JP2010000487A - 塗布装置 - Google Patents

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Kenji Maruyama
健治 丸山
Hidenori Miyamoto
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Abstract

【課題】生産性の高い塗布装置を提供すること。
【解決手段】ノズル部をメンテナンスするメンテナンス部が、基板搬送部のうちノズル部に平面視で重なる位置に設けられているので、ノズル部とメンテナンス部との間の平面視での相対位置を変化させること無くノズル部のメンテナンスを行うことができる。このため、ノズル部のメンテナンスを短時間で行うことができ、スループットへの影響を抑えることができる。これにより、生産性の高い塗布装置を得ることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、塗布装置に関する。
半導体基板やガラス基板などの基板に半導体層や配線層、レジスト層などを形成する手段として、液体噴射(インクジェット)型のノズルを備えた塗布装置が知られている。このような塗布装置では、半導体材料や配線材料、レジスト材料などの各種材料を溶媒に分散させ、液状体としてノズルから基板へ向けて噴射するようになっている。噴射型のノズルを有する塗布装置の構成として、例えば基板とノズルとを相対移動させながら液状体を塗布する構成が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような塗布装置においては、例えばノズルを用いるインターバルが長い場合、ノズル内部で液状体が固化して付着したり、空気中の塵や埃等が付着したりして、ノズルの吐出環境が悪化する可能性がある。また、塗布装置を初めて用いる場合など、塗布環境が不明な場合もある。このように塗布環境が良好で無い可能性のある場合に塗布動作を行うと塗布不良が発生する虞があるため、ノズルの吐出環境を改善させるためのメンテナンスを適宜行うことが好ましい。
ノズルのメンテナンスの一例として、例えば基板上以外の場所へノズルから液状体を吐出するいわゆる捨て打ちと呼ばれる動作や、ノズルの洗浄動作などが挙げられる。メンテナンスを行う部位は、基板に液状体を塗布する塗布部に対して離れた位置に設けられていることが多い。
特開2007−103302号公報
しかしながら、上記構成においては、ノズルのメンテナンスを行う場合、ノズルをメンテナンス位置まで移動させる必要があったり、ノズルとメンテナンス位置との間で位置を合わせる必要があったりする。これらの動作は基板への液状体の塗布動作とは別個に行うため、時間をその分要することになる。このため、スループットの低下を招き、生産性が低下してしまう虞がある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、生産性の高い塗布装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明に係る塗布装置は、基板に液状体を塗布する塗布装置であって、前記基板を搬送する基板搬送部と、前記基板搬送部上に設けられ、前記基板へ向けて前記液状体を吐出するノズルを有するノズル部と、前記基板搬送部のうち前記ノズル部に平面視で重なる位置に設けられ、前記ノズル部をメンテナンスするメンテナンス部とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、ノズル部をメンテナンスするメンテナンス部が、基板搬送部のうちノズル部に平面視で重なる位置に設けられているので、ノズル部とメンテナンス部との間の平面視での相対位置を変化させること無くノズル部のメンテナンスを行うことができる。このため、ノズル部のメンテナンスを短時間で行うことができ、スループットへの影響を抑えることができる。これにより、生産性の高い塗布装置を得ることができる。
上記の塗布装置は、前記ノズル部は、前記基板搬送部上に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、ノズル部が基板搬送部上に固定されているので、装置稼動時にノズル部の移動や位置合わせなどを行う必要が無く、高い生産性を確保することができる。
上記の塗布装置は、前記基板搬送部は、前記基板を搬送する複数の搬送ローラを有し、前記メンテナンス部は、搬送ローラ間に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、基板搬送部が基板を搬送する複数の搬送ローラを有し、メンテナンス部が搬送ローラ間に設けられることとしたので、搬送ローラ間のスペースを活用してノズル部のメンテナンスを行うことができる。本発明の構成では、ノズル部と搬送ローラとが平面視で重なるのを防ぐことにもなるので、例えば搬送ローラに液状体が誤って付着するのを防ぐこともできる。
上記の塗布装置は、前記搬送ローラ間は、前記基板の搬送方向に並んだ前記搬送ローラの間であることを特徴とする。
本発明によれば、搬送ローラ間が基板の搬送方向に並んだ搬送ローラの間のスペースを活用することができる。
上記の塗布装置は、前記搬送ローラ間は、前記基板の搬送方向の直交方向に並んだ前記搬送ローラの間であることを特徴とする。
本発明によれば、搬送ローラ間が基板の搬送方向の直交方向に並んだ搬送ローラの間のスペースを活用することができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部が設けられる前記搬送ローラ間は、前記メンテナンス部が設けられない前記搬送ローラ間に比べて広くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部の設けられる搬送ローラ間が、メンテナンス部の設けられない搬送ローラ間に比べて広くなっていることとしたので、その分メンテナンスが行いやすくなる。
上記の塗布装置は、前記基板搬送部は、前記基板に気体を噴出して浮上させる複数の気体噴出部を有し、前記メンテナンス部は、複数の前記気体噴出部の間に設けられることを特徴とする。
