JP2009526797A - 新規栄養補助組成物および医薬組成物、ならびに炎症性障害の治療、補助治療、または予防のためのそれらの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、フェノール化合物を含む新規組成物、およびこれらの組成物の特に炎症性障害、具体的には関節炎、喘息、炎症性腸疾患、炎症性皮膚疾患(例えば、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、日焼け)、ならびに慢性炎症性障害、具体的にはアテローム性動脈硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病およびその前段階、具体的には軽度認知障害の治療、補助治療、または予防のための栄養補助または医薬組成物の製造のための医薬品としての使用に関する。また、本発明は、フェノール化合物を含む美容用組成物の、皮膚の炎症の美容用治療、補助治療、または予防、特に日焼けまたは不純な皮膚の美容用治療、補助治療、または予防のための使用に関する。
【選択図】図1
【選択図】図1
Description
本発明は、フェノール化合物を含む新規組成物、およびこれらの組成物の医薬品、特に炎症性障害の治療、補助治療、または予防のための医薬品としての使用に関する。
炎症性障害は、世界で最も重要な健康問題の1つである。炎症は、一般に異物または傷害性刺激の宿主への侵入に対する体組織の局所防御反応である。炎症の原因は、細菌、ウイルス、および寄生虫のような感染因子;または熱傷や放射線のような物理的因子;または毒素、薬物、もしくは産業用物質のような化学物質;またはアレルギーや自己免疫応答のような免疫反応、もしくは酸化ストレスに関連する病態であり得る。
炎症は、疼痛、発赤、腫脹、熱、および患部の最終的な機能喪失を特徴とする。これらの症状は、免疫系細胞間で起こる複雑な一連の相互作用の結果である。細胞の応答は、複数の群の炎症性メディエータ:タンパク質(例えば、サイトカイン、酵素(例えば、プロテアーゼ、ペルオキシダーゼ)、主要塩基性タンパク質、接着分子(ICAM、VCAM)、脂質メディエータ(例えば、エイコサノイド、プロスタグランジン、ロイコトリエン、血小板活性化因子(PAF))、活性酸素種(例えば、ヒドロペルオキシド、スーパーオキシドアニオンO2 −、一酸化窒素(NO)など)が相互作用するネットワークを生じる。しかし、炎症のメディエータの多くは、正常な細胞活性の制御因子でもある。したがって、炎症反応の不全によって、易感染性宿主となり(すなわち、感染)、制御されていない、ひいては慢性の炎症は、上記のメディエータのうちの複数の過剰産生によっても媒介される炎症性疾患を招く。
炎症性メディエータの過剰の生合成によって生ずる急性および慢性炎症は、多数の炎症性障害、具体的に関節炎(例えば、変形性関節症、リウマチ様関節炎)、喘息、炎症性腸疾患、皮膚炎症性疾患(例えば、乾癬、湿疹、アトピー性皮膚炎、日焼け)、ならびに慢性炎症性障害、具体的にはアテローム性動脈硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病およびその前段階、具体的には軽度認知障害に関与する。
リウマチ様関節炎は、関節の慢性炎症性疾患である。例えば、関節炎としては、リウマチ様関節炎、脊椎関節症、痛風性関節炎、変形性関節症、全身性紅斑性狼瘡、および若年性関節炎が挙げられる。喘息およびリウマチ様関節炎は、分子レベルでのサイトカイン、ケモカイン、キニン、およびそれらの受容体、接着分子、ならびに炎症酵素の慢性的不均衡発現を特徴とする。乾癬は、最もよくある皮膚疾患の1つであり、人口の1〜3%に影響を及ぼす。炎症性腸疾患は、潰瘍性大腸炎およびクローン病のような消化管疾患を表すために使用される一般用語である。
血管内脂質沈着の過程に加えて、内皮(すなわち、血管)壁の炎症反応は、アテローム性動脈硬化症、すなわちアテローム形成に決定的に寄与すると考えられる。アテローム性動脈硬化症は、炎症を引き起こす血管外傷に由来する。アテローム硬化型プラークには、活性化されたマクロファージ、T−リンパ球、および肥満細胞が存在する。単球/マクロファージ、およびリンパ球の活性化によって、内皮損傷、およびアテローム硬化型プラークの形成、最終的には破裂に関係するエイコサノイドおよびサイトカインが放出される。最後に、C反応性タンパク質(CRP)、フィブリノゲン、およびインターロイキンのような循環血中炎症マーカーは、冠動脈疾患(CAD)の危険性が高い群で増加している。いくつかの治験は、CRP濃度の上昇が冠動脈事象および血管事象の危険性の増加と相関することを示している。したがって、炎症は、アテローム形成の開始および進行において重要な役割を果たすようである。
炎症性障害は、アルツハイマー病の病態生理にも関連する。アルツハイマー病はサイトカインレベルの上昇および小膠細胞の活性化を特徴とするので、アルツハイマー病患者の脳における炎症の証拠がある。したがって、炎症は、古典的な炎症性障害(例えば、関節炎、喘息、腸疾患)に関与するだけでなく、多くの慢性炎症性障害(例えば、アテローム性動脈硬化症、心疾患、代謝性症候群X、癌、アルツハイマー病)にも関連する。
炎症事象は、様々なタイプの癌(例えば、胃癌および腸癌、悪性黒色腫)の病態生理にも関連する。プロスタグランジンレベルの上昇は、ヒトにおける乳癌、大腸癌、肺癌、および膵臓癌に見られる。
2つの主要なクラスの薬物であるコルチコステロイドおよび非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)を使用して、炎症性障害を治療する。NSAIDおよびコルチコステロイドは、本質的に症状軽減をもたらす。しかし、長期使用の重篤な副作用に関する懸念が増大しているため、コルチコステロイドの使用は減少している。
NSAIDは、主に疼痛および炎症性障害の治療、特に関節炎の治療に最も広く使用されている薬物の1つである。
疫学的研究は、NSAID服用患者は、NSAIDを服用していない患者より、アルツハイマー病を発症する危険性が低いことを示唆している。NSAIDの保護効果は、シクロオキシゲナーゼが神経変性プロセスに関与している可能性を示唆する。
