JP2009535049A - 新規胎児メチル化マーカー - Google Patents
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Abstract
本出願は、妊娠女性において、胎児由来のある種の遺伝子(例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2、及びPYCARD)が高メチル化され、母体起源の同遺伝子はメチル化されないという発見を記載する。この発見は、試料中の胎児DANの存在の普遍的な指標として役立つ、妊娠女性由来の生物試料におけるこれらのメチル化胎児遺伝子の1以上を容易に検出することができる。これらの胎児メチル化マーカーは、胎児DNAの質及び量がモニターされる非侵襲的な分析プロセスのために正の対照として特に有用である。これらの新規に同定された胎児マーカーはまた、ある種の妊娠に関連した状態の診断に直接測定され得る。
Description
本出願は、その内容が全ての目的のために全体として参照により本明細書中に援用される、2006年5月3日に出願された米国仮特許出願第60/797,506号に対する優先権を主張する。
妊娠中又は分娩中の潜在的な合併症及び胎児の遺伝的欠陥を含む妊娠に関連した状態の早期検出は極めて重大である。これは、母体及び胎児の両方の安全に必要な早期の医療介入を可能にするためである。出生前診断は、絨毛膜標本採取、絨毛膜試料(CVS)又は羊水穿刺などの手法を通じて胎児から単離された細胞を用いて日常的に行われている。しかしながら、これらの従来法は、侵襲的であり、最も注意深い対処にもかかわらず、母体及び胎児の両方に対するかなりのリスクを与える(Tabor et al.,Lancet 1:1287−1293,1986)。
これらの侵襲的なアプローチに対する代替手段が、出生前スクリーニングについて開発されつつあり、例えば、胎児異常を検出することであり、これは、いくつかのタイプの胎児細胞が母体循環において見出すことができるという発見に基づいており(Johansen et al,Prenat.Diagn.15:921−931,1995)、より重要なことには、循環している細胞を含まない胎児DNAが母体の血漿及び血清において検出可能である(Lo et al,Lancet 350:485−487,1997)。母性血液中の胎児DNAの量は、胎児細胞を単離し、濃縮するための工程を必要とする代替の方法とは対照的に、血漿又は血清の複雑な処置なしに遺伝的分析には十分であることを示している。胎児リーサス(rhesus)D(RhD)遺伝子型(Lo et al.,N.Engl.J.Med.339:1734−1738,1998)、胎児性決定(Costa et al.,N.Engl.J.Med.346:1502,2002)、いくつかの胎児障害の診断(Amicucci et al,Clin.Chem.46:301−302,2000;Saito et al.,Lancet 356:1170,2000;and Chiu et al,Lancet 360:998−1000,2002)は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ベースの技術を用いて、母性血漿及び血清における胎児DNAを検出することによって達成されている。
さらに、母性血漿/血清における胎児DNAの定量的異常性は、子癇前症(Lo et al,Clin.Chem.45:184−188,1999 and Zhong et al,Am.J.Obstet.Gynecol.184:414−419,2001)、胎児トリソミー21(Lo et al,Clin.Chem.45:1747−1751,1999 and Zhong et al,Prenat.Diagn.20:795−798,2000)、及び妊娠悪阻(Sekizawa et al,Clin.Chem.47:2164−2165,2001)において報告されている。出生前の遺伝的分析のための母性血液中の胎児核酸の検出はまた、米国特許第6,258,540号に開示されている。
胎児DNAは妊娠女性の血液、例えば血清又は血漿の無細胞部分における母性DNAと共存しているので、胎児DNAに基づく診断における正確な結果を確保するために、胎児起原のDNAと母体起原のDNAとを区別する必要がある。胎児DNA及び母性DNAがそれらの異なるメチル化プロフィールによって区別され得ることは、20030044388として公開された米国特許出願第09/944,951に最初に開示された。Landesら(米国特許出願公開第20030211522号)もまた、異なるメチル化マーカーが出生前診断に必要であると提案していた。他方、胎児DNAに基づく試験方法の効率を確保し、このような方法から得られる胎児DNAの不十分な回収に起因した試験結果の誤った解釈を排除するために、試験手法に使用される試料中の胎児DNAの存在及び量を測定することが必要である。したがって、一般に試験試料における胎児DNAの存在又は不存在の普遍的な指標として効果的に用いることができる胎児DNAマーカーを同定することが望まれる。このような胎児DNAマーカーは、母性のその対応物を一貫して均一に区別し、マーカーの存在又は不存在は、母性DNAのバックグラウンドを超えて容易に測定され、一般に胎児DNAの存在又は不存在と直接的に一致することができることが重要である。本発明は、この必要性及び他の関連した必要性を扱う。
本出願では、多数のヒト遺伝子が、胎児組織(例えば、胎盤由来)及び母性組織における非常に区別されたメチル化パターンを有するものとして初めて同定された。胎児由来の場合、これらの遺伝子は、均一に高レベルでメチル化されるが、母性血液に相当量の細胞を含まないDNAを放出する母性起原由来の遺伝子は、均一に同様の高レベルで非メチル化される。これらの特徴は、十分量の胎児DNAがこのプロセス中に試料において回収されたことを確かめるという目的で、出生前診断プロセスの用いられた試験試料の内部の正の対照として効果的に遺伝子を用いることを可能にする。起原に関しては、これらの遺伝子のメチル化状態における均一の高レベルのために、これらの遺伝子は、特に確実な対照であり、胎児DNAの定性及び定量の両方を示す。胎児マーカーとしてのこれらの遺伝子の別の利点は、非メチル化母性対応物とは対照的に、メチル化された胎児バージョンのみの検出において相対的に容易であることである。さらに、本出願に記載されている胎児遺伝子はまた、妊娠に関連したある種の状態又は障害のための診断マーカーとして直接的に使用可能である。
発明の簡単な概要
本発明の第1局面では、妊娠女性の生物試料において胎児DNAを検出する方法を提供する。本方法は、下記:(a)メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で試料を処理する工程;及び、(b)該試料中のRASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2(GenBank受入番号NM 016192)又はPYCARD(GenBank受入番号NM 013258)のDNA配列を検出する工程を含む。DNA配列の存在は、試料中の胎児DNAの存在を指示し、DNA配列の不存在は試料中の胎児DNAの不存在を指示する。
本発明の第1局面では、妊娠女性の生物試料において胎児DNAを検出する方法を提供する。本方法は、下記:(a)メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で試料を処理する工程;及び、(b)該試料中のRASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2(GenBank受入番号NM 016192)又はPYCARD(GenBank受入番号NM 013258)のDNA配列を検出する工程を含む。DNA配列の存在は、試料中の胎児DNAの存在を指示し、DNA配列の不存在は試料中の胎児DNAの不存在を指示する。
いくつかの態様では、妊娠女性からの試料は全血である。代替として、試料は、血漿、血清、尿又は唾液である。いくつかの態様では、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾することができる薬物は、非メチル化DNAを消化するが、メチル化DNAを消化しない。この薬物は、メチル化感受性酵素、特にメチル化感受性制限酵素、例えばHpaII又はBstUIであってもよい。他の態様では、薬物は亜硫酸水素塩を含んでもよい。
いくつかの態様では、本方法の工程(b)は、増幅プロセスを含む。例示的な態様では、増幅プロセスはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えばリアルタイムPCRである。他の態様では、工程(b)は、DNA配列の定量を測定する。
いくつかの態様では、工程(b)が試料中の胎児DNAの存在を指示する場合、本方法は、さらに、(c)第2試料中の第2胎児DNA配列の量を測定する工程を含んでもよい。第2試料は、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で処理される前の工程(a)の試料と同一であり、第2配列は、RASSFlA、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDであり、(d)第2配列の量と標準対象とを比較することを含む。対照からの第2配列の量の増加が検出されると、妊娠に関連した状態の存在又はこのような状態を発症する危険性の増大のいずれかの指標として解釈される。あるケースでは、工程(c)の第2試料は、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で処理されておらず、他のケースでは、工程(c)の第2試料は、第2胎児DNA配列の量が測定される前に薬物で処理される。例えば、工程(c)の第2試料は、第2胎児DNA配列の量が測定される前にメチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する第2の別の薬物で処理される。この方法は、妊娠中に、種々の妊娠に関連した条件の存在又はそれを発症する危険性の増加を検出するために適している。このような条件のいくつかの例には、子癇前症、早期陣痛又は子宮内発育遅延(IUGR)が挙げられる。
他の態様では、工程(b)は試料中の胎児DNAの存在を指示する場合、本方法は、さらに、(c)第2試料中の第2胎児DNA配列を検出する工程を含んでもよい。第2試料は、RhD血液型の遺伝子、ABO血液型の遺伝子、RhC血液型の遺伝子、RhE血液型の遺伝子、HLA型の遺伝子、又はY染色体に位置した遺伝子、又は所定の突然変異を含む遺伝子であり、第2配列の存在は、胎児ゲノムの遺伝子内の特定のRhD血液型、特定のABO血液型、特定のRhC血液型、特定のRhE血液型、特定のHLA型、Y染色体又は所定の突然変異を指示する。いくつかのケースでは、工程(c)の第2試料は、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で処理されていない。場合により、工程(c)は、増幅プロセスを含む。例示的な態様では、増幅工程は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えばリアルタイムPCRである。
本発明の第2の局面では、妊娠女性におくて妊娠に関連した状態を検出する方法が提供される。この方法は、(a)メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で女性から得た生物試料を処理する工程;(b)該試料中のRASSF1A、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDのDNA配列の量を検出する工程;(c)該DNA配列の量と標準対照とを比較する工程であって、対照からの増加が妊娠に関連した状態の存在又はそれを発症する危険性の増加を指示する前記工程を含む。
いくつかの態様では、メチル化DNA又は非メチル化DNAを別個に修飾することができる薬物は、非メチル化DNAを消化するが、メチル化DNAを消化しない。1つの可能性は、薬物がメチル化感受性酵素、例えばメチル化感受性制限酵素(例えば、HpaII又はBstUI)であることである。別の可能性は、薬物が亜硫酸水素塩を含むことである。
いくつかの態様では、この方法の工程(b)は、増幅プロセスを含み、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、例えばリアルタイムPCRを含む種々の手段によって達成されてもよい。この方法は、子癇前症、早期陣痛又は子宮内発育遅延(IUGR)を含む多数の妊娠に関連した状態の診断、モニタリング又はリスク評価に適している。
定義
用語「妊娠に関連した障害」とは、本出願で使用されるとき、妊娠女性、女性が懐妊している胎児、又は女性と胎児の両方に影響を与え得るいずれかの状態又は疾患を指す。このような状態又は疾患は、限定された期間、例えば妊娠中又は分娩中にその症状を現す場合もあり、あるいはその出生後の胎児の全寿命に存続する場合がある。妊娠に関連した障害のいくつかの例には、子癇前症、早期陣痛、及び子宮内発育遅延(IUGR)が含まれる。
