JP2010001849A - 車両用エンジンのバッフルプレート - Google Patents

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Abstract

【課題】オイルパンの側壁面から放出される戻り潤滑油によるエアレーションの発生防止に好適な車両用エンジンのバッフルプレートを提供する。
【解決手段】エンジンの潤滑油が供給され且つ戻り潤滑油をリターンパイプ11Aを介して潤滑油を貯蔵するオイルパン1に直接戻す外部機器をエンジン本体の外部に備え、オイルパン1内空間とクランクシャフト収容空間との間にバッフルプレート5を備え、前記バッフルプレート5は、前記リターンパイプ11Aの出口に対面させて配置した制動部材20を下部に固定して備え、前記リターンパイプ11Aの出口からオイルパン1内に放出された潤滑油を前記制動部材20に当ててその移動速度を減速若しくは停止させてオイルパン1内潤滑油溜りに落下させるようにした。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用エンジン内の各部に供給される潤滑油を貯蔵するオイルパンとクランクシャフトとの間に設けられる車両用エンジンのバッフルプレートに関し、特に、戻り潤滑油によるエアレーション発生防止に好適な車両用エンジンのバッフルプレートに関するものである。
従来から、エンジン下部のオイルパンに貯蔵された潤滑油は、オイルポンプで汲み上げられてオイルフィルタで濾過浄化され、エンジン内各部に供給され、エンジン内戻り通路を経てオイルパンに戻される一方、オイルポンプから分岐してエンジン本体外の過給器やオイルクーラ等の外部機器に供給された潤滑油は、戻り配管を経て直接オイルパンに戻される(特許文献1〜3参照)。
特許文献1では、エンジン内戻り通路を経てオイルパンに戻される潤滑油を、上端が尖り状に形成された飛散防止用凸部により受止めて、その流れ方向を斜めに変え、跳ね返って飛散させることなくオイルパンに戻すように構成している。
特許文献2では、エンジン本体外のオイルクーラよりの戻り配管をオイルパン壁面に接続して、戻り配管を経由して戻される潤滑油をオイルパン内の潤滑油溜りに放出させるよう構成している。また、特許文献3では、エンジン本体外の過給器よりの戻り配管をオイルパンのバッフルプレートで区画される下方の壁面に接続して、戻り配管を経由して戻される潤滑油をオイルパン内の潤滑油溜りに放出させるよう構成している。
特開2005−140039号公報 特開平8−165926号公報 特開平8−260932号公報
ところで、特許文献2,3のように、潤滑油をリターンパイプからオイルパン内の潤滑油溜りに放出させる場合に、エンジンの回転数、即ちオイルポンプの回転に伴う供給流量に応じて、潤滑油溜りの液面レベルが変化すると共に、戻される潤滑油量も変化してその放出軌跡も変化する。このため、放出された潤滑油と潤滑油溜りの液面との合流(衝突)位置も変化し、特許文献1のように、潤滑油の流出軌跡が変化しない場合の飛散防止対策を実施できない。具体的には、潤滑油溜りの液面レベルが低い場合(高回転領域)には、戻り潤滑油量も多く、前記合流位置も通常オイルパンの中央領域に配置されているストレーナ吸込み口から離れたオイルパンの周縁領域となり、ストレーナに吸込まれる潤滑油にエアが混入することが緩和される。しかしながら、潤滑油溜りの液面レベルが上昇するに連れて、戻り潤滑油量が減少され、前記合流位置がオイルパンの中央領域に接近されることとなり、ストレーナに吸込まれる潤滑油にエアが混入することを抑制できず、エアレーション発生を防止できないという課題があった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、オイルパンの側壁面から放出される戻り潤滑油によるエアレーションの発生防止に好適な車両用エンジンのバッフルプレートを提供することを目的とする。
