以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って本実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する本発明の構成において、同様のものを指す符号は異なる図面間で共通の符号を用いて示し、同一部分又は同様な機能を有する部分の詳細な説明は省略する。
なお、以下に、各々の実施の形態において、様々な図を用いて述べていく。その場合、ある一つの実施の形態において、各々の図で述べる内容(一部の内容でもよい)は、別の図で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、ある一つの実施の形態において述べる図において、各々の部分に関して、別の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
同様に、一つまたは複数の実施の形態の各々の図で述べる内容(一部の内容でもよい)は、一つまたは複数の別の実施の形態の図で述べる内容(一部の内容でもよい)に対して、適用、組み合わせ、又は置き換えなどを自由に行うことが出来る。さらに、一つまたは複数の実施の形態の図において、各々の部分に関して、一つまたは複数の別の実施の形態の部分を組み合わせることにより、さらに多くの図を構成させることが出来る。
なお、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、ある一つの実施の形態の中で述べる内容(一部の内容でもよい)は、その実施の形態で述べる別の内容(一部の内容でもよい)への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
なお、一つまたは複数の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)は、一つまたは複数の他の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)を、具現化した場合の一例、少し変形した場合の一例、一部を変更した場合の一例、改良した場合の一例、詳細に述べた場合の一例、応用した場合の一例、関連がある部分についての一例などを示している。したがって、一つまたは複数の他の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)は、一つまたは複数の実施の形態で述べる内容(一部の内容でもよい)への適用、組み合わせ、又は置き換えを自由に行うことができる。
なお、本明細書において、フローチャートに記載された複数の動作が、記載された時系列に沿って行われる場合はもちろん含まれるが、必ずしも時系列に沿って行なわれずに順序が入れ替わる場合、あるいは個別の動作がそれぞれ行われる場合、等も含まれることとする。
(実施の形態1)
第1の実施の形態として、表示装置の構成例およびその駆動方法について説明する。
まず、本実施の形態および他の実施の形態で用いる語句について説明する。人間の目は、ある周波数(臨界周波数)以上に速く変化する輝度を知覚できない性質を有している。具体的には、概ね50Hz以上の周波数、すなわち20ミリ秒以下の時間内で変化する輝度を、人間の目は知覚することができず、一定の明るさとして知覚する。このとき、人間の目に知覚される明るさは、瞬間的な輝度を時間で積分した量に従う。
本実施の形態および他の実施の形態においては、瞬間的な輝度を明示する場合は、瞬間輝度と呼ぶこととする。そして、瞬間輝度を時間で積分した量を明示する場合は、積分輝度(あるいは知覚輝度)と呼ぶこととする。なお、時間で積分するときの時間の範囲については、本実施の形態および他の実施の形態においては、1フレーム期間とする。
なお、映像信号の規格の一つであるNTSCにおいては、1フレーム期間は1/60秒であり、同じく映像信号の規格の一つであるPALにおいては、1フレーム期間は1/50秒であり、いずれも20ミリ秒よりも短い。なお、瞬間輝度の大きさ自体は、人間の目に知覚される明るさと直接的な相関はない。たとえば、瞬間輝度がいくら大きくても、その瞬間輝度となる時間が短ければ、人間の目に知覚される明るさは小さくなってしまう。人間の目に知覚される明るさと直接的な相関があるのは、積分輝度である。積分輝度が大きいほど、人間の目に知覚される明るさは大きくなり、積分輝度が小さいほど、人間の目に知覚される明るさは小さくなる。
以下に、表示装置の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態で示す表示装置は、例えば、複数の画素を有し、それぞれの画素において1フレーム期間内に複数回の信号書込みが行なわれることによって複数の瞬間輝度が表示され、これら複数の瞬間輝度の時間積分量が制御されることで階調が表示される表示装置であって、当該画素の階調データが大きいほど瞬間輝度の時間積分量が増加され、表示される画像の階調データの平均値が小さいほど瞬間輝度の時間積分量が増加されることを特徴としている。なお、それぞれの画素において書き込まれる信号は、アナログ信号とすることができる。なお、1フレーム期間内の書込みは複数回に限定されず、1回でも良い。
なお、消費電力を低減させたい場合には、表示される画像の階調データの平均値が小さくても瞬間輝度の時間積分量を必ずしも増加させなくても良い。
表示装置の表示領域のうち、ある一つの画素に注目し、当該画素の瞬間輝度の時間変化の例を、図1(A)に示す。図1(A)において、横軸は時間、縦軸は瞬間輝度を表している。図1(A)に示す瞬間輝度の時間変化の例は、画素に書き込まれる信号に対し、表示素子が高速に応答する場合を示している。高速に応答するとは、例えば、それぞれのサブフレーム期間のおよそ1/4未満の時間内で応答する場合をいう。このような表示素子としては、例えば有機EL素子、OCB(Optically Compensated Bend)モードの液晶素子、強誘電性液晶を用いた液晶素子、等が挙げられる。あるいは、表示素子の応答時間を無視して近似的に表した場合の一例であるということもできる。
1フレーム期間内において複数回の信号書込みが行なわれることによって、当該画素の瞬間輝度は、複数の値をとることができる。本実施の形態においては、図1(A)に示す例のように、1フレーム期間内において2回の信号書込みを行う場合について説明する。ただし、これに限定されず、1フレーム期間内においてN回(Nは正の整数)の信号書込みを行う構成としてもよい。
ここで、あるフレーム期間内において、第Nの書込みが行なわれてから第N+1の書込み(または次のフレーム期間の第1の書込み)が行なわれるまでの期間を第Nのサブフレーム期間と呼ぶこととする。さらに、第Nのサブフレーム期間において表示される画像を、第Nのサブ画像と呼ぶこととする。本実施の形態においてはN=2とするので、1フレーム期間は第1のサブフレーム期間(1SF)と第2のサブフレーム期間(2SF)とに分割される。ただし、Nは正の整数としているので、Nは1であっても良いし、3以上の整数であっても良い。そして、本実施の形態においては、それぞれのサブフレーム期間の長さは全て等しいとして説明する。ただし、これに限定されず、信号書込みのタイミングを制御することによって、それぞれのサブフレーム期間の長さは様々に変更することができる。
当該画素の瞬間輝度が図1(A)に示すように時間的に変化した場合、1フレーム期間を積分範囲とした積分輝度Lは、1フレーム期間内において瞬間輝度と時間軸で囲まれた領域の面積となる。さらに、1フレーム期間を積分範囲とした積分輝度Lは、第1のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L1と、第2のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L2の和として表される。すなわち、L=L1+L2が成り立つ。
一方、1フレーム期間を積分範囲とした積分輝度Lは、当該フレームにおいて表示されるべき画像(元画像)の階調データX0に従った値となることが望ましい。さらに、1フレーム期間を積分範囲とした積分輝度Lを、表示される画像の階調データ分布によって決まる倍率Kによって様々に変化させることで、本実施の形態における表示装置を得ることができる。
したがって、本実施の形態における表示装置の一つは、L=K・L0を満たすことが望ましい。なお、倍率Kを大きくさせることは、画面全体の明るさを大きくさせることに対応している。よって、倍率Kは、画面全体の明るさを大きくする度合と言い換えることができる。ここで、L0は元画像の階調データX0に従った値の積分輝度であり、ここでは、元画像の階調データX0に従ってホールド駆動させたときの積分輝度であるとする。したがって、積分輝度Lは、数式(1)の関係が成り立つ。
数式(1)において、Kは倍率、Fは1フレーム期間の長さ、nは1フレーム期間に対する第1のサブフレーム期間のデューティー比(0<n≦1)、I0(t)は元画像の階調データX0に従って決まる瞬間輝度、I1(t)は第1のサブ画像の階調データX1に従って決まる瞬間輝度、I2(t)は第2のサブ画像の階調データX2に従って決まる瞬間輝度である。そして、倍率Kを階調データ分布によって決められる量とすることで、本実施の形態における表示装置を得ることができる。
階調データ分布によって倍率Kを決める方法は、例えば、階調データ分布から、表示されるべき画像の平均階調を求め、平均階調が大きい画像であるほど倍率Kを小さくし、平均階調が小さい画像であるほど倍率Kを大きくする方法とすることができる。平均階調が小さい画像であるほど倍率Kを大きくすることで、全体的に暗い画像の中の一部だけに高階調な部分が含まれているような画像(夜景、花火等)のピーク輝度を向上させることができるので、夜景の輝き、火花の閃光、金属の光沢等の表現能力が大きく向上された表示装置を得ることができる。さらに、高階調画像であるほど倍率Kを小さくすることで、観察者が眩しく感じてしまうことを抑制することができるので、表示の見易さが向上された表示装置を得ることができる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L1と、第2のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L2の和として表される積分輝度Lが、表示される画像の階調データ分布によって決まる倍率K、および元画像の階調データX0に従って変化し、前記倍率Kは、画面全体の明るさを大きくする度合であり、表示されるべき画像が平均階調の大きい画像であるほど小さく、平均階調の小さい画像であるほど大きいことを特徴としている。
本実施の形態における表示装置が画像を表示する場合の例について、図1(C)および(D)を参照して説明する。図1(C)および(D)は、横軸に時間をとり、各画素の瞬間輝度に従って瞬間的に表示される画像(表示画像)と、各画素の積分輝度に従って人間の目に知覚される画像(知覚画像)を並べて示したものである。図1(C)においては、第1の元画像から得られた第1のサブ画像14と第2のサブ画像15が、第1のフレーム期間内で順に表示されることとする。同様に、図1(D)においては、第2の元画像から得られた第1のサブ画像17と第2のサブ画像18が、第2のフレーム期間内で順に表示されることとする。
このように、第1のサブ画像14と第2のサブ画像15を順に表示すると、人間の目に知覚される画像は、第1の知覚画像16に示すように、第1のサブ画像14と第2のサブ画像15が平均化されたものとなる。同様に、第1のサブ画像17と第2のサブ画像18を順に表示すると、人間の目に知覚される画像は、第2の知覚画像19に示すように、第1のサブ画像17と第2のサブ画像18を平均化したものとなる。第1の知覚画像16および第2の知覚画像19は、それぞれ第1の元画像および第2の元画像に従った画像とされることができる。具体的には、それぞれの元画像から、倍率Kの大きさに従って全体の明るさが増減された画像とされることができる。倍率Kは、それぞれの元画像の階調データ分布、例えば平均階調によって決められることができる。こうすることで、画像によってピーク輝度が変調されることができるので、画像の品質を高めることができる。
図1(C)における第1の元画像は、山の間からの日の出の画像である。より詳細には、山や空といった背景の大部分が暗い画像の中で、太陽の一部分だけ山の間からのぞいているような場合であり、第1の元画像における平均階調は小さな値となる。このような場合、高階調領域(太陽に相当する部分)については、第1のサブ画像14だけでなく第2のサブ画像15においても明るく表示させることで、第1の知覚画像16において一部分だけ見える太陽の光をより明るくする(ピーク輝度をより高める)ことができるので、太陽の明るさをより強調させることができ、画像の品質を高めることができる。
一方、図1(D)における第2の元画像は、同じく山と空と太陽の画像であるが、第1の元画像とは異なり、山や空といった背景の大部分がある程度明るくなっている場合である。この場合、第2の元画像における平均階調は大きな値となる。このとき、空や太陽があまりに明るいと、観察者にとっては眩しくなりすぎ、かえって障害となってしまう。したがって、画像は主として第1のサブ画像17によって表示し、第2のサブ画像18は黒表示とすることで輝度を抑えることができるので、眩しくなりすぎることを抑制できる。
このように、元画像の平均階調が大きい場合には、一方のサブ画像を黒表示とすることで画像の輝度を抑制し、元画像の平均階調が小さい場合には、黒表示としていたサブ画像の必要な部分を明るく表示することで、明るい領域がより明るく表示されることにより画質が向上されつつ、黒画像が挿入されることにより動画の品質も同時に高めることが可能となる。
さらに、このとき、バックライトを一定の輝度とすることができるので、ピーク輝度を大きくしてもバックライトの光漏れが大きくなることがない。つまり、ピーク輝度を大きくしても黒浮きの増大がないので、静止画コントラストを高めることができる。なお、バックライトの輝度を一定にできることは、バックライトの効率を高められること、バックライトの寿命を長くできること、バックライトの駆動回路を簡略なものとすることによる消費電力および製造コストの低減、等につながるため、非常に大きな利点となる。ただし、バックライトの輝度は一定であることに限定されず、画像によって増減されることもできる。
画像の全体的な明るさに従ってバックライト光源の間欠駆動を制御する方法では、全体的に暗い画像であるときに黒画像を挿入する時間が短くなるため、ホールド駆動による残像が発生し、動画の品質が低下する問題があった。しかし、本実施の形態における表示装置は、全体的に暗い画像であるときにも黒画像を挿入する時間を十分に長くすることができるため、動画の品質を向上できるという利点を有する。特に、複数のサブフレーム期間の長さを等しくすることによって、上記利点に加え、周辺駆動回路の周波数の増加を抑制できる。さらに、全体的に明るい画像と全体的に暗い画像を交互に表示することで液晶分子の光学的状態が平均化されるため、視野角を向上させることができる。
また、画像の全体的な明るさに従ってバックライト光源の瞬間輝度を増減する方法では、全体的に暗い画像であるときの黒表示画素の微発光が増大し、コントラスト比が低下する問題があった。しかし、本実施の形態における表示装置は、全体的に暗い画像であるときに黒表示画素の微発光が増大することを抑制することができるため、コントラスト比を向上できるという利点を有する。さらに、全体的に明るい画像と全体的に暗い画像を交互に表示することで液晶分子の光学的状態が平均化されるため、視野角を向上させることができる。
なお、倍率Kの決定に際して用いる階調データ分布は、画像全体を対象とした分布とすることができる。こうすることによって、ピーク階調領域の画像内における位置等によらず、最適な倍率Kを決定できる。または、倍率Kの決定に際して用いる階調データ分布は、画像の一部を対象とした分布とすることができる。こうすることによって、倍率Kの決定の根拠として適さない領域(字幕等)が階調データ分布に含まれてしまうことを避けることができるので、最適な倍率Kを決定できる。
次に、数式(1)における積分輝度Lと、元画像の階調データX0の関係について説明する。数式(1)における瞬間輝度I0(t)は元画像の階調データX0に従って決められるが、具体的には、数式(2)に示すように表すことができる。
数式(2)において、γはガンマ値と呼ばれる定数である。ガンマ値はγ=2.2とするのが一般的であるので、本実施の形態および他の実施の形態においても、特に断りのない場合はγ=2.2として説明する。ただし、ガンマ値はこれに限定されず、様々な値をとることができる。そして、XMAXは階調データの最大値である。階調データの最大値XMAXは、本実施の形態においては255であるとする。ただし、これに限定されず、様々な値の数値データを用いることができる。そして、IAは瞬間輝度係数である。瞬間輝度係数IAは、無次元である階調データを瞬間輝度に変換する係数であり、本実施の形態においては全ての画素で同じ値とする。ただし、これに限定されず、画素間で異なる値とすることができる。例えば、液晶表示装置においては、瞬間輝度係数IAはバックライトの瞬間輝度等によって決まる量であるため、表示領域が複数の領域に分割され、それぞれの領域で独立してバックライトの瞬間輝度を制御できる構成である場合には、瞬間輝度係数IAは画素間で異なる値とすることができる。なお、本実施の形態においては、瞬間輝度係数IAは時間に対して一定である場合について述べるが、瞬間輝度係数IAは時間に対して変化させることができる。例えば、液晶表示装置においては、バックライトの瞬間輝度を時間に対して変化させることで、瞬間輝度係数IAを時間に対して変化させることができる。
数式(1)および数式(2)により、積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係を得ることができる。図1(B)は、横軸を元画像の階調データX0、縦軸を積分輝度Lとして、数式(1)および数式(2)で表される積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係について示したグラフである。図1(B)における曲線10は、K=1の場合の積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係であり、曲線11は、K=0.75の場合の積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係であり、曲線12は、K=0.5の場合の積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係であり、曲線13は、K=0.25の場合の積分輝度Lと元画像の階調データX0の関係である。
図1(B)に示すように、本実施の形態における表示装置の一つは、積分輝度Lが元画像の階調データX0に対しべき乗的に増加し、かつ、階調データ分布によって決められる倍率Kに従って増減することを特徴とする。より具体的には、倍率Kがa倍(aは正の数)となれば、積分輝度Lもa倍となることを特徴とする。より具体的には、表示される画像が平均階調の大きい画像であるほど倍率Kは小さくされ、平均階調の小さい画像であるほど倍率Kは大きくされることを特徴とする。
次に、元画像の階調データX0から、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2に変換する方法について述べる。本実施の形態における表示装置において、数式(1)における瞬間輝度I1(t)および瞬間輝度I2(t)は、数式(3)のように表すことができる。
ここで、本実施の形態においては、図1(A)に示す瞬間輝度の時間変化の例のように、画素に書き込まれる信号に対して表示素子が高速に応答する場合であるとするが、これに限定されず、表示素子が低速に応答する場合も含まれる。この場合、瞬間輝度は、それぞれのサブフレーム期間において数式(3)に示す値に徐々に近づくように時間的に変化する。
さらに、数式(3)および数式(2)を数式(1)に代入することによって、数式(4)に示す関係を得ることができる。
