JPH0781137B2 - 酸化防止剤 - Google Patents

酸化防止剤

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JPH0781137B2
JPH0781137B2 JP2012517A JP1251790A JPH0781137B2 JP H0781137 B2 JPH0781137 B2 JP H0781137B2 JP 2012517 A JP2012517 A JP 2012517A JP 1251790 A JP1251790 A JP 1251790A JP H0781137 B2 JPH0781137 B2 JP H0781137B2
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JP
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cashew nut
cardanol
antioxidant
cardol
nut shell
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義夫 小泉
健次 下村
宏 山口
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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Mikimoto Pharmaceutical Co Ltd
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  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Cosmetics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は化学合成によらない酸化防止剤及びこれを配合
した化粧料及び食品に関する。
〔従来の技術〕
現在、主に利用されている酸化防止剤にはブチルヒドロ
キシアニソール(B.H.A)、ブチルヒドロキシトルエン
(B.H.T.)、ビタミンEやその誘導体がある。
B.H.AやB.H.T.は合成品であり、現在一般的な意識とし
て、合成品の使用については厳しい批判があり、実際の
法規制でも使用が甚だしく規制されつつある。
またビタミンEやその誘導体は、酸化防止作用が比較的
弱く、天然物で強い酸化防止作用のある物質が求められ
ている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、天然物より得られる物質であって、強
い酸化防止作用があり、且つ入手が容易で安価な物質を
提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記のような課題を解決するため鋭意研
究を行い、各種の植物、動物、食品等よりスクリーニン
グを行った結果、カシューナッツ殻油及びこの油を主成
分であるカルダノール及び/又はカルドール、アナカル
ド酸が有効であることを見い出した。
カシューナッツ自体弱い酸化防止作用があることは文献
で公知の事実であるが、非常に弱い酸化防止作用であ
り、且つナッツは食品として利用されるので、そのコス
トは高くなる。
また、該文献では酸化防止作用を発現する物質の同定も
されていない。
本発明者らは、現在用途の少ないカシューナッツの殻に
注目し、化学的手段を用いて、酸化防止作用を発現する
物質を同定した。
その結果、カシューナッツ中に含まれる酸化防止物質の
量の数十倍もカシューナッツ殻に含有されていることが
判明した。
即ち本発明はカルダノール、カルドール、アナカルド酸
よりなる群より選んだ1種以上を有効成分として含む酸
化防止剤である。
また本発明はカシューナッツ殻を乾留して得たカシュー
ナッツ殻油又は該殻をn−ヘキサンで抽出した殻油成分
を有効成分として含む酸化防止剤である。
また本発明はカシューナッツ殻油又はカルダノール、カ
ルドール、アナカルド酸よりなる群より選んだ1種以上
とビタミンEを有効成分として含む酸化防止剤である。
また本発明は前記の酸化防止剤を含む化粧料及び食品で
ある。
カシューナッツ殻油は、カシューナッツ殻液又はカシュ
ーナッツオイルとも呼ばれている。カシューナッツトリ
ー(Anacardium accidentale L.,ウルシ科)の実の殻に
含まれる油状の液である。
採取法には溶剤抽出法と加熱法があり、産地では主とし
て加熱法が用いられる。即ち殻油はカシューナッツの殻
を乾留することによって得られる。
成分としては、抽出法の場合はアナカルド酸とカルドー
ルが主成分であり、加熱法の時はカルダノールとカルド
ールが主成分である。
現在、カシューナッツ殻油は、カシューワニスの原料と
して専ら用いられている。このカシューナッツ殻油か
ら、酸化防止物質以外の物質を除いて用いることはなん
ら問題はなく、その選択は用途によって選択すればよ