本発明は、エンジンの潤滑油が供給され且つ戻り潤滑油をリターンパイプを介して潤滑油を貯蔵するオイルパンに直接戻す外部機器をエンジン本体の外部に備え、オイルパン内空間とクランクシャフト収容空間との間にバッフルプレートを備え、前記バッフルプレートは、前記リターンパイプの出口に対面させて配置した制動部材を下部に固定して備え、前記リターンパイプの出口からオイルパン内に放出された潤滑油を前記制動部材に当ててその移動速度を減速若しくは停止させてオイルパン内潤滑油溜りに落下させることを特徴とする。
したがって、本発明では、バッフルプレートに外部機器よりの戻り潤滑油を貯蔵するオイルパンに直接戻すリターンパイプの出口に対面させて配置した制動部材を下部に固定して設け、前記リターンパイプの出口からオイルパン内に放出された潤滑油を前記制動部材に当ててその移動速度を減速若しくは停止させてオイルパン内潤滑油溜りに落下させるため、潤滑油が勢いよく油溜まりの液面に衝突して、潤滑油溜りを自ら持っている運動エネルギにより攪拌して、潤滑油溜りにエアを混入させて発生するエアレーションを、未然に防止できる。
以下、本発明の車両用エンジンのバッフルプレートを一実施形態に基づいて説明する。
図1〜図6は、本発明を適用した車両用エンジンのバッフルプレートの第1実施例を示し、図1は第1実施例のバッフルプレートを装着したオイルパンの斜視図、図2はオイルパンに戻される潤滑油経路を示す回路図、図3は同じく第1実施例のバッフルプレートを装着したオイルパンの断面図、図4は同じく第1実施例のバッフルプレートの三面図、図5、6は第1実施例のバッフルプレートと戻り管路の関係を説明する平面図及び斜視図である。
図1〜図3において、本実施形態における車両用エンジンのバッフルプレートを装着するオイルパン1は、図示しないシリンダブロックのクランクケースの下端に上面が締結される上部オイルパン1Aと、上部オイルパン1Aの下端に締結される板金製の下部オイルパン1Bと、により構成されている。以下では、上部オイルパン1Aと下部オイルパン1Bとを合体させたものを、単に「オイルパン1」と称する。
前記上部オイルパン1Aは、アルミニウム等の軽合金鋳物により枠状に構成され、上部にクランクケースの下端面に締結される枠状フランジ2Aを、下部に下部オイルパン1Bの上端面に締結される枠状フランジ2Bを、夫々備え、前記上下の枠状フランジ2A,2B同士を壁面部2Cにより連結して枠状に形成されている。前記壁面部2Cには必要に応じて補強用のリブが配置されている。前記上部オイルパン1Aの車両後方領域の壁面部2Cには、車両後方側内面と車両左右側内面とを平面状部材により互いに連結して一体構成した後部バッフルプレート3を備える。前記上部オイルパン1Aの車両前方領域の壁面部2Cは、上下方向に貫通する空間部に構成され、当該空間部の車両前方側には、オイルポンプ4が配置され、当該空間部の車両後方側には、板金により形成されて上部オイルパン1Aとは別体となった中央部バッフルプレート5が配置されている。
前記オイルポンプ4は、そのハウジング4Aの車両左右方向が延長されて、その両端が上部オイルパン1Aの左右壁面部2Cに固定される取付ブラケット4Bを一体に備える。前記オイルポンプ4の取付ブラケット4Aの上面は、下方に向かって弧状に窪ませて形成され、図示しないクランク軸(バランスウェイト)やピストンロッドの大径端部との干渉を回避するよう構成され、クランクケース内の空間とオイルパン1内空間とを区画する前部バッファプレートとして機能している。前記オイルポンプ4の吸込み側にはオイルストレーナ6がオイルパン1の空間内の下方に向かって固定配置され、その吸込み口は下部オイルパン1Bの底面に臨んでいる。
