JP2007218109A - 内燃機関の状態量制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】機関が停止した後に機関の状態量のずれを速やかに補正することができる内燃機関の状態量制御装置を提供する
【解決手段】位置センサS1,S2及びから出力される波形に基づいてバルブの最大リフト量を検出するとともに、電気角カウンタEのカウント及び位置カウンタPのカウントの推移に基いて位置カウンタPのカウントとモータの実際の回転角に対応する値とのずれを検出する。検出されたずれに基づき補正目標値を設定し、機関運転時は、間隔t毎に補正目標値の絶対値よりも小さい所定値(「1」)ずつ位置カウンタPのカウントを補正する。一方、機関の停止に伴いモータの駆動が停止した後は、その時点のずれ(「3」)を直ちに補正する。
【選択図】図12

Description

本発明は内燃機関の状態量を可変とする状態量制御装置に関する。
従来、燃費性能の向上を図るために、内燃機関の運転状態に応じて、機関バルブの最大リフト量や燃料噴射量などの機関状態量を可変とする状態量制御装置が知られている。例えば、機関バルブの最大リフト量を変更する可変動弁装置においては、内燃機関の電子制御ユニットは機関の運転状態に基づいて機関バルブの最大リフト量の制御目標値を設定する。また、機関バルブの最大リフト量を検出するための位置センサが設けられており、電子制御ユニットは設定された目標値と位置センサにより検出された検出値との偏差に応じて可変動弁装置のアクチュエータを駆動し、機関バルブの最大リフト量をフィードバック制御している。
ここで、信号のノイズや誤差などにより、位置センサが検出した最大リフト量の検出値と最大リフト量の実際値との間に、ずれが生じることがある。このずれを抑制するために、特許文献1に示されるように検出値を該ずれに応じて補正する可変動弁装置を採用することができる。しかしながら、そのずれを急激に補正すると、設定された目標値と補正された検出値との偏差が大きくなるため、可変動弁装置が機関バルブの最大リフト量を目標値に向けて急変させ、それに伴い内燃機関の吸入空気量が急変してトルクショックが生じるおそれがある。従って、その補正の速度を制限する、即ち検出値と実際値とのずれを徐々に補正する、といった構成を採用するのが望ましい。
特開平10−266877号公報
ところで、機関が停止したときの機関バルブの最大リフト量、即ち次回の機関始動時の最大リフト量を記憶するため、機関が停止した後に位置センサによって検出した検出値を学習してから電子制御ユニットの電力を切るようにしている。しかしながら、前述したように電子制御ユニットが検出値と実際値とのずれを徐々に補正した後に同学習を行う構成を採用すると、機関が停止してから電子制御ユニットの電力を切るまでの時間が長くなり、ひいては電力の消費量が多くなるおそれがある。
尚、可変動弁装置、即ち機関バルブの状態量制御装置について説明したが、こうした不都合は同構成に限らず、その他のフィードバック制御を行う内燃機関の状態量制御装置においても概ね共通して発生し得る。
本発明は、こうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、機関が停止した後に機関の状態量のずれを速やかに補正することができる内燃機関の状態量制御装置を提供することにある。
以下、上記目的を解決するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、機関状態量を変更するアクチュエータと、機関の運転状態に基づいて前記機関状態量の目標値を設定する電子制御ユニットと、前記機関状態量を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された前記機関状態量の検出値と同記機関状態量の実際値とのずれを検出する第2の検出手段と、前記検出値と前記実際値とにずれが検出されたときに同ずれを所定の制限速度以下で補正する補正手段と、機関停止後に前記補正された機関状態量の検出値を記憶する学習手段とを備え、前記機関状態量の目標値と同機関状態量の検出値との偏差に応じて前記アクチュエータを駆動する内燃機関の状態量制御装置において、前記機関の停止に伴い前記アクチュエータの駆動が停止した後、前記制限速度を緩和することを特徴とする。
機関が停止した後、補正された機関状態量の検出値、即ち機関再始動時の機関状態量の実際値を記憶するため、検出値と実際値とのずれを補正する制御が実行される。ここで、機関の停止に伴いアクチュエータの駆動が停止した後は、検出値と実際値とのずれを補正する制限速度を緩和したとしても、アクチュエータの急激な駆動が発生しない。従って、機関運転時に機関の状態量の急激な変更を抑制する一方、機関が停止した後はその状態量のずれを速やかに補正することができる。その結果、機関が停止してから電子制御ユニットの電力を切るまでの時間を短縮し、電力の消費を低減することができる。また、請求項2に記載の発明によるように、機関の停止に伴いアクチュエータの駆動が停止したときはずれを直ちに補正する、といった構成を採用することにより、一層速やかに機関の状態量のずれを補正することができる。
尚、機関状態量としては、例えば機関バルブの開閉時期等のバルブ特性の他、燃料噴射量や燃料噴射時期、或いはスロットルバルブの開度等を挙げることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の内燃機関の状態量制御装置において、前記状態量制御装置は前記内燃機関の状態量として機関バルブのバルブ特性を制御するものであることを特徴とする。
