JP2008260700A - 脂肪蓄積および脂肪細胞分化を抑制するための組成物 - Google Patents

脂肪蓄積および脂肪細胞分化を抑制するための組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脂肪蓄積抑制組成物および脂肪細胞分化抑制組成物、ならびに過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脂肪蓄積抑制組成物、脂肪細胞分化抑制組成物、ならびに過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む脂肪蓄積抑制組成物および脂肪細胞分化抑制組成物、ならびにトコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
現代の生活様式は過食の機会が多く、運動の機会が少なくなっている。さらに、ホルモンバランスの乱れ、老化、ストレスなどの様々な要因によって生体内での脂肪代謝がうまく行われず、その結果、異常な脂肪蓄積を起こし、肥満に至る。脂肪組織および種々の臓器における異常な脂肪蓄積は、高脂血症、高血圧、動脈硬化、糖尿病などの各種生活習慣病の発症に密接に関与していると考えられている。最近の健康や美容への関心の高まりから、老若男女を問わずに体を健康的でスリムにしたいと願う人が増加しており、肥満でない人においても、脂肪蓄積に関して非常に関心を持っている。また、皮下脂肪組織では局所的な脂肪細胞の肥大化により皮下結合組織の膨潤がおこり、オレンジ果皮にたとえられる皮膚表面の凸凹、すなわちセルライトを引き起こす。従って、美容の分野においても脂肪蓄積は大きな問題となっている。
近年の研究により脂肪組織は単なるエネルギーの貯蔵臓器ではなく様々な生理活性物質(アディポカイン)を分泌する内分泌臓器であるという概念が提唱されその重要性が示唆されている。肥満における脂肪細胞の病態は、脂肪分化やアディポカインの分泌異常などを中心に分子レベルでの研究が進んでおり、脂肪細胞自体の数や大きさの制御に注目が集まっている。また、脂肪細胞は体内に摂取された余剰のエネルギーを中性脂肪の形で貯蔵することによって肥大化し、この肥大化した脂肪細胞はインスリン抵抗性惹起因子(TNFα、レジスチン、FFAなど)を分泌し、この因子により骨格筋や肝臓でインスリンの情報伝達が障害され、インスリン抵抗性が惹起されることが明らかになっている。従って、前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化を抑制し成熟脂肪細胞数を減少させることや、脂肪細胞の脂肪蓄積を抑制することにより過度の脂肪蓄積を抑えることが期待されている。
これまで脂肪蓄積抑制活性または脂肪細胞分化抑制活性を示す食品、医薬または化粧料として、例えば、植物の抽出物を有効成分とするもの(特許文献1)や、環状ペプチドを有効成分とするもの(特許文献2)などが報告されている。しかしながら、未だ十分な効果を有するものはなく、前駆脂肪細胞から成熟脂肪細胞への分化を抑制する活性を有する新規成分、および脂肪細胞の脂肪蓄積を抑制する活性を有する新規成分の開発が望まれていた。
トコトリエノールは、自然界に存在するビタミンE同族体として、トコフェロールと同様に抗酸化作用を示すことが知られている。また、トコトリエノールの活性として、細胞増殖阻害活性が報告されている(特許文献3)。しかし、トコトリエノールが脂肪蓄積抑制活性を有することや、脂肪細胞分化抑制活性を有することについては全く報告されていない。
特開2005-239659号公報 特開2005-220074号公報 特開2002-308768号公報
本発明の課題は、副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脂肪蓄積抑制組成物および脂肪細胞分化抑制組成物、ならびに過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物を提供することである。
本発明者らは、トコトリエノールが脂肪蓄積抑制活性および脂肪細胞分化抑制活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脂肪蓄積抑制組成物。
(2)トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脂肪細胞分化抑制組成物。
(3)トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物。
(4)疾患が、肥満、高脂血症、高血圧、動脈硬化、糖尿病およびセルライトからなる群から選択される、(3)記載の組成物。
本発明により、副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脂肪蓄積抑制組成物および脂肪細胞分化抑制組成物、ならびに過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物が提供される。従来の脂肪蓄積抑制剤や脂肪細胞分化抑制剤と比較してトコトリエノールは、食経験が豊富な食品成分のため薬剤と比べて安全であるという利点を有する。