疫学的研究は、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)服用者において結腸直腸癌、胃癌、食道癌、および乳癌の危険性が、NSAIDを服用していない者と比較して有意に低下することを示した。動物モデルでは、NSAIDによって、腫瘍発生が有意に低下した。
しかし、関節炎のような慢性疾患を治療する場合のNSAIDの慢性使用は、重篤な消化器系愁訴、腎毒性、または喘息反応のような重度の副作用によって制限される。
したがって、副作用の軽いまたはない新規抗炎症剤が必要とされている。炎症性疾患患者は、疾患予防およびアジュバント治療として使用することができる、抗炎症作用が穏やかで主な副作用のない「自然である」と思われる治療に特別な興味がある。
本発明の目的は、このような必要性に対処することである。
この目的は、本発明により、式(1)のフェノール化合物を含む組成物によって実現され、
式中、R1は、H、OH、またはメトキシを表し、R2は、HまたはCOOHを表し、R3は、飽和、一不飽和、または多不飽和のC14、C15、C16、またはC17アルキル鎖を表す。このアルキル鎖が一不飽和である場合、二重結合は、(E)または(Z)の立体配置とすることができる。アルキル鎖が多不飽和である場合、二重結合はそれぞれ独立して(E)または(Z)の立体配置とすることができる。好ましくは、本発明のすべての実施態様では、R3は、構造(a)〜(k)のいずれかである飽和、一不飽和、または多不飽和のアルキル鎖を表す。
本発明の枠内では、式(1)へのR3基の結合部位が*で示されている。
式中、R1は、H、OH、またはメトキシを表し、R2は、HまたはCOOHを表し、R3は、飽和、一不飽和、または多不飽和のC14、C15、C16、またはC17アルキル鎖を表す。このアルキル鎖が一不飽和である場合、二重結合は、(E)または(Z)の立体配置とすることができる。アルキル鎖が多不飽和である場合、二重結合はそれぞれ独立して(E)または(Z)の立体配置とすることができる。好ましくは、本発明のすべての実施態様では、R3は、構造(a)〜(k)のいずれかである飽和、一不飽和、または多不飽和のアルキル鎖を表す。
本発明の枠内では、式(1)へのR3基の結合部位が*で示されている。
意外なことに、式(1)のフェノール化合物が抗炎症剤であることがわかった。したがって、本発明の組成物は、特に心疾患、多発性硬化症、変形性およびリウマチ様関節炎、アテローム性動脈硬化症、ならびに骨粗鬆症のような炎症性障害の治療、補助治療、および予防に有用であり得る。
本発明の組成物は、特に関節炎、具体的には変形性関節症およびリウマチ様関節炎の治療、補助治療、および予防に適している。したがって、本発明の組成物は、下記の特性の1つまたは複数を有することができる:関節炎症の低減、関節健康の維持および/または増大、関節硬直の予防、移動度の上昇、しなやかなおよび/または柔軟な関節の提供、関節の潤滑、関節炎痛の軽減、関節炎症を伴う疼痛の軽減、関節腫脹の低減、関節障害の軽減、関節のケアの提供。
より好ましくは、式(1)のフェノール化合物は、銀杏酸(I)、カルドールトリエン(II)、カルドールジエン(III)、(15:3)アナカルジン酸(IV)、および(15:2)アナカルジン酸(V)の群から選択される。化合物(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)は、図1に見ることができる。さらにより好ましくは、式(1)のフェノール化合物は、カルドールトリエン(II)およびカルドールジエン(III)の群から選択される。最も好ましくは、フェノール化合物は、カルドールジエン(III)である。
式(1)のフェノール化合物は、ヒト成人(体重約70kg)による1日の消費量が1mg/日〜2000mg/日、好ましくは5mg/日〜500mg/日の範囲であるような濃度で使用されることが好ましい。食物または飲料は、1回当たり、好ましくは式(1)のフェノール化合物0.2mg〜1000mgを含む。栄養補助組成物が医薬製剤である場合、このような製剤は、好ましくは式(1)のフェノール化合物を投与単位、例えばカプセル剤もしくは錠剤当たり0.5mg〜2000mgの量、または液体製剤では1mg/1日用量〜3000mg/1日用量を含むことができる。
したがって、本発明はまた、0.5mg〜3000mg、好ましくは1〜2000mg、より好ましくは1〜500mgの式(1)のフェノール化合物を含む組成物にも関する。
本発明の組成物は、例えばカシュー植物、またはカシュー植物の一部、例えばカシューアップルの好ましくは有機相または超臨界流体の抽出物のような、式(1)のフェノール化合物を含む抽出物も明らかに包含する。さらに、本発明は、上記に示される定義および優先度で、抽出物の形、特にカシュー植物またはカシュー植物の一部、例えばカシューアップルの植物材料から得られる抽出物、具体的には例えば有機相抽出物の形で本発明に係る式(1)のフェノール化合物を含む組成物も包含する。式(1)のフェノール化合物は、当業者に知られている方法で合成、または抽出、および/または精製することができる。
式(1)のフェノール化合物は、好ましくは栽培者のような従来の商業上利用可能な供給業者から得ることができるカシュー植物に由来する。
式(1)のいくつかのフェノール化合物は、アナカルディウム・オクシデンタール(Anacardium occidentale)、そのカシューナッツ、カシューナッツシェル、カシューアップル、ならびにT.ラジカンス(T.radicans)、T.diversilobumのような様々なトキシコデンドロン(Toxicodendron)種に見られる。さらに、式(1)のフェノール化合物の一部は、ウルシ(Rhus verniciflua)、メラノルホエア・ウシタータ(Melanorrhoea usitata)、Amorpha fruticosa、またはカジャヌス・カジャン(Cajanus cajan)に見ることができ、当業者に知られている方法でそれらを単離することができる。銀杏酸(I)は、例えばイチョウ(Ginkgo bilboa)(葉および果実)からも得ることができる。
