JP2010001877A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】バルブタイミングの保持性及び調整応答性を高めるバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】回転体4,6間の相対位相を制御する位相制御ユニット8は、回転方向へ延伸する周面部20、周面部20との径方向間隔が回転体4に対する回転体6の遅角側及び進角側へ縮小する楔面部21,22、周面部20及び楔面部21,22間に介装される転動体30,31、転動体30,31の間に介装され、転動体30,31を遅角側及び進角側へ付勢する弾性部材32、楔面部21の遅角側及び楔面部22の進角側から転動体30,31を係止するストッパ面部23,24、第一トルクの入力により転動体30及び回転体6を進角側へ押圧し、第二トルクの入力により転動体31及び回転体6を遅角側へ押圧する入力回転体12を制御機構10として有し、第一及び第二トルクの発生を制御する制御アクチュエータ9をさらに有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する駆動回転体及びカム軸と連動して回転する従動回転体の間の相対位相を位相制御ユニットにより制御して、当該相対位相に従うバルブタイミングを実現するようにしたバルブタイミング調整装置が知られている。こうしたバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向に2ウェイクラッチ式の位相制御ユニットを設けたものが開示されている。
具体的に、特許文献1の位相制御ユニットでは、駆動回転体において回転方向へ延伸する内周面と、従動動回転体において当該内周面との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の遅角側へ向かって縮小する第一傾斜面との間に、バネにより遅角側へ付勢される第一コロが介装される。また同様にして、駆動回転体の内周面と、従動動回転体において当該内周面との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の進角側へ向かって縮小する第二傾斜面との間に、第二コロとは別のバネにより進角側へ付勢される第二コロが介装される。そして、第一リリース突起及びリリースアームによりそれぞれ第一コロ及び従動回転体のインナーレースを進角側へ押圧する第一トルクの発生と、第二リリース突起及びリリースアームによりそれぞれ第二コロ及びインナーレースを遅角側へ押圧する第二トルクの発生とが、モータジェネレータにより制御されるようになっている。
このような位相制御ユニットを備えた特許文献1の装置では、各コロが各バネにより駆動回転体の内周面及び各傾斜面へと押し付けられて楔作用が発揮されるときには、駆動回転体に対して従動回転体が進角側にも遅角側にもロックされる。その結果、従動回転体は、駆動回転体に対する進角側及び遅角側へ交互に付勢する変動トルクがカム軸から伝達されても、駆動回転体に対する相対回転を規制されるので、バルブタイミングが保持されるのである。
一方、バルブタイミングの保持状態下、モータジェネレータから第一トルクを受ける第一リリース突起により第一コロがバネの付勢に抗して進角側へ押圧されるときには、第一傾斜面及び内周面への第一コロの押し付けが緩和されるので、従動回転体の進角側のロックが解除される。このとき、モータジェネレータから第一トルクを受けるリリースアームにより従動回転体のインナーレースも進角側へと押圧されるので、従動回転体は、進角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する進角側へ相対回転する。その結果、バルブタイミングが進角するのである。
これとは逆に、バルブタイミングの保持状態下、モータジェネレータから第二トルクを受ける第二リリース突起により第二コロがバネの付勢に抗して遅角側へ押圧されるときには、第二傾斜面及び内周面への第二コロの押し付けが緩和されるので、従動回転体の遅角側のロックが解除される。このとき、モータジェネレータから第二トルクを受けるリリースアームにより従動回転体のインナーレースも遅角側へと押圧されるので、従動回転体は、遅角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する遅角側へ相対回転する。その結果、バルブタイミングが遅角するのである。
特開2005−307818号公報
さて、各コロが別々のバネによって相反側へ付勢される特許文献1の装置では、それらバネにおいて各コロと反対側の端部が従動回転体に支持されている。そのため、バルブタイミングの保持状態においては、それらバネと従動回転体とがバネマス系を構成することになる。したがって、バルブタイミングの保持状態において、進角側及び遅角側へ交互に従動回転体を付勢する変動トルクが伝達されると、バネマス系の作用により従動回転体が大きく振動してしまい、バルブタイミングの保持性が低下することになるのである。
また、バルブタイミングの保持状態において特許文献1の装置では、従動回転体を付勢する変動トルクが進角側及び遅角側のうち特定側へ過大になると、駆動回転体の内周面に対する径方向間隔が特定側とは反対側へ縮小する一方の傾斜面に対し、一方のコロが当該反対側へ相対的に位置ずれしようとする。その結果、一方の傾斜面及び内周面の間に一方のコロが噛み込まれてしまうと、従動回転体の特定側のロックを解除することが困難となり、バルブタイミングを保持状態から進角又は遅角させる際の調整応答性が悪化するおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、バルブタイミングの保持性及び調整応答性を共に高めるバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、カム軸と連動して回転する従動回転体と、駆動回転体及び従動回転体の間の相対位相を制御する位相制御ユニットとを備え、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを当該相対位相に従って調整するバルブタイミング調整装置であって、位相制御ユニットは、駆動回転体に設けられ、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向へ延伸する周面部と、従動回転体に設けられ、周面部との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の遅角側へ向かって縮小する第一楔面部と、従動回転体に設けられ、周面部との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の進角側へ向かって縮小する第二楔面部と、周面部及び第一楔面部の間に介装される第一転動体と、第一転動体よりも進角側において周面部及び第二楔面部の間に介装される第二転動体と、第一転動体及び第二転動体の間に介装され、第一転動体を遅角側へ付勢すると共に第二転動体を進角側へ付勢する弾性部材と、従動回転体に設けられ、第一楔面部の遅角側から第一転動体を係止する第一ストッパ面部と、従動回転体に設けられ、第二楔面部の進角側から第二転動体を係止する第二ストッパ面部と、第一トルクの入力により回転して第一転動体及び従動回転体を進角側へ押圧し、第二トルクの入力により回転して第二転動体及び従動回転体を遅角側へ押圧する入力回転体と、を制御機構として有し、第一トルク及び第二トルクの発生を制御するトルク制御手段を、さらに有することを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明によると、第一転動体が弾性部材の付勢によって駆動回転体の周面部及び従動回転体の第一楔面部に押し付けられて、楔作用が発揮されることで、駆動回転体に対して従動回転体が進角側にロックされる。それと共に、第二転動体が弾性部材の付勢によって駆動回転体の周面部及び従動回転体の第二楔面部に押し付けられて、楔作用が発揮されることで、駆動回転体に対して従動回転体が遅角側にロックされる。こうして従動回転体が進角側にも遅角側にもロックされることによれば、駆動回転体に対する進角側及び遅角側へ交互に従動回転体を付勢する変動トルクがカム軸から伝達されても、バルブタイミングを保持することができるのである。