トコトリエノール(T3)には、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノールおよびδ−トコトリエノールの4つの同族体がある。これらのトコトリエノールにはL-体とD-体が存在するが、いずれも使用することができ、更に上記4種の同族体の2以上の混合物であってもよい。また、トコトリエノールは、生体内でトコトリエノールを遊離することができるエステルの形態であってもよい。このエステルは、好ましくは、飽和または不飽和脂肪酸とのエステルである。脂肪酸としては、炭素数8以上、好ましくは10〜30、より好ましくは16〜24であり、不飽和結合を有しないか、または2〜6の不飽和結合を有する脂肪酸、好ましくは直鎖脂肪酸が挙げられる。以下、トコトリエノールおよびそのエステルを合わせてトコトリエノールと称する。
トコトリエノールは、天然物の圧搾、天然物からの抽出、合成などの方法で得られる。一般的には、ヤシ科やイネ科植物の果皮および/または種子から抽出される。トコトリエノールを含む抽出物として、米糠抽出物およびパーム油抽出物などが挙げられる。天然物の抽出物から得られるトコトリエノールは複数のトコトリエノール同族体の混合物である。
天然物からは公知の方法に従って製造することができる。例えば、抽出物に水を加えて分離し、油層分をカラムクロマトグラフィーで分離精製してトコフェロール類を全く含まないか、または痕跡程度に含むトコトリエノールを調製することができる。各トコトリエノール同族体の比率および含量は、常法に従って、例えば、液体クロマトグラフィー(HPLC)などにて測定することができる。または、常法により、抽出濃縮したトコトリエノールを更にカラムクロマトグラフィーに付し、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノールおよびδ−トコトリエノールの各成分に単離精製することができる。なお、トコトリエノールの各同族体は、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールとして市販されている。
本発明者らは、δ−トコトリエノール>β−トコトリエノール>γ−トコトリエノール>α−トコトリエノールの順に強く脂肪細胞における脂肪蓄積を抑制すること、および脂肪細胞分化を抑制することを見出した。従って、本発明においては、トコトリエノールとして、δ−トコトリエノールを含むものを用いるのが好ましい。
本発明において脂肪蓄積抑制とは、主に脂肪細胞における脂肪蓄積の抑制、特に成熟脂肪細胞における脂肪蓄積の抑制をさす。ここで、脂肪細胞は、組織間に散在または疎性結合組織の一つとして毛細血管の走行に沿う集団として脂肪組織を形成する多量の脂肪を含む細胞をさし、主に褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞に分類される。特に白色脂肪細胞は、皮下脂肪や内臓脂肪を構成する細胞であり、この白色脂肪細胞中の脂肪を低減させるまたは白色脂肪細胞への脂肪の蓄積を抑制することが、体脂肪を効率よく減らす上で特に重要である。
脂肪細胞における脂肪の蓄積の抑制は、脂肪細胞の脂肪含量を測定することにより評価することができる。脂肪細胞の脂肪含量を測定する方法としては、脂肪細胞を顕微鏡で観察し、個々の細胞の細胞質に脂肪が蓄積されて生ずる脂肪滴の多少を目視で判断する方法や、細胞内脂質を抽出しトリグリセリドを測定する方法や、細胞内の脂肪を酵素分解し生じたグリセロールを定量することにより脂肪含量を測定する方法などが挙げられる。また、脂肪細胞をオイルレッドOで染色した後、細胞を溶解し、溶解液中のオイルレッドOの量を分光光度計等で定量することにより当該細胞の脂肪含量を測定する方法を挙げることもできる。細胞内の脂肪を酵素分解し、生じたグリセロール量を測定する方法およびトリグリセリドを測定する方法は、市販のキットを使用して行うことができる。脂肪細胞をオイルレッドOで染色する方法は、例えば、Novikoff A. B. et al., J. Cell Biol., 87, 180-196等に記載の一般的な方法により行うことができる。
本発明において脂肪細胞分化抑制とは、未分化の脂肪細胞(前駆脂肪細胞)の脂肪細胞、すなわち成熟脂肪細胞への分化を抑制する活性をさす。脂肪細胞については、上述のとおりであり、白色脂肪組織において、未分化の脂肪細胞(前駆脂肪細胞)の白色脂肪細胞への分化を抑制することが、体脂肪を効率よく減らす上で特に重要である。
脂肪細胞分化抑制は、細胞分化マーカーであるGPDH(グリセロール-3-リン酸脱水素酵素)活性を測定することにより評価することができる。また、酢酸(14C-CH3COOH)の取り込み活性、グルコース(14C-2-デオキシグルコース)取り込み活性を測定する方法で評価することもできる。mRNAレベルの検出においては、aP2遺伝子をはじめとした脂肪細胞分化マーカーの検出を行うことによっても評価することが可能である。