い。
一番容易な採取法としてはn−ヘキサンを用いて抽出す
る方法が安価、迅速である。
さらに精製を加えるならば、上記n−ヘキサン抽出物よ
りカルダノール、カルドールを選択的に得る。
加熱法の場合、直接カルダノールとカルドールを得るの
は加熱によりアナカルド酸が脱炭酸され、カルダノール
となるためである。
抽出物より、カルダノール、カルドールを選択的に得る
精製方法を例示すれば、カシューナッツ殻油20gを、第
1表のような溶媒各1リットルづつに溶解し、A,B,Cの
順にシリカゲルカラム(メルク社製230〜400メッシュ,3
00g)に通す。
各フラクションを20mlづつ採取し、純品のカルダノー
ル、カルドールと薄層クロマトグラフィーを用いて比較
確認し、同物質の存在するフラクションを回収し、溶媒
を除去する。
カシューナッツ殻油、該油からのn−ヘキサン抽出物、
あるいはカルダノール、カルドールを単離する場合、乾
留などの熱処理が工程内に入っている場合は、カシュー
ナッツ殻油に含有されているアナカルド酸はカルダノー
ルに変化している。
アナカルド酸自体にも酸化防止作用があるが、カルダノ
ールより弱いので、カシューナッツ殻油、該油からのn
−ヘキサン抽出物を用いるときは、熱処理工程が入って
いないときは、工程に熱処理を加えた方が有効である。
またカルダノール、カルドールを単離する場合は、単離
する前に熱処理工程を加える方が、より酸化防止作用が
強くなる。
ただ、用途によっては、これらの熱処理を加えなくとも
よく、カルダノール、カルドール、アナカルド酸を単離
する場合は、アナカルド酸も一緒に分離し、利用するこ
とも可能であり、また利用しなくてもよい。本発明は、
カシューナッツ殻油、該殻の溶媒抽出物、カルダノール
及び/又はカルドール、アナカルド酸に強力な酸化防止
作用がある事を見い出した事にあり、これは後記の実施
例によって示される。
〔実施例〕
以下に実施例によって本発明を更に具体的に説明する
が、本発明は、この実施例に限定されるものではない。
カシューナッツ殻油(乾留油でなく、エチルエーテル抽
出物)よりカルダノール、カルドール、アナカルド酸を
単離して、以下の酸化防止作用の実験に供した。
なお、それぞれの得られた量は、カシューナッツ殻油20
gよりカルダノールが0.72g、カルドールが2.78g、アナ
カルド酸4.68gであった。
(酸化防止作用の実験方法) 試料10mgをエタノール20mlに溶解、2.5%リノール酸の
エタノール溶液を20ml加えて、0.05モル リン酸緩衝液
(pH7.0を40ml加えて、精製水で100mlに定容した。
これを50℃の暗所に放置し、24時間ごとにチオシアン酸
鉄法で酸化された割合をみた。
その方法は、上記のサンプルを0.5ml、75%エタノール
水溶液48.5ml、30%チオシアン酸アンモニウム0.5mlを
加えて、3分間放置した後、0.02N塩化第一鉄3.5%NCl
水溶液0.5mlを加えて、75%エタノール溶液で定容し
た。
3分間放置した後、波長500nmで吸光度を測定した。
セル長は10mm、対照セルは試料10mgをエタノール20mlに
溶解し、2.5%リノール酸のエタノール溶液を20ml加え
る代りに、エタノールを40ml加えて、そのあと同様の処
理を行ったものを入れた。
またコントロールとして、試料10mgをエタノール20mlに
溶解する代りにエタノールを20ml加えて、そのあと同様
の処理を行ったものを実験した。結果を第2表に示す。
このように、コントロールに比べては勿論、ビタミンE
アセテートに比較してもカルドール、カルダノール、ア
ナカルド酸いずれも酸化防止作用が強いことが判明し
た。特にカルドールはB.H.A.に匹敵するほどその効果は
強い。
〔発明の効果〕 合成化合物としての酸化防止剤は種々の副作用があり、
人体に対して副作用のない天然物より得られる酸化防止
剤が求められていたが、本発明によって、カシューナッ
ツの殻の部分を利用することによって、現在用途の少な
い同原料の有効活用をはかると共に、化粧品添加用、食
品添加用の酸化防止剤として極めて有効である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カルダノール、カルドール、アナカルド酸
    よりなる群より選んだ1種以上を有効成分として含有す
    る酸化防止剤。
  2. 【請求項2】カシューナッツ殻を乾留して得たカシュー
    ナッツ殻油又は該殻をn−ヘキサンで抽出した殻油成分
    を有効成分として含む酸化防止剤。
  3. 【請求項3】カシューナッツ殻油又はカルダノール、カ
    ルドール、アナカルド酸よりなる群より選んだ1種以上
    とビタミンEを有効成分として含む酸化防止剤。
  4. 【請求項4】請求項1,2,3の何れかに記載の酸化防止剤
    を含む化粧料及び食品。
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