また、そうしたバルブタイミングの保持状態下、入力回転体を回転させることで第一転動体を弾性部材の付勢に抗して進角側へ押圧する第一トルクが、トルク制御手段の制御により発生するときには、周面部及び第一楔面部に対する第一転動体の押し付けが緩和されるので、従動回転体の進角側のロックが解除される。このとき、第一トルクの入力を受ける入力回転体により進角側へと押圧される従動回転体は、進角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する進角側へと相対回転し得るので、バルブタイミングを進角させることができるのである。逆に、バルブタイミングの保持状態下、入力回転体を回転させることで第二転動体を弾性部材の付勢に抗して遅角側へ押圧する第二トルクが、トルク制御手段の制御により発生するときには、周面部及び第二楔面部に対する第二転動体の押し付けが緩和されるので、従動回転体の遅角側のロックが解除される。このとき、第二トルクの入力を受ける入力回転体により遅角側へと押圧される従動回転体は、遅角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する遅角側へと相対回転し得るので、バルブタイミングを遅角させることができるのである。
そして、特に請求項1に記載の発明では、バルブタイミングの保持状態において各転動体を相反側へと付勢して従動回転体の各楔面部に押し付ける弾性部材は、それら転動体間に介装されて共通化されているので、従動回転体とは実質的にバネマス系を構成することがない。故に、バルブタイミングの保持状態において、駆動回転体に対する進角側及び遅角側へ交互に従動回転体を付勢する変動トルクがカム軸から従動回転体へ伝達されても、従動回転体が大きく振動する事態を抑制して、バルブタイミングの保持性を高めることができるのである。
しかも、請求項1に記載の発明では、バルブタイミングの保持状態下、従動回転体を付勢する変動トルクが進角側へ過大になると、周面部との径方向間隔が遅角側へ向かって縮小する第一楔面部に対して、第一転動体が遅角側へ相対的に位置ずれしようとする。しかし、第一転動体は、第一ストッパ面部により第一楔面部の遅角側から係止されることで、遅角側への位置ずれを抑制されるので、第一楔面部及び周面部間に噛み込まれ難くなる。また同様に、バルブタイミングの保持状態下、従動回転体を付勢する変動トルクが遅角側へ過大になると、周面部との径方向間隔が進角側へ向かって縮小する第二楔面部に対して、第二転動体が進角側へ相対的に位置ずれしようとする。しかし、第二転動体は、第二ストッパ面部により第二楔面部の進角側から係止されることで、進角側への位置ずれを抑制されるので、第二楔面部及び周面部間に噛み込まれ難くなる。以上より、バルブタイミングを保持状態から進角又は遅角させる際には、従動回転体の進角側又は遅角側のロックを容易に解除して、バルブタイミングの調整応答性を高めることができるのである。
請求項2に記載の発明によると、第一ストッパ面部及び第二ストッパ面部は、それぞれ係止する第一転動体及び第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成される。これによれば、過大な変動トルクの作用により第一楔面部に対して位置ずれしようとする第一転動体の外周面に、円弧面状の第一ストッパ面部を面接触させることができるので、第一ストッパ面部による第一転動体の係止が確実なものとなる。また同様に、過大な変動トルクの作用により第二楔面部に対して位置ずれしようとする第二転動体の外周面に、円弧面状の第二ストッパ面部を面接触させることができるので、第二ストッパ面部による第二転動体の係止が確実なものとなる。以上より、各楔面部及び周面部間への各転動体の噛み込み抑制作用が向上して、バルブタイミングの調整応答性がさらに高められることになる。
請求項3に記載の発明によると、制御機構は、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向に複数配置される。これによれば、駆動回転体及び従動回転体の回転方向の複数個所において従動回転体を駆動回転体に対してロックすることができるので、弾性部材を共通化したことによる従動回転体の振動抑制作用と相俟って、バルブタイミングの保持性が十分に高められ得る。しかも、回転方向の複数個所のいずれにおいても、第一ストッパ面部による第一転動体の係止並びに第二ストッパ面部による第二転動体の係止を実現することができるので、バルブタイミングの調整応答性も高められ得る。
請求項4に記載の発明によると、入力回転体及び従動回転体の一方は、凹部を有し、入力回転体及び従動回転体の他方は、それら回転体に共通の回転方向の両側に隙間をあけて凹部に挿入される凸部を有する。これによれば、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部と他方の凸部との間に隙間をあけた状態下、第一トルクの入力された入力回転体により第一転動体を進角側へ押圧して進角側のロックを確実に解除した後に、それら凹部及び凸部を接触させて進角側への従動回転体の押圧を実現することができる。また同様に、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部と他方の凸部との間に隙間をあけた状態下、第二トルクの入力された入力回転体により第二転動体を遅角側へ押圧して遅角側のロックを確実に解除した後に、それら凹部及び凸部を接触させて遅角側への従動回転体の押圧を実現することができる。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を得ることについて、確実性が増すことになるのである。
請求項5に記載の発明によると、凹部は、入力回転体及び従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の内面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有し、凸部は、入力回転体及び従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の側面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有する。これによれば、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部において径方向に沿う平坦面状の内面と、入力回転体及び従動回転体の他方の凸部において径方向に沿う平坦面状の側面とは、それら回転体の回転方向の両側で面接触可能となる。故に、第一トルクの入力された入力回転体の凹部又は凸部によれば、従動回転体の凸部又は凹部との面接触により当該従動回転体を進角側へ正確に押圧し得る。また同様に、第二トルクの入力された入力回転体の凹部又は凸部によれば、従動回転体の凸部又は凹部との面接触により当該従動回転体を遅角側へ正確に押圧し得る。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を適時に且つ確実に得ることができるのである。しかも、凹部及び凸部の面接触作用によれば、接触界面に発生する面圧が小さくなるので、耐久性の向上を図ることもできる。
請求項6に記載の発明によると、入力回転体は、第一トルクの入力により遅角側から第一転動体に接触して第一転動体を進角側へ押圧する第一押圧面部、並びに第二トルクの入力により進角側から第二転動体に接触して第二転動体を遅角側へ押圧する第二押圧面部を有し、第一押圧面部及び第二押圧面部は、それぞれ押圧する第一転動体及び第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成される。これによれば、第一トルクの入力された入力回転体の円弧面状の第一押圧面部は、遅角側から第一転動体の外周面に面接触することができるので、第一押圧面部による第一転動体の進角側への押圧が正確なものとなる。また同様に、第二トルクの入力された入力回転体の円弧面状の第二押圧面部は、進角側から第二転動体の外周面に面接触することができるので、第二押圧面部による第二転動体の遅角側への押圧が正確なものとなる。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を適時に且つ確実に得ることができるのである。しかも、各転動体に対する各押圧面部の面接触作用によれば、接触界面に発生する面圧が小さくなるので、耐久性の向上を図ることもできる。