本発明によれば、基板搬送部が基板に気体を噴出して浮上させる複数の気体噴出部を有し、メンテナンス部が複数の気体噴出部の間に設けられることとしたので、基板を浮上させて搬送する場合であっても、ノズル部のメンテナンスを容易に行うことができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、前記ノズルから吐出された前記液状体を保持する保持部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部がノズルから吐出された液状体を保持する保持部を有することとしたので、ノズル部のメンテナンスに保持された当該液状体を容易に用いることができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部が保持された液状体を排出する排出部を有することとしたので、保持部において液状体を非保持状態にすることができる。これにより、必要に応じて保持部における液状体の保持及び非保持を選択することができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、前記ノズル部にアクセス可能となるように当該メンテナンス部を移動させる移動部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部がノズル部にアクセス可能となるように当該メンテナンス部を移動させる移動部を有することとしたので、メンテナンス部をノズル部にアクセスさせることができ、より幅広いメンテナンスが可能となる。移動部としては、例えばメンテナンス部をノズル部に対して昇降移動させる昇降機構などが挙げられる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、前記ノズル部にアクセスした状態において前記ノズル部に当接し前記メンテナンス部と前記ノズル部との間の空間を密閉させる当接部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部が、ノズル部にアクセスした状態においてノズル部に当接しメンテナンス部とノズル部との間の空間を密閉させる当接部を有することとしたので、ノズル内の液状体が乾燥するのを防ぐことができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、前記ノズル部を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部がノズル部を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給部を有することとしたので、ノズル部を清浄化することができる。
上記の塗布装置は、前記保持部は、前記洗浄液を保持することを特徴とする。
本発明によれば、保持部が洗浄液を保持することとしたので、例えば保持部に洗浄液を保持させた状態でノズル部を洗浄することができる。これにより、幅広いメンテナンスが可能となる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有し、前記排出部は、前記洗浄液を排出することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部が保持された液状体を排出する排出部を有し、排出部が洗浄液を排出することとしたので、保持部において洗浄液を非保持状態にすることができる。これにより、必要に応じて保持部における洗浄液の保持及び非保持を選択することができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、前記ノズル部との間の空間を吸引可能な吸引部を有することを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部がノズル部との間の空間を吸引可能な吸引部を有することとしたので、ノズル部に対するメンテナンスの幅が一層広がることになる。
上記の塗布装置は、前記ノズル部は、前記メンテナンス部を介して当該ノズル部に前記液状体を充填させることを特徴とする。
本発明によれば、ノズル部がメンテナンス部を介して当該ノズル部に液状体を充填させることとしたので、別途充填機構などを配置する必要が無い。このため、装置構成が複雑化するのを抑えることができる。
上記の塗布装置は、前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有し、前記吸引部は、前記排出部に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、メンテナンス部が保持された液状体を排出する排出部を有し、吸引部が排出部に設けられていることとしたので、液状体の排出を吸引部の吸引によって行うことができる。これにより、短時間で確実に液状体を排出することができる。
上記の塗布装置は、前記基板搬送部は、搬送される前記基板と前記ノズルから吐出される前記液状体の吐出位置とのズレを補正する補正部を有することを特徴とする。
本発明によれば、基板搬送部が搬送される基板とノズルから吐出される液状体の吐出位置とのズレを補正する補正部を有することとしたので、基板に高精度に液状体を塗布することができる。
上記の塗布装置は、前記補正部は、前記基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を検出する検出部と、前記検出機構の検出結果に基づいて前記液状体の吐出位置を調整する調整部とを有することを特徴とする。
本発明によれば、補正部が基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を検出する検出部と、検出機構の検出結果に基づいて液状体の吐出位置を調整する調整部とを有することとしたので、基板により高精度に液状体を塗布することができる。
上記の塗布装置は、前記補正部は、前記基板に当接することで前記基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を規制する規制部を有することを特徴とする。
本発明によれば、補正部が基板に当接することで基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を規制する規制部を有することとしたので、基板上の液状体の塗布位置がずれるのを防ぐことができ、基板により高精度に液状体を塗布することができる。
上記の塗布装置は、前記ノズル部は、複数配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ノズル部が複数配置されていることとしたので、複数のノズル部によって基板に液状体を塗布することができる。これにより、高いスループットを確保することができる。
上記の塗布装置は、複数の前記ノズル部のうち前記基板の搬送方向の最も上流側に配置されるノズル部は、平面視で前記搬送方向の直交方向の中央に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、複数のノズル部のうち基板の搬送方向の最も上流側に配置されるノズル部が平面視で搬送方向の直交方向の中央に配置されることとしたので、搬送される基板に最初に塗布される液状体が、基板搬送方向の直交方向の中央部に配置されることになる。これにより、塗布された液状体によって基板の重心が当該直交方向においてずれてしまうのを防ぐことができ、搬送時の基板の姿勢を安定させることができる。
上記の塗布装置は、複数の前記ノズル部は、前記基板の搬送方向の上流側に位置するノズル部に対して前記搬送方向に対する前記基板搬送部の側方に配置されることを特徴とする。
