの信号をカラー画像出力装置3の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行った後、階調再現処理部20で、最終的に画像を画素に分離してそれぞれの階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成)が施される。領域分離処理部15にて写真に分離された領域に関しては、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
操作パネル4は、例えば、液晶ディスプレイなどの表示部(図示せず)と設定ボタンなどより構成され、操作パネル4より入力された情報に基づいてカラー画像入力装置1、カラー画像処理装置2、カラー画像出力装置3の動作が制御される。
上述した各処理が施された画像データは、一旦記憶手段に記憶され、所定のタイミングで読み出されてカラー画像出力装置3に入力される。このカラー画像出力装置3は、画像データを記録媒体(例えば紙等)上に出力するもので、例えば、電子写真方式やインクジェット方式を用いたカラー画像出力装置等を挙げることができるが特に限定されるものではない。尚、以上の処理は図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御される。
図1は、図2に示した原稿種別自動判別部13の構成を示すブロック図である。この原稿種別自動判別部13は、図1に示すように、最小濃度値算出部21(特徴量抽出部)、最大濃度値算出部22(特徴量抽出部)、最大濃度差算出部23(特徴量抽出部)、総和濃度繁雑度算出部24(特徴量抽出部)、判定領域設定部(第1面積階調画素検出部、第2面積階調画素検出部)25、最大濃度差閾値設定部(判定基準設定部)26、総和濃度繁雑度閾値設定部(判定基準設定部)27、文字・網点判定部(第1面積階調画素検出部)28、下地・印画紙判定部29、文字・網点判定閾値設定部(判定基準設定部)30、下地・印画紙判定閾値設定部31、第2面積階調画素抽出部32、文字画素計数部33、第1面積階調画素計数部34、下地画素計数部35、印画紙画素計数部36、面積階調画素判定部(種別決定部)37、面積階調画素判定閾値設定部(種別決定部)38および原稿判定部(種別決定部)39を備えている。
最小濃度値算出部21は、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックの最小濃度値を算出する。最大濃度値算出部22は、上記ブロックの最大濃度値を算出する。最大濃度差算出部23は、最小濃度値算出部21および最大濃度値算出部22にて算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックの最大濃度差を算出する。総和濃度繁雑度算出部24は、上記ブロックの隣接する画素同士の濃度差の絶対値の総和を算出する。具体的には、ブロック内の主走査方向(画像を複数のラインに分割して読み取る場合のライン方向)ごと、および副走査方向(前記ラインに垂直な方向)ごとに求めた隣接画素同士の濃度差の絶対値の総和の合計を算出する。なお、これに加えて、ブロック内の45度方向ごとおよび135度方向ごとに求めた隣接画素同士の濃度差の絶対値の総和の合計を算出してもよい。
判定領域設定部25は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と最大濃度差閾値設定部26から与えられる第1最大濃度差閾値THd1とを比較し、また総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値設定部27から与えられる第1総和濃度繁雑度閾値THb1とを比較することにより、上記ブロックの注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定する。
さらに、判定領域設定部25は、最大濃度差算出部23にて算出された上記最大濃度差と最大濃度差閾値設定部26から与えられる第2最大濃度差閾値THd2(THd1>THd2)とを比較し、また総和濃度繁雑度算出部24にて算出された上記総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値設定部27から与えられる第2総和濃度繁雑度閾値THb2(THb1>THb2)とを比較する。これにより、上記ブロックについて、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上の条件を満たすか否かを判定する。
上記第1最大濃度差閾値THd1および第1総和濃度繁雑度閾値THb1を用いた判定処理、並びに第2最大濃度差閾値THd2および第2総和濃度繁雑度閾値THb2を用いた判定処理は、注目画素に対して順次行われる。すなわち、原稿種別自動判別部13では、1つの注目画素がいずれの領域に属するかの判定処理を最大濃度差閾値と総和濃度繁雑度閾値という2種類の閾値を用いて判定している。また、注目画素を順次シフトするのに伴い、その注目画素を含むブロックの領域も順次シフトする。これら判定処理に伴う種々の制御はCPUにより行われる。
最大濃度差閾値設定部26は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差に基づいて注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための第1最大濃度差閾値THd1、および注目画素が第2面積階調画素であるか否かを判定するための第2最大濃度差閾値THd2(THd1>THd2)を設定する。これら第1最大濃度差閾値THd1および第2最大濃度差閾値THd2は判定領域設定部25において使用される。
総和濃度繁雑度閾値設定部27は、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度に基づいて注目画素が下地領域・印画紙領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための第1総和濃度繁雑度閾値THb1、および注目画素が第2面積階調画素であるか否かを判定するための第2総和濃度繁雑度閾値THb2(THb1>THbを設定する。これら第1総和濃度繁雑度閾値THb1および第2総和濃度繁雑度閾値THb2は、判定領域設定部25において使用される。
なお、第2最大濃度差閾値THd2、第2総和濃度繁雑度閾値THb2としては、例えば印画紙写真領域に属する画素を検出するための閾値を参考に、面積階調画素領域としての特徴を有していると判断される画素、すなわち、網点印刷で使用されている網点(第1面積階調画素)だけでなく、誤差拡散、ディザ処理、万線等により階調再現がなされている画素(第2面積階調画素)も含めて広い範囲で面積階調画素領域の画素を抽出できるように設定される。
文字・網点判定部28は、上記判定領域設定部25において文字・網点領域に属すると判別された画素について、その画素が文字領域と網点領域(第1面積階調画素)とのいずれに属するかを判定する。文字・網点判定閾値設定部30は、文字・網点判定部28において上記判定を行うための文字・網点判定閾値を設定する。
下地・印画紙判定部29は、上記判定領域設定部25において下地領域・印画紙領域に属すると判別された画素について、その画素が下地領域と印画紙領域(印画紙写真領域。連続階調領域)とのいずれに属するかを判定する。下地・印画紙判定閾値設定部31は、下地・印画紙判定部29において前記判定を行うための下地・印画紙判定閾値を設定する。
第2面積階調画素抽出部32は、画素抽出部(第2面積階調画素検出部)41、補正部42および画素計数部43を備えている。
画素抽出部41は、判定領域設定部25において、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上であると判定されたブロックの注目画素について、上記最大濃度差に上記文字・網点判定閾値を掛けた値と上記総和濃度繁雑度とを比較し、総和濃度繁雑度が最大濃度差×文字・網点判定閾値以上であるという条件を満たすブロックの注目画素を第2面積階調画素として抽出する。
補正部42は、判定領域設定部25において、第2最大濃度差閾値THd2および第2総和濃度繁雑度閾値THb2を用いた判定処理で文字領域・網点領域のいずれにも属さないものと判定された画素、あるいは、画素抽出部41おいて第2面積階調画素として抽出されなかった画素(対象画素)のうちから、第2面積階調画素と見なし得るものを第2階調画素として扱うように補正する。この補正の可否は上記対象画素を注目画素として、その周辺画素の判定結果を参照して判断する。
画素計数部43は、画素抽出部41および補正部42において第2面積階調画素であると判定された画素数(見なされた画素の数を含む)を計数する。