本明細書で使用するフェノール化合物は、当技術分野で知られているいくつかの方法で調製することができる。上記の植物を任意の適切な手段で処理して、上記の組成物を得ることができる。例えば、カシューアップルを抽出して、混合物を得ることができる。フェノール化合物は、混合物から直接得ることができ、あるいは混合物を分別および/または精製して、フェノール化合物を得ることができる。組成物を当業者に知られているいくつかの方法で分別および/または精製することができる。分別方法としては例えば、有機溶媒による分配、クロマトグラフィー、例えば高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、または超臨界流体の使用が挙げられる。
図1に示す化合物はすべて、例えばアナカルディウム・オクシデンタール(Anacardium occidentale)の乾燥植物材料からメタノール:MTB(9:1)で抽出し、引き続いてこのようにして得られた粗抽出物を、分取HPLCにより緩衝溶媒系で分別することによって得ることができる。
別の態様では、本発明はまた、医薬品として使用するための本発明の式(1)のフェノール化合物および/または組成物にも関する。さらに具体的には、本発明は、この化合物および/または組成物の、炎症性障害、より好ましくは関節炎、最も好ましくはリウマチ様関節炎または変形性関節症の治療、補助治療、または予防のための栄養補助または医薬組成物の製造のための使用に関する。また、本発明は、ヒトを含む動物における炎症性障害、好ましくは関節炎、最も好ましくは変形性関節症を治療、補助治療、および予防する方法であって、それを必要とするヒトを含む動物に、有効量の本発明に係る式(1)のフェノール化合物および/または組成物を、投与するステップを含む方法に関する。
本発明の枠内で、動物については、哺乳動物を含めてすべての動物を意味し、例えばヒトが挙げられる。ヒトに加えて、哺乳動物の好ましい例としては、イヌ、ヒトコブラクダ、ラクダ、ゾウ、およびウマが挙げられる。
別の態様では、本発明は、本発明に係る式(1)のフェノール化合物および/または組成物の、栄養補助または医薬組成物の製造のための使用に関する。
さらに別の態様では、本発明は、本発明に係る組成物であって、食物もしくは飲料、または食物もしくは飲料のためのサプリメント組成物である組成物に関する。
別の態様では、本発明は、本発明に係る組成物であって、医薬として許容できる担体をさらに含む医薬組成物である組成物に関する。
本発明に係る栄養補助および医薬組成物は、ヒトの体を含めて、動物の体に投与するのに適した任意の生薬の形、さらに具体的には経口投与に好都合な任意の形、例えば固体の形、例えば食物もしくは飼料(用の添加物/サプリメント)、食物もしくは飼料のプレミックス、強化食物もしくは飼料、錠剤、丸剤、顆粒剤、糖衣錠、カプセル剤、および散剤や錠剤のような発泡製剤として、あるいは液体の形、例えば液剤、乳剤、または懸濁剤の形、例えば飲料、ペースト剤、および油性懸濁剤とすることができる。ペースト剤を硬シェルカプセル剤または軟シェルカプセル剤に充填することができる。他の適用形態の例は、経皮、非経口、局所、または注射投与のための形である。栄養補助および医薬組成物は、制御(遅延)放出製剤の形とすることができる。医薬組成物としては例えば、クリーム、ゲル、スプレー、乾燥スティック、粉剤などのようなフェノール化合物の局所塗布および経皮吸収に適した組成物も挙げられる。
さらに、マルチビタミンおよびミネラルサプリメントを本発明の栄養補助組成物に添加して、食事では欠けている必須栄養素を十分量得ることができる。マルチビタミンおよびミネラルサプリメントは、疾患予防、ならびにライフスタイルのパターンによる栄養損失および不足に対する防止にも有用であり得る。
当業者は、どの担体が医薬として許容できる担体として使用できるかを知っている。このような医薬として許容できる担体の例は、経口/非経口/注射投与に適した無機と有機の担体材料であり、これには水、ゼラチン、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、タルク、植物油などが挙げられる。
式(1)のフェノール化合物および医薬として許容できる担体に加えて、本発明に係る医薬組成物は、さらに従来の医薬添加剤およびアジュバント、賦形剤または希釈剤を含むことができ、これには水、任意由来のゼラチン、植物ガム、リグニンスルホナート、タルク、糖、デンプン、アラビアゴム、植物油、ポリアルキレングリコール、矯味剤、保存剤、安定剤、乳化剤、緩衝剤、滑沢剤、着色剤、湿潤化剤、充填剤などが含まれるが、これらに限定されない。
強化食物の例は、シリアルバー、チューインガム、およびケーキやクッキーのようなベーカリー製品である。
飲料は、非アルコールおよびアルコールドリンク、ならびに飲料水および液体食物に添加される液体製剤を包含する。非アルコールドリンクは、例えばソフトドリンク、スポーツドリンク、フルーツジュース、具体的には例えばオレンジジュース、リンゴジュース、およびグレープフルーツジュース;レモネード、茶、ニアウォータードリンク、ならびに牛乳ベースドリンク、具体的には例えばヨーグルトドリンクである。液体食物としては例えば、スープ、および乳製品、例えばヨーグルトが挙げられる。
式(1)のフェノール化合物は、炎症性障害を治療または予防するための当業者に知られている他の栄養補助組成物または治療剤を式(1)のフェノール化合物の投与の前に、それと同時に、またはその後に投与することによって組み合わせて、使用することができる。
本発明の別の実施形態では、式(1)のフェノール化合物は、皮膚の炎症、特に紫外線によって引き起こされる日焼けの治療、補助治療、または予防のためのスキンケア調合物、あるいは例えば不純な皮膚の治療、補助治療、または予防のためのスキンケア調合物のような美容用または皮膚用組成物(後者の組成物は特定タイプの医薬組成物)に組み込むことができる。不純な皮膚としては例えば、丘疹、座瘡、および炎症性様相を有する他の皮膚の不純が挙げられる。
したがって、本発明はまた、美容用組成物の、皮膚の炎症の美容用治療、補助治療、または予防、特に日焼けの美容用治療、補助治療、または予防のための使用にも関する。本発明はまた、本発明に係る式(1)のフェノール化合物および/または組成物の皮膚の炎症、特に日焼けまたは不純な皮膚の治療、補助治療、または予防のための皮膚用組成物の製造のための使用にも関する。また、本発明は、皮膚の炎症、特にヒトにおける日焼け、または例えば座瘡のような不純な皮膚を治療、補助治療、または予防する方法であって、それを必要とするヒトに有効量の本発明に係る皮膚用組成物を投与するステップを含む方法に関する。また、本発明は、本発明に係る美容用組成物による皮膚の炎症、特に日焼け、または不純な皮膚を美容上治療、補助治療、または予防する方法に関する。日焼け予防は、好ましくは本発明に係る式(1)のフェノール化合物または組成物を、好ましくは適切な遮蔽剤と組み合わせて局所塗布することによって実現される。