請求項7に記載の発明によると、トルク制御手段は、第一トルク及び第二トルクを発生する電動モータ、並びに電動モータへの通電により第一トルク及び第二トルクの発生を制御する制御回路部を有する。これによれば、制御回路部から電動モータへの通電により、入力回転体へ入力される第一トルクを発生させることで、第一転動体及び従動回転体を迅速に進角側へと押圧することができる。また同様に、制御回路部から電動モータへの通電により、入力回転体へ入力される第二トルクを発生させることで、第二転動体及び従動回転体を迅速に遅角側へと押圧することができる。以上より、各ストッパ面部による各転動体の噛み込み抑制作用と相俟って、バルブタイミングの調整応答性がさらに高められることになるのである。
請求項8に記載の発明は、クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、カム軸と連動して回転する従動回転体と、駆動回転体及び従動回転体の間の相対位相を制御する位相制御ユニットとを備え、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを当該相対位相に従って調整するバルブタイミング調整装置であって、位相制御ユニットは、駆動回転体に設けられ、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向へ延伸する周面部と、従動回転体に設けられ、周面部との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の遅角側へ向かって縮小する第一楔面部と、従動回転体に設けられ、周面部との径方向間隔が駆動回転体に対する従動回転体の進角側へ向かって縮小する第二楔面部と、周面部及び第一楔面部の間に介装される第一転動体と、第一転動体よりも進角側において周面部及び第二楔面部の間に介装される第二転動体と、第一転動体及び第二転動体の間に介装され、第一転動体を遅角側へ付勢すると共に第二転動体を進角側へ付勢する弾性部材と、従動回転体に設けられ、弾性変形により周面部に対する第一楔面部の径方向間隔を拡大させるための第一スリット部と、従動回転体に設けられ、弾性変形により周面部に対する第二楔面部の径方向間隔を拡大させるための第二スリット部と、第一トルクの入力により回転して第一転動体及び従動回転体を進角側へ押圧し、第二トルクの入力により回転して第二転動体及び従動回転体を遅角側へ押圧する入力回転体と、を制御機構として有し、第一トルク及び第二トルクの発生を制御するトルク制御手段を、さらに有することを特徴とする。
このような請求項8に記載の発明によると、第一転動体が弾性部材の付勢によって駆動回転体の周面部及び従動回転体の第一楔面部に押し付けられて、楔作用が発揮されることで、駆動回転体に対して従動回転体が進角側にロックされる。それと共に、第二転動体が弾性部材の付勢によって駆動回転体の周面部及び従動回転体の第二楔面部に押し付けられて、楔作用が発揮されることで、駆動回転体に対して従動回転体が遅角側にロックされる。こうして従動回転体が進角側にも遅角側にもロックされることによれば、駆動回転体に対する進角側及び遅角側へ交互に従動回転体を付勢する変動トルクがカム軸から伝達されても、バルブタイミングを保持することができるのである。
また、そうしたバルブタイミングの保持状態下、入力回転体を回転させることで第一転動体を弾性部材の付勢に抗して進角側へ押圧する第一トルクが、トルク制御手段の制御により発生するときには、周面部及び第一楔面部に対する第一転動体の押し付けが緩和されるので、従動回転体の進角側のロックが解除される。このとき、第一トルクの入力を受ける入力回転体により進角側へと押圧される従動回転体は、進角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する進角側へと相対回転し得るので、バルブタイミングを進角させることができるのである。逆に、バルブタイミングの保持状態下、入力回転体を回転させることで第二転動体を弾性部材の付勢に抗して遅角側へ押圧する第二トルクが、トルク制御手段の制御により発生するときには、周面部及び第二楔面部に対する第二転動体の押し付けが緩和されるので、従動回転体の遅角側のロックが解除される。このとき、第二トルクの入力を受ける入力回転体により遅角側へと押圧される従動回転体は、遅角側の変動トルクを受けることで駆動回転体に対する遅角側へと相対回転し得るので、バルブタイミングを遅角させることができるのである。
そして、特に請求項8に記載の発明では、バルブタイミングの保持状態において各転動体を相反側へと付勢して従動回転体の各楔面部に押し付ける弾性部材は、それら転動体間に介装されて共通化されているので、従動回転体とは実質的にバネマス系を構成することがない。故に、バルブタイミングの保持状態において、駆動回転体に対する進角側及び遅角側へ交互に従動回転体を付勢する変動トルクがカム軸から従動回転体へ伝達されても、従動回転体が大きく振動する事態を抑制して、バルブタイミングの保持性を高めることができるのである。
しかも、請求項8に記載の発明では、バルブタイミングの保持状態下、従動回転体を付勢する変動トルクが進角側へ過大になると、周面部との径方向間隔が遅角側へ向かって縮小する第一楔面部に対して、第一転動体が遅角側へ相対的に位置ずれしようとする。しかし、進角側に過大な変動トルクを受けた従動回転体は、第一スリット部の存在により弾性変形して周面部に対する第一楔面部の径方向間隔を拡大させることになるので、それら周面部及び第一楔面部間に第一転動体は噛み込まれ難くなる。また同様に、バルブタイミングの保持状態下、従動回転体を付勢する変動トルクが遅角側へ過大になると、周面部との径方向間隔が進角側へ向かって縮小する第二楔面部に対して、第二転動体が進角側へ相対的に位置ずれしようとする。しかし、遅角側に過大な変動トルクを受けた従動回転体は、第二スリット部の存在により弾性変形して周面部に対する第二楔面部の径方向間隔を拡大させることになるので、それら周面部及び第二楔面部間に第二転動体は噛み込まれ難くなる。以上より、バルブタイミングを保持状態から進角又は遅角させる際には、従動回転体の進角側又は遅角側のロックを容易に解除して、バルブタイミングの調整応答性を高めることができるのである。
請求項9に記載の発明によると、第一スリット部は、従動回転体において第一楔面部よりも遅角側に設けられ、第二スリット部は、従動回転体において第二楔面部よりも進角側に設けられる。これによれば、周面部との径方向間隔が縮小する側である遅角側に第一スリット部が設けられた第一楔面部については、過大な変動トルクを受けた従動回転体の弾性変形によって当該径方向間隔が拡大し易くなる。また同様に、周面部との径方向間隔が縮小する側である進角側に第二スリット部が設けられた第二楔面部については、過大な変動トルクを受けた従動回転体の弾性変形によって当該径方向間隔が拡大し易くなる。以上より、周面部及び各楔面部間への各転動体の噛み込み抑制作用が向上して、バルブタイミングの調整応答性がさらに高められることになる。
請求項10,11に記載の発明よると、制御機構は、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向に複数配置される。これによれば、駆動回転体及び従動回転体の回転方向の複数個所において従動回転体を駆動回転体に対してロックすることができるので、弾性部材を共通化したことによる従動回転体の振動抑制作用と相俟って、バルブタイミングの保持性が十分に高められ得る。しかも、回転方向の複数個所のいずれにおいても、第一スリット部による周面部及び第一楔面部間の間隔拡大並びに第二スリット部による周面部及び第二楔面部間の間隔拡大を実現することができるので、バルブタイミングの調整応答性も高められ得る。
さらに、請求項10に記載の発明の場合には、各位相制御ユニットの第一スリット部は、駆動回転体及び従動回転体に共通の回転方向に隣接する位相制御ユニットの第二スリット部を兼ねるので、各スリット部を設けることによる従動回転体の大型化を回避することもできるのである。