数式(4)に示す関係を、階調データ変換式と呼ぶこととする。ここで、(1−n)は、1フレーム期間における第2のサブフレーム期間のデューティー比を表している。数式(4)によると、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例することを特徴とする表示装置とすることができる。なお、このときの比例係数は、階調データ分布によって決まる倍率Kとすることができる。
なお、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2は、数式(4)と元画像の階調データX0によって一意に決まるものではなく、ある程度の任意性を有する。しかし、本実施の形態における表示装置は、数式(4)によって変換された階調データにしたがって、1フレーム期間内に複数回の書込みを行ない、画像を表示する表示装置であれば良い。なぜならば、数式(4)には階調データ分布によって決まる倍率Kが含まれており、倍率Kに応じて階調データを変換させることをもって、ピーク階調を有する画像の表現能力が向上され、かつ、全体的に明るい画像の眩しさが低減され、さらに、インパルス駆動によって動画の残像等が低減された表示装置を得ることができるからである。
次に、本実施の形態における表示装置およびその動作について、図2(A)および(B)を参照して説明する。図2(A)は本実施の形態における表示装置の動作を表したフローチャートであり、図2(B)は図2(A)のような動作を行う表示装置の構成例である。ただし、フローチャートおよび構成例はこれに限定されず、様々なものを用いることができる。
まず、図2(A)における動作21は、入力された元画像の階調データX0の階調データ分布から、画像の特徴量が検出される動作である。動作21は、図2(B)においては、画像特徴量検出部31が、入力された元画像の階調データX0の階調データ分布から、画像の特徴量を検出する機能を有することに対応する。
次に、図2(A)における動作22は、検出された画像の特徴量に従って、数式(1)または数式(4)における倍率Kを決定する動作である。動作22は、図2(B)においては、倍率決定部32が、画像特徴量検出部31によって検出された画像の特徴量に従って、倍率Kを決定する機能を有することに対応する。なお、倍率Kは、例えば、画像の特徴量として階調の平均値(平均階調)を用いた場合、表示されるべき画像が平均階調の大きい画像であるほど小さく、平均階調の小さい画像であるほど大きくされ得る。具体的には、例えば、画面の全ての画素が白表示(全白表示)となる場合の倍率をKW、画面の一部の画素が白表示となる場合の倍率をKW´とすると、KW<KW´とすることができる。
次に、図2(A)における動作23は、決定された倍率Kに従って、数式(4)に示す関係を有するように、元画像の階調データX0を、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2に変換する動作である。その結果、例えば、全ての階調に渡ってX1≦X2またはX1≧X2となる。動作23は、図2(B)においては、階調データ変換部33が、倍率決定部32によって決定された倍率Kに従って、数式(4)に示す関係を有するように、元画像の階調データX0を、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2に変換する機能を有することに対応する。
次に、図2(A)における動作24は、変換された第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2を表示に適した信号に変換する動作である。ここで、表示に適した信号に変換する動作とは、デジタルデータである階調データをアナログ電圧に変換する動作(DA変換)、階調データまたはアナログ電圧を表示素子の特性に合わせて補正する動作(ガンマ補正)、アナログ電圧の極性を反転する動作(極性反転)、等が含まれる。これらの変換動作を、表示素子の特性に合わせて適宜用いることで、本実施の形態における表示装置の表示が実現できる。具体的には、例えば、表示素子として液晶素子を用いた場合、動作24は、DA変換と同時にガンマ補正および極性反転を行なう動作とすることができる。つまり、液晶素子がアナログ電圧によって制御される場合、DA変換が行なわれることになるが、DA変換の出力をガンマ補正および極性反転されたものとすることで、表示装置の構成を簡素なものとすることができるので、製造コストおよび消費電力を低減できる。ただし、これに限定されず、様々な動作が行われ得る。例えば、DA変換する前に階調データをガンマ補正しておき、ガンマ補正された階調データに従ってDA変換および極性反転を行なう動作とすることもできる。さらに、表示素子がデジタル電圧によって制御される場合は、DA変換は省略され得る。さらに、表示素子が交流駆動されない場合は、極性反転は省略され得る。さらに、階調データまたはアナログ電圧を表示素子の特性に合わせて補正する必要がない場合は、ガンマ補正は省略され得る。
動作24は、図2(B)においては、表示制御部34が、制御信号に従って、階調データ変換部33によって変換された階調データを表示に適した信号に変換する機能、さらに、表示部35を適切に制御するための表示制御信号を生成し、それぞれの信号を表示部35へ送る機能を有することに対応する。なお、動作24は、場合によっては省略することができる。動作24を省略する場合は、表示制御部34も省略することができる。
次に、図2(A)における動作25は、表示部35に第1のサブ画像および第2のサブ画像を表示する動作である。ここで、倍率KがKWであるときの積分輝度LWと、倍率KがKW´であるときの積分輝度LW´を比較すると、LW<LW´とすることができる。さらに、このとき、第1のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L1と、第2のサブフレーム期間を積分範囲とした積分輝度L2は、全ての階調に渡ってL1≦L2またはL1≧L2とすることができる。動作25は、図2(B)においては、表示部35が、表示制御部34によって送られた階調信号および表示制御信号に従って、第1のサブ画像および第2のサブ画像を表示する機能を有することに対応する。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、入力された階調データに従って画像の特徴量が検出される動作と、画像の特徴量に従って倍率Kを決定する動作と、倍率Kに従って入力された階調データを第1のサブ画像の階調データおよび第2のサブ画像の階調データに変換する動作と、変換された第1のサブ画像の階調データおよび第2のサブ画像の階調データに従って第1のサブ画像および第2のサブ画像を表示する動作を有することを特徴とする。さらに、本実施の形態における表示装置の一つは、入力された元画像の階調データの階調データ分布を検出する機能を有する画像特徴量検出部31と、画像特徴量検出部31によって検出された階調データ分布に従って倍率Kを決定する機能を有する倍率決定部32と、倍率決定部32によって決定された倍率Kに従って元画像の階調データを第1のサブ画像の階調データおよび第2のサブ画像の階調データに変換する機能を有する階調データ変換部33と、第1のサブ画像および第2のサブ画像を表示する機能を有する表示部35と、を有することを特徴としている。
(実施の形態2)
第2の実施の形態として、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、倍率Kの具体的な決め方の例、および図2(B)における画像特徴量検出部31および倍率決定部32の具体的な構成例およびその動作について述べる。
本実施の形態における表示装置は、第1の実施の形態における表示装置の動作(図2(A))のうち、動作21(画像特徴量検出)および動作22(倍率Kの決定)の部分について、詳細な動作、または別の動作を行う表示装置とする。当該部分以外の動作または構成については、第1の実施の形態における表示装置と同様であるとし、詳細な説明は省略する。
まず、本実施の形態における表示装置の動作の流れ、およびそのような動作を行うための手段について説明する。図5(A)乃至(C)は、図2(A)における動作21の詳細例を表したフローチャートであり、図6(A)および(B)は図2(A)における動作22の詳細例を表したフローチャートであり、図7(A)乃至(D)は、図5(A)乃至(C)、図6(A)および(B)に示す動作を実現するための装置の構成例である。
動作21の詳細例(図5(A))において、動作50は階調データを読み込む動作である。動作50における階調データの読み込みは、1つの画素に対応する階調データの読み込みであるとする。ただしこれに限定されず、複数の画素に対応する階調データの読み込みであってもよい。動作50の終了後は、動作51に移る。
動作51は、動作50において読み込まれた階調データを分類し、階調データ分布としてメモリに書き込む動作である。なお、動作51において階調データ分布の書き込みに利用するメモリは、図7(A)に示すメモリ71であるとする。ただしこれに限定されず、表示装置における他の部分(動作21を行なうために直接関係しない部分)におけるメモリを利用しても良い。動作51の終了後は、動作52に移る。
動作52は、動作51において分類された階調データが、1画面を構成する複数の階調データのうち、最終のもの(最終データ)であるかどうかを判断する動作である。最終データでない場合は動作50に戻り、次の階調データの読み込みを行なう。最終データである場合は、動作53に移る。
動作53は、図7(A)に示すメモリ71から1画面分の階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する動作である。動作53の終了後は、動作54に移る。
動作54は、動作53における画像の特徴量の演算終了後に、図7(A)に示すメモリ71の記憶内容をリセットする動作である。なお、動作54におけるリセットとは、当該画像の階調データ分布に対して、次の画像の階調データ分布を生成できるようにするために行なう処理のことである。例えば、当該画像の階調データ分布における全ての分類のデータ数を0とする処理を用いることができる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの画像の特徴量を検出する動作は、階調データを読み込む動作と、階調データを分類し、階調データ分布としてメモリに書き込む動作と、1画面分の階調データの最終データであるかどうかを判断する動作と、階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する動作と、を含むことを特徴とする。なお、図5(A)に示す詳細例において、各動作は必要に応じて省略または置き換え得る。例えば、メモリ71の記憶内容をリセットする動作54は、記憶内容を上書きすること等により省略され得る。
なお、図5(A)に示す動作50乃至動作54は、図7(A)に示すような構成によって実現され得る。図7(A)に示す構成は、図2(B)における画像特徴量検出部31の詳細例を表している。図5(A)における動作50乃至動作52は、図7(A)における階調データ分布生成部70およびメモリ71が有する機能によって実現される。階調データ分布生成部70は、階調データを読み込み、当該階調データを分類して階調データ分布としてメモリ71に書き込む機能を有することができる。図5(A)における動作53および動作54は、図7(A)における画像特徴量演算部72が有する機能によって実現される。画像特徴量演算部72は、メモリ71から階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する機能、およびメモリ71をリセットする機能を有することができる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、階調データを読み込み、当該階調データを分類して階調データ分布としてメモリに書き込む機能を有する階調データ分布生成部と、メモリから階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する機能、およびメモリをリセットする機能を有する画像特徴量演算部と、を有することを特徴とする。なお、各部および各部が有するそれぞれの機能は、必要に応じて省略または置き換えされることが可能である。
動作21の別の詳細例(図5(B))においては、図5(A)と同じ符号の動作は同じ動作を表すものとして、重複する説明は省略する。図5(B)に示す動作は、図5(A)に示す動作のうち、動作50と動作51の間に動作55が付け加えられることを特徴とする。動作55は、動作50において読み込まれた階調データが、予め決められた検出条件を満たすかどうかを判断する動作である。動作55によって、当該階調データが予め決められた検出条件を満たすと判断された場合は、動作51に移り、図5(A)に示す動作と同様な動作を行う。一方、動作55によって、当該階調データが予め決められた検出条件を満たさないと判断された場合は、動作50に移り、次の階調データの読み込みを行なう。このようにすることで、当該階調データについては図5(A)に示す動作は行なわれず、その結果、当該階調データは階調データ分布から除外され得る。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの画像の特徴量を検出する動作は、階調データを読み込む動作と、当該階調データが予め決められた検出条件を満たすかどうかを判断する動作と、階調データを分類し、階調データ分布としてメモリに書き込む動作と、1画面分の階調データの最終データであるかどうかを判断する動作と、階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する動作と、を含むことを特徴とする。なお、予め決められた検出条件としては、当該階調データの画面内位置を用いることができる。こうすることで、図3(C)で示すように、画面の周辺部を検出対象から除外する方法が実現できる。なお、図5(B)に示す詳細例において、各動作は必要に応じて省略または置き換え得る。
なお、図5(B)に示す動作50乃至動作55は、図5(A)に示す動作と同じく、図7(A)に示すような構成によって実現され得る。ただし、図7(A)に示すような構成によって、図5(B)に示す動作を実現させる場合は、図7(A)における階調データ分布生成部70が有する機能として、当該階調データが予め決められた検出条件を満たすかどうかを判断する機能が付け加えられる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、階調データを読み込み、当該階調データが予め決められた検出条件を満たしていれば、当該階調データを分類して階調データ分布としてメモリに書き込む機能を有する階調データ分布生成部と、メモリから階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する機能、およびメモリをリセットする機能を有する画像特徴量演算部と、を有することを特徴とする。なお、各部および各部が有するそれぞれの機能は、必要に応じて省略または置き換えされることが可能である。
動作21の別の詳細例(図5(C))においては、図5(A)または図5(B)と同じ符号の動作は同じ動作を表すものとして、重複する説明は省略する。図5(C)に示す動作は、図5(B)に示す動作のうち、動作50の前に動作56および動作57が付け加えられることを特徴とする。動作56は、複数(文字領域の検出が可能となる数)の階調データをメモリに読み込む動作である。動作56の終了後は、動作57に移る。動作57は、動作56によって読み込まれた複数の階調データから、画面内の文字領域を検出し、検出された文字領域の情報(文字領域の位置、大きさ、形状等)をメモリに書き込む動作である。動作57の終了後は、動作50に移る。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの画像の特徴量を検出する動作は、複数(文字領域の検出が可能となる数)の階調データをメモリに読み込む動作と、画面内の文字領域を検出する動作と、階調データを読み込む動作と、当該階調データが予め決められた検出条件を満たすかどうかを判断する動作と、階調データを分類し、階調データ分布としてメモリに書き込む動作と、1画面分の階調データの最終データであるかどうかを判断する動作と、階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する動作と、を含むことを特徴とする。なお、動作55における予め決められた検出条件としては、当該階調データの画面内位置および/または動作57で検出された文字領域の情報を用いることができる。こうすることで、図3(D)で示すように、当該画像に含まれる高階調領域の形状から対象が文字であることを検出し当該文字領域を検出対象から除外する方法が実現できる。なお、図5(C)に示す詳細例において、各動作は必要に応じて省略または置き換えされ得る。
なお、図5(C)に示す動作は、1画面内の文字領域が検出でき、当該文字領域に関する情報を得ることができる動作であれば良いため、動作56および動作57は、様々な動作をとることができる。例えば、動作56は、1画面分の階調データをメモリに読み込むことができる。こうすることで、文字領域を正確に検出できるので、画質を向上させることができる。または、1画面分の階調データをメモリに読み込むのではなく、画面の一部分の階調データを読み込む動作でも良い。なお、画面の一部分とは、文字領域が検出されやすい部分(例:図3における周辺部42)とするのが好ましい。こうすることで、必要となるメモリの記憶容量および処理回数を低減できるため、製造コストおよび消費電力を低減できる。または、動作56は、1画面分の階調データを一度に読み込むのではなく、1画面を複数の部分に分割し、それぞれの部分を順に読み込む動作でも良い。こうすることで、必要となるメモリの記憶容量を低減できるため、製造コストおよび消費電力を低減できる。
なお、図5(C)に示す動作50乃至動作57は、図7(B)に示すような構成によって実現され得る。図7(B)においては、図7(A)と同じ符号の部分は同じ機能を有するものとして、重複する説明は省略する。図7(B)に示す構成は、図2(B)における画像特徴量検出部31の詳細例を表している。図5(C)における動作56は、図7(B)におけるメモリ73が有する機能によって実現される。メモリ73は、複数の階調データをメモリに読み込む機能を有することができる。図5(C)における動作57は、図7(B)における文字領域検出部74が有する機能によって実現される。文字領域検出部74は、メモリ73から複数の階調データを読み込み、画面内の文字領域を検出し、検出された文字領域の情報をメモリに書き込む機能を有することができる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、複数の階調データを読み込む機能を有するメモリと、これら複数の階調データから画面内の文字領域を検出し、検出された文字領域の情報をメモリに書き込む機能を有する文字領域検出部と、階調データを読み込み、当該階調データを分類して階調データ分布としてメモリに書き込む機能を有する階調データ分布生成部と、メモリから階調データ分布を読み込み、画像の特徴量を演算する機能、およびメモリをリセットする機能を有する画像特徴量演算部と、を有することを特徴とする。なお、各部および各部が有するそれぞれの機能は、必要に応じて省略または置き換えされ得る。
なお、本実施の形態における表示装置の一つは、図5(A)乃至(C)に示した動作のうち2つ以上を実現でき、条件によって図5(A)乃至(C)に示した動作を切り替える動作を行うことを特徴とする。こうすることで、様々な条件において最適な動作を行う表示装置を得ることができる。
動作22の詳細例(図6(A))において、動作60は、動作21によって得られた画像特徴量を読み込む動作である。動作60における画像特徴量の読み込みは、1画面分の処理に対し1回行われるとする。ただしこれに限定されず、複数画面分の処理に対し1回行われても良いし、1画面分の処理に対し複数回行われても良い。動作60の終了後は、動作61に移る。動作61は、動作60において読み込まれた画像特徴量に対し、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで、倍率Kを計算する動作である。