前記オイルポンプ4は、図示しないクランク軸にチェーン駆動機構を介して回転され、図2に示すように、ストレーナ6を介してオイルパン1内に貯蔵されている潤滑油を吸込み、図示しない吐出口から吐出された潤滑油は、上部オイルパン1Aに設けた図示しない通路、図示しないクランクケースに設けた通路、オイルフィルタ7Aを経由させてオイルギャラリ7Bに供給するよう構成している。また、オイルポンプ4から吐出された潤滑油の一部は、オイルフィルタ7Aへの供給通路を分岐させて構成され、オイルフィルタ7Aへの供給圧力が予め設定した所定値を超えた際に開放するリリーフ弁8を内蔵する分岐通路9A及び分岐管路9Bを経由させて、エンジン本体外に配置されたオイルクーラ10若しくは過給器等の外部機器に供給するようにしている。前記エンジン本体外に配置されたオイルクーラ10若しくは過給器等の外部機器からの戻り潤滑油は、リターン配管11を介して上部オイルパン1Aの左側壁面部2Cの略中央位置を貫通させて配置したリターンパイプ11Aに戻され、リターンパイプ11Aの出口開口からオイルパン1内に放出されるように構成している。
前記第1実施例の中央部バッフルプレート5(以下では、単に「バッフルプレート5」という)は、図4に示すように、比較的薄い金属板をプレス成形したものであり、前記上部オイルパン1Aの空間部において、オイルポンプ4の後方側の空間部を塞ぐように、配置される。このため、オイルポンプ4に隣接する縁形状は、オイルポンプ4の取付ブラケット4Bを含むハウジング4Aの形状に沿う形状に形成されている。前記バッフルプレート5の両端には取付穴15が設けられ、上部オイルパン1Aの上側枠状フランジ2Aに近接した位置において、図示しないボルトを取付穴15に貫通させて上部オイルパン1Aの左右の壁面部2Cに固定される。前記バッフルプレート5は、下方に突出した弧状の縦断面を有し、図示しないクランク軸(バランスウェイト)やピストンロッドの大径端部との干渉を回避するよう構成されている。
前記バッフルプレート5の下面には、前記リターンパイプ11Aの出口開口と対面するよう位置させて、制動部材20を溶接等により固定して備える。前記制動部材20は、前記リターンパイプ11Aの出口開口と対面する平面部21と、平面部21に連なり前記バッフルプレート5の下面に沿って延びて、バッフルプレート5にスポット溶接などにより固定される溶接固定部22と、先記平面部21の側縁と溶接固定部22の側縁とを連結する補強部23と、から構成されている。また、制動部材20の固定位置は、図5,6に示すように、バッフルプレート5の取付穴15へのボルト貫通による締結時に、取付部での締付け応力が作用しない距離だけ離れた部位であり、且つ最も取付部に近い部位が選定される。
以上の構成の車両用エンジンのバッフルプレートの作用について以下に説明する。
車両用エンジンが始動されるとオイルポンプ4が回転駆動され、ストレーナ6を介して下部オイルパン1B内に貯蔵されている潤滑油を吸込み、図示しない吐出口から吐出された潤滑油は、上部オイルパン1Aに設けた図示しない通路、図示しないクランクケースに設けた通路、オイルフィルタ7Aを経由させてオイルギャラリ7Bに供給される。オイルギャラリ7Bに供給された潤滑油は、図示しないクランク軸のジャーナルやピストンピンの軸受け部、シリンダヘッドオイルギャラリから各カム潤滑部等に導かれて、各部を潤滑した後に上部オイルパン1A上にドレーンされ、上部オイルパン1Aに設けた各バッフルプレート(3,4B,5)同士の隙間を経由して下部オイルパン1Bの潤滑油溜りに戻される。
上部オイルパン1Aに設けられている後部バッフルプレート3、中央部バッフルプレート5、及び、ポンプハウジング4Aに一体形成されている取付ブラケット4Bは、オイルパン1内空間とクランク軸が回転しているクランクケース内空間とを区画して、クランク軸の回転風がオイルパン1内空間に流入することを抑制し、オイルパン1内の潤滑油が回転風により巻上げられるのを抑制する。