本発明に係る美容または皮膚用組成物は、溶媒もしくは脂肪物質中の懸濁剤もしくは分散剤の形、または乳剤もしくはマイクロ乳剤の形(特に、O/W型またはW/O型、O/W/O型またはW/O/W型、ここでOは有機相を表し、Wは水相を表す)、具体的にはクリーム剤、ペースト剤、ローション剤、増粘ローション剤、またはミルク、軟膏剤、ゲル剤、固体のチューブスティック、またはエアゾールムースの形のビシクル分散液とすることができ、ムース、フォームもしくはスプレーフォーム、スプレー、スティック、またはエアゾール、またはワイプの形で提供することができる。美容または皮膚用組成物の例は、スキンケア調合物、特にボディオイル、ボディローション、ボディゲル、トリートメントクリーム、皮膚保護軟膏、保湿ゲル、保湿スプレー、リバイタライジングボディスプレー、および日焼け後の皮膚の手入れ用調合物、またはサンスクリーン製剤である。
例えば日焼けや不純な皮膚のような皮膚の炎症の治療、補助治療、または予防のための美容または皮膚用組成物は、経口投与に好都合な形とすることができ、その例は上述されているが、美容食品およびサプリメントも含まれる。
本発明の美容または皮膚用組成物、例えばサンスクリーン製剤または日焼け後の皮膚の手入れ用調合物は、例えば保存剤/酸化防止剤、脂肪物質/油、水、有機溶媒、シリコーン、増粘剤、軟化剤、乳化剤、追加の光遮蔽剤、消泡剤、保湿剤、香料、界面活性剤、充填剤、金属イオン封鎖剤、アニオン性、カチオン性、非イオン性、もしくは両性のポリマーまたはそれらの混合物、噴射剤、酸性化または塩基性化剤、色素、着色剤、顔料またはナノ顔料、光安定剤、昆虫忌避剤、皮膚日焼け剤、皮膚美白剤、抗菌剤、保存剤、または一般に化粧品に配合される任意の他の成分のような通常の美容または皮膚用のアジュバントおよび/または添加剤をさらに含むことができる。
本発明の美容または皮膚用組成物に組み込むことができる光遮蔽剤、例えばサンスクリーン製剤が、UV−A、UV−B、UV−C、および/または広帯域フィルターから選択されることは有利である。UV−Bまたは広域スペクトル遮蔽剤、すなわち約290〜340nmの吸収極大を有する物質の例は、有機または無機の化合物とすることができる。有機UV−Bまたは広帯域遮蔽剤は、例えば2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(オクトクリレン、パルソール(PARSOL)(登録商標)340)、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチルなどのようなアクリレート;4−メチルベンジリデンカンファー(パルソール(登録商標)5000)、3−ベンジリデンカンファー、カンファーベンザルコニウムメト硫酸、ポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー、スルホベンジリデンカンファー、スルホメチルベンジリデンカンファー、テレフタリデンジカンファースルホン酸などのようなカンファー誘導体;メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(パルソール(登録商標)MCX)、メトキシケイ皮酸エトキシエチル、メトキシケイ皮酸ジエタノールアミン(パルソール(登録商標)ヒドロ(Hydro))、メトキシケイ皮酸イソアミルなどのようなシンナメート誘導体、およびシロキサンに結合しているケイ皮酸誘導体;p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、p−アミノ安息香酸N−オキシプロピレン化エチル、p−アミノ安息香酸グリセリルのようなp−アミノ安息香酸誘導体;ベンゾフェノン−3、ベンゾフェノン−4、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなどのようなベンゾフェノン;4−メトキシベンザルマロン酸ジ−(2−エチルヘキシル)のようなベンザルマロン酸エステル;欧州特許第0895776号明細書に記載されている2−(4−エトキシアニリノメチレン)プロパン二酸ジエチルエステルのような2−(4−エトキシ−アニリノメチレン)プロパン二酸エステル;ポリシリコーン−15(パルソール(登録商標)SLX)のような欧州特許第0358584B1号明細書、欧州特許第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているベンズマロネート基を含むオルガノシロキサン化合物;ドロメトリゾールトリシロキサン(メギゾリル(Mexoryl)XL);例えば、2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸およびその塩(パルソール(登録商標)HS)のようなイミダゾール誘導体である。2−フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸の塩は、例えばナトリウムまたはカリウム塩のようなアルカリ塩、アンモニウム塩、モルホリン塩、モノエタノールアミン塩、ジエタノールアミン塩などのような第一級、第二級、および第三級アミンの塩;サリチル酸イソプロピルベンジル、サリチル酸ベンジル、サリチル酸ブチル、サリチル酸エチルヘキシル(パルソール(登録商標)EHS、ネオヘリオパン(NEO Heliopan)OS)、サリチル酸イソオクチル、またはサリチル酸ホモメンチル(ホモサラート、パルソール(登録商標)HMS、ネオヘリオパンOS)などのようなサリチレート誘導体;エチルヘキシルトリアゾン(ウビヌル(Uvinul)T−150)、ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン(Uvasorb HEB)のようなトリアジン誘導体である。カプセル化メトキシケイ皮酸エチルヘキシル(ユウゾレックス(Eusolex)UV−パール)、または例えば欧州特許第1471995号明細書に記載されているUVフィルターを充填したマイクロカプセルなどのようなカプセル化UVフィルター。無機化合物は、微粒子化TiO2、ZnOなどのような顔料である。用語「微粒子化された」は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を意味する。TiO2粒子は、例えばアルミニウムもしくはジルコニウム酸化物のような金属酸化物、または例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランのような有機コーティングでコーティングすることもできる。このようなコーティングは当技術分野でよく知られている。