本発明によれば、複数のノズル部が、基板の搬送方向の上流側に位置するノズル部に対して当該搬送方向に対する基板搬送部の側方に配置されることとしたので、基板の搬送方向の直交方向において中央から端部へと液状体を塗布することができる。これにより、搬送時の基板の姿勢を安定させることができ、基板上に液状体を高精度に塗布することができる。
上記の塗布装置は、複数の前記ノズル部は、前記基板の搬送方向の直交方向に重ならないように配置されることを特徴とする。
本発明によれば、複数のノズル部が基板の搬送方向の直交方向に重ならないように配置されることとしたので、当該ノズル部に平面視で重なる位置に設けられるメンテナンス部が基板の搬送方向の直交方向に重なって配置されるのを防ぐことができる。これにより、搬送時の基板の姿勢をより安定させることができる。
ノズル部をメンテナンスするメンテナンス部が、基板搬送部のうちノズル部に平面視で重なる位置に設けられているので、ノズル部とメンテナンス部との間の平面視での相対位置を変化させること無くノズル部のメンテナンスを行うことができる。このため、ノズル部のメンテナンスを短時間で行うことができ、スループットへの影響を抑えることができる。これにより、生産性の高い塗布装置を得ることができる。
本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る塗布装置の平面図である。図2は、当該塗布装置の正面図である。図3は、当該塗布装置の側面図である。これらの図を参照して、塗布装置1の詳細な構成を説明する。
以下、塗布装置の構成を説明するにあたり、表記の簡単のため、XYZ座標系を用いて図中の方向を説明する。当該XYZ座標系においては、基板の搬送方向をX方向と表記し、平面視でX方向(搬送方向)に直交する方向をY方向と表記する。X方向軸及びY方向軸を含む平面に垂直な方向はZ方向と表記する。X方向、Y方向及びZ方向のそれぞれは、図中の矢印の方向が+方向、矢印の方向とは反対の方向が−方向であるものとする。
図1〜図3に示すように、本実施形態に係る塗布装置1は、基板搬送部2と、塗布部3と、メンテナンス部4とを備えている。塗布装置1は、例えばシリコンやガラスなどによって構成される矩形の基板Sを搬送しながら当該基板S上に半導体層やレジスト層などの薄膜を塗布する装置である。塗布装置1は、例えばコンクリートの床上など振動の少ない環境下に配置されて用いられることが好ましい。
塗布装置1のうち、基板搬送部2の側部は下部カバー部材5によってカバーされた状態になっており、基板搬送部2の上部及び塗布部3は上部カバー部材6によってカバーされた状態になっている。下部カバー部材5は耐久性に優れ軽量な材料、例えば例えばSUSなどによって形成されている。上部カバー部材6は、軽量で光透過性を有する材料、例えばPETなどによって形成されており、当該上部カバー部材6によってカバーされた部分が外部から視認可能になっている。当該塗布装置1には、基板搬送部2、塗布部3及びメンテナンス部4を統括的に制御する制御部7が設けられている。
(基板搬送部)
基板搬送部2は、搬送機構20を有している。搬送機構20は、基板Sを+X方向へ平流し搬送するように構成されている。搬送機構20は、架台21と、搬送ローラ22とを有している。
架台21は、基板搬送部2のうちY軸方向の中央部に配置されており、基板搬送部2のX軸方向に沿った領域に設けられている。架台21は、側面視(又は断面視)でU字状に設けられている。架台21のY軸方向の両端はローラ支持部21aとなっており、架台21のY軸方向の中央部は凹部21bとなっている。架台21は、XY平面に平行な状態を保つように例えば不図示の支持部によって支持されている。
搬送ローラ22は、架台21の凹部21bに設けられた円柱状部材であり、Y軸方向が長手になっている。搬送ローラ22のY軸方向の両端は、回転可能な状態で架台21のローラ支持部21aに支持されている。搬送ローラ22はX軸方向に複数設けられている。複数の搬送ローラ22は等しいピッチで配置されており、X軸方向に隣接する搬送ローラ22の間(搬送ローラ間)22aには隙間が設けられている。各搬送ローラ22は例えば不図示の回転機構に接続されており、当該回転機構の駆動によってY軸方向を回転軸として回転するようになっている。基板Sは、複数の搬送ローラ22によって支持されるようになっている。搬送ローラ22の回転により基板Sが支持位置で摩擦力を受け、当該摩擦力によって基板Sが+X方向へ搬送されるようになっている。
基板搬送部2は、基板搬入領域LDR、アライメント領域ALN及び塗布領域APLの3つの処理領域を有している。このうち、基板Sの搬送方向の最も上流側の領域が基板搬入領域LDRであり、当該基板搬入領域LDRの下流側に隣接する領域がアライメント領域ALNである。基板Sの搬送方向の最も下流側の領域であって塗布部3に平面視で重なる領域が塗布領域APLである。
基板搬入領域LDRでは、基板Sの搬入処理が行われるようになっている。上部カバー部材6の−X側には、基板搬入口6aが設けられている。基板Sは、当該基板搬入口6aを介して搬入位置LDPに搬入されるようになっている。基板搬入口6aを介して基板Sを搬入することで上部カバー部材6を外すことなく搬入処理を行うことが可能になっており、基板搬送部2内の環境を維持することができるようになっている。
基板搬入領域LDRには、2つのセンサ23(搬送確認センサ23a及び基板有無センサ23b)が設けられている。搬送確認センサ23aは、基板Sの搬入の有無を確認するセンサであり、凹部21b内のうち基板搬入口6aの近傍に配置されている。基板有無センサ23bは、基板Sが搬入位置LDPに配置されているか否かを確認するセンサであり、凹部21b内のうち当該搬入位置LDPに平面視で重なる位置に設けられている。
アライメント領域ALNでは、基板Sのアライメント処理(位置合わせ)が行われるようになっている。アライメント領域ALNには、当接部材(規制部)26が設けられている。当接部材26は、基板Sのアライメント位置ALPの+Y側及び+X側にそれぞれ1つずつ設けられた一対のピン状部材である。当接部材26が例えば矩形である基板Sの4辺のうち直交する2辺に当接することにより、基板Sの回転方向の姿勢を規制できるようになっている。
アライメント領域ALNには、基板有無センサ24が設けられている。当該基板有無センサ24は、基板Sがアライメント位置ALPに配置されているか否かを確認するセンサであり、例えば凹部21bのうちアライメント位置ALPのほぼ中央部に平面視で重なる位置に配置されている。
塗布領域APLでは、基板Sに対する液状体の塗布処理、基板Sの搬出処理及び塗布部3のメンテナンス処理が行われるようになっている。液状体の塗布処理は、塗布部3が設けられる位置(塗布位置)APPで行われるようになっている。基板Sの搬出処理は、塗布位置APPよりも搬送方向の下流側に設けられた搬出位置ULPから開始されるようになっている。上部カバー部材6の+X側には、基板搬出口6bが設けられている。基板Sは当該基板搬出口6bを介して搬出されるようになっている。