同構成によれば、機関運転時に機関バルブのバルブ特性の急激な変更を抑制する一方、機関が停止した後は検出された機関バルブの状態量と実際値とのずれを速やかに補正することができる。その結果、機関の停止に伴いアクチュエータの駆動が停止した後、バルブ特性の補正にかかる時間を短縮し、同バルブ特性の補正による電力の消費を低減することができる。尚、機関バルブのバルブ特性には、機関バルブの開時期、閉時期、最大リフト量、開期間、及びリフトプロフィール、並びにこれらの組み合わせが含まれる。
以下、本発明にかかる実施形態について、図1〜図13を参照して説明する。
図1及び図2に示されるように、車両に搭載される内燃機関は4つの気筒を有しており、そのシリンダヘッド2にはこれら気筒に対応した一対の吸気バルブ10と排気バルブ15とが往復動可能にそれぞれ設けられている。シリンダヘッド2には、それら吸気バルブ10と排気バルブ15とに対応して吸気弁駆動機構40と排気弁駆動機構45とがそれぞれ設けられている。
排気弁駆動機構45には、各排気バルブ15に対応してラッシュアジャスタ17が設けられるとともに、このラッシュアジャスタ17と排気バルブ15との間にはロッカーアーム18が架設されている。ロッカーアーム18は、その一端がラッシュアジャスタ17に支持されるとともに他端が排気バルブ15の基端部に当接されている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された排気カムシャフト7にはそれぞれの気筒に対応して複数のカム8が形成されており、それらカム8の外周面はロッカーアーム18に設けられたローラ18aに当接されている。排気バルブ15にはリテーナ15aが設けられるとともに、このリテーナ15aとシリンダヘッド2との間にはバルブスプリング16が設けられている。このバルブスプリング16の付勢力によって排気バルブ15は閉弁方向に付勢されている。そしてこれにより、ロッカーアーム18のローラ18aはカム8の外周面に押圧されている。機関運転時にカム8が回転すると、ロッカーアーム18はラッシュアジャスタ17により支持される部分を支点として揺動する。その結果、排気バルブ15はロッカーアーム18によって開閉駆動されるようになる。
一方、吸気弁駆動機構40には、排気側と同様にバルブスプリング11、リテーナ10a、ロッカーアーム12、ローラ12a及びラッシュアジャスタ13が設けられている。また、シリンダヘッド2に回転可能に支持された吸気カムシャフト5にはそれぞれの気筒に対応して複数のカム6が形成されている。
また、吸気弁駆動機構40には、排気弁駆動機構45とは異なり、カム6とロッカーアーム12との間に仲介駆動機構20が設けられている。この仲介駆動機構20は入力部23と一対の出力部24とを有しており、これら入力部23及び出力部24はシリンダヘッド2に固定された支持パイプ22に揺動可能に支持されている。ロッカーアーム12は、吸気バルブ10の基端部及びラッシュアジャスタ13によって出力部24側に付勢されており、そのローラ12aが出力部24の外周面に当接されている。また、入力部23とシリンダヘッド2との間には、スプリング14が設けられており、このスプリング14の付勢力によって入力部23に設けられたローラ23bがカム6に当接されている。
機関運転時にカム6が回転すると、同カム6はローラ23bに摺接しつつ入力部23を押圧し、これにより出力部24が支持パイプ22の周方向に揺動するようになる。そして出力部24が揺動すると、ロッカーアーム12はラッシュアジャスタ13により支持される部分を支点として揺動する。その結果、吸気バルブ10はロッカーアーム12によって開閉駆動されるようになる。
次に、図3を参照して仲介駆動機構20の構造について更に詳述する。尚、図3は仲介駆動機構20の破断斜視図である。
図3に示されるように、入力部23は各出力部24の間に設けられており、これら入力部23と出力部24との内部には略円筒状の連通空間が形成されている。また、入力部23の内周面にはヘリカルスプライン23aが形成されるとともに、出力部24の内周面にはこの入力部23のヘリカルスプライン23aと逆向きに傾斜するヘリカルスプライン24aが形成されている。
入力部23と出力部24との内部に形成された空間には、略円筒状のスライダギア26が設けられている。このスライダギア26の外周面の中央部分には、入力部23のヘリカルスプライン23aに噛合するヘリカルスプライン26aが形成されるとともに、その外周面の両端部には出力部24のヘリカルスプライン24aに噛合するヘリカルスプライン26bが形成されている。
また、この略円筒状のスライダギア26の内壁には、その円周方向に沿って延びる溝29が形成されており、この溝29にはブッシュ28が嵌合されている。尚、このブッシュ28は、溝29の伸びる方向に沿って同溝29の内周面を摺動することができるが、スライダギア26の軸方向における変位は規制されている。
スライダギア26の内部に形成された貫通空間には、支持パイプ22が挿入されている。また、上記支持パイプ22には、その軸方向に沿って駆動されるコントロールシャフト21が挿入されている。支持パイプ22の管壁にはその軸方向に延びる長孔22aが形成されている。また、スライダギア26とコントロールシャフト21との間には、長孔22aを通じてスライダギア26とコントロールシャフト21とを連結する係止ピン27が設けられている。この係止ピン27の一端がコントロールシャフト21に形成された凹部(図示略)に挿入されるとともに、他端がブッシュ28に形成された貫通孔28aに挿入されている。
こうした仲介駆動機構20にあって、コントロールシャフト21がその軸方向に沿って変位すると、これに連動してスライダギア26が軸方向に変位する。スライダギア26の外周面に形成されたヘリカルスプライン26a、26bは、入力部23及び出力部24の内周面に形成されたヘリカルスプライン23a、24aとそれぞれ噛合っているため、スライダギア26がその軸方向に駆動すると、入力部23と出力部24とは逆の方向に回転する。その結果、入力部23と出力部24との相対位相差が変更され、吸気バルブ10の最大リフト量および開期間が変更される。