用語「妊娠に関連した障害」とは、本出願で使用されるとき、妊娠女性、女性が懐妊している胎児、又は女性と胎児の両方に影響を与え得るいずれかの状態又は疾患を指す。このような状態又は疾患は、限定された期間、例えば妊娠中又は分娩中にその症状を現す場合もあり、あるいはその出生後の胎児の全寿命に存続する場合がある。妊娠に関連した障害のいくつかの例には、子癇前症、早期陣痛、及び子宮内発育遅延(IUGR)が含まれる。
本出願では、用語「核酸」又は「ポリヌクレオチド」とは、デオキシリボ核酸(DNA)又はリボ核酸(RNA)、及び一本鎖又は二本鎖形態のいずれかのその重合体を意味する。特に限定がなければ、この用語には、参照核酸と類似した結合特性を有し、天然に存在するヌクレオチドと同じように代謝される天然のヌクレオチドの既知の類似体を含む核酸が含まれる。他に指示がなければ、特定の核酸配列はまた、保存的に修飾されたその改変体(例えば、縮重したコドン置換)、対立遺伝子、オルソログ、点突然変異を含む突然変異、単一ヌクレオチド多型(SNP)、及び相補配列、並びに明確に指示された配列を暗に含む。具体的には、縮重したコドン置換は、1以上の選択された(又は全ての)コドンの第3部分が混在した塩基及び/又はデオキシイノシン残基で置換される(Batzer et al.,Nucleic Acid Res.19:5081(1991);Ohtsuka et al.,J.Biol.Chem.260:2605−2608(1985);及びRossolini et al.,Mol.Cell Probes 8:91−98(1994))。核酸なる用語は、遺伝子、cDNA、及び遺伝子によってコードされるmRNAと互換可能に用いられる。
用語「遺伝子」とは、ポリペプチド鎖の産生に関与したDNAのセグメントを意味する;遺伝子産物の転写/翻訳に関与したコード領域の前後の領域(リーダー及びトレーラー)、及び転写/翻訳の調節、並びに個々のコーディングセグメント(エクソン)間に介入されている配列(イントロン)を含む。
本出願においては、用語「ポリペプチド」、「ペプチド」及び「タンパク質」は、本明細書において互換可能に用いられ、アミノ酸残基の重合体を意味する。この用語は、1以上のアミノ酸残基が対応する天然に存在しているアミノ酸の人工の化学的模倣体であるアミノ酸重合体、並びに天然に存在しているアミノ酸重合体及び天然に存在していないアミノ酸重合体に適用される。本明細書中で使用されるとき、この用語は、アミノ酸残基が共有的なペプチド結合によって連結されている全長タンパク質(即ち、抗原)を含む任意の長さのアミノ酸鎖を含む。
用語「アミノ酸」は、天然に存在しているアミノ酸、及び合成したアミノ酸、並びに、天然に存在しているアミノ酸に似たように機能するアミノ酸類似体及びアミノ酸模倣体を意味する。天然に存在するアミノ酸は、遺伝子コードによってコードされているもの、並びに後に修飾されるアミノ酸、例えばヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸塩、及びO−ホスホセリンである。
アミノ酸は、本明細書において、通常知られている3文字シンボル、又はIUPAC−IUB Biochemical Nomenclature Commissionによって推奨されている1文字シンボルによって表してもよい。同様に、ヌクレオチドは、それらが通常承認されている1文字コードによって表してもよい。
用語「亜硫酸水素塩」とは、本明細書中で使用するとき、メチル化シトシンを化学的に修飾することなしに、シトシン(C)からウラシル(U)に化学的に変換することができ、したがって、DNAのメチル化状態に基づいてDNA配列を別個に修飾する用いることができる全てのタイプの亜硫酸水素塩が含まれ、例えば亜硫酸水素ナトリウムがある。
本明細書中で使用するとき、メチル化DNA又は非メチル化DNAを別個に修飾する試薬には、区別され得る生成物が結果としてメチル化及び非メチル化DNAから得られるプロセスにおいてメチル化DNA及び/又は非メチル化DNAを修飾し、それによってDNAメチル化状態の同定を可能にする任意の試薬が含まれる。このようなプロセスには、限定されないが、化学的な試薬(例えば、亜硫酸水素塩によるC→U変換)及び酵素的処理(例えばメチル化依存性エンドヌクレアーゼによる開裂)が含まれてもよい。このようにして、メチル化DNAを選択的に開裂又は消化する酵素は、DNAがメチル化された場合に非常に高い効率でDNA分子を開裂又は消化することができるものであり、一方、非メチル化DNAを選択的に開裂又は消化する酵素は、DNAがメチル化されない場合に有意に高い効率を示す。
本出願では、単語「存在」又は「不存在」は、相対的な意味で用いられ、特定のDNA配列のレベルを記載する。換言すれば、所定のDNA配列又は遺伝子が試験試料に「存在する」と言われる場合、それは、このDNA配列又は遺伝子のレベルが予め決定された閾値を上回ることを意味する;一方、DNA配列又は遺伝子は、試験試料中のそのレベルがこのような閾値を下回る場合に「存在しない」。
「増加」又は「減少」は、確立した標準対照からの定量における検出可能な正又は負の変化を意味する。増加は、対照値の少なくとも10%、より好ましくは50%、なおより好ましくは2倍、さらにより好ましくは少なくとも5倍、最も好ましくは少なくとも10倍の正の変化である。同様に、減少は、対照の好ましくは少なくとも10%、より好ましくは50%、なおより好ましくは少なくとも80%、最も好ましくは少なくとも90%の負の変化である。定量的変化又は比較基準との差異を支持する他の用語、例えば、「より多く」又は「より少なく」とは、上述したのと同じように本出願において用いられる。
「ポリヌクレオチド・ハイブリダイゼーション法」は、本明細書中で使用するとき、適切なハイブリダイゼーション条件下で、既知の配列のポリヌクレオチドプローブとワトソン−クリック型塩基対を形成する能力に基づき、ポリヌクレオチドの存在及び/又は量を検出する方法を指す。このようなハイブリダイゼーション法の例にはサザンブロッティング及びノーザンブロッティングが挙げられる。
「プライマー」は、本明細書中で使用するとき、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの増幅法において用いられ、メチル化又は非メチル化された対象の遺伝子、例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDに対応するポリヌクレオチド配列に基づいてヌクレオチド配列を増幅することができる。ポリヌクレオチド配列の少なくとも1つの増幅用PCRプライマーは、この配列に配列特異的である。
「標準対照値」は、本明細書中で使用するとき、大腿由来であって、確定した試料に存在するゲノム配列の予め測定した量を指す。標準対照値は、試験試料中に存在する対象遺伝子(又は非コード配列)の量を比較するために、本発明の方法の使用に適している。標準対照として使用する確定した試料は、妊娠中の所定期間(例えば、妊娠第1期)に、正常な胎児を懐妊している平均的な健常の妊娠女性の血液中に典型的に存在する対象の胎児遺伝子の平均量を提供し、ともに何れかの妊娠に関連した障害又は合併症を発症するリスクがないものである。標準対照値は、対象のゲノム配列及び試料の性質に非常に依存していてもよい。
用語「平均」とは、妊娠女性を記述するという関連において使用するとき、妊娠に関連した状態(例えば、子癇前症又は早期陣痛)などの関連性の少なくとも1つの状態がない事実を指す。用語「平均」とは、他の関連で用いられるとき、染色体が正常である胎児を懐妊しているが、任意の妊娠に関連した疾患又は状態に感受性ではない、無作為に選択された健常な女性群を代表する、女性の血液に見られる母性起源及び胎児起源の特定の遺伝子の量又はメチル化状態などのある種の特徴を指す。この選択された群は、これらの女性の中で、対象遺伝子の平均量又はメチル化プロフィールが、合理的な正確さをもって、健常な胎児を懐妊している健常な妊娠女性の一般集団において対応するプロフィールを反映するように、十分な数の女性を含むべきである。さらに、選択された女性群は、一般に、潜在的な妊娠に関連した障害の指示のために血液を検査する女性に類似した妊娠期間を有する。本発明の実施のための好ましい妊娠期間は、スクリーニングされる障害に非常に依存していてもよい。例えば、妊娠女性は、好ましくは妊娠の妊娠第2期に子癇前症のリスクについてスクリーニングされ、一方、胎児の染色体異数性は、好ましくは、できるだけ早期にスクリーニングされ、診断される。さらに、試験のための好ましい妊娠期間はまた、試験する対象遺伝子に依存していてもよい。
用語「子癇前症」とは、本明細書中で使用するとき、妊娠中に生じる状態を指す。その主な症状は、尿中のタンパク質の存在および浮腫(膨潤)をしばしば伴う、様々な型の高血圧である。子癇前症は、時に妊娠中毒症と呼ばれ、発作を伴う子癇前症であり「子癇」と呼ばれる、より重症の障害と関係がある。これらの状態は、出産直後または妊娠20週以前に現れることがあるが、通常、妊娠後半(20週以降)に現れる。
用語「早期陣痛」又は「早産の陣痛」は、本明細書中で使用するとき、約40週の十分な妊娠期間の3週間以上前に陣痛が始まり、治療をしなければしばしば早産を引き起こす状態を指す。
用語「子宮内発育遅延(IUGR)」とは、胎児の成長が異常な程に遅い状態を指し、妊娠期間で胎児の体重は10%である。出生した場合、乳児は、その年齢に対して非常に小さく、栄養不良である。IUGRはまた、子宮内発育制限とも呼ばれ、新生児における内科的疾患及び死亡のリスク増加と関連する。
本出願で使用するとき、「RhD血液型の遺伝子、ABO血液型の遺伝子、RhC血液型の遺伝子、RhE血液型の遺伝子、RhE血液型の遺伝子、HLA型の遺伝子又はY染色体上の遺伝子」は、RhD、ABO、RhC若しくはRhE血液型に従って特定の血液型に代表されるものとして認識されている遺伝子、又はY染色体上に位置されている遺伝子を指す。胎児DNAにおけるこのような遺伝子の検出は、胎児が特定の血液型、HLA型又は男性であることを示す。
発明の詳細な説明
I.導入
母性血漿中の胎児DNAの存在は、1997年に初めて報告され、母性血液試料の分析を通じてだけ非侵襲的な出生前診断に対して可能性を提供した(Lo et al.,Lancet 350:485−487,1997)。しかしながら、母性血漿中の胎児DNAとバックグラウンドの母性DNAの共存は、胎児起源及び母体起源のDNAを区別するための確実な手法を要求する。従来、いくつかの遺伝子は、それらの胎児バージョンと母体バージョンとの間に別個にメチル化されることが示されている。例えば、Chim et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:14753−14758,2005を参照されたい。
I.導入
母性血漿中の胎児DNAの存在は、1997年に初めて報告され、母性血液試料の分析を通じてだけ非侵襲的な出生前診断に対して可能性を提供した(Lo et al.,Lancet 350:485−487,1997)。しかしながら、母性血漿中の胎児DNAとバックグラウンドの母性DNAの共存は、胎児起源及び母体起源のDNAを区別するための確実な手法を要求する。従来、いくつかの遺伝子は、それらの胎児バージョンと母体バージョンとの間に別個にメチル化されることが示されている。例えば、Chim et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 102:14753−14758,2005を参照されたい。
本発明者らは、第1に、胎児由来の多数の遺伝子(例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2、及びPYCARD)は、非常にメチル化され、一方、胎児を妊娠している女性由来の同じ遺伝子はメチル化されないことを発見した。他の遺伝子は、従来、遺伝子の胎児版及び母性版を比較した場合に異なるメチル化プロフィールを有することが報告されていたが、本発明者らによる発見は、これらの特定の遺伝子に関して、このような区別が従来知られていなかっただけでなく、胎児遺伝子のメチル化における高レベルの均一性及び母体遺伝子のメチル化の欠損もまた従来には見られなかったという点で独特である。したがって、この発見は、胎児及び母性ゲノムDNAを区別するための新規であり、より正確であり、より効果的なアプローチを提供する。特に、非侵襲的な出生前診断のための分析プロセスにおいて試料中の本明細書で特定される胎児遺伝子のいずれか1つの検出は、試料中の一般的な胎児DNA(本明細書中で指定された遺伝子に限定されない)が質及び量において適切に保存されるように設計されるように、試料回収及び操作を含むプロセスが首尾よく操作しているという確証を可能にする。さらに、これらの新規に同定された遺伝子はまた、胎児DNAマーカーとして直接使用し、ある種の妊娠に関連した状態及び合併症の存在又はそれらに対するリスクの増大を指示することができる。これは、これらの遺伝子がそれらの母体の対応物と比較して均一にメチル化され、遺伝子の母性コピー及び胎児コピー間での容易な区別を可能にするためである。
