JP2008266255A - アレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脱顆粒抑制組成物、ならびにアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明は、トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脱顆粒抑制組成物、ならびにアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
【選択図】なし

Description

本発明は、脱顆粒抑制組成物、ならびにアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
近年、日本をはじめとする先進国で、アトピー性皮膚炎、花粉症、気管支喘息などのアレルギー性疾患が増加しており、社会問題となっている。特に、春先の花粉症や、若年層から成人に至るまで広がりを見せるアトピー性皮膚炎等は、日常生活に支障をきたすほど重篤な症状を伴うケースがあり、また、都市部の学童において有症率が増加している喘息疾患にあっては、悪化すれば死にもつながる疾病である。
アレルギー性疾患は、発症のメカニズムによってI〜IV型に分類され、アトピー性皮膚炎や花粉症など一般的なアレルギー性疾患はI型に属する。このI型アレルギー反応の基礎となるのが、マスト細胞や好塩基球の脱顆粒により引き起こされる即時型アレルギー反応である。マスト細胞や好塩基球の脱顆粒は、B細胞が作る免疫グロブリンE(IgE)によって起こる。マスト細胞や好塩基球は、粘膜や皮下組織などに存在し、その表面には、IgEに対して高い親和性を示す受容体(FcεRI)が発現している。そのため、産生されたIgEは血液中ではなく、マスト細胞や好塩基球に結合した状態でとどまる。アレルギーを起こす物質(抗原、アレルゲン)に曝露されると、これらがマスト細胞や好塩基球の表面のIgEと結合し、マスト細胞や好塩基球から化学伝達物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなど)が放出される。これらの化学伝達物質によって、即時型アレルギー反応が起こる。その結果として生じるアレルギー性疾患を予防および治療するには、上記反応のいずれかの段階を抑制することが必要であり、このような観点から現在までに種々の抗アレルギー剤が開発され市販されているが、いずれも有効性や副作用の面において満足のいくものではなかった。
トコトリエノールは、自然界に存在するビタミンE同族体として、トコフェロールと同様に抗酸化作用を示すことが知られている。また、トコトリエノールの活性として、細胞増殖阻害活性が報告されている(特許文献1)。しかし、トコトリエノールがマスト細胞や好塩基球の脱顆粒抑制活性を有することについては全く報告されていない。
特開2002-308768号公報
本発明の課題は、副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脱顆粒抑制組成物、ならびにアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物を提供することである。
本発明者らは、トコトリエノールが脱顆粒を抑制する活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脱顆粒抑制組成物。
(2)トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、アレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物。
(3)アレルギー性疾患がI型アレルギー性疾患である、(1)記載の組成物。
(4)I型アレルギー性疾患が、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、アナフィラキシーショックおよびアトピー性皮膚炎からなる群から選択される、(3)記載の組成物。
本発明により、副作用の恐れがなく効果的で安全性の高い、脱顆粒抑制組成物、ならびにアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物が提供される。本発明の組成物は、従来の抗アレルギー剤と比較して、食経験が豊富な食品成分を有効成分とするため安全である。
トコトリエノール(T3)には、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノールおよびδ−トコトリエノールの4つの同族体がある。これらのトコトリエノールにはL-体とD-体が存在するが、いずれも使用することができ、更に上記4種の同族体の2以上の混合物であってもよい。また、トコトリエノールは、生体内でトコトリエノールを遊離することができるエステルの形態であってもよい。このエステルは、好ましくは、飽和または不飽和脂肪酸とのエステルである。脂肪酸としては、炭素数8以上、好ましくは10〜30、より好ましくは16〜24であり、不飽和結合を有しないか、または2〜6の不飽和結合を有する脂肪酸、好ましくは直鎖脂肪酸が挙げられる。以下、トコトリエノールおよびそのエステルを合わせてトコトリエノールと称する。
トコトリエノールは、天然物の圧搾、天然物からの抽出、合成などの方法で得られる。一般的には、ヤシ科やイネ科植物の果皮および/または種子から抽出される。トコトリエノールを含む抽出物として、米糠抽出物およびパーム油抽出物などが挙げられる。天然物の抽出物から得られるトコトリエノールは複数のトコトリエノール同族体の混合物である。