文字画素計数部33は、文字・網点判定部28において文字領域に属すると判定された画素数を計数する。第1面積階調画素計数部34は、文字・網点判定部28において網点領域(第1面積階調画素)に属すると判定された画素数を計数する。下地画素計数部35は、下地・印画紙判定部29において下地領域に属すると判定された画素数を計数する。印画紙画素計数部36は、下地・印画紙判定部29において印画紙写真領域に属すると判定された画素数を計数する。なお、これら計数値は原稿画像全体についての合計値である。
面積階調画素判定部37は、第1面積階調画素計数部34での網点領域(第1面積階調画素)に属する画素の計数結果および第2面積階調画素抽出部32の画素計数部43での第2面積階調画素の計数結果と面積階調画素判定閾値設定部38から与えられる面積階調画素判定閾値とを比較し、原稿画像に網点(第1面積階調画素)が含まれているか否かを判定する。面積階調画素判定閾値設定部38は、面積階調画素判定部37において使用される面積階調画素判定閾値を設定する。
原稿判定部39は、文字画素計数部33、下地画素計数部35、印画紙画素計数部36および面積階調画素判定部37からの各画素数の計数結果および判定結果に基づいて原稿種別を判定する。
ここで、文字、網点、印画紙写真および下地の各領域における画素濃度の分布の例を図3(a)〜図3(d)に基づいて説明する。また、上記の各領域の最大濃度差と総和濃度繁雑度とを指標とした分布を図4に基づいて説明する。なお、総和濃度繁雑度と最大濃度差との関係において総和濃度繁雑度が最大濃度差以下となることはなく、図4における最大濃度差=総和濃度繁雑度以下の領域は、画素が存在しない領域を示している。
下地領域は、図3(a)に示すように、通常、濃度変化が少ないため、最大濃度差および総和濃度繁雑度ともに非常に小さくなり、図4に示す領域Aに分布している。したがって、下地・印画紙領域に属すると判別された画素であって下地・印画紙判定閾値よりも最大濃度差が小さい画素は、下地画素であると判別することが可能である。
印画紙写真領域は、図3(b)に示すように、通常、滑らかな濃度変化をしており、最大濃度差および総和濃度繁雑度がともに小さく、かつ、下地領域よりも多少大きくなるため、図4に示す領域Bに分布している。したがって、下地領域・印画紙領域に属すると判別された画素であって下地・印画紙判定閾値よりも最大濃度差が大きいブロックの画素(注目画素)は、印画紙領域に属するものであると判別することが可能である。
網点領域は、図3(c)に示すように、最大濃度差が網点によりさまざまであるものの、網点の数だけ濃度変化が存在するので、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が大きくなる。このため、図4に示す領域Dのような分布になる。したがって、文字・網点領域に属すると判別された画素であって最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が大きいブロックの画素(注目画素)は、網点領域に属するものであると判別することが可能である。
文字領域は、図3(d)に示すように、最大濃度差が大きく、それに伴い総和濃度繁雑度も大きくなるものの、網点領域よりも濃度変化が少ないため、網点領域よりも総和濃度繁雑度が小さくなる。特に、最大濃度差に対する総和濃度繁雑度の割合が小さくなるため、図4に示す領域Cのような分布になる。したがって、文字・網点領域に属すると判別された画素であって最大濃度差と文字・網点判定閾値との積よりも総和濃度繁雑度が小さいブロックの画素(注目画素)は、文字領域に属するものであると判別することが可能である。
上述したように、下地領域および印画紙写真領域は、最大濃度差および総和濃度繁雑度が文字領域および網点領域に比べて小さくなる。したがって、最大濃度差を最大濃度差閾値(第1最大濃度差閾値THd1)と比較するとともに、総和濃度繁雑度を総和濃度繁雑度閾値(第1総和濃度繁雑度閾値THb1)と比較することにより、判定領域設定部25では、注目画素が下地・印画紙領域と文字・網点領域とのいずれに属するかを判別することが可能となる。
次に、第1面積階調画素と第2面積階調画素について説明する。図5(a)は第1面積階調画素(網点)を含む領域における1網点(1ドット)付近の画素の濃度値を示す説明図であり、図5(b)は第1面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。同様に、図6(a)は第2面積階調画素を含む領域における1ドット付近の画素の濃度値を示す説明図であり、図6(b)は第2面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。なお、図5(a)および図6(a)では、ドットの濃度を6値で表しており、「0」は最低濃度(白:地肌)であり、「5」は最大濃度である。
網点印刷で用いられる網点(第1面積階調画素)は濃淡が明確であり、印刷物に適した線数が用いられる。したがって、網点印刷原稿において網点の濃度が高く網点の間隔はほぼ一定である(図5(a)、図5(b)参照)。
一方、インクジェット方式の画像形成装置(プリンタ、複写機、複合機)で出力された画像においては、中間調処理として誤差拡散やブルーノイズマスクが用いられることが多く、ドットの間隔が一定ではない。さらに、淡インク等が使用されるのでドットの濃淡も網点印刷原稿ほど明確ではない。また、一般に普及している電子写真方式の画像形成装置で出力された画像においては、高解像度になると明確なドットが形成されにくくなり、この場合も濃淡が不明確になる(図6(a)、図6(b))を参照)。
すなわち、インクジェットプリンタや一般に普及している電子写真方式の画像形成装置で出力された原稿(以下、インクジェット等出力原稿と称する)の場合、網点印刷原稿の場合よりも最大濃度差および総和濃度繁雑度が小さくなる傾向がある。したがって、最大濃度差および総和濃度繁雑度に対する閾値を小さい値(第2最大濃度差閾値THd2、第2総和濃度繁雑度閾値THb2)に設定すれば、網点印刷原稿とインクジェット等出力原稿の両方の面積階調画素(第1面積階調画素および第2面積階調画素)を抽出することが可能である。一方、上記閾値を大きい値(第1最大濃度差閾値THd1(THd1>THd2)、第1総和濃度繁雑度閾値THb1(THb1>THb2))に設定すれば、網点印刷原稿の面積階調画素(網点:第1面積階調画素)のみを抽出することが可能である。
尚、厳密なことを言えば、インクジェット方式で普通紙に出力された図表を含むオフィス文書や中低解像度のインクジェット方式の画像形成装置で出力された写真で、濃いドットを用いて画像形成が行われ、画像の濃度が全体的に薄い場合(詳細は後述)、上記図表や写真領域は網点と判断され、網点領域に対する処理を行っても画質劣化は生じない。従って、上記第1面積階調画素とは、網点印刷で用いられている網点、および、インクジェット方式や電子写真方式の画像形成装置で中間調を表現する面積階調画素のうち、上記網点と同等の特性を有する画素であるということができる。本実施の形態において、上記網点および上記特徴を有する画素を印刷網点と表現する。
上記の構成において、原稿種別自動判別部13による原稿種別判別処理の動作を図7から図10に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、以下では、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックがn×m(例えば、15×15)画素からなるものとする。
先ず、注目画素を含むn×m画素のブロックについて、最小濃度値算出部21では最小濃度値を算出し(S1)、最大濃度値算出部22では最大濃度値を算出する(S2)。次に、最大濃度差算出部23では、算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックにおける最大濃度差を算出する(S3)。一方、総和濃度繁雑度算出部24では、上記ブロックにおける、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和、つまり総和濃度繁雑度を算出する(S4)。これら最大濃度差の算出処理と総和濃度繁雑度の算出処理とは順次行われるもの、または並行して行われるものいずれであってもよい。
次に、判定領域設定部25では、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と第1最大濃度差閾値THd1および第2最大濃度差閾値THd2とを比較し、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と第1総和濃度繁雑度閾値THb1および第2総和濃度繁雑度閾値THb2とを比較する(S5およびS6、S151およびS152(図8参照))。
そして、判定領域設定部25では、最大濃度差が第1最大濃度差閾値THd1よりも小さく、かつ総和濃度繁雑度が第1総和濃度繁雑度閾値THb1よりも小さい場合に(S6)、そのブロックに含まれる注目画素を下地・印画紙領域のものと判定する(S7)。一方、S6において上記条件を満たさない場合に、上記注目画素を文字・網点領域のものと判定する(S9)。