脂肪細胞は間葉系細胞から発生し、脂肪前駆細胞から分化誘導されて形成される。そして、脂肪細胞に脂肪が蓄積されることにより脂肪細胞が増殖および肥大化する。従って、脂肪細胞分化抑制活性を有するトコトリエノールは、脂肪細胞の形成を抑制し、その結果、脂肪組織の形成も抑制するものと考えられる。さらに、脂肪蓄積抑制活性を有するトコトリエノールは、脂肪細胞の増殖および肥大化も抑制するものと考えられる。その結果、これらに起因する疾患を予防および/または治療することができる。従って、一実施形態において本発明は、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患は、換言すれば、脂肪蓄積抑制および/または脂肪細胞分化抑制により予防および/または治療することができる疾患である。このような疾患の具体例として、肥満、高脂血症、糖尿病、糖尿病による合併症、皮膚障害(セルライト等)、心臓病(狭心症、心筋梗塞、心肥大、心不全等)、血管障害(高血圧、動脈硬化、脳血栓、脳梗塞等)、痛風、脂肪肝、胆石、膵臓炎、変形性関節症、ヘルニア、インスリン抵抗性症候群、脂質代謝異常、高インスリン血症、血栓症、脂質蓄積症、塞栓症、軟化症、虚血性疾患、脳内出血、くも膜下出血、潰瘍等を例示することができるが、特にこれらに限定されない。
本発明において疾患の予防には、疾患の発症を抑えることおよび遅延させることが含まれ、疾患になる前の予防だけではなく、治療後の疾患の再発に対する予防も含まれる。本発明において疾患の治療には、疾患を治癒すること、症状を改善することおよび症状の進行を抑えることが包含される。
以下、トコトリエノールを有効成分として含む、脂肪蓄積抑制組成物、脂肪細胞分化抑制組成物、ならびに過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物を合わせて本発明の組成物と称する。
本発明の組成物の投与対象は、哺乳動物である。本明細書において哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。本発明の組成物は、霊長類、特にヒトへの投与に好適である。過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患に罹患しているヒト、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患と診断されているヒト、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患に罹患する可能性があるヒト、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防する必要があるヒトに本発明の組成物を投与することが特に好ましい。
本発明の組成物は、特に制限されないが、例えば、医薬組成物、食品組成物および化粧料組成物として調製することができる。
本発明の組成物を医薬組成物として調製する場合は、通常、トコトリエノールと好ましくは薬学的に許容される担体とを含む製剤として調製する。医薬組成物は、経口により、非経口により、例えば、皮膚に、皮下に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹腔内に、および鼻腔内に投与される。
薬学的に許容される担体とは、一般的に、本発明の有効成分とは反応しない、不活性の、無毒の、固体または液体の、増量剤、希釈剤またはカプセル化材料等をいい、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、適切なそれらの混合物、植物性油などの溶媒または分散媒体などが挙げられる。
医薬組成物は、好ましくは経口投与製剤の形態である。当該形態としては、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤などが挙げられる。
医薬組成物はさらに医薬分野において慣用の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤、矯味剤などがあり、必要に応じて使用できる。長時間作用できるように徐放化するためには、既知の遅延剤等でコーティングすることもできる。賦形剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、結晶セルロース、ソルビトール、タルク、デキストリン、デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム等が使用できる。結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、エタノール、エチルセルロース、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、精製水、ゼラチン、デンプン、トラガント、乳糖、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類等が挙げられる。抗酸化剤としては、トコフェロール、没食子酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン (BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸等が挙げられる。必要に応じてその他の添加剤や薬剤、例えば制酸剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト等)、胃粘膜保護剤(合成ケイ酸アルミニウム、スクラルファート、銅クロロフィリンナトリウム等)を加えてもよい。
医薬組成物は、徐放性皮下インプラントの形態で、または標的送達系(例えば、モノクローナル抗体、ベクター送達、イオン注入、ポリマーマトリックス、リポソームおよびミクロスフェア)の形態で、非経口で投与してもよい。
