JP2009541302A - シクロヘキセニルケトンのエピマー化方法及びアルドール縮合プロセスにおけるその利用 - Google Patents

シクロヘキセニルケトンのエピマー化方法及びアルドール縮合プロセスにおけるその利用 Download PDF

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Abstract

香水、具体的には、エピマー化シクロヘキセニルケトンに用いる中間物質を生成する方法を開示する。アルドール縮合反応においてエピマー化反応を使用する方法も開示する。シクロヘキセニルケトンをエピマー化する方法は、エピマー化可能なシクロヘキセニルケトンを金属水素化物、好ましくは1族又は2族金属の水素化物、より好ましくはLiH、NaH、KH、CaH2及びこれらの混合物からなる群から選択される金属水酸化物と反応させる工程を含む。

Description

本発明は、香水に使用される中間体物質、具体的にはエピマー化シクロヘキセニルケトンの製造方法に関する。本発明はまた、アルドール縮合プロセスにおいて、エピマー化反応を用いる方法に関する。
香水の分野では、果物のような又は花のような香りを有する香料に対するかなりの要求が存在する。フルーティーフローラルの香りを有する代表的な香料は、例えば、δ−、α−及びβ−ダマスコン等である。これらのダマスコン異性体は、基本的にはフルーティーフローラルの香りを有しながら、それぞれ独自の香りを有する。それらは、利用目的によって別々に使用される。
ダマスコンは、以下のような3個の二重結合による異性体を有する。
Figure 2009541302
これらのダマスコン異性体のための多数の生成プロセスが、例えば、「総説」(鳥居 滋(Shigeru Torii)ら、香料(Koryo)、125巻47〜60頁(1979年))に報告されている。これらの中でも、α−、β−、及びδ−ダマスコンの生成プロセスは以下の反応により表される。
Figure 2009541302
(式中、1本の点線はいずれも二重結合を意味する。)
α−、β−、及びδ−ダマスコンの合成は、2つの基本工程、つまり、ディールス・アルダー環化付加反応(Diels-Alder)及びアルドール縮合を含む。ディールス・アルダー環化付加反応は、2,6,6−トリメチルシクロヘキセニルケトンを生成し、それから、典型的には、(a)エノラート形成を介したシス環状付加物からトランス環状付加物へのエピマー化、(b)対応するアルドール生成物を得るためのエタナール(アセトアルデヒド)への熱力学的エノラート付加、及び(c)ダマスコンを得るためのアルドール生成物の脱水を含む、さらなる反応工程を介してダマスコンを形成することができる。
2,6,6−トリメチルシクロヘキセニルケトン(1)は、α−、β−、δ−ダマスコンの合成のための中間体として有用な化合物である。それは、以下の反応スキームに示すように、1,3−ペンタジエンと酸化メシチルとの間のディールス・アルダー反応により合成することができる。
Figure 2009541302
典型的には、トランス環状付加物よりシス環状付加物の方が多く生成される。
環状付加物の立体化学の制御を向上させるために、新規合成プロセスに対する必要性が存在する。また、所望のダマスコン生成物の収率を向上させるための新規合成プロセスを生み出す必要性も存在する。
本発明がシス環状付加物のトランス環状付加物へのエピマー化方法を提供する。具体的には、本発明が水素化物触媒を使用する環状付加物のエピマー化方法を提供する。さらに、本方法がO、N及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われる。
或いは、本発明が金属水素化物触媒及びイオン性液体媒体を使用する環状付加物のエピマー化方法を提供する。さらに、本方法がO、N及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われる。さらに、イオン性液体が配位子として機能することができる連結官能基を含有してよい。
本発明がまた、アルデヒドとのアルドール付加反応において上記エピマー化反応を使用して、β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを生成する方法を提供する。
さらなる実施形態、目的及び利点は、以下の詳細な説明に照らしてさらに十分に明らかとなるであろう。
エピマー化方法
本発明は、エピマー化可能な化合物をエピマー化する新規方法を提供する。具体的には、2,6,6−トリメチルシクロヘキセニルメチルケトンが、本発明のエピマー化方法で使用するのに好適な出発物質として使用される。2,6,6−トリメチルシクロヘキセニルメチルケトンが、上述の反応スキーム、より具体的には、塩化アルミニウム(III)のような触媒の存在下における、1,3−ペンタジエンと酸化メシチルとのディールス・アルダー反応により合成される。
本発明のエピマー化方法が、シクロヘキセニルメチルケトンと金属水素化物触媒、具体的には、NaH、KH、LiH、CaH、MgH等を含むがこれらに限定されない、1族及び2族金属の水素化物とを接触させる工程を含む。