次に、この仲介駆動機構20を通じて吸気バルブ10の最大リフト量および開期間を制御する制御装置について、図4及び図5を併せ参照して説明する。ここで、図4はこの制御装置を示すブロック図であり、図5は各センサの出力波形及び各カウントが推移するパターン変化を示す図である。
同図4に示されるように、コントロールシャフト21の基端部は、変換機構64を介してモータ62の出力軸62aに連結されている。この変換機構64は、モータ62の出力軸62aの回転運動をコントロールシャフト21の軸方向への直線運動に変換するためのものである。即ち、モータ62の出力軸62aを正・逆回転させると、その回転が変換機構64によってコントロールシャフト21の往復動に変換される。
モータ62には、3つの電気角センサD1〜D3が設けられるとともに、これら電気角センサD1〜D3に対応して出力軸62aと一体回転する8極の多極マグネット(図示略)が更に設けられている。これら電気角センサD1〜D3は、8極の多極マグネットの磁気に応じて図5(a)〜(c)に示されるようなパルス状の信号、即ち理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とを交互に出力する。尚、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、3つの電気角センサD1〜D3は周方向において120°毎に配置されている。従って、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸62aの45°回転毎に発生している。また、これら電気角センサD1〜D3のうちの1つからのパルス信号は、他の電気角センサからのパルス信号に対し、出力軸62aの30°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
また、モータ62には、2つの位置センサS1,S2が設けられるとともに、これら位置センサS1,S2に対応して出力軸62aと一体回転する48極の多極マグネット(図示略)が更に設けられている。これら位置センサS1,S2は、48極の多極マグネットの磁気に応じて図5(d)及び(e)に示されるようなパルス状の信号、即ち理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とを交互に出力する。尚、こうしたパルス信号の波形が得られるよう、位置センサS1は周方向において位置センサS2から176.25°を隔てて配置されている。従って、位置センサS1,S2のうちの1つから出力されるパルス信号のエッジは出力軸62aの7.5°回転毎に発生している。また、位置センサS2からのパルス信号は、位置センサS1からのパルス信号に対し、出力軸62aの3.75°回転分だけ進み側及び遅れ側に位相をずらした状態となっている。
ここで、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ間隔が15°であるのに対し、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジ間隔は3.75°となっている。従って、電気角センサD1〜D3を合わせたパルス信号のエッジ発生から次回のエッジ発生までには、位置センサS1,S2を合わせたパルス信号のエッジが4回発生するようになっている。
また、モータ62には、内燃機関を統括的制御する電子制御ユニット100の入出力ポートが接続されている。上記各センサによって出力されたパルス信号がその入力ポートを通じて電子制御ユニット100に送信され、同電子制御ユニット100はこれらパルス信号に基づいてモータ62の回転位相と吸気バルブ10の最大リフト量とを検出する。尚、吸気バルブ10の開期間は最大リフト量と一対一で対応しているため、最大リフト量が決定されれば自ずと開期間も決定される。また、この電子制御ユニット100には、アクセルペダル(図示略)の開度を検出するアクセルセンサ51や、クランクシャフト(図示略)の回転位相を検出するクランク角センサ52等、機関の運転状態を検出するセンサが接続されている。電子制御ユニット100は、これらのセンサによって検出された機関の運転状態に基づいて最大リフト量の制御目標値を設定し、この制御目標値と検出値との偏差に応じてモータ62を駆動してコントロールシャフト21を軸方向に変位させる。その結果、吸気バルブ10の最大リフト量および開期間が変更される。尚、電子制御ユニット100は、上記制御に必要なプログラムやデータを記憶する不揮発性メモリ100aと演算結果を一時的に記憶する揮発性メモリ100bとを備えている。
従って、吸気バルブ10の最大リフト量を精確に制御するためには、最大リフト量の検出値を正確に検出する、即ちその検出値と実際の最大リフト量とのずれを極力抑制することが重要になる。
以下、電子制御ユニット100がモータ62の回転位相と吸気バルブ10の最大リフト量とを検出する手順について、図5及び図6を参照して説明する。図5において、上述したように(a)〜(e)は、モータ62の出力軸62aの回転時に電気角センサD1〜D3、及び位置センサS1,S2から出力するパルス信号の波形を示す波形図である。また、(f)〜(h)は、モータ62の回転時における回転角の変化に対し、それぞれ電気角カウンタE、位置カウンタP、及びストロークカウンタSのカウントが推移するパターンを示す図である。ここで、図6(a)に示すように、電気角カウンタEの電気角カウントは上記電気角センサD1〜D3のパルス信号に基づいて設定される。また、図6(b)に示すように、位置カウンタPのカウント位置カウントは位置センサS1,S2のパルス信号に基づいて増減される。