この判定において注目画素が下地・印画紙領域のものと判定された場合に、下地・印画紙判定部29では、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差と下地・印画紙判定閾値とを比較する(S8)。この比較の結果、最大濃度差の方が小さければその注目画素を下地領域のものと判定し(S11)、最大濃度差の方が大きければその注目画素を印画紙領域のものと判定する(S12)。
一方、S9の判定において注目画素が文字・網点領域のものと判定された場合に、文字・網点判定部28では、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値と上記総和濃度繁雑度とを比較する(S10)。この比較の結果、総和濃度繁雑度の方が小さければその注目画素を文字領域のものと判定し(S13)、総和濃度繁雑度の方が大きければ、その注目画素を網点領域のものと判定する(S14)。
次に、原稿種別自動判別部13では、原稿画像の全ての画素について以上の判定が終了しているか否かを判定し(S16:図10)、終了していなければS1に戻ってそれ以下の処理を繰り返す。一方、終了していれば、S17〜S19の処理を経た後、原稿判定部39において原稿種別の判定を行う(S20)。
原稿種別自動判別部13では、上記S5〜S14の処理と並行して、第2面積階調画素抽出部32による第2面積階調画素抽出処理(S15)を行う。この処理の詳細を図8のフローチャートに示す。
判定領域設定部25では、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と第2最大濃度差閾値THd2とを比較し、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と第2総和濃度繁雑度閾値THb2とを比較する(S151およびS152)。
第2面積階調画素抽出部32の画素抽出部41では、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2以上であり、かつ総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2以上であると判定されたブロックについて、最大濃度差に文字・網点判定閾値を掛けた値と総和濃度繁雑度とを比較する(S153)。この比較の結果、総和濃度繁雑度の方が大きければ、そのブロックに含まれる注目画素を第2面積階調画素領域のものと判定する(S155)。
一方、S152において、最大濃度差が第2最大濃度差閾値THd2よりも小さい、あるいは総和濃度繁雑度が第2総和濃度繁雑度閾値THb2よりも小さいと判定されたブロックの注目画素、およびS153において、総和濃度繁雑度が最大濃度差×文字・網点判定閾値よりも小さいと判定されたブロックの注目画素については、補正部42が補正処理の候補画素とし、適宜補正処理を行う(S154)。この補正処理について、図9のフローチャートおよび図11を用いて以下に説明する。
先ず、図11に示すように、注目画素の左側に隣接する画素が第2面積階調画素と判定されているか否かを判定する(S161)。なお、図11においては、左側の画素から右側の画素に処理が進行し、注目画素の左側の画素については既に処理が終了しているものとする。処理が右側の画素から左側の画素に進行する場合はその逆となる。また、処理は上側のラインから下側のラインへ進行するものとする。
次に、注目画素に隣接する1つ前のラインの所定領域内に存在する第2面積階調画素と判定された画素の数を計数し(S162)、その計数値と予め定めされる閾値THsとを比較する(S163)。この比較の結果、第2面積階調画素の数が閾値THs以上であれば、注目画素についての判定結果を第2面積階調画素に変更する(S164)。一方、第2面積階調画素の数が閾値THbsよりも少なければ、注目画素の判定結果の変更は行わない(S165)。
上記1つ前のラインの所定領域は、注目画素に隣接する画素を含むように選択され、例えば、10画素程度の領域として設定される。この所定領域は注目画素とする画素を順次シフトして行くのに応じて同方向にシフトする。なお、所定領域を10画素程度の領域とした場合、閾値THsは例えば3に設定する。
上記のように、第2面積階調画素抽出部32では、最大濃度差と第2最大濃度差閾値とを比較し、さらに総和濃度繁雑度と第2総和濃度繁雑度閾値および最大濃度差×文字・網点判定閾値とを比較し、面積階調画素としての特徴量を有する画素を第2面積階調画素として抽出している。さらに、面積階調画素としての特徴量を有していないと判定された画素のうちから、所定領域の情報(注目画素に対する周辺画素の判定結果)に基づいて第2面積階調画素と見なし得る画素を第2面積階調画素として加算している。
なお、第2面積階調画素抽出部32でのS153の判定では、S10での最大濃度差×文字・網点判定閾値をそのまま用いているが、これに限定されず、異なる値を設定してもよい。例えば、S10で用いる値よりも小さい値に設定してもよい。具体的には、S10で用いる値を6とした場合、S153では4に設定してもよい。
次に、面積階調画素判定部37での判定動作について図10のフローチャートに基づいて説明する。
面積階調画素判定部37では、第1面積階調画素計数部34による第1面積階調画素の計数値をCs1、画素計数部43による第2面積階調画素の計数値をCs2、面積階調画素判定閾値設定部38における面積階調画素判定閾値をTHsとすると、
Cs1/Cs2>THs
を満たす場合に、その原稿画像に印刷網点が含まれていると判定し(S17、S18)、 第1面積階調画素の計数値を網点の計数値とする。一方、上式を充たさない場合に、その原稿画像に印刷網点が含まれていないと判定する(S17、S19)。この判定において、面積階調画素判定閾値THsは例えば0.15とする。面積階調画素判定閾値THsは、種々の画像サンプルを基に、適切な値を設定すれば良い。
次に、原稿判定部39における原稿種別判別動作について詳細に説明する。原稿判定部39での原稿種別の判別は、面積階調画素判定部37において上記のように原稿画像に印刷網点が含まれていると判定された場合(図10のS18)に、例えば、その原稿についてプレスキャンを行って得た画像データを用いて画素の判別を行い、判別された画素数を計数し、予め用意されている下地領域、印画紙領域、網点領域および文字領域に対する閾値と比較することにより原稿全体の種別の判定を行う。
具体的には、例えば、文字領域の比率と網点領域の比率とが、それぞれ閾値以上の場合は、文字/網点印刷原稿(文字印刷写真原稿)であると判定する。また、文字、網点、印画紙写真の順に検出精度が高くなっている場合において、文字領域の比率が全画素数の30%の場合には文字原稿、網点領域の比率が全画素数の20%の場合には網点印刷原稿(印刷写真原稿)、印画紙写真領域の比率が全画素数の10%の場合には印画紙写真原稿であると判定する。
また、原稿判定部39は、面積階調画素判定部37において原稿画像に印刷網点が含まれていないと判定された場合(図10のS19に対応)に、第2面積階調画素の計数値と予め定められる閾値THs2とを比較する。この比較の結果、第2面積階調画素の計数値が閾値THs2以上の場合に、原稿画像を特定インクジェット等出力原稿のものと判定し、第2面積階調画素の計数値が閾値THs2よりも小さい場合に、原稿画像を面積階調画素領域が存在しないものと判定し、文字領域の比率、印画紙写真領域の比率に基づいて原稿種別の判別を行う。また、上記閾値THs2は、例えば、原稿画像における第2面積階調画素領域の比率を全画素数の20%と規定したものである。
また、本実施の形態において、原稿判定部39が判別する原稿種別は、文字原稿、文字印刷写真原稿、印刷写真原稿、印画紙写真原稿、文字印画紙写真原稿、特定インクジェット等出力原稿としている。なお、原稿種別の判別は、プレスキャンを行うのではなく、ハードディスク等の記憶手段に一旦格納された画像データを用いて行っても良い。
以上の説明では、面積階調画素判定部37において、第1面積階調画素の計数結果と第2面積階調画素の計数結果との比を用いて原稿画像に印刷網点が含まれるか否かの判定を行っているが、上記比に代えて、両者を加算した結果や両者の差など、第1面積階調画素と第2面積階調画素の計数結果に対して演算処理を行った結果を用いることが可能である。
また、上記では、S154として補正処理を行っているが、この補正処理は必須のものではない。補正処理を行わない場合には、上記のように算出された最大濃度差、総和濃度繁雑度に対して、第2最大濃度差閾値、第2総和濃度繁雑度閾値および最大濃度差×文字・網点判定閾値を用いて第2面積階調画素を判定する場合、第2面積階調画素を面積階調画素としての特徴量を有している画素とし、上記網点判定処理で用いる面積階調画素判定閾値設定部38の面積階調画素判定閾値を例えば0.30と高く設定すれば良い。