触媒の量とともに反応速度は増加するが、経済的及び安全要因も同様に考慮すべきである。従って、典型的には、反応混合物の約50重量%〜約95重量%、好ましくは少なくとも約65重量%、より好ましくは少なくとも約80重量%の範囲内量の触媒を使用する。
反応温度は、触媒、エーテル官能基を含有する配位子の存在、及び出発物質の濃度に応じて変動する。典型的には、反応温度が約25℃〜約80℃の範囲である。
適切な量の溶媒をエピマー化反応の実施に使用することができる。典型的には、溶媒が約50重量%〜約95重量%の反応混合物を含む。好適な溶媒としては、エーテル類及びイオン性液体が挙げられるが、これらに限定されない。
一実施形態では、反応が、酸素原子(O)、窒素原子(N)及び硫黄原子(S)から独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われる。代表的な配位子としては、クラウンエーテル、具体的には以下に示すような構造を有する18−クラウン−6エーテルが挙げられる。
Figure 2009541302
クラウンエーテルを使用する際、反応温度が、好ましくは約25℃〜80℃である。配位子含有材料の量が、典型的には、反応混合物の約25重量%〜約50重量%の範囲である。
別の実施形態では、反応がイオン性液体媒体中で行われる。代表的なイオン性液体を以下に記載する。
金属水素化物触媒を、反応混合物に添加してよい。代表的な金属水素化物が、NaH、KH、LiH、CaH、MgH等を含むがこれらに限定されない、1族及び2族金属の水素化物である。
さらに、O、N及びSから選択される少なくとも2個のヘテロ原子を含有する配位子が、反応混合物中に存在してもよい。例えば、イオン性液体が配位子含有イオン性液体であってよく、配位子がR〜R基で存在してよい。
一実施形態では、触媒がNaHであり、配位子がクラウンエーテル、又はジエチレントリアミン及び他のアルキレントリアミンのようなトリアミンである。
別の実施形態では、イオン性液体が、イオン性液体に配位子のような特性を付与する供与体部分を組み込むために官能化されている。より具体的には、官能化イオン性液体が、O、N及びSから独立して選択される少なくとも3個のヘテロ原子を有する連結配位子を含有し、例えば、連結配位子が連結エーテル結合である。
イオン性液体を用いる際、反応温度が好ましくは約25〜80℃である。存在する場合、クラウンエーテル又はトリアミンのような配位子含有材料の量が、反応混合物の約25重量%〜約50重量%の範囲である。
アルドールプロセス
β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンの製造プロセスを以下に記載する。具体的には、プロセスは、金属水素化物触媒の存在下でアルキルシクロヘキセニルケトンをアルデヒドと化合させ、アルキルシクロヘキセニルケトンをエピマー化して、β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを生成させることを含み、プロセスはO、N及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われる。
代表的なアルデヒドが、直鎖又は分枝鎖C2〜C6脂肪族アルデヒドである。
代表的な触媒が、NaH、KH、LiH、CaH、MgH等のような1族又は2族金属の金属水素化物である。
代表的な配位子が、クラウンエーテル、トリアミン、及び配位子を含むイオン性液体、より具体的には、O、N及びSから独立して選択される少なくとも3個のヘテロ原子を有する連結配位子である。代表的なトリアミンとしては、ジエチレントリアミン、1,4,7−トリアザヘプタン、又は1,4,7−トリアザ−1,1,4,7,7−ペンタアルキルヘプタンのようなそれらのメチル化誘導体が挙げられる。
一実施形態では、エタナール及び2,6,6−トリメチルシクロヘキセニルメチルケトンが化合し、結果として生成物−メチルトリメチルシクロヘキセニルケトンを生成する。
別の実施形態では、プロセスが、NaH及びクラウンエーテル、より具体的には18−クラウン−6の存在下で行われる。
別の実施形態では、プロセスが、NaH及び連結配位子を含有するイオン性液体の存在下で行われ、より具体的には連結配位子が連絡エーテル結合である。
反応温度が、好ましくはプロセス全体を通して約25〜80℃である。存在する場合、配位子含有物質の量が、反応混合物の約25重量%〜約50重量%の範囲である。
アルドール付加生成物の脱水
上記プロセスにより生成するβ−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンがさらに脱水工程を経て、エノン、より具体的にはδ−ダマスコンへ転換されることができる。
脱水工程が、反応を、約10℃〜約30℃の範囲の温度で空気又は真空に曝露することにより行われることができる。場合により、p−トルエンスルホン酸のような一般的な脱水剤を使用することができる。
