JP2010001632A - 耐震壁形成方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】耐震壁設置対象の架構部1の内側に沿わせて矩形形状にフレーム部材2を設置し、フレーム部材2を構成する4辺の辺部材のうち、対向方向が縦方向、または、対向方向が横方向の何れかの一対の対向辺部材にわたって、複数の長尺部材3を並列状態に設置し、辺部材と長尺部材3とで囲まれた空間の一部を塞ぐ状態に、且つ、対向する長尺部材間、または、対向する長尺部材と辺部材との間に跨った状態に取り付けられる複数の板状部材4を、異なる辺部材の間にわたって斜めに連なる配置となるように辺部材または長尺部材3に取り付ける。
【選択図】図1
Description
即ち、耐震壁設置対象の架構部の内側に、H形鋼や溝形鋼等の形鋼を格子状に配置して溶接等で一体に取り付け、それら格子の開口部の一部を鋼板で塞ぐようにして耐震壁を形成する方法があった。
従って、新築のみならず、既存の建物を対象とした耐震改修工事のように、作業空間の広さや資機材の搬入環境状の制約があるような場合でも、部材の搬入作業や、組み立て・連結作業を効率良く実施することが可能となる。
また、板状部材で壁全面を閉塞することがないので、壁面に開口を形成でき、美観性の維持を図ることができる。
更には、板状部材は、異なる前記辺部材の間にわたって斜めに連なる配置となるように前記辺部材または前記長尺部材に取り付けるから、フレーム部材または長尺部材に取り付けてある各板状部材が、壁全体に対する一連の斜材としての機能を果たすことができる。その結果、板状部材がフレーム部材や長尺部材と一体となって、壁全体としての強度を高め、耐震性能を発揮できるようになる。
一般的に考えられる支持形態は、板状部材における4辺のうち、前記フレーム部材の辺部材、または、前記長尺部材に沿う辺のみを、辺部材又は長尺部材に取り付けるものである。この場合は、取り付けられている辺の耐力は高くなるものの、無支持の辺には、応力集中が発生し、全体とした板状部材の耐力を充分に発揮できないことが懸念される。本発明によれば、この問題点を、上記構成によって解決することができる。
また、板状部材の取付部分に使用する材料や、取付個所そのものを、全体として軽減できるから、材料コストや取付手間を低減することもできる。
また、火を使えない施工環境下でも耐震化工事を実施することができ、より汎用性が向上する。
耐震壁Wは、図1に示すように、柱1Aと梁1Bとで構成された架構部1の内側に形成してある。
耐震壁Wは、前記架構部1の内側に沿わせて設けられた矩形形状のフレーム部材2と、前記フレーム部材2を構成する4辺の辺部材2A、2B、2C、2Dのうちで縦方向に対向する辺部材2A、2Cにわたって一体に立設された複数の束柱(長尺部材の一例)3と、前記辺部材2A、2B、2C、2Dと前記長尺部材3とで囲まれた空間vの一部を塞ぐ状態に設けられた複数の板状部材4とを設けて構成してある。
前記架構部1に対するフレーム部材2の取り付けは、例えば、接着材を使用して実施することができる。
また、各辺部材2A、2B、2C、2Dは、図には示していないが、複数の分割部材によって構成してあってもよく、そうすることで、一つ一つの部品を、より小さいものに構成でき、搬入しやすくなることに加えて、組立コストや材料コストの低減化を図ることができる。
各束柱3は、ほぼ等間隔となるように立設してある。束柱3の両端部は、図3に示すように、前記辺部材2A、2Cにプレートを介してボルト接合してある。
尚、束柱3に関しても、フレーム部材2と同様に、複数の分割部材によって構成してあってもよく、そうすることで、一つ一つの部品を、より小さいものに構成でき、搬入しやすくなることに加えて、組立コストや材料コストの低減化を図ることができる。