塗布領域APLには、3つの基板有無センサ25が設けられている。このうち基板Sの搬送方向の最も上流側の基板有無センサ25aは、基板Sが塗布位置APPに配置されているか否かを確認するセンサであり、例えば凹部21bのうち塗布位置APPに平面視で重なる位置に配置されている。3つのセンサのうち基板Sの搬送方向中央の基板有無センサ25bは、基板Sが塗布位置APPの外側へ移動したかどうかを確認するセンサであり、例えば凹部21bのうち塗布位置APPから下流側へ外れた位置に配置されている。3つのセンサのうち搬送方向の最も下流側の基板有無センサ25cは、搬出位置ULPに基板Sが配置されているか否かを確認するセンサであり、例えば凹部21bのうち当該搬出位置ULPに平面視で重なる位置に配置されている。
(塗布部)
塗布部3は、ノズル部30と、支持部31とを有している。塗布部3は、ノズル部30が支持部31によって支持された構成になっている。ノズル部30が支持部31によって支持されていることにより、基板搬送部2に対するノズル部30の位置が固定された状態になっている。
ノズル部30は、基板搬送部2の上方(+Z方向側)の同一平面上に複数箇所設けられている。本実施形態では、ノズル部30は例えば5箇所に設けられている。当該ノズル部30は、4箇所以下に設けても構わないし、6箇所以上に設けても構わない。各ノズル部30には、ヘッド部材32が設けられている。
ヘッド部材32は、液状体を貯留する貯留機構及び液状体を噴射する噴射機構を内部に有する筐体である。貯留機構は、例えばヘッド部材32の外部に設けられる液状体の供給源(例えば図15に示す供給源46を参照)に接続可能に設けられている。噴射機構としては、例えば電気信号を圧力に変換するピエゾ素子などを用いることができる。各ヘッド部材32は、平面視でY軸方向に長手を有する矩形状に形成されている。
図4は、ヘッド部材32の構成を示す斜視図である。同図は、ヘッド部材32を+Z方向に見たときの図であり、−Z側の面が示されている。図4に示すように、ヘッド部材32は、液状体の吐出面32aを−Z側に有している。ヘッド部材32の吐出面32aには、ノズル33が設けられている。上記の貯留機構、噴射機構及びノズル33は、ヘッド部材32の内部において連通されている。
ノズル33は、液状体が吐出される吐出部である。ノズル33は、各ヘッド部材32について複数設けられている。複数のノズル33は、各吐出面32aの中央部に設けられており、一定のピッチでY軸方向に配列されている。本実施形態では、ノズル33の列が2列設けられている。ヘッド部材32に設けられるノズル33の列は1列であっても3列以上であっても構わない。各ノズル33は、液状体の吐出を独立して制御可能になっている。
図5を参照して、ノズル部30及びノズル33の配置について説明する。図5は、ノズル部30及びノズル33の平面視での位置関係を示す図である。
同図に示すように、各ノズル部30は、搬送ローラ22に平面視で重なる位置に配置されている。5箇所のノズル部30のうち基板Sの搬送方向の最も上流側(−X側)に配置されるノズル部30は、基板搬送部2においてY軸方向の中央部に配置されている。この配置では、基板Sに最初に塗布される液状体が基板SのY軸方向中央部に塗布されるようになっている。
残りのノズル部30については、各々自身よりも基板搬送方向の上流側(−X側)に位置するノズル部30に対して基板搬送部2のY軸方向の両端部側(側方)に配置されている。したがって、ノズル部30がY軸方向の中央部から両端部へ広がるように平面視V字状に配置されることになる。この配置により、基板Sを搬送しながら液状体を塗布したときに、基板SのY軸方向中央部から端部側へ液状体が塗布されるようになっている。これらの5箇所のノズル部30は、搬送方向の直交方向(Y軸方向)に見たときに互いに重ならない位置に配置されている。
図5には、ヘッド部材32に設けられる複数のノズル33の形成領域が斜線部分33Aで示されている。各形成領域33Aは、各ヘッド部材32から吐出される液状体のY軸方向における吐出範囲であり、Y軸方向における塗布膜の形成範囲である。各ヘッド部材32についての形成領域33AをY軸方向に合わせると、各形成領域33AがY軸方向に隙間無くかつ重ならずに配置されることになる(破線部で示す)。
なお、5箇所のノズル部30について、ノズル33の形成領域33AがY軸方向に重なるように配置されている構成であっても構わない。この構成では、例えばあるノズル部30のノズル33が詰まっている場合に、形成領域33Aが重なる他のノズル部30のノズル33によって代わりに吐出を行うことができるようになる。この場合、例えばレーザセンサなど、ノズル33の詰まり具合を検出可能なセンサを基板搬送部2側などに配置しておく構成としても構わない。ノズル部30を6箇所以上に配置する構成においても、各ノズル部30におけるノズル33の形成領域33AをY軸方向に重ねて配置することは勿論可能である。
図1〜図3に戻って、支持部31は、板状部材31aと、脚部材31bとを有している。板状部材31aは、基板搬送部2に対向して設けられており、ヘッド部材32を支持している。板状部材31aは、ヘッド部材32の支持位置に開口部を有しており、当該開口部にヘッド部材32の先端が挿入された状態になっている。ヘッド部材32は、当該板状部材31aによって着脱可能に支持された状態になっている。5箇所のノズル部30に設けられる各ヘッド部材32は、独立して着脱させることが可能になっている。板状部材31aの−X側端部には、不図示のセンサが設けられている。当該センサは、基板Sが塗布領域APPに搬送されるタイミングを検出するセンサであり、例えば光学式センサなどを用いることができる。板状部材31aは、脚部材31bによって架台21に支持されている。
(メンテナンス部)
メンテナンス部4は、ノズル部30の洗浄、保湿などのメンテナンスを行う部位であり、当該ノズル部30ごとに設けられている。メンテナンス部4は、架台21の凹部21b内に設けられている。メンテナンス部4は、ヘッド部材32のメンテナンスを行うメンテナンス部材40と、当該メンテナンス部材40をZ軸方向に移動(昇降)させる昇降機構(移動部)41とを有している。
図6は、基板搬送部2の構成を示す平面図であり、メンテナンス部4と他の部位との間の位置関係を示す図である。
同図に示すように、メンテナンス部4はノズル部30の数に対応して5箇所に設けられている。5箇所のメンテナンス部4は、それぞれ平面視でノズル部30に重なる位置に設けられている。より具体的には、メンテナンス部4は、平面視でノズル33の形成領域33Aを平面視で含む位置に設けられている。基板搬送部2のうちメンテナンス部4が設けられる部分の搬送ローラ22は、当該メンテナンス部4の領域に隙間22bを空けるようにY軸方向に分離されている。本実施形態では、Y軸方向に分離された搬送ローラ22の当該隙間22bを搬送ローラ間22bとする。したがって、本実施形態では、メンテナンス部4は搬送ローラ間22bに設けられていることになる。分離された搬送ローラ22のうちメンテナンス部4側の端部は、ローラ支持部材22aに支持されている。ローラ支持部材22aは、メンテナンス部4をY軸方向に挟むように一対設けられており、例えば架台21の凹部21bの底部に支持されている。一対のローラ支持部材22aは、一のノズル部30に平面視で含まれる位置に配置されている。