請求項12に記載の発明によると、入力回転体及び従動回転体の一方は、凹部を有し、入力回転体及び従動回転体の他方は、それら回転体に共通の回転方向の両側に隙間をあけて凹部に挿入される凸部を有する。これによれば、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部と他方の凸部との間に隙間をあけた状態下、第一トルクの入力された入力回転体により第一転動体を進角側へ押圧して進角側のロックを確実に解除した後に、それら凹部及び凸部を接触させて進角側への従動回転体の押圧を実現することができる。また同様に、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部と他方の凸部との間に隙間をあけた状態下、第二トルクの入力された入力回転体により第二転動体を遅角側へ押圧して遅角側のロックを確実に解除した後に、それら凹部及び凸部を接触させて遅角側への従動回転体の押圧を実現することができる。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を得ることについて、確実性が増すことになるのである。
請求項13に記載の発明によると、凹部は、入力回転体及び従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の内面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有し、凸部は、入力回転体及び従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の側面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有する。これによれば、入力回転体及び従動回転体の一方の凹部において径方向に沿う平坦面状の内面と、入力回転体及び従動回転体の他方の凸部において径方向に沿う平坦面状の側面とは、それら回転体の回転方向の両側で面接触可能となる。故に、第一トルクの入力された入力回転体の凹部又は凸部によれば、従動回転体の凸部又は凹部との面接触により当該従動回転体を進角側へ正確に押圧し得る。また同様に、第二トルクの入力された入力回転体の凹部又は凸部によれば、従動回転体の凸部又は凹部との面接触により当該従動回転体を遅角側へ正確に押圧し得る。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を適時に且つ確実に得ることができるのである。しかも、凹部及び凸部の面接触作用によれば、接触界面に発生する面圧が小さくなるので、耐久性の向上を図ることもできる。
請求項14に記載の発明によると、入力回転体は、第一トルクの入力により遅角側から第一転動体に接触して第一転動体を進角側へ押圧する第一押圧面部、並びに第二トルクの入力により進角側から第二転動体に接触して第二転動体を遅角側へ押圧する第二押圧面部を有し、第一押圧面部及び第二押圧面部は、それぞれ押圧する第一転動体及び第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成される。これによれば、第一トルクの入力された入力回転体の円弧面状の第一押圧面部は、遅角側から第一転動体の外周面に面接触することができるので、第一押圧面部による第一転動体の進角側への押圧が正確なものとなる。また同様に、第二トルクの入力された入力回転体の円弧面状の第二押圧面部は、進角側から第二転動体の外周面に面接触することができるので、第二押圧面部による第二転動体の遅角側への押圧が正確なものとなる。以上より、バルブタイミングの高い調整応答性を適時に且つ確実に得ることができるのである。しかも、各転動体に対する各押圧面部の面接触作用によれば、接触界面に発生する面圧が小さくなるので、耐久性の向上を図ることもできる。
請求項15に記載の発明によると、トルク制御手段は、第一トルク及び第二トルクを発生する電動モータ、並びに電動モータへの通電により第一トルク及び第二トルクの発生を制御する制御回路部を有する。これによれば、制御回路部から電動モータへの通電により、入力回転体へ入力される第一トルクを発生させることで、第一転動体及び従動回転体を迅速に進角側へと押圧することができる。また同様に、制御回路部から電動モータへの通電により、入力回転体へ入力される第二トルクを発生させることで、第二転動体及び従動回転体を迅速に遅角側へと押圧することができる。以上より、各スリット部による各転動体の噛み込み抑制作用と相俟って、バルブタイミングの調整応答性がさらに高められることになるのである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。ここで、図1に示すカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達により開閉するものであって、本実施形態のバルブタイミング調整装置1は、当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(構成)
以下、本実施形態の詳細構成を説明する。図1,2に示すようにバルブタイミング調整装置1は、駆動回転体4、従動回転体6及び位相制御ユニット8を備えている。
駆動回転体4は、カバー40をスプロケット42に螺子留めすることにより、全体として中空ケース状に形成されている。カバー40は金属により円環板状に形成されており、スプロケット42と後述の電動モータ90との間に同軸上に配置されている。スプロケット42は金属により円筒状に形成されており、周壁から径方向外側へ突出する歯44を回転方向に複数有している。スプロケット42は、それらの歯44とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット42へ入力されるときには、駆動回転体4がクランク軸と連動して図2の時計方向へと回転することとなる。
従動回転体6は金属により円筒状に形成されており、当該回転体6よりも大径のスプロケット42内部に同心上に収容されている。従動回転体6は、螺子止めによってカム軸2と同軸上に連結される連結部60を有している。この連結により従動回転体6は、カム軸2と連動して図2の時計方向へと回転可能となっていると共に、駆動回転体4に対する進角側(以下、単に「進角側」ともいう)及び駆動回転体4に対する遅角側(以下、単に「遅角側」ともいう)へ相対回転可能となっている。
このようにカム軸2と連結されている従動回転体6には、内燃機関の運転時に吸気弁からのスプリング反力等に起因してカム軸2に作用する変動トルクが、伝達されるようになっている。ここで、図3(a)に例示するように変動トルクは、駆動回転体4に対して従動回転体6を進角側へ付勢する負トルクと、駆動回転体4に対して従動回転体6を遅角側へ付勢する正トルクとの間において、交番するものである。そして、特に本実施形態の変動トルクは、カム軸2及びその軸受間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクT+が負トルクのピークトルクT−よりも大きくなる傾向を示しており、当該変動トルクの平均トルクTaveが正トルク側、即ち遅角側に偏っている。
図1,2に示すように位相制御ユニット8は、制御アクチュエータ9及び制御機構10等を組み合わせてなる。
「トルク制御手段」としての制御アクチュエータ9は、電動モータ90及び制御回路部92を有している。電動モータ90は例えばブラシレスモータであり、内燃機関のチェーンケース3に固定される金属製のモータハウジング94によって金属製のモータ軸96を、回転体4,6と同軸上に正逆回転自在に支持させてなる。制御回路部92は例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、モータハウジング94の外部及び/又は内部に配置されて電動モータ90の複数のコイル(図示しない)と電気的に接続されている。制御回路部92は、モータ軸96に発生させる正方向の第一トルク並びにモータ軸96に発生させる逆方向の第二トルク(本実施形態ではブレーキトルクを含む)を、電動モータ90の各コイルへの通電により制御する。ここで、第一トルクの発生方向である正方向は図2の時計方向に設定されており、また第二トルクの発生方向である逆方向は図2の反時計方向に設定されている。