また、原稿種別自動判別部13が特徴量として最大濃度差、総和濃度繁雑度を用いて処理を行う方法について説明を行ったが、特徴量はこれらに限定されるのもではなく、ランレングスや反転回数であっても構わない。また、上記では、注目画素を下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域に判別し、再度、文字領域と網点領域に判別する例について示したが、文字領域、網点領域、印画紙領域、下地領域に含まれるか否かをそれぞれ並列に判別処理する方法であっても構わない。また、印画紙領域と下地領域をまとめてその他領域としても良い。すなわち、少なくとも、網点領域に含まれるか否かを判定する処理が含まれていれば良い。
次に、原稿種別の判別がなされた場合、原稿種別自動判別部13の判別結果に基づく、後段の各処理部での処理の例について説明する。
複数の領域が混在しないと判別された場合は上述した領域分離処理と同様である。一方、複数の領域が混在すると判別された場合はそれぞれの領域処理の中間パラメータを使用し、原稿種別判別処理で判別されなかった領域処理のパラメータは使用しないようにすればよい。
例えば、入力画像(原稿)が文字原稿であると判別された場合は、入力階調補正処理では、ハイライトを多めに除去したり、コントラストを大きくしたりするような補正曲線を用いる。
また、色文字に対しては彩度を重視した色補正処理を行う一方、黒文字に対しては黒生成下色除去処理において黒生成量が多めに設定される。また、文字に対しては、空間フィルタ処理でエッジを強調し、平滑化処理を弱くするようにフィルタ係数を設定する等のパラメータの切り替え等が行われる。
入力画像が文字印画紙写真原稿であると判別された場合は、各処理において、文字原稿処理と印画紙写真原稿処理の中間パラメータを用いた処理が行われる。文字原稿又は印画紙写真原稿のいずれを重視するかにより、入力階調補正処理では、印画紙写真原稿処理と文字原稿処理との中間のパラメータを用いてハイライトの除去やコントラストの調整を行い、また、彩度の強弱や階調性のバランスが極端にならないような色補正処理を行う。また、黒生成下色除去処理では、印画紙写真画像に影響が出ない程度に黒生成量の調整を行うようにすればよい。
本実施の形態において、インクジェット原稿を読み込んだ場合は以下のように判別される。
(1)普通紙などに出力されたオフィス文書(図表など)の場合
表などが線と文字だけで構成される場合は「文字原稿」として認識され印刷物などの文字原稿と同じ処理を行っても問題ない。
カラーの図などを含む場合は、図表部分が網点として認識されるため「文字印刷原稿」として認識される。網点として認識される図表部分にはモアレ抑制のための平滑化処理が行われるため粒状感抑制の効果があり問題ない。
普通紙出力のインクジェット原稿は、写真専用紙に出力されたものに比べて鮮やかではなく、くすんだ色で出力が行われる。そのため色補正処理も印刷用の色補正テーブルを用いる方が適している。
(2)高解像度のインクジェット方式の画像形成装置で写真専用紙に出力された写真
2880dpi程度の高解像度のインクジェット方式の画像形成装置により出力された写真を、解像度600dpi程度のスキャナ(スキャナ単体あるいは、カラー複写機のスキャナでも良い)で読み取りを行ってもほとんどの画素を読み取ることができない。そのため「印画紙写真原稿」として認識される。もともと画素を読み取ることができないので粒状感は発生しないのに加え、印画紙写真と写真専用紙に出力されたインクジェット方式による写真の色再現域は近いので、印画紙写真処理を行っても問題ない。
(3)中低解像度のインクジェット方式の画像形成装置で出力された写真
1200dpi程度の低中解像度のインクジェット方式の画像形成装置により出力された写真の場合、解像度600dpi程度で読み取りを行った場合、一部の画素を読み取ることができる。たとえば、低中解像度のインクジェット方式により出力された原稿中の濃度が低い領域の場合、画素の密度が低い。すなわち、画素同士の距離が離れているので低解像度の画像読取装置でも画素の有無を判定できることになる。逆に濃度が上がるにつれて徐々に画素の有無を判定できなくなり、印画紙領域との判別が困難になる。この場合には以下の3パターンに分類される。
(a)濃いドットを用いて画像形成が行われ、画像の濃度が全体的に薄い(ドットの間隔が広い)場合
画像の濃度が全体的に薄い場合は、ドットがばらついており、面積階調画素数(第1および第2面積階調画素数)の計数は画像全域を対象として行われるため、「印刷写真原稿(もしくは文字印刷写真原稿)」と判定される。この場合、網点と判定された領域についてはモアレ抑制のための平滑化処理が行われる。また、全体的に薄いため印刷写真用の色補正処理を行っても問題はない。
(b)画像の濃度が全体的に濃い場合
画像の濃度が全体的に濃い場合は、ドットが密集しており、面積階調画素(第1および第2面積階調画素)と判定される領域がほとんど存在しないため、「印画紙写真原稿」として判定される。画像全体において画素の読み取りができないために粒状感は発生せず、問題はない。
(c)濃いドットを用いて画像形成が行われ、画像に薄い領域と濃い領域が混在している場合、あるいは薄いドットを用いて画像形成が行われた場合
この場合は、もともと網点(第1面積階調画素)が少ないのに加えて画像に濃い領域と薄い領域とが混在するために、画像の内容によって印刷写真原稿と判定されたり印画紙写真原稿と判定されたりする。このため判定結果が一定しない。例えば、
1.原稿を縦置きにした場合と横置きにした場合とで結果が異なる、
2.原稿を少し編集してインクジェット方式の画像形成装置で出力し、それをスキャ ナで読み込んで出力すると判定結果が大きく変動する、
3.第2面積階調画素については補正処理がなされるため判定結果の変動は抑えられ るが、第1面積階調画素については判定結果が大きく変動する、
といったことが生じる。
印刷写真原稿と判定された場合、薄い領域での粒状感は発生しないが、濃い領域(暗い領域と鮮やかな領域)で階調の潰れが発生することがある。また、印画紙写真と判定された場合、濃い領域での階調のつぶれは発生しないが、薄い領域での粒状感が発生することがある。
上記現象は一般に普及している電子写真方式の画像形成装置で出力した画像に対しても同様である。
上記のように(3)−(c)の場合のみにおいて画質劣化が発生することがあるので、この場合を特定インクジェット等出力原稿として判別することにより、インクジェット方式で出力された全ての原稿や電子写真方式で出力された原稿を良好に再現することが可能となる。
上記の特定インクジェット等出力原稿については各部において以下のように処理する。
(領域分離処理部)
領域分離処理を行わない。あるいは、画像に網点印刷領域と印画紙領域とが存在すると判定されて処理が切り替わることによる画像劣化を防ぐため、画像全体に対して一様な処理が行われるように判定する。例えば、画像の全領域をインクジェットプリント領域あるいは電子写真プリント領域と判定する。
(色補正部)
印画紙写真と同様、高濃度部で階調潰れが発生しないような変換を行う。この変換には、例えば、印画紙写真用の色補正テーブルを用いてもよい。
(黒生成下色除去部)
暗部での階調の潰れが発生しないように黒生成量・下色除去量を設定する。
(空間フィルタ処理部)
低周波領域については強調処理を施し、高周波領域については平滑処理を施すフィルタを用いる。強調処理の強度は文字原稿よりも弱く、平滑処理の度合いは網点印刷写真原稿よりも弱くなるように設定する。
(階調再現処理部)
印画紙写真原稿と同じく階調性重視の階調再現処理を行う。例えば、ディザ処理ではディザマトリクスサイズを大きくし、誤差拡散処理では拡散マトリクスを大きくするなどである。
以上の説明では、原稿種別を判別する方法について示したが、原稿種別の判別を行うのではなく、第2面積階調画素の計数値に対する第1面積階調画素の計数値が面積階調画素判定閾値以下であり、且つ第2面積階調画素の計数値が閾値THs2以上であるという特徴を有する画像であることを示す制御信号を出力し、後段の領域分離処理部15、色補正部16、黒生成下色除去処理部17、空間フィルタ処理部18および階調再現処理部20の処理を制御するようにしても良い。
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1に示した機能部と同一の機能を有する機能部には同一の符号を付記している。
図13は、本発明の実施の他の形態における画像処理装置が備える原稿種別自動判別部の構成を示すブロック図である。本実施の形態のデジタルカラー複写機は、前記原稿種別自動判別部13に代えて、図13に示す原稿種別自動判別部(判別手段)100を備えている。この原稿種別自動判別部100では、先ず、第1の特徴量を用いて面積階調画素(面積階調画像領域を構成する画素)を検出し、検出した面積階調画素に対して、上記第1の特徴量とは異なる第2の特徴量を用いて第1面積階調画素(網点)を抽出する。次に、上記第1面積階調画素と第2面積階調画素との数(面積階調画素の数−第1面積階調画素の数)を求め、これらの結果を用いて閾値と比較する処理を行うことにより特定のプリント原稿を識別する。