昇降機構41は、図2に示すように、メンテナンス部材40ごとに設けられている。各昇降機構41は、各メンテナンス部材40の昇降動作を独立して制御可能になっている。昇降機構41によってメンテナンス部材40が昇降することで、メンテナンス部材40がヘッド部材32に対してアクセスするようになっている。例えばメンテナンス動作を行う場合以外には、メンテナンス部材40を搬送ローラ22の下方(−Z方向側)に配置させるようになっている。
本実施形態では、各メンテナンス部4がノズル部30に平面視で重なる位置に設けられているため、図2に示すように、昇降機構41がメンテナンス部材40をZ軸方向にのみ移動させることで、メンテナンス部材40がヘッド部材32にアクセスするようになっている。
図7及び図8を参照して、メンテナンス部4の具体的な構成を説明する。図7は、メンテナンス部4の構成を示す斜視図である。図8は、図7におけるA−A断面に沿った構成を示す図である。これら図7及び図8に示すように、メンテナンス部4は、上記のメンテナンス部材40及び昇降機構41のほか、洗浄液供給部43と、排出部44と、吸引部45とを有している。メンテナンス部4の構成をわかりやすくするため、図7では洗浄液供給部43、排出部44及び吸引部45の図示を省略している。
メンテナンス部材40は、凹部(保持部)40a、孔部40b、40c、40dを有する枡状部材である。凹部40aは、メンテナンス部材40の+Z側の面(上面)40eに設けられており、液状体を収容可能に設けられている。平面視での凹部40aの面積はノズル33の形成領域の面積よりも大きくなっており、全てのノズル33が平面視で凹部40aの形成領域に含まれるようになっている。
孔部40bは、例えばメンテナンス部材40の+Y側の面(側面)に設けられており、洗浄液供給部43(図8参照)に接続されている。孔部40cは、例えばメンテナンス部材40の−Y側の面(側面)に設けられており、排出部44に接続されている。孔部40dは、例えばメンテナンス部材40の−Z側の面(底面)に設けられており、凹部40aに収容された液状体が流出するようになっている。孔部40dは、排出部44に接続されている。
メンテナンス部材40の上面40eは、凹部40aを囲うように封止部材(当接部)42が設けられている。当該封止部材42としては、例えばOリングなどを用いることができる。封止部材42は、メンテナンス部材40がヘッド部材32にアクセスする際に、当該ヘッド部材32の吐出面32a(図4参照)に当接するようになっている。封止部材42が吐出面32aに当接することで、吐出面32aとメンテナンス部材40の上面40eとの間が隙間無く封止され、ノズル33の形成領域33A(図5、図6等参照)上の空間が密閉されるようになっている。
洗浄液供給部43は、例えば流路43aなどを介して孔部40bに接続されている。流路43aとしては、例えばチューブなどの管状部材を用いることができる。洗浄液供給部43は、孔部40bを介して凹部40a内に洗浄液を供給するようになっている。洗浄液供給部43によって供給される洗浄液は、ヘッド部材32の吐出面32aやノズル33を洗浄するための液体である。当該洗浄液は、1種類に限られず、複数種類の洗浄液を供給することが可能である。この場合、例えば洗浄液供給部43が供給する洗浄液を切り替える切替機構を有する構成であっても良い。
排出部44は、孔部40dを介して凹部40aから流出した液状体を収容し排出するようになっている。排出部44は、収容部44a、ドレイン部44b及びバルブ44cを有している。収容部44aは液状体を収容する部分であり、例えば流路44dを介して孔部40dに接続されている。当該収容部44aは、例えば流路44eを介して孔部40cにも接続されている。流路44eには、バルブ44fが設けられている。ドレイン部44bは収容部44a内の液状体を排出する排出口であり、例えば収容部44aの底部に設けられている。バルブ44cはドレイン部44bに設けられており、ドレイン部44bにおける液状体の流通量を調節する。流路44d及び流路44eとしては、例えばチューブなどの管状部材を用いることができる。
吸引部45は、排出部44を吸引する部位であり、例えば吸引ポンプなどによって構成されている。吸引部45は流路45aを介して排出部44の収容部44aに接続されており、当該収容部44a内を吸引するようになっている。吸引部45が収容部44a内を吸引することにより、当該収容部44aに接続される凹部40aが吸引されるようになっている。凹部40aは、孔部40c及び孔部40dの2箇所の経路を介して吸引されるようになっている。孔部40dを介する経路での吸引について、当該経路は液状体を流出する経路でもあるため、吸引によって液状体の流出が促進されるようになっている。孔部40cを介する経路での吸引について、当該孔部40cに接続される流路44eにバルブ44fが設けられているため、吸引量の調節が可能になっている。凹部40aが密閉されている場合、孔部40cを介する経路を用いて吸引することにより、当該密閉空間を吸引することが可能になっている。
(塗布装置の動作)
次に、上記のように構成された塗布装置1の動作を説明する。
まず、制御部7は、搬送ローラ22の駆動機構を作動させ、搬送ローラ22を回転させておく。搬送ローラ22を回転させた後、外部の搬送装置等によって基板Sを基板搬入口6aから基板搬送部2内へ搬入する。搬入後、基板Sは、搬送ローラ22の回転によって搬送方向の下流側に搬送される。搬送中、基板搬入領域LDRにおいて基板Sの搬入処理が完了したか否かが確認され、アライメント領域ALNにおいて基板Sの回転方向の姿勢が規制される。
アライメント処理が完了した後、基板Sは塗布領域APLに搬送される。塗布領域APLでは、板状部材31aに設けられたセンサによって基板Sが塗布位置APP内に搬送されてきたことが検出されると、各ヘッド部材32による塗布動作が開始される。制御部7からの信号に基づいてヘッド部材32内の噴射機構が制御され、当該制御に基づいてノズル33から液状体が吐出される。吐出された液状体は基板S上に液滴として付着し、当該液滴が結合されて所定のパターンの薄膜として塗布されることになる。当該塗布動作において基板Sに形成する液状体のパターンについては、例えば予め制御部7に記憶させておくことができる。制御部7からの信号により、所望のパターンの薄膜が塗布されることになる。
この塗布動作では、搬送ローラ22によって基板Sが搬送されたまま、液状体が吐出される。塗布装置1は、基板搬送方向の最も上流側に配置されるノズル部30がY軸方向の中央に配置されているため、搬送されてくる基板Sに最初に塗布される液状体がY軸方向の中央部に配置されることになる。このため、塗布された液状体によって基板Sの重心がずれてしまうこともなく、搬送時の基板Sの姿勢が安定することになる。