上記電気角カウンタEは、モータ62を駆動すべくモータ62の通電相を切り換える際に用いるものである。具体的には、図6(a)に示されるように、各電気角センサD1〜D3から各々理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、電気角カウンタEのカウントに「0」〜「5」範囲内の連続した整数値のうちのいずれかが当てはめられる。電子制御ユニットはこのカウントに基づきモータ62の通電相を切り換えてモータ62を正・逆回転する。その結果、モータ62の正回転時(図3中右向き)には、電気角カウンタEのカウントは「0」→「1」→「2」→「3」→「4」→「5」→「0」といった順序で順方向に変化する。一方、モータ62の逆回転時(図3中左向き)には、電気角カウンタEのカウントは「5」→「4」→「3」→「2」→「1」→「0」→「5」といった順序で逆方向に変化する。尚、何らかの原因により、各電気角センサD1〜D3が全て理論ハイレベル信号「H」を出力する場合、或いは、理論ローレベル信号「L」を出力する場合もあるが、これらの場合には異常状態である旨判断され、電気角カウンタEのカウントがそのまま保持されることとなる。
上記位置カウンタPは、機関運転が開始した、即ちイグニッションスイッチ55のオン操作がなされた後、出力軸62aの回転角が変化した量を表すものである。具体的には、図6(b)に示されるように、位置センサS1,S2のうち、一方のセンサからパルス信号の立ち上がりエッジと立下りエッジとのいずれが生じているか、及び他方のセンサから理論ハイレベル信号「H」と理論ローレベル信号「L」とのいずれが出力されているかに応じて、位置カウンタPのカウントに対し「+1」と「−1」とのいずれかが加算される。尚、同図6(b)において、「↑」はパルス信号の立ち上がりエッジを表し、「↓」はパルス信号の立下りエッジを表している。こうした処理を実行して得られる位置カウンタPのカウントは、各位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジを計数した値になる。
ここで、モータ62の正回転中であれば、位置カウンタPのカウントは、図5(d)及び(e)に示される位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎に「1」ずつ加算され、図5(g)に示されるグラフを右に進むようになる。一方、モータ62の逆回転中であれば、位置カウンタPのカウントは、上記パルス信号のエッジ毎に「1」ずつ減算され、図5(g)に示されるグラフを左に進むようになる。尚、この位置カウンタPは、イグニッションスイッチ55のオフ操作がなされたとき、「0」にリセットされる。従って、位置カウンタPのカウントは、イグニッションオン後に出力軸62aの回転角が変化した量、即ちコントロールシャフト21が軸方向に沿って変位した量を表す。
そして、図5(g)に示されるように変化する位置カウンタPに応じて、図5(h)に示されるようにストロークカウンタSが変化させられる。このストロークカウンタSは、モータ62の所定回転範囲において、コントロールシャフト21を最も先端側(図2左端)に変位させたときの出力軸62aの回転角を基準(0°)とした同モータ62の回転角を表すものである。即ち、ストロークカウンタSのカウント初期設定として、コントロールシャフト21を最も先端側に変位させたとき、電子制御ユニット100はストロークカウンタSのカウントを「0」に設定する。電子制御ユニット100は、位置カウンタPのカウントをストロークカウンタSのカウントに加算し、ストロークカウンタSのカウントをこの加算された値に更新する。また、このストロークカウンタSのカウントは、機関停止時に学習値Prとして電子制御ユニット100の不揮発性メモリ100aに記憶される。そして、次回の機関始動以降は、学習値Prに位置カウンタPのカウントを加算して、ストロークカウンタSのカウントが算出される。
吸気バルブ10の最大リフト量は、モータ62の回転角に対応して変化するため、電子制御ユニット100によってストロークカウンタSのカウントに基づいて吸気バルブ10の最大リフト量を検出することができるようになる。
ところで、位置カウンタPのカウントは、常にモータ62の実際の回転角に対応しているとは限らず、その実際の回転角からずれることがある。例えば、位置センサS1,S2から出力される信号にノイズが発生すると、電子制御ユニット100はそのノイズのエッジと位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジとを見分けることができない。そして、電子制御ユニット100はこのノイズのエッジをパルス信号のエッジと誤認し、位置カウンタPのカウント、ひいてにストロークカウンタSのカウントがモータ62の実際の回転角と対応しなくなる。その結果、ストロークカウンタSのカウントに基づき検出される吸気バルブ10の最大リフト量の検出値はその実際値との間にずれが生じる。
以下、上記不具合発生の詳細について、モータ正回転中に上記ノイズが発生した場合、及び、モータ逆回転中に上記ノイズが発生した場合を例に、図7,8を参照して説明する。なお、図7はモータ62の正・逆回転中にノイズが発生した場合における位置センサS1,S2の出力波形及び電気角カウンタE、位置カウンタPの推移を示す図であり、図8はノイズによる位置カウンタPのカウントの加減算態様を示す図である。
