JP2009531017A - 汚染除去に有益なアシルトランスフェラーゼ - Google Patents

汚染除去に有益なアシルトランスフェラーゼ Download PDF

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Abstract

本発明は、汚染除去の用途に使用される効率的にペルオキシ酢酸を生成する酵素系をを提供する。好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質、過酸化水素、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む系を提供する。いくつか特定の好ましい実施形態おいて、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。別の好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1の野生型及び/又は変異体アシルトランスフェラーゼを提供する。本発明は、一般的な表面洗浄及び汚染除去及びに広範な生物化学兵器用物質へ用いる汚染除去の所定の用途に使用される。
【選択図】図1

Description

本願は、現在係属中の2006年12月9日に出願された米国仮特許出願第60/748,782号に基づき優先権を主張するものである。本願は、米国法第35号第371条の下、2004年12月3日に出願された国際公開番号WO05/056,782に基づき優先権を主張する現在係属中の2006年5月30日に出願された米国特許出願第10/581,014号の一部継続出願でもある。当該国際公開番号WO05/056,782は、さらに、米国法第35号第119条の下、2004年12月3日に出願された米国仮特許出願第60/526,724号(現在は放棄されている)に基づき優先権を主張するものである。
本発明は、汚染除去の用途に使用される効率的にペルオキシ酢酸を生成する酵素系を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質、過酸化水素、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む系を提供する。いくつか特定の好ましい実施形態おいて、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。別の好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1の野生型及び/又は変異体アシルトランスフェラーゼを提供する。本発明は、一般的な表面洗浄及び汚染除去の他に広範な生物化学兵器用物質に用いられる汚染除去の所定の用途に使用される。
背景
ペルオキシ酢酸は、汚染除去/消毒剤として、広く受け入れられている。しかしながら、ペルオキシ酢酸は化学物質であり、また化学試薬の使用に関連した全ての問題点を含む。まず、経時的に及び高温で分解する。加えて、広範囲の表面洗浄/汚染除去に用いる際、多量の液体化学物質が必要とされる。さらに、タンカートラックに対する腐食作用から、容易に移送ができない。加えて、化学物質としての外部環境への影響が大きい。従って、貯蔵及び移送問題を解決し、また多様な温度で有効であり、さらに化学物質としての外部環境の影響が小さいペルオキシ酢酸合成系が必要とされる。
発明の概要
本発明は、汚染除去の用途に使用されるペルオキシ酢酸を水溶液中で効率的に生成する酵素系を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質、過酸化水素、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む系を提供する。しかしながら、本発明では、任意の過酸(例えば、C10からCl8又はより長鎖の長鎖脂肪酸からなる過酸や過ノナン酸)が使用されるので本発明は、ペルオキシ酢酸に限ることを意図していない。加えて、短鎖脂肪酸からなる過酸も本発明で使用される。実際、多様な過酸が本発明で使用される。いくつかの実施形態において、本発明は、過酸化水素を形成する酵素を追加的に用いる酵素系を提供する。さらにいくつかの実施形態において、本発明は、過炭酸ナトリウム、グルコースオキシダーゼ、尿素、及び、米国特許出願第10/581,014号に記載された化合物等の多様なその他の化合物等を含むが、これらに限られない過酸化水素を生成する化合物を追加的に含む酵素系を提供する。いくつかの好ましい実施形態において、本発明は、特定のエステル基質に限定することを意図しないが、該エステル基質は安定な、アルコールエステルである。いくつか特定の好ましい実施形態では、本発明は、少なくとも1のエステル及び少なくとも1の過酸化物を含む水溶液(例えば、約90%水分量を超える水溶液)中で酵素により補助された過加水分解の系を提供する。しかし本発明は、特定の水分割合に限ることを意図しない。実際、本発明は、低い割合の水分量(例えば、約85%未満)や高い割合の水分量(例えば、約85%を超える、約95%を超える、又は約95%を超える水分)の水溶液を含む多様な水溶液の系に使用されることが意図される。
いくつかのさらに特定の好ましい実施形態において、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。従って、いくつかの実施形態において、前記系は、緩衝液中で少なくとも1の酵素、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のエステル基質を含む。さらにいくつかの実施形態において、前記系は、少なくとも1の洗浄剤をさらに含み、一方さらに別の実施形態において、前記系は、少なくとも1の界面活性剤をさらに含む。従って、多様な配合剤が本発明で使用されることが意図される。加えて、いくつかの実施形態において、前記配合剤は、中性のpHで存在するが、いくつか特定の好ましい実施形態では、当該酵素系は、アルカリ性及びわずかに酸性の環境(例えば、pHが約6から約10)でも機能する。
本発明における酵素系は必要に応じて設計され、液体、顆粒、泡状、乳液等を含む多様な形態で使用されることが意図される。実際、本発明は、特定の形態に限ることを意図しない。さらに別の実施形態において、本発明に係るアシルトランスフェラーゼ系は、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ等を含むが、これらに限られない追加的な酵素と共に使用される。
別の好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1の野生型及び/又は変異体のアシルトランスフェラーゼを提供する。いくつかの好ましい実施形態において、当該酵素は、リパーゼ活性も有する。本発明は、一般的な表面洗浄及び汚染除去と同様に広範な生物化学兵器の物質への用途を含む汚染除去の所定の用途に使用される。
いくつかの実施形態において、本発明は、毒性の化学物質、マスタード、VX、炭疽菌胞子、Y.ペスト、F.ツラレンシス、菌類、及び毒素(例えば、ボツリヌス菌毒素、リシン、真菌毒素等)等を含むが、これらに限られない多様な毒性の及び/又は病原の実体により汚染された物質や感染性ビリオン(例えば、フラビウイルス、オルソミクスウイルス、パラミクスウイルス、アリーナウイルス、ラブドウイルス、アルボウイルス、腸ウイルス、ブニアウイルス等)により感染された細胞の汚染除去に使用される。いくつか特定の好ましい実施形態では、本発明は、広範囲の温度(例えば、約16℃から約60℃)で機能できる系を提供する。さらに別の好ましい実施形態において、前記系は、化学物質の外部環境への影響を小さくし、短期及び/又は長期の貯蔵で安定である。実際、本発明に係る系は、多数の用途で使用されるだろうことを意図する。
さらに別の実施形態において、本発明は、野菜、果物、及びその他の食物及び/又は飼料物質を含むが、これらに限られない食物及び/又は飼料の汚染除去に使用される。実際、本発明は、果物、野菜、卵、肉等の表面洗浄に使用されることが意図される。実際、本発明は、多様な食物及び/又は飼料物質から汚染物質を除去する目的で、食物産業及び/又は飼料産業に使用されることを意図する。いくつか特定の好ましい実施形態では、、当業者に知られている食品医薬品局(the Food and Drug Administration)及び/又はその他の食物の安全性保護団体により示される食物及び/又は飼料の汚染除去に用いられる方法が本発明に使用される。
本明細書で示されるように、本発明は、汚染除去の用途に適した水溶液で過酸を合成する酵素系を提供する。いくつかの実施形態において、前記系は、少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼ酵素を含む。いくつかの好ましい実施形態において、過酸は、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される。いくつかの別の好ましい実施形態において、前記系は、さらに過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学物質を含む少なくとも1の化学的過酸化水素合成系からなる。いくつかの実施形態において、前記系は、さらにオキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系からなる。いくつかの別の好ましい実施形態において、前記系は、さらにグルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、から選択される少なくとも1の酵素を含み、さらに少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系からなる。いくつかのさらに別の実施形態において、前記系は、さらに少なくとも1の追加酵素を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記少なくとも1の追加酵素は、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される。いくつかの別の実施形態において、前記少なくとも1のエステル基質は、アルコールエステルである。いくつかのさらに別の実施形態において、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記系は、さらに少なくとも1の洗浄剤を含む。さらにいくつかの実施形態において、前記系は、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態内で行われる。
本発明は、汚染除去を必要とする物質、及び、汚染除去に適した水溶液中で過酸の合成に用いられる少なくとも1の系を用意する工程;及び物質が汚染除去される条件下で前記物質を前記系にさらす工程を含む汚染除去に用いられる方法も提供する。いくつかの実施形態において、前記さらす工程は、アルカリ性又は酸性のpH条件下で前記物質を前記系にさらすことを含む。いくつか別の実施形態において、前記さらす工程は、中性のpH条件下で前記物質を前記系にさらすことを含む。いくつかのさらに別の実施形態において、前記さらす工程は、高温で前記物質をさらすことを含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記高温は、約60℃又はより高温である。しかしながら、本発明は、特定の温度に限定することを意図せず、多様な温度が本発明に係る方法で使用される。いくつかの実施形態において、前記系は、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態内で行われる。いくつかのさらに別の好ましい実施形態において、前記系は、少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記過酸は、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される。いくつかの別の好ましい実施形態において、前記方法は、さらに過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学的過酸化水素合成系を含む。いくつかのさらに別の実施形態において、前記方法は、さらにオキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含む。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記系は、グルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含み、前記酵素性過酸化水素合成系は、さらに少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む。