II.一般的な方法論
本発明の実施は、分子生物学の分野における日常的な技術を利用する。本発明の使用のための一般的な方法を開示している基本書には、Sambrook and Russell,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd ed.2001);Kriegler,Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual(1990);and Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,1994))が挙げられる。
本発明の実施は、分子生物学の分野における日常的な技術を利用する。本発明の使用のための一般的な方法を開示している基本書には、Sambrook and Russell,Molecular Cloning,A Laboratory Manual(3rd ed.2001);Kriegler,Gene Transfer and Expression:A Laboratory Manual(1990);and Current Protocols in Molecular Biology(Ausubel et al.,eds.,1994))が挙げられる。
核酸に関して、サイズは、キロベース(kb)又は塩基対(bp)で与えられる。これらは、アガロース若しくはアクリルアミドゲル電気泳動、配列決定された核酸、又は開示されているDNA配列から誘導して推定される。タンパク質については、サイズは、キロダルトン(kDa)又はアミノ酸残基数で与えられる。タンパク質サイズは、ゲル電気泳動、配列決定されたタンパク質、誘導されたアミノ酸配列、又は開示されているタンパク質配列から推定される。
市販されていないオリゴヌクレオチドは、例えば、Van Devanter et. al.,Nucleic Acids Res.12:6159−6168(1984)に記載されるような自動化シンセサイザーを用いて、Beaucage & Carathers,Tetrahedron Lett.22:1859−1862(1981)によって最初に記載された固相ホスホアミダイト・トリエステル法に従って化学的に合成することができる。オリゴヌクレオチドの精製は、Pearson & Reanier,J.Chrom.255:137−149(1983)に記載されるように、固有のアクリルアミドゲル電気泳動又は陰イオン交換高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて実行される。
本発明において同定された遺伝子、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2、及びPYCARDのいずれかの1つ、及び合成オリゴヌクレオチドのポリヌクレオチド配列は、例えば、Wallace et al,Gene 16:21−26(1981)の二本鎖鋳型を配列決定するための連鎖停止法を用いて検証可能である。
III.血液試料の取得及びDNA抽出
本発明は、例えば、妊娠に関連した状態又は障害の存在又はリスクを評価するために、胎児DNAを利用する非侵襲的な分析プロセスの適切な操作を指示する内部対照として用いられてもよい、一般的な胎児DNAの存在及び/又は量を検出する別々のメチル化状態に基づいて母性血液に見られるある種の胎児遺伝子の存在及び/又は量を決定することに関する。したがって、本発明の実施の第1段階は、胎児DNAが存在するものと期待される妊娠女性から生物試料を得て、このDNAをメチル化状態に基づいて別個にDNAを修飾する薬物で処理することである。このような薬物の一例は、非メチル化DNAだけを消化し、メチル化DNAを消化しないものである。場合により、このDNAは試料から最初に抽出される。
本発明は、例えば、妊娠に関連した状態又は障害の存在又はリスクを評価するために、胎児DNAを利用する非侵襲的な分析プロセスの適切な操作を指示する内部対照として用いられてもよい、一般的な胎児DNAの存在及び/又は量を検出する別々のメチル化状態に基づいて母性血液に見られるある種の胎児遺伝子の存在及び/又は量を決定することに関する。したがって、本発明の実施の第1段階は、胎児DNAが存在するものと期待される妊娠女性から生物試料を得て、このDNAをメチル化状態に基づいて別個にDNAを修飾する薬物で処理することである。このような薬物の一例は、非メチル化DNAだけを消化し、メチル化DNAを消化しないものである。場合により、このDNAは試料から最初に抽出される。
A.血液試料の取得
血液試料は、胎児DNAに基づく非侵襲的診断法を用いて試験に適した妊娠期間で妊娠女性から得られる。適切な妊娠期間は、試験される障害に依存して変更してもよい。女性からの血液回収は、病院又はクリニックが一般に知っている標準的なプロトコールに従って実行される。末梢血の適切な量、例えば、典型的には5〜50mlは、更なる調製前に標準的な手法に従って回収され、保存されてもよい。
血液試料は、胎児DNAに基づく非侵襲的診断法を用いて試験に適した妊娠期間で妊娠女性から得られる。適切な妊娠期間は、試験される障害に依存して変更してもよい。女性からの血液回収は、病院又はクリニックが一般に知っている標準的なプロトコールに従って実行される。末梢血の適切な量、例えば、典型的には5〜50mlは、更なる調製前に標準的な手法に従って回収され、保存されてもよい。
B.血液試料の調製
本発明に従って、母性血液に見られる胎児DNAの分析は、例えば全血、血清又は血漿を用いて実行されてもよい。母性血液から血清又は血漿を調製する方法は、当業者に周知である。例えば、妊娠女性の血液は、血液凝固を防ぐためのEDTA又はVacutainer SST(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)などの特定に市販されている製品を含む試験管に入れることができ、次に、血漿は、遠心分離を通じて全血から得ることができる。遠心分離を用いる場合、次に、典型的には、限定されないが、例えば1,500−3,000×gの適切なスピードで実行される。血漿又は血清は、DNA抽出ために新たな試験管に移す前に、更なる遠心分離工程に供されてもよい。
本発明に従って、母性血液に見られる胎児DNAの分析は、例えば全血、血清又は血漿を用いて実行されてもよい。母性血液から血清又は血漿を調製する方法は、当業者に周知である。例えば、妊娠女性の血液は、血液凝固を防ぐためのEDTA又はVacutainer SST(Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)などの特定に市販されている製品を含む試験管に入れることができ、次に、血漿は、遠心分離を通じて全血から得ることができる。遠心分離を用いる場合、次に、典型的には、限定されないが、例えば1,500−3,000×gの適切なスピードで実行される。血漿又は血清は、DNA抽出ために新たな試験管に移す前に、更なる遠心分離工程に供されてもよい。
全血の無細胞部分に加えて、DNAはまた、細胞分画から回収され、軟膜部分に濃縮されてもよく、女性からの全血試料の遠心分離及び血漿の除去後に得ることができる。
C.DNAの抽出
血液を含む生物使用からDNAを抽出するための方法は多数知られている。DNA調製の一般的な方法(例えば、Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d ed.,2001によって記載される)は下記のものが可能である:様々な市販の試薬又はキット、例えば、QiaAmp DNA Mini Kit又はQiaAmp DNA Blood Mini Kit(Qiagen,Hilden,Germany)、GenomicPrep(商標)Blood DNA Isolation Kit(Promega,Madison,WI)、及びGFX(商標)Genomic Blood DNA Purification Kit(Amersham,Piscataway,NJ)はまた、妊娠女性の血液試料からDNAを得るために用いてもよい。これらの方法の1を超える組み合わせも用いることができる。
血液を含む生物使用からDNAを抽出するための方法は多数知られている。DNA調製の一般的な方法(例えば、Sambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 3d ed.,2001によって記載される)は下記のものが可能である:様々な市販の試薬又はキット、例えば、QiaAmp DNA Mini Kit又はQiaAmp DNA Blood Mini Kit(Qiagen,Hilden,Germany)、GenomicPrep(商標)Blood DNA Isolation Kit(Promega,Madison,WI)、及びGFX(商標)Genomic Blood DNA Purification Kit(Amersham,Piscataway,NJ)はまた、妊娠女性の血液試料からDNAを得るために用いてもよい。これらの方法の1を超える組み合わせも用いることができる。
IV.DNAのメチル化特異的な化学的修飾
次に、試料から抽出されているかどうかを問わず、妊娠女性からの試料の存在するDNAは、このDNA配列がメチル化されるかどうかに依存してDNAを選択的に修飾することができる薬物で処理される。例えば、この薬物は、メチル化感受性な方法でDNAを消化する酵素であり得て、即ち、非メチル化DNAだけが消化され、メチル化DNAは変化されないままである。別の可能性は、この薬物は、メチル化状態に依存してポリヌクレオチド配列を選択的に変換することである。典型的には、このような試薬は、DNA分子における非メチル化C残基(又は複数)と反応し、各非メチル化C残基をウラシル(U)残基に変換し、メチル化C残基は変化されないままである。このC→U変換は、核酸の一次配列における変化に基づいて、メチル化状態の検出及び比較を可能にする。この目的に適した例示的な試薬は、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸水素塩である。DNAの化学的修飾のための亜硫酸水素塩を用いる方法は、当該技術分野において周知であり(例えば、Herman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821−9826,1996)、本明細書では詳細には検討しない。
次に、試料から抽出されているかどうかを問わず、妊娠女性からの試料の存在するDNAは、このDNA配列がメチル化されるかどうかに依存してDNAを選択的に修飾することができる薬物で処理される。例えば、この薬物は、メチル化感受性な方法でDNAを消化する酵素であり得て、即ち、非メチル化DNAだけが消化され、メチル化DNAは変化されないままである。別の可能性は、この薬物は、メチル化状態に依存してポリヌクレオチド配列を選択的に変換することである。典型的には、このような試薬は、DNA分子における非メチル化C残基(又は複数)と反応し、各非メチル化C残基をウラシル(U)残基に変換し、メチル化C残基は変化されないままである。このC→U変換は、核酸の一次配列における変化に基づいて、メチル化状態の検出及び比較を可能にする。この目的に適した例示的な試薬は、亜硫酸水素ナトリウムなどの亜硫酸水素塩である。DNAの化学的修飾のための亜硫酸水素塩を用いる方法は、当該技術分野において周知であり(例えば、Herman et al.,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 93:9821−9826,1996)、本明細書では詳細には検討しない。
当業者は、本明細書では指定されていないが、別個に化学的に(又は任意の他のメカニズムを通じて)修飾しているメチル化DNA及び非メチル化DNAの同じ特性を有する任意の他の試薬が本発明の実施に用いることができることは認識される。例えば、DNAのメチル化特異的な修飾はまた、メチル化感受性制限酵素によって達成されてもよく、その酵素のいくつかは、典型的には、非メチル化DNA断片を開裂し、メチル化DNAを開裂せず、他のもの(例えば、メチル化依存性エンドヌクレアーゼMcrBC)はメチル化シトシンを含むDNAを開裂するが、非メチル化DNAを開裂しない。さらに、化学的修飾及び制限酵素処理の組み合わせ、例えば、組み合わせた亜硫酸水素塩制限酵素分析(COBRA)は、本発明を実施するために用いることができる。
V.ポリヌクレオチド配列増幅及び測定