モータ62の正回転中、例えば図7(a)に示されるように、位置センサS1からの信号にノイズが発生し、そのノイズが位置センサS2からのパルス信号の立ち下がりエッジと重なると、上記ノイズの発生しているタイミングa,b,cでの位置センサS1,S2からの信号の出力パターンは、図8(a)に示されるようなパターンとなる。その結果、タイミングa,b,cでそれぞれ位置カウンタPのカウントに「−1」が加算され、図7(d)のタイミングa,b,cでは当該カウントが一点鎖線で示されるように「1」ずつ減少するようになる。一方、仮に上記ノイズが発生していないとすれば、タイミングa,b,cではタイミングbで位置カウンタPのカウントに「1」が加算されるだけとなるはずである。このため、上記ノイズが発生したときの位置カウンタPのカウントは、タイミングc以降、モータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ小さくなる。
一方、モータ62の逆回転中、例えば図7(a)に示されるノイズが発生し、そのノイズが位置センサS2からのパルス信号の立ち上がりエッジと重なった場合にも、位置カウンタPのカウントがモータ62の実際の回転角に対応する値からずれることになる。この場合には、時間の経過とともに図7の各グラフを左に進むこととなる。即ち、上記ノイズの発生しているタイミングc,b,aでの位置センサS1,S2からの信号の出力パターンが図8(b)に示されるようなパターンとなり、タイミングc,b,aでそれぞれ位置カウンタPのカウントに「1」が加算され、図7(e)のタイミングc,b,aでは当該カウントが一点鎖線で示されるように「1」ずつ増加するようになる。一方、仮に上記ノイズが発生していないとすれば、タイミングc,b,aではタイミングbで位置カウンタPのカウントに「−1」が加算されるだけとなるはずである。このため、上記ノイズが発生したときの位置カウンタPのカウントは、タイミングa以降、モータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、二点鎖線で示されるように「4」だけ大きくなる。
以上のように、位置センサS1,S2から出力される信号にノイズが発生し、そのノイズが位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジと重なると、位置カウンタPのカウントがモータ62の実際の回転角と対応しなくなる。その結果、位置カウンタP(正確にはストロークカウンタS)のカウントに基づき検出されるモータ62の回転角、言い換えれば最大リフト量の検出値が不正確になる。従って、電子制御ユニット100は、同電子制御ユニット100によって設定された制御目標値になるように最大リフト量を制御するとき、上記不正確な検出値とその制御目標値との偏差に基づいてモータ62を駆動するようになり、機関運転に悪影響に及ぼすおそれがある。
これに対して本実施形態では、位置カウンタPのカウントとモータ62の実際の回転角に対応する値とのずれ量を求め、そのずれ量に対応する分のカウントを当該カウントに加えて、そのカウントをモータ62の実際の回転角に対応する値に補正する。
また、その位置カウンタPのカウント、換言すれば最大リフト量の検出値のずれを直ちに補正すると、補正された最大リフト量の検出値と設定された制御目標値との偏差が急激に大きくなり、この偏差に基づきモータ62が急激に駆動されるおそれがある。そこで、モータ62の急激な駆動、即ち最大リフト量の急変による機関運転の不都合を抑制するため、上記ずれを所定の制限速度以下で補正する。
より詳しくは、以下の[1]〜[3]の処理を実行することにより、上述した位置カウンタPのカウントをモータ62の実際の回転角に対応する値に補正するようにしている。
[1]各電気角センサD1〜D3から出力されるパルス信号のエッジ発生毎に、今回のエッジ発生時における位置カウンタPのカウントPnと前回のエッジ発生時における位置カウンタPのカウントPn-1との差(Pn−Pn-1)を算出する。
[2]電気角カウンタEのカウントの変化に基づきモータ62の回転状態が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のうちのいずれであるかを判断する。より詳しくは、各電気角センサD1〜D3からのパルス信号の前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時とにおける各々の電気角カウンタEの変化方向に基づき、モータ62が正回転中、逆回転中、及び正逆回転反転中のいずれであるかを判断する。即ち、前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向が共に増加方向であればモータ正回転中である旨の判断を行い、それらが共に減少方向であればモータ逆回転中である旨の判断を行う。また、前回のエッジ発生時と今回のエッジ発生時との電気角カウンタEの変化方向が増加方向と減少方向とで異なっていれば、モータ正逆回転反転中である旨の判断を行う。そして、モータ62の回転状態に応じて上記差(Pn−Pn-1)の正常時の値である正常値Jを設定する。この正常値Jの設定では、電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジ間における位置センサS1,S2から出力されるパルス信号のエッジ数の適正値m(本実施形態では「4」)に対応して、正常値Jがモータ62正回転中であれば値「m」とされ、モータ逆回転中であれば値「−m」とされ、モータ正逆回転反転中であれば「0」とされる。
[3]上記正常値Jに対する上記差(Pn−Pn-1)のずれ量「J−(Pn−Pn-1)」を補正目標値ΔPとし、予め定められた間隔t毎に補正目標値ΔPの絶対値よりも小さい所定値dずつ位置カウンタPのカウントを補正する。尚、それを所定値dの合計値が補正目標値ΔPの絶対値と等しくなるまで続ける。
次に、上記補正目標値ΔPによる位置カウンタPのカウントの補正の概要について、モータ62の正回転中及び逆回転中での補正を例に、図9を参照して説明する。