別の実施形態において、前記方法は、さらに少なくとも1の酵素又は少なくとも1の追加酵素を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記少なくとも1の酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される。いくつか別の実施形態において、前記少なくとも1のエステル基質は、アルコールエステルである。さらにいくつかの実施形態において、前記方法は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。いくつかの好ましい実施形態において、汚染除去は少なくとも1の毒素及び/又は少なくとも1の病原に汚染された物質の汚染除去を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記毒素は、ボツリヌス菌毒素、アンスラシス毒素、リシン、サバ毒素、シガ毒素、テトロド毒素、及び真菌毒素から選択される。さらに好ましい実施形態において、前記病原は、細菌、ウイルス、菌類、寄生体、及びプリオンから選択される。いくつか特定の好ましい実施形態において、前記少なくとも1の病原は、バチルス種、炭疽菌、クロストリジウム種、C.ボツリヌス菌、C.ウェルシュ菌、リステリア種、ブドウ球菌種、連鎖球菌種、サルモネラ種、シゲラ種、大腸菌、エルシニア種、Y.ペスト、フランシセラ種、F.ツラレンシス、カンプリオバクター(Camplyobacter)種、ビブリオ種、ブルセラ種、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、シクロスポラ種、及び旋毛虫種から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、汚染除去を必要とする前記物質は、硬い表面、布、食物、飼料、衣服、敷物、カーペット、織物、医療機器、及び獣医器具から選択される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記食物は、果物、野菜、魚類、水産物、及び肉類から選択される。さらにいくつか別の好ましい実施形態において、前記硬い表面は、家庭用器具の表面及び商業用機器の表面から選択される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記家庭用器具の表面は、キッチンカウンター、流し台、食器棚、まな板、机、棚、食品調製保管エリア、風呂部屋付属品、床、天井、壁、及び寝室エリアから選択される。いくつか特定の好ましい別の実施形態において、前記商業用機器の表面は、食物処理エリア、飼料処理エリア、机、棚、床、天井、壁、流し台、まな板、航空機、自動車、列車、及び船から選択される。
本発明は、汚染除去を必要とする物質、及び、汚染除去に適した水溶液中で過酸の合成に用いられる少なくとも1の系を用意する工程;水溶液で前記過酸を合成する工程;及び物質が汚染除去される条件下で前記物質を水溶液中の過酸にさらす工程を含む汚染除去に用いられる方法も提供する。いくつかの実施形態において、前記さらす工程は、アルカリ性又は酸性のpH条件下で前記物質を前記系にさらすことを含む。いくつか別の実施形態において、前記さらす工程は、中性のpH条件下で前記物質を前記系にさらすことを含む。いくつかのさらに別の実施形態において、前記さらす工程は、高温で前記物質をさらすことを含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記高温は、約60℃又はより高温である。しかしながら、本発明は、多様な温度が本発明に係る方法で使用されるように、特定の温度に限定することを意図しない。いくつかの実施形態において、前記系は、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態内で行われる。いくつかのさらに別の好ましい実施形態において、前記系は、少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記過酸は、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される。いくつかの別の好ましい実施形態において、前記方法は、さらに過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学的過酸化水素合成系を含む。いくつかのさらに別の実施形態において、前記方法は、さらにオキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含む。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記系は、グルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼから選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含み、前記酵素性過酸化水素合成系は、さらに少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む。別の実施形態において、前記方法は、さらに少なくとも1の酵素又は少なくとも1の追加酵素を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記少なくとも1の酵素は、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される。いくつか別の実施形態において、前記少なくとも1のエステル基質は、アルコールエステルである。さらにいくつかの実施形態において、前記方法は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。いくつかの好ましい実施形態において、汚染除去は少なくとも1の毒素及び/又は少なくとも1の病原に汚染された物質の汚染除去を含む。いくつかの好ましい実施形態において、前記毒素は、ボツリヌス菌毒素、アンスラシス毒素、リシン、サバ毒素、シガ毒素、テトロド毒素、及び真菌毒素から選択される。さらに好ましい実施形態において、前記病原は、細菌、ウイルス、菌類、寄生体、及びプリオンから選択される。いくつか特定の好ましい実施形態において、前記少なくとも1の病原は、バチルス種、炭疽菌、クロストリジウム種、C.ボツリヌス菌、C.ウェルシュ菌、リステリア種、ブドウ球菌種、連鎖球菌種、サルモネラ種、シゲラ種、大腸菌、エルシニア種、Y.ペスト、フランシセラ種、F.ツラレンシス、カンプリオバクター(Camplyobacter)種、ビブリオ種、ブルセラ種、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、シクロスポラ種、及び旋毛虫種から選択される。さらに別の好ましい実施形態において、汚染除去を必要とする前記物質は、硬い表面、布、食物、飼料、衣服、敷物、カーペット、織物、医療機器、及び獣医器具から選択される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記食物は、果物、野菜、魚類、水産物、及び肉類から選択される。さらにいくつか別の好ましい実施形態において、前記硬い表面は、家庭用器具の表面及び商業用機器の表面から選択される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記家庭用器具の表面は、キッチンカウンター、流し台、食器棚、まな板、机、棚、食品調製保管エリア、風呂部屋付属品、床、天井、壁、及び寝室エリアから選択される。いくつかのさらに特定の好ましい実施形態において、前記商業用機器の表面は、食物処理エリア、飼料処理エリア、机、棚、床、天井、壁、流し台、まな板、航空機、自動車、列車、及び船から選択される。
発明の記載
本発明は、汚染除去の用途に使用されるペルオキシ酢酸を効率的に生成する酵素系を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質、過酸化水素、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む系を提供する。しかしながら、本発明では、任意の過酸(例えば、C10からCl8の又はより長鎖の長鎖脂肪酸からなる過酸や過ノナン酸)が使用されるので、本発明はペルオキシ酢酸に限ることを意図していない。実際、多様な過酸が本発明で使用される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。別の好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1の野生型及び/又は変異体アシルトランスフェラーゼを提供する。本発明は、一般的な表面洗浄及び汚染除去と同様に広範な生物化学兵器の物質への用途を含む汚染除去の所定の用途に使用される。
本発明は、現在使用されている洗浄、消毒及び/又は汚染除去に用いられる過酸を実用する方法を越えて多数の利点を提供する。例えば、本発明は、現場における過酸の急速な合成を容易にする。加えて、本発明により、注意深い原料の連続添加、過酸抽出、及び現行の方法による通常のろ過を用いた酵素除去を回避する。
原液の(すなわち、無希釈の)ペルオキシ酢酸は、胞子の死滅に有益である一方、腐朽し、高レベルのものは腐食性が高く、バイオハザードであり、搬送時の化学物質に伴う問題、及び貯蔵可能量に限界がある。同様に、過酸化水素も有益であるが、ペルオキシ酢酸と同様の問題で困難を伴う。
本発明に係る前記酵素性汚染除去組成物及び方法は、現在使用される溶剤形態反応性化学汚染除去剤を超えた多数の有意な利点を提供する。いくつかのこれらの利点は、水性酵素系の非苛性の特性を含み、使用者、設備、又は環境を損傷させる恐れがなく、使用者は安全に前記系を使用することができる。加えて、酵素系が、容易に移送され、容易に使用され、及び従来の汚染除去方法よりもより少ない量の水分の使用を必要とすることから、実施上の負担を減らすことができる。
さらに、従来の方法を用いた場合、汚染除去後の副生成物を回収する必要がある。一方、本発明で使用される前記界面活性剤は、生分解性である。前記過酸は、自然に酢酸又はプロピオン酸に分解し、それら両者も生分解性である。溶媒での反応性化学物質合成よりもより安全であり、非常に少ない容量で済むことから、本発明に係る酵素性系により行われる水中での現場の過酸の合成が望ましい。さらに、過酸化水素の酵素性活性剤は、化学物質の外部環境への影響が小さく、酵素活性剤の使用は、過酸の保存期間もコントロールすることができる。加えて、過酸化水素は寿命が短いが、系に存在する過炭酸又はそれと等価な物質の使用は、過酸化水素に関連した移送の問題を回避するのみならず、当該寿命の問題を回避する。過酸化水素に代わる前記過炭酸、又はその他の過酸化水素合成化合物の使用は、配合成分の構成の柔軟性も提供する。いくつかの好ましい実施形態において、前記配合剤は、水中にさらされて活性化されるまで非活性である原料を含む。従って、これらの配合剤は、特に汚染除去される物質の形態、配合適合性、及び(必要とされる)添加物の使用の調整に適しており、最適な効果を与える。液体として使用される場合に加えて、本発明に係る酵素系は、ゲル状、乳液等と同様に乾燥状及び小型生成物としても使用される。従って、本発明は、配合デザインに望ましい柔軟性を与え、使用のために選択される配合は、その用途に最適なものとなるようにすることができる。
定義
本明細書で別に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術的、科学的用語は、本発明の属する技術分野の当業者により一般的に理解される意味と同じ意味を有する。例えば、Singleton及びSainsburyによる、Dictionary of Microbiology and Molecular Biology(微生物及び分子生物学辞書)、第2版、John Wiley and Sons編集、ニューヨーク州(1994年);及びHale及びMarhamによる、Harper Collins Dictionary of Biology(ハーパーコリンズ生物学辞書)、Harper Perennial編集、ニューヨーク州(1991年)は、本発明で使用される多数の用語の意味を当業者に示す一般的な辞書である。本明細書に記載されているのと同様の又は均等の任意の方法及び物質が、本発明の実施に使用されるが、好ましい方法及び物質は、本明細書に記載される。従って、以下に定義される語は、本明細書の全体を参照することにより、より完全に理解される。また、本明細書で用いられている、単数の語「a」、「an」、及び「the」とは、文中で別途明確な記載がない限り、複数の場合を含む。別途記載がない限り、核酸は、左から右へ5’から3’方向で記載され、アミノ酸配列は、左から右へアミノ基からカルボキシ基方向でそれぞれ記載される。本発明は、記載された特定の手順、操作方法、及び試薬に限定されず、当業者が使用する状況に依存し、変化し得ることが意図される。