本実施の形態の原稿種別自動判別部100は、最小濃度値算出部21、最大濃度値算出部22、最大濃度差算出部23、総和濃度繁雑度算出部24、判定領域設定部101、最大濃度差閾値設定部102、総和濃度繁雑度閾値設定部103、文字・面積階調画素判定部(面積階調画素検出部)104、文字・面積階調画素判定閾値設定部105、下地・印画紙判定部29、下地・印画紙判定閾値設定部31、文字画素計数部33、面積階調画素計数部106、網点画素抽出部107、面積階調画素判定部(種別決定部)108、面積階調画素判定閾値設定部(種別決定部)109、下地画素計数部35、印画紙画素計数部36、および原稿判定部(種別決定部)110を備えている。
最小濃度値算出部21は、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックの最小濃度値を算出する。最大濃度値算出部22は、上記ブロックの最大濃度値を算出する。最大濃度差算出部23は、最小濃度値算出部21および最大濃度値算出部22にて算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックの最大濃度差を算出する。総和濃度繁雑度算出部24は、上記ブロックの隣接する画素同士の濃度差の絶対値の総和を算出する。
判定領域設定部101は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と最大濃度差閾値設定部26から与えられる最大濃度差閾値THdとを比較し、また総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値設定部27から与えられる総和濃度繁雑度閾値THbとを比較することにより、上記ブロックの注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定する。
最大濃度差閾値設定部102は、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差に基づいて注目画素が下地領域・印画紙(写真)領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための最大濃度差閾値THdを設定する。
総和濃度繁雑度閾値設定部103は、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度に基づいて注目画素が下地領域・印画紙領域と文字領域・網点領域とのいずれに属するかを判定するための総和濃度繁雑度閾値THbを設定する。
文字・面積階調画素判定部104は、上記判定領域設定部101において文字・網点領域に属すると判別された画素について、その画素が文字領域と面積階調画素領域とのいずれに属するかを判定する。ここでは、前述のように、最大濃度差および総和濃度煩雑度を特徴量(第1の特徴量)とし、この特徴量を所定の閾値と比較することにより、文字領域か面積階調画素領域かを判別している。文字・面積階調画素判定閾値設定部105は、文字・面積階調画素判定部104において上記判定を行うための文字・面積階調画素判定閾値を設定する。
下地・印画紙判定部29は、上記判定領域設定部25において下地領域・印画紙領域に属すると判別された画素について、その画素が下地領域と印画紙領域(印画紙写真領域、連続階調領域)とのいずれに属するかを判定する。下地・印画紙判定閾値設定部31は、下地・印画紙判定部29において前記判定を行うための下地・印画紙判定閾値を設定する。
文字画素計数部33は、文字・面積階調画素判定部104において文字領域に属すると判定された画素数を計数する。面積階調画素計数部106は、文字・面積階調画素判定部104において面積階調画素に属すると判定された画素数を計数する。
網点画素抽出部107は、面積階調画素計数部106の後段に設けられ、面積階調画素に属すると判定された画素のうちから印刷網点に属する画素(第1面積階調画素)を抽出する。この場合、網点画素抽出部107は、文字・面積階調画素判定部104にて用いる特徴量とは異なる特徴量(第2の特徴量)を用いて印刷網点に属する画素を抽出する。
なお、印刷網点に属する画素とは、前述のように、網点印刷で用いられている網点に属する画素、およびインクジェット方式や電子写真方式の画像形成装置で中間調を表現する面積階調画素のうち、網点領域に対する処理を行っても画質劣化が生じない画素である。
面積階調画素判定部108は、面積階調画素計数部106での面積階調画素の計数結果と、網点画素抽出部107での印刷網点に属する画素(第1面積階調画素)の検出結果と、面積階調画素判定閾値設定部109から与えられる面積階調画素判定閾値とを使用して、注目画素が印刷網点(網点)であるか否かを判定する。
具体的には、注目画素を含むブロックにおいて、面積階調画素計数部106にて得られた面積階調画素数から、網点画素抽出部107にて得られた印刷網点に属する画素(第1面積階調画素)の数を差し引いて第2面積階調画素の数を求める。次に、この第2面積階調画素の数に対する第1面積階調画素の数の比と面積階調画素判定閾値設定部109から与えられる面積階調画素判定閾値とを比較して、注目画素が印刷網点(網点)のものであるか否かを判定する。面積階調画素判定閾値設定部109は、面積階調画素判定部108において使用される面積階調画素判定閾値を設定する。
下地画素計数部35は、下地・印画紙判定部29において下地領域に属すると判定された画素数を計数する。印画紙画素計数部36は、下地・印画紙判定部29において印画紙写真領域に属すると判定された画素数を計数する。なお、これら計数値は原稿画像全体についての合計値である。
原稿判定部110は、面積階調画素判定部108、文字画素計数部33、下地画素計数部35および印画紙画素計数部36からの各画素数の計数結果に基づいて(例えばこれら各画素数と所定の閾値とを比較することにより)原稿種別を判定する。なお、ここでの処理は周知の手法を採用可能である。
次に、原稿種別自動判別部100による原稿種別判別処理の動作を図14および図15に示すフローチャート、並びに図16に基づいて説明する。なお、図16は図13に示した原稿種別自動判別部100で用いられる、図3に示した各領域についての最大濃度差と総和濃度繁雑度との関係を示すグラフである。また、以下では、複数の画素からなり1個の注目画素を含むブロックがn×m(例えば、15×15)画素からなるものとする。
先ず、注目画素を含むn×m画素のブロックについて、最小濃度値算出部21では最小濃度値を算出し(S51)、最大濃度値算出部22では最大濃度値を算出する(S52)。次に、最大濃度差算出部23では、算出された最小濃度値および最大濃度値を用いて上記ブロックにおける最大濃度差を算出する(S53)。一方、総和濃度繁雑度算出部24では、上記ブロックにおける、隣接する画素の濃度差の絶対値の総和、つまり総和濃度繁雑度を算出する(S54)。これら最大濃度差の算出処理と総和濃度繁雑度の算出処理とは順次行われるもの、または並行して行われるものいずれであってもよい。
次に、判定領域設定部25では、最大濃度差算出部23にて算出された最大濃度差と最大濃度差閾値THdとを比較し、総和濃度繁雑度算出部24にて算出された総和濃度繁雑度と総和濃度繁雑度閾値THbとを比較する(S55)。
そして、判定領域設定部25では、最大濃度差が最大濃度差閾値THdよりも小さく、かつ総和濃度繁雑度が総和濃度繁雑度閾値THbよりも小さい場合に、そのブロックに含まれる注目画素を下地・印画紙領域のものと判定する(S56)。一方、上記条件を満たさない場合に、上記注目画素を文字・面積階調画素領域のものと判定する(S58)。
次に、下地・印画紙判定部29では、注目画素が下地・印画紙領域のものと判定された場合に(S55、S56)、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差と下地・印画紙判定閾値とを比較する(S58)。この比較の結果、最大濃度差の方が小さければその注目画素を下地領域のものと判定し(S60)、最大濃度差の方が大きければその注目画素を印画紙領域のものと判定する(S61)。
一方、文字・面積階調画素判定部104では、注目画素が文字・面積階調画素領域のものと判定された場合に(S55、S58)、その注目画素を含むブロックの上記最大濃度差に文字・面積階調画素判定閾値を掛けた値と上記総和濃度繁雑度とを比較する(S59)。この比較の結果、総和濃度繁雑度の方が小さければその注目画素を文字領域のものと判定し(S62)、総和濃度繁雑度の方が大きければ、その注目画素を面積階調画素領域のものと判定する(S63)。
なお、S59の判定において、最大濃度差に文字・面積階調画素判定閾値を掛けた値は、図16に示すように、第2面積階調画素領域も含んだ面積階調画素領域を検出することができるように、図4に示した最大濃度に文字・網点判定閾値を掛けた値よりも小さい値に設定されている。