本発明の組成物を食品組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、飲料も包含される。健康食品および機能性食品も包含される。健康食品および機能性食品は、具体的には、細粒剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、流動食等の各種製剤形態とすることができる。製剤形態の食品組成物は、医薬製剤と同様に製造することができ、例えば、適当な賦形剤(例えば、でん粉、加工でん粉、乳糖、ブドウ糖、水等)を加えた後、慣用の手段を用いて製造することができる。さらに、食品組成物は、スープ類、ジュース類、乳飲料、ココア飲料、ゼリー状飲料などの液状食品組成物、プリン、ヨーグルトなどの半固形食品組成物、パン、菓子、うどんなどの麺類、クッキー、チョコレート、キャンディ、せんべいなどの菓子、ふりかけ、バター、ジャムなどのスプレッド類等の形態もとりうる。
食品組成物には、種々の食品添加物、例えば、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合してもよい。
本発明の組成物を化粧料組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、溶液、乳液、粉末、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミストおよびカプセル等任意の形態でとすることができる。また、化粧料組成物の製品形態も任意であり、例えば、マッサージ剤およびフットスプレー等のボディー化粧料、化粧水、乳液、クリームおよびパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラおよびサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料およびボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンスおよびシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、医薬部外品、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
化粧料組成物は、化粧品、医薬部外品および医薬品等に慣用される他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて配合し、常法により製造することができる。
その他の化粧料組成物に配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
本発明の組成物の投与量は、脂肪蓄積を抑制しおよび/または脂肪細胞分化を抑制しうる量であればよく、投与方法、年齢、症状等により適宜決定することができる。有効成分であるトコトリエノールの質量に基づき、1日あたり、体重1 kgあたり、経口投与で通常0.1〜250mg、好ましくは1〜25mgである。
本発明の組成物におけるトコトリエノールの含有量は、上記投与量を達成するように適宜決定できる。例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤およびカプセル剤等の固形剤形の場合は、通常1〜100質量%、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは50〜80質量%の量でトコトリエノールを含む。
本発明の組成物には、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB1、キサントフィル類、カロテノイド類、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、イチョウ葉エキス、クロレラ、ワインポリフェノール、緑茶カテキン、テアフラビン、シソ油等の機能性成分などを適宜加えてもよい。脂肪蓄積を抑制する活性を有するその他の成分、および/または脂肪細胞分化を抑制する活性を有するその他の成分をさらに加えることにより、本発明の組成物の脂肪蓄積抑制活性および/または脂肪細胞分化抑制活性を増大することができる。
哺乳動物に本発明の組成物の有効量を投与することにより、すなわち、哺乳動物にトコトリエノールの有効量を投与することにより、脂肪蓄積を抑制しおよび/または脂肪細胞分化を抑制することができ、ひいては過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療することができる。
トコトリエノールは、食経験が豊富な安全な食品成分であることから、通常の食生活のなかで栄養指導などを通じて、疾患を予防し、また症状の進行を遅延できる点で有利である。また、有効成分であるトコトリエノールはカテキンなどのポリフェノール類と比べて体内に吸収されやすく、脂肪組織に移行しやすいことから、高い効果が得られる(Kawakami Y, Tsuzuki T, Nakagawa K, Miyazawa T. Distribution of Tocotrienols in Rats Fed a Rice Bran Tocotrienol Concentrate. Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Feb; 71(2):464-471.)。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