天然物からは公知の方法に従って製造することができる。例えば、抽出物に水を加えて分離し、油層分をカラムクロマトグラフィーで分離精製してトコフェロール類を全く含まないか、または痕跡程度に含むトコトリエノールを調製することができる。各トコトリエノール同族体の比率および含量は、常法に従って、例えば、液体クロマトグラフィー(HPLC)などにて測定することができる。または、常法により、抽出濃縮したトコトリエノールを更にカラムクロマトグラフィーに付し、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノールおよびδ−トコトリエノールの各成分に単離精製することができる。なお、トコトリエノールの各同族体は、α−トコトリエノール、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、δ−トコトリエノールとして市販されている。
本発明者らは、β−トコトリエノール>δ−トコトリエノール>γ−トコトリエノール>α−トコトリエノールの順に強く脱顆粒を軽減すること、ならびにδ−トコトリエノール>α−トコトリエノール>β−トコトリエノール>γ−トコトリエノールの順に強く脱顆粒を予防することを見出した。従って、脱顆粒を軽減する目的では、少なくともβ−トコトリエノールを用いるのが好ましく、脱顆粒を予防する目的では、少なくともδ−トコトリエノールを用いるのが好ましい。
本発明において脱顆粒抑制とは、マスト細胞および/または好塩基球における脱顆粒を抑制することをさす。マスト細胞は、肥満細胞とも称され、喘息やアトピー性皮膚炎等の即時型アレルギー反応を誘起する細胞である。マスト細胞は、骨髄前駆細胞よりインターロイキン作用で分化成熟するが、分化度合の違いと形態的・薬理学的な違いにより、血管周囲に多い結合組織内マスト細胞(CTMC:connective tissue mast cell)と寄生虫感染で増加しT細胞依存性である粘膜内マスト細胞(MMC:mucosal mast cell)とに分けられる。両タイプのマスト細胞とも細胞膜表面にIgEの高親和性Fcε受容体(FcεRI)を有し、ヒスタミン等の化学伝達物質を含有する顆粒を含む。細胞の脱顆粒反応は、FcεRIに結合したIgEが抗原で架橋され、それにより受容体どうしが凝集するか、あるいは受容体が直接架橋されることにより起こる。FcεRIの架橋以外にも、アナフィラトキシンである補体成分フラグメント、compound 48/80、化学物質のカルシウムイオノホア等によっても脱顆粒が起こる。脱顆粒により、顆粒に貯蔵されていたヒスタミン等の化学伝達物質が細胞外に放出される。好塩基球は、好塩基性白血球とも称され、顆粒球の一種である。細胞膜表面にIgEに対する高親和性Fcε受容体(FcεRI)を有し、ヒスタミン等の化学伝達物質を含有する顆粒を含む。そして、好塩基球は、FcεRIの架橋により脱顆粒を起こす。これらの特徴はマスト細胞の特徴に似ているが、顆粒の数および形態、ならびに顆粒含有物の種類や量が異なる。
マスト細胞および好塩基球における脱顆粒の抑制は、肥満細胞および好塩基球内の顆粒中に分泌され脱顆粒により放出される化学伝達物質を測定することにより評価できる。そのような化学伝達物質としては、例えば、キマーゼ、カルボキシペプチダーゼ、トリプターゼ、キニノゲナーゼ、MCP1、MCP2、MCP4、MCP7およびMCP9等の肥満細胞プロテアーゼ(MCP)、バソグラヌリン、β−グルコサミニダーゼ、β−ヘキソサミニダーゼ等が挙げられる(Naal RM, Tabb J, Holowka D, Baird B., In situ measurement of degranulation as a biosensor based on RBL-2H3 mast cells. Biosens Bioelectron. 2004 Nov 1;20(4):791-6.)。
脱顆粒によりマスト細胞や好塩基球から化学伝達物質(ヒスタミン、ロイコトリエン、プロスタグランジンなど)が放出され、これらの生理活性物質によって即時型アレルギー反応が起こり、その結果としてアレルギー性疾患が生じる。従って、脱顆粒抑制活性を有するトコトリエノールにより、アレルギー性疾患、特にI型アレルギー性疾患を予防および/または治療することができる。従って、一実施形態において本発明は、トコトリエノールを有効成分として含む、アレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。換言すれば、本発明は、トコトリエノールを有効成分として含む、脱顆粒の抑制に基づいてアレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物に関する。
トコトリエノールは、アレルギー性疾患のうち、即時型アレルギー反応に基づくI型アレルギー性疾患の予防および/または治療に好適に用いられる。I型アレルギー性疾患の具体例としては、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、アナフィラキシーショック、アトピー性皮膚炎等を例示することができるが、特にこれらに限定されない。
本発明において疾患の予防には、疾患の発症を抑えることおよび遅延させることが含まれ、疾患になる前の予防だけではなく、治療後の疾患の再発に対する予防も含まれる。本発明において疾患の治療には、疾患を治癒すること、症状を改善または軽減することおよび症状の進行を抑えることが包含される。