従って、本発明の新規エピマー化方法を使用し、アルキルシクロヘキセニルケトンからδ−ダマスコンを合成する全プロセスを提供することができる。
δ−ダマスコンの合成
一実施形態では、プロセスは、
金属水素化物の存在下でアルキルシクロヘキセニルケトンとアルデヒドを化合させ、アルキルシクロヘキセニルケトンをエピマー化し、β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを生成する第1工程と、
β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを脱水して、エノンに転換する第2工程と、を含む。 別の実施形態では、プロセスは、
エピマー化可能なシクロヘキセニルケトンを金属水素化物と反応させる工程であって、クラウンエーテル、トリアミン、配位子を含有するイオン性液体、又はこれらの混合物の存在下で行われる第1工程と、
金属水素化物の存在下でアルキルシクロヘキセニルケトンとアルデヒドと化合させ、アルキルシクロヘキセニルケトンをエピマー化して、β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを生成する第2工程と
β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを脱水して、エノンに転換する第3工程と、を含む。
イオン性液体
本明細書で使用する時、「イオン性液体」という用語は、約100℃以下、或いは約60℃以下、又はさらに代替的には約40℃以下の融解温度を有する塩を意味する。一部のイオン性液体が、識別可能な融点(DSC分析に基づく)を示さないが、約100℃以下の温度で「流動性を有し」(又はガラス状であり)、他のイオン性液体が、約20〜約80℃の温度で「流動性を有する」。本明細書で使用する時、「流動性を有する」という用語は、イオン性液体が、約100℃以下、又は約20〜約80℃の温度で約10,000mPa・s未満の粘度を示すことを意味する。従って、イオン性液体の「流体状態」とは、溶融状態及び流動性を有する状態を含む、これら全ての実施形態を包含することを意味する。
「イオン性液体」、「イオン性化合物」及び「IL」という用語は、イオン性液体、イオン性液体組成物、又はイオン性液体の混合物(又は反応混液)を指すと理解されるべきである。イオン性液体は、電気的中性のためにアニオン成分とカチオン成分を含む。イオン性液体がその液体形態である時、これらの成分は互いに自由に結合する(即ち、スクランブルで)。本明細書で使用する時、用語「イオン性液体の反応混液」とは、2種又はそれ以上の、好ましくは少なくとも3種の、異なる、かつ帯電したIL成分の混合物を指し、少なくとも1種のIL成分がカチオン性であり、かつ少なくとも1種のIL成分がアニオン性である。これらのイオン性液体の2成分、3成分又はそれ以上の複合混合物(各混合物は独特かつそれ自体で規定可能なイオン性液体である)が、異なるIL成分を有する個々のイオン性液体を混合することにより調製でき、そのより精製されたタイプはコンビナトリアルケミストリー技術を介して調製できる。かかる組み合わせ及びそれらの調製は、米国特許出願公開第2004/0077519A1号及び米国特許出願公開第2004/0097755A1号にてさらに詳細に論じられている。本明細書で使用する時、用語「イオン性液体合成物」とは、直前の参考文献にて記載されているように、塩(室温で固体であることができる)と、プロトン供与体Z(液体又は固体であることができる)との混合物を指す。混合時、これらの成分が、約100℃以下で融解又は流動するイオン性液体に変化する。
本発明において有用なイオン性液体が、以下の式:
Figure 2009541302
(式中、R〜Rは、C1〜C6アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル、C6〜C10アリール又はC8〜C16アルキレンアリール、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される)を有するカチオン成分を含む。
本発明で有用なイオン性液体がアニオン成分を含み、これはカチオン成分と対になる時、イオン性液体を形成する。アニオン成分が、ハロゲン、C1〜C16カルボキシレート、C1〜C16アルキルスルフェート、モノ又はジC1〜C10アルキルスルホサクシネート、モノ又はジC1〜C10エステルスルホサクシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択される。
幾つかの実施形態では、イオン性液体のカチオンが、以下の式:
Figure 2009541302
(式中、置換基(substituten)R〜Rが、独立してC1〜C6アルキル基、好ましくはメチル基であり、nは1〜4の整数、好ましくは1〜2である)を有する連結配位子を含む。
一実施形態では、少なくとも1個のR置換基がメチル基以外のアルキル基であり、一方、他のR置換基が、カチオンにある程度の不斉性を維持するためにメチル基であり、アニオン成分Xが、ハロゲン化物又はC1〜C6アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、又はハロアルキル部分である。