メチル化特異的な方法でのDNAの化学的修飾又はメチル化感受性酵素消化などのDNAのメチル化依存性特異的(differential)修飾後、処理したDNAは、配列に基づく分析に供され、その結果、胎児供給源からの本発明の関連遺伝子(例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARD)の1以上が、母性供給源からそれらの対応物を区別することができ、胎児遺伝子(又は複数)の存在及び量が測定され、標準対照と比較することができる。さらに、特に遺伝子(又は複数)が予め測定した閾値よりも大きい場合、胎児起源のこれらの遺伝子の1以上が試料に必ず存在することが判明されると、この試料及びその同等物は、更なる分析のために十分量の胎児DNAを含むと認められる。他方、妊娠に関連したある種の状態又は障害を指示する胎児マーカーとしてのこれらの特定の遺伝子の量を検出及び測定することができ、これは、母体起源の対応物の非メチル化状態と比較して、遺伝子の非常にメチル化された状態を活用している。この使用のために、試料中のRASSF1A、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2、及びPYCARDから選択される1以上の胎児遺伝子の労は、標準値と比較することができ、この場合、標準値からの増加は、このような妊娠に関連した障害の存在又は危険性の増加を指示する。
メチル化特異的な方法でのDNAの化学的修飾又はメチル化感受性酵素消化などのDNAのメチル化依存性特異的(differential)修飾後、処理したDNAは、配列に基づく分析に供され、その結果、胎児供給源からの本発明の関連遺伝子(例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARD)の1以上が、母性供給源からそれらの対応物を区別することができ、胎児遺伝子(又は複数)の存在及び量が測定され、標準対照と比較することができる。さらに、特に遺伝子(又は複数)が予め測定した閾値よりも大きい場合、胎児起源のこれらの遺伝子の1以上が試料に必ず存在することが判明されると、この試料及びその同等物は、更なる分析のために十分量の胎児DNAを含むと認められる。他方、妊娠に関連したある種の状態又は障害を指示する胎児マーカーとしてのこれらの特定の遺伝子の量を検出及び測定することができ、これは、母体起源の対応物の非メチル化状態と比較して、遺伝子の非常にメチル化された状態を活用している。この使用のために、試料中のRASSF1A、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2、及びPYCARDから選択される1以上の胎児遺伝子の労は、標準値と比較することができ、この場合、標準値からの増加は、このような妊娠に関連した障害の存在又は危険性の増加を指示する。
A.ヌクレオチド配列の増幅
増幅反応は、メチル化依存的な特異的修飾プロセスによる処理後、本発明の胎児マーカーのための配列に基づく分析前に任意的である。本発明のいくつかの態様では、増幅は、特定のメチル化パターンを有する本発明の胎児マーカーを選択的に増幅するために行い、その結果、1つの特定の供給源、例えば、胎児の胎盤又は他の組織からのゲノム配列だけが検出及び分析される。
増幅反応は、メチル化依存的な特異的修飾プロセスによる処理後、本発明の胎児マーカーのための配列に基づく分析前に任意的である。本発明のいくつかの態様では、増幅は、特定のメチル化パターンを有する本発明の胎児マーカーを選択的に増幅するために行い、その結果、1つの特定の供給源、例えば、胎児の胎盤又は他の組織からのゲノム配列だけが検出及び分析される。
種々のポリヌクレオチド増幅法は十分に確立されており、研究で頻繁に使用されている。例えば、ポリヌクレオチド配列増幅のためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の一般的な方法は、当該技術分野において周知であり、したがって、本明細書では詳細に記述しない。PCRの方法、プロトコール、及びプライマーの設計における原理の概要については、例えば、Innis,et al.,PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications,Academic Press,Inc.N.Y.,1990を参照されたい。PCR試薬及びプロトコールはまた、Roche Molecular Systemsなどの商業的企業から利用可能である。
PCRは、最も一般的に、熱安定酵素で自動化プロセスとして実行される。このプロセスでは、反応混合物の温度は、変性範囲、プライマーアニーリング範囲、及び伸長反応範囲を通じて自動的にサイクル化される。この目的に特に適合される機器は市販されている。
標的ポリヌクレオチド配列(例えば、RASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB2IP、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDのもの)のPCR増幅は、典型的には、本発明の実施において使用されるが、当業者は、母性血液試料に見られるゲノム配列の増幅が、リガーゼ連鎖反応(LCR)、転写媒介増幅、及び自立配列複製又は核酸配列に基づく増幅(NASBA)などの任意の既知の方法によって達成することができ、これらの各々は、十分な増幅を提供する。より最近になって開発された分岐鎖DNA技術はまた、特定のメチル化パターンを表す本発明の特定のゲノム配列の存在を定量的に測定するか、又は母性血液中のこの特定のゲノム配列の量を定量的の測定するための用いることができる。臨床試料中の核酸配列を直接定量するための分岐鎖DNAのシグナル増幅の概要については、Nolte,Adv.Clin.Chem.33:201−235,1998を参照されたい。
B.ポリヌクレオチド配列の決定
ポリヌクレオチド配列決定のための手法はまた十分に確立されており、関連する研究領域で幅広く実施されている。例えば、ポリヌクレオチド配列決定のための基本原理及び一般的手法は、分子生物学及び組み換え遺伝子工学に関連した種々の研究レポート及び論文に記載され、例えば、Wallace et al.,上述;Sambrook and Russell,上述、及びAusubel et al.,上述がある。手動又は自動の、研究室で日常的に行われているDNA配列決定法は、本発明を実施するために用いることができる。本発明の方法を実施するためのポリヌクレオチド配列における変化(例えば、C→U)の検出に適した更なる手段には、限定されないが、質量分析、プライマー伸長、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、及び電気泳動が挙げられる。
ポリヌクレオチド配列決定のための手法はまた十分に確立されており、関連する研究領域で幅広く実施されている。例えば、ポリヌクレオチド配列決定のための基本原理及び一般的手法は、分子生物学及び組み換え遺伝子工学に関連した種々の研究レポート及び論文に記載され、例えば、Wallace et al.,上述;Sambrook and Russell,上述、及びAusubel et al.,上述がある。手動又は自動の、研究室で日常的に行われているDNA配列決定法は、本発明を実施するために用いることができる。本発明の方法を実施するためのポリヌクレオチド配列における変化(例えば、C→U)の検出に適した更なる手段には、限定されないが、質量分析、プライマー伸長、ポリヌクレオチドハイブリダイゼーション、リアルタイムPCR、及び電気泳動が挙げられる。
VI.標準対照値の確定
本発明の方法を実施するための標準対照値を確定するために、健常な胎児を懐妊している1グループの健常な妊娠女性を初めに選択する。これらの女性は、同じような妊娠期間であり、本発明の方法を用いて子癇前症及び早期陣痛などの状態をスクリーニングするためには妊娠の適切な期間内である。
本発明の方法を実施するための標準対照値を確定するために、健常な胎児を懐妊している1グループの健常な妊娠女性を初めに選択する。これらの女性は、同じような妊娠期間であり、本発明の方法を用いて子癇前症及び早期陣痛などの状態をスクリーニングするためには妊娠の適切な期間内である。
選択された妊娠女性及び彼女らが懐妊している胎児の健常な状態は、十分に確立した、日常的に採用された方法によって確認され、このような方法には、限定されないが、女性の血圧をモニターすること、陣痛の開始を記録すること、CVS及び羊水穿刺を用いた胎児遺伝分析を行うことが含まれる。
さらに、健常な胎児を懐妊している健常な妊娠女性の選択されたグループは、妥当な大きさでなければならず、その結果、このグループから得られた母性血液中に存在する本発明において同定された特定の胎児遺伝子の平均量は、健常な胎児を懐妊している健常な女性の一般的集団の中で正常若しくは平均量又はメチル化プロフィールの代表として合理的にみなされ得る。好ましくは、選択された群は、少なくとも10人の女性を含む。
選択された健常な対照群の各女性において見られる個々の値に基づいて、母性血液に存在する特定の胎児遺伝子について平均レベルが確定されると、この平均若しくは中央値又は代表的な値は、標準対照値であると考えられる。したがって、同様の量の胎児遺伝子を含む任意の生物試料(例えば血液試料)は、同種の試料(例えば血液試料)についての標準対照値を提供するために用いられ得る。さらに、平均若しくは中央値又は代表的な量でゲノムDNA配列を含む溶液はまた、人為的に集められ、標準対照値を与えることができる。標準対照値は、遺伝子ごとに異なっていてもよく、生物試料の性質に依存してもよく、例えば、RASSF1Aに対する標準対照は、血漿試料と唾液試料とでは異なっていてもよい。
下記の実施例は、例示のみを目的として提供されるものであって、限定を目的としない。当業者は、同一又は類似の結果を本質的に生じるように変更又は修飾され得る種々の重要でないパラメータを容易に認識する。
実施例1:母性血液と比較した胎児において高メチル化される腫瘍抑制遺伝子
本発明者らは、母性血液において胎児特異的な後成的マーカーを同定することを目的とした。従来のデータは、母性血漿中の胎児DNA分子が、主に胎盤由来であることを示唆している(Chim et al.,Proc Natl Acad Sci USA.,102,14753−14758;Masuzaki et al,J Med Genet 41,289−292,2004;Flori et al.,Hum Reprod 19,723−724,2004)、母性血漿のバックグラウンドは、母性血液細胞起源であってもよい(Lui et al.,Clin Chem 48,421−427,2002)。したがって、胎児の後成的マーカーを同定するために、ゲノム遺伝子座のメチル化プロフィールは、後述の2つの組織型の間での差異的なメチル化を示す遺伝子座を特定することを目的として、胎盤組織及び母性血液細胞の間において評価された。このようなマーカーは、出生前診断及び妊娠に関連した状態のモニターのために用いることができる。
本発明者らは、母性血液において胎児特異的な後成的マーカーを同定することを目的とした。従来のデータは、母性血漿中の胎児DNA分子が、主に胎盤由来であることを示唆している(Chim et al.,Proc Natl Acad Sci USA.,102,14753−14758;Masuzaki et al,J Med Genet 41,289−292,2004;Flori et al.,Hum Reprod 19,723−724,2004)、母性血漿のバックグラウンドは、母性血液細胞起源であってもよい(Lui et al.,Clin Chem 48,421−427,2002)。したがって、胎児の後成的マーカーを同定するために、ゲノム遺伝子座のメチル化プロフィールは、後述の2つの組織型の間での差異的なメチル化を示す遺伝子座を特定することを目的として、胎盤組織及び母性血液細胞の間において評価された。このようなマーカーは、出生前診断及び妊娠に関連した状態のモニターのために用いることができる。
被験者募集及び試料回収
被験者は、Department of Obstetrics and Gynaecology,Prince of Wales Hospital,Hong Kongから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。妊娠第1期の胎盤組織は、手術による妊娠中絶の直後に回収した。妊娠第3期の胎盤組織は、合併症のない妊娠の手術による帝王切開分娩の直後に回収した。母性末梢血試料(12mL EDTA)は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
被験者は、Department of Obstetrics and Gynaecology,Prince of Wales Hospital,Hong Kongから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。妊娠第1期の胎盤組織は、手術による妊娠中絶の直後に回収した。妊娠第3期の胎盤組織は、合併症のない妊娠の手術による帝王切開分娩の直後に回収した。母性末梢血試料(12mL EDTA)は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
試料加工及び亜硫酸水素塩配列決定