また、他の4箇所のノズル部30については基板搬送方向の上流側に位置するノズル部30に対して基板搬送部2のY軸方向の側方(端部側)に配置されているため、基板S上にはY軸方向の中央から端部へと液状体が塗布されることになる。このため、搬送時の基板Sの姿勢が一層安定することになり、基板S上に液状体が高精度に塗布されることになる。
メンテナンス部4が設けられる領域には搬送ローラ22は設けられず、当該領域では基板Sに対して搬送力が働かない状態になっている。このような搬送力の働かない部分を密集させると、基板Sの搬送速度がX軸方向上の位置において異なってしまうため、好ましくない。これに対して、本実施形態では、ノズル部30がY軸方向上に重ならないように配置されているため、当該ノズル部30の位置に対応して配置されるメンテナンス部4についても基Y軸方向に重ならないように配置されることになる。したがって、搬送力の働かない領域が分散された状態になり、搬送時の基板の姿勢がより安定することになる。
基板Sが塗布位置APPから退去したら、塗布処理が完了となる。塗布処理が完了した後、基板Sはそのまま搬送方向下流側の搬出位置ULPへ搬送される。搬出位置ULPにおいて基板Sの有無が確認された後、当該基板Sは、基板搬出口6bを介して基板搬送部2の外側へ搬出される。
例えば塗布装置1を初めて用いる場合、インターバル期間をおいて塗布装置1を用いる場合など、ノズル部30による液状体の吐出環境が良好でない可能性のある状態から塗布動作を行う場合には、当該ノズル部30のメンテナンスが必要になる。以下、ノズル部30のメンテナンス動作を説明する。ノズル部30のメンテナンス動作には、主として上記のメンテナンス部4が用いられる。
まず、ノズル部30の吐出環境を改善するためのメンテナンス動作を説明する。図9に示すように、昇降機構41によってメンテナンス部材40を上昇させる。メンテナンス部材40は、メンテナンス動作を行う場合以外は搬送ローラ22の下方に配置されている。メンテナンス部材40が搬送ローラ間22bに設けられているため、上昇する際にメンテナンス部材40と搬送ローラ22とが接触することは無い。メンテナンス部材40がノズル部30に平面視で重なる位置に配置されているため、メンテナンス部材40を昇降させるだけでノズル部30にアクセスすることになる。メンテナンス部材40とノズル部30との間のXY方向の位置合わせが不要であるため、メンテナンスに要する時間が短縮されることになる。
メンテナンス部材40の上昇により、上面40eに配置された封止部材42がヘッド部材32の吐出面32aに当接し、各ノズル33上の空間が封止部材42によって封止される。この状態においては、全てのノズル33がメンテナンス部材40の凹部40aの領域内に配置された状態となる。
次に、図10に示すように、全てのノズル33から液状体を吐出させる(捨て打ち)。吐出のインターバル期間が長い場合、液状体がヘッド部材32の内部で乾燥し、ヘッド部材32内を流通しにくくなることがある。これに対して、液状体の捨て打ちを行うことにより、乾燥した液状体を吐出させ、ヘッド部材32内を液状体が流通しやすい状態に戻すことができる。このため、ノズル部30の吐出環境を良好な状態にすることができる。
この捨て打ち動作においては、ノズル33の周囲が封止部材42によって封止されているため、液状体は周囲に飛散することなく凹部40a内に収容される。ノズル33から吐出された液状体80は、メンテナンス部材40の凹部40a内に保持され、例えば排出部44を作動させることでドレイン部44bから排出させることができる。
次に、塗布装置1の使用期間が長くなると、ヘッド部材32の吐出面32aやノズル33の先端に固化した液状体や空気中の埃等が付着し、汚れてしまう場合がある。この状態で吐出動作を行うと、例えば付着していた液状体や埃等が基板Sに付着してしまう虞がある。このような事態を回避するため、ノズル部30の洗浄メンテナンスが必要になる。以下、ノズル部30の洗浄動作を説明する。
まず、図9に示すように、メンテナンス部材40の上面40eに配置された封止部材42をヘッド部材32の吐出面32aに当接させ、ノズル33上の空間を封止部材42によって封止させる。この動作は、上記捨て打ちの動作で説明したメンテナンス部材40の動作と同一である。
次に、図11に示すように、洗浄液供給部43から孔部40bを介してメンテナンス部材40の凹部40a内に洗浄液を供給する。洗浄液は凹部40a内に満たされてヘッド部材32の吐出面32a及びノズル33を浸し、当該洗浄液によって吐出面32a及びノズル33が洗浄されることになる。洗浄後、当該洗浄液は孔部40cや孔部40dを介して排出部44から排出させるようにする。
以上のように、本実施形態によれば、ノズル部30をメンテナンスするメンテナンス部4が、基板搬送部2のうちノズル部30に平面視で重なる位置に設けられているので、ノズル部30とメンテナンス部4との間の平面視での相対位置を変化させること無くノズル部30のメンテナンスを行うことができる。このため、ノズル部30のメンテナンスを短時間で行うことができ、スループットへの影響を抑えることができる。これにより、生産性の高い塗布装置1を得ることができる。
本実施形態では、基板搬送部2が基板Sを搬送する複数の搬送ローラ22を有し、メンテナンス部4が搬送ローラ間22bに設けられることとしたので、搬送ローラ間22bのスペースを活用してノズル部30のメンテナンスを行うことができる。また、本実施形態によれば、ノズル部30が基板搬送部2上に対して固定されているので、装置稼動時にノズル部30の移動や位置合わせなどを行う必要が無く、高い生産性を確保することができる。
本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加えることができる。
上記実施形態においては、洗浄液を供給するための孔部40bをメンテナンス部材40の+X側のみに配置する構成であったが、これに限られることは無く、例えば図12に示すように、メンテナンス部40の−Y側に、洗浄液供給のための孔部40fを別途配置する構成としても構わない。この場合、同図に示すように、凹部40a側の孔部40fの開口部がヘッド部材32に向けられている構成とすることが好ましい。この構成では、洗浄液を凹部40a内に供給したとき、洗浄液の供給圧を調整することによって孔部40fから凹部40a内に洗浄液を噴射させることができる。噴射された洗浄液82はヘッド部材32へ向けて飛び出し、ヘッド部材32に設けられるノズル33の形成領域33Aに沿って凹部40aの+Y側まで移動する。この洗浄液の移動によって、ノズル33の形成領域33Aが洗い流されることになる。このようにすれば、凹部40a内に洗浄液を満たす必要が無く、当該洗浄液を満たすまでの時間を短縮することができると共に、洗浄液を効率的に使用することができる。