広域スペクトルまたはUV A遮蔽剤、すなわち約320〜400nmの吸収極大を有する物質の例は、有機または無機の化合物、例えば4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイル−メタン(パルソール(登録商標)1789)、ジメトキシジベンゾイルメタン、イソプロピルジベンゾイルメタンなどのようなジベンゾイルメタン誘導体;2,2’−メチレン−ビス−(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3,−テトラメチルブチル)−フェノール(チノソーブ(TINOSORB)M)などのようなベンゾトリアゾール誘導体;ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(チノソーブS)など;2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンゾイミダゾル−4,6−ジスルホン酸)(ネオヘリオパンAP)のようなフェニレン−1,4−ビス−ベンゾイミダゾールスルホン酸または塩;欧州特許第1046391号明細書に記載されている2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシ−ベンゾイル)−安息香酸ヘキシルエステル(ウビヌルAプラス)のようなアミノ置換ヒドロキシベンゾフェノン;国際公開第2005080341A1号パンフレットに記載されているイオン性UV−Aフィルターとすることができる。微粒子化ZnOまたはTiO2などのような顔料。用語「微粒子化された」は、約5nm〜約200nm、特に約15nm〜約100nmの粒径を意味する。粒子は、例えばアルミニウムもしくはジルコニウム酸化物のような他の金属酸化物、または例えばポリオール、メチコン、ステアリン酸アルミニウム、アルキルシランのような有機コーティングでコーティングすることもできる。このようなコーティングは当技術分野でよく知られている。
ジベンゾイルメタン誘導体は光安定性が限定されているので、これらのUV−A遮蔽剤を光安定化することが望ましいことがある。したがって、用語「従来のUV−A遮蔽剤」は、例えば欧州特許第0 514 491B1号明細書および欧州特許出願公開第0 780 119A1号明細書に記載されている3,3−ジフェニルアクリレート誘導体によって安定化された例えばパルソール(登録商標)1789のようなジベンゾイルメタン誘導体;米国特許第5,605,680号明細書に記載されているベンジリデンカンファー誘導体;欧州特許第0358584B1号明細書、欧州特許第0538431B1号明細書、および欧州特許出願公開第0709080A1号明細書に記載されているベンズマロネート基を含むオルガノシロキサン化合物も意味する。
本発明の美容または皮膚用組成物に含むことができる活性成分は、例えばビタミンおよびその誘導体、例えばトコフェロール、酢酸トコフェロール、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸、ビタミンQ、D、およびK、レチノール、レチナール、レチノイン酸、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール、ビオチン、カロチノイド誘導体、具体的にはβ−カロテン、リコペン、アスタキサンチン、野菜抽出物、抗菌性成分、ジペプチド、オリゴペプチド、およびポリペプチドを含む不安定アミノ酸、具体的にはメチオニン、システイン、シスチン、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、フェノール、ポリフェノール、またはフラバノイド、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、ユビキノン、具体的にはコエンザイムQ10、セラミド、疑似セラミド、精油、植物抽出物デオキシリボ核酸である。
美容および皮膚用のアジュバント、添加剤、および/または追加活性成分の必要量は、所望の生成物に応じて、当業者によって容易に選択することができ、実施例に例示するが、これらに限定されない。
さらに別の態様では、本発明はまた、本発明の組成物であって、美容もしくは皮膚用アジュバント、および/または美容もしくは皮膚用添加剤、および/または美容もしくは皮膚用追加活性成分を含む美容もしくは皮膚用組成物である組成物にも関する。
美容または皮膚用組成物は、有効量の式(1)のフェノール化合物を含む。用語「有効量」は、好ましくは組成物の少なくとも0.01重量%である。好ましくは、組成物は、0.01重量%〜20重量%、より好ましくは0.05重量%〜10重量%、さらにより好ましくは0.1重量%〜5重量%の量の式(1)のフェノール化合物を含む。
次に、本発明は、下記の実施例によって明らかになるが、これらに限定されない。
[実施例1:軟ゼラチンカプセル剤]
従来の手順で、用量50mgの式(1)のフェノール化合物を提供する軟ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。
従来の手順で、用量50mgの式(1)のフェノール化合物を提供する軟ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
他の成分:グリセロール、水、ゼラチン、植物油。
[実施例2:硬ゼラチンカプセル剤]
従来の手順で、用量20mgの式(1)のフェノール化合物を提供する硬ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
従来の手順で、用量20mgの式(1)のフェノール化合物を提供する硬ゼラチンカプセル剤を調製する。適切な1日用量は1〜5カプセルである。
[他の成分:]