1,600gで10分間、4℃で血液試料を遠心分離した。上清を除去後、末梢血液細胞部分を再度2,500gで遠心分離した。任意の残った血漿をさらに除去した。Nucleon Blood DNA抽出キット(GE Healthcare−Biosciences,Little Chalfont,United Kingdom)を用いて末梢血液細胞から、及びQIAamp Tissue Kit(Qiagen,Hilden,Germany)を用いて母体組織から、それぞれ製造業者の使用説明書に従ってDNAを抽出した。メチル化されたシトシンは変化させないまま、亜硫酸水素塩は非メチル化シトシンをウラシルに変換する。抽出されたDNA試料は、製造業者の使用説明書に従って、CpGenome Universal DNA Modification Kit(Chemicon,Temecula,CA)を用いて亜硫酸水素塩変換された。各変換反応に関して、1μgのDNAは、試薬Iの添加後、50℃で16時間インキュベートされた。各亜硫酸水素塩変換されたDNA試料は、GeneAmp PCR Core Reagentキット(Applied Biosystems)を用いて、メチル化配列と非メチル化配列とを区別しないプライマーによって、PCRに供した。その後の各PCR産物は、製造業者の使用説明書に従って、大腸菌株JM109にトランスフォーメーションするために、pGEM−Teasyベクター(Promega)にTAクローニングした。クローンを無作為に拾い、次に、コロニーPCRはベクタープライマーT7及びSP6を用いて実行し、クローニングしたインサートを増幅した。サイクル配列決定は、BigDyeバージョン1.1(Applied Biosystems)及び自動化キャピラリーDNAシークエンサーGenetic Analyzer 3100(Applied Biosystems)を用いて行った。得られた配列は、SeqScapeソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて整列し、比較した。亜硫酸水素塩変換の完成性は、まず、スコアリングする前に確認した。シトシン又はチミン残基として配列決定されたCpG部位は、それぞれメチル化又は非メチル化としてスコアした。メチル化部位頻度は、各試料について、メチル化部位の全体数をクローニングした全てのCpG部位で割ることによって計算した。
1,600gで10分間、4℃で血液試料を遠心分離した。上清を除去後、末梢血液細胞部分を再度2,500gで遠心分離した。任意の残った血漿をさらに除去した。Nucleon Blood DNA抽出キット(GE Healthcare−Biosciences,Little Chalfont,United Kingdom)を用いて末梢血液細胞から、及びQIAamp Tissue Kit(Qiagen,Hilden,Germany)を用いて母体組織から、それぞれ製造業者の使用説明書に従ってDNAを抽出した。メチル化されたシトシンは変化させないまま、亜硫酸水素塩は非メチル化シトシンをウラシルに変換する。抽出されたDNA試料は、製造業者の使用説明書に従って、CpGenome Universal DNA Modification Kit(Chemicon,Temecula,CA)を用いて亜硫酸水素塩変換された。各変換反応に関して、1μgのDNAは、試薬Iの添加後、50℃で16時間インキュベートされた。各亜硫酸水素塩変換されたDNA試料は、GeneAmp PCR Core Reagentキット(Applied Biosystems)を用いて、メチル化配列と非メチル化配列とを区別しないプライマーによって、PCRに供した。その後の各PCR産物は、製造業者の使用説明書に従って、大腸菌株JM109にトランスフォーメーションするために、pGEM−Teasyベクター(Promega)にTAクローニングした。クローンを無作為に拾い、次に、コロニーPCRはベクタープライマーT7及びSP6を用いて実行し、クローニングしたインサートを増幅した。サイクル配列決定は、BigDyeバージョン1.1(Applied Biosystems)及び自動化キャピラリーDNAシークエンサーGenetic Analyzer 3100(Applied Biosystems)を用いて行った。得られた配列は、SeqScapeソフトウェア(Applied Biosystems)を用いて整列し、比較した。亜硫酸水素塩変換の完成性は、まず、スコアリングする前に確認した。シトシン又はチミン残基として配列決定されたCpG部位は、それぞれメチル化又は非メチル化としてスコアした。メチル化部位頻度は、各試料について、メチル化部位の全体数をクローニングした全てのCpG部位で割ることによって計算した。
データ比較及び統計学的分析
亜硫酸水素塩変換後、CpG部位は配列がシトシンであればメチル化としてスコアされ;チミン残基(ウラシルのデオキシ対応物)によって占有されていれば非メチル化としてスコアされる。メチル化部位頻度は、各試料について、メチル化部位の全体数をクローニングされた全てのCpG部位で割ることによって計算された。
亜硫酸水素塩変換後、CpG部位は配列がシトシンであればメチル化としてスコアされ;チミン残基(ウラシルのデオキシ対応物)によって占有されていれば非メチル化としてスコアされる。メチル化部位頻度は、各試料について、メチル化部位の全体数をクローニングされた全てのCpG部位で割ることによって計算された。
RASSF1A、APC、及びRARB
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図1に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図2及び3に列挙する。これらの結果は、RASSF1A、APC、及びRARB配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図1に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図2及び3に列挙する。これらの結果は、RASSF1A、APC、及びRARB配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
CASP8
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図4に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図5に列挙する。これらの結果は、CASP8配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図4に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図5に列挙する。これらの結果は、CASP8配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
SCGB3A1
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図6に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図7に列挙する。これらの結果は、SCGB3A1配列が胎盤において高メチル化され、大部分は、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図6に列挙する。亜硫酸水素塩配列決定の結果を図7に列挙する。これらの結果は、SCGB3A1配列が胎盤において高メチル化され、大部分は、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
DAB2相互作用タンパク質(DAB2IP)
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図17に列挙する。1つの胎盤組織試料と対応する母性血液細胞に関する亜硫酸水素塩配列決定の結果を図18に列挙する。これらの結果は、DAB2IP配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
亜硫酸水素塩配列決定用のPCRプライマー及びPCRサイクル条件を図17に列挙する。1つの胎盤組織試料と対応する母性血液細胞に関する亜硫酸水素塩配列決定の結果を図18に列挙する。これらの結果は、DAB2IP配列が胎盤において高メチル化され、母性血液細胞ではメチル化されないことを示した。
実施例2:メチル化感受性酵素消化、その後のリアルタイムPCR
メチル化感受性酵素は、それらの認識部位がメチル化されない場合にだけDNAを切断する酵素である。より詳細には、例えば、米国特許出願公開第US2005/0158739(Jeddelohら)を参照されたい。例えば、BstUIは、CGCG部位を認識し、CpGがメチル化されていない場合にDNAを切断する。図8に示されるように、1を超えるメチル化感受性酵素を用いて、非メチル化DNAを消化することができ、メチル化配列だけをそのままにする。リアルタイムPCRなどの方法は、連続して、酵素消化後になおも増幅可能であるDNA配列を検出するために用いることができる。
メチル化感受性酵素は、それらの認識部位がメチル化されない場合にだけDNAを切断する酵素である。より詳細には、例えば、米国特許出願公開第US2005/0158739(Jeddelohら)を参照されたい。例えば、BstUIは、CGCG部位を認識し、CpGがメチル化されていない場合にDNAを切断する。図8に示されるように、1を超えるメチル化感受性酵素を用いて、非メチル化DNAを消化することができ、メチル化配列だけをそのままにする。リアルタイムPCRなどの方法は、連続して、酵素消化後になおも増幅可能であるDNA配列を検出するために用いることができる。
材料及び方法
被験者募集及び試料回収
被験者は、Department of Obstetrics and Gynaecology,Prince of Wales Hospital,Hong Kongから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。妊娠第3期の胎盤組織は、合併症がない妊娠の手術による妊娠中絶後に回収した。母性末梢血試料は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
被験者募集及び試料回収
被験者は、Department of Obstetrics and Gynaecology,Prince of Wales Hospital,Hong Kongから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。妊娠第3期の胎盤組織は、合併症がない妊娠の手術による妊娠中絶後に回収した。母性末梢血試料は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
試料加工及びメチル化感受性酵素によるDNA消化
母性血液試料は、1,600gで10分間、及び16,000gで10分間、4℃で遠心分離した。QIAamp DNA Blood mini kit及びQIAamp DNA mini kitを用いて、製造業者の使用説明書に従って、それぞれ、200μlの軟膜及び0.2gの胎盤組織からDNAを抽出した。100ngの胎盤及び母性軟膜DNAは、1×消化バッファー中、60℃で16時間、100UのBstUI、メチル化感受性酵素で消化された。
母性血液試料は、1,600gで10分間、及び16,000gで10分間、4℃で遠心分離した。QIAamp DNA Blood mini kit及びQIAamp DNA mini kitを用いて、製造業者の使用説明書に従って、それぞれ、200μlの軟膜及び0.2gの胎盤組織からDNAを抽出した。100ngの胎盤及び母性軟膜DNAは、1×消化バッファー中、60℃で16時間、100UのBstUI、メチル化感受性酵素で消化された。
RASSF1A配列に関するリアルタイムPCR検出
RASSF1A配列は、プライマー:RSF−b151F、5’−AGCCTGAGCTCATTGAGCTG−3’(配列番号27)及びRSF−dsgnR、5’− ACCAGCTGCCGTGTGG−3’(配列番号28)、並びに小溝結合(MGB)蛍光プローブRSF−dsgnT、5’−FAM−CCAACGCGCTGCGCAT−MGB−3’(配列番号29)を用いて、リアルタイムPCRによって増幅された。検出可能な蛍光シグナルの出現に必要とされるPCRサイクルの時期又は数は、インプットDNA試料中のRASSF1A配列の労と反比例して相関している。換言すれば、DNA試料中のRASSF1A配列の量が高くなるにつれて、蛍光シグナルはより容易に出現し、より低い閾値サイクル数をもたらす。
RASSF1A配列は、プライマー:RSF−b151F、5’−AGCCTGAGCTCATTGAGCTG−3’(配列番号27)及びRSF−dsgnR、5’− ACCAGCTGCCGTGTGG−3’(配列番号28)、並びに小溝結合(MGB)蛍光プローブRSF−dsgnT、5’−FAM−CCAACGCGCTGCGCAT−MGB−3’(配列番号29)を用いて、リアルタイムPCRによって増幅された。検出可能な蛍光シグナルの出現に必要とされるPCRサイクルの時期又は数は、インプットDNA試料中のRASSF1A配列の労と反比例して相関している。換言すれば、DNA試料中のRASSF1A配列の量が高くなるにつれて、蛍光シグナルはより容易に出現し、より低い閾値サイクル数をもたらす。