モータ62の正回転中、図9(a)に示されるようにノイズが発生すると、図9(d)に示されるように、位置カウンタPのカウントがモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、一点鎖線で示されるように「4」だけ小さくなることは上述したとおりである。この場合、電気角カウンタEのカウントが「2」から「3」に変化する電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジ発生時(タイミングT1)、上記差(Pn−Pn-1)が正常値J(=4)に対し「−4」だけずれた「0」になる。
そして、この正常値J(=4)に対する差(Pn−Pn-1)のずれ量「J−(Pn−Pn-1)=4」を補正目標値ΔPとして設定され、この補正目標値ΔPに対する補正がタイミングT1から開始される。即ち、モータ62の正回転による位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎の位置カウンタPのカウントの増加の他に、補正目標値ΔP分(「4」)の補正が位置カウンタPのカウントに徐々に加えられる。具体的には、図9(d)の間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値d(本実施形態では「1」)ずつ当該カウントが増加側に補正される。
従って、上記補正目標値ΔP分の位置カウンタPの補正が開始された(タイミングT1)後には、そのカウントが図9(d)に二点鎖線で示されるようにモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に徐々に近づくようになる。そして、間隔t毎に位置カウンタPのカウントに加える所定値dの合計値が補正目標値ΔP(「4」)の絶対値と等しくなったとき(タイミングT2)、当該カウントがモータ62の実際の回転角に対応した値と一致し、当該カウントに対して補正目標値ΔP分の補正が加えられたことになる。
一方、モータ62の逆回転中は時間の経過とともに図9の各グラフを左に進むこととなり、図9(a)に示されるようにノイズが発生すると、図9(e)に示されるように、位置カウンタPのカウントがモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、一点鎖線で示されるように「4」だけ大きくなる。この場合、電気角カウンタEのカウントが「2」から「1」に変化する電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジ発生時(タイミングT3)、上記差(Pn−Pn-1)が正常値J(=−4)に対し「4」だけずれた「0」になる。
そして、この正常値J(「−4」)に対する差(Pn−Pn-1)のずれ量「J−(Pn−Pn-1)=−4」を補正目標値ΔPとして設定され、この補正目標値ΔPに対する補正がタイミングT3から開始される。即ち、モータ62の逆回転による位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジ毎の位置カウンタPのカウントの減少の他に、補正目標値ΔP分(「−4」)の補正が位置カウンタPのカウントに徐々に加えられる。具体的には、図9(d)の間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値d(本実施形態では「−1」)ずつ当該カウントが減少側に補正される。
従って、上記補正目標値ΔP分の位置カウンタPの補正が開始された(タイミングT3)後には、そのカウントが図9(e)に二点鎖線で示されるようにモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に徐々に近づくようになる。そして、間隔t毎に位置カウンタPのカウントに加える所定値dの合計値が補正目標値ΔPの値(「−4」)と等しくなったとき(タイミングT4)、当該カウントがモータ62の実際の回転角に対応した値と一致し、当該カウントに対して補正目標値ΔP分の補正が加えられたことになる。
以上のように、補正目標値ΔP分のずれを徐々に補正することにより、補正開始後に検出される吸気バルブ10の最大リフト量の検出値と設定される制御目標値との偏差に基づくその最大リフト量の変化が緩やかになる。従って、上記補正開始後において、吸気バルブ10の最大リフト量が制御目標値へと急変することが抑制され、その急変に伴い吸入空気量が急変してトルクショックが生じることも抑制される。
ところで、ストロークカウンタSのカウントは不揮発性メモリ100aに記憶される一方、その他の各カウントは揮発性メモリ100bに一時的に記憶されているのみである。このため、機関の停止に伴い電子制御ユニット100への通電が停止されると、これらのカウントはクリアされることとなる。ここで、補正目標値ΔPに対する補正が終了する前に電子制御ユニット100への通電が停止されたとすると、電子制御ユニット100はモータ62の実際の回転角と対応しないストロークカウンタSのカウントを学習値Prとして不揮発性メモリ100aに記憶して制御を終了することとなる。そのため、機関停止時には補正目標値ΔPに対する補正が終了するまで電子制御ユニット100への通電を維持し、モータ62の実際の回転角と対応する値に補正されたストロークカウンタSのカウントを学習値Prとして不揮発性メモリ100aに記憶した後にその通電を停止する必要がある。
次に、機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止した後の補正処理を含め、本実施形態にかかる位置カウンタPのカウントの補正処理について、図10〜図13を参照して説明する。