なお、図6(A)に示す動作60および動作61は、図7(C)に示すような構成によって実現され得る。図7(C)に示す構成は、図2(B)における倍率決定部32の詳細例を表している。図6(A)における動作60および動作61は、図7(C)における倍率計算部75が有する機能によって実現される。倍率計算部75は、画像特徴量を読み込み、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで倍率Kを計算する機能を有することができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、画像特徴量を読み込み、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで倍率Kを計算する機能を有する倍率計算部を有することを特徴とする。
なお、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係としては、例えば、図4(A)乃至(C)に示すものを利用することができる。具体的には、ルックアップテーブル(LUT)または論理回路の形態をとることができる。例えば、画像特徴量と倍率Kの関係が、単純増加等の簡単なものであり、近似式等で解析的に求められるときは、図7(C)に示す倍率計算部75は論理回路の形態をとることが好ましい。なぜならば、LUTを用いるときに必要となるメモリが不要となり、製造コストを低減できるためである。一方、画像特徴量と倍率Kの関係が、近似式等で解析的に求めることが難しいときは、倍率計算部77はLUTの形態をとることが好ましい。なぜならば、誤差を小さくでき、適切な倍率Kを計算することができるためである。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの倍率Kを決定する動作は、画像特徴量を読み込む動作と、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで倍率Kを計算する動作と、を含むことを特徴とする。
動作22の別の詳細例(図6(B))においては、図6(A)と同じ符号の動作は同じ動作を表すものとして、重複する説明は省略する。図6(B)に示す動作は、図6(A)に示す動作のうち、動作60の前に動作62が付け加えられることを特徴とする。動作62は、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係が複数存在する場合に、使用する画像特徴量と倍率Kの関係を選択する動作である。動作62の終了後は、動作60に移る。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの倍率Kを決定する動作は、複数の予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を選択する動作と、画像特徴量を読み込む動作と、選択された画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで倍率Kを計算する動作と、を含むことを特徴とする。なお、使用する画像特徴量と倍率Kの関係の選択は、表示装置の動作モードまたはユーザー設定等によって行なわれ得る。こうすることで、様々な条件において最適な動作を行う表示装置を得ることができる。
なお、図6(B)に示す動作60乃至動作62は、図7(D)に示すような構成によって実現され得る。図7(D)においては、図7(C)と同じ符号の部分は同じ機能を有するものとして、重複する説明は省略する。図7(D)に示す構成は、図2(B)における倍率決定部32の詳細例を表している。図6(B)における動作62は、図7(D)における画像特徴量設定部76が有する機能によって実現される。画像特徴量設定部76は、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係が複数存在する場合に、使用する画像特徴量と倍率Kの関係を選択する機能を有することができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、使用する画像特徴量と倍率Kの関係を選択する機能を有する画像特徴量設定部と、画像特徴量を読み込み、予め決められた画像特徴量と倍率Kの関係を参照することで倍率Kを計算する機能を有する倍率計算部を有することを特徴とする。
次に、それぞれの動作における具体例を説明する。階調データ分布を検出する方法としては、例えば、入力される元画像の階調データX0を、階調データの大きさにしたがって分類を行い、それぞれの分類に含まれる階調データX0のデータ数をカウントする方法を用いることができる。このようにカウントして検出された階調データ分布の例を、図3(A)および(B)に示す。
図3(A)および(B)は、横軸を元画像の階調データX0の大きさ、縦軸をデータ数として、階調データ分布を表している。なお、元画像の階調データX0の大きさの分類は、一つの階調で一つの分類とすることができる。この場合、階調データ分布を正確に表すことができる。または、元画像の階調データX0の大きさの分類は、複数の階調で一つの分類とすることができる。この場合、階調データ分布検出および演算にかかる負荷を低減できるので、消費電力および製造コストが低減された表示装置を得ることができる。
そして、検出された階調データ分布から、画像の特徴量を算出する。画像の特徴量の算出には、例えば、平均階調XAVE、ピーク階調XPEAK、最小階調XMIN、低階調データ数、高階調データ数、等を用いることができる。なお、平均階調XAVEは、階調の平均値であり、元画像の階調データX0の大きさの総和を全データ数で割った値とすることができる。ピーク階調XPEAKは、一つの画像中で最大の大きさを持つ階調データの大きさであるとし、階調がとり得る大きさの最大値XMAXとは異なる値となることがある。最小階調XMINは、一つの画像中で最小の大きさを持つ階調データの大きさであるとする。低階調データ数および高階調データ数は、ある閾値階調XTHを設定しておき、閾値階調XTHよりも小さい階調データの数が低階調データ数、閾値階調XTHよりも大きい階調データの数が高階調データ数である。なお、画像の特徴量として用いられる量はこれらに限定されず、様々なものが用いられ得る。特に、平均階調XAVE、ピーク階調XPEAK、最小階調XMIN、低階調データ数、高階調データ数の内の複数の量の組み合わせを取ることで、より正確に画像の特徴量を表すことができるので、より適切に倍率Kを決定することができ、より効果的に課題を解決する表示装置を得ることができる。
なお、図3(A)に示す階調データ分布例と、図3(B)に示す階調データ分布例では、分布の様子が異なっており、図3(A)に示す階調データ分布例は全体的に階調データが高階調側に偏っている例であり、図3(B)に示す階調データ分布例は全体的に階調データが低階調側に偏っている例である。このような分布の様子の違いに応じて、画像の特徴量は異なったものとすることができる。
画像の特徴量として平均階調XAVEを用いた場合、倍率Kは、例えば、図4(A)乃至(C)に示すように決めることができる。図4(A)乃至(C)は、横軸に平均階調XAVE、縦軸に倍率Kをとり、平均階調XAVEに対する倍率Kの値の例を示したものである。さらに、図4(D)乃至(F)は、横軸に平均階調XAVE、縦軸に積分輝度Lをとり、様々な元画像の階調データX0に対して平均階調XAVEに対する積分輝度Lの変化を表したものである。
倍率Kは、図4(A)に示すように、平均階調XAVEの減少に対して単純に増加させることができる。こうすることで、平均階調XAVEが小さい画像、すなわち高階調となる領域がかなり小さい画像においても輝度の変調が起こるため、夜景の輝き、火花の閃光、金属の光沢等、ピーク階調の高い画像の表現能力を大きく向上させることができる。なお、図4(A)に示すように倍率Kを決定した場合は、平均階調XAVEに対する積分輝度Lは、全ての階調において平均階調XAVEの減少に対して単純に増加する。図4(D)に、例として、元画像の階調データX0が255、224、186、136の場合の平均階調XAVEに対する積分輝度Lの変化を示す。このようにすることで、夜景の輝き、火花の閃光、金属の光沢等、ピーク階調の高い画像の表現能力を大きく向上させることができる。
または、倍率Kは、図4(B)に示すように、平均階調XAVEの減少に対して単純に増加させる一方で、平均階調XAVEがある値に達した時点で倍率Kの増加を止める(飽和させる)ことができる。こうすることで、表示をより高画質なものとする一方で、平均階調XAVEの急激な変化によって画像が明滅してしまう障害を抑制することができる。つまり、表示する画像内に画質とは関係のない部分、例えば映画の字幕等が、出現と消滅を繰り返すような場合、平均階調XAVEが小さい範囲において倍率Kが急激に変化するように設定されていると、倍率Kが字幕等の表示の影響を受け、本来の画像とは関係なく明滅してしまうことがあるが、図4(B)に示すグラフのように倍率Kを決定させれば、この現象を抑制できる。
なお、倍率Kの増加が飽和するときの平均階調XAVEの値は、様々に設定することができるが、階調データの最大値XMAXの1/3程度の値であることが好ましい。こうすることで、表示をより高画質なものとする効果と、画像が明滅してしまう障害を抑制する効果を、うまく両立させることができる。なお、図4(B)に示すように倍率Kを決定した場合は、平均階調XAVEに対する積分輝度Lは、全ての階調において平均階調XAVEの減少に対して単純に増加する一方で、平均階調XAVEがある値に達した時点で倍率Kの増加が飽和する。図4(E)に、例として、元画像の階調データX0が255、224、186、136の場合の平均階調XAVEに対する積分輝度Lの変化を示す。このようにすることで、表示をより高画質なものとする効果と、画像が明滅してしまう障害を抑制する効果を、うまく両立させることができる。
または、倍率Kは、図4(C)に示すように、平均階調XAVEの減少に対して単純に増加させる一方で、平均階調XAVEがある値に達した時点で倍率Kの増加を飽和させ、かつ、さらに平均階調XAVEが減少した場合は、平均階調XAVEの減少に対して倍率Kを減少させることができる。こうすることで、図4(B)の説明で述べた利点を有しつつ、不必要に倍率Kを大きくすることを抑制できる。
これは、平均階調XAVEがごく小さい範囲においては、倍率Kを大きくしてもその効果が人間の目に判別しづらくなるため、倍率Kをあまり大きくしなくても、表示を十分に高画質なものとすることができる場合があるためである。そのため、平均階調XAVEがごく小さい範囲においては、平均階調XAVEの減少に対して倍率Kを減少させるようにすることで、倍率Kを小さくできる。倍率Kが小さいと、その分積分輝度を小さくすることができる。こうすることで、例えば第1の実施の形態における表示装置の場合は、第1のサブ画像または第2のサブ画像のどちらかのサブ画像における階調値を減少させることができ、その結果、表示をインパルス型に近づけることができるため、動画の残像等を減少させることができ、動画の画質を向上させることができる。
なお、平均階調XAVEの減少に対して倍率Kが減少し始めるときの平均階調XAVEの値は、様々に設定することができる。例えば、倍率Kの増加が飽和するときの平均階調XAVEの値の半分程度とすることができる。この場合は、倍率Kの増加を飽和させることによる利点と倍率Kが小さいことによる利点をうまく両立できる。または、倍率Kの増加が飽和すると同時に倍率Kを減少させることができる。この場合は、倍率Kが小さいことによる利点をより顕著なものとすることができる。なお、図4(C)に示すように倍率Kを決定した場合は、平均階調XAVEに対する積分輝度Lは、全ての階調において平均階調XAVEの減少に対して単純に増加する一方で、平均階調XAVEがある値に達した時点で倍率Kの増加が飽和し、かつ、さらに平均階調XAVEが減少した場合は、平均階調XAVEの減少に対して倍率Kが減少する。
図4(F)に、例として、元画像の階調データX0が255、224、186、136の場合の平均階調XAVEに対する積分輝度Lの変化を示す。このようにすることで、表示をより高画質なものとする効果と、画像が明滅してしまう障害を抑制する効果を、うまく両立させることができ、さらに、動画の残像等を減少させる等、倍率Kが小さいことによる効果も得ることができる。
なお、ここまでは画像の特徴量として平均階調XAVEを用いる場合について述べたが、平均階調XAVEの代わりに、低階調データ数または高階調データ数を用いることができる。つまり、図4(A)乃至(C)に示した倍率Kの決め方は、画像が全体的に明るいか、または全体的に暗いかということを倍率Kの決め方の根拠としているため、図4(A)乃至(C)に示した倍率Kの決め方と同様な方法を、低階調データ数または高階調データ数に対しても用いることができる。
高階調データ数を用いる場合は、高階調データ数が大きいほど全体的に明るい画像であるといえるので、平均階調XAVEをそのまま高階調データ数に置き換えて実施できる。低階調データ数を用いる場合は、低階調データ数が大きいほど全体的に暗い画像であるといえるので、平均階調XAVEの変化に対する倍率Kの変化を逆にしたうえで、平均階調XAVEを低階調データ数に置き換えて実施できる。
なお、平均階調XAVE、低階調データ数または高階調データ数と、ピーク階調XPEAKまたは最小階調XMINを組み合わせたものを画像の特徴量とすることができる。つまり、平均階調XAVE、低階調データ数または高階調データ数によって、当該画像が全体的に明るい画像なのか、または全体的に暗い画像なのかということを判断し、かつ、当該画像のピーク階調XPEAKまたは最小階調XMINを用いることによって、当該画像の特徴をさらに詳細に判断できる。
例えば、当該画像が全体的に暗い画像であって、かつ、ピーク階調XPEAKが大きい画像である場合は、倍率Kを大きくしたときの画質向上が著しい画像であると判断することができれば、さらに適切に倍率Kを決定できる。さらに、ピーク階調XPEAKおよび最小階調XMINを用いることで、当該画像に含まれる階調データの大きさの範囲がわかるため、当該範囲の表示に最適な駆動を選択できる。例えば、当該範囲が階調0から最大階調XMAXよりも狭い範囲である場合は、元画像の階調データX0を線形補間等によりデータ伸長することで、階調が緩やかに変化する領域を滑らかに表示でき、画質を向上させることができる。または、液晶表示装置の場合、ピーク階調XPEAKが最大階調XMAXよりも小さい場合は、バックライトの瞬間輝度を減少させつつ、元画像の階調データX0をバックライトの瞬間輝度に合わせてデータ変換することで、消費電力を低減させることができる。
次に、画像の特徴量をより適切に検出するために、階調データ分布の検出範囲を限定する方法について述べる。映画やテレビ放送で多用されている字幕は、画像の特徴量とは関係のないものであることが多く、字幕を含む部分が階調データ分布の検出範囲に存在していると、画像の特徴量の誤検出の原因となる場合がある。そこで、画像とは関係のない字幕であることを予め検出しておき、字幕部分を画像の特徴量の検出対象から除外することで、画面が明滅する障害をより効果的に抑制しつつ、表示される画像を高画質なものとすることが可能となる。このように、字幕部分を画像の特徴量の検出対象から除外するための方法には、例えば、画面の周辺部を検出対象から除外する、当該画像に含まれる高階調領域の形状から対象が文字であることを検出し当該文字領域を検出対象から除外する、等がある。
画面の周辺部を検出対象から除外する場合について、図3(C)を用いて説明する。図3(C)は、表示領域40の中央部41を検出領域とし、周辺部42を非検出領域とすることを表している。字幕は通常、画面の中央付近には表示されず、画面の周辺部に表示されることがほとんどである。したがって、画像の特徴量の検出には中央部41のみを用いる。一方、周辺部42は字幕が表示される可能性が高いため、非検出領域とする。こうすることで、画像に関係のない高階調領域を知覚画像の輝度変調に用いることがなくなるため、画面が明滅する障害を抑制することができる。
なお、中央部41と周辺部42の境界は通常は表示されないが、境界を表示できるようにしても良い。こうすることで、ユーザーが境界の大きさおよび形状を指定できるようにすることができる。さらに、境界は矩形であることが好ましいが、これに限定されず、様々な形状を用いることができる。
当該画像に含まれる高階調領域の形状から対象が文字であることを検出し当該文字領域を検出対象から除外する場合について、図3(D)を用いて説明する。図3(D)は、表示領域40内に高階調領域が検出された場合、その形状、色、背景との輝度差、動き、等によって、当該領域が字幕を含むものであることがさらに検出された場合は、当該領域を非検出領域43とすることを表している。こうすることで、画像に関係のない高階調領域を、倍率Kの決定に用いることがなくなるため、画面が明滅する障害を抑制することができる。
なお、この場合、本来の画像中に文字領域が含まれているとき(例:看板の文字)は、当該領域を非検出領域43としてしまうことを避けるために、図3(C)に示したように、画面の周辺部を検出対象から除外する方法と組み合わせて用いると効果的である。つまり、文字領域が検出されない画像の場合は表示領域40を全て検出領域とするが、文字領域が検出された画像の場合は、当該文字領域が中央部41に位置しているときは当該文字領域を検出対象に含め、当該文字領域が周辺部42に位置しているときは当該文字領域を検出対象から除外する。こうすることで、どちらかの方法のみを用いた場合よりも、検出精度を向上させることができる。
なお、検出領域の面積は、画面全体の面積に対して1/2以上の割合を占めていることが好ましい。こうすることで、画面が明滅する障害をより効果的に抑制しつつ、表示される画像を高画質なものとすることが可能となる。
なお、画像とは関係のない字幕であることを予め検出しておき、字幕部分を画像の特徴量の検出対象から除外する方法は、図4(A)乃至(C)で示したような倍率Kの決定方法と組み合わせると効果的である。図4(A)乃至(C)に示した倍率Kの決定方法と、字幕部分を画像の特徴量の検出対象から除外する方法を組み合わせれば、表示される画像をより高画質なものとすることができる一方で、画面が明滅する障害を効果的に抑制することが可能となる。
なお、フリッカ(ちらつき)が観察される場合がある表示装置の場合、倍率Kが急激に変化することによる画面の明滅がフリッカを促進してしまうことがあるため、このような表示装置において、上述したような画面が明滅する障害の抑制方法を用いることは非常に効果的である。
(実施の形態3)
第3の実施の形態として、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、階調データ変換の具体的な決め方の例、および図2(B)における階調データ変換部33の具体的な構成例およびその動作について述べる。
本実施の形態における表示装置は、第1の実施の形態における表示装置の動作(図2(A))のうち、動作23(階調データ変換)の部分について、詳細な動作、または別の動作を行う表示装置とする。当該部分以外の動作または構成については、第1の実施の形態における表示装置と同様であるとし、詳細な説明は省略する。
まず、本実施の形態における表示装置の動作の流れ、およびそのような動作を行うための手段について説明する。図8(A)は、図2(A)における動作23の詳細例を表したフローチャートであり、図8(B)は、図8(A)に示す動作を実現するための装置の構成例である。
動作23の詳細例(図8(A))において、動作80は階調データの変換のための条件が設定される動作である。動作80においては、数式(4)に含まれる定数等、階調データの変換に必要となる条件が設定される。動作80の終了後は、動作81に移る。