本明細書で示される全ての最大数値限定は、本明細書でより少ない数値限定が明確に記載されているかのように、全てのより少ない数値限定を含むことが意図される。本明細書で示される全ての最小数値限定は、本明細書でより多い数値限定が明確に記載されているように、全てのより多い数値限定を含む。本明細書で示される全ての数値範囲は、本明細書でより狭い数値範囲が明確に記載されているように、全てのより狭い数値範囲を含む。
本明細書で用いられている「汚染除去を必要とする物質」の語は、任意の汚染除去が必要とされる物を示す。特定の物質又は形態に限定されることは意図されない。例えば、いくつかの実施形態において、前記物質は、硬い表面であり、一方別の実施形態において、前記物質は、衣服の一部である。さらに別の実施形態において、前記物質は、織物である。さらに別の実施形態において、前記物質は、医学及び/又は獣医学の分野で使用される。いくつかの好ましい実施形態において、前記物質は、手術器具である。別の実施形態において、前記物質は、搬送(例えば、車道、滑走路、鉄道、列車、車両、航空機、船等。)に使用される。さらに別の実施形態において、食物及び/又は飼料類を示すのに使用される語は、肉類、肉類副産物、魚類、水産物、野菜、果物、乳製品、穀類、焼き物、貯蔵牧草、干し草、飼料等を含むが、これらに限られない。実際、前記の語は、本明細書で示される方法及び組成物に使用する汚染除去に適したいずれの物質をも含むことが意図される。
本明細書で用いられている「汚染除去」の語は、物質からの汚染物質の除去を示す。いくつかの好ましい実施形態において、汚染除去は、消毒を含み、一方別の実施形態において、前記の語は、滅菌を含む。しかしながら前記の語は微生物(例えば、細菌、真菌、ウイルス、プリオン等)による汚染の除去と同様に無生物による汚染の除去を含むことが意図されるように、前記の語は、上記の実施形態に限定することを意図しない。
本明細書で用いられている「消毒」の語は物質の表面上の微生物の抑制又は死滅と同様に表面からの汚染物質の除去を示す。本発明が、特定の表面、物質、又は除去されるべき汚染物質又は微生物に限定されることは意図されない。
本明細書で用いられている「滅菌」の語は、表面上の全ての微生物の死滅を示す。
本明細書で用いられている「殺胞子」の語は、限定されないが、真菌及び細菌の胞子を含めた、微生物の胞子の死滅を示す。前記の語は、胞子の生存能力を完全に断つ組成物と同様に胞子の発芽の抑制に効果的な組成物を含む。
本明細書で用いられている「細菌殺菌剤」、「殺菌剤」、及び「ウイルス殺菌剤」の語はそれぞれ、細菌、菌類、及びウイルスを死滅する組成物を示す。「微生物殺菌剤」の語は、細菌、菌類、ウイルス、原生動物、リケッチア等を含む任意の微生物の成長及び/又は複製を抑制する組成物を示が、これらに限られない。
本明細書で用いられている「細菌静菌剤」、「静菌剤」、及び「ウイルス静菌剤」の語はそれぞれ、細菌、菌類、及びウイルスの成長及び/又は複製を抑制する組成物を示す。「微生物静菌剤」の語は、細菌、菌類、ウイルス、原生動物、リケッチア等を含む微生物の成長及び/又は複製を抑制する組成物を示が、これらに限られない。
本明細書で用いられている「アシルトランスフェラーゼ」の語は、洗浄、漂白、及び消毒等の用途に適した十分な量の過酸を生成する反応を触媒可能な酵素を示す。特に好ましい実施形態において、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼ酵素は、極めて高い過加水分解の加水分解に対する割合を生産する。これらの独特な酵素による前記高い過加水分解の加水分解に対する割合は、非常に広範な用途での使用に適した酵素を生成する。別の好ましい実施形態において、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼは、注目すべき三次構造及び一次配列を有することで特徴付けられる。特に好ましい実施形態において、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼは、注目すべき一次及び三次構造を含む。いくつか特定の好ましい実施形態では、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼは、注目すべき四次構造を含む。いくつかの好ましい実施形態において、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼは、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼ(MsAcT)であり、一方別の実施形態において、前記アシルトランスフェラーゼは、当該アシルトランスフェラーゼの変異体であり、一方さらに別の実施形態において、前記アシルトランスフェラーゼは、当該アシルトランスフェラーゼのホモログである。さらに好ましい実施形態において、単量体の加水分解酵素は、オリジナルのモノマーに比べより優れたアシルトランスフェラーゼ活性を有する単量体の又は多量体の酵素を生成するため設計される。しかしながら、本発明により、当該特定のスメグマ菌アシルトランスフェラーゼ、特定の当該アシルトランスフェラーゼの変異体、もしくは特定の当該アシルトランスフェラーゼのホモログに限定することを意図しない。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記アシルトランスフェラーゼは、引用により完全に本明細書に組み込まれるWO05/056,782に開示及び記載された野生型スメグマ菌アシルトランスフェラーゼである。特に別の好ましい実施形態において、前記アシルトランスフェラーゼは、WO05/056,782で開示及び記載された変異体の酵素又はホモログの1つである。いくつか別の特に好ましい実施形態において、前記変異体は、MsAcTのS54V置換(本明細書で「S54V変異体」又は「変異体S54V」として引用されている)を含む。
本明細書で用いられている「多量体」の語は、共有結合的に又は非共有結合的に結合し、溶液内で複合体として存在する二以上のタンパク質又はペプチドを示す。「二量体」とは、2つのタンパク質又はペプチドを含む多量体であり;「三量体」とは、3つのタンパク質又はペプチド等を含む。本明細書で用いられている「八量体」とは、8つのタンパク質又はペプチドの多量体を示す。
本明細書で用いられている「洗浄剤」及び「洗浄配合剤」とは、布、皿、接触レンズ、その他の固体基質、毛髪(シャンプー)、皮膚(石鹸及びクリーム)、歯(口内洗浄剤、歯磨き剤)等の洗浄される物質からの好ましくない化合物の除去に使用される組成物を示す。前記の語は前記組成物が、組成物中で使用されるアシルトランスフェラーゼ及びその他の酵素に適合する限り、特定の望まれた洗浄剤のタイプ及び生成物の形態(例えば、液体、ゲル、顆粒、又はスプレー組成物)に選ばれる任意の物質/化合物を含む。前記特定の洗浄剤物質の選択は、洗浄される表面、物質又は布、及び使用の際の洗浄条件に望まれる組成物の所望の形態を考慮して容易に行われる。
前記の語は、さらに任意の対象物及び/又は表面の洗浄、漂白、消毒、及び/又は滅菌に適した任意の組成物を示す。前記の語は、洗浄剤(例えば、液体及び/又は固体洗濯洗浄剤及び細かい布洗浄剤;グラス、木材、セラミック及び金属カウンター頂面及び窓等の硬い表面用洗浄配合剤;カーペット洗浄剤;オーブン洗浄剤;布清浄剤;布柔軟剤;及び織物及び洗濯前染み抜き剤、皿洗浄剤)を含むことが意図されるが、これらに限られない。
実際、本明細書で用いられている「洗浄剤」の語は、特に記載されない限り、顆粒又は粉状万能又は強力洗浄剤、特に洗浄用浄化剤;液体、ゲル又はペースト状万能洗浄剤、特にいわゆる頑固な汚れの液体(HDL)のタイプ;液体上質布洗浄;手皿洗い剤又は軽質皿洗い剤、特にそれらの良く泡立つタイプ;多様な錠剤、顆粒、液体及び家庭用及び業務用の泡切れの良いタイプ等の機械皿洗い剤;抗細菌手洗いタイプ、クリーニングバー、マウスウォッシュ、入れ歯洗浄剤、車体又はカーペットシャンプー、風呂部屋洗浄剤等の液体洗浄及び消毒剤;ヘアシャンプー及びヘアリンス;シャワーゲル及び泡風呂及び金属洗浄剤;同様に漂白添加物及び「汚れ吸着」又は前処理タイプ等の洗浄補助剤を含む。
本明細書で用いられている「洗浄剤」及び「洗浄配合剤」の語は、汚れた対象物の洗浄に用いられる洗浄溶剤での使用を意図する混合物を示すのに使用される。いくつかの好ましい実施形態において、前記の語は、布及び/又は衣類の洗浄剤(例えば、「洗濯洗浄剤」)を示すのに使用される。別の実施形態において、前記の語は、皿、刃物類の洗浄に使用される洗浄剤等のその他の洗浄剤を示す。(例えば、「皿洗い洗浄剤」)。本発明は、特定の洗浄配合剤又は組成物に限定されることを意図しない。実際、アシルトランスフェラーゼに加えて、前記の語は、界面活性剤、トランスフェラーゼ、加水分解酵素、酸化還元酵素、ビルダー(builders)、漂白剤、漂白活性剤、接着剤及び蛍光色素、粘結阻害剤、マスキング剤、酵素活性剤、抗酸化剤、及び可溶化剤を含む洗浄剤を含むことが意図される。
本明細書で用いられている「硬い表面洗浄剤」の語は、床、壁、タイル、風呂及びキッチン付属品等の硬い表面の洗浄に用いられるの洗浄剤組成物を示す。当該組成物は、固体、液体、乳液等を含むが、これらに限られない任意の形態で提供される。
本明細書で用いられている「皿洗い組成物」とは、顆粒及び液体の形態を含むが、これらに限られない皿洗浄剤の組成物の全ての形態を示す。
本明細書で用いられている「布洗浄剤」とは、布の洗浄に用いられる洗浄剤で、顆粒、液体及び棒状を含む全ての形態を示すが、これらに限られない。
本明細書で用いられている「織物」とは、織り布や織糸、織物、ニットへの変換、又はそれらとしての使用に適したステープル繊維及び繊維、及び織られていない布を示す。前記の語は、天然由来織糸や合成織糸(例えば、製造された)繊維を含む。
本明細書で用いられている「織物」とは、繊維、織糸の中間体、織糸、布、及び布から作られる生産物(例えば、衣類及びその他の布切れ)の一般的な語である。
本明細書で用いられている「布」とは、任意の織物を含む。従って、前記の語は衣類や布、織糸、繊維、織られていない物質、天然物質、合成物質、及び任意のその他の織物を含むことが意図される。
本明細書で用いられている「適合する」の語は、アシルトランスフェラーゼが通常の使用状態で望まれるほど効果的でなくなる程度に前記洗浄剤物質がアシルトランスフェラーゼの酵素性活性を減少させないことを意味する。特定の洗浄剤物質は、以下本明細書の詳細で例示される。
本明細書で用いられている「アシルトランスフェラーゼ酵素の効果的な量」とは、特定の用途(例えば、汚染除去)に必要な酵素性活性を達成するのに必要なアシルトランスフェラーゼ酵素の量を示す。当該効果的な量は、当業者により容易に確認され、使用される特定の酵素変異体、前記洗浄の用途、前記洗浄剤の特定の組成物、及び液体又は乾燥された(例えば、顆粒状、棒状)組成物が必要とされるか等の多くの要素に基づいている。
本明細書で用いられている「無布洗浄剤」とは、硬い表面洗浄剤、皿洗い用組成物、家庭用ケア洗浄剤(例えば、口内洗浄剤、入れ歯洗浄剤、家庭用洗浄剤等)、及びパルプ及び紙産業の使用に適した組成物を含む。本明細書で用いられている「酸化化学物質」とは、漂白のキャップ能を有する化学物質を示す。酸化化学物質は、漂白に適した量、pH及び温度で存在する。前記の語は、過酸化水素及び過酸を含むが、これらに限られない。
本明細書で用いられている「アシル」とは、−OH基の除去後のカルボン酸残基である有機酸基(例えば、エタン酸CHCOO−Hにより形成された塩化アシルである塩化エタノイル、CHCO−Cl)の一般的な名称である。個々のアシル基の名称は、酸の「−ic」を「−yl」に置換することにより形成される。
本明細書で用いられている「アシル化」の語は、アシル(RCO−)基を分子にする、すなわち一般に−OH基の活性水素を置換してこの基を分子化する化学的転移を示す。
本明細書で用いられている「トランスフェラーゼ」の語は、機能性化合物から様々な基質への転移を触媒する酵素を示す。
本明細書で用いられている「脱離基」とは、別の求核物質による置換でアシル供与体から切断される求核物質を示す。
本明細書で用いられている「酵素性交換」の語は、酵素と基質又は中間体との接触による基質から中間体への修飾又は中間体から最終生成物への修飾を示す。いくつかの実施形態において、接触は、基質又は中間体を適切な酵素へ直接的にさらすことより行われる。別の実施形態において、接触は、酵素を発現及び/又は排出する、及び/又は所望の基質及び/又は中間体をそれぞれ中間体及び/又は最終生成物に代謝する有機体へ基質又は中間体をさらすことを含む。
本明細書で用いられている「洗浄安定性」の語は、洗浄剤の安定性を示す。いくつかの実施形態において、前記安定性は、洗浄剤の使用中に評価され、一方別の実施形態において、前記の語は、貯蔵中の洗浄剤の安定性を示す。
本明細書で用いられている「タンパク質分解への安定性」の語は、タンパク質分解に抵抗するタンパク質(例えば、酵素)の能力を示す。前記の語により、タンパク質の安定性の評価において、特定のプロテアーゼを用いることに限定されることを意図しない。