一方、オイルポンプ4から吐出された潤滑油の一部は、オイルフィルタ7Aへの供給通路を分岐させて構成され、オイルフィルタ7Aへの供給圧力が予め設定した所定値を超えた際に開放するリリーフ弁8を内蔵する分岐通路9A及び分岐管路9Bを経由して、エンジン本体外に配置されたオイルクーラ10若しくは過給器等の外部機器に供給される。そして、エンジン本体外に配置されたオイルクーラ10若しくは過給器等の外部機器からの戻り潤滑油は、リターン配管11を介して上部オイルパン1Aの左側壁面部2Cの中央位置を貫通させて配置したリターンパイプ11Aに戻され、リターンパイプ11Aの出口開口からオイルパン1内に放出される。
図9に示す比較例は、リターンパイプ11Aから放出された潤滑油が、その運動エネルギにより放物線を伴ってオイルパン1内の潤滑油溜りの液面に自由落下させるようにしたものである。この場合においては、潤滑油溜りの液面が、図示したAレベルにある場合には下部オイルパン1Bの、中央部に配置されているストレーナ6から離れた周縁領域に前記放出された潤滑油が勢いよく油溜まりの液面に衝突するため、周辺の空気を巻込むエアレーションが発生しつつ潤滑油溜りが放出された潤滑油の運動エネルギにより攪拌される。しかし、前記合流部位がストレーナ6から離れた周縁領域であるため、ストレーナ6へ吸込まれる潤滑油に空気が混入されることを比較的少なくできる。しかしながら、潤滑油溜りの液面が、図示したBレベル以上のCレベル、Dレベルと上昇するに連れて、前記衝突部位がストレーナ6に接近していくため、周辺の空気を巻込むエアレーションが発生しつつ潤滑油溜りが攪拌されて、気泡が含まれる潤滑油のストレーナ6への吸込みを抑制できない。
本実施例のバッフルプレート5においては、前記リターンパイプ11Aから放出された潤滑油は、前記制動部材20の平面部21に衝突して、その運動エネルギを消費させる。そして、制動部材20に衝突して運動エネルギを失った潤滑油は、下部オイルパン1Bの潤滑油溜りに順次落下する。このため、潤滑油が勢いよく油溜まりの液面に衝突して、潤滑油溜りを自ら持っている運動エネルギにより攪拌して、潤滑油溜りにエアを混入させて発生するエアレーションを、未然に防止できる。
また、前記制動部材20は、バッフルプレート5に溶接などにより固定されるものであるため、例えば、上部オイルパン1Aの壁面部2Cの形状を変更して制動部材20を一体的に設ける場合に比較して、オイルパン1内空間のレイアウトを制約することがない。
また、制動部材20の固定位置が、バッフルプレート5の取付穴15へのボルト貫通による締結時に、取付部での締付け応力が作用しない距離だけ離れた部位であり、且つ最も取付部に近い部位に選定されている。このため、制動部材20がバッフルプレート5の振動系のマス(質量)とならずバネ剛性を高める働きを持つため、バッフルプレート5の固有振動値を上昇させ、共振による破損を防止する。図7は本実施形態におけるバッフルプレート5の振動加速度の周波数(エンジン回転数相当)特性を示したものである(なお、制動部材20を持たないバッフルプレート5の振動加速度の周波数特性を比較例として破線で示す)。図7によれば、比較例に比較してその固有振動値が(エンジン回転数7000rpm相当以上に)上昇し、比較例のバッフルプレート5の振動加速度に比較して実用域(F点)において充分な余裕(振動加速度を1/100程度に低減)ができるため、バッフルプレート5の剛性上昇のために実施される周縁の折り返し等を廃止することができ、バッフルプレート5自体をコストダウンできる効果がある。
また、前記バッフルプレート5のオイルポンプ4に隣接する縁形状が、オイルポンプ4の取付ブラケット4Bを含むハウジング4Aの形状に沿う形状に形成されていることにより、オイルポンプ4側に膨らんだ部分により曲げ剛性が向上し、この点でもバッフルプレート5の固有振動値を上昇させる機能を発揮する。
また、制動部材20がバッフルプレート5の振動系のマスとならずバネ剛性を高める働きを持つため、図8に示すように、バッフルプレート5自体の振動幅(変位)も抑制することができる。即ち、図8(A)は制動部材20を備える本実施形態のバッフルプレート5の振動形態を、また、図8(B)は制動部材20を備えない比較例のバッフルプレートの振動形態を、夫々示している。図8(B)に示す比較例では、その最大振動幅(変位)が大きい(数値10)であるのに対し、図8(A)に示す本実施形態では、その最大振動幅(変位)が抑えられた(数値7)に抑制される。