板状部材4の固定は、図2に示すように、前記フレーム部材2または前記束柱3に対してボルト接合によって実施してある。ボルト5の取付個所は、板状部材4の各辺の中央部を除いた四隅部分に設定してある。
また、各板状部材4の配置は、異なる前記辺部材の間にわたって斜めに連なるように設定してある(図1参照)。
更には、隣接させる板状部材4どうしは、隣接させる辺の一部が重なる状態に取り付けてある。
尚、前記ボルト5は、ボルト軸の手前側のみから締付操作を実施できるワンサイドボルトを使用してもよい。
[1] 架構部1の内側に各辺部材2A、2B、2C、2Dを配置して環状のフレーム部材2を形成する。架構部1とフレーム部材2とは、接着によって一体化する。
[2] 各束柱3を、上辺の辺部材2A、下辺の辺部材2Cとにわたって取付固定する。固定は、ボルト接合によって行う。
[3] フレーム部材2や束柱3に対して板状部材4の四隅部分をボルト接合する。壁面に沿った板状部材4の配置は、前述のとおり、異なる前記辺部材の間にわたって斜めに連なるように設定し、更には、隣接させる板状部材4どうしは、隣接させる辺の一部が重なる状態に取り付ける。
また、各板状部材4が、壁全体に対する一連の斜材としての機能を果たし、壁全体としての強度を高め、耐震性能を発揮できるようになる。
更には、板状部材4の固定は、四隅部分のボルト接合によって実施してあるから、板状部材4の耐力を、縦横の差の少ない状態で発揮できるようになり、応力バランスの良い耐力壁を構築し易くなる。
当該耐震壁Wの固定は、接着材とボルトによって実施しているので、より安全に、且つ、熱歪み等の生じ難い状態に板状部材を取り付けることができ、火を使えない施工環境下でも耐震化工事を実施することができ、より汎用性が向上する。
以下に他の実施の形態を説明する。
また、壁の表裏両面に設置したり、一方の面のみに設置してもよい。更には、長尺部材3を複数本ずつ設け、それらの間に板状部材4を挟む状態に設ければ、壁厚み方向に複数枚の板状部材4を設置することも可能である。
固定に関しては、ボルト接合を説明したが、支障のない環境下であれば、溶接を使用することも可能である。
また、板状部材4は、その四隅のみを前記長尺部材3やフレーム部材2に取り付けることに限らず、辺の中間部も前記長尺部材3やフレーム部材2に取り付けるものであってもよい。
〈2〉 前記長尺部材3は、先の実施形態で説明した束柱に限るものではなく、例えば、縦に配置するのに替えて、横に配置するものであってもよい。
2 フレーム部材
2A 辺部材
2B 辺部材
2C 辺部材
2D 辺部材
3 束柱(長尺部材の一例)
4 板状部材
Claims (4)
- 耐震壁設置対象の架構部の内側に沿わせて矩形形状にフレーム部材を設置し、
前記フレーム部材を構成する4辺の辺部材のうち、対向方向が縦方向、または、対向方向が横方向の何れかの一対の対向辺部材にわたって、複数の長尺部材を並列状態に設置し、
前記辺部材と前記長尺部材とで囲まれた空間の一部を塞ぐ状態に、且つ、対向する前記長尺部材間、または、対向する前記長尺部材と前記辺部材との間に跨った状態に取り付けられる複数の板状部材を、異なる前記辺部材の間にわたって斜めに連なる配置となるように前記辺部材または前記長尺部材に取り付ける耐震壁形成方法。 - 前記板状部材は、矩形形状に形成しておき、
各辺の中央部を除いた四隅部分で、前記辺部材または前記長尺部材に取り付ける請求項1に記載の耐震壁形成方法。 - 前記板状部材は、隣接させるものどうしの辺の一部が重なる状態に取り付ける請求項1又は2に記載の耐震壁形成方法。
- 前記板状部材は、前記辺部材または前記長尺部材に対してボルト接合によって取り付ける請求項1〜3の何れか一項に記載の耐震壁形成方法。
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