動作81は、元画像の階調データX0をメモリに書き込む動作である。これは、本実施の形態における表示装置における画像表示の周期(1サブフレーム期間)が、表示装置外部から入力される画像の入力周期(1フレーム期間)よりも短いために必要となる動作である。なお、動作80および動作81の順番は、逆であってもよい。動作81の終了後は、動作82に移る。
動作82は、動作81において書き込まれた元画像の階調データX0を、動作81における書込みよりも速い速度で読み出し、数式(4)および動作80において設定された条件に従って、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2が計算される動作である。なお、1サブフレーム期間の長さの1フレーム期間の長さに対する割合によって、読み出す速度を決めることができる。具体的には、例えば、1サブフレーム期間が1フレーム期間に対して1/2の長さであるときは、2倍の速度(2倍速)で読み出されることが好ましい。同様に、1サブフレーム期間が1フレーム期間に対して1/4の長さであるときは、4倍の速度(4倍速)で読み出されることが好ましい。動作82の終了後は、動作83に移る。
動作83は、動作82において計算された第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2について、第1のサブ画像の階調データX1は図2(B)における表示制御部34に出力され、第2のサブ画像の階調データX2はメモリに書き込まれる動作である。このとき、図2(B)における表示部35に、第1のサブ画像が表示され得る。なお、動作83は、第1のサブ画像が表示されるタイミングと、第2のサブ画像が表示されるタイミングが異なっているために必要となる動作である。したがって、動作83は表示のタイミングを異ならせるための他の動作と置換され得る。具体的には、動作83とは逆に、第1のサブ画像の階調データX1はメモリに書き込まれ、第2のサブ画像の階調データX2は表示制御部34に出力される動作であっても良い。または、第1のサブ画像の階調データX1も第2のサブ画像の階調データX2もメモリに書き込まれる動作であっても良い。動作83の終了後は、動作84に移る。
動作84は、当該階調データが1画面の最終データであるかどうかを判断する動作である。動作84において、当該階調データが1画面の最終データであると判断された場合は、動作85に移る。一方、当該階調データが1画面の最終データではないと判断された場合は、動作82に戻り、次の階調データにおける計算および階調データの出力を行なう。
動作85は、第1のサブ画像の全ての階調データX1の出力が終了した後に、メモリから第2のサブ画像の階調データX2が読み出され、表示制御部34に出力される動作である。このとき、図2(B)における表示部35に、第2のサブ画像が表示され得る。動作85の終了後は、動作86に移る。
動作86は、当該階調データが1画面の最終データであるかどうかを判断する動作である。動作86において、当該階調データが1画面の最終データであると判断された場合は、階調データの変換および出力動作は終了する。一方、当該階調データが1画面の最終データではないと判断された場合は、動作85に戻り、次の階調データの出力を行なう。なお、動作85および動作86によって表示部35に第2のサブ画像が表示されるのと同時に、動作81による次の画像の階調データの書込みが並行して行なわれ得る。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した動作を行う表示装置であって、そのうちの階調データを変換する動作は、階調データの変換のための条件が設定される動作と、元画像の階調データをメモリに書き込む動作と、それぞれのサブ画像の階調データが計算される動作と、一方のサブ画像の階調データが表示制御部に出力され、もう一方のサブ画像の階調データがメモリに書き込まれる動作と、当該階調データが1画面の最終データであるかどうかを判断する動作と、メモリに書き込まれたサブ画像の階調データが読み出され表示制御部に出力される動作と、当該サブ画像の階調データが1画面の最終データであるかどうかを判断する動作と、を含むことを特徴とする。
なお、図8(A)に示す動作80乃至動作86は、図8(B)に示すような構成によって実現され得る。図8(B)に示す構成は、図2(B)における階調データ変換部33の詳細例を表している。図8(B)における階調データ計算部91が、外部から設定データを読み込むことができる機能を有することによって、動作80を実現できる。さらに、メモリ90が、書込み速度よりも読み込み速度が速いという機能を有することによって、動作81を実現できる。さらに、階調データ計算部91が、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2を計算する機能と、第1のサブ画像の階調データX1を表示制御部に出力しつつ、第2のサブ画像の階調データX2をメモリ92に書き込む機能と、を有すること、およびメモリ92が、第2のサブ画像の階調データX2を表示制御部へ出力する機能を有することによって、動作82乃至動作86を実現できる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1の実施の形態において説明した表示装置であって、外部から設定データを読み込むことができる機能、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2が計算される機能、第1のサブ画像の階調データX1を表示制御部に出力しつつ、第2のサブ画像の階調データX2をメモリ92に書き込む機能、を有する階調データ計算部91と、書込み速度よりも読み込み速度が速いという機能を有するメモリ90と、第2のサブ画像の階調データX2を表示制御部へ出力する機能を有するメモリ92と、を有することを特徴とする。
次に、元画像の階調データX0を、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2に変換する方法の具体例について説明する。第1の変換例は、瞬間輝度を第1のサブ画像に集中させることで第2のサブ画像を黒表示に近づけて、ピーク輝度と動画の品質を向上させる例である。第2の変換例は、第1のサブ画像の階調データX1は元画像の階調データX0と同じものとし、第2のサブ画像の階調データX2だけを変化させることによって、ピーク輝度と動画の品質を向上させる例である。第3の変換例は、第1のサブ画像の階調データX1を瞬間輝度が上がるようにガンマ変換させることで、ピーク輝度と動画の品質を向上させる例である。なお、全ての変換例において、第1のサブ画像と第2のサブ画像の変換方法は交換可能である。
第1の変換例について、図9(A)乃至図9(F)を参照して説明する。図8(A)に示す動作80において、数式(5)に示す条件が設定されることで、第1の変換例が実現できる。
ここで、MIN[A,B]は、AとBのうち小さい方の値を選択することを表している。そして、それぞれのサブフレーム期間の長さが等しい場合、すなわち数式(4)および数式(5)においてn=1/2である場合、数式(4)および数式(5)によって、数式(6)が導出される。
数式(6)によって、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2は、元画像の階調データX0に対して一意に決められることができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、第1のサブ画像の階調データX1は、元画像の階調データX0に係数(K/n)1/γをかけた値と、階調データの最大値XMAXのうち、小さい方の値となることを特徴としている。なお、定数nは1フレーム期間における第1のサブフレーム期間のデューティー比であり、第1のサブフレーム期間と第2のサブフレーム期間の長さが等しい場合は、n=1/2となる。
図9(A)乃至図9(C)は、横軸に元画像(変換前)の階調データX0、縦軸に変換後の階調データ(X1またはX2)をとって、数式(6)に従って階調データが変換される場合のX0と、X1またはX2の関係を表したグラフであり、図9(A)は数式(6)における倍率Kが0.5である場合、図9(B)は数式(6)における倍率Kが0.75である場合、図9(C)は数式(6)における倍率Kが1である場合を、それぞれ表している。図9(A)乃至図9(C)において、破線はX0とX1の関係、点線はX0とX2の関係を、それぞれ表している。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、X2が0であるとき、X1はX0に比例し、X1がXMAXであるとき、X2はX0に対して上に凸の曲線となる関係を有することを特徴とする。なお、X1とX0の関係における比例係数は、階調データ分布によって決まる倍率Kに従った値とすることができる。具体的には、(2K)のガンマ値分の1乗とされることが好ましい。なお、第1の変換例において、K=0.5のとき、第2のサブ画像の階調データX2は常に0となる。つまり、第2のサブ画像は黒画像であることを特徴としている。なお、K=0.75のとき、第2のサブ画像の階調データX2が0となるX0の範囲は0≦X0≦212となり、K=1のときは、0≦X0≦186となる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、画像の全体的な明るさに従ってピーク輝度を増減させる場合、第2のサブ画像の階調データを0としないX0の範囲が、最大で187≦X0≦255とされることを特徴とする。
なお、図9(A)、図9(B)、図9(C)に示すグラフのように階調データの変換が行なわれた場合、それぞれのサブ画像における、元画像の階調データX0と瞬間輝度の関係は、それぞれ図9(D)、図9(E)、図9(F)に示すグラフのようになる。
図9(D)乃至図9(F)は、横軸に元画像の階調データX0、縦軸に瞬間輝度をとって、第1の変換例におけるX0と、それぞれのサブ画像の瞬間輝度の関係を表したグラフであり、グラフ中の破線は第1のサブ画像の瞬間輝度、点線は第2のサブ画像の瞬間輝度、実線は第1のサブ画像の瞬間輝度と2のサブ画像の瞬間輝度の平均値を、それぞれ表している。なお、第1のサブ画像の瞬間輝度および2のサブ画像の瞬間輝度は、数式(6)によって求められたサブ画像の階調データを、数式(3)に代入することで得られる。なお、第1のサブフレーム期間の長さと第2のサブフレーム期間の長さが等しい場合、実線で表された第1のサブ画像の瞬間輝度と第2のサブ画像の瞬間輝度の平均値は、瞬間輝度を1フレーム期間において時間積分した積分輝度に比例した値となる。
したがって、図9(D)乃至図9(F)におけるグラフ中の実線を比較すると、第1の実施の形態における図1(B)のように、全階調範囲の積分輝度が倍率Kによって増減される特性が得られることが確認できる。このようにして、ピーク輝度と動画の品質が向上された表示装置を得ることができる。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、瞬間輝度を第1のサブ画像に集中させることで第2のサブ画像を黒表示に近づけ、かつ、1フレーム期間における積分輝度を、階調データ分布によって決まる倍率Kに従って変化させることを特徴としている。なお、第1の変換例において、Kが0.5よりも大きい場合、第1のサブ画像における瞬間輝度はある階調で飽和してしまう。しかしながら、数式(6)に従って階調データが変換されることで、飽和する階調においても、1フレーム期間における積分輝度を滑らかに変化させることができる。
第2の変換例について、図10(A)乃至図10(F)を参照して説明する。図8(A)に示す動作80において、数式(7)に示す条件が設定されることで、第2の変換例が実現できる。
そして、それぞれのサブフレーム期間の長さが等しい場合、すなわち数式(4)においてn=1/2である場合、数式(4)および数式(7)によって、数式(8)が導出される。
数式(8)によって、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2は、元画像の階調データX0に対して一意に決められることができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、第1のサブ画像の階調データX1は元画像の階調データX0と等しいことを特徴としている。
図10(A)乃至図10(C)は、横軸に元画像(変換前)の階調データX0、縦軸に変換後の階調データ(X1またはX2)をとって、数式(8)に従って階調データが変換される場合のX0と、X1またはX2の関係を表したグラフであり、図10(A)は数式(8)における倍率Kが0.5である場合、図10(B)は数式(8)における倍率Kが0.75である場合、図10(C)は数式(8)における倍率Kが1である場合を、それぞれ表している。図10(A)乃至図10(C)において、破線はX0とX1の関係、点線はX0とX2の関係を、それぞれ表している。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、X1はX0と等しく、X2はX0に対し比例することを特徴とする。
なお、X2とX0の関係における比例係数は、階調データ分布によって決まる倍率Kに従った値とされ得る。具体的には、(2K−1)のガンマ値分の1乗とされ得る。なお、第2の変換例において、K=0.5のとき、第2のサブ画像の階調データX2は常に0となる。つまり、第2のサブ画像は黒画像であることを特徴としている。なお、K=0.75のとき、第2のサブ画像の階調データX2とX0の比例係数は、およそ0.73となり、K=1のときは1となる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、画像の全体的な明るさに従ってピーク輝度を増減させる場合、第2のサブ画像の階調データX2とX0の比例係数を、0から1の間で増減させることを特徴としている。
なお、図10(A)、図10(B)、図10(C)に示すグラフのように階調データの変換が行なわれた場合、それぞれのサブ画像における、元画像の階調データX0と瞬間輝度の関係は、それぞれ図10(D)、図10(E)、図10(F)に示すグラフのようになる。
図10(D)乃至図10(F)は、横軸に元画像の階調データX0、縦軸に瞬間輝度をとって、第2の変換例におけるX0と、それぞれのサブ画像の瞬間輝度の関係を表したグラフであり、グラフ中の破線は第1のサブ画像の瞬間輝度、点線は第2のサブ画像の瞬間輝度、実線は第1のサブ画像の瞬間輝度と2のサブ画像の瞬間輝度の平均値を、それぞれ表している。なお、第1のサブ画像の瞬間輝度および2のサブ画像の瞬間輝度は、数式(8)によって求められたサブ画像の階調データを、数式(3)に代入することで得られる。なお、第1のサブフレーム期間の長さと第2のサブフレーム期間の長さが等しい場合、実線で表された第1のサブ画像の瞬間輝度と第2のサブ画像の瞬間輝度の平均値は、瞬間輝度を1フレーム期間において時間積分した積分輝度に比例した値となる。
したがって、図10(D)乃至図10(F)におけるグラフ中の実線を比較すると、第1の実施の形態における図1(B)のように、全階調範囲の積分輝度が倍率Kによって増減される特性が得られることが確認できる。このようにして、ピーク輝度と動画の品質が向上された表示装置を得ることができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、第1のサブ画像の階調データX1は元画像の階調データX0と同じものとし、第2のサブ画像の階調データX2だけを変化させ、かつ、1フレーム期間における積分輝度を、階調データ分布によって決まる倍率Kに従って変化させることを特徴としている。なお、第2の変換例において、第1のサブ画像と第2のサブ画像は、全体的な明るさを増減させただけの関係となっている。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、全体的な明るさを増減させた2つの画像を順次表示させることで、画像の全体的な明るさに従ってピーク輝度を増減させることを実現することを特徴としている。
第3の変換例について、図11(A)乃至図11(F)を参照して説明する。図8(A)に示す動作80において、数式(9)に示す条件が設定されることで、第3の変換例が実現できる。
ここで、γ´は変換後のガンマ値である。ただし、変換後のガンマ値は、階調データ分布によって決まる倍率Kに従った値とされることが好ましい。具体的には、γ´=γ−(K−0.5)とすることができる。たとえば、ガンマ値を2.2とした場合は、変換後のガンマ値はおよそ1.7から2.2までの値であることが好ましい。ただしこれに限定されず、様々な値をとることができる。そして、それぞれのサブフレーム期間の長さが等しい場合、すなわち数式(4)においてn=1/2である場合、数式(4)および数式(9)によって、数式(10)が導出される。
数式(10)によって、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2は、元画像の階調データX0に対して一意に決められることができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、第1のサブ画像の階調データX1を階調の最大値で除したものをγ乗した値と、元画像の階調データX0を階調の最大値で除したものをγ´乗した値が等しいことを特徴としている。
図11(A)乃至図11(C)は、横軸に元画像(変換前)の階調データX0、縦軸に変換後の階調データ(X1またはX2)をとって、数式(10)に従って階調データが変換される場合のX0と、X1またはX2の関係を表したグラフであり、図11(A)は数式(10)における倍率Kが0.5である場合、図11(B)は数式(10)における倍率Kが0.75である場合、図11(C)は数式(10)における倍率Kが1である場合を、それぞれ表している。図11(A)乃至図11(C)において、破線はX0とX1の関係、点線はX0とX2の関係を、それぞれ表している。
すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、X1はX0を(γ´/γ)乗した値に比例することを特徴とする。なお、X1とX0の関係における比例係数は、階調データ分布によって決まる倍率Kに従った値とされ得る。
具体的には、階調データ分布によって決まる倍率Kに従って、変換後のガンマ値γ´をおよそ1.7から2.2までの範囲で変化させることが好ましい。なお、第3の変換例において、K=0.5のとき、第2のサブ画像の階調データX2は常に0となる。つまり、第2のサブ画像は黒画像であることを特徴としている。なお、K=0.75のとき、第1のサブ画像のガンマ値は、元画像のガンマ値よりも0.25だけ小さな値となり、全体的に明るくなるようにガンマ変換される。そして、K=1のとき、第1のサブ画像のガンマ値は、元画像のガンマ値よりも0.5だけ小さな値となり、さらに全体的に明るくなるようにガンマ変換される。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像を、全体的な明るさが大きくなるようにガンマ変換させることで、画像の全体的な明るさに従ってピーク輝度を増減させることを実現することを特徴としている。なお、第3の変換例においては、K=1のときも第1のサブ画像の瞬間輝度と第2のサブ画像の瞬間輝度に差をつけることが可能であるため、動画の残像等をより効果的に低減できるので、さらに画質が向上された表示装置を得ることができる。
なお、図11(A)、図11(B)、図11(C)に示すグラフのように階調データの変換が行なわれた場合、それぞれのサブ画像における、元画像の階調データX0と瞬間輝度の関係は、それぞれ図11(D)、図11(E)、図11(F)に示すグラフのようになる。
図11(D)乃至図11(F)は、横軸に元画像の階調データX0、縦軸に瞬間輝度をとって、第3の変換例におけるX0と、それぞれのサブ画像の瞬間輝度の関係を表したグラフであり、グラフ中の破線は第1のサブ画像の瞬間輝度、点線は第2のサブ画像の瞬間輝度、実線は第1のサブ画像の瞬間輝度と2のサブ画像の瞬間輝度の平均値を、それぞれ表している。なお、第1のサブ画像の瞬間輝度および2のサブ画像の瞬間輝度は、数式(10)によって求められたサブ画像の階調データを、数式(3)に代入することで得られる。なお、第1のサブフレーム期間の長さと第2のサブフレーム期間の長さが等しい場合、実線で表された第1のサブ画像の瞬間輝度と第2のサブ画像の瞬間輝度の平均値は、瞬間輝度を1フレーム期間において時間積分した積分輝度に比例した値となる。