また、制動部材20とバッフルプレート5とはスポット溶接等により部分的に接合されているため、接合部位周辺領域はフリクション伴う接触となり、バッフルプレート5と制動部材20とはフリクションにより、バッフルプレート5の振動が抑制される。
図10は本実施形態の第2実施例のバッフルプレート5の構成を示す。本実施例のバッフルプレート5においては、第1実施例と同様なバッフルプレート5における制動部材20の下方へ突出する平面部21の先端に連ねて、前記リターンパイプ11Aに向かう水平部24を設けるようにしたものである。
本実施例のバッフルプレート5においては、平面部21の下方に水平部24を連ねて備えるため、リターンパイプ11Aより放出された潤滑油が、先ず平面部21に衝突して運動エネルギが消費された後に、下方に落下されることなく水平部24により水平方向に拡散された状態で落下される。このため、オイルパン1の潤滑油溜りに広く分散されて落下し、潤滑油溜りを攪拌することがより抑制される。このため、空気を巻込むエアレーションをより一層防止できる。
図11及び図12に示す第3実施例のバッフルプレート5においては、第1実施例と同様なバッフルプレート5における制動部材20の下方へ突出する平面部21の先端および側縁に連ねて、前記リターンパイプ11Aに向かう水平部24および側壁部25を設けるようにしたものである。また、前記平面部21の一部を前記リターンパイプ11Aに向かって傾斜状態となる傾斜部26とし、リターンパイプ11Aより放出される潤滑油が前記傾斜部26に衝突するよう構成している。
従って、本実施例のバッフルプレート5においては、平面部21の傾斜部26にリターンパイプ11Aより放出された潤滑油が衝突することにより、傾斜部26に沿って周囲に拡がり流れ、下部の水平部24及び側壁部25に沿って飛散されて、オイルパン1の潤滑油溜りに落下される。特に、潤滑油の主流は、図中の矢印に示すように、潤滑油の流れ方向が横方向に変換されつつ拡散されて平面部21に向かって流れ、平面部21から下部の水平部24及び側壁部25に沿って飛散されて、オイルパン1の潤滑油溜りに落下される。このため、オイルパン1の潤滑油溜りに広く分散されて落下し、潤滑油溜りを攪拌することがより一層抑制される。このため、空気を巻込むエアレーションをより一層防止できる。
本実施形態においては、以下に記載する効果を奏することができる。
(ア)エンジンの潤滑油が供給され且つ戻り潤滑油をリターンパイプ11Aを介して潤滑油を貯蔵するオイルパン1に直接戻す外部機器をエンジン本体の外部に備え、オイルパン1内空間とクランクシャフト収容空間との間にバッフルプレート5を備え、前記バッフルプレート5は、前記リターンパイプ11Aの出口に対面させて配置した制動部材20を下部に固定して備え、前記リターンパイプ11Aの出口からオイルパン1内に放出された潤滑油を前記制動部材20に当ててその移動速度を減速若しくは停止させてオイルパン1内潤滑油溜りに落下させることを特徴とする。このため、潤滑油が勢いよく油溜まりの液面に衝突して、潤滑油溜りを自ら持っている運動エネルギにより攪拌して、潤滑油溜りにエアを混入させて発生するエアレーションを、未然に防止できる。
また、制動部材20は、バッフルプレート5に溶接などにより固定されるものであるため、例えば、上部オイルパン1Aの壁面部2Cの形状を変更して制動部材20を一体的に設ける場合に比較して、オイルパン1内空間のレイアウトを制約することがない。
(イ)前記貯蔵している潤滑油をストレーナ6を介して吸込み車両用エンジン内外の各部に供給するオイルポンプ4を前記オイルパン1内空間とクランクシャフト収容空間との間に備え、前記バッフルプレート5は、前記オイルポンプ4が占める領域に達するよう横方向に延設して、オイルパン1内空間とクランクシャフト収容空間とを区画するよう設けられているため、オイルポンプ4側に膨らんだ部分の曲げ剛性が向上し、この点でもバッフルプレート5の固有振動値を上昇させる機能を発揮する。