制御機構10は駆動回転体4内部に複数(本実施形態では六つ)収容されており、それぞれ回転体4,6及びモータ軸96に共通の回転方向に並んで配置されている。各制御機構10は、入力回転体12の要素13〜15を互いに共有すると共に、入力回転体12の要素17,18、周面部20、楔面部21,22、ストッパ面部23,24、スリット部25,26、転動体30,31及び弾性部材32を個別に有している。
入力回転体12の入力本体13は金属により円形ハット状に形成されており、駆動回転体4内部に収容されてモータ軸96に同心上に嵌合固定されている。これにより入力回転体12は、モータ軸86と一体回転可能となっていると共に、モータ軸96からの第一トルク又は第二トルクの入力により回転体4,6に対して進角側又は遅角側へ相対回転可能となっている。
入力回転体12の複数(本実施形態では六つ)の入力アーム14は、金属により入力本体13と一体に形成されており、当該本体13の外周縁において回転方向に等間隔をあけた箇所から、軸方向のモータハウジング94とは反対側へ突出している。
入力回転体12の入力軸15は、モータ軸96において入力本体13よりも軸方向のモータハウジング94とは反対側へ突出する部分によって形成されている。入力軸15は、回転方向に等間隔をあけた個所から径方向外側へ突出する複数(本実施形態では四つ)の凸部16を形成している。図4に示すように、入力軸15において各凸部16の回転方向両側(進角側及び遅角側)の側面16a,16bは、それぞれ径方向に沿う平坦面状を呈している。即ち、本実施形態の各凸部16は、入力回転体12の径方向に沿って突出する形となっている。図2に示すように各凸部16は、従動回転体6の内周面において回転方向に等間隔をあけた複数箇所(本実施形態では四箇所)に開口する凹部62のうち対応するものに挿入されて、当該対応凹部62との間に回転方向の隙間をあけている。即ち、各凸部16は、対応凹部62に遊挿された形となっている。ここで、図4に示すように各凹部62の回転方向両側(進角側及び遅角側)の内面62a,62bは、それぞれ径方向に沿う平坦面状を呈している。
以上により入力回転体12は、モータ軸96から第一トルクを受けて各凸部16の進角側側面16aを図5の如く対応凹部62の進角側内面62aに面接触させることにより、従動回転体6を進角側へ押圧可能となっている。また、入力回転体12は、モータ軸96から第二トルクを受けて各凸部16の遅角側側面16bを図6の如く対応凹部62の遅角側内面62bに面接触させることにより、従動回転体6を遅角側へ押圧可能となっている。
図1,2に示すように、各制御機構10が個別に有する要素17,18,20〜26,30〜32の構成については、それら制御機構10の間で実質的に相違がない。そこで、以下では、一制御機構10の要素17,18,20〜26,30〜32を中心に、具体的構成を説明する。
入力回転体12の第一押圧面部17は、対応する入力アーム14の進角側側面に形成されている。本実施形態の第一押圧面部17は、入力回転体12の回転中心に対して偏心し且つ遅角側へ向かって凹む円弧面状(図4参照)を呈している。
入力回転体12の第二押圧面部18は、同じ制御機構10の第一押圧面部17を形成する入力アーム14に対して進角側にて対向する入力アーム14の遅角側側面に、形成されている。本実施形態の第二押圧面部18は、入力回転体12の回転中心に対して偏心し且つ進角側へ向かって凹む円弧面状(図4参照)を呈している。
周面部20は、回転方向へ延伸する駆動回転体4の内周面の一部から、当該回転体4と同心の円弧面状に形成されている。これにより、一制御機構10の周面部20は、回転方向に隣接する制御機構10の周面部20に対して当該回転方向に連接する形となっている。
第一楔面部21は、従動回転体6の外周面において同じ制御機構10の周面部20と対向する部分に形成されている。本実施形態の第一楔面部21は、従動回転体6の回転中心からの距離が遅角側へ向かって拡大する平坦面状を呈している。これにより第一楔面部21は、同じ制御機構10の周面部20に対する径方向間隔が遅角側へ向かって縮小する形となっている。
第二楔面部22は、従動回転体6の外周面において同じ制御機構10の周面部20と対向する部分且つ同じ制御機構10の第一楔面部21よりも進角側に形成されている。本実施形態の第二楔面部22は、同じ制御機構10の第一楔面部21の進角側に面一に連接し且つ従動回転体6の回転中心からの距離が進角側へ向かって拡大する平坦面状を、呈している。これにより第二楔面部22は、同じ制御機構10の周面部20に対する径方向間隔が進角側へ向かって縮小する形となっている。
第一ストッパ面部23は、従動回転体6の外周面において同じ制御機構10の周面部20と対向する部分に形成されており、同じ制御機構10の第一楔面部21の遅角側に連接している。本実施形態の第一ストッパ面部23は、従動回転体6の回転中心に対して偏心し且つ進角側を向く円弧面状(図4参照)を呈している。
第二ストッパ面部24は、従動回転体6の外周面において同じ制御機構10の周面部20と対向する部分に形成されており、同じ制御機構10の第二楔面部22の進角側に連接している。本実施形態の第一ストッパ面部23は、従動回転体6の回転中心に対して偏心し且つ遅角側を向く円弧面状(図4参照)を呈している。
図2に示すように第一スリット部25は、従動回転体6において同じ制御機構10の第一楔面部21及び第一ストッパ面部23よりも遅角側に形成されており、当該回転体6の外周面に開口している。第二スリット部26は、従動回転体6において同じ制御機構10の第二楔面部22及び第二ストッパ面部24よりも進角側に形成されており、当該回転体6の外周面に開口している。ここで特に本実施形態の第二スリット部26は、従動回転体6の大型化を回避するために、進角側に隣接する制御機構10の第一スリット部25と共通化されている。即ち、第一スリット部25は、従動回転体6の回転方向に隣接する第二スリット部26を兼ねる形となっている。以上により一制御機構10では、変動トルクを受けた従動回転体6の弾性変形により第一スリット部25を図7の如く縮小させることで、当該スリット部25側へ向かって縮小する第一楔面部21及び周面部20間の径方向間隔を拡大可能となっている。また、一制御機構10では、変動トルクを受けた従動回転体6の弾性変形により第二スリット部26を図8の如く縮小させることで、当該スリット部26側へ向かって縮小する第二楔面部22及び周面部20間の径方向間隔を拡大可能となっている。
図1,2に示すように第一転動体30は、金属により円柱状に形成されたコロであり、回転体4,6の回転中心に対して偏心する形態で、同じ制御機構10の周面部20及び第一楔面部21間に介装されている。第一転動体30の外周面に対して、同じ制御機構10の第一押圧面部17及び第一ストッパ面部23は、当該外周面に沿った円弧面状(図4参照)に形成されている。これにより第一転動体30は、モータ軸96から第一トルクを受けて図5の如く遅角側から面接触する第一押圧面部17により進角側へと押圧可能となっていると共に、第一ストッパ面部23により図7の如く第一楔面部21の遅角側から面接触状態で係止可能となっている。
第二転動体31は、金属により円柱状に形成されたコロであり、回転体4,6の回転中心に対して偏心し且つ同じ制御機構10の第一転動体30よりも進角側に位置する状態で、同じ制御機構10の周面部20及び第二楔面部22間に介装されている。第二転動体31の外周面に対して、同じ制御機構10の第二押圧面部18及び第二ストッパ面部24は、当該外周面に沿った円弧面状(図4参照)に形成されている。これにより第二転動体31は、モータ軸96から第二トルクを受けて図6の如く進角側から面接触する第二押圧面部18により遅角側へと押圧可能となっていると共に、第二ストッパ面部24により図8の如く第二楔面部22の進角側から面接触状態で係止可能となっている。
図1,2に示すように弾性部材32は、金属線材を例えば矩形環状に巻いた圧縮コイルスプリングであり、同じ制御機構10の転動体30,31間に介装されている。弾性部材32は、第一転動体30による進角側への圧縮又は第二転動体31による遅角側への圧縮により、第一転動体30を遅角側へ付勢し且つ第二転動体31を進角側へ付勢する復原力を発生する。
(作動)