したがって、図11(D)乃至図11(F)におけるグラフ中の実線を比較すると、第1の実施の形態における図1(B)のように、全階調範囲の積分輝度が倍率Kによって増減される特性が得られることが確認できる。このようにして、ピーク輝度と動画の品質が向上された表示装置を得ることができる。すなわち、本実施の形態における表示装置の一つは、第1のサブ画像の階調データX1のガンマ乗に第1のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものと、第2のサブ画像の階調データX2のガンマ乗に第2のサブフレーム期間のデューティー比をかけたものとの和が、元画像の階調データX0のガンマ乗に比例する表示装置であって、第1のサブ画像の階調データX1を瞬間輝度が上がるようにガンマ変換させ、ガンマ変換後のガンマ値は階調データ分布によって決まる倍率Kに従って変化させることを特徴としている。
なお、本実施の形態においては、元画像の階調データX0を、第1のサブ画像の階調データX1および第2のサブ画像の階調データX2に変換する方法の具体例について説明したが、本実施の形態において説明した変換方法は、第1の実施の形態における方法の具体例であるため、変換方法はこれらに限定されず、様々なものが用いられ得る。
(実施の形態4)
第4の実施の形態として、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、信号書込みに対する輝度の応答が遅い(応答時間が長い)表示素子を用いた表示装置の場合について述べる。本実施の形態においては、応答時間が長い表示素子として液晶素子を例として説明するが、本実施の形態における表示素子はこれに限定されず、信号書込みに対する輝度の応答が遅い様々な表示素子を用いることができる。
一般的な液晶表示装置の場合、信号書込みに対する輝度の応答が遅く、液晶素子に信号電圧を加え続けた場合でも、応答が完了するまで1フレーム期間以上の時間がかかることがある。このような表示素子で動画を表示しても、動画を忠実に再現することはできない。さらに、アクティブマトリクス駆動の場合、一つの液晶素子に対する信号書込みの時間は、通常、信号書込み周期(1フレーム期間または1サブフレーム期間)を走査線数で割った時間(1走査線選択期間)に過ぎず、液晶素子はこのわずかな時間内に応答しきれないことが多い。
したがって、液晶素子の応答の大半は、信号書込みが行なわれない期間で行なわれることになる。ここで、液晶素子の誘電率は、当該液晶素子の透過率に従って変化するが、信号書込みが行なわれない期間において液晶素子が応答するということは、液晶素子の外部と電荷のやり取りが行なわれない状態(定電荷状態)で液晶素子の誘電率が変化することを意味する。つまり、(電荷)=(容量)・(電圧)の式において、電荷が一定の状態で容量が変化することになるため、液晶素子に加わる電圧は、液晶素子の応答にしたがって、信号書込み時の電圧から変化してしまうことになる。したがって、信号書込みに対する輝度の応答が遅い液晶素子をアクティブマトリクスで駆動する場合、液晶素子に加わる電圧は、信号書込み時の電圧に原理的に到達し得ない。
本実施の形態における表示装置は、表示素子を信号書込み周期内に所望の輝度まで応答させるために、信号書込み時の信号レベルを予め補正されたもの(補正信号)とすることで、上記の問題点を解決することができる。さらに、液晶素子の応答時間は信号レベルが大きいほど短くなるので、補正信号を書き込むことによって、液晶素子の応答時間を短くすることもできる。このような補正信号を加える駆動方法は、オーバードライブとも呼ばれる。
本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が、表示装置に入力される画像信号の周期(入力画像信号周期Tin)よりも短い場合であっても、信号書込み周期に合わせて信号レベルが補正されることで、信号書込み周期内に表示素子を所望の輝度まで応答させることができる。信号書込み周期が、入力画像信号周期Tinよりも短い場合とは、例えば、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当該複数のサブ画像を1フレーム期間内に順次表示させる場合が挙げられる。
次に、アクティブマトリクス駆動の表示装置において信号書込み時の信号レベルを補正する方法の例について、図12(A)および(B)を参照して説明する。図12(A)は、横軸を時間、縦軸を信号書込み時の信号レベルとし、ある1つの表示素子における信号書込み時の信号レベルの時間変化を模式的に表したグラフである。図12(B)は、横軸を時間、縦軸を表示レベルとし、ある1つの表示素子における表示レベルの時間変化を模式的に表したグラフである。なお、表示素子が液晶素子の場合は、信号書込み時の信号レベルは電圧、表示レベルは液晶素子の透過率とすることができる。これ以降は、図12(A)の縦軸は電圧、図12(B)の縦軸は透過率であるとして説明する。
なお、本実施の形態におけるオーバードライブは、信号レベルが電圧以外(デューティー比、電流等)である場合も含む。なお、本実施の形態におけるオーバードライブは、表示レベルが透過率以外(輝度、電流等)である場合も含む。なお、液晶素子には、電圧が0である時に黒表示となるノーマリーブラック型(例:VAモード、IPSモード等)と、電圧が0である時に白表示となるノーマリーホワイト型(例:TNモード、OCBモード等)があるが、図12(B)に示すグラフはどちらにも対応しており、ノーマリーブラック型の場合はグラフの上方へ行くほど透過率が大きいものとし、ノーマリーホワイト型の場合はグラフの下方へ行くほど透過率が大きいものとすればよい。すなわち、本実施の形態における液晶モードは、ノーマリーブラック型でも良いし、ノーマリーホワイト型でも良い。なお、時間軸には信号書込みタイミングが点線で示されており、信号書込みが行なわれてから次の信号書込みが行なわれるまでの期間を、保持期間Fiと呼ぶこととする。
本実施形態においては、iは整数であり、それぞれの保持期間を表すインデックスであるとする。図12(A)および(B)においては、iは0から2までとして示しているが、iはこれ以外の整数も取り得る(0から2以外については図示しない)。なお、保持期間Fiにおいて、画像信号に対応する輝度を実現する透過率をTiとし、定常状態において透過率Tiを与える電圧をViとする。なお、図12(A)中の破線1201は、オーバードライブを行なわない場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表し、実線1202は、本実施の形態におけるオーバードライブを行う場合の液晶素子にかかる電圧の時間変化を表している。同様に、図12(B)中の破線1203は、オーバードライブを行なわない場合の液晶素子の透過率の時間変化を表し、実線1204は、本実施の形態におけるオーバードライブを行う場合の液晶素子の透過率の時間変化を表している。なお、保持期間Fiの末尾における、所望の透過率Tiと実際の透過率との差を、誤差αiと表記することとする。
図12(A)に示すグラフにおいて、保持期間F0においては破線1201と実線1202ともに所望の電圧V0が加えられており、図12(B)に示すグラフにおいても、破線1203と実線1204ともに所望の透過率T0が得られているものとする。そして、オーバードライブが行なわれない場合、破線1201に示すように、保持期間F1の初頭において所望の電圧V1が液晶素子に加えられるが、既に述べたように信号が書込まれる期間は保持期間に比べて極めて短く、保持期間のうちの大半の期間は定電荷状態となるため、保持期間において液晶素子にかかる電圧は透過率の変化とともに変化していき、保持期間F1の末尾においては所望の電圧V1と大きく異なった電圧となってしまう。このとき、図12(B)に示すグラフにおける破線1203も、所望の透過率T1と大きく異なったものとなってしまう。そのため、画像信号に忠実な表示を行うことができず、画質が低下してしまう。
一方、本実施の形態におけるオーバードライブが行われる場合、実線1202に示すように、保持期間F1の初頭において、所望の電圧V1よりも大きな電圧V1´が液晶素子に加えられるようにする。つまり、保持期間F1において徐々に液晶素子にかかる電圧が変化することを見越して、保持期間F1の末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V1近傍の電圧となるように、保持期間F1の初頭において所望の電圧V1から補正された電圧V1´を液晶素子に加えることで、正確に所望の電圧V1を液晶素子にかけることが可能となる。このとき、図12(B)に示すグラフにおける実線1204に示すように、保持期間F1の末尾において所望の透過率T1が得られる。すなわち、保持期間のうちの大半の期間において定電荷状態となるにも関わらず、信号書込み周期内での液晶素子の応答を実現できる。
次に、保持期間F2においては、所望の電圧V2がV1よりも小さい場合を示しているが、この場合も保持期間F1と同様に、保持期間F2において徐々に液晶素子にかかる電圧が変化することを見越して、保持期間F2の末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧V2近傍の電圧となるように、保持期間F2の初頭において所望の電圧V2から補正された電圧V2´を液晶素子に加えればよい。こうすることで、図12(B)に示すグラフにおける実線1204に示すように、保持期間F2の末尾において所望の透過率T2が得られる。
なお、保持期間F1のように、ViがVi−1と比べて大きくなる場合は、補正された電圧Vi´は所望の電圧Viよりも大きくなるように補正されることが好ましい。さらに、保持期間F2のように、ViがVi−1と比べて小さくなる場合は、補正された電圧Vi´は所望の電圧Viよりも小さくなるように補正されることが好ましい。なお、具体的な補正値については、予め液晶素子の応答特性を測定することで導出することができる。装置として実現する方法としては、補正式を定式化して論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとしてメモリに保存しておき、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる。
なお、本実施の形態におけるオーバードライブを、実際に装置として実現する場合には、様々な制約が存在する。例えば、電圧の補正は、ソースドライバの定格電圧の範囲内で行われなければならない。すなわち、所望の電圧が元々大きな値であって、理想的な補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまう場合は、補正しきれないこととなる。このような場合の問題点について、図12(C)および(D)を参照して説明する。
図12(C)は、図12(A)と同じく、横軸を時間、縦軸を電圧とし、ある1つの液晶素子における電圧の時間変化を実線1205として模式的に表したグラフである。図12(D)は、図12(B)と同じく、横軸を時間、縦軸を透過率とし、ある1つの液晶素子における透過率の時間変化を実線1206として模式的に表したグラフである。なお、その他の表記方法については図12(A)および(B)と同様であるため、説明を省略する。図12(C)および(D)は、保持期間F1における所望の透過率T1を実現するための補正電圧V1´がソースドライバの定格電圧を超えてしまうため、V1´=V1とせざるを得なくなり、十分な補正ができない状態を表している。このとき、保持期間F1の末尾における透過率は、所望の透過率T1と誤差α1だけ、ずれた値となってしまう。ただし、誤差α1が大きくなるのは、所望の電圧が元々大きな値であるときに限られるため、誤差α1の発生による画質低下自体は許容範囲内である場合も多い。しかしながら、誤差α1が大きくなることによって、電圧補正のアルゴリズム内の誤差も大きくなってしまう。つまり、電圧補正のアルゴリズムにおいて、保持期間の末尾に所望の透過率が得られていると仮定している場合、実際は誤差α1が大きくなっているのにも関わらず、誤差α1が小さいとして電圧の補正を行なうため、次の保持期間F2における補正に誤差が含まれることとなり、その結果、誤差α2までも大きくなってしまう。さらに、誤差α2が大きくなれば、その次の誤差α3がさらに大きくなってしまうというように、誤差が連鎖的に大きくなっていき、結果的に画質低下が著しいものとなってしまう。
本実施の形態におけるオーバードライブにおいては、このように誤差が連鎖的に大きくなってしまうことを抑制するため、保持期間Fiにおいて補正電圧Vi´がソースドライバの定格電圧を超えるとき、保持期間Fiの末尾における誤差αiを推定し、当該誤差αiの大きさを考慮して、保持期間Fi+1における補正電圧を調整できる。こうすることで、誤差αiが大きくなってしまっても、それが誤差αi+1に与える影響を最小限にすることができるため、誤差が連鎖的に大きくなってしまうことを抑制できる。
本実施の形態におけるオーバードライブにおいて、誤差α2を最小限にする例について、図12(E)および(F)を参照して説明する。図12(E)に示すグラフは、図12(C)に示すグラフの補正電圧V2´をさらに調整し、補正電圧V2´´とした場合の電圧の時間変化を、実線1207として表している。図12(F)に示すグラフは、図12(E)に示すグラフによって電圧の補正がなされた場合の透過率の時間変化を表している。
図12(D)に示すグラフにおける実線1206では、補正電圧V2´によって過剰補正が発生しているが、図12(F)に示すグラフにおける実線1208では、誤差α1を考慮して調整された補正電圧V2´´によって過剰補正を抑制し、誤差α2を最小限にしている。なお、具体的な補正値については、予め液晶素子の応答特性を測定することで導出することができる。装置に実装する方法としては、補正式を定式化して論理回路に組み込む方法、補正値をルックアップテーブルとしてメモリに保存しておき、必要に応じて補正値を読み出す方法、等を用いることができる。そして、これらの方法を、補正電圧Vi´を計算する部分とは別に追加する、または補正電圧Vi´を計算する部分に組み込むことができる。なお、誤差αi―1を考慮して調整された補正電圧Vi´´の補正量(所望の電圧Viとの差)は、Vi´の補正量よりも小さいものとすることが好ましい。つまり、|Vi´´−Vi|<|Vi´−Vi|とすることが好ましい。
なお、理想的な補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまうことによる誤差αiは、信号書込み周期が短いほど大きくなる。なぜならば、信号書込み周期が短いほど液晶素子の応答時間も短くする必要があり、その結果、より大きな補正電圧が必要となるためである。さらに、必要とされる補正電圧が大きくなった結果、補正電圧がソースドライバの定格電圧を超えてしまう頻度も大きくなるため、大きな誤差αiが発生する頻度も大きくなる。したがって、本実施の形態におけるオーバードライブは、信号書込み周期が短い場合ほど有効であるといえる。具体的には、1つの元画像を複数のサブ画像に分割し、当該複数のサブ画像を1フレーム期間内に順次表示させる場合、複数の画像から画像に含まれる動きを検出して、当該複数の画像の中間状態の画像を生成し、当該複数の画像の間に挿入して駆動する(いわゆる動き補償倍速駆動)場合、またはこれらを組み合わせる場合、等の駆動方法が行なわれる場合に、本実施の形態におけるオーバードライブが用いられることは、格段の効果を奏することになる。
なお、ソースドライバの定格電圧は、上述した上限の他に、下限も存在する。例えば、電圧0よりも小さい電圧が加えられない場合が挙げられる。このとき、上述した上限の場合と同様に、理想的な補正電圧が加えられないこととなるため、誤差αiが大きくなってしまう。しかしながら、この場合でも、上述した方法と同様に、保持期間Fiの末尾における誤差αiを推定し、当該誤差αiの大きさを考慮して、保持期間Fi+1における補正電圧を調整することができる。なお、ソースドライバの定格電圧として電圧0よりも小さい電圧(負の電圧)を加えることができる場合は、補正電圧として液晶素子に負の電圧を加えても良い。こうすることで、定電荷状態による電位の変動を見越して、保持期間Fiの末尾において液晶素子にかかる電圧が所望の電圧Vi近傍の電圧となるように調整できる。
なお、液晶素子の劣化を抑制するため、液晶素子に加える電圧の極性を定期的に反転させる、いわゆる反転駆動を、オーバードライブと組み合わせて実施することができる。すなわち、本実施の形態におけるオーバードライブは、反転駆動と同時に行なわれる場合も含む。例えば、信号書込み周期が入力画像信号周期Tinの1/2である場合に、極性を反転させる周期と入力画像信号周期Tinとが同程度であると、正極性の信号の書込みと負極性の信号の書込みが、2回毎に交互に行なわれることになる。このように、極性を反転させる周期を信号書込み周期よりも長くすることで、画素の充放電の頻度を低減できるので、消費電力を低減できる。ただし、極性を反転させる周期をあまり長くすると、極性の違いによる輝度差がフリッカとして認識される不具合が生じることがあるため、極性を反転させる周期は入力画像信号周期Tinと同程度か短いことが好ましい。
(実施の形態5)
第5の実施の形態として、表示装置の別の構成例およびその駆動方法について説明する。本実施の形態においては、表示装置の外部から入力される画像(入力画像)の動きを補間する画像を、複数の入力画像を基にして表示装置の内部で生成し、当該生成された画像(生成画像)と、入力画像とを順次表示させる方法について説明する。なお、生成画像を、入力画像の動きを補間するような画像とすることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。ここで、動画の補間について、以下に説明する。
動画の表示は、理想的には、個々の画素の輝度をリアルタイムに制御することで実現されるものであるが、画素のリアルタイム個別制御は、制御回路の数が膨大なものとなる問題、配線スペースの問題、および入力画像のデータ量が膨大なものとなる問題等が存在し、実現が困難である。したがって、現在のところ、表示装置による動画の表示は、複数の静止画を一定の周期で順次表示することで、表示が動画に見えるようにして行なわれている。この周期(本実施の形態においては入力画像信号周期と呼び、Tinと表す)は規格化されており、例として、NTSC(National Television Standards Committee)規格では1/60秒、PAL(Phase Alternating Line)規格では1/50秒である。この程度の周期でも、インパルス型表示装置であるCRTにおいては動画表示に問題は起こらなかった。しかし、ホールド型表示装置においては、これらの規格に準じた動画をそのまま表示すると、ホールド型であることに起因する残像等により表示が不鮮明となる不具合(ホールドぼけ:hold blur)が発生してしまう。
ホールドぼけは、人間の目の追従による無意識的な動きの補間と、ホールド型の表示との不一致(discrepancy)で認識されるものであるので、従来の規格よりも入力画像信号周期を短くする(画素のリアルタイム個別制御に近づける)ことで低減させることができるが、入力画像信号周期を短くすることは規格の変更を伴い、さらに、データ量も増大することになるので、困難である。しかしながら、規格化された入力画像信号を基にして、入力画像の動きを補間するような画像を表示装置内部で生成し、当該生成画像によって入力画像を補間して表示することで、規格の変更またはデータ量の増大なしに、ホールドぼけを低減できる。このように、入力画像信号を基にして表示装置内部で画像信号を生成し、入力画像の動きを補間することを、動画の補間と呼ぶこととする。
本実施の形態における動画の補間方法によって、動画ぼけを低減させることができる。本実施の形態における動画の補間方法は、画像生成方法と画像表示方法に分けることができる。そして、特定のパターンの動きについては別の画像生成方法および/または画像表示方法を用いることで、効果的に動画ぼけを低減させることができる。図13(A)および(B)は、本実施の形態における動画の補間方法の一例を説明するための模式図である。