充填剤:ラクトースまたはセルロースもしくはセルロース誘導体(適量)
滑沢剤:必要に応じて、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)
充填剤:ラクトースまたはセルロースもしくはセルロース誘導体(適量)
滑沢剤:必要に応じて、ステアリン酸マグネシウム(0.5%)
[実施例3:錠剤]
従来の手順で、活性成分として式(1)のフェノール化合物20mg/錠剤、および賦形剤として微結晶セルロース、二酸化ケイ素(SiO2)、ステアリン酸マグネシウム、クロスポピドンNF(崩壊剤である)を全量で500mg提供する錠剤を調製する。
従来の手順で、活性成分として式(1)のフェノール化合物20mg/錠剤、および賦形剤として微結晶セルロース、二酸化ケイ素(SiO2)、ステアリン酸マグネシウム、クロスポピドンNF(崩壊剤である)を全量で500mg提供する錠剤を調製する。
[実施例4:ソフトドリンク]
化合物を含有するソフトドリンクを以下の通り調製することができる。
化合物を含有するソフトドリンクを以下の通り調製することができる。
ソフトドリンクを下記の成分から調製する。
空気を混入させることなく、果実ジュース濃縮物および水溶性矯味剤を混合する。着色剤を脱イオン水に溶解する。アスコルビン酸およびクエン酸を水に溶解する。安息香酸ナトリウムを水に溶解する。撹拌下、ペクチンを添加し、沸騰させながら溶解する。溶液を冷却する。オレンジ油および油溶性矯味剤を予め混合する。項目Fに記載の活性成分を、Aの果実ジュース濃縮物混合物に撹拌する。
ソフトドリンクを調製するために、すべての成分A〜Fを混合した後、Turrax、次いで高圧ホモジナイザ(p1=200バール、p2=50バール)を用いてホモジナイズする。
[実施例5:日焼けによって引き起こされた皮膚の炎症の(美容)治療のために使用することができる式(1)のフェノール化合物を含む皮膚用組成物(トリートメントクリーム)の調製。]
トリートメントクリームは、下記の量の下記の成分で調製することができる。
トリートメントクリームは、下記の量の下記の成分で調製することができる。
手順:撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、約45℃に冷却する。パートC)を添加する。11000rpmでホモジナイズして、小粒径を得る。撹拌しながら、周囲温度に冷却する。次いで、パートD)を添加する。
[実施例6:炎症性メディエータの産生の抑制]
カルドールジエン、カルドールトリエン、アナカルジン酸、および銀杏酸のようなA.オクシデンタール(A.occidentale)(カシューアップル)の構造上関連性のある物質の抗炎症作用を、細胞アッセイで確定した。これらの物質をアナカルディウム・オクシデンタール(Anacardium occidentale)の抽出物から単離した。
カルドールジエン、カルドールトリエン、アナカルジン酸、および銀杏酸のようなA.オクシデンタール(A.occidentale)(カシューアップル)の構造上関連性のある物質の抗炎症作用を、細胞アッセイで確定した。これらの物質をアナカルディウム・オクシデンタール(Anacardium occidentale)の抽出物から単離した。
アナカルディウム・オクシデンタール(Anacardium occidentale)の乾燥植物材料からメタノール:メチルtertブチルエーテル(MTB)(9:1)で抽出し、引き続いてこのようにして得られた抽出物を、分取HPLCにより緩衝溶媒系で分別することによって、抽出物を得た。これらの抽出物を細胞性炎症系で試験し、物質の混合物のIC50を確定した(下記を参照のこと)。
次いで、純粋な物質をさらに細胞性細胞系中でin vitro分析した。これらの化合物による一酸化窒素および/または炎症促進性プロスタグランジン(PG)の合成の抑制を測定した。PGE2は、炎症過程において重要な役割を果たし、一酸化窒素(NO)は、様々な形の関節炎、胃腸疾患、および代謝性症候群Xを含めて様々な慢性炎症性疾患における炎症の特徴である。
化合物の炎症応答に及ぼす効果を、マウスマクロファージ指示細胞株RAW267.4を用いて細胞アッセイで試験した。この細胞は、ATCC(Manassas,VA,USA)から購入し、ストレプトマイシン/ペニシリン、非必須アミノ酸、および10%ウシ胎仔血清(FCS)を含有するDMEM中で培養した。広範囲の濃度の化合物を試験するために、細胞(約50’000/ウェル)を平底マイクロタイタープレートに播種し、1日培養した。次いで、細胞を、0.25%FCSを含有する完全培地(D−025)で飢餓状態にした。終夜培養した後、培地を除去し、最終濃度の2倍の被検化合物を含有するD−025(100μL)と取り替えた。引き続いて、2μg/mlのLPSを含有するD−025(100μL)を添加し(すなわち、最終LPS濃度1μg/ml)、細胞を24時間培養した。
物質を、2倍希釈ステップで0.2〜50μMの濃度範囲において試験した。抽出物を0.2〜50mg/Lで試験した。処置はすべて、2回繰り返して行い、各処置について、複数の連続実験を行った。細胞によって放出された一酸化窒素から急速に形成されたニトライトの濃度を、亜硝酸ナトリウムを標準物質として使用するグリース(Griess)反応で確定した。簡潔に言えば、50μlの上清をグリース試薬1(25μL)およびグリース試薬2(25μL)と混合し、遠心し、540nmの光学密度を確定した。Cayman Chemicals(Ann Harbor,WI,USA)から得られたEIAを製造業者の指示書に従って使用して、細胞培養培地に分泌されたPGE2を確定した。確定はすべて、培養上清の様々な希釈液で2回繰り返して行った。IC50値は、2パラメータ最小二乗適合方程式[y=A+((B−A)/(l+((C−x)^D))]を使用して最良適合曲線を求め、算出した(エクセル(Excel)適合ソフトウェアプログラム)。
化合物の2つの炎症パラメータの抑制に及ぼす効果を下記の表に示す。A.オクシデンタール(A.occidentale)の抽出物は、一酸化窒素とPGE2の産生を強力に抑制し、IC50観測値は、生理活性化合物の濃度の上昇を反映する。A.オクシデンタール(A.occidentale)抽出物中で同定された5つの物質のうちの3つ(すなわち、カルドールジエン、カルドールトリエン、[15:3]アナカルジン酸)は、一酸化窒素(NO)の産生を強力に低減し、IC50は<約20μmol/Lであった。PGE2産生に及ぼす影響は、カルドールジエンおよびカルドールトリエンの場合にはるかにより重要であった。被検物質は、リスベラトロールまたはEGCGの生物活性よりよい、またはそれに類似の生物活性を示し、広く抗炎症作用を示した。