次に、本実施形態のバルブタイミング調整作動について説明する。内燃機関の運転中において制御回路部92は、クランク軸及びカム軸の回転角度等に基づいて電動モータ90への通電量及び通電方向を設定することで、第一トルク及び第二トルクの発生を制御する。これによりバルブタイミングは、回転体4,6間の相対位相に従うタイミングに調整されることとなる。以下、バルブタイミング調整作動の詳細内容を説明する。
(保持処理)
内燃機関においてアクセルの保持状態といった安定運転状態等を表す運転条件が成立した場合には、制御回路部92が保持処理を実行する。具体的に保持処理では、モータ軸96及び入力回転体12が駆動回転体4と同速回転するように、第一トルク又は第二トルクを電動モータ90への通電によって発生させる。このとき特に本実施形態では、各制御機構10において押圧面部17,18を転動体30,31から離間させると共に、入力回転体12の各凸部16と対応凹部62との間の隙間を回転方向両側に形成するように、電動モータ90への通電量及び通電方向を設定する。
このような保持処理実行時の各制御機構10において第一転動体30は、遅角側の第一押圧面部17に押圧されることなく弾性部材32の復原力により遅角側へと付勢されることで、図4の如く第一楔面部21及び周面部20に対して押し付けられる。ここで、第一楔面部21及び周面部20の間の径方向間隔が遅角側へ向かって縮小している各制御機構10においては、それら各面部21,20に対して第一転動体30が当該遅角側へと押し付けられることで、楔作用が発揮されることになる。故に、変動トルクのうち進角側の負トルクが従動回転体6に作用するときには、第一楔面部21による第一転動体30の進角側への変位が楔作用によって規制されるため、駆動回転体4に対する従動回転体6のロックが進角側について実現されるのである。
また、保持処理実行時の各制御機構10において第二転動体31は、進角側の第二押圧面部18に押圧されることなく弾性部材32の復原力により進角側へと付勢されることで、図4の如く第二楔面部22及び周面部20に対して押し付けられる。ここで、第二楔面部22及び周面部20の間の径方向間隔は進角側へ向かって縮小しているので、それら各面部22,20に対して第二転動体31が当該進角側へと押し付けられることで、楔作用が発揮されることになる。故に、変動トルクのうち遅角側の正トルクが従動回転体6に作用するときには、第二楔面部22による第二転動体31の遅角側への変位が楔作用によって規制されるため、駆動回転体4に対する従動回転体6のロックが遅角側についても実現されるのである。
以上により保持処理実行時には、駆動回転体4に対して従動回転体6が進角側及び遅角側への相対回転を規制されることになるので、それら回転体4,6間の相対位相、ひいてはバルブタイミングが確実に保持されるのである。
(進角処理)
バルブタイミングの保持された内燃機関においてアクセルのオフ状態又は低・中速高負荷運転状態等を表す運転条件が成立した場合には、制御回路部92が進角処理を実行する。具体的に進角処理では、モータ軸96及び入力回転体12が駆動回転体4よりも高速回転するように、変動トルクのピークトルクT+,T−よりも小さな第一トルクを電動モータ90への通電により発生させる。
このような進角処理実行時の各制御機構10において第一転動体30は、第一トルクを受ける入力回転体12の第一押圧面部17と図5の如く面接触し、弾性部材32の付勢に抗した進角側へと押圧される。ここで、進角処理実行時の初期において入力回転体12の各凸部16は対応凹部62との間の隙間を進角側にあけており、また第一楔面部21及び周面部20の間の径方向間隔は遅角側へ向かって縮小しているので、各制御機構10において第一転動体30が第一楔面部21に対して相対的に進角側へと位置ずれする。その結果、各制御機構10において第一楔面部21及び周面部20に対する第一転動体30の押し付けが緩和されるので、従動回転体6の進角側のロックは解除されることになる。また、各制御機構10において第二転動体31は、位置ずれした第一転動体30により弾性部材32を介して進角側へと押圧されて第二楔面部22及び周面部20に押し付けられるので、従動回転体6の遅角側のロックは維持されることになる。さらに、各制御機構10において第一押圧面部17が第一転動体30と共に位置ずれすることで、入力回転体12の各凸部16が対応凹部62と面接触して従動回転体6を進角側へ押圧する状態になる。
以上により進角処理実行時には、図3に示すように従動回転体6は、変動トルクのうち進角側の負トルクが作用することによって、駆動回転体4に対して進角側へと相対回転する。一方、図3に示すように従動回転体6は、変動トルクのうち遅角側の正トルクを受けても、遅角側のロックによって駆動回転体4に対する遅角側への相対回転を規制される。したがって、これら進角側への相対回転並びに遅角側への相対回転規制が変動トルクの交番に応じて繰り返されることで、回転体4,6間の相対位相、ひいてはバルブタイミングが確実に進角することになるのである。
(遅角処理)
バルブタイミングの保持された内燃機関において軽負荷の通常運転状態等を表す運転条件が成立した場合には、制御回路部92が遅角処理を実行する。具体的に遅角処理では、モータ軸96及び入力回転体12が駆動回転体4よりも低速回転するように、変動トルクのピークトルクT+,T−よりも小さな第二トルクを電動モータ90への通電により発生させる。
このような遅角処理実行時の各制御機構10において第二転動体31は、第二トルクを受ける入力回転体12の第二押圧面部18と図6の如く面接触し、弾性部材32の付勢に抗した遅角側へと押圧される。ここで、遅角処理実行時の初期において入力回転体12の各凸部16は対応凹部62との間の隙間を遅角側にあけており、また第二楔面部22及び周面部20の間の径方向間隔は進角側へ向かって縮小しているので、各制御機構10において第二転動体31が第二楔面部22に対して相対的に遅角側へと位置ずれする。その結果、各制御機構10において第二楔面部22及び周面部20に対する第二転動体31の押し付けが緩和されるので、従動回転体6の遅角側のロックは解除されることになる。また、各制御機構10において第一転動体30は、位置ずれした第二転動体31により弾性部材32を介して遅角側へと押圧されて第一楔面部21及び周面部20に押し付けられるので、従動回転体6の進角側のロックは維持されることになる。さらに、各制御機構10において第二押圧面部18が第二転動体31と共に位置ずれすることで、入力回転体12の各凸部16が対応凹部62と面接触して従動回転体6を遅角側へ押圧する状態になる。
以上により遅角処理実行時には、変動トルクのうち遅角側の正トルクが作用することによって従動回転体6は、駆動回転体4に対して遅角側へと相対回転する。一方、従動回転体6は、変動トルクのうち進角側の負トルクを受けても、進角側のロックによって駆動回転体4に対する進角側への相対回転を規制される。したがって、これら遅角側への相対回転並びに進角側への相対回転規制が変動トルクの交番に応じて繰り返されることで、回転体4,6間の相対位相、ひいてはバルブタイミングが確実に遅角することになるのである。
ここまで説明した本実施形態によると、保持処理実行時の各制御機構10において第一転動体30及び第二転動体31間の弾性部材32は、実質的にバネマス系を従動回転体6とは構成しない。故に、変動トルクとしての負トルク及び正トルクが従動回転体6に交互に作用する状態にあっても、当該回転体6が大きく振動する事態を抑制してバルブタイミングの保持性を高めることができる。
さらに、本実施形態の保持処理実行時において、従動回転体6を付勢する変動トルクのうち進角側の負トルクが過大になった場合の各制御機構10では、周面部20との径方向間隔が遅角側へ向かって縮小する第一楔面部21に対して第一転動体30が相対的に遅角側へと位置ずれしようとする。しかし、各制御機構10において第一転動体30は、図7の如く遅角側の第一ストッパ面部23と面接触することで、第一楔面部21の遅角側から当該ストッパ面部23に確実に係止されて、遅角側への位置ずれが抑制される。それと共に、過大な負トルクを受けた従動回転体6が各制御機構10の第一スリット部25の存在により弾性変形することで、それら制御機構10において第一楔面部21及び周面部20間の径方向間隔が図7の如く僅かに拡大するので、それらの面部21,20から楔作用によって第一転動体30に働く反力が小さくなる。このような係止並びに間隔拡大によって各制御機構10では、面部21,20間に第一転動体30が噛み込まれ難くなるので、制御回路部92の実行処理を保持処理から進角処理へと切り換えるとき、第一転動体30の進角側への押圧により従動回転体6の進角側のロックを容易に解除し得る。しかも、このときには、電動モータ90から第一トルクを受ける入力回転体12の第一押圧面部17及び凸部16をそれぞれ第一転動体30及び凹部62に面接触させることで、それらの要素30,62を順次迅速に且つ正確に進角側へ押圧し得る。以上によれば、バルブタイミングを進角させる際の調整応答性を高めることができるのである。