また、上記実施形態においては、メンテナンス部4がY軸方向に分離された2つの搬送ローラ22の搬送ローラ間22bに配置された構成であったが、これに限られることは無い。例えばメンテナンス部4の配置として、図13に示すように、X軸方向に隣接する搬送ローラ22の間を搬送ローラ間22cとし、当該搬送ローラ間22cにメンテナンス部4を配置させる構成としても構わない。この場合、例えばメンテナンス部4が設けられる部分における搬送ローラ間22cのX軸方向の寸法d1を、メンテナンス部4が設けられない部分における搬送ローラ間22cのX軸方向の寸法d2よりも大きくすることが好ましい。搬送ローラ間22cの寸法を全て上記d1と等しくする構成であっても勿論構わない。
また、上記実施形態においては、例えば図10に示すように、封止部材42をヘッド部材32の吐出面32aに当接させた状態で捨て打ちを行う例を説明したが、これに限られることは無く、例えば吐出面32aとメンテナンス部材40とを離した状態で捨て打ちを行うようにしても勿論構わない。この場合には、メンテナンス部40を上昇させる必要が無く、メンテナンス時間を短縮させることができる。
また、上記実施形態においては、搬送機構20として複数の搬送ローラ22を備えた構成として説明したが、これに限られることは無く、例えば基板Sを浮上させて搬送する構成であっても構わない。この場合、例えば図14に示すように、基板Sの搬送機構として複数のブロック部材85を用いることができる。当該ブロック部材85は、気体の噴出口86が複数設けられており、当該噴出口86には不図示の気体供給機構が接続されている。当該搬送機構20においては、噴出口86から噴出される気体によって基板Sを浮上させることができるようになっている。これに加えて、浮上させた基板Sを保持して移動することで基板Sを搬送する不図示の搬送装置が別途設けられている。図14に示す構成においては、当該搬送機構20においては、例えばノズル部30に平面視で重なる位置に隙間87が形成されるようにブロック部材85が配列されている。この隙間87には、上記実施形態に記載のメンテナンス部4が配置されている。このように、基板搬送部2が基板Sに気体を噴出して浮上させる複数の噴出口86を有し、メンテナンス部4が噴出口86の間に設けられる構成としても、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。この他、基板Sの搬送機構としては、基板Sを水平に移動させることができる機構であればベルトコンベア等他の搬送機構を用いることができ、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、吸引部45の説明において、メンテナンス部材40の凹部40a内に保持された液状体及び洗浄液を吸引部45によって排出促進させる例を説明したが、これに限られることは無い。例えば、図15に示すように、液状体の供給源46をヘッド部材32に接続させて当該ヘッド部材32の内部に液状体を充填させる際にメンテナンス部4を用いることができる。具体的には、封止部材42をヘッド部材32の吐出面32aに当接させることでノズル33上の空間を密閉させ、当該密閉空間を吸引部45によって吸引する。ヘッド部材32において、ノズル33の内外で圧力差が生じ、液状体の供給源46からノズル33側へヘッド部材32内を液状体が移動することになる。液状体をこのように移動させることによって、ヘッド部材32内に液状体を充填させることができる。
また、上記実施形態においては、5箇所のノズル部30に設けられるそれぞれのヘッド部材32はすべて同一の構成であるとしたが、これに限られることは無く、例えば寸法やノズル33の個数、配列など、構成の異なるヘッド部材を配置するようにしても勿論構わない。この場合、メンテナンス部同士の構成については、ヘッド部材の構成に合わせて互いに異なる構成としても良いし、同一の構成としても良い。
また、ノズル部30の配置としては、上記実施形態で説明した配置に限られることは無く、他の配置であっても勿論構わない。ノズル部30の配置を他の配置にする場合には、メンテナンス部4についても当該ノズル部30の配置に併せて配置させるようにすることが必要である。
また、上記実施形態においては、アライメント領域ALNにおいて当接部材26を用いてアライメントを行う構成であったが、これに限られることは無く、当接部材26を設ける代わりに例えば基板SのZ軸周りの回転方向の姿勢を検出するセンサを設けても構わない。当該センサによって検出される基板Sの姿勢のデータは例えば制御部7に送信されるようにしておき、制御部7では基板Sの姿勢に応じてノズル33の吐出位置を変化させるようにしておく。当該センサを配置する場合、例えば基板Sの+X側の辺及び+Y側(又は−Y側)の辺の2辺の位置を検出できるように光学的センサを配置させる構成が挙げられる。具体的には、アライメント位置ALPの+X側及び+Y側(又は−Y側)の2箇所に光学的センサを配置させる構成とすることができる。この構成によれば、基板SのZ軸周りの回転方向の姿勢がずれている場合であっても、当該姿勢に応じてノズル33の吐出位置が調節されるので、基板S上に液状体を正確に配置することができる。また、当接部材26を用いてアライメントを行う場合には、当接部材26の配置は上記実施形態で示した構成に限られることは無く、基板Sの他の辺に当接するように配置しても勿論構わない。
また、上記実施形態においては、メンテナンス部材40に複数の孔部40b〜40d(40f)を配置する構成としたが、例えばこれらの孔部のうちいくつかを兼用する構成としても構わない。例えばメンテナンス部材40に孔部を1つだけ形成して当該1つの孔部に洗浄液供給部43、排出部44及び吸引部45を接続し、これらを切り替えて用いることができる構成であっても構わない。
また、上記実施形態においては、メンテナンス部材40が昇降機構41、封止部材42、洗浄液供給部43、排出部44及び吸引部45を有する構成としたが、これらの各部を全て有する構成に限られず、上記各部のうち一部のみを有する構成であっても勿論構わない。
また、上記実施形態においては、ノズル部30が基板搬送部2に対して固定された構成であったが、これに限られることは無く、例えばノズル30と基板搬送部2とを相対的に移動可能に設けられた構成であっても、本発明の適用は可能である。例えばノズル部30を固定させ基板搬送部2を移動させる構成の場合、メンテナンス部4の平面視での位置はノズル部30に平面視で重なる位置に固定させておくことができる。また、例えばノズル部30を移動させ基板搬送部2を固定させる場合には、メンテナンス部4の位置はノズル部30の移動領域内に固定させる構成であっても構わないし、メンテナンス部4をノズルと共に移動させる構成であっても構わない。
本発明の実施の形態に係る塗布装置の構成を示す平面図。 本実施形態に係る塗布装置の構成を示す正面図。 本実施形態に係る塗布装置の構成を示す側面図(上流側)。 本実施形態に係る塗布装置のノズル部の構成を示す斜視図。 本実施形態に係る塗布装置の一部の構成を示す平面図。 本実施形態に係る塗布装置の一部の構成を示す平面図。 本実施形態に係る塗布装置のメンテナンス部の構成を示す斜視図。 本実施形態に係るメンテナンス部の構成を示す断面図。 本実施形態に係る塗布装置の動作を示す図。 同、動作図。 同、動作図。 本発明に係る塗布装置のメンテナンス部の他の構成を示す側面図。 本発明に係る塗布装置の基板搬送部の他の構成を示す平面図。 本発明に係る塗布装置の基板搬送部の他の構成を示す平面図。 本発明に係る塗布装置のメンテナンス部の他の構成を示す正面図。