図13(A)および(B)において、横軸は時間であり、横方向の位置によって、それぞれの画像が扱われるタイミングを表している。「入力」と記された部分は、入力画像信号が入力されるタイミングを表している。ここでは、時間的に隣接する2つの画像として、画像1301および画像1302に着目している。入力画像は、周期Tinの間隔で入力される。なお、周期Tin1つ分の長さを、1フレームもしくは1フレーム期間と記すことがある。「生成」と記された部分は、入力画像信号から新しく画像が生成されるタイミングを表している。ここでは、画像1301および画像1302を基にして生成される生成画像である、画像1303に着目している。「表示」と記された部分は、表示装置に画像が表示されるタイミングを表している。なお、着目している画像以外の画像については破線で記しているのみであるが、着目している画像と同様に扱うことによって、本実施の形態における動画の補間方法の一例を実現できる。
本実施の形態における動画の補間方法の一例は、図13(A)に示されるように、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示されるタイミングの間隙に表示させることで、動画の補間を行うことができる。このとき、表示画像の表示周期は、入力画像の入力周期の1/2とされることが好ましい。ただし、これに限定されず、様々な表示周期とすることができる。例えば、表示周期を入力周期の1/2より短くすることで、動画をより滑らかに表示できる。または、表示周期を入力周期の1/2より長くすることで、消費電力を低減できる。
なお、ここでは、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして画像を生成しているが、基にする入力画像は2つに限定されず、様々な数を用いることができる。例えば、時間的に隣接した3つ(3つ以上でも良い)の入力画像を基にして画像を生成すれば、2つの入力画像を基にする場合よりも、精度の良い生成画像を得ることができる。なお、画像1301の表示タイミングを、画像1302の入力タイミングと同時刻、すなわち入力タイミングに対する表示タイミングを1フレーム遅れとしているが、本実施の形態における動画の補間方法における表示タイミングはこれに限定されず、様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、入力タイミングに対する表示タイミングを1フレーム以上遅らせることができる。こうすることで、生成画像である画像1303の表示タイミングを遅くすることができるので、画像1303の生成にかかる時間に余裕を持たせることができ、消費電力および製造コストの低減につながる。なお、入力タイミングに対する表示タイミングをあまりに遅くすると、入力画像を保持しておく期間が長くなり、保持にかかるメモリ容量が増大してしまうので、入力タイミングに対する表示タイミングは、1フレーム遅れから2フレーム遅れ程度が好ましい。
ここで、画像1301および画像1302を基にして生成される画像1303の、具体的な生成方法の一例について説明する。動画を補間するためには入力画像の動きを検出する必要があるが、本実施の形態においては、入力画像の動きの検出のために、ブロックマッチング法と呼ばれる方法を用いることができる。ただし、これに限定されず、様々な方法(画像データの差分をとる方法、フーリエ変換を利用する方法等)を用いることができる。
ブロックマッチング法においては、まず、入力画像1枚分の画像データ(ここでは画像1301の画像データ)を、データ記憶手段(半導体メモリ、RAM等の記憶回路等)に記憶させる。そして、次のフレームにおける画像(ここでは画像1302)を、複数の領域に分割する。なお、分割された領域は、図13(A)のように、同じ形状の矩形とすることができるが、これに限定されず、様々なもの(画像によって形状または大きさを変える等)とすることができる。その後、分割された領域毎に、データ記憶手段に記憶させた前のフレームの画像データ(ここでは画像1301の画像データ)とデータの比較を行い、画像データが似ている領域を探索する。図13(A)の例においては、画像1302における領域1304とデータが似ている領域を画像1301の中から探索し、領域1306が探索されたものとしている。なお、画像1301の中を探索するとき、探索範囲は限定されることが好ましい。図13(A)の例においては、探索範囲として、領域1304の面積の4倍程度の大きさである、領域1305を設定している。なお、探索範囲をこれより大きくすることで、動きの速い動画においても検出精度を高くすることができる。ただし、あまりに広く探索を行なうと探索時間が膨大なものとなってしまい、動きの検出の実現が困難となるため、領域1305は、領域1304の面積の2倍から6倍程度の大きさであることが好ましい。
その後、探索された領域1306と、画像1302における領域1304との位置の違いを、動きベクトル1307として求める。動きベクトル1307は領域1304における画像データの1フレーム期間の動きを表すものである。そして、動きの中間状態を表す画像を生成するため、動きベクトルの向きはそのままで大きさを変えた画像生成用ベクトル1308を作り、画像1301における領域1306に含まれる画像データを、画像生成用ベクトル1308に従って移動させることで、画像1303における領域1309内の画像データを形成させる。これらの一連の処理を、画像1302における全ての領域について行なうことで、画像1303が生成され得る。そして、入力画像1301、生成画像1303、入力画像1302を順次表示することで、動画を補間することができる。なお、画像中の物体1310は、画像1301および画像1302において位置が異なっている(つまり動いている)が、生成された画像1303は、画像1301および画像1302における物体の中間点となっている。このような画像を表示することで、動画の動きを滑らかにすることができ、残像等による動画の不鮮明さを改善できる。
なお、画像生成用ベクトル1308の大きさは、画像1303の表示タイミングに従って決められ得る。図13(A)の例においては、画像1303の表示タイミングは画像1301および画像1302の表示タイミングの中間点(1/2)としているため、画像生成用ベクトル1308の大きさは動きベクトル1307の1/2としているが、他にも、例えば、表示タイミングが1/3の時点であれば、大きさを1/3とし、表示タイミングが2/3の時点であれば、大きさを2/3とすることができる。
なお、このように、様々な動きベクトルを持った複数の領域をそれぞれ動かして新しい画像を作る場合は、移動先の領域内に他の領域が既に移動している部分(重複)や、どこの領域からも移動されてこない部分(空白)が生じることもある。これらの部分については、データを補正することができる。重複部分の補正方法としては、例えば、重複データの平均をとる方法、動きベクトルの方向等で優先度をつけておき、優先度の高いデータを生成画像内のデータとする方法、色(または明るさ)はどちらかを優先させるが明るさ(または色)は平均をとる方法、等を用いることができる。空白部分の補正方法としては、画像1301または画像1302の当該位置における画像データをそのまま生成画像内のデータとする方法、画像1301または画像1302の当該位置における画像データの平均をとる方法、等を用いることができる。そして、生成された画像1303を、画像生成用ベクトル1308の大きさに従ったタイミングで表示させることで、動画の動きを滑らかにすることができ、さらに、ホールド駆動による残像等によって動画の品質が低下する問題を改善できる。
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、図13(B)に示されるように、時間的に隣接した2つの入力画像を基にして生成された生成画像を、当該2つの入力画像が表示されるタイミングの間隙に表示させる際に、それぞれの表示画像をさらに複数のサブ画像に分割して表示することで、動画の補間を行うことができる。この場合、画像表示周期が短くなることによる利点だけでなく、暗い画像が定期的に表示される(表示方法がインパルス型に近づく)ことによる利点も得ることができる。つまり、画像表示周期が画像入力周期に比べて1/2の長さにするだけの場合よりも、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。
図13(B)の例においては、「入力」および「生成」については図13(A)の例と同様な処理を行なうことができるので、説明を省略する。図13(B)の例における「表示」は、1つの入力画像または/および生成画像を複数のサブ画像に分割して表示を行うことができる。具体的には、図13(B)に示すように、画像1301をサブ画像1301aおよび1301bに分割して順次表示することで、人間の目には画像1301が表示されたように知覚させ、画像1303をサブ画像1303aおよび1303bに分割して順次表示することで、人間の目には画像1303が表示されたように知覚させ、画像1302をサブ画像1302aおよび1302bに分割して順次表示することで、人間の目には画像1302が表示されたように知覚させる。
すなわち、人間の目に知覚される画像としては図13(A)の例と同様なものとしつつ、表示方法をインパルス型に近づけることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。なお、サブ画像の分割数は、図13(B)においては2つとしているが、これに限定されず様々な分割数を用いることができる。なお、サブ画像が表示されるタイミングは、図13(B)においては等間隔(1/2)としているが、これに限定されず様々な表示タイミングを用いることができる。例えば、暗いサブ画像(1301b、1302b、1303b)の表示タイミングを早くする(具体的には、1/4から1/2のタイミング)ことで、表示方法をよりインパルス型に近づけることができるため、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。または、暗いサブ画像の表示タイミングを遅くする(具体的には、1/2から3/4のタイミング)ことで、明るい画像の表示期間を長くすることができるので、表示効率を高めることができ、消費電力を低減できる。
本実施の形態における動画の補間方法の他の例は、画像内で動いている物体の形状を検出し、動いている物体の形状によって異なる処理を行なう例である。図13(C)に示す例は、図13(B)の例と同様に表示のタイミングを表しているが、表示されている内容が、動く文字(スクロールテキスト、字幕、テロップ等とも呼ばれる)である場合を示している。なお、「入力」および「生成」については、図13(B)と同様としても良いため、図示していない。
ホールド駆動における動画の不鮮明さは、動いているものの性質によって程度が異なることがある。特に、文字が動いている場合に顕著に認識されることが多い。なぜならば、動く文字を読む際にはどうしても視線を文字に追従させてしまうので、ホールドぼけが発生しやすくなるためである。さらに、文字は輪郭がはっきりしていることが多いため、ホールドぼけによる不鮮明さがさらに強調されてしまうこともある。すなわち、画像内を動く物体が文字かどうかを判別し、文字である場合はさらに特別な処理を行なうことは、ホールドぼけの低減のためには有効である。
具体的には、画像内を動いている物体に対し、輪郭検出または/およびパターン検出等を行なって、当該物体が文字であると判断された場合は、同じ画像から分割されたサブ画像同士であっても動き補間を行い、動きの中間状態を表示するようにして、動きを滑らかにすることができる。当該物体が文字ではないと判断された場合は、図13(B)に示すように、同じ画像から分割されたサブ画像であれば動いている物体の位置は変えずに表示することができる。図13(C)の例では、文字であると判断された領域1320が、上方向に動いている場合を示しているが、サブ画像1301aとサブ画像1301bとで、領域1320の位置を異ならせている。サブ画像1303aとサブ画像1303b、サブ画像1302aとサブ画像1302bについても同様である。こうすることで、ホールドぼけが特に認識されやすい動く文字については、通常の動き補償倍速駆動よりもさらに動きを滑らかにすることができるので、残像等による動画の不鮮明さをさらに改善できる。
なお、本実施の形態における図13(C)に示す例は、ピーク輝度制御における文字検出と組み合わせることが有効である。なぜならば、ピーク輝度を正しく制御するために文字を検出する回路または/およびアルゴリズム等は、本実施の形態におけるホールドぼけ低減のための文字検出手段と共用することが可能であるためである。こうすることで、ピーク輝度制御とホールドぼけ低減を同時に用いた場合においても、表示装置の構成および/または動作に大きな追加を行なうことなく実現できる。
(実施の形態6)
本実施の形態においては、液晶表示装置に適用できる画素の構成及び画素の動作について説明する。
図14(A)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。画素580は、トランジスタ581、液晶素子582及び容量素子583を有している。トランジスタ581のゲートは配線585と電気的に接続される。トランジスタ581の第1端子は配線584と電気的に接続される。トランジスタ581の第2端子は液晶素子582の第1端子と電気的に接続される。液晶素子582の第2端子は配線587と電気的に接続される。容量素子583の第1端子は液晶素子582の第1端子と電気的に接続される。容量素子583の第2端子は配線586と電気的に接続される。なお、トランジスタの第1端子とは、ソースまたはドレインのいずれか一方であり、トランジスタの第2端子とは、ソースまたはドレインの他方のことである。つまり、トランジスタの第1端子がソースである場合は、トランジスタの第2端子はドレインとなる。同様に、トランジスタの第1端子がドレインである場合は、トランジスタの第2端子はソースとなる。
配線584は信号線として機能させることができる。信号線は、画素の外部から入力された信号電圧を画素580に伝達するための配線である。配線585は走査線として機能させることができる。走査線は、トランジスタ581のオンオフを制御するための配線である。配線586は容量線として機能させることができる。容量線は、容量素子583の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。トランジスタ581は、スイッチとして機能させることができる。容量素子583は、保持容量として機能させることができる。保持容量は、スイッチがオフの状態においても、信号電圧が液晶素子582に加わり続けるようにするための容量素子である。配線587は、対向電極として機能させることができる。対向電極は、液晶素子582の第2端子に所定の電圧を加えるための配線である。なお、それぞれの配線が持つことのできる機能はこれに限定されず、様々な機能を有することが出来る。例えば、容量線に加える電圧を変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を調整することもできる。なお、トランジスタ581はスイッチとして機能すればよいため、トランジスタ581の極性はPチャネル型でもよいし、Nチャネル型でもよい。
図14(B)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。図14(B)に示す画素構成例は、図14(A)に示す画素構成例と比較して、配線587が省略され、かつ、液晶素子582の第2端子と容量素子583の第2端子とが電気的に接続されている点が異なっている以外は、図14(A)に示す画素構成例と同様な構成であるとしている。図14(B)に示す画素構成例は、特に、液晶素子が横電界モード(IPSモード、FFSモードを含む)である場合に適用できる。なぜならば、液晶素子が横電界モードである場合、液晶素子582の第2端子および容量素子583の第2端子を同一な基板上に形成させることができるため、液晶素子582の第2端子と容量素子583の第2端子とを電気的に接続させることが容易であるからである。図14(B)に示すような画素構成とすることで、配線587を省略できるので、製造工程を簡略なものとすることができ、製造コストを低減できる。
図14(A)または図14(B)に示す画素構成は、マトリクス状に複数配置され得る。こうすることで、液晶表示装置の表示部が形成され、様々な画像を表示することができる。図14(C)は、図14(A)に示す画素構成がマトリクス状に複数配置されている場合の回路構成を示す図である。図14(C)に示す回路構成は、表示部が有する複数の画素のうち、4つの画素を抜き出して示した図である。そして、i列j行(i,jは自然数)に位置する画素を、画素580(i,j)と表記し、画素580(i,j)には、配線584(i)、配線585(j)、配線586(j)が、それぞれ電気的に接続される。同様に、画素580(i+1,j)については、配線584(i+1)、配線585(j)、配線586(j)と電気的に接続される。同様に、画素580(i,j+1)については、配線584(i)、配線585(j+1)、配線586(j+1)と電気的に接続される。同様に、画素580(i+1,j+1)については、配線584(i+1)、配線585(j+1)、配線586(j+1)と電気的に接続される。なお、各配線は、同じ列または行に属する複数の画素によって共有され得る。なお、図14(C)に示す画素構成において配線587は対向電極であり、対向電極は全ての画素において共通であることから、配線587については自然数iまたはjによる表記は行なわないこととする。なお、本実施の形態においては図14(B)に示す画素構成を用いることも可能であるため、配線587が記載されている構成であっても配線587は必須ではなく、他の配線と共有されること等によって省略され得る。
図14(C)に示す画素構成は、様々な方法によって駆動され得る。特に、交流駆動と呼ばれる方法によって駆動されることによって、液晶素子の劣化(焼き付き)を抑制することができる。図14(D)は、交流駆動の1つである、ドット反転駆動が行なわれる場合の、図14(C)に示す画素構成における各配線に加えられる電圧のタイミングチャートを表す図である。ドット反転駆動が行なわれることによって、交流駆動が行なわれる場合に視認されるフリッカ(ちらつき)を抑制することができる。
図14(C)に示す画素構成において、配線585(j)と電気的に接続されている画素におけるスイッチは、1フレーム期間中の第jゲート選択期間において選択状態(オン状態)となり、それ以外の期間では非選択状態(オフ状態)となる。そして、第jゲート選択期間の後に、第j+1ゲート選択期間が設けられる。このように順次走査が行なわれることで、1フレーム期間内に全ての画素が順番に選択状態となる。図14(D)に示すタイミングチャートでは、電圧が高い状態(ハイレベル)となることで、当該画素におけるスイッチが選択状態となり、電圧が低い状態(ローレベル)となることで非選択状態となる。なお、これは各画素におけるトランジスタがNチャネル型の場合であり、Pチャネル型のトランジスタが用いられる場合、電圧と選択状態の関係は、Nチャネル型の場合とは逆となる。