以下、トコトリエノールを有効成分として含む、脱顆粒抑制組成物、アレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物を合わせて本発明の組成物と称する。
本発明の組成物の投与対象は、哺乳動物である。本明細書において哺乳動物は、温血脊椎動物をさし、例えば、ヒトおよびサルなどの霊長類、マウス、ラットおよびウサギなどの齧歯類、イヌおよびネコなどの愛玩動物、ならびにウシ、ウマおよびブタなどの家畜が挙げられる。本発明の組成物は、霊長類、特にヒトへの投与に好適である。アレルギー性疾患に罹患しているヒト、アレルギー性疾患と診断されているヒト、アレルギー性疾患に罹患する可能性があるヒト、アレルギー性疾患を予防する必要があるヒトに本発明の組成物を投与することが特に好ましい。
本発明の組成物は、特に制限されないが、例えば、医薬組成物、食品組成物および化粧料組成物として調製することができる。
本発明の組成物を医薬組成物として調製する場合は、通常、トコトリエノールと好ましくは薬学的に許容される担体とを含む製剤として調製する。医薬組成物は、経口により、非経口により、例えば、皮膚に、皮下に、静脈内に、動脈内に、筋肉内に、腹腔内に、眼に、および鼻腔内に投与される。
薬学的に許容される担体とは、一般的に、本発明の有効成分とは反応しない、不活性の、無毒の、固体または液体の、増量剤、希釈剤またはカプセル化材料等をいい、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコールなど)、適切なそれらの混合物、植物性油などの溶媒または分散媒体などが挙げられる。
医薬組成物の剤形は特に制限されないが、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤およびカプセル剤などの固形製剤、注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、ローション剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤および乳剤などの液状製剤、ならびにローション剤、クリーム剤および軟膏等の半固形製剤が挙げられる。また、経口用製剤でも、非経口用製剤、例えば外用剤の形態でもよい。
医薬組成物はさらに医薬分野において慣用の添加剤を含んでいてもよい。そのような添加剤には、例えば、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、抗酸化剤、着色剤、矯味剤などがあり、必要に応じて使用できる。長時間作用できるように徐放化するためには、既知の遅延剤等でコーティングすることもできる。賦形剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、軽質無水ケイ酸、ゼラチン、結晶セルロース、ソルビトール、タルク、デキストリン、デンプン、乳糖、白糖、ブドウ糖、マンニトール、メタ珪酸アルミン酸マグネシウム、リン酸水素カルシウム等が使用できる。結合剤としては、例えば、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、エタノール、エチルセルロース、カゼインナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、寒天、精製水、ゼラチン、デンプン、トラガント、乳糖、ヒドロキシセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。崩壊剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、結晶セルロース、デンプン、ヒドロキシプロピルスターチ等が挙げられる。滑沢剤としては、例えば、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、硬化油、ショ糖脂肪酸エステル、ロウ類等が挙げられる。抗酸化剤としては、トコフェロール、没食子酸エステル、ジブチルヒドロキシトルエン (BHT)、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、アスコルビン酸等が挙げられる。必要に応じてその他の添加剤や薬剤、例えば制酸剤(炭酸水素ナトリウム、炭酸マグネシウム、沈降炭酸カルシウム、合成ヒドロタルサイト等)、胃粘膜保護剤(合成ケイ酸アルミニウム、スクラルファート、銅クロロフィリンナトリウム等)を加えてもよい。
医薬組成物は、徐放性皮下インプラントの形態で、または標的送達系(例えば、モノクローナル抗体、ベクター送達、イオン注入、ポリマーマトリックス、リポソームおよびミクロスフェア)の形態で、非経口で投与してもよい。
本発明の組成物を食品組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、飲料も包含される。健康食品および機能性食品も包含される。健康食品および機能性食品は、具体的には、細粒剤、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、シロップ剤、液剤、流動食等の各種製剤形態とすることができる。製剤形態の食品組成物は、上述の医薬製剤と同様に製造することができ、例えば、適当な賦形剤(例えば、でん粉、加工でん粉、乳糖、ブドウ糖、水等)を加えた後、慣用の手段を用いて製造することができる。さらに、食品組成物は、スープ類、ジュース類、乳飲料、ココア飲料、ゼリー状飲料などの液状食品組成物、プリン、ヨーグルトなどの半固形食品組成物、パン、菓子、うどんなどの麺類、クッキー、チョコレート、キャンディ、せんべいなどの菓子、ふりかけ、バター、ジャムなどのスプレッド類等の形態もとりうる。