[表:A.オクシデンタール(A.occidentale)抽出物のIC50値]
[表:単一物質のIC50値]
[実施例7:炎症遺伝子の発現レベルの調節]
化合物の効果を、炎症応答に関与する遺伝子発現のレベルで評価した。これらは、例えば下記の遺伝子TNF−α、IL−6、MIP1β、ならびにNF−κB1およびNF−κBp49を含み、後者の2つは、炎症遺伝子発現の調節に関与する転写因子である。RAW 264.7細胞を、様々な濃度の物質(図に示す)の存在下で刺激した。4時間後、RNAを抽出し、遺伝子の発現を、記載されている定量RT−PCRで確定した(リチャード,N.(Richard,N.)、ポラス,D.(Porath,D.)、ラドスピーラー,A.(Radspieler,A.)、およびシュワーガー,J.(Schwager,J.)、「リスベラトロール、ピセタノール、トリアセトキシスチルベン、およびゲニステインのヒト末梢血白血球の炎症応答に及ぼす効果(Effects of resveratrol,piceatannol,tri−acetoxystilbene,and genistein on the inflammatory response of human peripheral blood leukocytes)」、Mol Nutr Food Res 2005年、49巻:431〜442頁)。一例として、TNF−αおよびMIP−1βを大幅に低減させた(15:3)−アナカルジン酸のデータを示す。まとめると、これらの結果は、化合物の炎症性メディエータの産生および炎症応答に関与する、異なる遺伝子に及ぼす効果を示す。
化合物の効果を、炎症応答に関与する遺伝子発現のレベルで評価した。これらは、例えば下記の遺伝子TNF−α、IL−6、MIP1β、ならびにNF−κB1およびNF−κBp49を含み、後者の2つは、炎症遺伝子発現の調節に関与する転写因子である。RAW 264.7細胞を、様々な濃度の物質(図に示す)の存在下で刺激した。4時間後、RNAを抽出し、遺伝子の発現を、記載されている定量RT−PCRで確定した(リチャード,N.(Richard,N.)、ポラス,D.(Porath,D.)、ラドスピーラー,A.(Radspieler,A.)、およびシュワーガー,J.(Schwager,J.)、「リスベラトロール、ピセタノール、トリアセトキシスチルベン、およびゲニステインのヒト末梢血白血球の炎症応答に及ぼす効果(Effects of resveratrol,piceatannol,tri−acetoxystilbene,and genistein on the inflammatory response of human peripheral blood leukocytes)」、Mol Nutr Food Res 2005年、49巻:431〜442頁)。一例として、TNF−αおよびMIP−1βを大幅に低減させた(15:3)−アナカルジン酸のデータを示す。まとめると、これらの結果は、化合物の炎症性メディエータの産生および炎症応答に関与する、異なる遺伝子に及ぼす効果を示す。
[表:(15:3)−アナカルジン酸の炎症遺伝子(TNF−α、IL−6、マクロファージ炎症性タンパク質1[MIP−1]、炎症遺伝子発現の調節に関与する転写因子[NF−κB1、NF−κBp49])の発現に及ぼす効果。]
所与の遺伝子のmRNAのレベルを、LPSのみで刺激された細胞で観察されたレベルと比べて表す。100%より低い値は、物質が関連する遺伝子の発現に抑制効果を及ぼすことを示す。
所与の遺伝子のmRNAのレベルを、LPSのみで刺激された細胞で観察されたレベルと比べて表す。100%より低い値は、物質が関連する遺伝子の発現に抑制効果を及ぼすことを示す。
[実施例8:カルドールジエンのカラゲナン誘発性ラット足浮腫に及ぼす効果]
カラゲナン誘発性足浮腫モデルにおいて、カルドールジエンの抗炎症活性をin vivoで評価した。このモデルは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のような、プロスタグランジンを抑制する作用剤の抗炎症性を評価するために長い間使用されてきた。このモデルは、ラット足の足底下の表面にカラゲナンを投与した後、経時的浮腫形成を引き起こす。
カラゲナン誘発性足浮腫モデルにおいて、カルドールジエンの抗炎症活性をin vivoで評価した。このモデルは、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)のような、プロスタグランジンを抑制する作用剤の抗炎症性を評価するために長い間使用されてきた。このモデルは、ラット足の足底下の表面にカラゲナンを投与した後、経時的浮腫形成を引き起こす。
体重120〜150gの雄ウィスター(Wistar)(Han)ラット20匹を無作為に2群に分けた。これらを温度(21±3℃)および相対湿度(30〜80%)を制御した部屋に、12時間明/暗サイクルで収容した。これらのラットに、試験全体を通して、濾過水道水および標準的ペレット飼料を自由に利用させ、4〜5匹/ケージに収容し、試験の前に少なくとも5日間の順化期間を設けた。
一晩絶食させた後、トウモロコシ油(5mL/kgの量)に溶解させたカルドールジエン(200mg/kg)またはビヒクル単独を、符号化および無作為の順序で経口経路によって投与した。30分後、右後足に1.5% カラゲナン懸濁剤0.05mlを足底下注射することによって、炎症が誘発される。左後足には、生理食塩水0.05mlを注射した。カラゲナン注射後1.5時間に1回および3.5時間に1回の2つの時点で、それぞれのラットの足の容積をmL単位で測定した。右後足の容積(炎症足)と左(非炎症)後足の容積の差によって、右足浮腫の容積を確定する。処置群における浮腫の容積に及ぼす抗炎症作用を抑制(パーセント(%))として表した[(ビヒクル処置群の足浮腫の容積の平均−処置群の足浮腫の体積の平均)/ビヒクル処置群の足浮腫の容積の平均)×100]。結果については、下記の表を参照のこと。