また同様に、本実施形態の保持処理実行時において、従動回転体6を付勢する変動トルクのうち遅角側の正トルクが過大になった場合の各制御機構10では、周面部20との径方向間隔が進角側へ向かって縮小する第二楔面部22に対して第二転動体31が相対的に進角側へ位置ずれしようとする。しかし、各制御機構10において第二転動体31は、図8の如く進角側の第二ストッパ面部24と面接触することで、第二楔面部22の進角側から当該ストッパ面部24に確実に係止されて、進角側への位置ずれが抑制される。それと共に、過大な正トルクを受けた従動回転体6が各制御機構10の第二スリット部26の存在により弾性変形することで、それら制御機構10において第二楔面部22及び周面部20間の径方向間隔が図8の如く僅かに拡大するので、それらの面部22,20から楔作用によって第二転動体31に働く反力が小さくなる。このような係止並びに間隔拡大によって各制御機構10では、面部22,20間に第二転動体31が噛み込まれ難くなるので、制御回路部92の実行処理を保持処理から遅角処理へと切り換えるとき、第二転動体31の遅角側への押圧により従動回転体6の遅角側のロックを容易に解除し得る。しかも、このときには、電動モータ90から第二トルクを受ける入力回転体12の第二押圧面部18及び凸部16をそれぞれ第二転動体31及び凹部62に面接触させることで、それらの要素31,62を順次迅速に且つ正確に遅角側へ押圧し得る。以上によれば、バルブタイミングを遅角させる際の調整応答性も高めることができるのである。
加えて、本実施形態によると、各制御機構10において転動体30,31を押圧面部17,18により面接触状態で押圧する際には、当該押圧界面における面圧が小さくなる。また、入力回転体12の各凸部16により対応凹部62を面接触状態で押圧する際には、当該押圧界面における面圧が小さくなる。これらによれば、面圧の作用する要素の耐久性を高めて、上述したバルブタイミングの保持性及び調整応答性の向上効果を長期に亘って発揮することができるのである。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に、制御機構10については、回転体4,6に共通の回転方向に一つだけ設けるようにしてもよい。また、制御アクチュエータ9については、複数の制御機構10に共通の電動モータ90及び制御回路部92を含んで構成する以外にも、例えば油圧モータや電磁弁を含んで構成するようにしてもよいし、各制御機構10毎に設けるようにしてもよい。
転動体30,31については、球状に形成してもよい。また、ストッパ面部23,24の組とスリット部25,26の組との一方を設けないようにしてもよい。さらに、第一スリット部25と第二スリット部26とを別々に設けるようにしてもよい。またさらに、ストッパ面部23,24及び押圧面部17,18については、転動体30,31の外周面に沿う円弧面状以外にも、例えば平坦面状等に形成してもよい。
凸部16及び凹部62については、回転体12,6に共通の回転方向にそれぞれ一つずつ設けるようにしてもよい。また、凹部62を入力回転体12に設けると共に、凸部16を従動回転体6に設けるようにしてもよい。さらに、凸部16の側面16a,16b及び凹部62の内面62a,62bについては、回転体12,6に共通の径方向に沿う平坦面状以外にも、例えば湾曲面状等に形成してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調製する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも、適用することができる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す断面図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための特性図(a),(b)である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための断面模式図である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための断面模式図である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための断面模式図である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための断面模式図である。 図1に示すバルブタイミング調整装置の作動を説明するための断面模式図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 駆動回転体、40 カバー、42 スプロケット、44 歯、6 従動回転体、60 連結部、62 凹部、62a 進角側内面、62b 遅角側内面、8 位相制御ユニット、9 制御アクチュエータ(トルク制御手段)、90 電動モータ、92 制御回路部、94 モータハウジング、96 モータ軸、10 制御機構、12 入力回転体、13 入力本体、14 入力アーム、15 入力軸、16 凸部、16a 進角側側面、16b 遅角側側面、17 第一押圧面部、18 第二押圧面部、20 周面部、21 第一楔面部、22 第二楔面部、23 第一ストッパ面部、24 第二ストッパ面部、25 第一スリット部、26 第二スリット部、30 第一転動体、31 第二転動体、32 弾性部材、T+,T− ピークトルク、Tave 平均トルク

Claims (15)

  1. クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、カム軸と連動して回転する従動回転体と、前記駆動回転体及び前記従動回転体の間の相対位相を制御する位相制御ユニットとを備え、内燃機関において前記クランク軸からのトルク伝達により前記カム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを当該相対位相に従って調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記位相制御ユニットは、
    前記駆動回転体に設けられ、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向へ延伸する周面部と、
    前記従動回転体に設けられ、前記周面部との径方向間隔が前記駆動回転体に対する前記従動回転体の遅角側へ向かって縮小する第一楔面部と、
    前記従動回転体に設けられ、前記周面部との径方向間隔が前記駆動回転体に対する前記従動回転体の進角側へ向かって縮小する第二楔面部と、
    前記周面部及び前記第一楔面部の間に介装される第一転動体と、
    前記第一転動体よりも前記進角側において前記周面部及び前記第二楔面部の間に介装される第二転動体と、
    前記第一転動体及び前記第二転動体の間に介装され、前記第一転動体を前記遅角側へ付勢すると共に前記第二転動体を前記進角側へ付勢する弾性部材と、
    前記従動回転体に設けられ、前記第一楔面部の前記遅角側から前記第一転動体を係止する第一ストッパ面部と、
    前記従動回転体に設けられ、前記第二楔面部の前記進角側から前記第二転動体を係止する第二ストッパ面部と、
    前記第一トルクの入力により回転して前記第一転動体及び前記従動回転体を前記進角側へ押圧し、前記第二トルクの入力により回転して前記第二転動体及び前記従動回転体を前記遅角側へ押圧する入力回転体と、
    を制御機構として有し、