(ウ)バッフルプレート5は、前記リターンパイプ11Aが貫通しているオイルパン1壁面の上部領域にその一端が固定され、前記制動部材20は、バッフルプレート5の固定された一端に近接して配置されているため、制動部材20がバッフルプレート5振動系のマスとならずバネ剛性を高める働きを持つため、バッフルプレート5の固有振動値を上昇させ、共振による破損を防止する。
(エ)第1実施例の制動部材20は、前記リターンパイプ11Aの出口に対面する平面部21と、前記平面部21に連なりバッフルプレート5の下面に沿って延びてバッフルプレート5に固定される固定部22と、を備えるため、最小の部品構成で上記した(ア)〜(ウ)の効果を発揮させることができる。
(オ)第2実施例の制動部材20は、前記リターンパイプ11Aの出口に対面する平面部21と、前記平面部21に連なりバッフルプレート5の下面に沿って延びてバッフルプレート5に固定される固定部22と、前記平面部21の下端に連なり前記リターンパイプ11Aに向かって延びる水平部24と、を備えるため、下方に直接落下されることなく水平部24により水平方向に拡散された状態で落下される。このため、オイルパン1の潤滑油溜りに広く分散されて落下し、潤滑油溜りを攪拌することがより抑制される。このため、空気を巻込むエアレーションをより一層防止できる。
(カ)第3実施例の制動部材20は、前記リターンパイプ11Aの出口に対面する平面部21と、前記平面部21に連なりバッフルプレート5の下面に沿って延びてバッフルプレート5に固定される固定部22と、前記平面部21の下端に連なり前記リターンパイプ11Aに向かって延びる水平部24と、前記平面部21の横方向の側縁に連なり前記リターンパイプ11Aに向かって延びる側壁部25と、を備えるため、下部の水平部24及び側壁部25に沿って飛散されて、オイルパン1の潤滑油溜りに落下される。従って、潤滑油を更に拡散させて落下させることができ、空気を巻込むエアレーションを更により一層防止できる。
(キ)第3実施例の制動部材20の平面部21は、その一部が前記リターンパイプ11Aに向かって傾斜状態となる傾斜部26に形成され、前記リターンパイプ11Aの出口に前記傾斜部26が対面しているため、潤滑油の主流は、潤滑油の流れ方向が横方向に変換されつつ拡散されて平面部21に向かって流れ、平面部21から下部の水平部24及び側壁部25に沿って飛散されて、オイルパン1の潤滑油溜りに落下される。このため、オイルパン1の潤滑油溜りに広く分散されて落下し、空気を巻込むエアレーションをより確実に防止できる。
本発明の一実施形態を示す車両用エンジンのバッフルプレートを装着したオイルパンの斜視図。 同じくオイルパンに戻される潤滑油経路を示す回路図。 同じく第1実施例のバッフルプレートを装着したオイルパンの断面図。 同じく第1実施例のバッフルプレートの三面図。 第1実施例のバッフルプレートと戻り管路の関係を説明する平面図。 第1実施例のバッフルプレートと戻り管路の関係を説明する斜視図。 バッフルプレートの振動加速度の周波数特性を示した特性図。 制動部材を備える本実施形態のバッフルプレートの振動形態(A)と制動部材を備えない比較例のバッフルプレートの振動形態(B)を示す説明図。 リターンパイプから放出された潤滑油が、その運動エネルギにより放物線を伴ってオイルパン内の潤滑油溜りの液面に自由落下させる比較例を説明する説明図。 第2実施例のバッフルプレートの三面図。 第3実施例のバッフルプレートの三面図。 第3実施例のバッフルプレートの斜視図。
符号の説明
1 オイルパン
1A 上部オイルパン
1B 下部オイルパン
3 後部バッフルプレート
4 オイルポンプ
5 バッフルプレート、中央部バッフルプレート
6 ストレーナ、オイルストレーナ