本明細書で用いられている「酸化安定性」とは、酸化条件下で機能するタンパク質の能力を示す。特に、前記の語は、多様な濃度のH及び/又は過酸の存在下で機能するタンパク質の能力を示す。多様な酸化条件下での安定性は、当業者に知られた標準過程により及び/又は本明細書に記載された方法により測定され得る。酸化安定性の実質的な変化は、酵素性活性の半減期において、酸化化合物の非存在下で存在する酵素活性と比べ、少なくとも約5%又はより大きく増加又は減少することにより立証される(ほとんどの実施形態において、好ましくは増加される)。
本明細書で用いられている「pH安定性」とは、特定のpHで機能するタンパク質の能力を示す。一般的には、ほとんどの酵素は、それらが機能する状態における一定のpH範囲を有する。pHの中間域(すなわち、pH7周辺)で機能する酵素に加えて、非常に高い又は非常に低いpHでの条件下で機能可能な酵素も存在する。多様なpHでの安定性は、当業者に知られた標準過程により及び/又は本明細書に記載された方法により測定され得る。pH安定性の実質的な変化は、酵素性活性の半減期において、最適pHでの酵素性活性と比べ、少なくとも約5%又はより大きく増加又は減少することにより立証される(ほとんどの実施形態において、好ましくは増加される)。しかしながら、本発明において任意のpH安定性のレベル又はpH域に限定することは意図されない。
本明細書で用いられている「熱安定性」とは、特定の温度で機能するタンパク質の能力を示す。一般的には、ほとんどの酵素は、それらが機能する状態における一定の温度を有する。温度の中間域(すなわち、室温)で機能する酵素に加えて、非常に高い又は非常に低い温度での条件下で機能可能な酵素も存在する。温度安定性は、公知の標準過程により又は本明細書に記載された方法により測定され得る。熱安定性の実質的な変化は、酵素性活性の半減期において、変異体がその酵素活性にとり最適の温度と異なる温度(すなわち、より高温又はより低温)にさらされたとき、触媒活性が少なくとも約5%又はより大きく増加又は減少することにより立証される(ほとんどの実施形態において、好ましくは増加される)。しかしながら、本発明において特定の熱安定性のレベル又は温度域に限定することは意図されない。
本明細書で用いられている「化学的安定性」の語は、その活性に不利に影響する化学物質に対するタンパク質(例えば、酵素)の安定性を示す。いくつかの実施形態において、当該化学物質は、過酸化水素、過酸、陰イオン洗浄剤、陽イオン洗浄剤、非イオン性洗浄剤、キレート剤等を含むが、これらに限定されない。しかしながら、本発明が、特定の化学的安定性レベル又は化学的安定性の範囲に限定されることは意図されない。
本明細書で用いられている「基質特異性の改変」の語は、酵素基質特異性の変化を示す。いくつかの実施形態において、基質特異性の変化は、酵素変異体又はその他の酵素組成物と比べ、酵素で確認されるKcat/Km比間の相違により定義される。酵素基質特異性は、試験される基質に依存し、変化する。当該酵素基質特異性は、異なる基質で示される触媒の有効性を比較することにより決定される。目的の特定の基質においてより高い割合を示す変異体酵素の生成が通常望まれることから、これらの決定は、変異体酵素の有効性の評価において、特定の用途を検出する。例えば、本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼ酵素は、汚染除去、洗浄、漂白及び消毒の用途に現在使用される酵素よりもより効率的にエステル基質から過酸を生成する。本発明に係るその他の例は、野生型と比べより低い過酸分解活性を有するアシルトランスフェラーゼである。本発明に係るその他の例は、酢酸よりもより疎水のアシル基でより高い活性を有するアシルトランスフェラーゼである。しかしながら、本発明は特定の基質組成物又は任意の特定基質特異性に限定することは意図されない。
本明細書で用いられている「表面特性」とは、タンパク質の表面で示される帯電性や疎水性及び/又は親水性等の特性を示すのに使用される。
本明細書で用いられている「・・・からなる群から独立して選択される」の語は、引用されるマーカッシュ群から選択される単位又は要素が、続いて示される例中の同一のものか、異なるものか、又は要素の任意の組み合わせとされることを意味する。
本明細書で用いられている「精製された」及び「単離された」の語は、試料からの汚染物質の除去を示す。例えば、アシルトランスフェラーゼは、溶液又は調合液中でアシルトランスフェラーゼ以外の汚染タンパク質及びその他の化合物の除去により精製される。いくつかの実施形態において、組み換えアシルトランスフェラーゼは、細菌又は真菌宿主細胞で発現され、これらの組み換えアシルトランスフェラーゼは、その他の宿主細胞の構成物質の除去により精製され;試料中の組み換えアシルトランスフェラーゼポリペプチドの割合は、よって増加する。
本明細書で用いられている「誘導体」の語は、C−及びN−末端の一方又は両方への1以上のアミノ酸の追加、アミノ酸配列の1もしくは複数の異なる部位での1以上のアミノ酸の置換、及び/又はタンパク質の一方又は両方の末端又はアミノ酸配列の1以上の部位での1以上のアミノ酸の削除、及び/又はアミノ酸配列の1以上の部位での1以上のアミノ酸の挿入によりタンパク質から誘導されるタンパク質を示す。好ましいタンパク質誘導体の調製は、天然のタンパク質をコードするDNA配列の修飾、適した宿主へのDNA配列の転移、及び修飾されたDNA配列の発現により誘導体タンパク質を形成することにより達成される。
関連(及び誘導体)タンパク質は、「変異体タンパク質」を含む。いくつかの好ましい実施形態において、変異体タンパク質は、少数アミノ酸残基の差で親タンパク質や他のタンパク質と異なる。相違するアミノ酸残基の数は、1以上の、好ましくは1、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50以上のアミノ酸残基とすることができる。いくつかの好ましい実施形態において、変異体間で相違するアミノ酸残基の数は、1から10の間である。いくつか特定の好ましい実施形態では、関連タンパク質及び特定の変異体タンパク質は、少なくとも35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、98%、又は99%のアミノ酸配列の同一性を含む。加えて、本明細書で用いられている関連タンパク質又は変異体タンパク質は、その他の関連タンパク質又は親タンパク質と突出した領域の数で異なるタンパク質を示す。例えば、いくつかの実施形態において、変異体タンパク質は、1、2、3、4、5、又は10に相当する親タンパク質と異なる突出した領域を有する。
本発明に係るアシルトランスフェラーゼ酵素の変異体の合成に適したいくつかの方法が知られ、部位集中突然変異作成、スキャニング突然変異作成、挿入突然変異作成、ランダム突然変異作成、部位直接突然変異作成、及び直接進化(directed−evolution)や多様なその他の組換え手法を含むが、これらに限られない。
特に好ましい実施形態において、相同タンパク質は、望ましい活性を有する酵素の生成のために設計される。いくつか特定の好ましい実施形態では、前記設計されたタンパク質は、タンパク質のSGNH−加水分解酵素ファミリーに含まれる。いくつかの最も好ましい実施形態において、前記設計されたタンパク質は、以下の保存された残基の少なくとも1又はそれらの組み合わせを含む:すなわち、L6、W14、W34、L38、R56、D62、L74、L78、H81、P83、M90、K97、Gl10、Ll14、L135、F180、G205である。別の実施形態において、これらの設計されたタンパク質は、GDSL−GRTT及び/又はARTTモチーフを含む。別の実施形態において、前記酵素は、多量体であり、二量体、八量体、及び四量体からなるが、これらに限られない。さらに別の好ましい実施形態において、前記設計されたタンパク質は、1より大きい過加水分解の加水分解に対する割合を示す。
アシルトランスフェラーゼのアミノ酸残基は、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼ内の特定残基又は残基の一部と相同(すなわち、一次構造及び/又は三次構造で相当する位置を有する)又は類似(すなわち、結合、反応、及び/又は化学的相互作用において同等又は類似した機能性を有する)する場合、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの残基と等価である。
いくつかの実施形態において、一次構造との相同性を確立するため、アシルトランスフェラーゼの前記アミノ酸配列は、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの一次配列と直接比較され、特に配列が公知のアシルトランスフェラーゼの全ての変異体として知られた一連の残基と比較される。保存残基をアライニングし、アライメントを維持する(すなわち、恣意的な削除及び挿入による保存残基の脱離を防ぐ)ために必要な挿入及び削除をさせた後、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの一次配列の特定のアミノ酸と等価の残基が特定される。好ましい実施形態において、保存残基のアライメントは、当該残基の100%を保存している。しかしながら、75%より多い又は50%の保存残基のアライメントもまた、等価残基の特定に適している。好ましい実施形態において、触媒のセリン及びヒスチジン残基の保存が維持されている。
保存残基は、その他のアシルトランスフェラーゼ(例えば、その他の真菌細菌種やその他の任意の生物由来のアシルトランスフェラーゼ)内でスメグマ菌アシルトランスフェラーゼの相当する等価アミノ酸残基の特定に使用される。
本発明に係るいくつかの実施形態において、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼをコードしたDNA配列は、修飾される。いくつかの実施形態において、以下の残基が修飾される:すなわち、Cys7、Asp10、Ser11、Leu12、Thr13、Trp14、Trp16、Pro24、Thr25、Leu53、Ser54、Ala55、Thr64、Asp65、Arg67、Cys77、Thr91、Asn94、Asp95、Tyr99、Val125、Pro138、Leu140、Pro146、Pro148、Trp149、Phe150、Ile153、Phe154、Thr159、Thr186、Ile192、Ile194、及びPhe196である。しかしながら、本発明は、これらの位置での修飾に限定することを意図していない。実際、本発明は、多様な修飾及び修飾の組み合わせを含むことを意図している。
別の実施形態において、等価残基は、X線結晶構造解析により決定された三次構造を有するアシルトランスフェラーゼの三次構造のレベルで相同性を決定することにより定義される。本明細書の「等価残基」とは、アラインメント後のカルボニル加水分解酵素及びスメグマ菌アシルトランスフェラーゼの特定のアミノ酸残基の2以上の主鎖原子の原子配位(NとN、CAとCA、CとC、及びOとO)が、0.13nm以内及び好ましくは0.1nm以内である残基として定義される。アライメントは、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼに関して、アシルトランスフェラーゼの無水素タンパク質原子の原子配位が最大に重なり合う配向及び位置となる最良のモデルにより達成される。当該分野で知られているように、最良のモデルは、最も高い解析能での試験的回析データで最も低いRファクターを示す結晶学的モデルである。スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの特定残基に機能的に及び/又は構造的に類似した等価残基は、タンパク質構造を変化、修飾又は調整させ、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの特定残基に起因する所定の方法で基質の結合及び/又は触媒作用の変化をもたらすようにコンフォメーションを好ましく選択するアシルトランスフェラーゼのアミノ酸として定義される。さらに、それらは、残基に示された主鎖原子が、相同的位置を占めることに関しては等価性の基準を満たし得ないが、残基の少なくとも2つの側鎖原子の原子配位が、スメグマ菌アシルトランスフェラーゼの相当する側鎖原子の0.13nmの間隔で配置される点において相同的地位を占めるアシルトランスフェラーゼの残基である(三次構造が、X線結晶構造解析により得られた場合)。
いくつかの実施形態において、置換、挿入又は削除に関して同定されたいくつかの残基は、保存残基であり、それ以外は保存残基ではない。本発明に係る前記アシルトランスフェラーゼの変異体は、多様な変異体を含み、シグナル配列を含む核酸によりコードされる変異体を含む。前記シグナル配列によりコードされるアシルトランスフェラーゼ変異体のいくつかの実施形態は、発現宿主により分泌される。さらにいくつかの実施形態において、前記核酸配列は、分泌シグナルを有するホモログを含む。