食品組成物には、種々の食品添加物、例えば、酸化防止剤、香料、各種エステル類、有機酸類、有機酸塩類、無機酸類、無機酸塩類、無機塩類、色素類、乳化剤、保存料、調味料、甘味料、酸味料、果汁エキス類、野菜エキス類、花蜜エキス類、pH調整剤、品質安定剤などの添加剤を単独、あるいは併用して配合してもよい。
本発明の組成物を化粧料組成物として調製する場合、その形態は特に制限されず、溶液、乳液、粉末、水-油二層系、水-油-粉末三層系、ゲル、エアゾール、ミストおよびカプセル等任意の形態でとすることができる。また、化粧料組成物の製品形態も任意であり、例えば、マッサージ剤およびフットスプレー等のボディー化粧料、化粧水、乳液、クリームおよびパック等のフェーシャル化粧料、ファンデーション、おしろい、頬紅、口紅、アイシャドー、アイライナー、マスカラおよびサンスクリーン等のメーキャップ化粧料、メーク落とし、洗顔料およびボディーシャンプー等の皮膚洗浄料、ヘアーリンスおよびシャンプー等の毛髪化粧料、浴用剤、軟膏、医薬部外品、あぶら取り紙、芳香化粧料等が挙げられる。
化粧料組成物は、化粧品、医薬部外品および医薬品等に慣用される他の成分、例えば、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪 酸、高級アルコール、エステル、シリコーン、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて配合し、常法により製造することができる。
その他の化粧料組成物に配合可能な成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等)、消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等)、美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等)、各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等)、血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等)、抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等)、抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
本発明の組成物の投与量は、脱顆粒を抑制しうる量であればよく、投与方法、年齢、症状等により適宜決定することができる。有効成分であるトコトリエノールの質量に基づき、1日あたり、体重1 kgあたり、経口投与で通常0.1〜250mg、好ましくは1〜25mgである。
本発明の組成物におけるトコトリエノールの含有量は、上記投与量を達成するように適宜決定できる。例えば、錠剤、顆粒剤、細粒剤、散剤およびカプセル剤等の固形剤形の場合は、通常1〜100質量%、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%の量でトコトリエノールを含む。注射剤、点眼剤、点鼻剤、吸入剤、噴霧剤、ローション剤、シロップ剤、液剤、懸濁剤および乳剤などの液状製剤の場合は、通常1〜100質量%、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは30〜80質量%の量でトコトリエノールを含む。
本発明の組成物には、例えば、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB12、ビタミンB2、ビタミンB1、キサントフィル類、カロテノイド類、ミネラル類(カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛等)、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、イチョウ葉エキス、クロレラ、ワインポリフェノール、緑茶カテキン、テアフラビン、シソ油等の機能性成分などを適宜加えてもよい。脱顆粒を抑制する活性を有するその他の成分をさらに加えることにより、本発明の組成物の脱顆粒抑制活性を増大することができる。脱顆粒を抑制する活性を有するその他の成分としては、例えば、アゼラスチン、クロモグリク酸ナトリウム、イブジラスト、ケタス、トラニラスト、アンレキサノクス、レピリナス、タザノラスト、ペミロラストカリウム等が挙げられる。
哺乳動物に本発明の組成物の有効量を投与することにより、すなわち、哺乳動物にトコトリエノールの有効量を投与することにより、脱顆粒を抑制し、ひいてはアレルギー性疾患を予防および/または治療することができる。
トコトリエノールは、食経験が豊富な安全な食品成分であることから、通常の食生活のなかで栄養指導などを通じて、疾患を予防し、また症状の進行を遅延できる点で有利である。また、有効成分であるトコフェノールは体内に吸収されやすく、脂肪組織に移行しやすいことから、高い効果が得られる(Kawakami Y, Tsuzuki T, Nakagawa K, Miyazawa T.