図10,11に示される一連の処理は、電子制御ユニット100により所定の制御周期をもって繰り返し実行される。この処理ではまず、位置カウンタのカウントを読み込む(S100)。尚、位置カウンタのカウントは、別の処理を通じて位置センサS1,S2からのパルス信号のエッジに基づいて算出される。そして、ステップS110に進み、電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジが発生したか否かを判断する。ここで、電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジが発生しなかった場合には、後述するステップS160に進む。
一方、電気角センサD1〜D3からのパルス信号のエッジが発生した場合には、ステップS120に進み、今回のエッジ発生時のカウントPnを揮発性メモリ100bに記憶し、ステップS130に進む。ステップS130では、前回のエッジが発生したときの位置カウンタPのカウントPn-1と今回のエッジ発生時のカウントPnとの差(Pn−Pn-1)を算出する。次に、ステップS140に進み、正常値Jを設定する、即ちモータ62正回転中であれば値「4」とされ、モータ逆回転中であれば値「−4」とされ、モータ正逆回転反転中であれば「0」とされる。ステップS150では、上記値Pn-1と値Pnとの差が正常値Jからずれる量を補正目標値ΔPとして設定する、即ちΔP={J−(Pn−Pn-1)}を算出する。
次に、ステップS160に進み、補正目標値ΔPは「0」でないか否かを判断する。補正目標値ΔPは「0」である場合には、読み込まれた位置カウンタPのカウントは実際の回転角に対応している旨判断し、当該カウントの補正は行われない。そして、ステップS210に進み、イグニッションのオフ操作がなされたか否かを判断する。イグニッションのオフ操作がなされなかった場合には、この処理を一旦終了する。一方、イグニッションのオフ操作がなされた場合には、ステップS200に進み、位置カウンタPのカウントに基づいてストロークカウンタSのカウントを算出して不揮発性メモリ100aに記憶することによって、ストロークカウンタSのカウントの学習を行い、この処理を一旦終了する。なお、イグニッションのオフ操作がなされた場合には、機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止される。
それに対して、補正目標値ΔPは「0」でない場合には、読み込まれた位置カウンタPのカウントと実際の回転角に対応する値とにずれが生じた旨判断してステップS170に進み、イグニッションのオフ操作がなされたか否かを判断する。イグニッションのオフ操作がなされなかった場合には、ステップS300に進み、位置カウンタPのカウントを徐々に補正し、その補正されたカウントを揮発性メモリ100bに記憶する。即ち、上述したように補正目標値ΔPの絶対値よりも小さい所定値d(本実施形態では「1」)によって位置カウンタPのカウントを補正する(P←P+d)。次に、ステップS310に進み、今回の制御周期にずれを補正した分(所定値d)に対応して補正目標値ΔPを更新し(ΔP←ΔP−d)、更新された補正目標値ΔPを揮発性メモリ100bに記憶してこの処理を一旦終了する。
一方、イグニッションのオフ操作がなされた場合には、ステップS180に進み、位置カウンタPのカウントを直ちに補正する。即ち、揮発性メモリ100bに記憶されている補正目標値ΔPを読み出し、その補正目標値ΔPに基づいて位置カウンタPのカウントを直ちに補正する(P←P+ΔP)。そして、その補正された位置カウンタPのカウントを揮発性メモリ100bに記憶して、ステップS190に進み、揮発性メモリ100bに記憶されている補正目標値ΔPを「0」に設定し、ステップS200に進む。ステップS200では、上記補正された位置カウンタPのカウントに基づいてストロークカウンタSのカウントを算出して不揮発性メモリ100aに記憶することによって、ストロークカウンタSのカウントの学習を行い、この処理を一旦終了する。なお、イグニッションのオフ操作がなされた場合には、機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止される。
次に、図12,13を参照して、上述した補正処理による位置カウンタPの変化について説明する。
モータ62の正回転中、図12(a)に示されるようにノイズが発生すると、図12(d)に示されるように、位置カウンタPのカウント(二点鎖線)がモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、「4」だけ小さくなる。これに対して、電子制御ユニット100は補正目標値ΔP(「4」)を設定し、タイミングT1から間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値d(「1」)ずつ補正するように、補正速度を制限する。機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止する(タイミングT2)と、電子制御ユニット100は補正速度の制限を解除し、その時点のずれ量(「−3」)を直ちに補正する。そして、この補正された位置カウンタPのカウントに基づいてストロークカウンタSの学習処理を行って、電子制御ユニット100への通電が停止される。
一方、モータ62の逆回転中、図13(a)に示されるようにノイズが発生すると、図13(d)に示されるように、位置カウンタPのカウント(二点鎖線)がモータ62の実際の回転角に対応する値(実線)に対し、「4」だけ大きくなる。これに対して、電子制御ユニット100は補正目標値ΔP(「−4」)を設定し、タイミングT3から間隔t毎に黒矢印で示されるように所定値d(「−1」)ずつ補正するように、補正速度を制限する。機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止する(タイミングT4)と、電子制御ユニット100は補正速度の制限を解除し、その時点のずれ量(「3」)を直ちに補正する。そして、この補正された位置カウンタPのカウントに基づいてストロークカウンタSの学習処理を行って、電子制御ユニット100への通電が停止される。