野生型及び変異体タンパク質の特性解析は、任意の適した手法により行われ、好ましくは目的物の特性の評価に基づく。例えば、pH及び/又は温度、洗浄安定性及び/又は酸化安定性が本発明に係るいくつかの実施形態において決定された。実際、1以上の当該特性(pH、温度、タンパク質分解の安定性、洗浄安定性、及び/又は酸化安定性)において多様な程度の安定性を有する酵素が使用されることが意図される。さらにその他の実施形態において、低い過酸分解活性を有するアシルトランスフェラーゼが選択される。
本明細書で用いられている「相当する」とは、タンパク質又はペプチド内の列挙された残基に類似する、相同する、又は等価である、タンパク質又はペプチド、又は残基内の列挙された位置の残基を示す。
本明細書で用いられている「相当する領域」とは、一般的に関連タンパク質又は親タンパク質における類似する位置を示す。
「コードする核酸分子」、「コードする核酸配列」、「コードするDNA配列」、及び「コードするDNA」の語は、デオキシリボヌクレオチド鎖に沿ったデオキシリボヌクレオチド順序又は配列を示す。デオキシリボヌクレオチドの順序は、ポリペプチド(タンパク質)鎖に沿ったアミノ酸の順序を決定する。従ってDNA配列は、アミノ酸配列をコードする。
本明細書で用いられている用語「類似配列」は、目的のタンパク質(すなわち、通常オリジナルの目的タンパク質)と同様の機能、三次構造、及び/又は保存残基を与えるタンパク質中の配列を示す。例えば、アルファへリックス又はベータシート構造を含むエピトープ領域において、好ましい類似配列を有する置換アミノ酸は、同様の特定構造を維持する。前記用語は、核酸配列やアミノ酸配列も示す。いくつかの実施形態において、類似配列は、置換アミノ酸が同様の又は優れた機能を示す変異体酵素を与えるように開発される。いくつかの好ましい実施形態において、目的のタンパク質内アミノ酸の前記三次構造及び/又は保存残基は、目的のセグメント又は断片又はその近くに位置する。従って、目的のセグメント又は断片が、例えば、アルファ−へリックス又はベータ−シート構造を含む場合、置換アミノ酸は、好ましくは特定構造を維持する。
本明細書で用いられている「相同タンパク質」とは、目的のタンパク質(例えば、アシルトランスフェラーゼ)と同様の反応及び/又は構造を有するタンパク質(例えば、別起源のアシルトランスフェラーゼ)を示す。相同性が進化的に関連している必要性は意図されない。従って、前記の語は、異なる種から得られる同等又は類似の酵素(すなわち、構造及び機能に関して)を含むことを意図する。いくつかの好ましい実施形態において、目的のタンパク質と同様の四次、三次及び/又は一次構造を有するホモログを同定することが望まれ、目的のタンパク質のセグメント又は断片をホモログからの類似セグメントへ置換することは、置換による破損を減少させるだろう。いくつかの実施形態において、相同タンパク質は、目的のタンパク質と同様の免疫反応を誘導した。
本明細書で用いられている「野生型」及び「天然」のタンパク質は、自然で見つけられるタンパク質である。「野生型配列」、及び「野生型遺伝子」の語は、互換的に用いられ、天然起源の又は宿主細胞で自然に生ずる配列としても本明細書で使用される。いくつかの実施形態において、当該野生型配列は、タンパク質設計の起点である目的の配列を示す。天然起源タンパク質をコードする遺伝子は、当業者に知られた一般的な方法に従って得ることができる。当該方法は通常、目的タンパク質の領域をコードする推定上の配列を有するラベルプローブの合成、タンパク質発現生物からの遺伝子ライブラリーの調製、及びライブラリーからプローブのハイブリダイゼーションによる目的遺伝子のスクリーニングを含む。最終的にハイブリダイズするクローンは、マッピング及びシークエンスされる。
本明細書で用いられている「組み換えDNA分子」の語は、分子生物工学の手法により結合されたDNAセグメントを含むDNA分子を示す。
「組み換えオリゴヌクレオチド」の語は、制限酵素によるポリヌクレオチド配列の切断より行われる2以上のオリゴヌクレオチド配列のライゲーション、オリゴヌクレオチドの合成(例えば、プライマー又はオリゴヌクレオチドの合成)等を含むが、これらに限られない分子生物学的操作により作成されたオリゴヌクレオチドを示す。
配列間の相同性の度合は、公知の適当な方法を用いて決定され得る(例えば、Smith及びWatermanによるAdv.Appl.Math.、2:482[1981年];Needleman及びWunschによるJ.MoI.Biol.、48:443[1970年];Pearson及びLipmanによるProc.Natl.Acad.Sci.米国85:2444[1988年];Wisconsin Genetics Software Package(ウィスコンシン・ジェネティックス・ソフトウェア・パッケージ)のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA(ジェネティックス・コンピューター・グループ、メディソン、ウィスコンシン州)等のプログラム;及びDevereux他のNucl.Acid Res.、12:387−395[1984年]を参照)。
「実質的に類似である」及び「実質的に同一である」の語は通常、少なくとも2つの核酸又はポリペプチドの間で、ポリヌクレオチド又はポリペプチドが別の引用配列(すなわち、野生型)と比べて、少なくとも約40%の同一性、より好ましくは少なくとも約50%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも約60%の同一性、好ましくは少なくとも約75%の同一性、より好ましくは少なくとも約80%の同一性、さらにより好ましくは少なくとも約90%、さらにより好ましくは約95%、最も好ましくは約97%の同一性、時に約98%及び約99%程度の配列の同一性を有する配列を含むことを意味する。配列の同一性は、公知のBLAST、ALIGN、及びCLUSTAL等のプログラムで標準パラメーターを用いて決定され得る。(例えば、Altschul他のJ.MoI.Biol.215:403−410[1990年];Henikoff他のProc.Natl.Acad.Sci.米国89:10915[1989年];Karin他のProc.Natl.Acad.Sci米国90:5873[1993年];及びHiggins他のGene73:237−244[1988年]を参照)。BLAST解析に用いられるソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(国立バイオテクノロジー情報センター)で公的に入手可能である。また、データベースは、FASTA(Pearson他のProc.Natl.Acad.Sci.米国85:2444−2448[1988年])を用いても検索が可能である。2つのポリペプチドが実質的に同一であることの指標は、第一のポリペプチドが、第二のポリペプチドと免疫学的に交差反応するかである。保存アミノ酸置換によって異なるポリペプチドは通常、免疫学的に交差反応性である。従って、例えば、2つのペプチドが、保存配列の置換によってのみが異なる場合、ポリペプチドは、第二のポリペプチドと実質的に同一である。2つの核酸配列が実質的に同一であることの別の指標は、2つの分子が、ストリンジェントな条件で(例えば、中度から高度のストリンジェンシーの範囲で)、お互いにハイブリダイズするかである。
本明細書で用いられている「等価残基」とは、特定のアミノ酸残基を共有するタンパク質を示す。例えば等価残基は、X線結晶構造解析により決定された三次構造を有するタンパク質(例えば、アシルトランスフェラーゼ)の三次構造のレベルで相同性を決定することにより特定される。等価残基は等価残基を有すると推定されるタンパク質及び目的のタンパク質の特定のアミノ酸残基の2以上の主鎖原子の原子配位(NとN、CAとCA、CとC、及びOとO)が、アライメント後に0.13nm以内及び好ましくは0.1nm以内である残基として定義される。アライメントは、解析されるタンパク質の無水素タンパク質原子の原子配位が最大に重なり合う配向及び位置となる最良のモデルにより達成される。好ましいモデルは、結晶解析及びタンパク質の特性解析/分析の分野における当業者に知られた方法を用いて決定される、最も高い解析能での試験的回析データで最も低いRファクターを示す結晶学的モデルである。
発明の詳細な説明
本発明は、汚染除去の用途に使用される水分中で効率的にペルオキシ酢酸を生成する酵素系を提供する。好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質、過酸化水素、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む系を提供する。しかしながら、本発明は、任意の過酸(例えば、C10からCl8の又はより長鎖の長鎖脂肪酸からなる過酸や過ノナン酸)が本発明で使用され、ペルオキシ酢酸に限ることを意図していない。実際、多様な過酸が本発明で使用される。いくつか特定の好ましい実施形態おいて、前記系は、さらに少なくとも1の界面活性剤を含む。別の好ましい実施形態において、本発明は、少なくとも1の野生型及び/又は変異体アシルトランスフェラーゼを提供する。本発明は、一般的な表面洗浄及び汚染除去と同様に広域な生物化学兵器用物質へ用いる汚染除去の所定の用途に使用される。
いくつかの実施形態において、本発明は、毒性の化学物質、マスタード、VX、炭疽菌胞子、Y.ペスト、F.ツラレンシス、菌類、及び毒素(例えば、ボツリヌス菌毒素、リシン、真菌毒素等)等を含むが、これらに限られない物質により汚染された物質や感染性ビリオン(例えば、フラビウイルス、オルソミクスウイルス、パラミクスウイルス、アリーナウイルス、ラブドウイルス、アルボウイルス、腸ウイルス、ブニアウイルス等)により感染された細胞の汚染除去に使用される。
いくつか特定の好ましい実施形態では、本発明は、広範囲の温度(例えば、約5℃から約90℃;約16℃から約60℃;及び約25℃から約100℃)で機能できる系を提供する。さらに別の好ましい実施形態において、前記系は、化学物質の外部環境への影響を小さくし、短期及び/又は長期の貯蔵で安定である。実際、本発明に係る系は、多数の用途で使用されることを意図する。本発明における酵素系は必要に応じて設計され、液体、顆粒、泡状、乳液等を含む多様な形態で使用されることが意図される。実際、本発明は、特定の形態に限ることを意図しない。
さらに別の実施形態において、本発明に係る当該アシルトランスフェラーゼ系は、プロテアーゼ、アミラーゼ等を含むが、これらに限られない追加酵素と併用される。実際、微生物の細胞壁分解酵素及びグリコタンパク質分解酵素、リゾチーム、ヘミセルラーゼ、過オキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントース分解酵素(pentosanases)、マラナーゼ(malanases)、ベータ−グルカナーゼ、アラビノシド分解酵素(arabinosidases)、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ、エンドグルカナーゼ、PNG分解酵素、アミラーゼ等やそれらの混合物を含むが、これらに限られない多様な酵素が本発明に併用される。いくつかの実施形態において、酵素安定剤が、本発明で使用される。酵素を組み合わせることにより、必要とされる化学物質の量も同時に減らすことが意図される。
いくつか特定の好ましい実施形態において、本発明は、エステル基質及び過酸化水素からの過酸の酵素性合成に使用される。本発明では、適した基質を有し、H及び酸を生成する任意の酵素が、本発明に係る方法に使用され、本発明は過酸化水素合成に用いられる特定の酵素に限ることを意図していない。例えば、乳酸及び酸素からHを産生するとして知られているラクトバチルス種由来の乳酸オキシダーゼが本発明で使用される。実際、本発明に係る方法の1つの利点は、酸の生成が、塩基性溶液のpHを漂白で過酸が最も効果的なpH域(すなわち、pKa以下)に下げることである。過酸化水素を生成し得るその他の酵素(例えば、アルコールオキシダーゼ、エチレングリコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、アミノ酸オキシダーゼ等)もエステル基質と共に本発明に係る過加水分解酵素と組み合わせて過酸の生成に使用される。過酸化水素を合成せずに基質から酸を生成する酵素も本発明で使用される。当該酵素の例は、プロテアーゼを含むが、これらに限られない。従って、本明細書で記載されているように、本発明は、現在使用されている汚染除去の配合剤及び使用や多様なその他の用途に用いられる方法及び組成物を越えて明確な利点を提供する。
いくつかの好ましい実施形態において、基質は、以下の1以上から選択される:すなわち、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、カプリル酸、ノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、及びオレイン酸である。