Distribution of Tocotrienols in Rats Fed a Rice Bran Tocotrienol Concentrate.
Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Feb; 71(2):464-471.)。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は実施例の範囲に限定されない。
実施例1
トコトリエノール(T3:α、β、γ、δ-T3)の脱顆粒抑制作用を、ラットマスト細胞株(RBL-2H3)を用いて評価した。評価法として、以下の2つの方法で実験を行った。なお、トコフェロール(Toc:α、β、γ、δ-Toc)を比較のために用い、Azelastine(アゼラスチン)をポジティブコントロールとして用いた。
(1)アレルギー軽減効果の評価
マスト細胞を、IgE添加後に、被検物質(トコトリエノール、トコフェロールまたはアゼラスチン)で処理し、続いて脱顆粒を誘導することにより、被検物質のアレルギー軽減効果を評価した。
(2)アレルギー予防効果の評価
マスト細胞を、IgE添加前に、被検物質(トコトリエノールまたはトコフェロール)で処理し、続いて脱顆粒を誘導することにより、被検物質のアレルギー予防効果を評価した。
被検物質のアレルギー軽減効果の評価(1)の手順を図1に示す。脱顆粒の指標として、ヒスタミンと同時に分泌されるβ-ヘキソサミニダーゼを用い、「脱顆粒によるβ-ヘキソサミニダーゼ濃度(脱顆粒濃度)=培地中のβ-ヘキソサミニダーゼ濃度(I)−自然遊離によるβ-ヘキソサミニダーゼ濃度(自然遊離濃度)(II)」として測定した。
被検物質のアレルギー予防効果(2)は、図1の手順において被検物質処理とIgE添加の順番を入れ替えて、その他は同様の手順で測定した。
アゼラスチン(ポジティブコントロール)のアレルギー軽減効果の評価結果を図2に示す。0μM アゼラスチンにおける脱顆粒濃度を100とし、各濃度における脱顆粒濃度を示した。アゼラスチンは、マスト細胞の生存率と脱顆粒濃度を濃度依存的に有意に減少させた。よって、アゼラスチンは、マスト細胞の増殖を抑制することで、脱顆粒濃度も減少させた。これより、この系にてアレルギー軽減効果を評価できることが示された。
トコフェロール(比較対照)のアレルギー軽減効果の評価結果を図3に示す。0μM トコトリエノールにおける脱顆粒濃度を100とし、各濃度における脱顆粒濃度を示した。トコフェロールはマスト細胞の脱顆粒にほとんど影響しなかった。すなわち、トコフェロールはアレルギー軽減効果を有しないことが示された。
トコトリエノールのアレルギー軽減効果の評価結果を図4に示す。0μM トコトリエノールにおける脱顆粒濃度を100とし、各濃度における脱顆粒濃度を示した。4種類すべてのトコトリエノールは、脱顆粒濃度を有意に減少させた。脱顆粒濃度を0μM トコトリエノールの場合の50%にまで減少するトコトリエノール濃度(IC50)は、α-トコトリエノールが40μM、β-トコトリエノールが27μM、γ-トコトリエノールが33μM、δ-トコトリエノールが37μMであった。すなわち、トコトリエノールはいずれも、アレルギー軽減効果を有することが示された。この作用は同じビタミンE類であるトコフェロールには見られなかったことから、トコトリエノールに特異的な効果であることがわかる。
トコフェロール(比較対照)のアレルギー予防効果の評価結果を図5に示す。0μM トコトリエノールにおける脱顆粒濃度を100とし、各濃度における脱顆粒濃度を示した。トコフェロールはマスト細胞の脱顆粒にほとんど影響しなかった。すなわち、トコフェロールはアレルギー予防効果を有しないことが示された。
トコトリエノールのアレルギー予防効果の評価結果を図6に示す。0μM トコトリエノールにおける脱顆粒濃度を100とし、各濃度における脱顆粒濃度を示した。4種類すべてのトコトリエノールは、脱顆粒濃度を有意に減少させた。脱顆粒濃度を0μM トコトリエノールの場合の50%にまで減少するトコトリエノール濃度は、α-トコトリエノールが18μM、β-トコトリエノールが20μM、γ-トコトリエノールが25μM、δ-トコトリエノールが14μMであった。すなわち、トコトリエノールはいずれも、強いアレルギー予防効果を有することが示された。この作用は同じビタミンE類であるトコフェロールには見られなかったことから、トコトリエノールに特異的な効果であることがわかる。