図14(D)に示すタイミングチャートでは、第kフレーム(kは自然数)における第jゲート選択期間において、信号線として用いる配線584(i)に正の信号電圧が加えられ、配線584(i+1)に負の信号電圧が加えられる。そして、第kフレームにおける第j+1ゲート選択期間において、配線584(i)に負の信号電圧が加えられ、配線584(i+1)に正の信号電圧が加えられる。その後も、それぞれの信号線は、ゲート選択期間ごとに極性が反転した信号が交互に加えられる。その結果、第kフレームにおいては、画素580(i,j)には正の信号電圧、画素580(i+1,j)には負の信号電圧、画素580(i,j+1)には負の信号電圧、画素580(i+1,j+1)には正の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。そして、第k+1フレームにおいては、それぞれの画素において、第kフレームにおいて書き込まれた信号電圧とは逆の極性の信号電圧が書き込まれる。その結果、第k+1フレームにおいては、画素580(i,j)には負の信号電圧、画素580(i+1,j)には正の信号電圧、画素580(i,j+1)には正の信号電圧、画素580(i+1,j+1)には負の信号電圧が、それぞれ加えられることとなる。このように、同じフレームにおいては隣接する画素同士で異なる極性の信号電圧が加えられ、さらに、それぞれの画素においては1フレームごとに信号電圧の極性が反転される駆動方法が、ドット反転駆動である。ドット反転駆動によって、液晶素子の劣化を抑制しつつ、表示される画像全体または一部が均一である場合に視認されるフリッカを低減することができる。なお、配線586(j)、配線586(j+1)を含む全ての配線586に加えられる電圧は、一定の電圧とされ得る。なお、配線584のタイミングチャートにおける信号電圧の表記は極性のみとなっているが、実際は、表示された極性において様々な信号電圧の値をとり得る。なお、ここでは1ドット(1画素)毎に極性を反転させる場合について述べたが、これに限定されず、複数の画素毎に極性を反転させることもできる。例えば、2ゲート選択期間毎に書き込む信号電圧の極性を反転させることで、信号電圧の書き込みにかかる消費電力を低減させることができる。他にも、1列毎に極性を反転させること(ソースライン反転)もできるし、1行ごとに極性を反転させること(ゲートライン反転)もできる。
なお、画素580における容量素子583の第2端子には、1フレーム期間において一定の電圧が加えられていれば良い。ここで、走査線として用いる配線585に加えられる電圧は1フレーム期間の大半においてローレベルであり、ほぼ一定の電圧が加えられていることから、画素580における容量素子583の第2端子の接続先は、配線585でも良い。図14(E)は、液晶表示装置に適用できる画素構成の一例を示す図である。図14(E)に示す画素構成は、図14(C)に示す画素構成と比較すると、配線586が省略され、かつ、画素580内の容量素子583の第2端子と、一つ前の行における配線585とが電気的に接続されていることを特徴としている。具体的には、図14(E)に表記されている範囲においては、画素580(i,j+1)および画素580(i+1,j+1)における容量素子583の第2端子は、配線585(j)と電気的に接続される。このように、画素580内の容量素子583の第2端子と、一つ前の行における配線585とを電気的に接続させることで、配線586を省略することができるので、画素の開口率を向上できる。なお、容量素子583の第2端子の接続先は、一つ前の行における配線585ではなく、他の行における配線585でも良い。なお、図14(E)に示す画素構成の駆動方法は、図14(C)に示す画素構成の駆動方法と同様のものを用いることができる。
なお、容量素子583および容量素子583の第2端子に電気的に接続される配線を用いて、信号線として用いる配線584に加える電圧を小さくすることができる。このときの画素構成および駆動方法について、図14(F)および図14(G)を用いて説明する。図14(F)に示す画素構成は、図14(A)に示す画素構成と比較して、配線586を1画素列あたり2本とし、かつ、画素580における容量素子583の第2端子との電気的な接続を、隣接する画素で交互に行なうことを特徴としている。なお、2本とした配線586は、それぞれ配線586−1および配線586−2と呼ぶこととする。具体的には、図14(F)に表記されている範囲においては、画素580(i,j)における容量素子583の第2端子は、配線586−1(j)と電気的に接続され、画素580(i+1,j)における容量素子583の第2端子は、配線586−2(j)と電気的に接続され、画素580(i,j+1)における容量素子583の第2端子は、配線586−2(j+1)と電気的に接続され、画素580(i+1,j+1)における容量素子583の第2端子は、配線586−1(j+1)と電気的に接続される。
そして、例えば、図14(G)に示すように、第kフレームにおいて画素580(i,j)に正の極性の信号電圧が書き込まれる場合、配線586−1(j)は、第jゲート選択期間においてはローレベルとさせ、第jゲート選択期間の終了後、ハイレベルに変化させる。そして、1フレーム期間中はそのままハイレベルを維持し、第k+1フレームにおける第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれた後、ローレベルに変化させる。このように、正の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子583の第2端子に電気的に接続される配線の電圧を正の方向に変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を正の方向に所定の量だけ変化させることができる。すなわち、その分画素に書き込む信号電圧を小さくすることができるため、信号書き込みにかかる消費電力を低減させることができる。なお、第jゲート選択期間に負の極性の信号電圧が書き込まれる場合は、負の極性の信号電圧が画素に書き込まれた後に、容量素子583の第2端子に電気的に接続される配線の電圧を負の方向に変化させることで、液晶素子に加えられる電圧を負の方向に所定の量だけ変化させることができるので、正の極性の場合と同様に、画素に書き込む信号電圧を小さくすることができる。つまり、容量素子583の第2端子に電気的に接続される配線は、同じフレームの同じ行において、正の極性の信号電圧が加えられる画素と、負の極性の信号電圧が加えられる画素とで、それぞれ異なる配線であることが好ましい。図14(F)は、第kフレームにおいて正の極性の信号電圧が書き込まれる画素には配線586−1が電気的に接続され、第kフレームにおいて負の極性の信号電圧が書き込まれる画素には配線586−2が電気的に接続される例である。ただし、これは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の極性の信号電圧が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線586−1および配線586−2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込まれる場合(ゲートライン反転)も考えられるが、その場合は、配線586は1行あたり1本でよい。つまり、図14(C)に示す画素構成においても、図14(F)および図14(G)を用いて説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用いることができる。
次に、液晶素子が、MVAモードまたはPVAモード等に代表される、垂直配向(VA)モードである場合に特に好ましい画素構成およびその駆動方法について述べる。VAモードは、製造時にラビング工程が不要、黒表示時の光漏れが少ない、駆動電圧が低い等の優れた特徴を有するが、画面を斜めから見たときに画質が劣化してしまう(視野角が狭い)という問題点も有する。VAモードの視野角を広くするには、図15(A)および図15(B)に示すように、1画素に複数の副画素(サブピクセル)を有する画素構成とすることが有効である。図15(A)および図15(B)に示す画素構成は、画素580が2つの副画素(副画素580−1,副画素580−2)を含む場合の一例を表すものである。なお、1つの画素における副画素の数は2つに限定されず、様々な数の副画素を用いることができる。副画素の数が大きいほど、より視野角を広くすることができる。複数の副画素は互いに同一の回路構成とすることができ、ここでは、全ての副画素が図14(A)に示す回路構成と同様であるとして説明する。なお、第1の副画素580−1は、トランジスタ581−1、液晶素子582−1、容量素子583−1を有するものとし、それぞれの接続関係は図14(A)に示す回路構成に準じることとする。同様に、第2の副画素580−2は、トランジスタ581−2、液晶素子582−2、容量素子583−2を有するものとし、それぞれの接続関係は図14(A)に示す回路構成に準じることとする。
図15(A)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用いる配線585を2本(配線585−1,配線585−2)有し、信号線として用いる配線584を1本有し、容量線として用いる配線586を1本有する構成を表すものである。このように、信号線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させることができ、さらに、信号線駆動回路を簡単なものとすることができるので製造コストが低減でき、かつ、液晶パネルと駆動回路ICの接続点数を低減できるので、歩留まりを向上できる。図15(B)に示す画素構成は、1画素を構成する2つの副画素に対し、走査線として用いる配線585を1本有し、信号線として用いる配線584を2本(配線584−1,配線584−2)有し、容量線として用いる配線586を1本有する構成を表すものである。このように、走査線および容量線を2つの副画素で共用することにより、開口率を向上させることができ、さらに、全体の走査線本数を低減できるので、高精細な液晶パネルにおいても1つあたりのゲート線選択期間を十分に長くすることができ、それぞれの画素に適切な信号電圧を書き込むことができる。
図15(C)および図15(D)は、図15(B)に示す画素構成において、液晶素子を画素電極の形状に置き換えた上で、各素子の電気的接続状態を模式的に表した例である。図15(C)および図15(D)において、電極588−1は第1の画素電極を表し、電極588−2は第2の画素電極を表すものとする。図15(C)において、第1画素電極588−1は、図15(B)における液晶素子582−1の第1端子に相当し、第2画素電極588−2は、図15(B)における液晶素子582−2の第1端子に相当する。すなわち、第1画素電極588−1は、トランジスタ581−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極588−2は、トランジスタ581−2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。一方、図15(D)においては、画素電極とトランジスタの接続関係を逆にする。すなわち、第1画素電極588−1は、トランジスタ581−2のソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2画素電極588−2は、トランジスタ581−1のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されるものとする。
図15(C)および図15(D)で示したような画素構成を、マトリクス状に交互に配置することで、特別な効果を得ることができる。このような画素構成およびその駆動方法の一例を、図15(E)および図15(F)に示す。図15(E)に示す画素構成は、画素580(i,j)および画素580(i+1,j+1)に相当する部分を図15(C)に示す構成とし、画素580(i+1,j)および画素580(i,j+1)に相当する部分を図15(D)に示す構成としたものである。この構成において、図15(F)に示すタイミングチャートのように駆動すると、第kフレームの第jゲート選択期間において、画素580(i,j)の第1画素電極および画素580(i+1,j)の第2画素電極に正の極性の信号電圧が書き込まれ、画素580(i,j)の第2画素電極および画素580(i+1,j)の第1画素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。さらに、第kフレームの第j+1ゲート選択期間において、画素580(i,j+1)の第2画素電極および画素580(i+1,j+1)の第1画素電極に正の極性の信号電圧が書き込まれ、画素580(i,j+1)の第1画素電極および画素580(i+1,j+1)の第2画素電極に負の極性の信号電圧が書き込まれる。第k+1フレームにおいては、各画素において信号電圧の極性が反転される。こうすることによって、副画素を含む画素構成においてドット反転駆動に相当する駆動を実現しつつ、信号線に加えられる電圧の極性を1フレーム期間内で同一なものとすることができるので、画素の信号電圧書込みにかかる消費電力を大幅に低減することができる。なお、配線586(j)、配線586(j+1)を含む全ての配線586に加えられる電圧は、一定の電圧とされ得る。
さらに、図15(G)および図15(H)に示す画素構成およびその駆動方法によって、画素に書き込まれる信号電圧の大きさを小さくすることができる。これは、それぞれの画素が有する複数の副画素に電気的に接続される容量線を、副画素毎に異ならせるものである。すなわち、図15(G)および図15(H)に示す画素構成およびその駆動方法によって、同一のフレーム内で同一の極性が書き込まれる副画素については、同一行内で容量線を共通とし、同一のフレーム内で異なる極性が書き込まれる副画素については、同一行内で容量線を異ならせる。そして、各行の書き込みが終了した時点で、それぞれの容量線の電圧を、正の極性の信号電圧が書き込まれた副画素では正の方向、負の極性の信号電圧が書き込まれた副画素では負の方向に変化させることで、画素に書き込まれる信号電圧の大きさを小さくすることができる。具体的には、容量線として用いる配線586を各行で2本(配線586−1,配線586−2)とし、画素580(i,j)の第1画素電極と、配線586−1(j)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i,j)の第2画素電極と、配線586−2(j)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i+1,j)の第1画素電極と、配線586−2(j)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i+1,j)の第2画素電極と、配線586−1(j)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i,j+1)の第1画素電極と、配線586−2(j+1)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i,j+1)の第2画素電極と、配線586−1(j+1)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i+1,j+1)の第1画素電極と、配線586−1(j+1)とが、容量素子を介して電気的に接続され、画素580(i+1,j+1)の第2画素電極と、配線586−2(j+1)とが、容量素子を介して電気的に接続される。ただし、これは一例であり、例えば、正の極性の信号電圧が書き込まれる画素と負の極性の信号電圧が書き込まれる画素が2画素毎に現れるような駆動方法の場合は、配線586−1および配線586−2の電気的接続もそれに合わせて、2画素毎に交互に行なわれることが好ましい。さらに言えば、1行全ての画素で同じ極性の信号電圧が書き込まれる場合(ゲートライン反転)も考えられるが、その場合は、配線586は1行あたり1本でよい。つまり、図15(E)に示す画素構成においても、図15(G)および図15(H)を用いて説明したような、画素に書き込む信号電圧を小さくする駆動方法を用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態においては、トランジスタの構造について説明する。トランジスタは、トランジスタが有する半導体層に用いる材料によって大きく分類され得る。半導体層に用いる材料としては、主成分としてシリコンが含まれるシリコン系材料と、主成分としてシリコンを含まない非シリコン系材料に分類できる。シリコン系材料には、アモルファスシリコン、マイクロクリスタルシリコン、ポリシリコン、単結晶シリコン等が挙げられる。非シリコン系材料としては、砒化ガリウム(GaAs)等の化合物半導体、酸化亜鉛(ZnO)等の酸化物半導体等が挙げられる。
アモルファスシリコン(a−Si:H)またはマイクロクリスタルシリコンをトランジスタの半導体層として用いる場合は、トランジスタの特性の均一性が高く、かつ、製造コストが小さいという利点がある。特に、対角の長さが20インチを超えるような大型の基板にトランジスタを作製する場合に有効である。以下に、半導体層としてアモルファスシリコンまたはマイクロクリスタルシリコンを用いるトランジスタおよび容量素子の構造の一例について説明する。
図16(A)は、トップゲート型のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す図である。
基板7031上に第1の絶縁膜(絶縁膜7032)が形成される。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ下地膜としての機能を有することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。特に、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、高いバリア性を有するため、第1の絶縁膜には窒化シリコンが含まれることが好ましい。なお、第1の絶縁膜は必ずしも形成されなくても良い。第1の絶縁膜が形成されない場合は、工程数の削減、製造コストの低減および歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層7033、導電層7034及び導電層7035)が形成される。導電層7033は、トランジスタ7048のソース及びドレインの一方として機能する部分を含む。導電層7034は、トランジスタ7048のソース及びドレインの他方として機能する部分を含む。導電層7035は、容量素子7049の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
導電層7033及び導電層7034の上に、第1の半導体層(半導体層7036及び半導体層7037)が形成される。半導体層7036は、ソースとドレインの一方として機能する部分を含む。半導体層7037は、ソースとドレインの他方として機能する部分を含む。なお、第1の半導体層としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
導電層7033と導電層7034との間であって、かつ第1の絶縁膜上に、第2の半導体層(半導体層7038)が形成される。そして、半導体層7038の一部は、導電層7033上及び導電層7034上まで延長されている。半導体層7038は、トランジスタ7048のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、第2の半導体層としては、アモルファスシリコン(a−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶シリコン(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
少なくとも半導体層7038及び導電層7035を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜7039及び絶縁膜7040)が形成される。第2の絶縁膜は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、第2の半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、第2の半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層7041及び導電層7042)が形成される。導電層7041は、トランジスタ7048のゲート電極として機能する部分を含む。導電層7042は、容量素子7049の第2の電極、又は配線としての機能を有する。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されてもよい。