本明細書に記載されたアシルトランスフェラーゼに加えて、エステル結合に作用するカルボン酸エステル加水分解酵素、チオエステル加水分解酵素、リン酸モノエステル加水分解酵素、及びリン酸ジエステル加水分解酵素;エーテル結合に作用するチオエーテル加水分解酵素;及びペプチド結合に作用する[アルファ]−アミノ−アシル−ペプチド加水分解酵素、ペプチジル−アミノ酸加水分解酵素、アシル−アミノ酸加水分解酵素、ジペプチド加水分解酵素、及びペプチジル−ペプチド加水分解酵素を含むが、これらに限られない多様な加水分解酵素が本発明に使用される。。これらの加水分解酵素は、単独で又は過加水分解酵素との組み合わせで使用される。それらの内好ましいものは、カルボン酸エステル加水分解酵素、及びペプチジル−ペプチド加水分解酵素である。適した加水分解酵素は、以下を含む:すなわち、(1)ペプチジル−ペプチド加水分解酵素分類のプロテアーゼ(例えば、ペプシン、ペプシンB、レンニン、トリプシン、キモトリプシンA、キモトリプシンB、エラスターゼ、エンテロキナーゼ、カテプシンC、パパイン、キモパパイン、フィシン、トロンビン、フィブリノリシン、レニン、スブチリシン、アスペルギロペプチダーゼA、コラゲナーゼ、カロストリジオ(clostridio)ペプチダーゼB、カリクレイン、ガストリシン(gastrisin)、カテプシンD、ブロメリン、ケラチナーゼ、キモトリプシンC、ペプシンC、アスペルギロペプチダーゼB、ウロキナーゼ、カルボキシペプチダーゼA及びB、及びアミノペプチダーゼ);(2)カルボキシルエステラーゼ、リパーゼ、ペクチンエステラーゼ、及びクロロフィラーゼを含むカルボン酸エステル加水分解酵素;及び(3)高い過加水分解の加水分解に対する割合を有する酵素である。それらの内、特に効果的なものは、高い過加水分解の加水分解に対する割合を示すリパーゼやエステラーゼ、タンパク質設計されたエステラーゼ、クチナーゼ、及び本発明に係る過加水分解酵素の一次、二次、三次、及び/又は四次構造の特性を用いたリパーゼである。
加水分解酵素は、目的に従って必要なだけ洗浄剤に混入される。好ましい加水分解酵素は、0.00001から5重量パーセント、及びより好ましくは0.02から3重量パーセンの量で混入される。当該酵素は、原料酵素単独又は他の酵素及び/又は成分との組み合わせから作成される顆粒の形態で洗浄剤中に使用されるべきである。原料酵素の顆粒は、精製された酵素が、顆粒中で0.001から50重量パーセントの量で使用される。前記顆粒は、0.002から20及び好ましくは0.1から10重量パーセントの量で使用される。いくつかの実施形態において、前記顆粒は、酵素保護剤及び溶解遅延物質(すなわち、使用中に顆粒の溶解を遅延する物質)を含むように形態化される。
加えて、オキシダーゼが、本発明で使用され、アルドースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.9)、ガラクトースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.9)、セロビオースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.25)、ピラノースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.10)、ソルボースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.11)及び/又はヘキソースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.5)、グルコースオキシダーゼ(IUPAC分類EC1.1.3.4)及びそれらの混合物からなる群から選択される炭水化物オキシダーゼを含む。実際、以下の方程式:
酵素+還元基質→酸化基質+H
に従う任意の適したオキシダーゼが本発明で使用されることが意図される。
追加的な成分が本発明に係る配合剤として使用される。本明細書で多様な成分が記載されるが、本発明に係る配合剤がそれにより限定されることを意図しない。実際、例えば洗浄される素地の処理における洗浄能力を補助又は促進する、又は香水、着色料、染料等の場合の洗浄剤の感性を修飾する目的で、本明細書に非限定的に示される添加物が、本組成物に使用され、本発明に係る所定の実施形態に好ましくは組み込まれ得るが、これらは本発明に不可欠ではない。前記成分が、本発明に係る酵素、過酸化水素及び/又は過酸化水素の原料及びエステル部分を含む物質に加えられることは理解される。これらの追加的な成分の精密な特性、及びそれらの混入の程度は、使用される組成物の物理的形態及び洗浄工程の性質に依存するだろう。適した添加物は、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、色素転移阻害剤、沈殿補助剤、分散剤、腐食阻害剤、追加酵素、及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性剤、漂白ブースター、既製過酸、ポリマー分散剤、粘度質土壌除去/抗再付着剤、光沢剤、抑泡剤、染料、香水、構造伸縮剤、キャリヤー、ヒドロトロープ、加工補助剤及び/又は色素を含むが、これらに限定されない。以下の開示に加えて、適したそれらの他の添加剤及びその使用の程度は、引用として本明細書に組み込まれる米国特許第5,576,282号、第6,306,812号、及び第6,326,348号に例示される。上述の添加物成分は、本発明に係る洗浄剤のバランスを構成し得る。
いくつかの実施形態において、本発明に係る酵素系は、さらに汚染除去後の任意の残渣過酸及び/又はHを除去する酵素を含む。前記酵素は、カタラーゼ及び/又は加水分解酵素を含むがこれらに限定されない。
重要なことに、本発明は、広範なpH及び温度域で効果的な洗浄、漂白、及び消毒の手段を提供する。いくつかの実施形態において、本発明に係る合成で用いられるpH域は、4から12である。いくつか別の実施形態において、用いられる温度域は、約5℃及び約90℃の間である。本発明は、漂白が過酸の酸化に最適なpHで可能な点や、中性pH、酸性pH、及び低温での漂白を可能とする点で、現在使用されている系(例えば、欧州特許出願第87−304,933.9号参照)より優れた利点を提供する。
試験
以下の実施例は、特定の好ましい実施形態及び本発明の若干の側面を実証し詳述するために提供され、それらの範囲を限定することを意図しない。
以下の実施例の開示において、以下の略語が用いられる:すなわち、℃(摂氏の単位);RT(室温);rpm(分当たりの回転数);HO(水);dHO(蒸留水);HCl(塩酸);aa(アミノ酸);bp(塩基対);kb(キロ塩基対);kD(キロダルトン);gm(グラム);μg及びug(マイクログラム);mg(ミリグラム);ng(ナノグラム);μl及びul(マイクロリットル);ml(ミリリットル);mm(ミリメートル);nm(ナノメートル);μm及びum(マイクロメートル);M(モル);mM(ミリモル);μM及びuM(マイクロモル);U(ユニット);V(ボルト);MW(分子量);sec(秒);min(分);hr(時間);MgCl(塩化マグネシウム);NaCl(塩化ナトリウム);OD420(420nmの吸光度);PAGE(ポリアクリルアミドゲル電気泳動);EtOH(エタノール);LB(Luriaブロス);LA(Luria寒天);PBS(リン酸緩衝液[150mMNaCl、10mMリン酸ナトリウムバッファー、pH7.2]);SDS(ドデシル硫酸ナトリウム);Tris(トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン);w/v(重量対体積);v/v(体積対体積);wt%(重量パーセント);PAA(ペルオキシ酢酸);Per(過加水分解酵素);per(過加水分解酵素遺伝子);Ms(スメグマ菌);MsAcT(Mスメグマ菌アシルトランスフェラーゼ);S54V変異体(S54V置換を含むMスメグマ菌アシルトランスフェラーゼ変異体);MS(質量分光器);Dial(Dial Brands、Inc.(ジアル・ブランズ,インク)、スコッツデール、アリゾナ州);Kemira(Kemira Industrial Chemicals(ケミラ・インダストリアル・ケミカルズ)、ヘルシングボリ、スエーデン);EM Science(EM Science(EMサイエンス)、ギブストン、ニュージャージー州);HP(Hewlett−Packard(ヒューレット・パッカード)、パロ・アルト、カリフォルニア州);ICN(ICN Pharmaceuticals,Inc.(ICNファーマシューティカルズ,インク)、コスタメサ、カリフォルニア州);Dial(Dial,Corp.(ジアル,コーポレーション)、スコッツデール、アリゾナ州);Pierce(Pierce Biotechnology(ピァース・バイオテクノロジー)、ロックフォード、イリノイ州);Amicon(Arnicon,Inc.(アルニコン,インク)、ビバリー、マサチューセッツ州);ATCC(American Type Culture Collection(アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション)、マナッサス、バージニア州);Amersham(Amersham Biosciences,Inc.(アメルシャム・バイオサイエンス,インク)、ピスカタウェイ、ニュージャージー州);Becton Dickinson(Becton Dickinson Labware(ベクトン・ジキンソン・ラボウェア)、リンカーンパーク、ニュージャージー州);BioRad(BioRad(バイオラッド)、リッチモンド、カリフォルニア州);Difco(Difco Laboratories(ジフコ・ラボラトリーズ)、デトロイト、ミシガン州);GIBCO BRL又はGibco BRL(Life Technologies,Inc.(ライフ・テクノロジーズ,インク)、ゲイサーズバーグ、メリーランド州);MIDI(MIDI Labs(MIDIラボズ)、ニューアーク、デラウエア州);Sigma又はAldrich(Sigma−Aldrich Inc.(シグマ−アルドリッチ・インク)、セントルイス、ミズーリ州);Sorvall(Sorvall Instruments,a subsidiary of DuPont Co.,Biotechnology Systems(ソルバル・インスツルメンツ,デュポント・コーポレーションの子会社,バイオテクノロジー・システムズ)、ウィルミントン、デラウエア州);Agilent(Agilent Technologies(アジレント・テクノロジーズ)、パロ・アルト、カリフォルニア州);Minolta(Konica Minolta(コニカ・ミノルタ)、ラムジー、ニュージャージー州);及びZeiss(Carl Zeiss,Inc.(カール・ツァイス,インク)、Thornwood、ニューヨーク州)である。
実施例1
ペルオキシ酢酸(PAA)による枯草菌胞子の死滅曲線
この実施例において、試験により枯草菌胞子のペルオキシ酢酸及び洗浄剤を伴うペルオキシ酢酸による死滅曲線の決定を行った(この実施例において商業的に入手可能なPUREX(登録商標)[Dial]を使用した)。これらの試験において、枯草菌胞子を当該分野で公知の方法により調製した(例えば、Siccardi他によるJ.Bacterid.、121:13−19[1975年]参照)。ペルオキシ酢酸(32重量%の酢酸;Aldrich)を含む96ウェルの丸底マイクロタイタープレート(Costar)で2ウェルずつ解析を行った。前記PAAを50mMKPOバッファー、pH7.1(「バッファー」)、もしくはPurex(オリジナル処方;Dial)の1:500希釈を含んだ同じバッファー(「バッファー+洗浄剤」)のいずれかで連続的に希釈し、全量を50μlにした。解析に添加されたPAAの量は、0、0.4、4又は40mMであった。10から1010胞子を含む5μl体積の胞子懸濁液をその後各ウェルに添加し、当該アッセイをRTで15分間インキュベートした。氷冷のLB(150μl)(例えば、Sambrook他による「Molecular Cloning:A Laboratory Manual(分子クローニング:ラボマニュアル)」、第2版(Cold Spring Harbor(コールド・スプリング・ハーバー))、[1989年])をその後各ウェルに添加及び混合し、さらに100μlを新しい96ウェルプレートに移した。各溶液の段階希釈を行った(全量で100μl/ウェル)。各希釈液の5μl量をLAプレート(Sambrook他、上巻)にスポットし、37℃で17から24時間インキュベートした。コロニー数を数え、各コントロール(過酸を含まないバッファー単独又はバッファー+洗浄剤)と比較した胞子の死滅%を決定した。1つの実験を二重に行い平均の結果を表1に示した。しかしながら、二重試験の結果は、独立して二度実験を行った結果とも類似していた。これらの結果に基づいて、PAAの約4から約40mMの範囲が15分間で枯草菌胞子を死滅するのに十分であると決定した。