次に、S59、S63を経て面積階調画素と判定された画素のうちから印刷網点に属する画素(第1面積階調画素)を抽出する(S64)。ここでの第1面積階調画素の抽出は、画像データから上記最大濃度および総和濃度繁雑度とは異なる特徴量(第2の特徴量)を求め、その特徴量に基づいて行う。
その後、原稿種別自動判別部100では、原稿画像の全ての画素について以上の処理が終了しているか否かを判定し(S65:図15)、終了していなければS51に戻ってそれ以下の処理を繰り返す。一方、終了していれば、S66〜S69の処理を経た後、原稿判定部39において原稿種別の判定を行う(S69)。
次に、面積階調画素判定部108での判定動作について図15のフローチャートに基づいて説明する。
面積階調画素判定部108では、網点画素抽出部107から得られる第1面積階調画素の計数値をCs1、このCs1を面積階調画素計数部106にて計数された面積階調画素数から差し引いて得られる第2面積階調画素の計数値をCs2、面積階調画素判定閾値設定部109における面積階調画素判定閾値をTHsとすると、
Cs1/Cs2>THs
を満たす場合に、その領域を印刷網点と判定し(S66、S67)、第1面積階調画素の計数値を網点の計数値とする。一方、上式を充たさない場合に、その領域を印刷網点ではないと判定する(S66、S68)。この判定において、面積階調画素判定閾値THsは例えば0.15とする。面積階調画素判定閾値THsは、種々の画像サンプルを基に、適切な値を設定すれば良い。
本実施の形態の原稿種別自動判別部100では、先ず面積階調画素計数部106において第1の特徴量を用いて面積階調画素(面積階調画像領域を構成する画素)を検出する。次に検出された面積階調画素から網点画素抽出部107において第1の特徴量とは異なる第2の特徴量を用いて第1面積階調画素(網点)を抽出する構成である。以下にこのための構成例について説明する。なお、それら構成例は図14のS64の処理を行うものである。
(1)網点画素抽出部の構成例1
図17は、この構成例1における網点画素抽出部107の動作を示すフローチャートである。図18(a)は、注目画素を中心として複数画素を有するブロックにおいて、主走査方向での画像濃度の反転回数を調べる処理の説明図であり、図18(b)は、同ブロックにおいて、副走査方向での画像濃度の反転回数を調べる処理の説明図である。また、図19は、画像濃度の反転の有無を判定するための閾値と各画素の濃度との関係の一例を示す説明図である。図20は、図19に示した各画素間での濃度の「立ち上がり」および「立ち下がり」の有無を示す説明図である。
この構成例1では、第1面積階調画素を抽出するための特徴量(第2の特徴量)として画像濃度の反転回数を用いている。具体的には、網点画素抽出部107は、先ず、注目画素を中心とする、例えば7×7画素のブロックにおいて、主走査方向および副走査方向について画像濃度の反転回数を求める(S251)。次に、これら両反転回数のうちの大きい方の値(MaxNdt)を選択する(S252)。次に、選択した反転回数値(MaxNdt)と閾値THdt(例えば6に設定)とを比較する(S253)。比較の結果、反転回数値(MaxNdt)がTHdt以上であれば、注目画素は第1面積階調画素であると判定し(S254)、反転回数値(MaxNdt)がTHdt未満であれば、注目画素は第2面積階調画素であると判定する(S255)。
このように、画像濃度の反転回数を第1面積階調画素を抽出するための特徴量とすれば、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)では濃淡が明確であるのに対して、インクジェット方式の画像形成装置(プリンタ、複写機もしくは複合機)で出力された第2面積階調画素では濃淡が不明確であることによる。すなわち、上記閾値THdtを第2面積階調画素の濃淡の変化範囲よりも大きい値に設定しておけば、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。
次に、画像濃度の反転回数の求め方について説明する。例えば主走査方向における画像濃度の反転回数を調べる場合には、主走査方向に隣接する画素同士の濃度の差分値(右側の画素値−左側の画素値)を求める。この差分値が所定の閾値(例えば30)以上の場合には、立ち上がり(差分値が正)または立ち下がり(差分値が負)であると判定する。そして、「立ち上がり」に対してその後に「立ち下がり」が検出された場合、および「立ち下がり」に対してその後に「立ち上がり」が検出された場合に、画像濃度の反転有りとしてカウントする。
具体例として、画像が図19に示すような濃度分布を有する場合を挙げる。ここでは、上記閾値THdtを左端の画素の濃度値と同じ値としている。同図の場合、各画素間での「立ち上がり」「立ち下がり」は図20のようになる。なお、図19および図20に示す<1>〜<8>は、隣接する画素間の濃度変化を調べるべき領域を示している。
図20においては、<1>での立ち上がりに対してその後に<6>で立ち下がりが観測され、この時点で反転回数として「1」がカウントされる。
(2)網点画素抽出部の構成例2
図21は、この構成例2における網点画素抽出部107の動作を示すフローチャートである。この構成例2では、第1面積階調画素を抽出するための特徴量(第2の特徴量)として、注目画素を中心とした複数の画素からなるブロックにおける画素値(濃度値)の標準偏差を用いている。具体的には、網点画素抽出部107は、注目画素を中心とする例えば5×5画素のブロックにおいて、RGBの各プレーン毎(色成分毎)に画素値の標準偏差σを求める(S261)。標準偏差σは、下記(1)式によって求めることができる。
Figure 0004170353
次に、網点画素抽出部107は、上記ブロックにおいて、色成分毎の標準偏差σのうちの何れかの色成分の標準偏差σが閾値THsd(例えば15)よりも大きいか否かを判定する(S262)。この判定の結果、何れかの色成分の標準偏差σが閾値THsdよりも大きい場合には上記注目画素は第1面積階調画素であると判定し、そうでない場合には上記注目画素は第2面積階調画素であると判定する。
このように、色成分毎の標準偏差σを第1面積階調画素を抽出するための特徴量とすれば、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)は濃淡が明確であるので、濃淡が不明確な第2面積階調画素よりも標準偏差が大きくなることによる。
(3)網点画素抽出部の構成例3
図22は、この構成例3における網点画素抽出部107の動作を示すフローチャートである。また、図23は、網点画素抽出部107の図22に示す第1面積階調画素の抽出動作の説明図である。
この構成例3では、第1面積階調画素を抽出するための特徴量(第2の特徴量)として、複数の画素からなる一つのブロック内における平均濃度差を用いている。具体的には、例えば一つのブロック内に設定した複数の画素からなるブロック同士の平均濃度差を用いている。
この場合、網点画素抽出部107は、注目画素を中心とする例えば15×7画素のブロックにおいて、5×5画素のブロックを2つ抽出する。次に、網点画素抽出部107は、2つのブロックのそれぞれにおいて、画素の色成分ごとに平均濃度を算出する。次に、網点画素抽出部107は、算出した画素の色成分ごとの平均濃度値について、2つのブロック同士での平均濃度値の差分(ブロック間の平均濃度差)Psubを求める(S271)。
次に、網点画素抽出部107は、S271において求めた色成分ごとのブロック間の平均濃度差のうちの最大値MaxPsubを求める(S272)。
次に、網点画素抽出部107は、最大値MaxPsubと所定の閾値THsub(例えば5)とを比較し、最大値MaxPsubが閾値THsubよりも小さい場合に、注目画素は第1面積階調画素であると判定する(S274)。また、そうでない場合に、注目画素は第2面積階調画素であると判定する(S275)。
このように、複数の画素からなるブロック内の平均濃度差を第1面積階調画素を抽出するための特徴量とすれば、第1面積階調画素を適切に抽出することができる。これは、第1面積階調画素(印刷網点)は濃度(画素値)が揃っているので、第2面積階調画素の場合よりもブロックの平均濃度差が小さくなることによる。
以上の例では、第1の特徴量として最大濃度差および総和濃度繁雑度を用いて面積階調領域を抽出し、第2の特徴量として(1)反転回数、(2)標準偏差もしくは(3)ブロックの平均濃度差を用いて第1面積階調画素の検出を行っている。しかしながら、これらを適宜組み合わせて、面積階調画素および第1面積階調画素を検出するようにしても良い。例えば、反転回数を用いて面積階調画素を抽出し、標準偏差を用いて第1面積階調画素を抽出する方法等が挙げられる。