7A オイルフィルタ
7B オイルギャラリ
8 リリーフバルブ
10 外部機器としてのオイルクーラ
11A リターンパイプ
20 制動部材
21 平面部
22 固定部
24 水平部
25 側壁部
26 傾斜部

Claims (8)

  1. エンジンの潤滑油が供給され且つ戻り潤滑油をリターンパイプを介して潤滑油を貯蔵するオイルパンに直接戻す外部機器をエンジン本体の外部に備え、オイルパン内空間とクランクシャフト収容空間との間にバッフルプレートを備える車両用エンジンであり、
    前記バッフルプレートは、前記リターンパイプの出口に対面させて配置した制動部材を下部に固定して備え、
    前記リターンパイプの出口からオイルパン内に放出された潤滑油を前記制動部材に当ててその移動速度を減速若しくは停止させてオイルパン内潤滑油溜りに落下させることを特徴とする車両用エンジンのバッフルプレート。
  2. 前記貯蔵している潤滑油をストレーナを介して吸込み車両用エンジン内外の各部に供給するオイルポンプを前記オイルパン内空間とクランクシャフト収容空間との間に備え、
    前記バッフルプレートは、前記オイルポンプが占める領域に達するよう横方向に延設して、オイルパン内空間とクランクシャフト収容空間とを区画するよう設けられていることを特徴とする請求項1に記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  3. 前記バッフルプレートは、前記リターンパイプが貫通しているオイルパン壁面の上部領域にその一端が固定され、
    前記制動部材は、バッフルプレートの固定された一端に近接して配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  4. 前記制動部材は、前記リターンパイプの出口に対面する平面部と、前記平面部に連なりバッフルプレートの下面に沿って延びてバッフルプレートに固定される固定部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  5. 前記制動部材は、前記リターンパイプの出口に対面する平面部と、前記平面部に連なりバッフルプレートの下面に沿って延びてバッフルプレートに固定される固定部と、前記平面部の下端に連なり前記リターンパイプに向かって延びる水平部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  6. 前記制動部材は、前記リターンパイプの出口に対面する平面部と、前記平面部に連なりバッフルプレートの下面に沿って延びてバッフルプレートに固定される固定部と、前記平面部の下端に連なり前記リターンパイプに向かって延びる水平部と、前記平面部の横方向の側縁に連なり前記リターンパイプに向かって延びる側壁部と、を備えることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一つに記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  7. 前記平面部は、その一部が前記リターンパイプに向かって傾斜状態となる傾斜部に形成され、前記リターンパイプの出口に前記傾斜部が対面していることを特徴とする請求項6に記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
  8. 前記外部機器は、潤滑油の温度を調温するオイルクーラであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一つに記載の車両用エンジンのバッフルプレート。
JP2008162876A 2008-06-23 2008-06-23 車両用エンジンのバッフルプレート Pending JP2010001849A (ja)

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