Figure 2009531017
実施例2
PAAの酵素性合成
この実施例において、アシルトランスフェラーゼによるPAAの3つの合成方法を記載した。1つの方法において、少なくとも1のアシルトランスフェラーゼ(野生型又は変異体)を1以上の界面活性剤と共に、又は界面活性剤を除いたバッファー又は洗浄剤で、少なくとも1のエステル基質、及び過酸化水素と混合した。別の方法において、少なくとも1のアシルトランスフェラーゼ(野生型又は変異体)、少なくとも1のエステル基質、及び過炭酸ナトリウム(又はその他のHの原料)を1以上のその他の界面活性剤と共に、又は界面活性剤を除いてバッファー又は洗浄剤で混合した。さらに別の方法において、少なくとも1のアシルトランスフェラーゼ(野生型又は変異体)をバッファー又は洗浄剤中で胞子を死滅させる量のPAAを十分に生成する濃度でグルコースオキシダーゼ及びグルコースと混合した。いくつかの配合剤において、1以上のその他の界面活性剤も含めた。Hを生成し、オキシダーゼ、酸化還元酵素(例えば、グルコースオキシダーゼ又はヘキソースオキシダーゼ)を含むその他の酵素も、本発明の系で使用した。いくつかの好ましい実施形態において、共因子独立(co−factor independent)のアルコールオキシダーゼを使用した。
PAA濃度の決定
これらの試験において、当該分野で知られた方法でPAAの濃度を決定した(例えば、Pinkernell他によるAnalyst(分析)、122:567−571[1997年]を参照)。このABTS解析において、分析される100μlの溶液を1.0mM3−エチルベンゾチアゾリン−6−スルホン酸(ABTS)及び50uMKIを含む1mlの125mMクエン酸カリウムバッファー、pH5.0に添加し、室温で3分間インキュベートさせた。HP8452Aダイオードアレイスペクトロフォトマーを用いて420nmで吸光度を測定し、認証基準を用いて調整された標準曲線と比較した。PAAを合成する酵素性反応を酵素の添加により開始させ、室温で反応させた。示された時間で反応から試料の一部を回収し、PAA濃度を解析した。これらの試験で使用する過炭酸ナトリウムは、Kemiraから、過酸化水素は、EM Scienceから得た。
又は過炭酸ナトリウムから酵素性合成されたPAAの比較
320mMKPOpH7.1中に39mM過炭酸ナトリウム溶液(炭酸ナトリウム‐過酸化水素化物、工業グレード85%、収量100mM有効H;Kemira)を調整した。固体過炭酸の溶解の後、結果として得られた溶液は、pH7.6であった。H(32重量%、Aldrich)又は同一のpH条件下で過炭酸から合成されたHから調整されたPAAの酵素性生成を比較する際に、2つの反応を行った。第一の反応として、320mMKPO、pH7.6中に100mMH、100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸(Aldrich)、及び2ppm変異体S54Vを含めた。Hの絶対濃度は、ラベルに記載された量から推定し、解析によっては、確認されていない。第二の反応として、320mMKPO、pH7.1中に39mM過炭酸ナトリウム、100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸、及び2ppmS54Vを含めた。前記反応は、酵素の添加により開始した。試料を示された時間で回収し、実施例1に記載のようにPAAの濃度を決定した。結果を図1に示した。図1で示されるように、反応の進行及びPAAの最終濃度は、両方の場合で類似している。
実施例3
PAAの酵素性合成による枯草菌胞子の死滅
この実施例では、枯草菌胞子を用いて酵素性合成されたPAAの死滅能力の解析を行う試験について記載されている。実施例1及び2で記載されている試験により得られた結果に基づいて、PAAの約4から約40mMの範囲が枯草菌1−168胞子を死滅するのに十分であると決定した。これらの試験において、バッファーや洗浄剤中で胞子の死滅を評価した。
バッファー中の胞子の死滅
この試験において、Hの原料として過炭酸ナトリウムを使用した。最終溶液は以下を含めた:すなわち、320mMKPOpH7.1中に100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸、2ppmS54V変異体、39mM過炭酸ナトリウム(工業グレード85%;収量100mM有効H)の800μl全量である。この混合液(収量40mMPAA)を連続希釈し、収量4.9、9.9及び20.5mMPAAの混合液をさらに得た。400mMKPOpH7.1のみの混合液をPAAなしの場合の全胞子量の決定に使用した。前記混合液を室温で3分間インキュベートした。各混合液の180μl量を実施例1で使用した20μlの胞子懸濁液を含む96ウェルの丸底マイクロタイタープレート(Costar)に2ウェルずつ入れ、各ウェルの全量を200μlとした。前記液体は、成分の混合を確実にするため4から5回緩やかにピペッティングした。前記混合液は、胞子と共にさらに15又は30分間室温でインキュベートした。15及び30分後に、各ウェルから20μlずつを回収し、新しい96ウェルプレートに加え、LBで10−7まで連続希釈し、全量を100μlとした。各胞子混合液の各希釈液から5μl量をLAプレートにスポットし、乾燥させた後、37℃オーバーナイトでインキュベートした。また、15及び30分後に、各ウェルから適量を回収し、dHOで十分に希釈し、実施例1で記載されているように標準スケールのABTS解析を使って測定可能なPAAの量を得た。これらの解析の結果を表2に示した。胞子の死滅の結果は、二重試験の平均で表した。
Figure 2009531017
洗浄剤中の胞子の死滅
試験をバッファーの代わりにPurexの1:500希釈を含む320mMKPOpH7.1に置き換えたことを除いて、上述の試験を繰り返した。結果は、表3(二重試験の平均)に示した。コントロールでは、多様な反応成分を400mMKPOpH7.1バッファー中に含めた:すなわち2ppmS54V変異体、2ppmS54V変異体と39mM過炭酸、100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸、100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸と39mM過炭酸ナトリウム、39mM過炭酸ナトリウムである。これらの全ての処理は30分のインキュベーション後、過炭酸ナトリウム単独(1x10胞子数/ml対他のコントロールの5x10胞子数/ml)を除いて等価レベルの胞子数/mlを示した。この胞子数の減少は、過炭酸ナトリウムとその他の成分との組み合わせでは見れらず、同程度の全ての3成分の混合物を用いた場合で見られる死滅(100%死滅)ほど劇的では決してなかった。
Figure 2009531017
実施例4
Trichoderma reesei胞子を死滅するPAAの酵素性合成
この実施例において、T.reesei胞子に対するPAAの死滅能力の解析を行う試験が記載される。T.reesei胞子は、およそ4日間ポテトデキストロース(PDA)培地上で30℃菌株を成長させ調製した。プレートのおよそ75%が真菌の成長で覆われた後、密集成長(confluent growth)があるまで室温で数日間インキュベートした。綿棒を用いて胞子をプレートから削り落とした後、1mlの10%グリセロールに再懸濁し、使用するまで−80℃で凍結した。胞子の死滅解析で使用する前に、胞子の懸濁液を融解し、遠心分離により胞子をペレット化した後、1mldHOで2度洗浄し、1mlのdHOで再懸濁した。胞子の死滅試験は、バチルス胞子の代わりに20μlの真菌胞子の調整物がウェルに添加された以外は、実施例3に記載されたように行われた。また、生成された過酸の量が40、13.3、4.4及び1.5mMとなるように混合液を調製した。希釈液をPDA培地にプレートし、15及び30分間インキュベーションした。15及び30分後に生成されたPAAの実際量を実施例1に記載したように決定した。結果は、表4に示した。これらの結果からAcT系によって生成されたPAAにより真菌胞子が死滅し、枯草菌胞子の場合に比べPAAのレベルが低かった。
Figure 2009531017
実施例5
グルコース及びプロピレングリコール二酢酸からのペルオキシ酢酸の生成
この実施例において、グルコース及びプロピレングリコール二酢酸から生成されたペルオキシ酢酸量の解析を行う試験が記載される。50mMKPOpH7.1中に60mMグルコース、及び20mM1,2−プロピレングリコール二酢酸(Aldrich)を含む15ml溶液を調製した。溶液を、連続的に空気で分散し、室温で攪拌した。Hの生成反応は、100ユニットのグルコースオキシダーゼ(酸素HP、Genencor International(ジェネンコー・インターナショナル))の添加で開始し、1時間進行させた。試料を回収し、合成されたHからPAAの生成を開始するため、2ppmS54V変異体を加える前にPAAの試験をした。その結果を図2に示した。図2に示めされた時間でさらに試料を回収し、上述の通りPAAの濃度を決定した。酵素を加える前では、PAAは検出されず、20mM1,2−プロピレングリコール二酢酸及びグルコース/グルコースオキシダーゼ反応から生成されたHからおよそ9.5mMのPAAが生成された。
実施例6
異なった温度でのAcTによるペルオキシ酢酸の合成
この実施例において、異なった温度でのAcTによるペルオキシ酢酸の合成の解析を行う試験が記載される。当該合成により多様な温度でPAAの貯蔵の不安定性に関連した問題を解決する手段が提供される。これらの試験において、AcTを約20℃から約60℃の様々な温度でPAAを生成するために使用した。いくつかの試験において、21℃、40℃、及び60℃等の温度を使用した。
これらの試験において、320mMKPOpH7.1、100mM1,2−プロピレングリコール二酢酸(Aldrich)、及び100mM過炭酸ナトリウムからなる3つの反応を用意した。前記反応は、21℃、40℃及び60℃で平衡を保ち、最終濃度が2ppmとなるようにS54V変異体を加え、反応を開始した。図3にその結果を示した。図で示めされた時間で試料を回収し、上述の通りPAAの濃度を決定した。これらの結果により、酵素系が少なくとも60℃以下で機能することが示された。
実施例7
AcTによる高濃度ペルオキシ酢酸の合成
この実施例において、ペルオキシ酢酸の高濃度溶液を生成するAcTの能力を決定する試験を行った。これらの試験は、用途に合わせて別の溶液に投与又は希釈する際に適した高濃度ペルオキシ酢酸溶液を調製する潜在的効果を示すために行った。この試験において、50mMKPO、2MH(EM Science)、2M1,2−プロピレングリコール二酢酸(Aldrich)、及び最終濃度が160ppmのS54V変異体を含む反応を行った。反応物は当該濃度で混和性ではないため、反応をしばしば攪拌し、反応物を混合した。混合は、室温で行った。これらの結果を図4に示した。示された時間で試料を希釈し、上述の通りペルオキシ酢酸の濃度を決定した。
本明細書で記載される全ての特許及び発行物は、本発明が関連する当業者のレベルを表示する。本明細書で記載される全ての特許及び発行物は、個々の発行物が個々に引用により組み込まれると同程度に、引用により本明細書に組み込まれる。
本発明に係る好ましい実施形態を述べるが、これらの実施形態で多様な修飾が行われ得、これらの修飾は、本発明の範囲内であると意図されていることは、当業者に理解されるだろう。
当業者により、本発明は目的の実現に適しており、記載された成果及び利点や内在的な成果及び利点を与えることが容易に理解される。本明細書に記載された組成物及び方法は、好ましい実施形態の代表であり、典型であって、本発明の範囲を限定するものであることを意図しない。当業者により、本発明に係る範囲及び趣旨から離れることなく、本明細書で記載された発明に対して置換及び修飾の変化が施され得ることは容易に理解される。
本明細書で例示して記載された本発明は、本明細書で特に記載されていないいずれかの要素、限定がなくても適切に実行され得る。使用されている語句及び表現は、説明の語句として使用され、限定の語句ではない。またこれらの語句及び表現の使用は、それらに示され、記載される又はそれらの一部と均等の事項を排除することを意図しない。請求される発明の範囲内で多様な修飾が可能であることが理解される。従って、本発明で、好ましい実施形態及び選択的機能が特に記載されているが、本明細書に記載される内容の修飾及び多様化が、当業者により行われ得ることが理解されるべきである。また、これらの修飾及び多様化は、添付の請求項により定義される本発明の範囲として考慮されることが理解されるべきである。
本発明は、本明細書で広い概念を有するものとして記載されている。これらの記載から外れる各々のより細分化された下位概念の技術思想も本発明の一部を形成する。これは、除外した要素が特に本明細書で記載されているか否かに関わらず、広い概念を有する本発明の事項から任意の対象を除外する条件又は消極的限定により本発明を説明する場合の本発明の説明にも該当する。