また、以上の実施形態に記載の構成では、最大濃度差および総和濃度繁雑度を用いて、文字・網点・印画紙写真(連続階調)・下地領域の判別を行っている。しかしながら、上記のように、(1)反転回数、(2)標準偏差もしくは(3)ブロックの平均濃度差を適宜組み合わせて面積階調画素および第1面積階調画素を検出するようにした場合には、面積階調画素の検出に上記最大濃度差および総和濃度繁雑度を使用しないことになる。したがって、この場合には、文字・面積階調領域であると判定された画像データに対して(図14のS58)、例えば、エッジ検出フィルタ(例えば、ゾーベルフィルタやラプラシアンフィルタ)を用いて演算結果を閾値処理し、文字エッジであるか否かの判定を行うとともに、反転回数を算出し、閾値処理を行うことによって面積階調画素であるか否かの判定を行うようにすれば良い。この場合には、これらの判定結果を基に、例えば下記の表1を参照して最終の判定を行うことができる。
Figure 0004170353
なお、表1において、「1」はエッジとしての特徴、反転回数としての特徴が検出されていることを表す。また、エッジ、反転回数両者の特徴が検出されている場合は、面積階調画素と判定されるように設定している。さらに、「不明」と判定された画素については、例えば何も処理を施さないという対応を行ってもよい。
あるいは、実施の形態1の場合と同様に、実施の形態2に記載の(1)反転回数、(2)標準偏差、(3)ブロックの平均濃度差においても2通りの判定基準を設定して、第1面積階調画素と第2面積階調画素を検出するようにしても良い。
〔適用例〕
図12には、本発明の構成を適用した画像読取装置(フラットベッドスキャナ)のブロック図を示す。
図12に示すように、画像読取装置はカラー画像入力装置1とカラー画像処理装置51とを備えている。カラー画像処理装置51は、A/D変換部11、シェーディング補正部12および原稿種別自動判別部13を備えている。
カラー画像入力装置1は、例えばCCD(Charge Coupled Device )を備えたスキャナ部より構成され、原稿からの反射光像を、RGB(R:赤・G:緑・B:青)のアナログ信号としてCCDにて読み取って、カラー画像処理装置2に入力するものである。
カラー画像入力装置1にて読み取られたアナログ信号は、カラー画像処理装置2内を、A/D変換部11、シェーディング補正部12、原稿種別自動判別部13の順に送られ、RGBのデジタルカラー信号として、パーソナルコンピュータなどへ出力される。
A/D変換部11、シェーディング補正部12および原稿種別自動判別部13の機能については前述の通りである。
上述の各処理が施された画像データは、コンピュータやプリンタに入力される。尚、以上の処理は図示しないCPU(Central Processing Unit)により制御される。
本発明はコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体に、上記した原稿種別の判別を行う画像処理方法を記録するものとすることもできる。これにより、原稿種別の判別を行う画像処理方法を行うプログラムを記録した記録媒体を持ち運び自在に提供することができる。
なお、本実施の形態では、この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理が行われるために図示していないメモリ、例えばROMのようなものそのものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読み取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することで読み取り可能なプログラムメディアであっても良い。
いずれの場合においても、格納されているプログラムはマイクロプロセッサがアクセスして実行させる構成であっても良いし、あるいは、いずれの場合もプログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータの図示されていないプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であってもよい。このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
ここで、上記プログラムメディアは、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD等の光ディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する媒体であっても良い。
また、本実施の形態においては、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であることから、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する媒体であっても良い。なお、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであっても良い。
上記記録媒体は、デジタルカラー画像形成装置やコンピュータシステムに備えられるプログラム読み取り装置により読み取られることで上述した画像処理方法が実行される。
コンピュータシステムは、フラットベッドスキャナ・フィルムスキャナ・デジタルカメラなどの画像入力装置、所定のプログラムがロードされることにより上記画像処理方法など様々な処理が行われるコンピュータ、コンピュータの処理結果を表示するCRTディスプレイ・液晶ディスプレイなどの画像表示装置およびコンピュータの処理結果を紙などに出力するプリンタより構成される。さらには、ネットワークを介してサーバーなどに接続するための通信手段としてのネットワークカードやモデムなどが備えられる。
以上のように、本実施の形態の画像処理装置では、原稿種別自動判別において、すべてのインクジェット等出力原稿(インクジェット方式や電子写真方式を用いて出力された画像)を判別するのではなく、従来の原稿モードで良好に再現することができないインクジェット等出力原稿(特定インクジェット等出力原稿)だけを限定的に判別することにより、認識精度を向上できるとともに画質を向上できるようになっている。また、判別方法としては、面積階調画素(面積階調画像領域を構成する画素)を判定するにあたり、2通りの閾値を採用し、網点印刷原稿のみに用いられている第1面積階調画素(網点)と網点印刷原稿とインクジェット等出力原稿に含まれる第2面積階調画素の数を計数し、これらの結果に対して閾値処理を行うことにより特定のプリント原稿を識別している。
そして、本画像処理装置では、特定インクジェット等出力原稿と判定された原稿に対して領域分離を行うことなく、画像全体に対して同一の処理を行うことにより、画質の劣化を防止できるようになっている。すなわち、従来では、原稿画像に対して領域分離を行い、例えば、網点領域と判別した領域にはモアレを抑制するために画像をぼかすような処理を行い、また印画紙領域と判別した領域には画像の輪郭を鮮明にするような処理を行っていた。したがって、特定インクジェット等出力原稿の画像に対しても従来のように領域分離を行い、領域ごとに異なる処理を行った場合には、それら領域間の画像において本来境目がない部分に境目が生じてしまい、画質が劣化する。本画像処理装置では、このような問題を解消できる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、原稿種別を判別する必要のある機器、例えばカラーコピー機、フラットベッドスキャナ、フィルムスキャナ、デジタルカメラ等にも適用できる。
本発明の実施の一形態における画像処理装置が備える原稿種別自動判別部の構成を示すブロック図である。 図1に示した原稿種別自動判別部を備えるデジタルカラー複写機の概略構成を示すブロック図である。 図3(a)は下地領域の最大濃度差と濃度を有する領域の分布とを示す説明図、図3(b)は印画紙領域における同説明図、図3(c)は網点領域における同説明図、図3(d)は文字領域における同説明図である。 図3に示した各領域についての最大濃度差と総和濃度繁雑度との関係を示すグラフである。 図5(a)は第1面積階調画素(網点)を含む領域における1網点(1ドット)付近の画素の濃度値を示す説明図、図5(b)は第1面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。 図6(a)は第2面積階調画素を含む領域における1ドット付近の画素の濃度値を示す説明図、図6(b)は第2面積階調画素を含む領域における濃度変化を示す説明図である。 図1に示した原稿種別自動判別部における原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。 図7のS15に示した第2面積階調画素抽出部による第2面積階調画素抽出処理の流れを示すフローチャートである。 図8のS154に示した補正部による補正処理の流れを示すフローチャートである。 図7のフローチャートに続く、原稿種別自動判別部における原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。 図1に示した補正部における補正処理の説明図である。 図1に示した原稿種別自動判別部を備える画像読取装置の一例を示すブロック図である。 