図9aは、BstUI消化との胎盤及び母性血液細胞からのRASSF1A分子のリアルタイムPCR定量の一例を示す。酵素消化しない場合、胎盤及び母性軟膜の両方からのRASSF1A分子が検出された。酵素消化した場合、胎盤由来のRASSF1Aだけが検出された。β−アクチンに関しては、それらの起源とは関係なく、酵素消化しない場合のみに検出することができた(図9b)。β−アクチン配列はメチル化されないのでそれが期待される。図9cは、胎盤及び母性軟膜についてのβ−アクチンの亜硫酸水素塩配列決定の結果を示す。胎盤組織及び母性軟膜の両方は全くメチル化されなかった。
実施例3:酵素消化後の母性血漿におけるRASSF1Aの検出
実施例1では、亜硫酸水素塩配列決定によって、本発明者らは、母性血液細胞のRASSF1A遺伝子が全くメチル化されず、(胎児由来の)胎盤のものは非常にメチル化されていることを示した。実施例2では、本発明者らは、母性血液細胞からのRASSF1Aい配列がメチル化感受性制限酵素によって完全に消化されたが、胎盤由来のRASSF1A配列が同酵素によって部分的にだけ消化された。血漿DNAは、母性起源のDNA(大部分は、母性血液細胞に由来し、したがって、メチル化されていない)、及び胎児起源のDNA(胎盤は主な寄与因子であり、したがって、本特許出願に記載されるマーカーについてメチル化される)から構成されている。このようにして、血漿DNAのメチル化感受性酵素消化を用いて、母性DNAバックグラウンドを除去し、母性血漿中の胎児由来のRASSF1A分子の分別濃度を高めることは実行可能である。
実施例1では、亜硫酸水素塩配列決定によって、本発明者らは、母性血液細胞のRASSF1A遺伝子が全くメチル化されず、(胎児由来の)胎盤のものは非常にメチル化されていることを示した。実施例2では、本発明者らは、母性血液細胞からのRASSF1Aい配列がメチル化感受性制限酵素によって完全に消化されたが、胎盤由来のRASSF1A配列が同酵素によって部分的にだけ消化された。血漿DNAは、母性起源のDNA(大部分は、母性血液細胞に由来し、したがって、メチル化されていない)、及び胎児起源のDNA(胎盤は主な寄与因子であり、したがって、本特許出願に記載されるマーカーについてメチル化される)から構成されている。このようにして、血漿DNAのメチル化感受性酵素消化を用いて、母性DNAバックグラウンドを除去し、母性血漿中の胎児由来のRASSF1A分子の分別濃度を高めることは実行可能である。
説明図が図10aに示され、母体由来のRASSF1Aはメチル化されず、したがって、メチル化感受性酵素によって消化され、胎児由来のRASSF1Aのいくらかはメチル化され、したがって、消化されない。酵素消化が完了すると、胎児由来のメチル化DNAだけがそのまま残り、PCR増幅用の鋳型として用いることができる。β−アクチンの場合、母性及び胎児由来のDNA配列がメチル化されないので、完全な酵素消化は、全ての配列を破壊し、その後、このβ−アクチン配列を用いたPCR増幅は達成され得ない。人為的なエラー及び試薬の質が、ときどき、不完全な酵素消化を引き起こす場合がある。したがって、β−アクチンは、内部対照として用いて、不完全な消化を指示することができる(図10b)。PCR増幅が酵素消化後にβ−アクチンについて上手くいった場合、酵素消化が不完全である可能性がある。この場合には、ネガティブな結果がβ−アクチンアッセイについて達成されるまで、全アッセイを繰り返すことが必要となる場合がある。
材料及び方法
試料加工及びメチル化感受性酵素によるDNA消化
母性血液試料は、1,600gで10分間、16,000gで10分間、4℃で遠心分離した。DNAは、QIAamp mini kit(Qiagen)を用いて、1.6mlの血漿から抽出し、50μlのH2Oで溶出した。35μlの血漿DNAは、1×消化バッファー中、100UのBstUI酵素を用いて60℃、16時間により消化した。
試料加工及びメチル化感受性酵素によるDNA消化
母性血液試料は、1,600gで10分間、16,000gで10分間、4℃で遠心分離した。DNAは、QIAamp mini kit(Qiagen)を用いて、1.6mlの血漿から抽出し、50μlのH2Oで溶出した。35μlの血漿DNAは、1×消化バッファー中、100UのBstUI酵素を用いて60℃、16時間により消化した。
RASSF1A及びβ−アクチン配列のためのリアルタイムPCR検出
RASSF1A配列を増幅し、上述したようなリアルタイムPCRで定量した。β−アクチン配列を増幅し、プライマー:Actin−163F、5’−GCGCCGTTCCGAAAGTT−3’(配列番号30)及びActin−298R、5’−CGGCGGATCGGCAAA−3’(配列番号31)、並びにMGB蛍光プローブActin−243T、5’−VIC−ACCGCCGAGACCGCGTC−MGB−3’(配列番号32)を用いてリアルタイムPCRによって定量した。SRY配列は、プライマー:SRY−109F、5’−TGGCGATTAAGTCAAATTCGC−3’(配列番号33)及びSRY−245R、5’−CCCCCTAGTACCCTGACAATGTATT−3’(配列番号34)、並びに蛍光プローブSRY−142T、5’−FAM−AGCAGTAGAGCAGTCAGGGAGGCAGA−TAMRA−3’(配列番号35)を用いて増幅及び定量した。RASSF1A、SRY及びβ−アクチンアンプリコンをそれぞれ1コピー含むDNA構築物は、3つのアッセイの定量的な標準として確定した。較正曲線は、既知量のDNA構築物の連続希釈によって作製し、血漿RASSF1A、β−アクチン及びSRYの定量についてリアルタイムPCRの各ラウンドに含まれた。
RASSF1A配列を増幅し、上述したようなリアルタイムPCRで定量した。β−アクチン配列を増幅し、プライマー:Actin−163F、5’−GCGCCGTTCCGAAAGTT−3’(配列番号30)及びActin−298R、5’−CGGCGGATCGGCAAA−3’(配列番号31)、並びにMGB蛍光プローブActin−243T、5’−VIC−ACCGCCGAGACCGCGTC−MGB−3’(配列番号32)を用いてリアルタイムPCRによって定量した。SRY配列は、プライマー:SRY−109F、5’−TGGCGATTAAGTCAAATTCGC−3’(配列番号33)及びSRY−245R、5’−CCCCCTAGTACCCTGACAATGTATT−3’(配列番号34)、並びに蛍光プローブSRY−142T、5’−FAM−AGCAGTAGAGCAGTCAGGGAGGCAGA−TAMRA−3’(配列番号35)を用いて増幅及び定量した。RASSF1A、SRY及びβ−アクチンアンプリコンをそれぞれ1コピー含むDNA構築物は、3つのアッセイの定量的な標準として確定した。較正曲線は、既知量のDNA構築物の連続希釈によって作製し、血漿RASSF1A、β−アクチン及びSRYの定量についてリアルタイムPCRの各ラウンドに含まれた。
図11は、BstUIで消化した場合と消化しない場合の妊娠第1期及び第3期の母性血漿由来のRASSF1A分子のリアルタイムPCR定量の一例を示す。妊娠第1期の試料については、RASSF1A濃度は、酵素消化により、688コピー/mL血漿から49コピー/mL血漿に減少した。この劇的な減少は、大部分のDNA分子(平均して96.6%、Lo et al.,Am J Hum Genet 1998,62:768−775)が母性起源であり、したがって、メチル化されず、消化されるので期待される。妊娠第3期の試料については、RASSF1A濃度は、酵素消化により、1275コピー/mL血漿から74コピー/mL血漿に減少した。本発明者らは、RASSF1A分子に関するこのアッセイを用いて、71人の女性(妊娠第1期にある28人、妊娠第3期にある43人)を分析した。RASSF1A配列は、メチル化感受性酵素消化後の血漿DNA試料の全てについて検出することができた。β−アクチン消化対照は、全ての試料について分析した。全てのケースについて、β−アクチン配列は、酵素消化しない場合にだけ検出された。
実施例4:酵素消化後の母性血漿のRASSF1A配列の胎児特異性の実証
酵素消化後のDNA配列の胎児特性は、出生前診断及び妊娠モニタリングへの応用に重要である。この例では、本発明者らは、4系統の実験によって母性血漿の酵素消化後のRASSF1A配列の胎児特異性を示す。
酵素消化後のDNA配列の胎児特性は、出生前診断及び妊娠モニタリングへの応用に重要である。この例では、本発明者らは、4系統の実験によって母性血漿の酵素消化後のRASSF1A配列の胎児特異性を示す。
第1の実験では、RASSF1A配列は、妊娠していない女性では酵素消化後に検出されなかったことが示される。これは、酵素消化後のRASSF1A分子が胎児特異的である場合に、妊娠していない女性において検出されるべきでないため重要である。図12では、妊娠していない女性の1ケースを示す。RASSF1A配列は、酵素消化しない場合にのみ検出された。酵素消化した場合、検出可能なRASSF1A配列は見られなかった。期待される通りに、β−アクチン消化対照は、酵素消化しない場合にのみ検出された。25人の妊娠していないボランティアにおいて、本発明者らは、この試験のために応募し、メチル化感受性制限酵素消化後に血漿中に検出可能なRASSF1Aシグナルを示したものはいなかった。
第2の実験では、酵素消化後のRASSF1A配列は、出産後に検出できなかったことを示す。酵素消化後のRASSF1A分子が胎児特異的であれば、このような分子を放出する供給源(胎盤はマウスのものである)は分娩後に除去されるので、母性血漿からそれらは消えることが期待される。他の胎児特異的なマーカー、例えばSRYは、分娩後に類似の浄化を示すことが示されている(Lo et al.,Am J Hum Genet 1998,62:768−775)。5対の分娩前後の母性血漿試料を回収した。全てのケースについて、酵素消化後、RASSF1A分子は、分娩前に検出することができたが、分娩後には検出することができなかった(表1)。同様に、胎児特異的なSRYマーカーは、分娩前だけに検出することができた。
第3の実験では、単一ヌクレオチド多型(SNP)マーカーを用いて、母体由来及び胎児由来のRASSF1A配列を区別した。酵素消化後のRASSF1A配列が胎児特異的であることが確かめられれば、このような配列の遺伝子型は、母体のものというよりはむしろ、胎児のものでなければならない。例えば、SNPマーカーが胎児においてCCであり、母体においてACである場合、酵素消化後のDNAの遺伝子型は、ACというよりはむしろCCでなければならない。同様に、AC/CC(胎児/母体)対に関して、酵素消化後のDNAの遺伝子型は、CCというよりはむしろACでなければならない。消化していない血漿DNAについては、遺伝子型は、大部分の血漿DNAが母体起源であるため、母体のものと同じであり得る。
材料及び方法
RASSF1A遺伝子型決定
上述したように、母性血漿、母性軟膜及び胎盤からDNAを抽出した。各母性血漿DNA試料の35μlを上述したように16時間、BstUI酵素消化に供した。RASSF1A配列のPCR増幅は、プライマー:RSF−bl51F、5’−AGCCTGAGCTCATTGAGCTG−3’(配列番号27)及びRSF−dsgnR、5’−ACCAGCTGCCGTGTGG−3’(配列番号28)を用いて、鋳型として、酵素消化していない母性軟膜DNA、胎盤DNA、母性血漿DNA、酵素消化後の母性血漿DNAを用いて行った。RASSF1Aアンプリコン内には単一ヌクレオチド多型(SNPid:rs4688725)があるため、様々な組織のRASSF1A遺伝子型を測定してもよい。プライマー伸長反応は、RASSF1A DNAの遺伝子型のために設定された。各14μの反応は、10μlのPCR産物、0.77μMの伸長プライマーRsf−R17、5’−CAGCCGGGTGGGCCCT−3’(配列番号36)、1.15U熱配列及びジデオキシヌクレオチド(ddATP、ddCTP及びddTTP)及びデオキシヌクレオチドdGTP(各64μM)の混合物を含んでいた。遺伝子型Aを有するRASSF1Aについては、プライマーは、5’−CAGCCGGGTGGGCCCTddT−3’(配列番号37)を生成するために伸長され、分子量は5476.6Daであった。遺伝子型Cを有するRASSF1A配列については、プライマーは、5’−CAGCCGGGTGGGCCCTGddC−3’(配列番号38)を生成するために伸長され、分子量は5790.8Daであった。この最終塩基伸長産物は、MassARRAY MALDI−TOF質量分析(SEQUENOM)によって分析した。RASSF1Aの遺伝子型は、TyperAnalyzerソフトウェア(SEQUENOM)によって測定した。
RASSF1A遺伝子型決定