3T3-L1細胞(マウス由来前駆脂肪細胞)を用いて脂肪細胞への分化過程におけるトコトリエノール(T3)の与える影響を調べた。分化誘導培地に、α-トコトリエノール(α-T3)、β-トコトリエノール(β-T3)、γ-トコトリエノール(γ-T3)、δ-トコトリエノール(δ-T3)をそれぞれ12.5 〜 50 μM添加し、分化誘導を48時間行った。分化誘導後8日目にオイルレッドO染色、トリアシルグリセロール(TG)量測定およびGPDH(グリセロール−3−リン酸脱水素酵素)活性測定を行い、脂肪細胞への分化および脂肪細胞における脂肪蓄積について評価を行った。
以下に実験スキームを示す。
Figure 2008260700
0日目の分化誘導培地に含まれるトコトリエノール(T3)は、α-T3、β-T3、γ-T3およびδ-T3のそれぞれについて、12.5μM、25μMおよび50μMの濃度で実験を行った。
オイルレッドO染色は、10%ホルマリンで3T3-L1細胞を固定後、オイルレッドO溶液にて染色し観察した。0、6、8日目の3T3-L1細胞のオイルレッドO染色の結果を図1に示す。脂質が蓄積していると、細胞が赤く染色される。図1の結果から、α-T3、β-T3、γ-T3およびδ-T3はいずれも脂肪細胞への脂肪蓄積を抑制することがわかる。
トリグリセリド(TG)量測定は、3T3-L1細胞溶解液をTGテストワコー(和光純薬工業(株))にて測定し、タンパク量で補正した(DCプロテインアッセイキット、日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ(株))。分化誘導後8日目の細胞内TG蓄積量を測定した結果を図2に示す。α-T3、β-T3、γ-T3およびδ-T3はいずれも脂肪細胞へのTG蓄積を抑制することがわかる。また、トコトリエノールによるTG蓄積の抑制には濃度依存性が見られた。さらに、δ-T3>β-T3>γ-T3>α-T3の順に強くTGの蓄積を抑制することが示された。
GPDH(グリセロール−3−リン酸脱水素酵素)活性測定は、3T3-L1細胞溶解液にGPDHの基質であるジヒドロキシアセトンリン酸とNADHを添加し、NADHの消費量から活性を算出し、タンパク量で補正した(L. P. Kozak and J. T. Jensen, 1974, J. Biol. Chem. 249, 7775-7781)。結果を図3に示す。α-T3、β-T3、γ-T3およびδ-T3はいずれも脂肪細胞におけるGPDH活性を抑制することがわかる。GPDH活性は分化の指標であることから、トコトリエノール(T3)が脂肪細胞の分化を抑制することがわかる。また、トコトリエノール(T3)による脂肪細胞の分化抑制には濃度依存性が見られた。さらに、δ-T3>β-T3>γ-T3>α-T3の順に強くGPDH活性を抑制することが示された。
増殖させた3T3-L1細胞を、α-トコトリエノール(α-T3)、β-トコトリエノール(β-T3)、γ-トコトリエノール(γ-T3)またはδ-トコトリエノール(δ-T3)をそれぞれ12.5 〜 50 μM添加した分化誘導培地に入れ、分化誘導後、0、6、8日目に3T3-L1細胞をオイルレッドO染色した結果を示す。 増殖させた3T3-L1細胞を、α-トコトリエノール(α-T3)、β-トコトリエノール(β-T3)、γ-トコトリエノール(γ-T3)またはδ-トコトリエノール(δ-T3)をそれぞれ12.5 〜 50 μM添加した分化誘導培地に入れ、分化誘導後8日目の3T3-L1細胞内TG蓄積量を測定した結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。異なるアルファベット(a,b,c,d,e,f,g,h)で示された値は、統計学的に有意な差(P< 0.05)がある。 増殖させた3T3-L1細胞を、α-トコトリエノール(α-T3)、β-トコトリエノール(β-T3)、γ-トコトリエノール(γ-T3)またはδ-トコトリエノール(δ-T3)をそれぞれ12.5 〜 50 μM添加した分化誘導培地に入れ、分化誘導したときのGPDH活性を測定した結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。異なるアルファベット(a,b,c,d,e,f,g,)で示された値は、統計学的に有意な差(P< 0.05)がある。

Claims (4)

  1. トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脂肪蓄積抑制組成物。
  2. トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脂肪細胞分化抑制組成物。
  3. トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、過剰な脂肪蓄積および/または脂肪細胞分化に関連する疾患を予防および/または治療するための組成物。
  4. 疾患が、肥満、高脂血症、高血圧、動脈硬化、糖尿病およびセルライトからなる群から選択される、請求項3記載の組成物。
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