本発明の実施の他の形態における画像処理装置が備える原稿種別自動判別部の構成を示すブロック図である。 図13に示した原稿種別自動判別部による原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。 図14のフローチャートに続く、原稿種別自動判別部における原稿種別判別処理の流れを示すフローチャートである。 図13に示した原稿種別自動判別部で用いられる、図3に示した各領域についての最大濃度差と総和濃度繁雑度との関係を示すグラフである。 図13に示した網点画素抽出部において、第1面積階調画素を抽出するための特徴量として画像濃度の反転回数を用いた場合の動作を示すフローチャートである。 図18(a)は、図17に示した処理において、注目画素を中心として複数画素を有するブロックに対し、主走査方向での画像濃度の反転回数を調べる処理の説明図、図18(b)は、同ブロックに対し、副走査方向での画像濃度の反転回数を調べる処理の説明図である。 図17に示した処理において、画像濃度の反転の有無を判定するための閾値と各画素の濃度との関係の一例を示す説明図である。 図19に示した各画素間での濃度の「立ち上がり」および「立ち下がり」の有無を示す説明図である。 図13に示した網点画素抽出部において、第1面積階調画素を抽出するための特徴量として画素値の標準偏差を用いた場合の動作を示すフローチャートである。 図13に示した網点画素抽出部において、第1面積階調画素を抽出するための特徴量としてブロックの平均濃度差を用いた場合お動作を示すフローチャートである。 図13に示した網点画素抽出部における図22に示す第1面積階調画素の抽出動作の説明図である。
符号の説明
2 カラー画像処理装置
13 原稿種別自動判別部(判別手段)
14 入力階調補正部
21 最小濃度値算出部(特徴量抽出部)
22 最大濃度値算出部(特徴量抽出部)
23 最大濃度差算出部(特徴量抽出部)
24 総和濃度繁雑度算出部(特徴量抽出部)
25 判定領域設定部(第1面積階調画素検出部、第2面積階調画素検出部)
26,102 最大濃度差閾値設定部(判定基準設定部)
27,103 総和濃度繁雑度閾値設定部(判定基準設定部)
28 文字・網点判定部(第1面積階調画素検出部)
29 下地・印画紙判定部
30 文字・網点判定閾値設定部(判定基準設定部)
31 下地・印画紙判定閾値設定部
32 第2面積階調画素抽出部
33 文字画素計数部
34 第1面積階調画素計数部
35 下地画素計数部
36 印画紙画素計数部
37 面積階調画素判定部(種別決定部)
38 面積階調画素判定閾値設定部(種別決定部)
39 原稿判定部(種別決定部)
41 画素抽出部(第2面積階調画素検出部)
42 補正部
43 画素計数部
100 原稿種別自動判別部(判別手段)
104 文字・面積階調画素判定部(面積階調画素検出部)
105 文字・面積階調画素判定閾値設定部
106 面積階調画素計数部
107 網点画素抽出部(第1面積階調画素検出部)
108 面積階調画素判定部(種別決定部)
109 面積階調画素判定閾値設定部(種別決定部)
110 原稿判定部(種別決定部)

Claims (11)

  1. 入力された画像データの種別を判別する判別手段を備えた画像処理装置において、
    前記判別手段は、前記画像データから面積階調画素領域についての特徴量を抽出する特徴量抽出部と、
    前記特徴量についての第1の判定基準、およびこの第1の判定基準よりも前記特徴量についての低い判定基準である第2の判定基準を設定する判定基準設定部と、
    前記特徴量を前記第1の判定基準と比較して前記画像データから第1の面積階調画素を検出する第1面積階調画素検出部と、
    前記特徴量を前記第2の判定基準と比較して前記画像データから第2の面積階調画素を検出する第2面積階調画素検出部と、
    前記画像データにおける第1の面積階調画素の数と第2の面積階調画素の数とに基づいて画像データの種別を決定する種別決定部とを備え、
    前記第1の判定基準は、前記第1の面積階調画素として、前記画像データにおける網点印刷画像領域の画素を検出するための閾値であり
    前記第2の判定基準は、前記第2の面積階調画素として、インクジェットプリンタ画像領域の画素および電子写真方式の画像形成装置で出力された画像領域の画素を検出するための閾値であり、
    前記判別手段の後段に領域分離処理部を備え、この領域分離処理部により分離された画像データの各領域に対して、その領域に応じた画像処理を行うものであり、
    前記判別手段により、前記画像データの種別が、インクジェットプリンタ画像もしくは電子写真方式の画像形成装置で出力された画像と判別された場合には、前記領域分離処理部での処理を行わず、前記画像データ全体に対して同一の画像処理を行うことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記第2面積階調画素検出部は、前記第2の判定基準に基づいて第2面積階調画素ではないと判定した画素についてのこの判定結果を、当該画素の周辺に存在する画素についての判定結果に基づいて補正する判定結果補正部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記特徴量は、前記画像データが有する濃度差および濃度差の総和を示す繁雑度を抽出したものであることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  4. 前記種別決定部は、第2の面積階調画素に対する第1の面積階調画素の比に基づいて画像データの種別を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1の面積階調画素は網点印刷写真領域に属する面積階調画素であり、前記第2の面積階調画素は網点印刷写真領域に属する面積階調画素、および網点印刷写真領域と印画紙写真領域とに属さない第3の面積階調画素の少なくとも一方を含んでおり、
    前記種別決定部は、画像データの種別の決定処理において、前記画像データにおける前記第3の面積階調画素の領域の存在の有無を判別することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  6. 判別手段の前記種別決定部にて画像データが前記第3の面積階調画素の領域を含むと判定された場合に、画像データの全領域に対して同一種類の処理を行うことを特徴とする請求項に記載の画像処理装置。
  7. 請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像読取装置。
  8. 請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
  9. 入力された画像データの種別を判別する判別ステップを備えた画像処理方法において、
    前記判別ステップは、前記画像データから面積階調画素領域についての特徴量を抽出する特徴量抽出ステップと、
    前記特徴量についての第1の判定基準、およびこの第1の判定基準よりも前記特徴量についての低い判定基準である第2の判定基準を設定する判定基準設定ステップと、
    前記特徴量を前記第1の判定基準と比較して前記画像データから第1の面積階調画素を検出する第1面積階調画素検出ステップと、
    前記特徴量を前記第2の判定基準と比較して前記画像データから第2の面積階調画素を検出する第2面積階調画素検出ステップと、
    前記画像データにおける第1の面積階調画素の数と第2の面積階調画素の数とに基づいて画像データの種別を決定する種別決定ステップとを備え、
    前記第1の判定基準は、前記第1の面積階調画素として、前記画像データにおける網点印刷画像領域の画素を検出するための閾値であり
    前記第2の判定基準は、前記第2の面積階調画素として、インクジェットプリンタ画像領域の画素および電子写真方式の画像形成装置で出力された画像領域の画素を検出するための閾値であり、
    判別ステップの後段に領域分離処理ステップを備え、この領域分離処理ステップにより分離された画像データの各領域に対して、その領域に応じた画像処理を行うものであり、
    前記判別ステップにより、前記画像データの種別が、インクジェットプリンタ画像もしくは電子写真方式の画像形成装置で出力された画像と判別された場合には、前記領域分離処理ステップの処理を行わず、前記画像データ全体に対して同一の画像処理を行うことを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項1からのいずれか1項に記載の画像処理装置を動作させるプログラムであって、コンピュータを上記の各部として機能させるためのプログラム。
  11. 請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。
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