上述したように、母性血漿、母性軟膜及び胎盤からDNAを抽出した。各母性血漿DNA試料の35μlを上述したように16時間、BstUI酵素消化に供した。RASSF1A配列のPCR増幅は、プライマー:RSF−bl51F、5’−AGCCTGAGCTCATTGAGCTG−3’(配列番号27)及びRSF−dsgnR、5’−ACCAGCTGCCGTGTGG−3’(配列番号28)を用いて、鋳型として、酵素消化していない母性軟膜DNA、胎盤DNA、母性血漿DNA、酵素消化後の母性血漿DNAを用いて行った。RASSF1Aアンプリコン内には単一ヌクレオチド多型(SNPid:rs4688725)があるため、様々な組織のRASSF1A遺伝子型を測定してもよい。プライマー伸長反応は、RASSF1A DNAの遺伝子型のために設定された。各14μの反応は、10μlのPCR産物、0.77μMの伸長プライマーRsf−R17、5’−CAGCCGGGTGGGCCCT−3’(配列番号36)、1.15U熱配列及びジデオキシヌクレオチド(ddATP、ddCTP及びddTTP)及びデオキシヌクレオチドdGTP(各64μM)の混合物を含んでいた。遺伝子型Aを有するRASSF1Aについては、プライマーは、5’−CAGCCGGGTGGGCCCTddT−3’(配列番号37)を生成するために伸長され、分子量は5476.6Daであった。遺伝子型Cを有するRASSF1A配列については、プライマーは、5’−CAGCCGGGTGGGCCCTGddC−3’(配列番号38)を生成するために伸長され、分子量は5790.8Daであった。この最終塩基伸長産物は、MassARRAY MALDI−TOF質量分析(SEQUENOM)によって分析した。RASSF1Aの遺伝子型は、TyperAnalyzerソフトウェア(SEQUENOM)によって測定した。
図13は、酵素消化した場合としない場合の母性血漿DNA、母性軟膜DNA及び胎盤DNAについての遺伝子型決定実験結果の例を示す。期待されるように、酵素消化後の母性血漿DNAの遺伝子型は、胎盤のもの(胎児遺伝子型)と同じであったが、母性軟膜のものと同じでなかった。表2は、43ケースの遺伝子型決定結果を示し、そこでは、酵素消化した場合としない場合の母性血漿DNA、母性軟膜DNA及び胎盤DANの全てを分析した。43ケースのそれぞれにおいて、酵素消化後の母性血漿DNAの遺伝子型は、胎盤(胎児)遺伝子型と同一であった。
第4の実験では、本発明者らは、2つのマーカー、即ち、酵素消化後のRASSF1A配列及びSRY配列は、互いに相関する母性血漿における濃縮を有することを示した。血漿DNAは、1人の男児を懐妊している24人の妊娠第3期の妊娠女性から抽出した。図14に示されるように、正の相関は、酵素消化後のRASSF1A配列とSPY配列との間に観察された(r=0.717、p<0.0001、スピアマン相関)。さらに、主に母体由来である、酵素消化していない全RASSF1Aの濃縮は、SRYのものとは相関しなかった。
これらの4実験は、結論として、酵素消化後のRASSF1A配列が、(本発明者らが用いた技術の程度まで)全く胎児起源であったことを示した。したがって、RASSF1Aは、出生前診断及び妊娠モニタリングに有用である。
実施例5:RhD血液型の出生前診断のための正の分析マーカーとしてのRASSF1Aの実証
リーサスD(RhD)血液群の不適合性は、胎児及び新生児の溶血性疾患の重大な原因である。この障害の病因は、父親の遺伝子座によってコードされ、胎児の赤血球の表面に提示されるRhD抗原によって、RhD陰性の妊娠女性の同種免疫を伴う。母体の同種免疫は、通常、RhD陽性の胎児の組織が母性血液と接触するようになると、分娩中に起こる。これは、胎盤を横切ることができる抗RhD抗体を生じ、RhD陽性の胎児をもつ次の妊娠において胎児赤血球を破壊する。母体の同種免疫は、最初のRhD陽性乳児の分娩の前後で予防的な抗RhD免疫グロブリンを与えることによって予防又は最小化することができる。したがって、分娩前に胎児のRhD状態を知ることは有益である。しかしながら、羊水穿刺によってRhD遺伝子型決定/表現型決定のために胎児細胞を得ることは、経胎盤出血のリスクを伴い、胎児がRhD陽性であれば、抗RhDの母性産生を感作し得る。非侵襲的な出生前のRhD遺伝子型決定の開発は、RhD遺伝子型決定のために胎児細胞を得ることに代えて安全性を提供する(Lo et al.,N Engl J Med 1998;339:1734−1738)。この技術は、母性血漿中の胎児RhD配列の検出を伴う。RhD陰性の妊娠女性の血漿中のRhD配列の存在は、RhD陽性の胎児を指示することになる。しかしながら、母性血漿においてこのような配列がないことは、2通りに解釈され得る:1)胎児がRhD陰性である;又は、2)正確なRhDタイピングを可能にするには母性血漿中の胎児DNAが不十分であある。母性血漿DNAにおける正の対照としての普遍的な胎児DNAマーカーは、第2の可能性を排除するために有用となる。母性血漿DNAにおける正の対照の胎児DNAマーカーの検出は、RhD陰性の胎児の存在を支持し、胎児DNAマーカーがないことは、母性血漿における不十分な胎児DNAを示唆する。今日まで、正の対照として用いることができる利用可能な胎児DNAマーカーは、Y染色体のDNA及びDNA多形を含む。これらの2つのタイプのマーカーは、ある小集団の妊娠にだけ適用可能である。Y染色体のDNAは、男児を有する妊娠にだけ適用可能である。DNA多形は、特定の遺伝型の組み合わせにのみ適用可能であり、その場合、ある種の遺伝型は、胎児のみ存在し、妊娠女性には存在しない。これに関連して、上記章において例証されたメチル化されたRASSF1A配列は、胎児の性又は多形に関わらずに、全ての妊娠に適用可能である普遍的な胎児DNAマーカーとして用いることができる。当業者はまた、メチル化されたRASSF1Aマーカーに加えて、本明細書に記載されている他のマーカーもこのように用いることができることを認識する。
リーサスD(RhD)血液群の不適合性は、胎児及び新生児の溶血性疾患の重大な原因である。この障害の病因は、父親の遺伝子座によってコードされ、胎児の赤血球の表面に提示されるRhD抗原によって、RhD陰性の妊娠女性の同種免疫を伴う。母体の同種免疫は、通常、RhD陽性の胎児の組織が母性血液と接触するようになると、分娩中に起こる。これは、胎盤を横切ることができる抗RhD抗体を生じ、RhD陽性の胎児をもつ次の妊娠において胎児赤血球を破壊する。母体の同種免疫は、最初のRhD陽性乳児の分娩の前後で予防的な抗RhD免疫グロブリンを与えることによって予防又は最小化することができる。したがって、分娩前に胎児のRhD状態を知ることは有益である。しかしながら、羊水穿刺によってRhD遺伝子型決定/表現型決定のために胎児細胞を得ることは、経胎盤出血のリスクを伴い、胎児がRhD陽性であれば、抗RhDの母性産生を感作し得る。非侵襲的な出生前のRhD遺伝子型決定の開発は、RhD遺伝子型決定のために胎児細胞を得ることに代えて安全性を提供する(Lo et al.,N Engl J Med 1998;339:1734−1738)。この技術は、母性血漿中の胎児RhD配列の検出を伴う。RhD陰性の妊娠女性の血漿中のRhD配列の存在は、RhD陽性の胎児を指示することになる。しかしながら、母性血漿においてこのような配列がないことは、2通りに解釈され得る:1)胎児がRhD陰性である;又は、2)正確なRhDタイピングを可能にするには母性血漿中の胎児DNAが不十分であある。母性血漿DNAにおける正の対照としての普遍的な胎児DNAマーカーは、第2の可能性を排除するために有用となる。母性血漿DNAにおける正の対照の胎児DNAマーカーの検出は、RhD陰性の胎児の存在を支持し、胎児DNAマーカーがないことは、母性血漿における不十分な胎児DNAを示唆する。今日まで、正の対照として用いることができる利用可能な胎児DNAマーカーは、Y染色体のDNA及びDNA多形を含む。これらの2つのタイプのマーカーは、ある小集団の妊娠にだけ適用可能である。Y染色体のDNAは、男児を有する妊娠にだけ適用可能である。DNA多形は、特定の遺伝型の組み合わせにのみ適用可能であり、その場合、ある種の遺伝型は、胎児のみ存在し、妊娠女性には存在しない。これに関連して、上記章において例証されたメチル化されたRASSF1A配列は、胎児の性又は多形に関わらずに、全ての妊娠に適用可能である普遍的な胎児DNAマーカーとして用いることができる。当業者はまた、メチル化されたRASSF1Aマーカーに加えて、本明細書に記載されている他のマーカーもこのように用いることができることを認識する。
図15は、胎児の非侵襲的なRhDタイピングの1つのストラテジーをまとめた説明図を示す。これは、高メチル化された胎児DNAマーカーがRhD血液型の出生前診断のために正の分析マーカーとして用いることができる唯一の方法では決してない。当業者はまた、RASSF1Aなどの高メチル化された胎児DNAマーカーが、他の状態、例えば、β−サラセミア、嚢胞性線維症、先天性副腎皮質過形成、及び染色体異数性の出生前診断のための正の分析マーカーとして用いることができることを承認し得る。この正の分析マーカーはまた、RhD血液型などの状態の実際の出生前評価前又は同時に評価されてもよい。
材料及び方法
被験者募集及び試料回収
妊娠第1期のダウン症スクリーニングを受けている被験者は、King’s College Hospital London,United Kingdomから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。絨毛膜組織は、絨毛膜サンプリング手法を介して回収した。母性末梢血試料は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
被験者募集及び試料回収
妊娠第1期のダウン症スクリーニングを受けている被験者は、King’s College Hospital London,United Kingdomから募集した。ヒト臨床試料の試験及び回収は、施設内倫理委員会によって承認された。インフォームド・コンセンサスは、各被験者から要求された。絨毛膜組織は、絨毛膜サンプリング手法を介して回収した。母性末梢血試料は、産婦人科的手法の実行の直前に回収した。
RHD配列のための試料加工及びリアルタイムPCR検出
前章において記載されるように、母性血漿、軟膜及びCVS試料からDNAを抽出した。母体及び胎児のRhD状態は、鋳型としてそれぞれ母性軟膜DNA及びCVS DNAを用いて、以前に記載されるように(Lo et al.,N Engl J Med 1998,339:1734−1738;Rijnders et al.,Obstet Gynecol 2004,103:157−164)、RHD遺伝子のエクソン7及びエクソン10の配列のリアルタイム増幅によって測定した。本発明者らの一団において、エクソン7及びエクソン10アッセイは、試験した全ての被験者について同一の結果を与えた。母性血漿におけるRHD配列の検出可能性は、鋳型として5μlの血漿DNAを用いた同じリアルタイムPCRシステムによって測定された。全ての実験は二重で行った。試料は、二重のいずれかが正であれば、正としてスコアした。母性血漿中の胎児DNAの存在は、母性血漿DNAからの酵素消化後のSRY配列(男児について)及びRASSF1A配列の増幅によって確認した。SRY遺伝子を標的とするリアルタイムPCRは、鋳型として、酵素消化していない血漿DNAを用いて実行した。RASSF1A及びβ−アクチン配列のリアルタイムPCRは、鋳型として、酵素消化後の母性血漿DNAを用いて行った。
前章において記載されるように、母性血漿、軟膜及びCVS試料からDNAを抽出した。母体及び胎児のRhD状態は、鋳型としてそれぞれ母性軟膜DNA及びCVS DNAを用いて、以前に記載されるように(Lo et al.,N Engl J Med 1998,339:1734−1738;Rijnders et al.,Obstet Gynecol 2004,103:157−164)、RHD遺伝子のエクソン7及びエクソン10の配列のリアルタイム増幅によって測定した。本発明者らの一団において、エクソン7及びエクソン10アッセイは、試験した全ての被験者について同一の結果を与えた。母性血漿におけるRHD配列の検出可能性は、鋳型として5μlの血漿DNAを用いた同じリアルタイムPCRシステムによって測定された。全ての実験は二重で行った。試料は、二重のいずれかが正であれば、正としてスコアした。母性血漿中の胎児DNAの存在は、母性血漿DNAからの酵素消化後のSRY配列(男児について)及びRASSF1A配列の増幅によって確認した。SRY遺伝子を標的とするリアルタイムPCRは、鋳型として、酵素消化していない血漿DNAを用いて実行した。RASSF1A及びβ−アクチン配列のリアルタイムPCRは、鋳型として、酵素消化後の母性血漿DNAを用いて行った。
結果