以上から、トコトリエノールはマスト細胞からの脱顆粒を抑制することにより、アレルギー性疾患を軽減および予防する作用を有することが示された。
実施例2
トコトリエノール(T3)がマスト細胞の脱顆粒反応を抑制することを、動物試験を行って確認した。動物試験の方法は、Orito K. et al., J Pharmacol Toxicol Methods. 2004 Jan-Feb;49(1):25-9に従って実施した。具体的な方法は、以下のとおりである。
ICRマウス(9週齢、雄性)を用いて、即時性アレルギー反応の特徴である「痒み」に対するT3の影響を調べた(図7)。マウスに米糠から抽出したT3(Kawakami Y. et al., Biosci Biotechnol Biochem. 2007 Feb; 71(2):464-471.)を1週間経口投与(10mg/日/マウス)した。米糠由来のトコトリエノールの組成は、α-トコトリエノールが1.29%、β-トコトリエノールが0.54%、γ-トコトリエノールが51.6%、δ-トコトリエノールが4.39%であった。その後、肩甲骨の間の皮膚に0.1 mgのcompound 48/80を皮内投与し、痒みを引き起こした(図7)。この痒みによるマウスの擦過行動をビデオカメラで撮影し、擦過(ひっかき)回数と擦過(ひっかき)時間を擦過行動定量化システム(スクラバ、株式会社ノベルテック)で解析した。その結果、T3を経口投与したマウスはT3未投与のものと比べて擦過回数、時間ともに有意に減少した(図8)。以上から、T3はアレルギー症状を軽減することが示された。
被検物質のアレルギー軽減効果の評価手順を示す。 アゼラスチン(ポジティブコントロール)のアレルギー軽減効果の評価結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。異なるアルファベット(a,b,c,d,e,f,g,h)で示された値は、統計学的に有意な差(P < 0.05)を有する。 トコフェロール(比較対照)のアレルギー軽減効果の評価結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。 トコトリエノールのアレルギー軽減効果の評価結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。異なるアルファベット(a,b,c,d)で示された値は、統計学的に有意な差(P < 0.05)を有する。 トコフェロール(比較対照)のアレルギー予防効果の評価結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。 トコトリエノールのアレルギー予防効果の評価結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=6)で示した。異なるアルファベット(a,b,c,d)で示された値は、統計学的に有意な差(P < 0.05)を有する。 トコトリエノール(T3)がマスト細胞の脱顆粒反応を抑制することを確認するための動物試験の手順を示す。 実施例2において、マウスの擦過行動をビデオカメラで撮影し、擦過回数と擦過時間を擦過行動定量化システムで解析した結果を示す。値は、平均値±標準偏差(n=7)で示した。異なるアルファベット(a,b)で示された値は、統計学的に有意な差(P < 0.05)がある。

Claims (4)

  1. トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、脱顆粒抑制組成物。
  2. トコトリエノールまたはそのエステルを有効成分として含む、アレルギー性疾患を予防および/または治療するための組成物。
  3. アレルギー性疾患がI型アレルギー性疾患である、請求項2記載の組成物。
  4. I型アレルギー性疾患が、花粉症、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、気管支喘息、気管支炎、アレルギー性皮膚炎、蕁麻疹、アナフィラキシーショックおよびアトピー性皮膚炎からなる群から選択される、請求項3記載の組成物。
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