符号の説明
S…基板 1…塗布装置 2…基板搬送部 3…塗布部 4…メンテナンス部 7…制御部 20…搬送機構 22…搬送ローラ 22b、22c…搬送ローラ間 26…当接部材 30…ノズル部 33…ノズル 40…メンテナンス部材 41…昇降機構 42…封止部材 43…洗浄液供給部 44…排出部 45…吸引部 46…供給源 80…液状体 82…洗浄液 85…ブロック部材 86…噴出口 87…隙間

Claims (24)

  1. 基板に液状体を塗布する塗布装置であって、
    前記基板を搬送する基板搬送部と、
    前記基板搬送部上に設けられ、前記基板へ向けて前記液状体を吐出するノズルを有するノズル部と、
    前記基板搬送部のうち前記ノズル部に平面視で重なる位置に設けられ、前記ノズル部をメンテナンスするメンテナンス部と
    を備えることを特徴とする塗布装置。
  2. 前記ノズル部は、前記基板搬送部上に固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の塗布装置。
  3. 前記基板搬送部は、前記基板を搬送する複数の搬送ローラを有し、
    前記メンテナンス部は、搬送ローラ間に設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布装置。
  4. 前記搬送ローラ間は、前記基板の搬送方向に並んだ前記搬送ローラの間である
    ことを特徴とする請求項3に記載の塗布装置。
  5. 前記搬送ローラ間は、前記基板の搬送方向の直交方向に並んだ前記搬送ローラの間である
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の塗布装置。
  6. 前記メンテナンス部が設けられる前記搬送ローラ間は、前記メンテナンス部が設けられない前記搬送ローラ間に比べて広くなっている
    ことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の塗布装置。
  7. 前記基板搬送部は、前記基板に気体を噴出して浮上させる複数の気体噴出部を有し、
    前記メンテナンス部は、複数の前記気体噴出部の間に設けられる
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の塗布装置。
  8. 前記メンテナンス部は、前記ノズルから吐出された前記液状体を保持する保持部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項7のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
  9. 前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有する
    ことを特徴とする請求項8に記載の塗布装置。
  10. 前記メンテナンス部は、前記ノズル部にアクセス可能となるように当該メンテナンス部を移動させる移動部を有する
    ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の塗布装置。
  11. 前記メンテナンス部は、前記ノズル部にアクセスした状態において前記ノズル部に当接し前記メンテナンス部と前記ノズル部との間の空間を密閉させる当接部を有する
    ことを特徴とする請求項10に記載の塗布装置。
  12. 前記メンテナンス部は、前記ノズル部を洗浄する洗浄液を供給する洗浄液供給部を有する
    ことを特徴とする請求項8から請求項11のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
  13. 前記保持部は、前記洗浄液を保持する
    ことを特徴とする請求項12に記載の塗布装置。
  14. 前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有し、
    前記排出部は、前記洗浄液を排出する
    ことを特徴とする請求項12に記載の塗布装置。
  15. 前記メンテナンス部は、前記ノズル部との間の空間を吸引可能な吸引部を有する
    ことを特徴とする請求項8から請求項14のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
  16. 前記ノズル部は、前記メンテナンス部を介して当該ノズル部に前記液状体を充填させる
    ことを特徴とする請求項15に記載の塗布装置。
  17. 前記メンテナンス部は、保持された前記液状体を排出する排出部を有し、
    前記吸引部は、前記排出部に設けられている
    ことを特徴とする請求項15に記載の塗布装置。
  18. 前記基板搬送部は、搬送される前記基板と前記ノズルから吐出される前記液状体の吐出位置とのズレを補正する補正部を有する
    ことを特徴とする請求項1から請求項17のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
  19. 前記補正部は、
    前記基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を検出する検出部と、
    前記検出機構の検出結果に基づいて前記液状体の吐出位置を調整する調整部と
    を有することを特徴とする請求項15に記載の塗布装置。
  20. 前記補正部は、前記基板に当接することで前記基板の位置及び姿勢のうち少なくとも一方を規制する規制部を有する
    ことを特徴とする請求項19に記載の塗布装置。
  21. 前記ノズル部は、複数配置されている
    ことを特徴とする請求項1から請求項20のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
  22. 複数の前記ノズル部のうち前記基板の搬送方向の最も上流側に配置されるノズル部は、平面視で前記搬送方向の直交方向の中央に配置される
    ことを特徴とする請求項21に記載の塗布装置。
  23. 複数の前記ノズル部は、前記基板の搬送方向の上流側に位置するノズル部に対して前記搬送方向に対する前記基板搬送部の側方に配置される
    ことを特徴とする請求項22に記載の塗布装置。
  24. 複数の前記ノズル部は、前記基板の搬送方向の直交方向に重ならないように配置される
    ことを特徴とする請求項21から請求項23のうちいずれか一項に記載の塗布装置。
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