355人の妊娠女性のRhD状態をスクリーニングした。それらの54人は、RHD陰性であった。このグループの被験者は、RhD陽性の胎児による同種免疫の危険にあるので、それらの血漿及びCVSは、胎児RhD状態のためにさらに調査に供した。EHD配列は、35人の被験者の母性血漿DNAにおいて検出され、19人の被験者の母性血漿において陰性であった。陰性の母性血漿RHD結果を有する19人のうちの15人において、RASSF1A配列は、酵素消化後の血漿DNAにおいて検出された。他の4例は、酵素消化後のRASSF1Aについて陰性であった。β−アクチンシグナルは、全ての症例で陰性であり、これは、BstUI酵素消化が19例全てにおいて完全であったことを指示する。CVS試料の分析に基づいて、酵素消化後のRASSF1Aの正の検出を有する15人の被験者全員が、RhD陰性の胎児を懐妊していた。それらの血漿におけるRHD及びRASSF1Aの陰性の検出を示す4人の被験者では、CVSは、それらの2人においてRHD陽性であった。したがって、これらの2例に関しては、母性血漿RHD遺伝子型決定は、誤った陰性結果を生じ、それは、酵素消化後の正の分析マーカーRASSF1Aを検出しないことによって獲得された。この性に依存しない胎児マーカーの重要性を例証するために、これらの結果は、既存の胎児DNAマーカーであるSRYと比較した。SRYアッセイは、胎児が男児である場合にのみ陽性となる。血漿においてRHD配列の陰性検出を有する19人の被験者について、それらの6人は、SRYについて陽性であった。これは、分析した血漿試料において増幅可能な胎児DNAの存在を指示し、このようにして、さらには、胎児のRhD陰性状態の真の性質を確認した。残りの13例では、血漿DNAにおけるRHD及びSRY配列の負の検出は、RhD陰性の男児の結果であるのか又は母性血漿の不十分な胎児DNAであるのかは、胎児DNAの正の対照としてRASSF1Aプロトコールを用いることなしには、解明することができない。
355人の妊娠女性のRhD状態をスクリーニングした。それらの54人は、RHD陰性であった。このグループの被験者は、RhD陽性の胎児による同種免疫の危険にあるので、それらの血漿及びCVSは、胎児RhD状態のためにさらに調査に供した。EHD配列は、35人の被験者の母性血漿DNAにおいて検出され、19人の被験者の母性血漿において陰性であった。陰性の母性血漿RHD結果を有する19人のうちの15人において、RASSF1A配列は、酵素消化後の血漿DNAにおいて検出された。他の4例は、酵素消化後のRASSF1Aについて陰性であった。β−アクチンシグナルは、全ての症例で陰性であり、これは、BstUI酵素消化が19例全てにおいて完全であったことを指示する。CVS試料の分析に基づいて、酵素消化後のRASSF1Aの正の検出を有する15人の被験者全員が、RhD陰性の胎児を懐妊していた。それらの血漿におけるRHD及びRASSF1Aの陰性の検出を示す4人の被験者では、CVSは、それらの2人においてRHD陽性であった。したがって、これらの2例に関しては、母性血漿RHD遺伝子型決定は、誤った陰性結果を生じ、それは、酵素消化後の正の分析マーカーRASSF1Aを検出しないことによって獲得された。この性に依存しない胎児マーカーの重要性を例証するために、これらの結果は、既存の胎児DNAマーカーであるSRYと比較した。SRYアッセイは、胎児が男児である場合にのみ陽性となる。血漿においてRHD配列の陰性検出を有する19人の被験者について、それらの6人は、SRYについて陽性であった。これは、分析した血漿試料において増幅可能な胎児DNAの存在を指示し、このようにして、さらには、胎児のRhD陰性状態の真の性質を確認した。残りの13例では、血漿DNAにおけるRHD及びSRY配列の負の検出は、RhD陰性の男児の結果であるのか又は母性血漿の不十分な胎児DNAであるのかは、胎児DNAの正の対照としてRASSF1Aプロトコールを用いることなしには、解明することができない。
実施例6:子癇前症をモニターするための性依存性マーカーとしてRASSF1Aの実証
高メチル化胎児DNAマーカーの臨床利用は、正の分析マーカーとして使用する範囲を超えている。酵素消化後にRASSF1A単独の検出及び/又は定量化は、出生前診断及び妊娠のモニタリングに有用であり得る。換言すれば、母性血漿におけるこれらの高メチル化胎児DNAは、自らの正確さによってバイオマーカーとして役立つ可能性がある。従来、母性血漿中の胎児DNA濃度は、子癇前症及び胎児異数性などのある種の状態において増大することが示されている。しかしながら、性依存性の胎児DNAマーカーの欠如により、従来の試験は、男児を懐妊している妊娠女性に限定された(Levine et al.,Am J Obstet Gynecol 190:707−713;Leung et al.,Clin Chem 47:147−139)。この実施例では、本発明者らは、酵素消化後のRASSF1A配列を標的化することによって、子癇前症を患っている5人の女性の血漿中の胎児DNA濃度と、如何なる妊娠に関連した合併症もない妊娠期間が適合した5人の女性とを比較した。2つのグループの酵素消化後の母性血漿DNA試料において測定されたRASSF1A濃度を図16に示す。子癇前症の有無に関係なく、妊娠女性の濃度の中央値は、それぞれ9400コピー/mL血漿及び2200コピー/mL血漿であった。2つのグループ間の相違は、統計学的には有意であった(p=0.016、Mann−Whitney試験)。
高メチル化胎児DNAマーカーの臨床利用は、正の分析マーカーとして使用する範囲を超えている。酵素消化後にRASSF1A単独の検出及び/又は定量化は、出生前診断及び妊娠のモニタリングに有用であり得る。換言すれば、母性血漿におけるこれらの高メチル化胎児DNAは、自らの正確さによってバイオマーカーとして役立つ可能性がある。従来、母性血漿中の胎児DNA濃度は、子癇前症及び胎児異数性などのある種の状態において増大することが示されている。しかしながら、性依存性の胎児DNAマーカーの欠如により、従来の試験は、男児を懐妊している妊娠女性に限定された(Levine et al.,Am J Obstet Gynecol 190:707−713;Leung et al.,Clin Chem 47:147−139)。この実施例では、本発明者らは、酵素消化後のRASSF1A配列を標的化することによって、子癇前症を患っている5人の女性の血漿中の胎児DNA濃度と、如何なる妊娠に関連した合併症もない妊娠期間が適合した5人の女性とを比較した。2つのグループの酵素消化後の母性血漿DNA試料において測定されたRASSF1A濃度を図16に示す。子癇前症の有無に関係なく、妊娠女性の濃度の中央値は、それぞれ9400コピー/mL血漿及び2200コピー/mL血漿であった。2つのグループ間の相違は、統計学的には有意であった(p=0.016、Mann−Whitney試験)。
開示されたアミノ酸又はポリヌクレオチド配列を含む全ての特許、特許出願、及び本出願に引用された他の刊行物は、全ての目的のために、参照により全体として援用される。
表1 分娩後の母性血漿由来のRASSF1A及びSRY配列のクリアランス。分娩直前及び分娩24時間後の男児を懐妊している5人の妊娠女性から血液を採取した。母性血漿DNAがメチル化感受性酵素によって処理された後、RASSF1A及びSRY配列は、分娩前の全ての被験者の血漿において検出されたが、分娩24時間後の血漿試料のいずれにおいても検出することができなかった。
表2 43人の妊娠女性の酵素消化の有無の母性軟膜DNA、胎盤DNA、及び母性血漿DNAのRASSF1A遺伝子型。43例のそれぞれにおいて、酵素消化した母性血漿DNAの遺伝子型は、胎盤(胎児)遺伝子型と同一であり、胎児特異的なDNA分子だけが母性血漿DNA試料の酵素消化後に増幅可能であることを示唆した。
Claims (35)
- 妊娠女性由来の生物試料中の胎児DNAを検出する方法であって、
(a)メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で該試料を処置し;及び
(b)該試料中のRASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDのDNA配列を検出し、ここで、該DNA配列の存在が試料中の胎児DNAの存在を指示し、該DNA配列の不存在が試料中の胎児DNAの不存在を指示する
工程を含む前記方法。 - 前記試料が全血である、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が血漿である、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が血清である、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が尿である、請求項1に記載の方法。
- 前記試料が唾液である、請求項1に記載の方法。
- 前記薬物が非メチル化DNAを消化するが、メチル化DNAを消化しない、請求項1に記載の方法。
- 前記薬物がメチル化感受性酵素である、請求項7に記載の方法。
- 前記メチル化感受性酵素がメチル化感受性制限酵素である、請求項8に記載の方法。
- 前記メチル化感受性制限酵素がHpaII又はBstUIである、請求項9に記載の方法。
- 前記薬物が亜硫酸水素塩を含む、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)が増幅プロセスを含む、請求項1に記載の方法。
- 前記増幅プロセスがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、請求項12に記載の方法。
- 前記PCRがリアルタイムPCRである、請求項13に記載の方法。
- 工程(b)がDNA配列の量を測定する、請求項1に記載の方法。
- 工程(b)が試料中の胎児DNAの存在を指示し、さらに、
(c)第2試料中の第2胎児DNA配列の量を測定し、ここで、第2試料が薬物で処理される前の工程(a)の試料と同一であり、第2配列がRASSF1A、APC、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDでなく;及び
(d)該2配列の量と標準対照とを比較し、ここで、対照からの第2配列の量の増加が妊娠に関連した状態の存在又はそれを発症する危険性の増加を指示する
工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 前記工程(c)の第2試料が、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾するいずれの薬物でも処理されていない、請求項16に記載の方法。
- 前記工程(c)の第2試料が、第2胎児DNA配列の量が測定される前に、薬物で処理される請求項16に記載の方法。
- 前記工程(c)の第2試料が、第2胎児DNA配列の量が測定される前に、メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する第2の異なった薬物で処理される、請求項16に記載の方法。
- 妊娠に関連した状態が、子癇前症、早期陣痛又は子宮内発育遅延(IUGR)である、請求項16に記載の方法。
- 工程(b)が試料中の胎児DNAの存在を指示し、さらに、
(c)第2試料中の第2胎児DNAを検出し、ここで、第2試料が薬物で処理される前の工程(a)の試料と同一であり、第2配列がRhD血液型の遺伝子、ABO血液型の遺伝子、RhC血液型の遺伝子、RhE血液型の遺伝子、HLA型の遺伝子、Y染色体上に位置した遺伝子、又は所定の突然変異を含む遺伝子であり、第2配列の存在が胎児ゲノム中にRhD血液型、ABO血液型、RhC血液型、RhE血液型、HLA型、Y染色体又は突然変異の存在を指示する
工程を含む、請求項1に記載の方法。 - 工程(c)の第2試料がメチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾するいずれの薬物でも処理されていない、請求項21に記載の方法。
- 工程(c)が増幅プロセスである、請求項21に記載の方法。
- 前記増幅プロセスがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、請求項23に記載の方法。
- PCRがリアルタイムPCRである、請求項24に記載の方法。
- 妊娠女性における妊娠に関連した状態を検出する方法であって、
(a)メチル化DNA及び非メチル化DNAを別個に修飾する薬物で女性から得た生物試料を処理し;
(b)該試料中のRASSF1A、CASP8、RARB、SCGB3A1、DAB21P、PTPN6、THY1、TMEFF2又はPYCARDのDNA配列の量を検出し;及び
(c)該DNA配列の量と標準対照とを比較し、ここで、対照からの増加が妊娠に関連した状態の存在又はそれを発症する危険性の増加を指示する
工程を含む前記方法。 - 前記薬物が非メチル化DNAを消化するが、メチル化DNAを消化しない、請求項26に記載の方法。
- 前記薬物がメチル化感受性酵素である、請求項27に記載の方法。
- 前記メチル化感受性酵素がメチル化感受性制限酵素である、請求項28に記載の方法。
- 前記メチル化感受性制限酵素がHpaII又はBstUIである、請求項29に記載の方法。
- 前記薬物が亜硫酸水素塩を含む、請求項26に記載の方法。
- 工程(b)が増幅プロセスを含む、請求項26に記載の方法。
- 前記増幅プロセスがポリメラーゼ連鎖反応(PCR)である、請求項32に記載の方法。
- 前記PCRがリアルタイムPCRである、請求項33に記載の方法。
- 妊娠に関連した状態が、子癇前症、早期陣痛又は子宮内発育遅延(IUGR)である、請求項26に記載の方法。
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