図16(B)は、逆スタガ型(ボトムゲート型)のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す図である。特に、図16(B)に示すトランジスタは、チャネルエッチ型と呼ばれる構造である。
基板7051上に第1の絶縁膜(絶縁膜7052)が形成される。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ下地膜としての機能を有することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。特に、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、高いバリア性を有するため、第1の絶縁膜には窒化シリコンが含まれることが好ましい。なお、第1の絶縁膜は必ずしも形成されなくても良い。第1の絶縁膜が形成されない場合は、工程数の削減、製造コストの低減および歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層7053及び導電層7054)が形成される。導電層7053は、トランジスタ7068のゲート電極として機能する部分を含む。導電層7054は、容量素子7069の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜7055)が形成される。第2の絶縁膜は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成される部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、第1の半導体層(半導体層7056)が形成される。そして、半導体層7056の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層7056は、トランジスタ7068のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、半導体層7056としては、アモルファスシリコン(a−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶シリコン(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
第1の半導体層上の一部に、第2の半導体層(半導体層7057及び半導体層7058)が形成される。半導体層7057は、ソースとドレインの一方として機能する部分を含む。半導体層7058は、ソースとドレインの他方として機能する部分を含む。なお、第2の半導体としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
第2の半導体層上及び第2の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層7059、導電層7060及び導電層7061)が形成される。導電層7059は、トランジスタ7068のソースとドレインの一方として機能する部分を含む。導電層7060は、トランジスタ7068のソースとドレインの他方として機能する部分を含む。導電層7061は、容量素子7069の第2の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されてもよい。
なお、チャネルエッチ型のトランジスタの製造工程において、第1の半導体層及び第2の半導体層は連続して成膜され得る。そして、第1の半導体層及び第2の半導体層は、同じマスクを用いて形成され得る。
さらに、第2の導電層が形成された後で、第2の導電層をマスクとして用いて第2の半導体層の一部を除去する、あるいは、第2の導電層と同じマスクを用いて第2の半導体層の一部を除去することで、トランジスタのチャネル領域を形成することができる。こうすることで、第2の半導体層の一部を除去するためだけの新たなマスクを用いる必要がないため、製造工程が簡単となり、製造コストが低減できる。ここで、除去された第2の半導体層の下部に形成される第1の半導体層がトランジスタのチャネル領域となる。
図16(C)は、逆スタガ型(ボトムゲート型)のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す図である。特に、図16(C)に示すトランジスタは、チャネル保護型(チャネルストップ型)と呼ばれる構造である。
基板7071上に第1の絶縁膜(絶縁膜7072)が形成される。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ下地膜としての機能を有することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。特に、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、高いバリア性を有するため、第1の絶縁膜には窒化シリコンが含まれることが好ましい。なお、第1の絶縁膜は必ずしも形成されなくても良い。第1の絶縁膜が形成されない場合は、工程数の削減、製造コストの低減および歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層7073及び導電層7074)が形成される。導電層7073は、トランジスタ7088のゲート電極として機能する部分を含む。導電層7074は、容量素子7089の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜7075)が形成される。第2の絶縁膜は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成される部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、第1の半導体層(半導体層7076)が形成される。そして、半導体層7078の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層7076は、トランジスタ7088のチャネル領域として機能する部分を含む。なお、半導体層7076としては、アモルファスシリコン(a−Si:H)等の非結晶性を有する半導体層、又は微結晶シリコン(μ−Si:H)等の半導体層などを用いることができる。
第1の半導体層上の一部に、第3の絶縁膜(絶縁膜7082)が形成される。絶縁膜7082は、トランジスタ7088のチャネル領域がエッチングによって除去されることを防止する機能を有する。つまり、絶縁膜7082は、チャネル保護膜(エッチストップ膜)として機能する。なお、第3の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
第1の半導体層上の一部及び第3の絶縁膜上の一部に、第2の半導体層(半導体層7077及び半導体層7078)が形成される。半導体層7077は、ソースとドレインの一方として機能する部分を含む。半導体層7078は、ソースとドレインの他方として機能する部分を含む。なお、第2の半導体としては、リン等を含んだシリコン等を用いることができる。
第2の半導体層上に、第2の導電層(導電層7079、導電層7080及び導電層7081)が形成される。導電層7079は、トランジスタ7088のソースとドレインの一方として機能する部分を含む。導電層7080は、トランジスタ7088のソースとドレインの他方として機能する部分を含む。導電層7081は、容量素子7089の第2の電極として機能する部分を含む。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されてもよい。
次に、ポリシリコンをトランジスタの半導体層として用いる場合は、トランジスタの移動度が高く、かつ、製造コストが小さいという利点がある。さらに、特性の経年劣化が小さいため、信頼性の高い装置を得ることができる。以下に、半導体層としてポリシリコンを用いるトランジスタおよび容量素子の構造の一例について説明する。
図16(D)は、ボトムゲート型のトランジスタの断面構造及び容量素子の断面構造を示す図である。
基板7091上に第1の絶縁膜(絶縁膜7092)が形成される。第1の絶縁膜は、基板側からの不純物が半導体層に影響を及ぼし、トランジスタの性質が変化してしまうことを防ぐ下地膜としての機能を有することができる。なお、第1の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。特に、窒化シリコン膜は緻密な膜であり、高いバリア性を有するため、第1の絶縁膜には窒化シリコンが含まれることが好ましい。なお、第1の絶縁膜は必ずしも形成されなくても良い。第1の絶縁膜が形成されない場合は、工程数の削減、製造コストの低減および歩留まりの向上を図ることができる。
第1の絶縁膜上に、第1の導電層(導電層7093及び導電層7094)が形成される。導電層7093は、トランジスタ7108のゲート電極として機能する部分を含む。導電層7094は、容量素子7109の第1の電極として機能する部分を含む。なお、第1の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
少なくとも第1の導電層を覆うように、第2の絶縁膜(絶縁膜7104)が形成される。第2の絶縁膜は、ゲート絶縁膜としての機能を有する。なお、第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜、窒化シリコン膜又は酸化窒化シリコン膜(SiOxNy)などの単層、又はこれらの積層を用いることができる。
なお、半導体層に接する部分の第2の絶縁膜としては、酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、半導体層と第2の絶縁膜とが接する界面におけるトラップ準位が少なくなるからである。
なお、第2の絶縁膜がMoと接する場合、Moと接する部分の第2の絶縁膜としては酸化シリコン膜を用いることが望ましい。なぜなら、酸化シリコン膜はMoを酸化させないからである。
第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成される部分の一部に、フォトリソグラフィ法、インクジェット法又は印刷法などによって、半導体層が形成される。そして、半導体層の一部は、第2の絶縁膜上のうち第1の導電層と重なって形成されていない部分まで延長されている。半導体層は、チャネル形成領域(チャネル形成領域7100)、Lightly Doped Drain(LDD)領域(LDD領域7098、LDD領域7099)、不純物領域(不純物領域7095、不純物領域7096、不純物領域7097)を有している。チャネル形成領域7100は、トランジスタ7108のチャネル形成領域として機能する。LDD領域7098及びLDD領域7099は、トランジスタ7108のLDD領域として機能する。なお、LDD領域7098及びLDD領域7099が形成されることによって、トランジスタのドレインに高電界がかかることを抑制できるため、トランジスタの信頼性を向上できる。ただし、LDD領域は形成されなくてもよい。この場合は、製造工程を簡単にすることができるため、製造コストを低減できる。不純物領域7095は、トランジスタ7108のソース及びドレインの一方として機能する部分を含む。不純物領域7096は、トランジスタ7108のソース及びドレインの他方として機能する部分を含む。不純物領域7097は、容量素子7109の第2の電極として機能する部分を含む。
第3の絶縁膜(絶縁膜7101)の一部には、選択的にコンタクトホールが形成される。絶縁膜7101は、層間膜としての機能を有する。第3の絶縁膜としては、無機材料(酸化シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)あるいは、低誘電率の有機化合物材料(感光性又は非感光性の有機樹脂材料)などを用いることができる。あるいは、シロキサンを含む材料を用いることもできる。なお、シロキサンは、シリコン(Si)と酸素(O)との結合で骨格構造が構成される材料である。置換基として、有機基(例えばアルキル基、芳香族炭化水素)やフルオロ基を用いてもよい。有機基はフルオロ基を有していてもよい。
第3の絶縁膜上に、第2の導電層(導電層7102及び導電層7103)が形成される。導電層7102は、第3の絶縁膜に形成されたコンタクトホールを介してトランジスタ7108のソースまたはドレインと電気的に接続されている。したがって、導電層7102は、トランジスタ7108のソースまたはドレインとして機能する部分を含む。導電層7103と導電層7094とが、図示しない部分において電気的に接続されている場合は、導電層7103は容量素子7109の第1の電極として機能する部分を含む。あるいは、導電層7103が不純物領域7097と図示しない部分において電気的に接続されている場合は、導電層7103は容量素子7109の第2の電極として機能する部分を含む。あるいは、導電層7103が導電層7094及び不純物領域7097と電気的に接続されていない場合は、容量素子7109とは別の容量素子が形成される。この容量素子は、導電層7103、不純物領域7097及び絶縁膜7101がそれぞれ容量素子の第1の電極、第2の電極、絶縁膜として用いられる構成である。なお、第2の導電層としては、Ti、Mo、Ta、Cr、W、Al、Nd、Cu、Ag、Au、Pt、Nb、Si、Zn、Fe、Ba、Geなど、又はこれらの合金を用いることができる。あるいは、これらの元素(合金も含む)の積層を用いることができる。
なお、第2の導電層が形成された後の工程として、様々な絶縁膜、又は様々な導電膜が形成されてもよい。
なお、半導体層としてポリシリコンを用いるトランジスタにおいても、トップゲート型のトランジスタとすることができる。
(実施の形態8)
本実施の形態においては、電子機器の例について説明する。
図17(A)乃至図17(H)、図18(A)乃至図18(D)は、電子機器を示す図である。これらの電子機器は、筐体5000、表示部5001、スピーカ5003、LEDランプ5004、操作キー5005、接続端子5006、センサ5007(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、におい又は赤外線を測定する機能を含むもの)、マイクロフォン5008、等を有することができる。
図17(A)はモバイルコンピュータであり、上述したものの他に、スイッチ5009、赤外線ポート5010、等を有することができる。図17(B)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(たとえば、DVD再生装置)であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図17(C)はゴーグル型ディスプレイであり、上述したものの他に、第2表示部5002、支持部5012、イヤホン5013、等を有することができる。図17(D)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図17(E)はプロジェクタであり、上述したものの他に、光源5033、投射レンズ5034、等を有することができる。図17(F)は携帯型遊技機であり、上述したものの他に、第2表示部5002、記録媒体読込部5011、等を有することができる。図17(G)はテレビ受像器であり、上述したものの他に、チューナ、画像処理部、等を有することができる。図17(H)は持ち運び型テレビ受像器であり、上述したものの他に、信号の送受信が可能な充電器5017、等を有することができる。図18(A)はディスプレイであり、上述したものの他に、支持台5018、等を有することができる。図18(B)はカメラであり、上述したものの他に、外部接続ポート5019、シャッターボタン5015、受像部5016、等を有することができる。図18(C)はコンピュータであり、上述したものの他に、ポインティングデバイス5020、外部接続ポート5019、リーダ/ライタ5021、等を有することができる。図18(D)は携帯電話機であり、上述したものの他に、アンテナ5014、携帯電話・移動端末向けの1セグメント部分受信サービス用チューナ、等を有することができる。
図17(A)乃至図17(H)、図18(A)乃至図18(D)に示す電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付又は時刻などを表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、無線通信機能、無線通信機能を用いて様々なコンピュータネットワークに接続する機能、無線通信機能を用いて様々なデータの送信又は受信を行う機能、記録媒体に記録されているプログラム又はデータを読み出して表示部に表示する機能、等を有することができる。さらに、複数の表示部を有する電子機器においては、一つの表示部を主として画像情報を表示し、別の一つの表示部を主として文字情報を表示する機能、または、複数の表示部に視差を考慮した画像を表示することで立体的な画像を表示する機能、等を有することができる。さらに、受像部を有する電子機器においては、静止画を撮影する機能、動画を撮影する機能、撮影した画像を自動または手動で補正する機能、撮影した画像を記録媒体(外部又はカメラに内蔵)に保存する機能、撮影した画像を表示部に表示する機能、等を有することができる。なお、図17(A)乃至図17(H)、図18(A)乃至図18(D)に示す電子機器が有することのできる機能はこれらに限定されず、様々な機能を有することができる。
本実施の形態において述べた電子機器は、何らかの情報を表示するための表示部を有することを特徴とする。本実施の形態における電子機器は、静止画および動画表示時の画質が向上された電子機器とすることができる。または、コントラスト比が向上された電子機器とすることができる。または、視野角が拡大された電子機器とすることができる。または、ちらつきのない電子機器とすることができる。または、応答速度が向上された電子機器とすることができる。または、消費電力が低減された電子機器とすることができる。または、製造コストが低減された電子機器とすることができる。
次に、半導体装置の応用例を説明する。
図18(E)に、半導体装置を、建造物と一体にして設けた例について示す。図18(E)は、筐体5022、表示部5023、操作部であるリモコン装置5024、スピーカ5025等を含む。半導体装置は、壁かけ型として建物と一体となっており、設置するスペースを広く必要とすることなく設置可能である。
図18(F)に、建造物内に半導体装置を、建造物と一体にして設けた別の例について示す。表示パネル5026は、ユニットバス5027と一体に取り付けられており、入浴者は表示パネル5026の視聴が可能になる。
なお、本実施の形態において、建造物として壁、ユニットバスを例としたが、本実施の形態はこれに限定されず、様々な建造物に半導体装置を設置することができる。
次に、半導体装置を、移動体と一体にして設けた例について示す。
図18(G)は、半導体装置を、自動車に設けた例について示した図である。表示パネル5028は、自動車の車体5029に取り付けられており、車体の動作又は車体内外から入力される情報をオンデマンドに表示することができる。なお、ナビゲーション機能を有していてもよい。
図18(H)は、半導体装置を、旅客用飛行機と一体にして設けた例について示した図である。図18(H)は、旅客用飛行機の座席上部の天井5030に表示パネル5031を設けたときの、使用時の形状について示した図である。表示パネル5031は、天井5030とヒンジ部5032を介して一体に取り付けられており、ヒンジ部5032の伸縮により乗客は表示パネル5031の視聴が可能になる。表示パネル5031は乗客が操作することで情報を表示する機能を有する。
なお、本実施の形態において、移動体としては自動車車体、飛行機車体について例示したがこれに限定されず、自動二輪車、自動四輪車(自動車、バス等を含む)、電車(モノレール、鉄道等を含む)、船舶等、様々なものに設置することができる。