図1は、過酸化水素又は過炭酸からのペルオキシ酢酸の酵素性合成のグラフを示す。 図2は、グルコース及びプロピレングリコール二酢酸からのペルオキシ酢酸の合成のグラフを示す。 図3は、3つの異なった温度でのペルオキシ酢酸の合成のグラフを示す(21℃、40℃、及び60℃)。 図4は、高濃度ペルオキシ酢酸合成におけるアシルトランスフェラーゼ酵素の性能のグラフを示す。

Claims (58)

  1. 汚染除去の用途に適した、水溶液中で過酸を合成する酵素系。
  2. 前記系が少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む、請求項1に記載の酵素系。
  3. 前記過酸が、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される、請求項1に記載の酵素系。
  4. 少なくとも1の化学的過酸化水素合成系をさらに含む、請求項2に記載の酵素系であって、前記化学的過酸化水素合成系が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学物質を含む、前記酵素系。
  5. オキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系をさらに含む、請求項2に記載の酵素系。
  6. 少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系をさらに含む請求項2に記載の酵素系であって、前記酵素性過酸化水素合成系が、グルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼから選択される少なくとも1の酵素を含み、前記酵素性過酸化水素合成系がさらに前記少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む、前記酵素系。
  7. 少なくとも1の追加酵素をさらに含む、請求項1に記載の酵素系。
  8. 前記少なくとも1の追加酵素が、プロテアーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される、請求項7に記載の酵素系。
  9. 前記少なくとも1のエステル基質が、アルコールエステルである、請求項1に記載の酵素系。
  10. 少なくとも1の界面活性剤をさらに含む、請求項1に記載の酵素系。
  11. 少なくとも1の洗浄剤をさらに含む、請求項1に記載の酵素系。
  12. 前記系が、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態である、請求項1に記載の酵素系。
  13. 汚染除去に用いられる方法であって、
    a)汚染除去を必要とする物質、及び、汚染除去に適した水溶液中で過酸の合成に用いられる少なくとも1の系を用意する工程;
    b)物質が汚染除去される条件下で前記物質を前記系にさらす工程:
    を含む前記方法。
  14. 前記さらす工程が、前記物質を前記系にアルカリ性又は酸性のpH条件下でさらすことを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記さらす工程が、前記物質を前記系に中性のpH条件下でさらすことを含む、請求項13に記載の方法。
  16. 前記さらす工程が、前記物質を高温でさらすことを含む、請求項13に記載の方法。
  17. 前記系が、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態である、請求項13に記載の方法。
  18. 前記系が少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む、請求項13に記載の方法。
  19. 前記過酸が、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、過ヘキサン酸、長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される、請求項13に記載の方法。
  20. 過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学的過酸化水素合成系をさらに含む、請求項18に記載の方法。
  21. 前記系が、オキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 前記系が、グルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼから選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含み、前記酵素性過酸化水素合成系がさらに前記少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む、請求項18に記載の方法。
  23. 少なくとも1の酵素をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  24. 前記少なくとも1の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記少なくとも1のエステル基質が、アルコールエステルである、請求項13に記載の方法。
  26. 少なくとも1の界面活性剤をさらに含む、請求項13に記載の方法。
  27. 前記汚染除去が、少なくとも1の毒素及び/又は少なくとも1の病原に汚染された物質の汚染除去を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記毒素が、ボツリヌス菌毒素、アンスラシス毒素、リシン、サバ毒素、シガ毒素、テトロド毒素、及び真菌毒素から選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 前記病原が、細菌、ウイルス、菌類、寄生体、及びプリオンから選択される、請求項27に記載の方法。
  30. 前記少なくとも1の病原が、バチルス種、炭疽菌、クロストリジウム種、C.ボツリヌス菌、C.ウェルシュ菌、リステリア種、ブドウ球菌種、連鎖球菌種、サルモネラ種、シゲラ種、大腸菌、エルシニア種、Y.ペスト、フランシセラ種、F.ツラレンシス、カンプリオバクター種、ビブリオ種、ブルセラ種、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、シクロスポラ種、及び旋毛虫種から選択される、請求項29に記載の方法。
  31. 前記汚染除去を必要とする物質が、硬い表面、布、食物、飼料、衣服、敷物、カーペット、織物、医療機器、及び獣医器具から選択される、請求項13に記載の方法。
  32. 前記食物が、果物、野菜、魚類、水産物、及び肉類から選択される、請求項13に記載の方法。
  33. 前記硬い表面が、家庭用器具の表面及び商業用機器の表面から選択される、請求項31に記載の方法。
  34. 前記家庭用器具の表面が、キッチンカウンター、流し台、食器棚、まな板、机、棚、食品調製保管エリア、風呂部屋付属品、床、天井、壁、及び寝室エリアから選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記商業用機器の表面が、食物処理エリア、飼料処理エリア、机、棚、床、天井、壁、流し台、まな板、航空機、自動車、列車、及び船から選択される、請求項33に記載の方法。
  36. 汚染除去に用いられる方法であって、
    a)汚染除去を必要とする物質、及び、汚染除去に適した水溶液中で過酸の合成に用いられる少なくとも1の系を用意する工程;
    b)水溶液で前記過酸を合成する工程;及び
    c)物質が汚染除去される条件下で前記物質を水溶液中の過酸にさらす工程
    を含む前記方法。
  37. 前記さらす工程が、前記物質を前記過酸にアルカリ性又は酸性のpH条件下でさらすことを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記さらす工程が、前記物質を前記過酸に中性のpH条件下でさらすことを含む、請求項36に記載の方法。
  39. 前記さらす工程が、前記物質を前記過酸に高温でさらすことを含む、請求項36に記載の方法。
  40. 前記系が、液体、顆粒、泡状、及び乳液から選択される形態である、請求項36に記載の方法。
  41. 前記系が、少なくとも1のエステル基質、少なくとも1の過酸化水素原料、及び少なくとも1のアシルトランスフェラーゼを含む、請求項36に記載の方法。
  42. 前記過酸が、ペルオキシ酢酸、過ノナン酸、過プロピオン酸、過ブタン酸、過ペンタン酸、及び過ヘキサン酸及び長鎖脂肪酸からなる過酸、及び短鎖脂肪酸からなる過酸から選択される、請求項36に記載の方法。
  43. 前記系が、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸、及び尿素過酸化水素から選択される少なくとも1の化学的過酸化水素系を含む、請求項41に記載の方法。
  44. 前記系が、オキシダーゼ及びそれらに対応する基質から選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含む、請求項41に記載の方法。
  45. 請求項41に記載の方法であって、さらにグルコースオキシダーゼ、ソルビトールオキシダーゼ、ヘキソースオキシダーゼ、コリンオキシダーゼ、アルコールオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、コレステロールオキシダーゼ、ピラノースオキシダーゼ、カルボキシアルコールオキシダーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、グリシンオキシダーゼ、ピルビン酸オキシダーゼ、グルタミン酸オキシダーゼ、サルコシンオキシダーゼ、リジンオキシダーゼ、乳酸オキシダーゼ、バニリルオキシダーゼ、グリコールオキシダーゼ、ガラクトースオキシダーゼ、ウリカーゼ、シュウ酸オキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼから選択される少なくとも1の酵素性過酸化水素合成系を含み、前記酵素性過酸化水素合成系がさらに前記少なくとも1の酵素に適した少なくとも1の基質を含む、前記方法。
  46. 少なくとも1の酵素をさらに含む、請求項36に記載の方法。
  47. 前記少なくとも1の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、及び微生物の細胞壁分解酵素から選択される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記少なくとも1のエステル基質が、アルコールエステルである、請求項36に記載の方法。
  49. 少なくとも1の界面活性剤をさらに含む、請求項36に記載の方法。
  50. 前記汚染除去が、少なくとも1の毒素及び/又は少なくとも1の病原に汚染された物質の汚染除去を含む、請求項36に記載の方法。
  51. 前記毒素が、ボツリヌス菌毒素、アンスラシス毒素、リシン、サバ毒素、シガ毒素、テトロド毒素、及び真菌毒素から選択される、請求項50に記載の方法。
  52. 前記病原が、細菌、ウイルス、菌類、寄生体、及びプリオンから選択される、請求項50に記載の方法。
  53. 前記少なくとも1の病原が、バチルス種、炭疽菌、クロストリジウム種、C.ボツリヌス菌、C.ウェルシュ菌、リステリア種、ブドウ球菌種、連鎖球菌種、サルモネラ種、シゲラ種、大腸菌、エルシニア種、Y.ペスト、フランシセラ種、F.ツラレンシス、カンプリオバクター種、ビブリオ種、ブルセラ種、クリプトスポリジウム種、ジアルジア種、シクロスポラ種、及び旋毛虫種から選択される、請求項52に記載の方法。
  54. 前記汚染除去を必要とする物質が、硬い表面、布、食物、飼料、衣服、敷物、カーペット、織物、医療機器、及び獣医器具から選択される、請求項36に記載の方法。
  55. 前記食物が、果物、野菜、魚類、水産物、及び肉類から選択される、請求項36に記載の方法。
  56. 前記硬い表面が、家庭用器具の表面及び商業用機器の表面から選択される、請求項55に記載の方法。
  57. 前記家庭用器具の表面が、キッチンカウンター、流し台、食器棚、まな板、机、棚、食品調製保管エリア、風呂部屋付属品、床、天井、壁、及び寝室エリアから選択される、請求項56に記載の方法。
  58. 前記商業用機器の表面が、食物処理エリア、飼料処理エリア、机、棚、床、天井、壁、流し台、まな板、航空機、自動車、列車、及び船から選択される、請求項56に記載の方法。
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