[表:カルドールジエン経口投与後のカラゲナン誘発性ラット足浮腫に及ぼす薬理効果]
足浮腫の容積のデータはすべて、各群のラット10匹の平均としてmL単位で表す。ビヒクル処置群に対する抑制(%)を算出する。
カルドールジエン(200mg/kg)はビヒクルで処置した対照群に比べて、カラゲナン注射後1.5時間および3.5時間に足浮腫の容積の平均を抑制したことが明らかである。したがって、カルドールジエンは、哺乳動物において抗炎症作用を有する。
[実施例9:O/Wサンミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例10:耐水性サンミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例11:乳児および子供用サンミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例12:高保護サンミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)およびD)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)およびD)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例13:ウォーターフリーサンゲル]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を混合する。均質になると、撹拌下にパートC)およびD)を添加する。
撹拌しながら、パートA)およびB)を混合する。均質になると、撹拌下にパートC)およびD)を添加する。
[実施例14:サンゲル]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)およびD)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)およびB)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートC)およびD)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例15:高保護WOサンミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)、B)、およびC)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)およびC)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートD)およびE)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)、B)、およびC)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)およびC)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートD)およびE)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例16:顔料を含むW/Oミルク]
[手順:]
撹拌しながら、パートA)、B)、およびC)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)およびC)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートD)およびE)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
撹拌しながら、パートA)、B)、およびC)を85℃に加熱する。均質になると、パートB)およびC)を、撹拌下にパートA)に添加する。撹拌しながら、周囲温度に冷却し、パートD)およびE)を添加する。ホモジナイズして、小粒径を得る。
[実施例17:ビタミンCを含む保護デイクリーム]
Claims (20)
- 式(1)のフェノール化合物が、銀杏酸(I)、カルドールトリエン(II)、カルドールジエン(III)、(15:3)アナカルジン酸(IV)、および(15:2)アナカルジン酸(V)の群から選択される、請求項1または2に記載の組成物。
- 式(1)のフェノール化合物が、カルドールトリエン(II)およびカルドールジエン(III)の群から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
- 式(1)のフェノール化合物の投与量が0.2mg〜3000mgである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
- 医薬品として使用するための請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記炎症性障害が関節炎である、請求項7または8に記載の使用。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物の、栄養補助または医薬組成物の製造のための使用。
- 前記組成物が、食物もしくは飲料、または食物もしくは飲料のためのサプリメント組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、医薬として許容できる担体をさらに含む医薬組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 前記組成物が、美容もしくは皮膚用アジュバント、および/または美容もしくは皮膚用添加剤、および/または美容もしくは皮膚用追加活性成分をさらに含む美容もしくは皮膚用組成物である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
- 請求項13に記載の美容用組成物の、皮膚の炎症の美容用治療、補助治療、または予防、特に日焼けまたは不純な皮膚の美容用治療、補助治療、または予防のための使用。
- 前記炎症性障害が関節炎である、請求項17または18に記載の方法。
- 前記炎症性障害が皮膚の炎症、特に日焼けまたは座瘡である、請求項17または18に記載の方法。
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