    前記第一トルク及び前記第二トルクの発生を制御するトルク制御手段を、
    さらに有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一ストッパ面部及び前記第二ストッパ面部は、それぞれ係止する前記第一転動体及び前記第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成されることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記制御機構は、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向に複数配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記入力回転体及び前記従動回転体の一方は、凹部を有し、
    前記入力回転体及び前記従動回転体の他方は、それら回転体に共通の回転方向の両側に隙間をあけて前記凹部に挿入される凸部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記凹部は、前記入力回転体及び前記従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の内面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有し、
    前記凸部は、前記入力回転体及び前記従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の側面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有することを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記入力回転体は、前記第一トルクの入力により前記遅角側から前記第一転動体に接触して前記第一転動体を前記進角側へ押圧する第一押圧面部、並びに前記第二トルクの入力により前記進角側から前記第二転動体に接触して前記第二転動体を前記遅角側へ押圧する第二押圧面部を有し、
    前記第一押圧面部及び前記第二押圧面部は、それぞれ押圧する前記第一転動体及び前記第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記トルク制御手段は、前記第一トルク及び前記第二トルクを発生する電動モータ、並びに前記電動モータへの通電により前記第一トルク及び前記第二トルクの発生を制御する制御回路部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. クランク軸と連動して回転する駆動回転体と、カム軸と連動して回転する従動回転体と、前記駆動回転体及び前記従動回転体の間の相対位相を制御する位相制御ユニットとを備え、内燃機関において前記クランク軸からのトルク伝達により前記カム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを当該相対位相に従って調整するバルブタイミング調整装置であって、
    前記位相制御ユニットは、
    前記駆動回転体に設けられ、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向へ延伸する周面部と、
    前記従動回転体に設けられ、前記周面部との径方向間隔が前記駆動回転体に対する前記従動回転体の遅角側へ向かって縮小する第一楔面部と、
    前記従動回転体に設けられ、前記周面部との径方向間隔が前記駆動回転体に対する前記従動回転体の進角側へ向かって縮小する第二楔面部と、
    前記周面部及び前記第一楔面部の間に介装される第一転動体と、
    前記第一転動体よりも前記進角側において前記周面部及び前記第二楔面部の間に介装される第二転動体と、
    前記第一転動体及び前記第二転動体の間に介装され、前記第一転動体を前記遅角側へ付勢すると共に前記第二転動体を前記進角側へ付勢する弾性部材と、
    前記従動回転体に設けられ、弾性変形により前記周面部に対する前記第一楔面部の径方向間隔を拡大させるための第一スリット部と、
    前記従動回転体に設けられ、弾性変形により前記周面部に対する前記第二楔面部の径方向間隔を拡大させるための第二スリット部と、
    前記第一トルクの入力により回転して前記第一転動体及び前記従動回転体を前記進角側へ押圧し、前記第二トルクの入力により回転して前記第二転動体及び前記従動回転体を前記遅角側へ押圧する入力回転体と、
    を制御機構として有し、
    前記第一トルク及び前記第二トルクの発生を制御するトルク制御手段を、
    さらに有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  9. 前記第一スリット部は、前記従動回転体において前記第一楔面部よりも前記遅角側に設けられ、
    前記第二スリット部は、前記従動回転体において前記第二楔面部よりも前記進角側に設けられることを特徴とする請求項8に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記制御機構は、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向に複数配置され、
    各前記位相制御ユニットの前記第一スリット部は、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向に隣接する前記位相制御ユニットの前記第二スリット部を兼ねることを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記制御機構は、前記駆動回転体及び前記従動回転体に共通の回転方向に複数配置されることを特徴とする請求項8〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  12. 前記入力回転体及び前記従動回転体の一方は、凹部を有し、
    前記入力回転体及び前記従動回転体の他方は、それら回転体に共通の回転方向の両側に隙間をあけて前記凹部に挿入される凸部を有することを特徴とする請求項8〜11のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  13. 前記凹部は、前記入力回転体及び前記従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の内面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有し、
    前記凸部は、前記入力回転体及び前記従動回転体に共通の径方向に沿う平坦面状の側面を、それら回転体に共通の回転方向の両側に有することを特徴とする請求項12に記載のバルブタイミング調整装置。
  14. 前記入力回転体は、前記第一トルクの入力により前記遅角側から前記第一転動体に接触して前記第一転動体を前記進角側へ押圧する第一押圧面部、並びに前記第二トルクの入力により前記進角側から前記第二転動体に接触して前記第二転動体を前記遅角側へ押圧する第二押圧面部を有し、
    前記第一押圧面部及び前記第二押圧面部は、それぞれ押圧する前記第一転動体及び前記第二転動体の外周面に沿う円弧面状に形成されることを特徴とする請求項8〜13のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  15. 前記トルク制御手段は、前記第一トルク及び前記第二トルクを発生する電動モータ、並びに前記電動モータへの通電により前記第一トルク及び前記第二トルクの発生を制御する制御回路部を有し、
    前記制御機構は、前記電動モータからの前記第一トルクの入力により回転して前記第一転動体及び前記従動回転体を前記進角側へ押圧し、前記電動モータからの前記第二トルクの入力により回転して前記第二転動体及び前記従動回転体を前記遅角側へ押圧する入力回転体を有することを特徴とする請求項8〜14のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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