典型的には、イオン性液体が、室温で高粘度(約1000mPa・sを超える)を有してよい。高粘度が、製品の配合において問題となる場合がある。それ故に、本発明の特定の実施形態では、イオン性液体又はイオン性液体の反応混液(添加剤、共溶媒、又は遊離水で希釈されていない)が、20℃で測定する際、約750mPa・s未満、好ましくは約500mPa・s未満の粘度を有する。ある実施形態においては、未希釈のイオン性液体の粘度が約0.1〜約400mPa・s、好ましくは約0.5〜約300mPa・s、より好ましくは約1〜約250mPa・sである。
イオン性流体の粘度が、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計型番LVDVII+を用い、20℃で、スピンドル番号S31を用いて、異なる粘度の物質を測定するのに適した速度で測定できる。典型的には、測定が、約1000mPa・sを超える粘度の物を測定するためには12rpm、約500mPa・s〜約1000mPa・sの粘度を有する物を測定するためには30rpm、約500mPa・s未満の粘度を有する物を測定するためには60rpmの速度で行われる。未希釈状態は、粘度測定前に、イオン性液体又は反応混液を、乾燥剤(例えば、塩化カルシウム)を収容したデシケータ内に室温で少なくとも約48時間保管することによって準備される。この平衡化期間は、未希釈試料中の固有水の量を一様にする。
(実施例1):塩基としてKHを使用する合成プロセス
水素化カリウム(1.15g、30%スラリー、9.5ミリモル)を、無水THF(20mL)中のシス−4−アセチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキセン(1.66g、10ミリモル)を収容するフラスコに添加し、反応混合物を還流させながら加熱する。試料の少量の分取物を、一定間隔で取り出し、水−ヘキサンで洗浄し、有機層をガスクロマトグラフィー(GC)で分析する。還流させながら約6時間KHとともに加熱した後、完全なトランス異性体への転換を観察する。
(実施例2):塩基としてNaH及び18−クラウン−6を使用する合成プロセス
水素化ナトリウム(0.07gの油中60%NaH)を、20℃で、2mLの乾燥THF内の18−クラウン−6(0.13g、0.25ミリモル、25モル%)とともにシス−4−アセチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキセン(0.34g、2ミリモル)を収容するフラスコに一度に添加する。すぐにガス発生が見られる。この反応フラスコをN下で3時間80℃にて加熱し、GCでモニターする。2時間後、約96%のトランス異性体への転換を観察する。
(実施例3):NaH/PMDETAを使用する合成プロセス
水素化ナトリウム(40mgの油中60%NaH、1ミリモル)を、20℃で、PMDETA(1mL)中のシス−4−アセチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキセン(0.17g、1ミリモル)を収容するフラスコに一度に添加する。すぐに黄変が見られる。反応混合物をN下で80℃にて加熱し、GCでモニターする。18時間後、約96%のトランス異性体への転換を観察する。
(実施例4):NaH/BIL−6を使用する合成プロセス
水素化ナトリウム(0.07gの油中60%NaH、1.8ミリモル)を、20℃で、BIL6(0.5mL)に溶解したシス−4−アセチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキセン(0.34g、2ミリモル)を収容するフラスコに一度に添加する。すぐにガス発生が見られる。この反応ポットをN下で80℃にて加熱し、GCでモニターする。18時間後、約47%のトランス異性体への転換を観察した。
Figure 2009541302
本明細書を通じて所与の全ての最大数値限定は、より小さい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より小さい全ての数値限定を含むと理解されるべきである。本明細書全体を通じて記載される全ての最小数値限定は、こうしたより大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように、より大きい全ての数値限定を含む。本明細書全体を通じて記載される全ての数値範囲には、こうしたより狭い数値範囲が全て本明細書に明確に記載されているかのように、こうしたより広い数値範囲内に入るより狭い全ての数値範囲を含む。
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳しく限定されるものとして理解されるべきでない。それよりむしろ、特に規定がない限り、こうした各寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