以上説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)位置カウンタPのカウントとモータ62の実際の回転角に対応する値とにずれが発生したとき、機関運転時にそのずれの補正による吸気バルブ10のバルブ特性の急激な変更を抑制する一方、機関が停止した後はそのずれを速やかに補正することができる。その結果、機関の停止に伴いモータ62が停止した後、吸気バルブ10のバルブ特性の補正にかかる時間を短縮し、同補正による電力の消費を低減することができる。
尚、上記実施の形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することもできる。
・上記実施形態では、機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止した後、補正速度の制限を解除し、その時点のずれ量を直ちに補正するようにしている。これに対して、機関の停止に伴いモータ62の駆動が停止した後、補正速度の制限を緩和する、例えば間隔t毎に位置カウンタのカウントを「2」ずつ補正することもできる。
・上記実施形態では、吸気バルブの最大リフト量および開期間を制御する制御システムに本発明を適用したが、燃料噴射量制御システム等、他の内燃機関の制御システムに本発明を適用することもできる。
吸・排気弁駆動機構の構成を説明する部分断面図。 吸・排気弁駆動機構の配置構造を示す平面図。 仲介駆動機構の破断斜視図。 吸気バルブの最大リフト量を制御する制御システムを示すブロック図。 (a)〜(h)各センサの出力波形及び各カウントが推移するパターン変化を示すタイミングチャート。 (a)及び(b)電気角カウンタ及び位置カウンタのカウントの変化態様を示す表。 (a)〜(e)モータの正・逆回転中にノイズが発生した場合における位置センサの出力波形並びに電気角カウンタE及び位置カウンタのカウントの推移を示すタイミングチャート。 (a)及び(b)ノイズによる位置カウンタのカウントの加減算態様を示す表である。 (a)〜(e)機関運転時に位置カウンタのカウントのずれを補正する場合における位置センサの出力波形並びに電気角カウンタE及び位置カウンタのカウントの推移を示すタイムチャート。 位置カウンタのカウントを補正する手順を示すフローチャートである。 位置カウンタのカウントを補正する手順を示すフローチャートである。 (a)〜(d)正転していたモータが停止後に位置カウンタのカウントのずれを補正する場合における位置センサの出力波形並びに電気角カウンタE及び位置カウンタのカウントの推移を示すタイミングチャート。 (a)〜(d)逆転していたモータが停止後に位置カウンタのカウントのずれを補正する場合における位置センサの出力波形並びに電気角カウンタE及び位置カウンタのカウントの推移を示すタイミングチャート。
符号の説明
2…シリンダヘッド、5…吸気カムシャフト、6…カム、7…排気カムシャフト、8…カム、10…吸気バルブ、10a…リテーナ、11…バルブスプリング、12…ロッカーアーム、12a…ローラ、13…ラッシュアジャスタ、14…スプリング、15…排気バルブ、15a…リテーナ、16…バルブスプリング、17…ラッシュアジャスタ、18…ロッカーアーム、18a…ローラ、20…仲介駆動機構、21…コントロールシャフト、22…支持パイプ、22a…長孔、23…入力部、23a…ヘリカルスプライン、23b…ローラ、24…出力部、24a…ヘリカルスプライン、26…スライダギア、26a,26b…ヘリカルスプライン、27…係止ピン、28…ブッシュ、28a…貫通孔、29…溝、40…吸気弁駆動機構、45…排気弁駆動機構、51…アクセルセンサ、52…クランク角センサ、55…イグニッションスイッチ、62…モータ、62a…出力軸、64…変換機構、100…電子制御ユニット、100a…不揮発性メモリ、100b…揮発性メモリ。

Claims (3)

  1. 機関状態量を変更するアクチュエータと、機関の運転状態に基づいて前記機関状態量の目標値を設定する電子制御ユニットと、前記機関状態量を検出する第1の検出手段と、前記第1の検出手段によって検出された前記機関状態量の検出値と同記機関状態量の実際値とのずれを検出する第2の検出手段と、前記検出値と前記実際値とにずれが検出されたときに同ずれを所定の制限速度以下で補正する補正手段と、機関停止後に前記補正された機関状態量の検出値を記憶する学習手段とを備え、前記機関状態量の目標値と同機関状態量の検出値との偏差に応じて前記アクチュエータを駆動する内燃機関の状態量制御装置において、
    前記機関の停止に伴い前記アクチュエータの駆動が停止した後、前記制限速度を緩和する
    ことを特徴とする内燃機関の状態量制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の状態量制御装置において、
    前記機関の停止に伴い前記アクチュエータの駆動が停止したときは同ずれを直ちに補正する
    ことを特徴とする内燃機関の状態量制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の内燃機関の状態量制御装置において、
    前記状態量制御装置は前記内燃機関の状態量として機関バルブのバルブ特性を制御するものである
    ことを特徴とする内燃機関の状態量制御装置。
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