全ての引用された文書は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、任意の文書の引用は、それが本発明に関して先行技術であるということの承認として解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文献における用語のいずれかの意味又は定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味又は定義を適用するものとする。
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。従って、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

Claims (10)

  1. エピマー化可能なシクロヘキセニルケトンを、金属水素化物、好ましくは1族又は2族金属の水素化物、より好ましくはLiH、NaH、KH、CaH、及びこれらの混合物からなる群から選択される金属水素化物と反応させる工程を含む、シクロヘキセニルケトンのエピマー化方法。
  2. 前記方法がO、N、及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われ、好ましくは該配位子がクラウンエーテル、より好ましくは18−クラウン−6であり、好ましくは前記水素化物がNaHである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記方法がイオン性液体媒体中で行われ、好ましくは、該イオン性液体媒体が、以下の式:
    Figure 2009541302
    (式中、R〜Rは、C1〜C6アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ハロアルキル、アルコキシルアルキル、C6〜C10アリール又はC8〜C16アルキレンアリール、及びこれらの混合物からなる群から独立して選択される)
    を有するカチオン成分と、
    ハロゲン、C1〜C6カルボキシレート、C1〜C6アルキルサルフェート、モノ又はジC1〜C10アルキルスルホサクシネート、モノ又はジC1〜C10エステルスルホサクシネート、及びこれらの混合物からなる群から選択されるアニオン成分と、
    を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記方法がO、N、及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子の存在下で行われ、好ましくは該配位子がクラウンエーテル、より好ましくは18−クラウン−6又はトリアミン、より好ましくはジエチレントリアミン、1,4,7−トリアザヘプタン、又はそれらのメチル化誘導体であり、好ましくは前記水素化物がNaHである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記イオン性液体のカチオンが、配位子、好ましくはO、N、及びSから独立して選択される少なくとも3個のヘテロ原子を有する連結配位子を含み、より好ましくは該連結配位子が連結エーテル結合である、請求項3又は4に記載の方法。
  6. β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンの製造方法であって、
    金属水素化物、好ましくは1族又は2族金属の水素化物の存在下で、アルキルシクロヘキセニルケトンを、アルデヒド、好ましくは直鎖又は分枝鎖C2〜C6脂肪族アルデヒドと化合させる工程と、
    好ましくはメチルトリメチルシクロヘキセニルケトンを含む、該アルキルシクロヘキセニルケトンをエピマー化する工程と、
    を含み、
    該方法が、O、N、及びSから独立して選択される少なくとも2個のヘテロ原子を有する配位子、好ましくはクラウンエーテル、トリアミン、配位子を含有するイオン性液体、又はこれらの混合物の存在下で行われる、方法。
  7. 前記金属水素化物がNaHであり、かつ前記配位子がクラウンエーテルである、請求項6に記載の方法。
  8. 前記金属水素化物がNaHであり、かつ前記配位子が連結配位子を含有するイオン性液体であり、好ましくは該イオン性液体のカチオンが、O、N、及びSから独立して選択される少なくとも3個のヘテロ原子を有する連結配位子を含有する、請求項6に記載の方法。
  9. 前記連結配位子が連結エーテル結合である、請求項8に記載の方法。
  10. β−ヒドロキシアルキルシクロヘキセニルケトンを脱水して該エノンに転換する追加工程をさらに含み、好ましくは該脱水工程が、10℃〜30℃の範囲内の温度で実行される、請求項6に記載の方法。
JP2009516060A 2006-07-24 2007-07-23 シクロヘキセニルケトンのエピマー化方法及びアルドール縮合プロセスにおけるその利用 Withdrawn JP2009541302A (ja)

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